JP2002047801A - Pc鋼材配置用治具及びpc鋼材配置方法 - Google Patents

Pc鋼材配置用治具及びpc鋼材配置方法

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JP2002047801A
JP2002047801A JP2000236456A JP2000236456A JP2002047801A JP 2002047801 A JP2002047801 A JP 2002047801A JP 2000236456 A JP2000236456 A JP 2000236456A JP 2000236456 A JP2000236456 A JP 2000236456A JP 2002047801 A JP2002047801 A JP 2002047801A
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Haruo Matsumura
春雄 松村
Tsugio Shimamura
次男 島村
Naoyoshi Kawada
直良 川田
Shinichi Kondo
真一 近藤
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Sumitomo Construction Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被覆PC鋼材等の周面に損傷を与えてはなら
ないPC鋼材を所定位置に配置する場合に、円滑な作業
を可能とする。また、PC鋼材を上下に複数段を配置す
る場合に効率的は作業を可能とする。 【解決手段】 閉じた形状の枠体に、その枠体を吊支持
するための取付け部と、枠体の底部に回転自在な底部ロ
ーラ16とを設けたPC鋼材配置用治具10を用いる。
PC鋼材8を枠体内に挿通し、底部ローラに支持させ
て、PC鋼材を軸線方向に押し出すか又は牽引すること
により、底部ローラが従動回転して、PC鋼材が所定の
位置に円滑に移動される。また、PC鋼材配置用治具の
底部は、開放可能となっており、下方にPC鋼材を取り
出して下降させ、複数段のPC鋼材を下段から順次所定
の高さに配置することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリートから
なる梁や桁、又はコンクリートからなる貯槽等のシェル
構造物にプレストレスを導入するためのPC鋼材を所定
位置に配置する際に使用するPC鋼材配置用治具及びこ
れを用いるPC鋼材配置方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プレストレストコンクリート(PC)部
材を製作する方法として、従来から一般に用いられてい
るものの一つにポストテンショニング方式がある。この
方式は、コンクリートからなる橋桁や軸対称シェル構造
の円周方向等に、緊張材としてのPC鋼材を筒状のシー
ス(鞘)で被覆した状態で、型枠内の所定の位置に配設
した後、コンクリートを打設する。そして、コンクリー
トの硬化後にPC鋼材をジャッキ等で緊張するものであ
る。PC鋼材はシースによって被覆されているのでコン
クリートに拘束されることはなく、PC鋼材の全長にわ
たって引張力が導入される。
【0003】引張力が導入されたPC鋼材は、端部がア
ンカープレートを介してコンクリートに定着され、コン
クリートに圧縮力(プレストレス)が導入される。プレ
ストレスが与えられた後は、シース内にセメントを主材
とするグラウトを圧入し、その硬化によってコンクリー
トとPC鋼材とを一体化する。
【0004】上記PC鋼材を所定位置に配設する場合に
は、まずシースを所定位置に配置し、このシース内にプ
ッシングマシン等を用いてPC鋼材を押し入れる方法が
広く採用されている。そして、PC鋼材として鋼より線
を複数本束ねたもの等を採用すると、その重量は大きく
なるが、鋼より線の1本ずつを順次シース内に押し入れ
ることによって、効率よくPC鋼材を配置することが可
能である。
【0005】ところが、近年では、ポストテンション方
式で用いるPC鋼材として、いわゆるアンボンド鋼材又
はアフターボンド鋼材が広く採用されるようになりつつ
ある。アンボンド鋼材は、PC鋼材の周面に、柔軟に変
形する樹脂又は粘性材の層を設けたものであり、シース
等を用いることなくこれを直接コンクリート内に埋め込
