JP2002047413A - リン酸基を含有する導電性樹脂組成物ならびにこれを用いたコーティング剤 - Google Patents

リン酸基を含有する導電性樹脂組成物ならびにこれを用いたコーティング剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性、耐アルコール性に優れ、帯電防止性
を有する導電性樹脂組成物、並びにこれを用いたコーテ
イング剤及び高分子固体電解質を提供する。 【解決手段】 (A)ポリアミド樹脂、及び(B)下記一般
式(I): 【化1】 (ただし一般式(I)において、R1はH又はCH3を表
し、R2はH、CH3またはCH2X(Xはハロゲン)を表
す。nは1〜6の整数を表す。リン酸基は解離していて
もよいし、塩を形成していても良い。)により表される
リン酸基含有不飽和単量体、又は該リン酸基含有不飽和
単量体及びこれと共重合しうる他の不飽和単量体、を含
有する混合物をラジカル重合することにより、優れた溶
媒溶解性を有するとともに、帯電防止効果が湿度によら
ず安定しており、耐水性及び耐アルコール性に優れた被
膜を与える導電性樹脂組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアミド樹脂の存
在下で、リン酸基を含有する不飽和単量体を必須成分と
してラジカル重合させて得られる導電性樹脂組成物に関
し、特に耐水性、耐アルコール性に優れ、帯電防止性を
有する導電性樹脂組成物、並びにこれを用いたコーティ
ング剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からポリアミド樹脂として、ナイロ
ン-6、ナイロン-6,6、ナイロン-12、共重合ナイロ
ン等が知られており、衣料材料、成型材料として広く用
いられている。これらは体積固有抵抗、表面固有抵抗が
高く、電気絶縁体であるため(例えばナイロン-12の
体積固有抵抗は1015Ω・cmオーダー(30℃))、プリ
ンター用ローラー、電気・電子部品、IC用耐熱トレ
ー、衣料などの分野に用いる場合は、静電気を防止する
ためポリアミド樹脂に帯電防止性を付与する必要があ
る。
【0003】ポリアミド樹脂の電気抵抗を下げ、帯電防
止性を付与する目的で、ポリアミド樹脂にカーボンブラ
ック微粒子等の導電性充填剤を混合分散する方法が知ら
れている(特開平7-133371号、特開平5-70685号等)。
しかし、ポリアミド樹脂にカーボンブラック等を混合す
るとポリアミド樹脂の機械的強度を低下させ、耐久性に
問題を残すことが判っている。
【0004】また、ポリアミド樹脂に対し、導電性を付
与した変性ポリアミド樹脂からなる帯電防止用コーティ
ング剤を塗布する方法が提案されている。しかし一般に
ポリアミド樹脂は溶媒への溶解性が低く、中には特定な
組成の共重合ナイロンと称する類の溶剤に可溶であるこ
とを標榜している製品もあるが、溶液の安定性に問題が
あり、適当な溶剤もないので、キャストフィルムの製造
や、被塗物表面への湿式コーティングに供するには適性
がない。
【0005】これに対し、特公平7-25854号は、ナイロ
ン樹脂に、ホルマリンとアルコールを反応させてアミド
結合の水素をアルコキシアルキル基で置換することによ
り、アルコールに溶けるようにしたN-アルコキシメチ
ル化ナイロンを開示している。特に帝国化学産業(株)か
ら商品名トレジンとして市販されているN-メトキシメ
チル化ナイロン-6は、表面固有抵抗を1012Ω・cm乃至
1013Ω・cmオーダーまで下げることが報告されてい
る。
【0006】N-メトキシメチル化ナイロン-6はその溶
解性の良さと帯電防止性が評価され、例えば、電気、電
子用途のプラスチックの制電剤(例えば特開平8-137186
号、特開平8-207428号、特開平8-217619号、特開平9-78
012号、特開平9-255992号、特開平10-171212号、特開平
11-316470号、特開平11-79966号等)、インク組成物の
ビヒクル(特公平9-176526号、特公平11-140164号
等)、外壁塗装用塗料組成物(特開平10-110136号、特開
平10-140029号)、ナイロン製ストッキング用のラン防止
