JP4936138B2 - 混合燃料の性状判定方法および装置ならびに内燃機関の運転制御方法および装置 - Google Patents

混合燃料の性状判定方法および装置ならびに内燃機関の運転制御方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、混合燃料の性状判定方法および装置ならびにこのような混合燃料を使用する内燃機関の運転制御方法および装置に関する。
現状の内燃機関に対する制御システムは、その多くを電子制御に依存している。一般的には予め設定された内燃機関の基本駆動条件に対し、気温や冷却水温などの環境条件や燃料の性状などに応じて予め用意された補正マップ、すなわちルックアップテーブルから補正情報を取得してフィードバック制御や学習制御などを行っている。
ところで、化石燃料の枯渇化に向け、エタノールやメタノールなどのバイオ燃料やGTL(Gas To Liquid)などの天然ガス由来の燃料が着目されており、例えばガソリンに対して一定割合のアルコールを混合した混合燃料が一部の国や地域などで用いられている。このような混合燃料を使用する内燃機関においては、燃料の性状がある一定の範囲内にあることを前提として制御システムが構築されている。
しかしながら、各国の燃料供給事情や社会情勢などにより、地域によってベースとなる化石燃料、つまりガソリンの性状に大きなばらつきが生ずる場合がある。このような場合、内燃機関を円滑に制御することが困難となることが考えられる。このため、例えば特許文献1にあるように筒内圧センサを利用して燃焼室に供給される燃料の低位発熱量を求め、これに基づいて点火時期や燃料供給量の補正を行うことが提案されている。
特開昭64−88153号公報
ガソリンに対して性状が大きく異なるアルコール燃料を添加した混合燃料を使用する場合であっても、ベースとなるガソリンの性状に基づいて燃料供給量や点火時期を設定する必要がある。
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、混合燃料の低位発熱量を算出したり、ガソリンに対するアルコール燃料の混合比を算出したりすることが可能ではあるけれども、ベースとなるガソリンあるいはアルコール燃料自体の性状を把握することが基本的にできない。このため、混合燃料の低位発熱量に基づいて燃料供給量や点火時期を補正したとしても、少なくともベース燃料の性状が不明な状態であるため、内燃機関の最適な運転制御を行うことが不可能である。
本発明の主たる目的は、性状が未知の第1燃料と性状が既知の第2燃料とを混合してなる混合燃料の性状を正確に判定するための方法ならびにその装置を提供することにある。また、このような混合燃料を用いた内燃機関の円滑な運転制御方法ならびにその装置を提供することも本発明の目的に含まれる。
本発明の第1の形態は、低位発熱量が既知の第1燃料およびこの第1燃料と異なる性状を持ち、かつ低位発熱量が既知の第2燃料を混合してなる混合燃料の低位発熱量を求めるステップと、第1燃料に対する第2燃料の混合比を求めるステップと、第2燃料の混合比に対応した割合の第2燃料の低位発熱量を混合燃料の低位発熱量から減算して第1燃料の低位発熱量を求めるステップとを具えたことを特徴とする燃料の性状判定方法にある。
本発明の第1の形態による燃料の性状判定方法において、第1燃料が化石燃料であり、第2燃料がアルコール燃料であってよい。
本発明の第2の形態は、低位発熱量が未知の第1燃料およびこの第1燃料と異なる性状を持ち、かつ低位発熱量が既知の第2燃料を混合してなる混合燃料が供給される内燃機関の燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサと、この筒内圧センサからの検出信号に基づいて燃焼室に供給された混合燃料の低位発熱量を算出する混合燃料発熱量算出部と、第1燃料に対する第2燃料の混合比を検出する燃料濃度センサと、この燃料濃度センサにより検出される第2燃料の混合比に対応した割合の第2燃料の低位発熱量を前記混合燃料発熱量算出部にて算出された混合燃料の低位発熱量から減算して第1燃料の低位発熱量を算出する第1燃料発熱量算出部とを具えたことを特徴とする燃料の性状判定装置にある。