んで用いられる。コンクリートが硬化しても鋼材は粘性
材の層によってコンクリートと絶縁されており、コンク
リートに拘束されることなく緊張力を導入することがで
きる。また、アフターボンド鋼材は、鋼材の周囲を硬化
時間が長い樹脂層で被覆した鋼材である。この鋼材は、
上記アンボンド鋼材と同様に、直接にコンクリートに埋
め込んで用いられ、コンクリートが硬化した後の緊張力
導入時には、被覆層がまだ硬化しておらず、柔軟に変形
してPC鋼材はコンクリートに拘束されることなく緊張
力が導入される。そして、所定量のプレストレスが導入
された後に上記被覆層が徐々に硬化し、コンクリートと
PC鋼材とが一体化される。
【0006】このようなアンボンド鋼材又はアフターボ
ンド鋼材では、シースを用いないため、プッシングマシ
ン等を用いて配置することができない。また、一束のP
C鋼材全体に樹脂層等が被覆されているので、これらを
分割して配置することもできない。このため、所定の鉄
筋を配置した後、PC鋼材を支持する水平方向の鉄筋を
所定間隔で配置しておき、この上にPC鋼材を引き込
み、牽引して所定の位置に配置することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
牽引によってPC鋼材を移動させると、これを支持する
鉄筋にPC鋼材が擦れて、周面に設けられた樹脂層又は
粘性材の層が損傷してしまう。被覆層が損傷するとPC
鋼材が露出し、コンクリートと付着してPC鋼材に緊張
力を導入することができなくなることも生じる。また、
シェル構造の円周方向にPC鋼材を配置する場合には、
曲線状に引き込むので、PC鋼材は、配置位置の側部に
立設された鉛直方向の鉄筋とも接触し、損傷は大きくな
ってしまう。
【0008】本願発明は、上記のような課題に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、被覆PC
鋼材などの周面に損傷を与えてはならないPC鋼材を所
定位置に配置する場合に、円滑な作業を可能とするPC
鋼材配置用治具及びこれを用いたPC鋼材配置方法を提
供することである。特に本願発明は、直線方向あるいは
円周方向にPC鋼材を複数段にわたって配置する場合に
有効かつ効率的な配置方法及び配置用治具を提供するも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、閉じた形状の枠体に、そ
の枠体を吊支持するための取付け部と、枠体の底部にあ
って、その枠体の内部に挿通されるPC鋼材を周面で支
持するとともに、PC鋼材の軸線方向の移動にともなっ
て従動回転する底部ローラとを有して構成されるPC鋼
材配置用治具を提供するものである。そして、その枠体
の底部は、PC鋼材を枠体の外側に取り出せるように開
放可能となっていることを特徴とする。
【0010】このような治具は、コンクリート構造物中
に埋め込む鉄筋を配置した後、これらの鉄筋に吊り下げ
るように支持させて、多数個をPC鋼材を配置する位置
に沿って配置する。そして、PC鋼材は、この治具の枠
体の内部に挿通して送り出し、又は引き入れることによ
り、底部ローラの回転にともなって容易に移動し、PC
鋼材が柔軟な樹脂又は粘性材による被覆層を有するもの
であっても、この被覆層に損傷を与えることなく所定の
位置まで移動させることができる。所定の長さを有する
PC鋼材の全長を構築中の構造物の所定位置に送り出し
た後は、底部ローラを開放することによりPC鋼材を下
方に落とし込み、所定の高さに容易に配置することがで
きる。
【0011】また、上記PC鋼材配置治具を用いること
により、PC鋼材を送り出す位置を常に一定にして、順
次複数本を送り出し、下方へ落とし込んで所定位置に配
置することができるので、鉛直方向に多段のPC鋼材を
配置する場合には作業効率が改善される。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のPC鋼材配置用治具において、枠体の側部にも、PC
鋼材に当接される側部ローラを設けて構成されるものと
している。また、請求項3に記載の発明は、請求項1に
記載のPC鋼材配置用治具において、底部ローラが、そ
の回転中心が傾斜するように支持され、底部ローラの周
面は、軸線方向の中央部で径が縮小されて構成されてい
るものとしている。
【0013】このようなPC鋼材配置用治具は、PC鋼