剤(特開平10-67965号)等種々の用途が提案されてい
る。
【0007】しかし、N-アルコキシメチル化ナイロン
は、帯電防止効果および溶解性の点では優れているもの
の、コーティング膜の耐水性及び耐アルコール性が弱い
上、導電性が環境の湿度に影響され易く乾燥状態におい
て帯電防止効果が著しく低下するという問題があった。
特にプリンター用ローラー等の電気電子的用途に用いる
時に、導電性が湿度に影響されると、ロール表面にトナ
ーによる汚れを生じ、コピー画像を損なうなどという問
題点が指摘されている。
【0008】
【本発明の解決しようとするとする課題】従って、本発
明の目的は優れた溶媒溶解性を有するとともに、帯電防
止効果が湿度によらず安定しており、耐水性及び耐アル
コール性に優れた被膜を与える導電性樹脂組成物、並び
にこれを用いたコーティング剤を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、(A)ポリアミド樹脂、及び(B)
下記一般式(I):
【化4】 (ただし一般式(I)において、R1はH又はCH3を表
し、R2はH、CH3またはCH2X(Xはハロゲン)を表
す。nは1〜6の整数を表す。リン酸基は解離していて
もよいし、錯塩を形成していても良い。)により表され
るリン酸基含有不飽和単量体、又は当該リン酸基含有不
飽和単量体及びこれと共重合しうる単官能性モノマーを
含有する混合物をラジカル重合することにより、優れた
溶媒溶解性を有するとともに、帯電防止効果が湿度によ
らず安定しており、耐水性及び耐アルコール性に優れた
被膜を与える導電性樹脂組成物が得られることを見出
し、本発明に想到した。
【0010】本発明の導電性樹脂組成物は、ポリアミド
樹脂及びリン酸基を有する不飽和単量体を必須成分とし
て、溶液状態でラジカル重合開始剤の存在下で加熱重合
せしめて、不飽和単量体の少なくとも一部をポリアミド
樹脂にグラフト重合させたものである。すなわち、本発
明は、一般式(I)のリン酸基含有不飽和単量体とポリア
ミド樹脂の混合物をラジカル重合して得られる反応物を
有効成分とするものであり、導電性樹脂組成物中におい
て、一般式(I)の少なくとも一部はポリアミド樹脂にグ
ラフト重合して、グラフト化ポリアミド樹脂として存在
すると推定される。
【0011】本発明の導電性樹脂組成物から得られるコ
ーティング膜は耐水性及び耐アルコール性に優れている
が、これはリン酸基間の会合によるものと考えられる。
すなわち、ポリアミド樹脂にリン酸基含有不飽和単量体
をグラフト重合すると、共有結合的架橋がなくとも、リ
ン酸基間の会合により見かけの架橋が生成する故に、架
橋触媒、架橋剤を添加しなくとも、水不溶性(膨潤性)
のゲルになるという研究事実(例えば中前ら;第35回
高分子年次大会(1989))から、耐水性の改良に寄
与すると考えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】[1]導電性樹脂組成物 (A)ポリアミド樹脂 本発明に用いるポリアミド樹脂は、溶剤に対する溶解性
を有し、且つリン酸基含有不飽和単量体によりグラフト
重合されうるものであれば、特に限定されない。本発明
に用いるポリアミド樹脂は、分子量1,000〜1,000,000が
好ましく、より好ましくは2,000〜500,000であり、さら
に好ましくは5,000〜150,000である。またポリアミド樹
脂は、分子内にグラフトが可能な部位を50以上有するこ
とが好ましく、100以上有することがより好ましい。
【0013】本発明に好ましく用いることのできるポリ
アミド樹脂としては、下記一般式(II)により表されるポ
リアミド樹脂が挙げられる。
【化5】
【0014】一般式(II)において、R3びR4はそれぞれ
独立に炭素数3〜20の置換又は無置換のアルキレン基を
表す。置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、ハ
ロゲン等が挙げられる。好ましいR3及びR4は、炭素数
5〜11の無置換のアルキレン基、より好ましくはn-ペン
チレンである。
【0015】R5は、炭素数1〜6の置換又は無置換の