本発明においては、混合燃料発熱量算出部が筒内圧センサからの検出信号に基づいて燃焼室に供給された混合燃料の低位発熱量を算出する。第1燃料発熱量算出部は、燃料濃度センサにより検出される第2燃料の混合比に対応した割合の第2燃料の既知低位発熱量を混合燃料発熱量算出部にて算出された混合燃料の低位発熱量から減算することにより、第1燃料の低位発熱量を算出する。
本発明の第2の形態による燃料の性状判定装置において、第2燃料がアルコールであり、燃料濃度センサがアルコール濃度センサであってよい。
本発明の第3の形態は、低位発熱量が未知のベース燃料およびこのベース燃料と異なる性状を持ち、かつ低位発熱量が既知の添加燃料を混合してなる混合燃料が供給される内燃機関の運転制御方法であって、車両の走行状態に基づいて内燃機関に対する駆動条件を設定するステップと、混合燃料の低位発熱量を求めるステップと、ベース燃料に対する添加燃料の混合比を求めるステップと、添加燃料の混合比に応じた割合の添加燃料の低位発熱量を混合燃料の低位発熱量から減算してベース燃料の低位発熱量を求めるステップと、ベース燃料の低位発熱量に基づき、車両の走行状態に基づいて設定された内燃機関に対する駆動条件を補正するステップとを具えたことを特徴とするものである。
本発明の第3の形態による内燃機関の運転制御方法において、ベース燃料が化石燃料であり、添加燃料がアルコール燃料であってよい。
また、車両の走行状態に基づいて設定される内燃機関に対する駆動条件が内燃機関に対する燃料供給量であってよい。あるいは、内燃機関が火花点火方式の内燃機関であり、車両の走行状態に基づいて設定される内燃機関に対する駆動条件が点火時期の遅角量であってよい。
車両の走行状態に基づいて設定された内燃機関に対する駆動条件を補正するステップが、さらに添加燃料の混合比に基づいて内燃機関に対する駆動条件を補正するステップを含むことができる。
本発明の第4の形態は、低位発熱量が未知のベース燃料およびこのベース燃料と異なる性状を持ち、かつ低位発熱量が既知の添加燃料を混合してなる混合燃料が供給される内燃機関の運転制御装置であって、車両の走行状態に基づいて内燃機関に対する駆動条件を設定する駆動条件設定部と、内燃機関の燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサと、この筒内圧センサからの検出信号に基づいて燃焼室に供給された混合燃料の低位発熱量を算出する混合燃料発熱量算出部と、ベース燃料に対する添加燃料の混合比を検出する燃料濃度センサと、この燃料濃度センサにより検出される添加燃料の混合比に応じた割合の添加燃料の低位発熱量を前記混合燃料発熱量算出部にて算出された混合燃料の低位発熱量から減算してベース燃料の低位発熱量を算出するベース燃料発熱量算出部と、このベース燃料発熱量算出部にて算出されたベース燃料の低位発熱量に基づき、前記駆動条件設定部にて設定された内燃機関の駆動条件を補正する駆動条件補正部とを具えたことを特徴とするものである。
本発明においては、混合燃料発熱量算出部が筒内圧センサからの検出信号に基づいて燃焼室に供給された混合燃料の低位発熱量を算出する。ベース燃料発熱量算出部は、燃料濃度センサによって検出された添加燃料の混合比に対応した割合の添加燃料の既知低位発熱量を混合燃料発熱量算出部にて算出された混合燃料の低位発熱量から減算することにより、ベース燃料の低位発熱量を算出する。駆動条件補正部は、ベース燃料発熱量算出部にて算出されたベース燃料の低位発熱量に基づき、駆動条件設定部にて設定された内燃機関に対する駆動条件を補正する。
本発明の第4の形態による内燃機関の運転制御装置において、添加燃料がアルコールであり、燃料濃度センサがアルコール濃度センサであってよい。
また、駆動条件設定部にて設定される内燃機関に対する駆動条件が内燃機関に対する燃料供給量であってよい。あるいは、内燃機関が火花点火方式の内燃機関であり、駆動条件設定部にて設定される内燃機関に対する駆動条件が点火時期の遅角量であってよい。
駆動条件補正部は、燃料濃度センサによって検出された添加燃料の混合比に基づき、駆動条件設定部にて設定された内燃機関の駆動条件をさらに補正するものであってよい。
