JP2002047414A - 耐熱性樹脂組成物、塗料及びエナメル線 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物、塗料及びエナメル線

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JP2002047414A
JP2002047414A JP2000352344A JP2000352344A JP2002047414A JP 2002047414 A JP2002047414 A JP 2002047414A JP 2000352344 A JP2000352344 A JP 2000352344A JP 2000352344 A JP2000352344 A JP 2000352344A JP 2002047414 A JP2002047414 A JP 2002047414A
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heat
weight
atom
resistant resin
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JP2000352344A
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English (en)
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Toshiichi Okawara
敏一 大川原
Yuichi Osada
裕一 長田
Seiichi Yotsuya
聖一 四家
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Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性及び可撓性に優れたポリアミドイミ
ド系耐熱性樹脂組成物及びこの耐熱性樹脂組成物を塗膜
成分とする塗料並びにこれを用いた耐摩耗性及び可撓性
に優れたエナメル線を提供する。 【解決手段】 ポリアミドイミド樹脂及び一般式(I) 【化1】 (式中Aは基 【化2】 とともに5又は6原子よりなるヘテロ環を形成する基で
あり、単結合もしくは二重結合により結合されている2
個又は3個の炭素原子、1個の芳香環の一部を形成して
いる2個又は3個の炭素原子、単結合もしくは二重結合
により結合されている2個の窒素原子、或は単結合もし
くは二重結合により結合されている1個の炭素原子と1
個又は2個の窒素原子からなる主鎖を有しており、ま
た、Xは酸素原子、硫黄原子、炭素原子又は窒素原子で
あり、炭素原子又は窒素原子は水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基、フェニル基もしくはメルカプト基で置換
されている)で表わされるヘテロ環状メルカプタンを含
有してなる耐熱性樹脂組成物及びこれを用いた塗料とエ
ナメル線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エナメル線用ワニ
ス等として好適な、耐熱性樹脂組成物及び塗料並びにこ
れを用いたエナメル線に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドイミド樹脂は、耐熱性、耐薬
品性及び耐溶剤性に優れているため、各種の基材のコー
ト剤として広く使用され、例えば、エナメル線ワニス、
耐熱塗料などとして使用されている。
【0003】近年、エナメル線を使用する電気メーカー
では、機器の製造工程の合理化のため、自動高速巻線機
を導入しているが、巻線加工時にエナメル線が摩擦、衝
撃等を受けてエナメル線の絶縁層に機械的損傷を生じ、
レヤーショート、アース不良などが発生して製品の不良
率が増加するという問題が発生している。そこで、この
ような機械的損傷の少ないエナメル線が要望されてい
る。
【0004】従来のポリアミドイミド線は、機械的強度
が他のポリエステル、ポリエステルイミド線より優れる
ため、特に厳しい条件で作業される場合には、例えば、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートと無水ト
リメリット酸との反応により得られるポリアミドイミド
樹脂が単層又は多層構造で適用されていた。
【0005】しかし、近年、さらに巻線機の高速化及び
巻線加工の複雑化が進み、上記ポリアミドイミド樹脂で
は十分に対応できなくなってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐摩耗性及
び可撓性に優れたポリアミドイミド系耐熱性樹脂組成物
及びこの耐熱性樹脂組成物を塗膜成分とする塗料並びに
これを用いた耐摩耗性及び可撓性に優れたエナメル線を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリアミドイ
ミド樹脂及び一般式(I)
【0008】
【化3】 (式中Aは基
【0009】
【化4】 とともに5又は6原子よりなるヘテロ環を形成する基で
あり、単結合もしくは二重結合により結合されている2
個又は3個の炭素原子、1個の芳香環の一部を形成して
いる2個又は3個の炭素原子、単結合もしくは二重結合
により結合されている2個の窒素原子、或は単結合もし
くは二重結合により結合されている1個の炭素原子と1
個又は2個の窒素原子からなる主鎖を有しており、ま
た、Xは酸素原子、硫黄原子、炭素原子又は窒素原子で
あり、炭素原子又は窒素原子は水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基、フェニル基もしくはメルカプト基で置換
されている)で表わされるヘテロ環状メルカプタンを含
有してなる耐熱性樹脂組成物に関する。
【0010】また本発明は、ポリアミドイミド樹脂10
0重量部に対して一般式(I)で表わされるヘテロ環状
メルカプタン0.01〜20重量部を含有する前記耐熱
性樹脂組成物に関する。
【0011】また本発明は、前記ポリアミドイミド樹脂
が、数平均分子量10,000〜50,000のもので
ある耐熱性樹脂組成物に関する。
【0012】また本発明は、前記耐熱性樹脂組成物を塗