アルキレン基を表す。置換基としては、R3及びR4と同
様のものでよい。好ましいR5は、メチレンである。
【0016】R6はそれぞれ独立に炭素数1〜6の置換
又は無置換のアルキル基を表す。置換基としては、R3
及びR4と同様のものでよい。好ましいR6は、メチルで
ある。
【0017】lとmは重合比を表し、lとmとの和は10
0である。10≦l≦50、50≦m≦90であることが好まし
く、20≦l≦30、70≦m≦80であることがより好まし
い。lが10未満だと、溶媒溶解性が低下するので好まし
くない。またl>50を狙っても、置換基の立体障害のた
め50超にすることは困難である。
【0018】一般式(II)のポリアミド樹脂の具体例とし
て、帝国化学産業株式会社から製販されているトレジン
F30K、トレジンMF-30、トレジンEF-30T等が挙げられ
る。
【0019】(B)リン酸基含有不飽和単量体 本発明で使用されるリン酸基含有不飽和単量体は、下記
一般式(I)により表される。
【化6】
【0020】一般式(I)において、R1は、H又はCH3
を表し、R2は、H、CH3またはCH2X(Xはハロゲ
ン)を表す。
【0021】リン酸基は解離していてもよいし、錯塩を
形成していても良い。この場合、電荷を中和させるた
め、例えば、第1級、第2級、第3級及び第4級のアル
キル基、アリル基、アラルキル基を含有するアンモニウ
ムイオンやモノ、ジ、トリアルカノールアミン残基と錯
塩を形成することが好ましく、特にN+7 4-p(OH)p
(ここで、は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜12
の芳香族基、炭素数6〜12の脂環族基の中から選ばれた
基を表し、pは1〜3の正の整数を表す。)が好まし
い。
【0022】nは1〜6の整数を表し、好ましくは4〜
6である。
【0023】一般式(I)の具体例としては、ユニケミカ
ル株式会社から製販されているPhosmerTM類が挙げられ
る。
【0024】
【化7】
【0025】このうち、特に好ましいものはPhosmer P
P、Phosmer PEである。
【0026】なお、一般式(I)のリン酸基含有不飽和単
量体とともに、これと共重合しうる他の不飽和単量体を
併用してもよい。他の不飽和単量体を併用する場合、
[リン酸基含有不飽和単量体]/[他の不飽和単量体] を
重量比で0.1以上とし、好ましくは0.5以上、より好まし
くは1以上とする。
【0027】他の不飽和単量体としては、分子内にカル
ボン酸基、酸無水物基、水酸基、エポキシ基、エーテル
基、エステル基、アミド基、ニトリル基及びスルホン酸
基等の親水性基を含む不飽和単量体の群(A)と、これ
らの親水性基を含まない群(B)とがある。群(A)の具
体例としては、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、ヒ
ドロキシ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)
アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニ
ル、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)ア
クリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられ
る。群(B) の具体例としては、エチレン性のモノ不飽和
炭化水素、塩化ビニル、各種スチレン類、ブタジエンな
どの共役ジオレフィンが挙げられる。群(A)に属する単
量体と群(B)に属する単量体の使用割合(A)/(B)を重量
比で1以上とすることが好ましい。
【0028】(C)グラフト重合 グラフト重合は公知の方法に従って行えばよい。例え
ば、ナイロン-6等のポリアミド樹脂を溶解した反応系
において、各種不飽和単量体をラジカル重合開始剤を用
いて重合し、グラフト重合体を得る方法が知られている
(例えば、小佐井ら、日本化学会誌;1975(3) 523−5
26)。
【0029】骨格となるポリアミド樹脂に対してグラフ
ト重合させる不飽和単量体(リン酸基含有不飽和単量体