材を曲線配置する場合に有効に用いることができ、特に
鉛直軸に関して軸対称のシェル構造物の円周方向にPC
鋼材を配置する場合に適している。すなわち、複数の上
記治具を、円周方向に沿って、既に配置された鉄筋等に
よって吊り下げるように支持させ、PC鋼材を該治具の
枠体の内部に挿通して送り出せば、PC鋼材は側部ロー
ラ及び底部ローラの周面に当接した状態でガイドされて
被覆PC鋼材の周囲の被覆に損傷を与えることなく、曲
線状に配置をすることができる。
【0014】一般に、PC鋼材を円弧状等曲線配置する
場合には、後方から鋼材を押し入れると、その曲げ剛性
のため直線状になろうとして鉛直方向に配置された鉄筋
やPC鋼材に接触する。また、先端部を牽引して引き入
れようとすると、張力によって曲線の内側にある鉄筋等
に擦り付けられ、PC鋼材が被覆層を有すると、この被
覆層を傷めるおそれがある。しかし、この配置用治具を
使用すれば、PC鋼材は側部ローラでガイドされて送り
出されるので、他の鋼材や鉄筋に接触することなく、柔
軟な樹脂や粘性材で形成されている被覆層を傷めること
が防止される。さらに、鉛直方向に複数段にわたってP
C鋼材を配置する場合には、PC鋼材を送り出す位置を
一定の高さにしておいて、治具の下部(底部ローラ)を
開放してPC鋼材をそのまま下に落し込んで所定位置に
配置することができるので、作業効率の向上を図ること
ができる。
【0015】請求項4に記載の発明は、閉じた形状の枠
体の底部にローラが回転自在に取り付けられ、枠体の底
部が開放可能となっているPC鋼材配置用治具を、PC
鋼材の配置位置の上方に所定間隔で複数個を吊支持した
後に、PC鋼材を枠体に挿通し、底部ローラに支持させ
て軸線方向に牽引又は押し出して移動する工程と、PC
鋼材が所定位置に到達した後に枠体の底部を開放してP
C鋼材を下降させ所定高さに支持する工程とを有するP
C鋼材配置方法を提供するものである。
【0016】このようなPC鋼材配置方法では、PC鋼
材は底部ローラにガイドされて移動するので、被覆PC
鋼材の被覆層に損傷を与えるおそれはなく、またPC鋼
材を送り出す位置を常に一定にしておくことができるの
で、PC鋼材を鉛直方向に複数段配置する場合には作業
効率の改善に役立つ。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
のPC鋼材配置方法において、PC鋼材を鉛直な中心軸
に関して対称なシェル構造の円周方向に配置するもので
あり、PC鋼材配置用治具は枠体の底部に取り付けられ
たローラに加えて、枠体に挿通されるPC鋼材に当接さ
れる側部ローラを有するものを用いたものである。
【0018】このようなPC鋼材配置方法では、PC鋼
材を円周方向に配置する場合に、PC鋼材にその曲げ剛
性によって直線状になろうとする力、又はPC鋼材に張
力が作用して円周方向の内側に擦り付ける力が働いて
も、側部ローラに当接するため、鉛直方向に配置された
鉄筋やPC鋼材に擦り付けられることはない。したがっ
て、被覆PC鋼材の周囲の被覆層が損傷するのを防止す
ることができる。また、鉛直な軸に関して軸対称のシェ
ル構造物では、円周方向のPC鋼材を鉛直方向に複数段
にわたり配置する場合が多いが、円周方向に送り出す位
置を上部に設定しておいて、円周方向のPC鋼材を周方
向に移動した後、配置用治具の底部ローラを開放してそ
のまま下に落とし込んで所定位置に配置するという効率
的な作業を実現することができる。
【0019】請求項6に記載の発明は、請求項4又は請
求項5に記載のPC鋼材配置方法において、前記枠体の
底部を開放してPC鋼材を下降させる前に、該PC鋼材
を配置する高さと対応した位置に、該PC鋼材を支持す
るほぼ水平方向の鉄筋を固定する工程を含むものであ
る。
【0020】上記水平方向の鉄筋は、例えばコンクリー
ト構造物中に埋め込まれる鉛直方向の鉄筋に結束するこ
とによって固定することができる。
【0021】上記のようなPC鋼材配置方法では、枠体
の底部を開放してPC鋼材を下降させ、上記水平方向の
鉄筋上に載置することによってPC鋼材を所定の高さに
正確に配置することができる。そして、複数本のPC鋼
材を多段に配置する場合に、先に配置したPC鋼材が後
の配置作業を阻害することもなく、効率よく作業を行う
ことができる。また、PC鋼材を上下方向に曲げ上げ、
又は曲げ下げるように配置するときには、この水平方向