本発明の第1の形態の燃料の性状判定方法によると、混合燃料の低位発熱量を求め、低位発熱量が未知の第1燃料に対する低位発熱量が既知の第2燃料の混合比を求め、第2燃料の混合比に応じた割合の第2燃料の低位発熱量を混合燃料の低位発熱量から減算して第1燃料の低位発熱量を求めるようにしたので、性状が未知の第1燃料中に性状が既知の第2燃料が含まれている場合には、第1燃料の低位発熱量を正確に把握することができる。
本発明の第2の形態の燃料の性状判定装置によると、燃料濃度センサにより検出される第2燃料の混合比に対応した割合の第2燃料の低位発熱量を混合燃料発熱量算出部にて算出された混合燃料の低位発熱量から減算して第1燃料の低位発熱量を算出する第1燃料発熱量算出部を具えているので、性状が未知の第1燃料中に性状が既知の添加燃料が含まれている場合には、筒内圧センサと燃料濃度センサとを利用して第1燃料の低位発熱量を簡便かつ正確に求めることができる。
本発明の第3の形態の内燃機関の運転制御方法によると、混合燃料の低位発熱量とベース燃料に対する添加燃料の混合比とを求めた後、添加燃料の混合比に対応した割合の添加燃料の低位発熱量を混合燃料の低位発熱量から減算してベース燃料の低位発熱量を求め、ベースと燃料の低位発熱量に基づき、車両の走行状態に基づいて設定された内燃機関に対する駆動条件を補正するようにしたので、性状が未知のベース燃料中に性状が既知の添加燃料が含まれている場合、ベース燃料の低位発熱量を正確に把握して内燃機関に対する駆動条件を最適に設定することができる。
本発明の第4の形態の内燃機関の運転制御装置によると、燃料濃度センサにより検出される添加燃料の混合比に対応した割合の添加燃料の低位発熱量を混合燃料発熱量算出部にて算出された混合燃料の低位発熱量から減算してベース燃料の低位発熱量を算出するベース燃料発熱量算出部と、ベース燃料発熱量算出部にて算出されるベース燃料の低位発熱量に基づき、駆動条件設定部にて設定された内燃機関に対する駆動条件を補正する駆動条件補正部とを具えているので、性状が未知のベース燃料中に性状が既知の添加燃料が含まれている場合、筒内圧センサと添加燃料濃度センサとを利用してベース燃料の低位発熱量を簡便かつ正確に算出し、これによって内燃機関に対する駆動条件を最適に補正することができる。
本発明を火花点火方式の内燃機関が搭載された車両に応用した実施形態について、図1〜図5を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこのような実施形態のみに限らず、本発明の精神に帰属する他の任意の技術にも応用することができる。
本実施形態におけるエンジンシステムの概念を図1に示し、その主要部の制御ブロックを図2に示す。本実施形態におけるエンジン10は、燃料タンク11内に貯溜された燃料Fを燃料タンク11と燃料噴射弁12との間に配された燃料供給配管系13を介して燃料噴射弁12から燃焼室14内に直接噴射し、点火プラグ15によって着火させる火花点火方式のものである。本実施形態で用いられる燃料Fは、ベース燃料としてのガソリンと添加燃料としてのアルコールとを混合したものであるが、ガソリンの性状、つまり低位発熱量が未知であって、アルコールの性状、つまり低位発熱量が既知である。本実施形態のように、ガソリンの性状が未知であってアルコールの性状が既知であることは一例であって、この逆の関係でも構わない。一般的には、ガソリンに対するアルコールの混合比が高いほど、同一出力に対して燃料供給量を増大させる必要があり、かつ点火時期の進角量を大きくする必要がある。
燃料タンク11には、ガソリン中に占めるアルコールの割合、つまりアルコールの混合比(以下、これを単にアルコール濃度と記述する)を検出するアルコール濃度センサ16が組み込まれ、その検出信号がECU17に出力されるようになっている。なお、このアルコール濃度センサ16を燃料供給配管系13の途中に組み込むようにしてもよい。