と他の不飽和単量体の総和)の比率[(不飽和単量体)/
(ポリアミド樹脂)]は、固形分重量ベースで0.05〜5の
範囲が好ましく、0.1〜1がより好ましい。当該比率が
5を超えると、グラフト重合が有効に行われずに単量体
のみの重合物が比較的多く生成する結果になる。一方、
0.05未満だと、グラフト重合による変性の程度が小さく
なり、目的を達成することができない。
【0030】不飽和単量体は重合初期に一括添加しても
良いし、重合経過に添って分割添加しても良い。分割添
加する場合はリン酸基含有不飽和単量体と他の不飽和単
量体とを混合して分割添加する方がグラフト重合体の組
成を均質化する点から好ましい。
【0031】グラフト重合を行う系は均一溶液系である
ことが好ましい。そのために、少なくともポリアミド樹
脂を溶解する溶剤を選びグラフト重合に供する前にあら
かじめその溶剤に溶解しておくことが必要である。例え
ば、ポリアミド樹脂としてN-メトキシメチル化ナイロ
ン-6(トレジンF30K、帝国化学産業(株)製)を用いる
場合、溶媒として、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ
等のアルコール系の溶剤が好適に用いられる。溶剤中の
ポリアミド樹脂の濃度は5〜50wt%の範囲が好ましい。
特に10〜25wt%の範囲が溶液粘度からして好適である。
【0032】ラジカル重合開始剤としては、2,2-アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバ
レロニトリル)、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロ
ピオネート)、ジメチル2,2-アゾビスイソブチレートな
どのアゾ系開始剤や、ベンゾイルパーオキシド、ラウロ
イルパーオキシド、ターシャリーブチルパーオキシ・ピ
バレートなどの過酸化物系の開始剤が、所望する重合反
応温度に応じて選択して使用される。使用量はグラフト
重合させる不飽和単量体の総和に対して0.1〜5wt%の範
囲である。これを重合初期に一括添加しても良いし、ま
た一部を反応過程で分割添加しても良い。
【0033】グラフト重合は通常の方法により行う。一
例を挙げれば、攪拌器付き、還流冷却器付き反応器に予
め溶解したポリアミド樹脂の溶液、反応溶媒、グラフト
重合させる不飽和単量体混合液のうちの初期添加分、お
よび重合開始剤のうちの初期添加分を加えて、40℃〜90
℃、好ましくは50℃〜80℃に昇温して行う。不飽和単量
体混合物の残部および重合開始剤の残部は反応過程で所
定時間経過後に一括または分割して添加する。反応温度
は最初から最後まで一定である必要はなく、重合末期に
温度を上げて未反応単量体を極力少なくする方法を取る
ことが多い。
【0034】[2]コーティング剤 本発明のコーティング剤は、本発明の導電性樹脂組成物
を用いたものである。導電性樹脂組成物は粗製のままで
も良いし、精製しても良い。精製する場合、反応生成物
を一旦、貧溶媒中に投入し、グラフト重合物を析出さ
せ、次いで析出物を再度良溶媒に溶解する操作を繰り返
せばよい。貧溶媒としては水が好ましいが、水中に析出
しない場合はアセトン等を用いて反応生成物を析出させ
る。貧溶媒は反応生成物の有姿の3倍〜10倍と大過剰量
使用する。ポリアミド樹脂にグラフト重合していない不
飽和単量体のみの重合物が生成していれば、(アルコー
ル+水)溶媒、(アルコール+アセトン)溶媒に可溶な
ので液層側に溶解して分離されることになる。
【0035】良溶媒を用いてコーティング剤をコーティ
ングに適した濃度に希釈することが好ましい。必要に応
じて、粘度調整剤等の添加剤を加えても良い。希釈溶媒
としては、常圧下における沸点が100℃以下のものが好
ましく、特にメタノール等のアルコール類が好ましく、
固形分基準で10〜20%に希釈することが好ましい。
【0036】本発明のコーティング剤を被塗物に対し
て、固形分基準で1〜10g/m2となるよう塗布すること
により帯電防止性または導電性を付与できる。本発明の
コーティング剤は金属板、プラスチック成型物、シート
またはフィルム、繊維、織布または不織布などのいずれ
にも適用でき、その表面に密着する。
