JP2002048749A - センサ昇温用電力制御装置 - Google Patents

センサ昇温用電力制御装置

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JP2002048749A
JP2002048749A JP2000236127A JP2000236127A JP2002048749A JP 2002048749 A JP2002048749 A JP 2002048749A JP 2000236127 A JP2000236127 A JP 2000236127A JP 2000236127 A JP2000236127 A JP 2000236127A JP 2002048749 A JP2002048749 A JP 2002048749A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の排気通路上に配設されるセンサへ
の昇温用電力の供給を適切に開始することのできるセン
サ昇温用電力制御装置を提供する。 【解決手段】 本発明は、排気通路7上に配設されたセ
ンサ23に対して昇温用電力を供給制御するセンサ昇温
用電力制御装置であって、内燃機関1の運転状態に基づ
いて排気ガス熱量又は排気ガス温度を算出し、算出され
た排気ガス熱量又は排気ガス温度、排気ガスと排気管7
aとの間の熱伝達、及び、排気管7aと外気との間の熱
伝達を考慮して排気管温度を推定する排気管温度推定手
段18、及び、排気管温度推定手段18によって推定さ
れた排気管温度が排気管7a内部に排気ガス内の水分を
結露させない温度である水分不発生温度に達していると
きに、センサ23への昇温用電力の供給を行う電力供給
開始手段18を備えていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気通
路上に配設され、電力を供給されることによって昇温さ
れるセンサへの昇温用電力の供給を制御するセンサ昇温
用電力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気通路上には、排気ガスに
関する情報を検出するセンサが配設されている。このよ
うなセンサで最も代表的なのは、排気ガス中の酸素濃度
を検出することによって排気空燃比を検出する酸素セン
サなどである。いわゆる酸素センサは、排気空燃比がス
トイキを境にリーンであるかリッチにあるかによって、
その出力を大きく変化させ、排気空燃比がリーンである
かリッチであるかをオン-オフ的に検出するものであ
る。しかし、上述したセンサとしては、排気空燃比をリ
ニアに検出するいわゆるリニア空燃比センサや、リーン
域やリッチ域においてのみリニアに検出する空燃比セン
サなどもある。あるいは、排気ガス中の未燃燃料である
炭化水素の濃度や他の成分の濃度を検出するセンサなど
もある。
【0003】そして、これらのセンサの中には、ある所
定の温度(活性化温度)にまで昇温されなければ、その
検出能力を充分に発揮することのできないものがある。
以前は、内燃機関の排気ガス自体の熱によってセンサを
昇温させていたが、これではセンサが活性化温度に達す
るまでは、有効なセンサ出力を得ることができない。近
年、排気ガスの浄化に対する改善が強く望まれるように
なり、このようなセンサにヒータを内蔵させ、このヒー
タに通電することによってセンサを強制的に昇温させ、
より早期にセンサ出力を利用できるようになってきてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように電力によっ
て昇温されるセンサにおいては、以下に説明するような
問題があった。極低温環境下(例えば外気温が-20℃な
ど)での始動時には、内燃機関のシリンダ内で燃焼され
た後の排気ガスは、まだ暖まっていない冷たい排気管に
よって冷やされて内部の水分が凝縮され、この水分が排
気管の内表面上に結露する。この水分が強制的に昇温さ
れているセンサに触れると、いわゆるサーマルショック
によってセンサ素子が損傷してしまうことがあった。
【0005】そこで、排気管の温度が結露を生じさせる
ことのない温度(以下、水分不発生温度と言うこととす
る)となるまでは、センサに対して昇温用の電力を供給
しないようにする制御が考えられた。このような制御
は、特開平8-15213号公報に記載されている。上記公報