燃焼室14にそれぞれ臨む吸気ポート18および排気ポート19が形成されたシリンダヘッド20には、吸気ポート18を開閉する吸気弁21および排気ポート19を開閉する排気弁22を含む動弁機構が組み込まれている。先の燃料噴射弁12や、燃焼室14内の混合気を着火させる点火プラグ15およびこの点火プラグ15に火花を発生させるイグニッションコイル23の他に、燃焼室14内の圧力を検出するための筒内圧センサ24もシリンダヘッド20に組み込まれている。筒内圧センサ24によって検出された信号は、ECU17に出力される。本実施形態における燃料噴射弁12は、混合燃料Fを燃焼室14内に直接噴射する直噴形式のものを採用しているが、吸気ポート18内に噴射するポート噴射形式のものを採用することも可能である。
吸気ポート18に連通するようにシリンダヘッド20に連結されて吸気ポート18と共に吸気通路25を画成する吸気管26の上流端側には、大気中に含まれる塵埃などを除去して吸気通路25に導くためのエアクリーナ27が設けられている。このエアクリーナ27と、吸気管26の途中に形成されたサージタンク28との間の吸気管26の部分には、運転者によって操作されるアクセルペダル29の踏み込み量に基づき、スロットルアクチュエータ30を介して吸気通路25の開度が調整されるスロットル弁31が組み込まれている。このため、アクセルペダル29にはその踏み込み量を検出するためのアクセル開度センサ32が付設され、その検出情報がECU17に出力されるようになっている。本実施形態では、アクセルペダル29の踏み込み動作と、スロットル弁31の開閉動作とを機械的に切り離し、スロットルアクチュエータ30を用いてスロットル弁31の開閉動作を電気的に制御できるようにしているが、アクセルペダル29とスロットル弁31とを機械的に連結したものであってもよい。この場合には、アクセル開度センサ32に代えてスロットル弁31の開度を検出するスロットル開度センサを用いることも可能である。
スロットル弁31とエアクリーナ27との間の吸気管26の途中には、吸気通路25内を流れる吸気流量を検出してこれをECU17に出力するエアフローメータ33が取り付けられている。吸気管26におけるエアフローメータ33の取り付け位置は、スロットル弁31の取り付け位置よりも上流側であればよく、図1の如き位置に限定されるものではない。
ピストン34が往復動するシリンダブロック35には、連接棒36を介してピストン34が連結されるクランク軸37の回転位相、つまりクランク角を検出してこれをECU17に出力するクランク角センサ38が取り付けられている。
排気ポート19に連通するようにシリンダヘッド20に連結されて排気ポート19と共に排気通路39を画成する排気管40の途中には、燃焼室14内での混合気の燃焼により生成する有害物質を無害化するための三元触媒41が組み込まれている。なお、この三元触媒41を排気通路39に沿って直列に複数個組み込んだり、他の形式の触媒を組み込むことも有効である。
従って、エアクリーナ27を通って吸気管26から燃焼室14内に供給される吸気は、燃料噴射弁12から燃焼室14内に噴射される燃料Fと混合気を形成し、点火プラグ15の火花により着火して燃焼し、これによって生成する排気ガスが三元触媒41を通って排気管40から大気中に排出される。
ECU17は、上述したセンサ16,24,32,38およびエアフローメータ33からの検出情報などに基づき、予め設定されたプログラムに従って円滑なエンジン10の運転がなされるように、燃料噴射弁12やイグニッションコイル23などの作動を制御するようになっている。燃料噴射弁12からの燃料Fの噴射量は、エアフローメータ33,クランク角センサ38などからの車両の運転状態や、アクセル開度センサ32からの検出信号、つまり運転者によって操作されるアクセルペダル29の踏み込み量などに関する情報に基づき、スロットル弁31の開度に応じた吸気量に対して所定の割合となるように、ECU17内に組み込まれた燃料噴射量設定部42にて設定される。また、イグニッションコイル23に対する通電時期は、アクセル開度センサ32およびクランク角センサ38などからの車両の運転状態に関する情報に基づいてECU17の点火時期設定部43にて各気筒毎に設定される。
本実施形態におけるECU17は、燃料F中のアルコール濃度と、ガソリンの性状、つまりベース燃料の低位発熱量とに基づき、燃料噴射量設定部42にて設定された燃料噴射量を補正すると共に点火時期設定部43にて設定された点火時期を補正する機能も具えている。このため、先の燃料噴射量設定部42および点火時期設定部43の他に、混合燃料低位発熱量算出部44と、ベース燃料低位発熱量算出部45と、噴射量補正部46と、点火時期補正部47とをさらに有する。
