JP2002047060A - 誘電体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

誘電体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及びその製造方法

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JP2002047060A JP2000227743A JP2000227743A JP2002047060A JP 2002047060 A JP2002047060 A JP 2002047060A JP 2000227743 A JP2000227743 A JP 2000227743A JP 2000227743 A JP2000227743 A JP 2000227743A JP 2002047060 A JP2002047060 A JP 2002047060A
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伸岳 平井
Shokyo Tei
勝教 鄭
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濬禄 呉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型かつ大容量で、高周波領域においても安
定した特性を有し、しかも低温での焼成を実現すること
で、製造コストを大幅に低下させることができる誘電体
磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 本発明の誘電体磁器組成物は、TiO2
を25〜85mol%含み、残部をZnO及び不可避不
純物とする主組成物に、CuOを0.5〜15重量%、
MnO2を0.1〜10重量%、Al23を0〜10重
量%、PbOを0.001〜10重量%、ガラス組成物
を0.5〜10重量%添加したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体磁器組成物
とそれを用いた磁器コンデンサ及びその製造方法に関
し、更に詳しくは、高周波領域、特にマイクロ波領域に
おいて、高い比誘電率、低い誘電損失、高い絶縁抵抗等
の優れた電気的特性を有し、しかも、小型かつ大容量で
信頼性に優れ、さらには低温での焼成を実現すること
で、製造コストを大幅に低下させることを可能とする誘
電体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、小型かつ大容量のコンデンサとし
てセラミックコンデンサがよく知られている。このセラ
ミックコンデンサは、セラミックスの誘電特性を利用し
た素子で、ルチル型のTiO2や、ペロブスカイト型の
BaTiO3、MgTiO3、CaTiO3、SrTiO3
等の誘電体材料を単体、もしくはこれらを組み合わせる
ことにより、所望の特性を有するコンデンサが得られ
る。
【0003】セラミックコンデンサは、単層型と積層型
に分類される。単層セラミックコンデンサは、上述した
材料(粉体)を加圧成形して所定形状、例えば、ペレッ
ト(円板状)、ロッド(円筒状)、チップ(角型状)等
の成形体とし、この成形体を1200〜1400℃の温
度で焼成して焼結体とした後、その表裏両面に電極を形
成することにより得ることができる。
【0004】また、積層セラミックコンデンサは、上述
した材料(粉体)と有機バインダー及び有機溶剤を混練
してスラリーとし、ドクターブレード法によりこのスラ
リーをシート状に成形し脱脂してグリーンシートとし、
このグリーンシート上にPtやPd等の貴金属からなる
電極を印刷した後に、これらのグリーンシートを厚み方
向に重ね合わせ加圧して積層体とし、この積層体を12
00〜1400℃の温度で焼成することにより得ること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のセラミックコンデンサにおいては、マイクロ波等の
高周波領域における適用範囲を広げる必要があり、比誘
電率、誘電損失、絶縁抵抗等の特性に対してもより高特
性かつ高信頼性を有するものが求められている。しかし
ながら、現在の誘電体材料ではこれらの要求に十分対応
するまでには至っていない。特に、積層セラミックコン
デンサにおいては、緻密な積層体を得るために1200
〜1400℃の温度で焼成する必要があり、また、内部
電極材料についても高温度でも安定なPtやPd等の貴
金属を用いる必要があり、低コスト化が難しいという問
題点があった。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、小型かつ大容量で、高周波領域においても
安定した特性を有し、しかも低温での焼成を実現するこ