の鉄筋を所定の曲線に沿って設けておくことによって、
PC鋼材はこの上に支持させて所定の形状に配置するこ
とができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は、請求項1に係る発明の
一実施形態であるPC鋼材配置用治具を示す正面図であ
る。このPC鋼材配置用治具10は、断面がコの字状と
なった上部水平部材14と、この上部水平部材14の両
端部にそれぞれ下向きに接合された2本の平行部材1
1,12と、2本の平行部材11,12のそれぞれの下
端を連結する底部シャフト13とによって長方形の枠体
が構成され、底部シャフト13には、円筒状の底部ロー
ラ16が回転自在に支持されている。また、上部水平部
材14の上部には、鉄筋等の部材に係止してこのPC鋼
材配置用治具を固定するための取付け部が形成されてい
る。
【0023】2本の平行部材11,12は、鋼からなる
シャフトであるが、形状及び材質は、必要な強度を有す
るものであればこれに限定されるものではない。また、
上記2本の平行部材11、12の間隔は、枠体内にPC
鋼材を挿通することのできる程度に設定される。
【0024】底部シャフト13の一端は、一方の平行部
材12の下端部にピン結合され、他方の端部は、もう一
方の平行部材11の下端に設けられた係止部17によっ
て手動で着脱可能に係止されている。したがって、この
係止部17で底部シャフト13を外すと、他端のピン結
合部を中心に回動し、底部シャフト13が下方に開放さ
れるようになっている。また、上記底部ローラ16は、
中心軸方向に貫通孔が設けられ、この貫通孔に底部シャ
フト13が挿通されて底部シャフト13の軸線回りに回
転自在となっている。この底部ローラ16は鉄又は合成
樹脂等で形成することができる。
【0025】取付け部は、上部水平部材14の上側平板
部14aに貫通するねじ孔を設け、このねじ孔にボルト
15を螺合することによって構成されており、コの字状
となった断面の凹部に嵌め入れられた鉄筋等の部材を挟
みつけて、上部水平部材14を固定するようになってい
る。
【0026】上記のようなPC鋼材配置用治具10は、
以下のように使用される。複数の治具10を取付け部の
ボルト15により水平方向に支持された鉄筋(例えば棚
筋)に装着して吊支持した後、枠体の内部にPC鋼材1
8を挿通し、底部ローラ16に当接させて支持する。そ
して、人力又は機械を用いてPC鋼材18をその軸線方
向に押し出し、又は先端にワイヤ等を連結して牽引す
る。このとき、底部ローラ16の回転によってPC鋼材
18は軸線方向に容易に移動し、所定の位置まで搬送す
ることができる。その後、係止部17の結合を解除する
と、底部シャフト13及び底部ローラ16はピンを支点
に回転し(一点鎖線)、枠体の底部が開放されてPC鋼
材18を下方へ取り出すことができる。そして、所定の
位置まで下降させて所定の高さにPC鋼材を配置する。
【0027】図2は、請求項2に係る発明の一実施形態
であるPC鋼材配置用治具を示す正面図である。このP
C鋼材配置用治具20では、基本的な構成が図1に示す
PC鋼材配置用治具10と同じとなっているが、枠体の
側部を構成する平行部材22にも、側部ローラ28が取
付けられており、平行部材22の軸線回りに回転自在と
なっている。なお、平行部材21、底部シャフト23、
上部水平部材24、ボルト25、底部ローラ26、係止
部27は、図1に示すPC鋼材配置用治具10と同じも
のが採用されている。
【0028】このようなPC鋼材配置用治具20は、P
C鋼材を水平方向に曲線状として配置する場合、例えば
軸対称のシェル構造等の円周方向にPC鋼材を配置する
場合等に使用される。つまり、PC鋼材29の水平方向
の位置を拘束する必要がある場合や、PC鋼材29に引
張力が作用して曲線の内側に擦り付けられる場合等に、
PC鋼材29が上記側部ローラ28に当接され、側部ロ
ーラ28の回転により、軸線方向の移動が円滑に行なわ
れる。
【0029】なお、図示しないがPC鋼材が当接される
側部ローラ28は、平行部材21,22の双方に設けて
もよい。このような構成を有するPC鋼材配置用治具
は、PC鋼材を直線方向に配置する場合及び円周方向に
配置する場合のいずれの場合にも使用でき、汎用性を有
する。また、PC鋼材が有する曲げ剛性によって直線状
になろうとする力を押さえて、PC鋼材の水平方向の位