混合燃料低位発熱量算出部44は、性状が未知のベース燃料の低位発熱量を算出するために筒内圧センサ24およびクランク角センサ38からの検出信号を利用して混合燃料Fの低位発熱量QMを予め算出し、これをベース燃料低位発熱量算出部45に出力するものである。その具体的な理論や詳細な構成などについては、特開昭63−268951号公報,特開平4−81557号公報,特開平4−81534号公報,特開2001−152952号公報,特開2005−30332号公報,特開2007−40208号公報に記載されている。すなわち、混合燃料低位発熱量算出部44は、まず、膨張行程における燃焼室14内の圧力、つまり筒内圧Pと、この筒内圧Pの検出時における燃焼室14の容積Vを所定の指数κで累乗した値との積PVκを筒内圧Pの検出時における瞬時熱発生量hに関する制御パラメータ、つまり熱発生量指標として算出する。
筒内圧Pおよびこの筒内圧Pの検出時における燃焼室14の容積Vを指数κで累乗した値Vκの積(以下、これを熱発生量パラメータと呼称する)PVκと、瞬時熱発生量hとが相関を有する、つまりh∽PVκとなることは、特開2005−36754号公報などで詳述されており、周知である。
次に、算出された熱発生量パラメータPVκを燃料噴射量設定部42にて設定された1つの気筒への1サイクル当たりの燃料Fの供給量(以下、これを設定噴射量と呼称する)τで除算した値を真の混合燃料Fの発熱量である低位発熱量QMに関する制御パラメータ、つまり低位発熱量指標h/τとして算出する。低位発熱量QMは、瞬時熱発生量hを設定噴射量τで除算したものであるが、上述したh∽PVκの関係から、QM∽PVκ/τとして表すことができる。
なお、この低位発熱量QMは、アルコール濃度が高くなるほど少なくなる傾向がある。また、その算出方法については、上述したような実施形態に限らず、他の周知の手法を採用することも当然可能である。
このようにして混合燃料低位発熱量算出部44にて算出されたPVκ/τは、低位発熱量QMとしてベース燃料低位発熱量算出部45に出力される。本実施形態では、添加燃料であるアルコールの性状、つまり低位発熱量が上述したように既知であり、ベース燃料低位発熱量算出部45は、この添加燃料の低位発熱量QAを記憶している。そして、混合燃料低位発熱量算出部44にて算出された混合燃料Fの低位発熱量QMと、アルコール濃度センサ16によって検出される混合燃料F中のアルコール濃度CA(%)とから、ベース燃料の低位発熱量QBを下式により算出する。
B=(100QM/CA)−{CA・QA/(100−CA)}
ベース燃料低位発熱量算出部45にて算出されたベース燃料の低位発熱量に関するデータは、噴射量補正部46および点火時期補正部47に出力される。
アルコール濃度センサ16からの検出情報も伝達される噴射量補正部46は、図3に示す如きベース燃料の低位発熱量に対応した補正燃料量のマップを有し、これはアルコール濃度に応じて複数種類具えている。基本的にはアルコール濃度が高くなるほど補正燃料量が増大するように、図3中のグラフが上方にほぼ平行移動する傾向となっている。燃料噴射量設定部42にて設定された燃料噴射量は、噴射量補正部46にて得られた補正燃料量で補正され、対応する量の燃料Fが燃料噴射弁12から噴射されるように、噴射弁駆動制御部48が燃料噴射弁12の作動を制御する。
アルコール濃度センサ16からの検出情報も伝達される点火時期補正部47も噴射量補正部46と同様に、図4に示す如きベース燃料の低位発熱量に対応した点火時期補正量のマップを有し、これはアルコール濃度に応じて複数種類具えている。基本的にはアルコール濃度が高くなるほどリタード量が低下、つまり進角量が増大するように、図4中のグラフが下方にほぼ平行移動する傾向となっている。点火時期設定部43にて設定された点火時期は、点火時期補正部47にて得られた点火時期補正量で補正され、補正後の点火時期にて点火プラグ15が点火するように、イグニッションコイル駆動制御部49がイグニッションコイル23の作動を制御する。