に記載されている制御は、内燃機関の負荷を算出し、算
出された負荷が所定値以上である時間の積算値から排気
管温度を推定し、排気管温度が水分不発生温度となって
からセンサのヒータへの通電を開始するものであった。
【0006】しかし、上述した公報に記載された制御手
法では、排気管温度の検出精度が高くなく、適切な通電
開始タイミングが得られ難く、更なる精度向上が望まれ
るものであった。なお、排気管の温度を検出するために
排気管自体に温度センサを配設することも考えられる
が、この手法は上述した公報にも記載されているよう
に、コスト上昇の要因となるだけでなく、設置スペース
や経時的な特性も安定させる必要があるなど現状では実
用的ではない。そこで、やはり排気管温度を精度よく推
定し、適切な通電タイミングを得ることが要望されてい
る。
【0007】従って、本発明の目的は、内燃機関の排気
通路上に配設されるセンサへの昇温用電力の供給を適切
に開始することのできるセンサ昇温用電力制御装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のセンサ
昇温用電力制御装置は、内燃機関の排気通路上に配設さ
れて排気ガスに関する情報を検出するセンサに対して昇
温用電力を供給制御するセンサ昇温用電力制御装置であ
って、内燃機関の運転状態に基づいて排気ガス熱量又は
排気ガス温度を算出し、算出された排気ガス熱量又は排
気ガス温度、排気ガスと排気管との間の熱伝達、及び、
排気管と外気との間の熱伝達を考慮して排気管温度を推
定する排気管温度推定手段、及び、排気管温度推定手段
によって推定された排気管温度が排気管内部に排気ガス
内の水分を結露させない温度である水分不発生温度に達
しているときに、センサへの昇温用電力の供給を行う電
力供給開始手段を備えていることを特徴としている。
【0009】請求項2に記載のセンサ昇温用電力制御装
置は、請求項1に記載の発明において、排気管温度推定
手段は、排出ガスと排気管との間の熱伝達、及び、排気
管と外気との間の熱伝達を数学的にモデル化した熱伝達
モデルに基づいて、排気管の温度を推定することを特徴
としている。
【0010】
【発明の実施の形態】本実施形態の制御装置を有するエ
ンジン(内燃機関)1を図1に示す。エンジン1は、多
気筒エンジンであるが、ここではそのうちの一気筒のみ
を断面図に示す。エンジン1は、図1に示されるよう
に、点火プラグ2によって各シリンダ3内の混合気に対
して点火を行うことによって駆動力を発生する。エンジ
ン1の燃焼に際して、外部から吸入した空気は吸気通路
4を通り、インジェクタ5から噴射された燃料と混合さ
れ、混合気としてシリンダ3内に吸気される。シリンダ
3の内部と吸気通路4との間は、吸気バルブ6によって
開閉される。シリンダ3の内部で燃焼された混合気は、
排気ガスとして排気通路7に排気される。シリンダ3の
内部と排気通路7との間は、排気バルブ8によって開閉
される。
【0011】吸気通路4上には、シリンダ3内に吸入さ
れる吸入空気量を調節するスロットルバルブ9が配設さ
れている。このスロットルバルブ9には、その開度を検
出するスロットルポジションセンサ10が接続されてい
る。また、スロットルバルブ9は、スロットルモータ1
1と連結されており、スロットルモータ11の駆動力に
よって開閉される。スロットルバルブ9の近傍には、ア
クセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するアク
セルポジションセンサ12も配設されている。さらに、
吸気通路4上には、吸入空気量Gaを検出するためのエア
フロメータ13も取り付けられている。エアフロメータ
13は、吸入空気の温度を検出する吸気温センサとして
も機能する。
【0012】エンジン1のクランクシャフト近傍には、
クランクシャフトの位置を検出するクランクポジション
センサ14が取り付けられている。クランクポジション
センサ14の出力からは、シリンダ3内のピストン15
の位置や、エンジン回転数Neを求めることもできる。エ
ンジン1には、エンジン1のノッキングを検出するノッ
クセンサ16や冷却水温THWを検出する水温センサ17
も取り付けられている。
【0013】これらの点火プラグ2、インジェクタ5、
スロットルポジションセンサ10、スロットルモータ1
1、アクセルポジションセンサ12、エアフロメータ1