【0037】[3]導電性樹脂成型物 本発明の導電性樹脂成型物は、本発明の導電性樹脂組成
物を成型することにより得られる。成型方法は特に限定
されず、例えば導電性樹脂組成物をキャストすることに
よりフィルム状に成形してもよいし、熱と圧力をかけて
成形する等、公知の方法により作成することができる。
基盤等との密着性の観点からキャスト製膜する方法がも
っとも好ましい。
【0038】キャストフィルムは、導電性樹脂組成物の
メタノール溶液を調製し、これを水平に設置したガラス
板上に流延し、キャストすることにより製造できる。必
要に応じて、吸水性高分子、ゴム等をブレンドしてもよ
い。キャストフィルムの厚みは通常30〜500μm、好ま
しくは50〜200μm程度である。かくして得られる本発明
の導電性樹脂成型物は、導電性の湿度依存性が小さく、
乾燥下でも導電性が低下しにくいという特徴を有する。
【0039】なお、従来の導電性樹脂フィルムは、フィ
ルムの機械的強度、耐水性、耐メタノール性において実
用的な物性を得るため、クエン酸、酒石酸、次亜リン
酸、パラトルエンスルホン酸などの架橋触媒や、メラミ
ン樹脂、水溶性エポキシ樹脂などの架橋剤を用いて架橋
したり、ベーキング処理を施す必要があったが、本発明
の導電性樹脂成型物は上記のような架橋触媒や架橋剤を
使用せずとも、また、ベーキングを省略したり、ベーキ
ング温度を低くしても、あたかも架橋しているような耐
熱水性、耐メタノール性を有するキャストフィルムを与
えるものである。これは、リン酸基間の会合により見か
けの架橋が生成することに起因すると考えられる。
【0040】
【実施例】以下に実施例を記載して本発明の内容をより
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0041】内容積500mlのステンレス製、強力マグ
ネットスターラー付き反応器(ユニケミカル(株)製;特
開平11-192422号)に、下記表1に記載の仕込み組成に
従い、N-メトキシメチル化ナイロン-6(商品名「トレ
ジンF30K」(メトキシメチル化度30%)、帝国化学産業
(株)製)のメタノール溶液、リン酸基含有不飽和単量
体、他の不飽和単量体、2,2'-アゾビスイソブチロニト
リル(AIBN)を仕込み、還流冷却器、温度計、窒素吹込
みノズルを備えた蓋をした。攪拌下で反応容器の外部か
らの電気ヒーターによる加熱により所定の重合温度63℃
まで昇温させ、所定の反応時間3時間重合した。2,2'-
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を追加添加し、さ
らに1時間重合反応を行った。反応生成物が40℃以下ま
で降温するのを待って取出した。比較例1を除き、粘調
な均一溶液状の生成物が得られた。
【0042】実験例1〜5では重合反応は問題無く推移
し、透明で析出物のない粘性のある反応生成物溶液を得
たが、比較例1では重合反応後、反応器の底に凝固物が
沈殿した。反応生成物の回収量は反応器壁や攪拌器への
付着物を完全に回収できなかったので、その分割り引い
て考えなければならないが、反応生成物の固形分濃度の
実測値を理論値(仕込みトレジンF30Kの重量と仕込み不
飽和単量体の100%が重合した場合の重量の和)と比較
して収率を計算したところ、比較例より実施例1〜5の
ほうが収率が高かった。
【0043】
【表1】
【0044】ついで、得られた反応生成物を精製した。
実施例1〜5と比較例1について、下記表2に記載の良
溶媒、貧溶媒を用いてそれぞれ再沈精製を2回繰り返し
た後、貧溶媒で洗浄乾燥した。精製による物質収支を求
め、精製前後の重合体の酸価(カルボン酸価+リン酸価
の和)を測定した。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】表2に示した通り、貧溶媒として水を用い
た場合はいずれも精製収率が70%以上と高いが、貧溶媒
としてアセトンを用いた場合は精製収率が50%未満と低
くなっている。精製前と精製後の酸価を比較すると、精
製後のその値は明らかに低下している。この事実から、
グラフト重合していない不飽和単量体の重合体が水また
はアセトン中に流出したと推測できる。