このような一連の制御手順について図5を参照して説明すると、まず、S11のステップにてアクセル開度センサ32,エアフローメータ33,クランク角センサ38などの各種センサ類からの出力を取り込み、S12のステップにて車両の運転状態に応じた燃料噴射量および点火時期を燃料噴射量設定部42および点火時期設定部43にて設定する。
次に、S13のステップにて筒内圧センサ24およびクランク角センサ38からの出力を取り込み、膨張行程における燃焼室14内の筒内圧Pと、この筒内圧Pの検出時における燃焼室14の容積Vを指数κで累乗した値との積PVκを混合燃料低位発熱量算出部44にて算出する。
また、この混合燃料低位発熱量算出部44は、S12のステップにて設定された燃料噴射量τをS15のステップにて読み込み、PVκ/τを混合燃料低位発熱量QMとしてS16のステップにて算出する。
さらに、S17のステップにてアルコール濃度センサ16の出力が読み込まれ、このアルコール濃度と先の混合燃料低位発熱量QMとに基づき、S18のステップにてベース燃料の低位発熱量QBがベース燃料低位発熱量算出部45にて算出される。
このベース燃料低位発熱量算出部45にて算出されたベース燃料の低位発熱量QBに基づき、S19のステップにて噴射量補正部46および点火時期補正部47が燃料噴射補正量および点火時期補正量を設定し、これに基づいて燃料噴射弁12の作動およびイグニッションコイル23の作動が制御される。
なお、上述したS12〜S19のステップにおける処理は、エンジン10が不安定な燃焼状態となる冷態始動時などではなく、安定な燃焼状態下において実行されるものであることは言うまでもない。
このように、エンジン10の駆動条件を大きく左右する性状が未知のベース燃料(ガソリン)の低位発熱量をアルコール濃度センサ16と筒内圧センサ24とクランク角センサ38とからの情報に基づき、混合燃料低位発熱量算出部44を介してベース燃料低位発熱量算出部45にて正確に把握することにより、エンジン10の駆動条件を最適に制御することができる。
なお、本発明はその特許請求の範囲に記載された事項のみから解釈されるべきものであり、上述した実施形態においても、本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が記載した事項以外に可能である。つまり、上述した実施形態におけるすべての事項は、本発明を限定するためのものではなく、本発明とは直接的に関係のないあらゆる構成を含め、その用途や目的などに応じて任意に変更し得るものである。
本発明を火花点火方式の内燃機関が搭載された車両に応用した一実施形態の概念図である。 図1に示した実施形態における主要部の制御ブロック図である。 ベース燃料の低位発熱量と燃焼室に供給される補正燃料量との関係を模式的に表すグラフである。 ベース燃料の低位発熱量と点火時期の遅角量との関係を模式的に表すグラフである。 図1に示した実施形態における制御手順を表すフローチャートである。
符号の説明
F 混合燃料
10 エンジン
11 燃料タンク
12 燃料噴射弁
13 燃料供給配管系
14 燃焼室
15 点火プラグ
16 アルコール濃度センサ
17 ECU
18 吸気ポート
19 排気ポート
20 シリンダヘッド
21 吸気弁
22 排気弁
23 イグニッションコイル
24 筒内圧センサ
25 吸気通路
26 吸気管
27 エアクリーナ
28 サージタンク
29 アクセルペダル
30 スロットルアクチュエータ
31 スロットル弁
32 アクセル開度センサ
33 エアフローメータ
34 ピストン
35 シリンダブロック
36 連接棒
37 クランク軸
38 クランク角センサ
39 排気通路
40 排気管
41 三元触媒
42 燃料噴射量設定部
43 点火時期設定部
44 混合燃料低位発熱量算出部
45 ベース燃料低位発熱量算出部
46 噴射量補正部
47 点火時期補正部
48 噴射弁駆動制御部
49 イグニッションコイル駆動制御部

Claims (8)

  1. 低位発熱量が未知の第1燃料と、この第1燃料と異なる性状を持ち、かつ低位発熱量が既知の第2燃料とを混合してなる混合燃料の低位発熱量を求めるステップと、
    第1燃料に対する第2燃料の混合比を求めるステップと、