とで、製造コストを大幅に低下させることができる誘電
体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のような誘電体磁器組成物とそれを用い
た磁器コンデンサ及びその製造方法を提供した。すなわ
ち、請求項1記載の誘電体磁器組成物は、TiO2を2
5〜85mol%含み、残部をZnO及び不可避不純物
とする主組成物に、CuOを0.5〜15重量%、Mn
2を0.1〜10重量%、Al23を0〜10重量
%、PbOを0.001〜10重量%、ガラス組成物を
0.5〜10重量%添加してなることを特徴とする。
【0008】この誘電体磁器組成物では、TiO2を2
5〜85mol%含み、残部をZnO及び不可避不純物
とする主組成物に、CuOを0.5〜15重量%、Mn
2を0.1〜10重量%、Al23を0〜10重量
%、PbOを0.001〜10重量%、ガラス組成物を
0.5〜10重量%添加したことにより、高い比誘電
率、低い誘電損失、高い絶縁抵抗等の電気的特性を実現
することが可能になり、マイクロ波等の高周波領域にお
ける電気的特性が安定する。これにより、高周波領域に
おける製品の信頼性が向上する。
【0009】ここで、TiO2の含有率を25〜85m
ol%とした理由は、25mol%未満では誘電損失が
増加するために高周波領域における電気的特性が低下
し、85mol%を越えると焼結性が低下するために緻
密な焼結体が得られないからである。また、ZnOの含
有率をTiO2を除く残部、すなわち15〜75mol
%とした理由は、15mol%未満では焼結性が低下す
るために緻密な焼結体が得られず、75mol%を越え
ると誘電損失が増加するために高周波領域における電気
的特性が低下するからである。
【0010】CuOは、誘電損失を改善するために添加
するものであって、その添加量は0.5〜15重量%が
好ましい。その理由は、0.5重量%未満では誘電損失
の改善効果が得られず、また、15重量%を越えると逆
に誘電損失が増加するからである。MnO2は、誘電損
失を改善するために添加するものであって、その添加量
は0.1〜10重量%が好ましい。その理由は、0.1
重量%未満では誘電損失の改善効果が得られず、また、
10重量%を越えると逆に誘電損失が増加するからであ
る。
【0011】Al23は、誘電損失を改善するために添
加するものであって、その添加量は0〜10重量%が好
ましい。その理由は、10重量%を越えると誘電損失が
増加するからである。PbOは、誘電損失を改善するた
めに添加するものであって、その添加量は0.001〜
10重量%が好ましい。その理由は、0.001重量%
未満では誘電損失の改善効果が得られず、また、10重
量%を越えると逆に誘電損失が増加するからである。な
お、上述した誘電損失の改善効果は、tanδ(損失係
数)を測定することにより確認することができる。
【0012】ガラス組成物は、低温焼成時の粒界層にお
けるぬれ性を向上させ焼結性を高めるために焼結助剤と
して添加するものであって、その添加量は0.5〜10
重量%が好ましい。その理由は、0.5重量%未満では
焼結助剤としての効果が現れないために緻密な焼結体を
得ることができず、また、10重量%を越えると誘電損
失が増加するからである。ガラス組成物としては、添加
しても特性に悪影響を及ぼすことが無く、主組成物の成
分であるTiO2及びZnOとぬれ性が良く、しかも5
00℃以上の温度で軟化および/または溶融するガラス
が好ましい。
【0013】請求項2記載の誘電体磁器組成物は、請求
項1記載の誘電体磁器組成物において、前記ガラス組成
物は、硼酸ガラス、硼珪酸ガラス、硼酸亜鉛ガラス、硼
珪酸亜鉛ガラス、硼酸鉛ガラスのいずれか1種であるこ
とを特徴とする。
【0014】請求項3記載の磁器コンデンサは、請求項
1または2記載の誘電体磁器組成物からなる素子の両面
に電極を形成してなることを特徴とする。
【0015】請求項4記載の磁器コンデンサは、請求項
1または2記載の誘電体磁器組成物からなるシート状の
誘電体層と、電極層とを交互に積層してなることを特徴
とする。
【0016】請求項5記載の誘電体磁器組成物の製造方
法は、TiO2を25〜85mol%含み、残部をZn
O及び不可避不純物とする主組成物に、CuOを0.5
〜15重量%、MnO2を0.1〜10重量%、Al2
3を0〜10重量%、PbOを0.001〜10重量
%、ガラス組成物を0.5〜10重量%添加した粉体
を、成形してバルク状もしくはシート状の成形体とし、
この成形体を800℃以上の温度で焼成することを特徴
とする。
【0017】この製造方法では、TiO2を25〜85
mol%含み、残部をZnO及び不可避不純物とする主
組成物に、CuOを0.5〜15重量%、MnO2
0.1〜10重量%、Al23を0〜10重量%、Pb
Oを0.001〜10重量%、ガラス組成物を0.5〜