3、クランクポジションセンサ14、ノックセンサ1
6、水温センサ17やその他のセンサ類は、エンジン1
を総合的に制御する電子制御ユニット(ECU)18と
接続されており、ECU18からの信号に基づいて制御
され、あるいは、検出結果をECU18に対して送出し
ている。ECU18には、排気通路7上に配設された排
気浄化触媒19の温度を測定する触媒温度センサ20、
チャコールキャニスタ21によって捕集された燃料タン
ク内での蒸発燃料を吸気通路4上にパージさせるパージ
コントロールバルブ22も接続されている。
【0014】また、ECU18には、排気浄化触媒19
の上流側に取り付けられた酸素センサ23も接続されて
いる。酸素センサ23は排気ガスの酸素濃度から排気空
燃比を検出するものである。なお、酸素センサ23は、
上述したように所定の活性化温度に達しないと有効に機
能しないので、早期に活性化温度に昇温されるようにE
CU18から供給される電力によって発熱するヒータが
内蔵されている。ECU18から昇温用電力が供給され
ることによってヒータが発熱して酸素センサ23が昇温
される。
【0015】上述したエンジン1の排気通路7における
各部温度の説明図を図2に示す。以下、図2を参照しつ
つ、本実施形態の制御装置による制御について説明す
る。ここでは、図2に示されるように、排気ガスと排気
管との間の熱伝達、及び、排気管と外気との間の熱伝達
を数学的にモデル化し、このモデルを用いて排気管温度
を推定している。
【0016】図2には、上述したモデルが適用される排
気通路7の一部が示されており、その中央にモデル対象
区間が示されている。モデル対象区間の排気通路7は、
排気管7aの内部を通過している。本実施形態では、モ
デル対象区間は、シリンダ3を出た直後から酸素センサ
23までの区間である。そして、モデル対象区間の上流
側、即ち、シリンダ3から出てくる排気ガスの温度をTa
とする。このシリンダ3からの排気ガスがモデル対象区
間に流入し、排気ガスと排気管7aとの間、及び、排気
管7aと外気との間での熱のやり取りが生じた後のモデ
ル対象区間内の排気ガスの温度をTbとする。
【0017】同様に、排気ガスと排気管7aとの間、及
び、排気管7aと外気との間での熱のやり取りが生じた
後の排気管7aの温度をTwとする。そして、モデル対象
区間から下流側に流出する排気ガスの温度をTcとする。
外気温はToとする。また、これらの各温度の中には、前
回値に対して温度変化分を積算していくことによって今
回値を得るものもある。このため、以下には、便宜上、
各記号にダッシュ(')を付けたものを前回値、ダッシ
ュ(')のないものを今回値として表す。なお、エンジン
1の始動前の状態を考慮して、温度Ta,Tb,Tc,Twの初期
値は外気温Toである。
【0018】まず、本実施形態においては、下記式(I)
によってまずシリンダ3内の燃焼によって排気ガスがど
の程度の温度Taとなるかを算出する。
【数1】 式(I)中のPは点火時期、a,b,cは定数である。ここで
は、温度Taが点火時期の二次関数として近似されること
が実験を通して経験的に得られているので、式(I)のよ
うな式となる。上述した定数a,b,cも実験によって定め
られる。式(I)に示されるように、吸入空気の温度は外
気温Toであり、吸入された空気は燃焼によってaP2+bP+c
だけ高温化する。
【0019】なお、ここでは、エンジン1が低温状態下
で始動されたときの排気通路7内での水分の結露を問題
としており、エンジン1の始動直後の暖機運転下での制
御である。エンジン1の始動直後の暖機運転下では、排
気管7a、酸素センサ23、排気浄化触媒19などを早
期に昇温させるため、点火時期は排気ガスを高温化させ
ることのできる遅角側に制御される。即ち、上記式(I)
での点火時期Pは、遅角側を正として設定した値であ
る。
【0020】なお、本実施形態では、点火時期Pを用い
たモデル化によって温度Taを求めるが、他のモデル化を
採用することも可能である。その一例を以下に示す。例
えば、シリンダ3内での燃焼による単位時間(ここでは
0.05秒とする)あたりの発熱量をQとすると、発熱量Qは
下記式(I')によって得られる。
【数2】 ここで、Gaは吸入空気量、Neはエンジン回転数(rpm)、
d,eは定数である。(Ga/Ne)は一回転あたりの吸入空気量
であり、(Ne/60)は一秒あたりのエンジン回転数であ