置を拘束しても、被覆PC鋼材の被覆の損傷が生じるの
をより確実に防止することができる。
【0030】図3は、請求項3に係る発明の一実施形態
であるPC鋼材配置用治具を示す正面図である。このP
C鋼材配置用治具30は、取付け部を備える上部水平部
材34と、この上部水平部材34に結合された長さの異
なる2本の平行部材31,32と、2本の平行部材3
1,32の下端部を連結する底部シャフト33とによっ
て枠体が構成され、傾斜した底部シャフト33に、底部
ローラ36が軸線回りの回転が自在に支持されている。
【0031】傾斜して配設され底部シャフト33は、そ
の一端が長さの短い平行部材32の端部にピン結合さ
れ、他端は長さの長い平行部材31に設けられた係止部
37によって着脱可能となっている。
【0032】上記底部ローラ36は、周面がその軸線方
向の中央部において径の縮小した凹面となり、いわゆる
鼓型に形成されている。これにより、PC鋼材をローラ
周面で支持するとともに、水平方向にも位置を拘束する
ようになっている。
【0033】上記PC鋼材配置用治具30は、軸対称の
シェル構造の円周方向にPC鋼材を配置する場合に有効
に使用することができるものである。つまり、PC鋼材
に水平方向のほぼ一定の力が作用するときに適してお
り、このような状態でPC鋼材の自重を支持しながら、
軸線方向に移動するPC鋼材をガイドして所定の方向に
確実に移送することができる。なお、PC鋼材を所定の
位置まで搬送した後、係止部37の結合を解除して底部
シャフト33及び底部ローラ36を開放し、PC鋼材を
下方に降下させることができる点は、図1及び図2に示
すPC鋼材配置用治具と同じである。
【0034】図4に示すPC鋼材配置用治具40は、図
2に示すPC鋼材配置用治具20と、同様の底部ローラ
46及び側部ローラ48を有するものであるが、これら
に加えて、上部水平部材44に固定された2本の部材に
よって斜めローラ45が回転自在に支持されている。そ
して、この斜めローラ45を支持する枠も、下部が解放
可能となっており、枠体内に挿通されるPC鋼材を下方
へ取り出すことができるようになっている。
【0035】このようなPC鋼材配置用治具を用いて
も、図1から図3に示す治具と同様に、PC鋼材の搬送
及び所定の高さへの配置が容易になるとともに、PC鋼
材に水平方向の力が作用するときにも、斜めローラ45
の回転によってPC鋼材の円滑な搬送が可能となる。
【0036】次に、図2に示すPC鋼材配置用治具20
を用いてPC鋼材を配置する方法であって、請求項5に
係る発明の一実施形態であるPC鋼材配置方法について
説明する。図5(a)は、円筒形PCタンクの壁体の施
工中の状態を示す立断面図であり、図5(b)は平断面
図である。PCタンクの壁体をコンクリートの床版上に
構築する場合、最初に鉛直方向に延びる鉄筋51a,5
1bを、それぞれ壁体の内面に沿った位置及び外面に沿
った位置に配置する。これらは、円周方向に25cm〜3
0cm程度の間隔で配置される。そして、これらの鉛直方
向の鉄筋51a,51bは、円周方向の鉄筋52に結束
される。この水平方向の鉄筋52も鉛直方向に20cm〜
30cm程度の間隔で複数段が配置される。
【0037】壁体コンクリートの内面及び外面に沿って
配設された鉛直方向に延びる鉄筋51a,51bは、さ
らに短い連結筋53によって互いに水平方向に連結され
る。この連結筋53は円周方向に配置されるPC鋼材5
4の各段毎に所定間隔をおいて配置するものであるが、
最初に最下段のPC鋼材と対応する位置と、これより上
方に複数段のPC鋼材が配置される高さとに取付ける。
そして、上方に配設された連結筋53aにPC鋼材配置
用治具20を取付け、円周方向に所定間隔で複数のPC
鋼材配置用治具20を鉛直に吊支持する。
【0038】図6から図8までは、PC鋼材配置用治具
20を吊支持し、PC鋼材54をその軸線方向に搬送
し、順次複数本のPC鋼材を所定の高さに配置してゆく
工程を示す概略図である。なお、これらの図において円
周方向の鉄筋52は記載を省略している。図6に示すよ
うに、PC鋼材54aを所定の位置でPC鋼材配置用治
具20の枠体に挿通し、底部ローラ16及び側部ローラ
18に支持させる。側部ローラ18は円筒タンクの中心
軸側(内側)に配置され、PC鋼材54aを円周方向に
牽引して移動するときにPC鋼材54aと当接して回転
し、PC鋼材54が円滑に移送される。なお、PC鋼材