【0047】しかしPhosmer類を単独でグラフトさせた
実施例1、実施例2の場合も、メタクリル酸単独でグラ
フトさせた比較例1と比較して精製前後の酸価はそれほ
ど遜色なく、また、実施例3〜5のようにPhosmer類と
メタクリル酸の混合物をグラフト重合した場合は、前二
者よりも精製前後の酸価が高くなることが判った。この
事実から、Phosmer類がグラフトしているらしいことは
より明瞭となり、更に、Phosmer類とメタクリル酸を混
合してグラフト重合に供した方がグラフト効率が良くな
ることが判った。
【0048】次いで、実施例1と比較例1の精製グラフ
ト重合体組成物を用いて、コーティング剤を調製した。
コーティング剤の溶剤としては主としてメタノールを使
用したが、コーティング剤B及びCは粘度調整の意味
で、メタノールの一部をポリエチレングリコール又はグ
リセリンで置き換えた。いずれの場合も沈殿を生じるよ
うなことはなく、均一溶状を呈した。ここで得たコーテ
ィング剤を鋼板にコーティングし、40℃×2日間乾燥
後、基材に対する密着性を定性的に評価した。結果を表
3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】次いで、実施例1〜5及び比較例1の精製
グラフト重合体組成物をそれぞれメタノールに固形分濃
度20%に溶解し、架橋触媒、架橋剤を添加することな
く、ガラス板上に流延して室温で2日間乾燥した後、ベ
ーキング温度120℃で3分間熱処理し、厚さ約100μmのキ
ャストフィルムを作成し、その外観、耐熱水性、耐メタ
ノール性および表面固有抵抗を測定した。結果を表4に
示す。
【0051】
【表4】
【0052】表4の記載から明らかなように、N-メト
キシメチル化ナイロン-6に対してメタクリル酸単独を
グラフト重合した比較例1では原料のN-メトキシメチ
ル化ナイロン-6(比較例2)よりも表面固有抵抗が高
くなり、耐熱水性、耐メタノール性にも改良が見られな
いが、Phosmer類を単独で、もしくはメタクリル酸と混
合してグラフト重合した実施例1〜5は、N-メトキシメ
チル化ナイロン-6そのもの(比較例2)並びにN-メト
キシメチル化ナイロン-6にメタクリル酸単独をグラフ
ト重合したもの(比較例1)に比べて、明らかに耐熱水
性、耐メタノール性が改良されている。
【0053】ここで実施例1〜5のリン酸基含有不飽和
単量体を含むグラフト重合体の場合だけが、キャストフ
ィルムの作成過程でのベーキング温度が低くても、極端
な例ではベーキングをしない場合にも、熱水およびメタ
ノールに溶解し難い性質を示す。このことから、耐水性
が向上した理由は、N-メトキシメチル化ナイロン-6の
自己架橋が起こったことによるのではなく、リン酸基同
士の分子間会合が効いていると考えられる。
【0054】また、実施例のリン酸基含有不飽和単量体
を含むグラフト重合体の場合は、メタクリル酸のみのグ
ラフト重合体(比較例1)および原料N-メトキシメチ
ル化ナイロン-6そのもの(比較例2)に比べて、表面
固有抵抗が少なくとも1桁低く、且つ、その環境湿度依
存性の少ないことが判る。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、リ
ン酸基含有不飽和単量体を必須成分としてポリアミド樹
脂にグラフト重合することにより、架橋触媒、架橋剤の
添加なしでも、耐熱水性、耐メタノール性に優れ、導電
性の高い導電性樹脂組成物が得られる。
【0056】本発明の導電性樹脂組成物を用いたコーテ
ィング剤は各種基材に対する密着性に優れるとともに、
耐熱水性、耐メタノール性に優れているので、電気・電
子、繊維衣料用途向けの制電剤例えば導電性のロールへ
の被覆剤として、あるいはインク、塗料のビヒクルとし
て有効に用いられる。また、本発明の導電性樹脂組成物
から得られる成型物は、フィルム強度が高く且つ導電性
に優れるので、燃料電池等の高分子固体電解質として使