る。即ち、(Ga/Ne)×(Ne/60)×0.05 は、0.05秒あたり
の吸入空気量であり、単位時間(0.05秒)あたりの発熱
量はこれに比例する。結局、定数部分をまとめてしまえ
ば、単位時間(0.05秒)あたりの発熱量は検出される吸
入空気量Gaに比例する。
【0021】また、シリンダ3内での燃焼による単位時
間(ここでは0.05秒とする)あたりの発熱量Qは、下記
式(I'')と表すこともできる。
【数3】 ここで、ρ1は大気の密度、C1は大気の比熱、V1は単位
時間(0.05秒)あたりの吸入空気量、ΔTa/Δtは温度Taの
時間変化率である。ρ1C1は定数として実験などによっ
て求めることが好ましい。式(I'')を変形して式(I')を
代入すると、下記式(I''')が得られる。
【数4】
【0022】さらに、V1をGa・0.05とし、Δtを0.05と
し、温度Taの初期値をToとして、式(I''')の微分方程式
を解くと、下記式(I'''')が得られる。
【数5】 ここで、定数部分をまとめて定数fとすると、下記式
(I''''')が得られる。
【数6】 即ち、このモデルでは、シリンダ3内の燃焼では、式
(I''''')に示されるように、吸入空気の温度は外気温To
であり、吸入された空気は燃焼によってfだけ高温化す
る。このようなモデルを用いることもできるが、本実施
形態では、式(I)に示されるものを用いる。
【0023】次いで、上述した温度Taの排気ガスが下流
側に流入し、排気管7aと熱のやり取りをした後の温度
がTbであるとすれば、下記式(II)式が成立する。
【数7】 ここで、温度Tb'は温度Tbの前回値、h1は排気ガスと排
気管7aとの間の熱伝達係数、S1は排気ガスと排気管7
aとの間の熱伝達面積、V2はモデル対象区間内の排気ガ
スの体積である。なお、h1S1も、ρ1C1と同様に実験な
どによって求めることが好ましい。
【0024】ρ1C1V1Taはモデル対象区間に流入する排
気ガスの持つ熱量である。また、モデル対象区間内の排
気ガスの前回値温度Tb'が、モデル対象区間から流出す
る排気ガスの今回値温度Tcに等しい(即ち、Tb'=Tc)こと
を考慮すると、ρ1C1V1Tb'はモデル対象区間から流出す
る排気ガスの持つ熱量である。これらのことを考慮すれ
ば、式(II)の左辺第一項ρ1C1V1(Ta-Tb')は、モデル対
象区間に流入する排気ガスが有している熱量とモデル対
象区間から流出する排気ガスが有している熱量との差で
ある。そして、このρ1C1V1(Ta-Tb')は、モデル対象区
間内の排気ガスが有している熱量の変化量とモデル対象
区間内の排気ガスから排気管7aに伝達された熱量との
和に等しい。
【0025】また、h1S1(Tb-Tw')は、モデル対象区間内
の排気ガスの温度Tbとそれまでの排気管7aの温度(即
ち排気管温度Twの前回値温度Tw')との差に応じて、排
気ガスから排気管7aに伝達される熱量である。このた
め、式(II)の左辺第一項から左辺第二項を引くことによ
って、モデル対象区間内の排気ガスが有している熱量の
変化量が得られる。また、モデル対象区間内の排気ガス
の熱量の変化量は、式(II)の右辺のようにも規定できる
ので、式(II)が成立する。
【0026】式(II)変形することによって、下記式(I
I')が得られる。
【数8】 このΔTbをTb=Tb'+ΔTbの式に代入すると、今回値温度T
b以外の各値は定数や前回値、吸入空気量Gaやエンジン
回転数Neなどから決定されるため、温度Tbについての方
程式が得られる。Tb=Tb'+ΔTbは、前回値に変化量を加
えると今回値になるという式である。この温度Tbに関す
る方程式を解けば今回値温度Tbが得られる。なお、式(I
I')を微分方程式として解いて温度Tbの式を求め、これ
を演算することによっても温度Tbを得ることができる。
しかし、この手法は演算が複雑になるため、本実施形態
ではECU18の演算処理能力などを考慮して上述した
手法によって、今回値温度Tbを得るようにしている。
【0027】次いで、排気管7aに注目し、モデル対象
区間内の排気ガスから受け取った熱量と排気管7aから
外気に伝達された熱量を考慮して、最終的に排気管温度
Twを算出する。ここでは、下記式(III)が成立する。
【数9】 ここで、h2は外気と排気管7aとの間の熱伝達係数、S2
は外気と排気管7aとの間の熱伝達面積、ρ2は排気管