54aの曲げ剛性が大きい場合には枠体の両側に側部ロ
ーラを有する配置用治具を用いることが好ましい。
【0039】PC鋼材54aが所定の位置まで送り出さ
れると、図7に示すように、各PC鋼材配置用治具20
の平行部材と底部シャフト13との係止を解除して底部
ローラ16を開放する。これにより、PC鋼材54aを
下方に引き下ろすことができ、鉛直方向に配置された鉄
筋51a,51bに結束された連結筋53上に載置する
ことができる。
【0040】つづいてPC鋼材配置用治具20の平行部
材と底部シャフトとを再び係止し、図8に示すように、
枠体の内部に次のPC鋼材54bを挿通して所定位置に
搬送する。これとともに、先に配置したPC鋼材54a
の上側のPC鋼材を配置する位置と対応させて、鉛直方
向の鉄筋51a,51b間に連結筋53を取付ける。そ
して、PC鋼材54bが所定の位置まで搬送されると、
PC鋼材配置用治具20の下部を開放してPC鋼材54
bを引き下ろし、所定の高さに配置する。この工程を順
次繰り返し行うことによって、配置用治具20の取付場
所を何度も変えることなく、またPC鋼材54を送り出
す位置を変えることなく、複数段のPC鋼材54を効率
よく配置していくことができる。なお、図3又は図4に
示すPC鋼材配置用治具30、40等を用いた場合も同
様にしてPC鋼材を配置することができる。
【0041】次に、図1に示すPC鋼材配置用治具10
を用いてPC鋼材を配置する方法であって、請求項4に
係る発明の一実施形態であるPC鋼材配置方法について
説明する。この方法は、プレストレストコンクリートの
橋桁を構築する際に、橋軸方向のPC鋼材を配置するも
のである。この橋桁は、図9に示すように、上床版98
及び下床版99と、これらを鉛直方向に連結するウェブ
97とで構成されており、ウェブ97内にPC鋼材を配
置する。PC鋼材は、外型枠95及びウェブ部分の鉄筋
を組み立てた後であって、内型枠(図示しない)を組み
立てる前に行なわれる。
【0042】上記ウェブ97には、ウェブ部分のコンク
リートを取り囲むようにスターラップ91が配置され、
10〜25cm程度の間隔で橋軸方向に配列される。そし
て、スターラップ91は橋軸方向に水平に配置された鉄
筋92に結束される。また、スターラップ91のウェブ
外側に沿った部分と内側に沿った部分との間に、水平方
向の連結筋93が配置される。この連結筋93は、橋軸
方向に配置されるPC鋼材94の各段毎に配置するもの
であるが、PC鋼材94を配置する際に、まず最下段の
PC鋼材と対応する位置、及びウェブ上部に配置する。
そして、上部に配置された連結筋93aにPC鋼材配置
用治具10を取り付け、橋軸方向に所定間隔で複数個の
PC鋼材配置用治具10を鉛直に吊支持する。なお、ウ
ェブの上部に配置する連結筋に代えて、上床版に配置さ
れる鉄筋を代用することもできる。また、ウェブの下部
に設ける連結筋は、下床版に配置される鉄筋を代用する
こともできる。
【0043】上記のようにPC鋼材配置用治具10が吊
支持された後は、図6から図8に示したと同様の方法で
PC鋼材94をPC鋼材配置用治具10の枠体内に挿通
し、その軸線方向に所定位置まで搬送して、順次所定高
さに配置してゆくことができる。なお、上記実施形態で
用いたPC鋼材配置用治具10は、底部にのみローラを
有するものであるが、側部にもローラを有するものを用
いることもできる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係るP
C鋼材配置用治具を使用すれば、PC鋼材は回転するロ
ーラでガイドされて送り出されるので、直線方向に限ら
ず円周方向に送り出す場合であっても、PC鋼材が鉄筋
等に接触することがなく、柔軟な樹脂や粘性材からなる
被覆層を有するPC鋼材であっても、被覆層を損傷する
ことはなく、円滑に作業を行うことができる。また、本
願発明によるPC鋼材配置方法では、PC鋼材の送り出
す位置を一定にしておいてPC鋼材を所定の位置まで搬
送した後、PC鋼材配置用治具の下部を開放してPC鋼
材を降下させ、所定の高さに配置するという連続作業が
可能となるので、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の一実施形態であるPC鋼
材配置用治具を示す正面図及び側面図である。
【図2】請求項2に係る発明の一実施形態であるPC鋼