膜成分としてなる塗料に関する。
【0013】また本発明は、前記塗料を用いて被膜を形
成してなるエナメル線に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の耐熱性樹脂組成物に用い
られるポリアミドイミド樹脂は、前記のように数平均分
子量が10,000〜50,000のものであることが
好ましい。数平均分子量が10,000未満であると、
塗料としたときの造膜性が悪くなる傾向にあり、50,
000を超えると、塗料として適正な濃度で溶媒に溶解
したときに粘度が高くなり、塗装時の作業性が劣る傾向
にある。このことから、ポリアミドイミド樹脂の数平均
分子量は、10,000〜25,000とするのがより
好ましい。
【0015】なお、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子
量は、樹脂合成時にサンプリングして、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチ
レンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量にな
るまで合成を継続することにより上記範囲に管理され
る。
【0016】本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂
は、例えば、一般式(II)で示される繰り返し構造単
位を有する。
【0017】
【化5】 (式中、R1は3価の有機基を表わし、R2は2価の有機
基を表わし、nは正の整数を表わす) このようなポリアミドイミド樹脂の代表的な合成方法と
しては、(1)ジイソシアネートと三塩基酸無水物を反
応させる方法、(2)ジアミンと三塩基酸無水物を反応
させる方法及び(3)ジアミンと三塩基酸無水物クロラ
イドを反応させる方法などが挙げられる。ただし、本発
明に用いられるポリアミドイミド樹脂の合成方法は、こ
れらの方法に限定されるものではない。
【0018】上記合成方法で用いられる代表的な化合物
を次に列挙する。
【0019】ます、ジイソシアネートとしては、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、3,3′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシア
ネート、3,3′−ジフェニルエーテルジイソシアネー
ト、パラフェニレンジイソシアネートなどが好ましいも
のとして挙げられる。
【0020】また、ジアミンとしては、4,4′−ジア
ミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニ
ルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニ
ルメタン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミンな
どが好ましいものとして挙げられる。
【0021】これらの中で、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、3,3′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシ
アネート、3,3′−ジフェニルエーテルジイソシアネ
ート、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメ
タンがより好ましいものとして挙げられる。
【0022】また、三塩基酸無水物としては、トリメリ
ット酸無水物が好ましいものとして挙げられ、三塩基酸
無水物クロライドとしては、トリメリット酸無水物クロ
ライドなどが挙げられる。
【0023】ポリアミドイミド樹脂を合成する際に、ジ
カルボン酸、テトラカルボン酸二無水物などをポリアミ
ドイミド樹脂の特性を損わない範囲で同時に反応させる
ことができる。
【0024】ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、アジピン酸などが挙げられ、テトラカルボ
ン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物などが挙げられる。これらは、全
酸成分中50当量%以下で使用されることが好ましい。
【0025】本発明の耐熱性樹脂組成物は、上記ポリア
ミドイミド樹脂とともに、一般式(I)で表わされるヘ
テロ環状メルカプタンを含有する。この化合物を使用す
ることにより、密着性を向上させ、優れた耐摩耗性を得
ることができる。一般式(I)で表わされるヘテロ環状
メルカプタンの配合量は、ポリアミドイミド樹脂100
重量部に対して、0.01〜20重量部とすることが好
ましい。この量が0.01重量部未満となると、密着性
向上効果が小さくなり、20重量部を超えると、塗膜の
耐熱性が漸次低下する傾向を示す。このことから、一般
式(I)で表わされるヘテロ環状メルカプタンの配合量
は、ポリアミドイミド樹脂100重量部に対し、0.0
5〜10重量部とすることがより好ましく、0.1〜8
重量部とすることが特に好ましい。
【0026】一般式(I)で表わされるヘテロ環状メル
カプタンとしては、特に制限はなく、2−アミノ−5−
メルカプト−1,3,4−チアジアゾール等のチアジア
ゾール骨格を有する化合物(A:−C(NH2)=N
−、X:S)、1−フェニル−5−メルカプト−1,
2,3,4−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプ
ト−1,2,3,4−テトラゾール等のテトラゾール骨
格を有する化合物(A:−N=N−、X:N−Me,N
−Ph)、2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリ
ン骨格を有する化合物(A:−CH2CH2−、X:N
H)、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプ
トベンゾチアゾールシクロヘキシルアミン塩等のベンゾ
チアゾール骨格を有する化合物(A:C64、X:
S)、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプ
ト−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリメルカ
プト−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン骨格を
有する化合物(A:−N=C(C48NH2)−N−、
−N=CH−N−、X:C−SH)などが挙げられる。
中でもチアジアゾール骨格を有する化合物、ベンゾチア
ゾール骨格を有する化合物、トリアジン骨格を有する化
合物が好ましく、2−アミノ−5−メルカプト−1,
3,4−チアジアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾ
ールシクロヘキシルアミン塩、2−ジ−n−ブチルアミ
ノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジンが
最も好ましい。
【0027】メルカプト基を有する化合物は、塩基性極
性溶媒に溶解した溶液としてポリアミドイミド樹脂と混
合することができる。塩基性極性溶媒としては、N−メ
チル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド
などを用いることができる。溶液の濃度については、特
に制限はないが、例えば、一般式(I)で表わされるヘ
テロ環状メルカプタン100重量部を塩基性極性溶媒9
00〜4000重量部に溶解して用いるのが好ましい。
【0028】一般式(I)で表わされるヘテロ環状メル
カプタンの配合方法については、これに限定されるもの
ではなく、他の方法を適宜適用することができる。
【0029】本発明の耐熱性樹脂組成物は、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N′−ジメチルホルムアミド等
の極性溶媒、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素溶
媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類などの溶媒に溶解され、適当な粘度に調整して
塗料とすることができる。塗料とする場合、一般に固形
分は10〜50重量%とされる。
【0030】得られた塗料を被塗物に塗布、硬化させ
て、被塗物表面に耐摩耗性及び可撓性に優れた塗膜を形
成することができる。被塗物としては、銅線等の金属線
が挙げられ、これに前記塗料を塗布、焼付を行うことに
より耐摩耗性や可撓性に優れたエナメル線が得られる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例及びその比較例によっ
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0032】実施例1 4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート255.
0g(1.02モル)、無水トリメリット酸192.0
g(1.00モル)及びN−メチル−2−ピロリドン6
60gを2リットルのフラスコに仕込み、撹拌しながら
約3時間で温度を130℃に上昇させ、この温度で5時
間保温して数平均分子量が22,200のポリアミドイ
ミド樹脂溶液を得た。
【0033】得られたポリアミドイミド樹脂溶液100
重量部(樹脂分濃度30重量%)に2−アミノ−5−メ
ルカプト−1,3,4−チアジアゾールのN−メチル−
2−ピロリドン溶液(固形分濃度20重量%)4.0重
量部を加えて塗料を得た。
【0034】実施例2 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル200.0g
(1.00モル)、無水トリメリット酸192.0g
(1.00モル)、N−メチル−2−ピロリドン904
g及びホウ酸4.0gを2リットルのフラスコに仕込
み、撹拌しながら約3時間で温度を200〜205℃に
上昇させ、この温度で12時間保温してポリアミドイミ
ド樹脂溶液を得た。得られたポリアミドイミド樹脂の数
平均分子量は22,500であった。
【0035】得られたポリアミドイミド樹脂溶液100
重量部(樹脂分濃度35重量%)に2−アミノ−5−メ
ルカプト−1,3,4−チアジアゾールのN,N−ジメ
チルホルムアミド溶液(固形分濃度5重量%)10重量
部を加えて塗料を得た。
【0036】実施例3 4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート252.
5g(1.01モル)、無水トリメリット酸192.0
g(1.00モル)及びN−メチル−2−ピロリドン6
60gを2リットルのフラスコに仕込み、撹拌しながら
約3時間で温度を130℃に上昇させ、この温度で5時
間保温して数平均分子量が21,200のポリアミドイ
ミド樹脂溶液を得た。
【0037】得られたポリアミドイミド樹脂溶液100
重量部(樹脂分濃度30重量%)に2−メルカプトイミ
ダゾリンのN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分濃
度20重量%)3.0重量部を加えて塗料を得た。
【0038】実施例4 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル200.0g
(1.00モル)、無水トリメリット酸192.0g
(1.00モル)、N−メチル−2−ピロリドン728
g及びホウ酸4.0gを2リットルのフラスコに仕込
み、撹拌しながら約3時間で温度を200〜205℃に
上昇させ、この温度で12時間保温してポリアミドイミ
ド樹脂溶液を得た。得られたポリアミドイミド樹脂の数
平均分子量は22,500であった。
【0039】得られたポリアミドイミド樹脂溶液100
重量部(樹脂分濃度35重量%)に2−メルカプトイミ
ダゾリンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(固形分
濃度3重量%)10重量部を加えて塗料を得た。
【0040】実施例5 4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート255.