7aの密度、C2は排気管7aの比熱、V3は排気管7aか
ら外気への熱伝達の対象となる排気管7aの体積であ
る。なお、h2S2も、ρ1C1やh1S1と同様に実験などによ
って求めることが好ましい。
【0028】式(III)の左辺第一項のh1S1(Tb-Tw)は、排
気管温度Twとモデル対象区間内の排気ガスの温度Tbとの
差に応じて、排気ガスから排気管7aに伝達される熱量
である。また、式(III)の左辺第二項のh2S2(Tw-To)は、
排気管温度Twと外気温Toとの差に応じて、排気管7aか
ら外気に伝達される熱量である。このため、式(III)の
左辺第一項から左辺第二項を引くことによって、排気管
7aが有している熱量の変化量が得られる。また、排気
管7aが有している熱量の変化量は、式(III)の右辺の
ようにも規定できるので、式(III)が成立する。
【0029】式(III)変形することによって、下記式(II
I')が得られる。
【数10】 このΔTwをTw=Tw'+ΔTwの式に代入すると、今回値排気
管温度Tw以外の各値は定数や前回値であるため、排気管
温度Twについての方程式が得られる。Tw=Tw'+ΔTwは、
前回値に変化量を加えると今回値になるという式であ
る。この排気管温度Twに関する方程式を解けば今回値排
気管温度Twが得られる。なお、式(II')についても説明
したように、式(III')を微分方程式として解いて排気管
温度Twの式を求め、これを演算することによっても排気
管温度Twを得ることができる。しかし、この手法は演算
が複雑になるため、本実施形態ではECU18の演算処
理能力などを考慮して上述した手法によって、今回値排
気管温度Twを得るようにしている。
【0030】次に、上述した排気管温度Twの推定手法を
用いて、酸素センサ23のヒータへの昇温用電力の通電
に関する制御について説明する。この制御のフローチャ
ートを図3に示す。
【0031】図3に示されるフローチャートの制御は、
イグニッションオンの後開始される。まず、エンジンが
完爆した後であるか否かを判定する(ステップ10
0)。以下の制御を行う上で、ステップ100では、エ
ンジン1が確実に運転を開始しているか否かを予め判定
しておく。ステップ100が否定されるようであれば、
再度ステップ100を繰り返し判定し、ステップ100
が肯定されるまで待つ。ステップ100が肯定された場
合は、次にエアフロメータ13によって検出される吸気
温が-10℃以下であるか否かを判定する(ステップ11
0)。
【0032】ステップ110が否定される場合、即ち、
吸気温が-10°を超えているような場合は、排気管7a
の温度がすぐに水分不発生温度に達するので、排気管7
a内の結露による水分で酸素センサ23が損傷する危険
性はないとして、すぐに酸素センサ23への昇温用電力
が供給される(ステップ140)。一方、ステップ11
0が肯定される場合、即ち、吸気温が-10℃以下である
場合は、排気管7aの内部に水分が結露する可能性があ
ると判断できる。このような場合は、まず、上述した手
法によって、各種センサの出力などを基に、ECU18
によって排気管7aの温度Twを推定する(ステップ12
0)。
【0033】次いで、算出された排気管温度Twが、所定
値Tmよりも大きいか否かを判定する(ステップ13
0)。この温度Tmは、排気管7aがこの温度以上であれ
ば排気ガス中の水分が排気管7aの内部で結露しないと
いう水分不発生温度である。発明者らは、実験を通して
この温度が52〜54℃程度であることを発見した。排気管
7aの温度がこの温度であれば、排気管7aの内部で水
分が発生し、この水分で酸素センサ23が破損してしま
うことがないと判断できる。ステップ130が否定され
るようであれば、再度ステップ120に戻って排気管7
aの排気管温度Twの算出を継続され、ステップ130が
肯定されるまで続けられる。
【0034】そして、ステップ130が肯定されるよう
になったところで、酸素センサ23への昇温用電力の供
給が開始される(ステップ140)。このときには、排
気管7aの温度は水分不発生温度に達しており、排気管
7a内で水分が結露することはなく、酸素センサ23が
ヒータで暖められても水分による損傷は生じ得ない。即
ち、本実施形態によれば、酸素センサ23への昇温用電
力の供給を適切に開始することができ、酸素センサ23
の損傷を防止することができる。
【0035】また、本実施形態によれば、排気管温度Tw