材配置用治具を示す正面図である。
【図3】請求項3に係る発明の一実施形態であるPC鋼
材配置用治具を示す正面図である。
【図4】請求項2に係る発明の他の実施形態であるPC
鋼材配置用治具を示す正面図及び側面図である。
【図5】円筒形PCタンクの壁体の施工中の状態を示す
立断面図及び平断面図である。
【図6】請求項5に係る発明の一実施形態であるPC鋼
材配置方法を説明するための概略斜視図である。
【図7】請求項5に係る発明の一実施形態であるPC鋼
材配置方法を説明するための概略斜視図である。
【図8】請求項5に係る発明の一実施形態であるPC鋼
材配置方法を説明するための概略斜視図である。
【図9】請求項4に係る発明の一実施形態であって、コ
ンクリート橋桁のPC鋼材を配置する方法を説明するた
めの概略断面図である。
【符号の説明】
10、20、30、40 PC鋼材配置用
治具 11、12、21、22、31、32 平行部材 13、23、33 底部シャフト 14、24、34、44 上部水平部材 15、25、35 ボルト 16、26、36、46 底部ローラ 17、27、37 係止部 18、28、48 側部ローラ 45 斜めローラ 51 鉛直方向に配置
される鉄筋 52 円周方向に配置
される鉄筋 53 連結筋(棚筋) 54 PC鋼材 91 スターラップ 92 橋軸方向の鉄筋 93 連結筋(棚筋) 94 PC鋼材 97 ウェブ 98 上床版 99 下床版
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川田 直良 東京都新宿区荒木町13番地の4 住友建設 株式会社内 (72)発明者 近藤 真一 東京都新宿区荒木町13番地の4 住友建設 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉じた形状の枠体と、 該枠体を吊支持するための取付け部と、 前記枠体の底部に、該枠体の内部に挿通されるPC鋼材
    を周面で支持するとともに、該PC鋼材の軸線方向の移
    動にともなって従動回転する底部ローラとを有し、 該枠体の底部は、前記PC鋼材を枠体の外側に取り出せ
    るように開放可能となっていることを特徴とするPC鋼
    材配置用治具。
  2. 【請求項2】 前記枠体の側部に、前記PC鋼材に当
    接される側部ローラを有することを特徴とする請求項1
    に記載のPC鋼材配置用治具。
  3. 【請求項3】 前記底部ローラは、回転中心が傾斜す
    るように支持され、周面は、軸線方向の中央部で径が縮
    小されたものであることを特徴とする請求項1に記載の
    PC鋼材配置用治具。
  4. 【請求項4】 閉じた形状の枠体の底部に、ローラが
    回転自在に取り付けられ、該枠体の底部が開放可能とな
    ったPC鋼材配置用治具を、PC鋼材の配置位置の上方
    に所定間隔で複数個を吊支持し、 PC鋼材を、前記枠体に挿通し、前記ローラに支持させ
    て、軸線方向に牽引又は押し出して移動し、 所定の位置に到達した後、前記枠体の底部を開放してP
    C鋼材を下降させ、所定高さに支持することを特徴とす
    るPC鋼材配置方法。
  5. 【請求項5】 前記PC鋼材は、鉛直な軸線に関して
    対称なシェル構造の円周方向に配置するものであり、 前記PC鋼材配置用治具は、前記枠体の底部に取り付け
    られたローラに加えて、該枠体に挿通されるPC鋼材に
    当接される側部ローラを有するものを用いることを特徴
    とする請求項4に記載のPC鋼材配置方法。
  6. 【請求項6】 前記枠体の底部を開放してPC鋼材を
    下降させる前に、該PC鋼材を配置する高さと対応した
    位置に、該PC鋼材を支持するほぼ水平方向の鉄筋を固
    定する工程を含むことを特徴とする請求項4又は請求項
    5に記載のPC鋼材配置方法。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3020143U (ja) * 1995-07-03 1996-01-19 晃 福島 ケーブル棚筋固定金具
JPH11200628A (ja) * 1998-01-16 1999-07-27 Ps:Kk 緊張材の配設方法及びその装置

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