0g(1.02モル)、無水トリメリット酸192.0
g(1.00モル)及びN−メチル−2−ピロリドン6
60gを2リットルのフラスコに仕込み、撹拌しながら
約3時間で温度を130℃に上昇させ、この温度で4時
間保温して数平均分子量が23,100のポリアミドイ
ミド樹脂溶液を得た。
【0041】得られたポリアミドイミド樹脂溶液100
重量部(樹脂分濃度30重量%)に2,4,6−トリメ
ルカプト−1,3,5−トリアジンのN−メチル−2−
ピロリドン溶液(固形分濃度10重量%)4.0重量部
を加えて塗料を得た。
【0042】実施例6 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル200.0g
(1.00モル)、無水トリメリット酸192.0g
(1.00モル)、N−メチル−2−ピロリドン904
g及びホウ酸4.0gを2リットルのフラスコに仕込
み、撹拌しながら約3時間で温度を200〜205℃に
上昇させ、この温度で12時間保温してポリアミドイミ
ド樹脂溶液を得た。得られたポリアミドイミド樹脂の数
平均分子量は22,500であった。
【0043】得られたポリアミドイミド樹脂溶液100
重量部(樹脂分濃度20重量%)に2,4,6−トリメ
ルカプト−1,3,5−トリアジンのN,N−ジメチル
ホルムアミド溶液(固形分濃度5重量%)10重量部を
加えて塗料を得た。
【0044】実施例7 4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート255.
0g(1.02モル)、無水トリメリット酸192.0
g(1.00モル)及びN−メチル−2−ピロリドン6
60gを2リットルのフラスコに仕込み、撹拌しながら
約3時間で温度を130℃に上昇させ、この温度で6時
間保温して数平均分子量が23,000のポリアミドイ
ミド樹脂溶液を得た。
【0045】得られたポリアミドイミド樹脂溶液100
重量部(樹脂分濃度30重量%)に2−メルカプトベン
ゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩のN−メチル−
2−ピロリドン溶液(固形分濃度10重量%)10.0
重量部を加えて塗料を得た。
【0046】実施例8 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル200.0g
(1.00モル)、無水トリメリット酸192.0g
(1.00モル)、N−メチル−2−ピロリドン904
g及びホウ酸4.0gを2リットルのフラスコに仕込
み、撹拌しながら約3時間で温度を200〜205℃に
上昇させ、この温度で11時間保温してポリアミドイミ
ド樹脂溶液を得た。得られたポリアミドイミド樹脂の数
平均分子量は23,500であった。
【0047】得られたポリアミドイミド樹脂溶液100
重量部(樹脂分濃度30重量%)に2−メルカプトベン
ゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩のN,N−ジメ
チルホルムアミド溶液(固形分濃度5重量%)20重量
部を加えて塗料を得た。
【0048】実施例9 4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート255.
0g(1.02モル)、無水トリメリット酸192.0
g(1.00モル)及びN−メチル−2−ピロリドン6
60gを2リットルのフラスコに仕込み、撹拌しながら
約3時間で温度を130℃に上昇させ、この温度で6時
間保温して数平均分子量が23,000のポリアミドイ
ミド樹脂溶液を得た。
【0049】得られたポリアミドイミド樹脂溶液100
重量部(樹脂分濃度30重量%)に2−ジ−n−ブチル
アミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジ
ンのN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分濃度10
重量%)15.0重量部を加えて塗料を得た。
【0050】実施例10 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル200.0g
(1.02モル)、無水トリメリット酸192.0g
(1.00モル)及びN−メチル−2−ピロリドン90
4g及びホウ酸4.0gを2リットルのフラスコに仕込
み、撹拌しながら約3時間で温度を200〜205℃に
上昇させ、この温度で11時間保温してポリアミドイミ
ド樹脂溶液を得た。得られたポリアミドイミド樹脂の数
平均分子量は23,500であった。
【0051】得られたポリアミドイミド樹脂溶液100
重量部(樹脂分濃度30重量%)に2−ジ−n−ブチル
アミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジ
ンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(固形分濃度5
重量%)30重量部を加えて塗料を得た。
【0052】比較例1 4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート255.