の推定に必要な定数を決定するための実験を一回(数回
でも良いが)行うだけでよい。従来、推定した排気管温
度に基づいて昇温用電力の通電を開始するようなことを
していなかったときには、排気管内に発生した水分がセ
ンサ内部に入り込まないように、エンジン毎に防水カバ
ーの形状をチューニングしており、この作業に多大な開
発工数を必要としていた。これに対して、本実施形態の
制御装置よれば、排気管の内部に水分が発生することが
なくなってから昇温用の電力を供給するので、多大な開
発工数を必要とすることはない。
【0036】また、排気管温度を推定し、推定した排気
管温度に基づいて昇温用電力の通電を開始する場合であ
っても、従来は、エンジンの運転状態毎にマップを作成
していたため、予めマップを作成するための実験回数は
非常に多く、開発工数が膨大であった。これに対して本
実施形態の制御装置は予め行わなくてはならない実験回
数を大幅に削減することができる。
【0037】本発明は、上述した各実施形態に限定され
るものではない。例えば、上述した実施形態において
は、吸気温をエアフロメータ13を利用して検出した
が、吸気温センサを設け、これによって吸気温を検出し
ても良い。また、排気管温度Twの算出を数学的なモデル
を用いて算出する場合には、必ずしも上述した式を用い
たモデルでなくても良く、排出ガスと排気管との間の熱
伝達、及び、排気管と外気との間の熱伝達を数学的にモ
デル化した熱伝達モデルであればどのようなものであっ
ても良い。
【発明の効果】
【0038】請求項1に記載の発明によれば、内燃機関
の運転状態に基づいて排気ガス熱量又は排気ガス温度を
算出し、算出された排気ガス熱量又は排気ガス温度、排
気ガスと排気管との間の熱伝達、及び、排気管と外気と
の間の熱伝達を考慮して排気管温度を推定し、推定され
た排気管温度が排気管内部に排気ガス内の水分を結露さ
せない温度である水分不発生温度に達しているときにセ
ンサへの昇温用電力の供給を行うので、センサへの昇温
用電力の供給を適切に開始することができ、センサの損
傷を防止することができる。
【0039】請求項2に記載の発明によれば、上述した
請求項1に記載発明による効果に加えて、熱伝達モデル
を用いて排気管の温度を推定するため、新たなセンサな
どを必要とせずに正確な温度推定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御装置の一実施形態を有する内燃機
関を示す断面図である。
【図2】排気通路上のモデル対象区間における排気ガス
温度と排気ガス熱量とを模式的に示した説明図である。
【図3】本発明の制御装置によるセンサ昇温用電力制御
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)、7…排気通路、7a…排気
管、13…エアフロメータ、18…ECU(排気管温度
推定手段、電力供給開始手段)、23…酸素センサ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路上に配設されて排気
    ガスに関する情報を検出するセンサに対して昇温用電力
    を供給制御するセンサ昇温用電力制御装置であって、 前記内燃機関の運転状態に基づいて排気ガス熱量又は排
    気ガス温度を算出し、算出された排気ガス熱量又は排気
    ガス温度、排気ガスと排気管との間の熱伝達、及び、排
    気管と外気との間の熱伝達を考慮して排気管温度を推定
    する排気管温度推定手段、及び、前記排気管温度推定手
    段によって推定された排気管温度が排気管内部に排気ガ
    ス内の水分を結露させない温度である水分不発生温度に
    達しているときに、前記センサへの昇温用電力の供給を
    行う電力供給開始手段を備えていることを特徴とするセ
    ンサ昇温用電力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記排気管温度推定手段は、排出ガスと
    排気管との間の熱伝達、及び、排気管と外気との間の熱
    伝達を数学的にモデル化した熱伝達モデルに基づいて、
    排気管の温度を推定することを特徴とする請求項1に記
    載のセンサ昇温用電力制御装置。
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