用できる可能性を有する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 299/02 C08F 299/02 4J027 C08G 69/48 C08G 69/48 4J038 C08J 5/18 CFG C08J 5/18 CFG 4J100 C09D 5/24 C09D 5/24 5G301 143/02 143/02 151/08 151/08 177/00 177/00 H01B 1/12 H01B 1/12 Z 1/20 1/20 Z Fターム(参考) 4F071 AA33 AA54 AE15 AF37 AF38 AH19 BA02 BB02 BC01 4J001 DA01 DB01 EA12 EA13 EA23 FA03 GE03 HA10 JA17 4J002 BG07X CL01W FD11X 4J011 PA96 PB40 PC02 4J026 AB28 BA41 BB01 BB03 CA03 DB02 DB12 DB15 GA06 4J027 AC03 AC04 AC06 AJ02 BA04 BA05 BA06 BA07 BA14 BA17 BA19 CA07 CB04 CB09 CC02 CD08 4J038 CG141 CH141 CP091 DH021 GA14 JA19 KA06 MA09 MA14 NA04 NA20 PA18 PB02 PB05 PB09 PB11 PC02 PC08 PC10 4J100 AB01Q AC03Q AG04Q AJ02Q AK32Q AL03Q AL08P AL09Q AL66Q AM02Q AM19Q AS02Q BA02P BA08P BA64P CA01 CA04 DA56 JA01 5G301 DA28 DD02 DD10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアミド樹脂、及び(B)下記一般式
    (I): 【化1】 (ただし一般式(I)において、R1はH又はCH3を表
    し、R2はH、CH3またはCH2X(Xはハロゲン)を表
    す。nは1〜6の整数を表す。リン酸基は解離していて
    もよいし、錯塩を形成していても良い。)により表され
    るリン酸基含有不飽和単量体、又は該リン酸基含有不飽
    和単量体及びこれと共重合しうる他の不飽和単量体を含
    有する混合物をラジカル重合して得られることを特徴と
    する導電性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の導電性樹脂組成物にお
    いて、前記ポリアミド樹脂が、下記一般式(II): 【化2】 (ただし一般式(II)において、R3〜R5は置換または無
    置換のアルキレン基を表し、R6は置換または無置換の
    アルキル基を表し、lとmは重合比を表し、10≦l≦5
    0、50≦m≦90であって、lとmとの和は100である。)
    により表されるN-アルコキシアルキル化ポリアミドで
    あることを特徴とする導電性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の導電性樹脂組成
    物を含有するコーティング剤。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のコーティング剤を用い
    て、鋼材、ガラス、プラスチック又は繊維にコーティン
    グ被膜を形成せしめる方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の導電性樹脂組成
    物をキャスト製膜してなる被膜。
  6. 【請求項6】 ポリアミド樹脂溶液に、 下記一般式(I): 【化3】 (ただし一般式(I)において、R1はH又はCH3を表
    し、R2はH、CH3またはCH2X(Xはハロゲン)を表
    す。nは1〜6の整数を表す。リン酸基は解離していて
    もよいし、錯塩を形成していても良い。)により表され
    るリン酸基含有不飽和単量体、又は該リン酸基含有不飽
    和単量体及びこれと共重合しうる他の不飽和単量体と、
    ラジカル重合開始剤とを加え、ラジカル重合反応させる
    ことを特徴とする導電性樹脂組成物の製造方法。
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