    第2燃料の混合比に対応した割合の第2燃料の低位発熱量を混合燃料の低位発熱量から減算して第1燃料の低位発熱量を求めるステップと
    を具えたことを特徴とする混合燃料の性状判定方法。
  2. 低位発熱量が未知の第1燃料と、この第1燃料と異なる性状を持ち、かつ低位発熱量が既知の第2燃料とを混合してなる混合燃料が供給される内燃機関の燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサと、
    この筒内圧センサからの検出信号に基づいて燃焼室に供給された混合燃料の低位発熱量を算出する混合燃料発熱量算出部と、
    第1燃料に対する第2燃料の混合比を検出する燃料濃度センサと、
    この燃料濃度センサにより検出される第2燃料の混合比に対応した割合の第2燃料の低位発熱量を前記混合燃料発熱量算出部にて算出された混合燃料の低位発熱量から減算して第1燃料の低位発熱量を算出する第1燃料発熱量算出部と
    を具えたことを特徴とする混合燃料の性状判定装置。
  3. 低位発熱量が未知のベース燃料と、このベース燃料と異なる性状を持ち、かつ低位発熱量が既知の添加燃料とを混合してなる混合燃料が供給される内燃機関の運転制御方法であって、
    車両の走行状態に基づいて内燃機関に対する駆動条件を設定するステップと、
    混合燃料の低位発熱量を求めるステップと、
    ベース燃料に対する添加燃料の混合比を求めるステップと、
    添加燃料の混合比に対応した割合の添加燃料の低位発熱量を混合燃料の低位発熱量から減算してベース燃料の低位発熱量を求めるステップと、
    ベース燃料の低位発熱量に基づき、車両の走行状態に基づいて設定された内燃機関に対する駆動条件を補正するステップと
    を具えたことを特徴とする内燃機関の運転制御方法。
  4. 車両の走行状態に基づいて設定される内燃機関に対する駆動条件が内燃機関に対する燃料供給量であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の運転制御方法。
  5. 内燃機関が火花点火方式の内燃機関であり、車両の走行状態に基づいて設定される内燃機関に対する駆動条件が点火時期の遅角量であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の内燃機関の運転制御方法。
  6. 低位発熱量が未知のベース燃料と、このベース燃料と異なる性状を持ち、かつ低位発熱量が既知の添加燃料とを混合してなる混合燃料が供給される内燃機関の運転制御装置であって、
    車両の走行状態に基づいて内燃機関に対する駆動条件を設定する駆動条件設定部と、
    内燃機関の燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサと、
    この筒内圧センサからの検出信号に基づいて燃焼室に供給された混合燃料の低位発熱量を算出する混合燃料発熱量算出部と、
    ベース燃料に対する添加燃料の混合比を検出する添加燃料濃度センサと、
    この添加燃料濃度センサにより検出される添加燃料の混合比に対応した割合の添加燃料の低位発熱量を前記混合燃料発熱量算出部にて算出された混合燃料の低位発熱量から減算してベース燃料の低位発熱量を算出するベース燃料発熱量算出部と、
    このベース燃料発熱量算出部にて算出されたベース燃料の低位発熱量に基づき、前記駆動条件設定部にて設定された駆動条件を補正する駆動条件補正部と
    を具えたことを特徴とする内燃機関の運転制御装置。
  7. 前記駆動条件補正部にて補正される駆動条件が燃料供給量であることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の運転制御装置。
  8. 内燃機関が火花点火方式の内燃機関であり、前記駆動条件補正部にて補正される駆動条件が点火時期の遅角量であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の内燃機関の運転制御装置。
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