0g(1.02モル)、無水トリメリット酸192.0
g(1.00モル)及びN−メチル−2−ピロリドン6
60gを2リットルのフラスコに仕込み、撹拌しながら
約3時間で温度を130℃に上昇させ、この温度で4時
間保温してポリアミドイミド樹脂を得た。得られたポリ
アミドイミド樹脂の数平均分子量は20,100であっ
た。この溶液をそのまま塗料とした。
【0053】比較例2 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル200.0g
(1.00モル)、無水トリメリット酸192.0g
(1.00モル)及びN−メチル−2−ピロリドン90
4g及びホウ酸4.0gを2リットルのフラスコに仕込
み、撹拌しながら約3時間で温度を200〜205℃に
上昇させ、この温度で12時間保温してポリアミドイミ
ド樹脂溶液を得た。得られたポリアミドイミド樹脂の数
平均分子量は22,500であった。この溶液をそのま
ま塗料とした。
【0054】試験例 実施例1〜10及び比較例1、2で得られたポリアミド
イミド樹脂溶液を用いて下記に示す焼付条件に従って直
径1.0mmの銅線に塗布し、焼付を行い、エナメル線
を製造した。 [焼付条件] 塗装回数:ダイス8回 焼付け炉:熱風式竪炉(炉長5m) 炉温:入口/出口=320℃/430℃ 線速:16m/分 得られたエナメル線皮膜は、いずれも外観上良好であっ
た。各エナメル線皮膜の特性を下記の方法により試験
し、結果を表1に示した。 (1)可撓性:JIS C3003.8.1(1)に準
じて調べた。 (2)ピンホール:JIS C3003.36に準じて
調べた。 (3)絶縁破壊電圧:JIS C3003.11.
(2)に準じて調べた。 (4)往復式耐摩耗性:旧JIS C3003.10.
1に準じて調べた。 (5)一方向式耐摩耗性:JIS C3003.10に
準じて行った。 (6)耐軟化温度:JIS C3003.12(2)に
準じて行った。
【0055】
【表1】 表1に示した結果から、本発明のポリアミドイミド樹脂
組成物を用いて得られたエナメル線(実施例1〜10)
は、比較例1及び比較例2のものと比べて、耐摩耗性に
優れており、しかも可撓性及び耐軟化温度もほぼ同等に
良好であることが分かる。
【0056】
【発明の効果】本発明の耐熱性樹脂組成物及び塗料を用
いれば、耐摩耗性及び可撓性の良好な塗膜を形成するこ
とができ、各種基材への絶縁皮膜、保護コートなどに有
用であり、殊に、エナメル線等の近年の過酷な巻線、加
工、組立作業にも好適に利用することができる。
【0057】また、本発明のエナメル線は、耐摩耗性及
び可撓性に優れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/30 H01B 3/30 M 7/02 7/02 A (72)発明者 四家 聖一 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎事業所内 Fターム(参考) 4J002 CM041 EV016 FD146 GH01 GQ01 4J038 DJ051 JC02 MA14 NA11 NA12 NA21 PB09 PC02 5G305 AA02 AA11 AB15 AB17 BA09 BA26 CA24 CB15 CB19 CB25 5G309 MA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドイミド樹脂及び一般式(I) 【化1】 (式中Aは基 【化2】 とともに5又は6原子よりなるヘテロ環を形成する基で
    あり、単結合もしくは二重結合により結合されている2
    個又は3個の炭素原子、1個の芳香環の一部を形成して
    いる2個又は3個の炭素原子、単結合もしくは二重結合
    により結合されている2個の窒素原子、或は単結合もし
    くは二重結合により結合されている1個の炭素原子と1
    個又は2個の窒素原子からなる主鎖を有しており、ま
    た、Xは酸素原子、硫黄原子、炭素原子又は窒素原子で
    あり、炭素原子又は窒素原子は水素原子、炭素数1〜4
    のアルキル基、フェニル基もしくはメルカプト基で置換
    されている)で表わされるヘテロ環状メルカプタンを含
    有してなる耐熱性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアミドイミド樹脂100重量部に対
    して一般式(I)で表わされるヘテロ環状メルカプタン
    0.01〜20重量部を含有する請求項1記載の耐熱性
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で表わされるヘテロ環状メ
    ルカプタンが2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4
    −チアジアゾールである請求項1又は2記載の耐熱性樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(I)で表わされるヘテロ環状メ
    ルカプタンが2−メルカプトベンゾチアゾールシクロヘ
    キシルアミン塩である請求項1又は2記載の耐熱性樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 一般式(I)で表わされるヘテロ環状メ
    ルカプタンが、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジ
    メルカプト−1,3,5−トリアジンである請求項1又
    は2記載の耐熱性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリアミドイミド樹脂が、数平均分子量
    10,000〜50,000のものである請求項1、
    2、3、4又は5記載の耐熱性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    耐熱性樹脂組成物を塗膜成分としてなる塗料。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の塗料を用いて被膜を形成
    してなるエナメル線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004104103A1 (ja) * 2003-05-20 2004-12-02 Kaneka Corporation ポリイミド樹脂組成物、ポリイミド樹脂を含む高分子フィルムおよびこれをもちいた積層体並びにプリント配線板の製造方法

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