10重量%添加した粉体を、成形してバルク状もしくは
シート状の成形体とし、この成形体を800℃以上の温
度で焼成することにより、焼結助剤であるガラス組成物
が焼成過程において粒界層のぬれ性を向上させ、成形体
中の粉末粒子同士を癒着させるとともに、粉末粒子間の
空隙を減少させて焼結を進行させる。これにより、80
0℃以上の温度で焼成することにより、緻密で高強度の
焼結体を得ることが可能になる。
【0018】請求項6記載の誘電体磁器組成物の製造方
法は、請求項5記載の誘電体磁器組成物の製造方法にお
いて、前記シート状の成形体の一主面に電極を形成し、
次いで、この成形体を複数枚厚み方向に重ね合わせ加圧
して積層体とし、この積層体を前記温度で焼成すること
を特徴とする。
【0019】この製造方法では、シート状の成形体の一
主面に電極を形成し、次いで、この成形体を複数枚厚み
方向に重ね合わせ加圧して積層体とし、この積層体を前
記温度で焼成することにより、内部電極にPtやPd等
の貴金属と比較して安価なAg等の金属を用いることが
可能になり、従来より用いていたPtやPd等の貴金属
を電極材料として用いる必要が無くなる。これにより、
高周波特性等の電気的特性を低下させること無く低コス
ト化を図ることが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器組成物とそれ
を用いた磁器コンデンサ及びその製造方法の各実施形態
について図面に基づき説明する。
【0021】[第1の実施形態]図1は本発明の第1の
実施形態のセラミックコンデンサ(磁器コンデンサ)を
示す断面図であり、図において、符号1はバルク状の誘
電体、2は誘電体1の両面に形成された端子電極、3は
端子電極2に接続されたリード線、4はこれらを封止す
るエポキシ樹脂である。
【0022】誘電体1は、TiO2を25〜85mol
%含み、残部をZnO及び不可避不純物とする主組成物
に、CuOを0.5〜15重量%、MnO2を0.1〜
10重量%、Al23を0〜10重量%、PbOを0.
001〜10重量%、ガラス組成物を0.5〜10重量
%添加した材料組成からなる誘電体セラミックスであ
る。端子電極3は、AgもしくはAg合金を主成分とす
る金属により構成されている。Ag合金としては、例え
ば、90Ag−10Pd等が好適に用いられる。
【0023】次に、このセラミックコンデンサの製造方
法について説明する。まず、粉末状のTiO2、Zn
O、CuO、MnO2、Al23、PbO、ガラス組成
物をそれぞれ所定量秤量した。ここでは、表1及び表2
に示す材料組成となるように秤量した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】次いで、これらの粉体を所定量の水(もし
くはエタノール、アセトン等の有機溶媒)等の分散媒と
ともにボールミルに収容し、所定時間、例えば24時間
混合・粉砕し、その後脱水(もしくは脱エタノール、脱
アセトン等の脱有機溶媒)・乾燥を行った。本発明の材
料組成以外の組成の試料も作製し比較例とした(表1及
び表2中では「※」で示してある)。
【0027】次いで、この乾燥粉末を550〜750℃
の温度で0.5〜5.0時間、仮焼成し、次いで、ライ
カイ機(もしくは自動乳鉢)を用いて1〜24時間粉砕
し、所定の粒度の仮焼粉とした。次いで、この仮焼粉に
所定量の有機バインダーを加えた後、ライカイ機等を用
いて均一に混合・造粒し、所定の粒度の造粒粉(団粒)
とした。有機バインダーはPVA(polyvinyl alcoho
l)水溶液を用いた。有機バインダーとしては、エチル
セルロース水溶液、アクリル樹脂水溶液(アクリルバイ
ンダー)等を用いてもよい。
【0028】次いで、成形機を用いて、この造粒粉を直
径20mm、厚さ2mmのペレットに成形し、その後、
大気中、800℃以上の温度で0.5〜10.0時間焼
成し、本実施形態の円板状の誘電体1を得た。なお、本
発明の材料組成の試料を本発明の焼成温度範囲以外の温
度で焼成し比較例とした(表1及び表2中では比較例を
「※」で示してある)。
【0029】表3及び表4は、各試料における電気的特
性を示したものである。なお、表3及び表4中では比較
例を「※」で示してある。
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】ここでは、比誘電率(ε)及びtanδ
(損失係数)は、25℃において、1MHz、1Vrms
の条件下で測定を行った。絶縁抵抗IR(Ω)は、10
00V(DC)を1分間印加した後、測定を行った。
【0032】これらの表3及び表4から明かなように、
本実施形態の試料によれば、比誘電率(ε)、tan
δ、絶縁抵抗IR共、高周波領域においても安定してい
ることがわかる。一方、比較例の試料では、本実施形態
の試料と比べて、比誘電率(ε)、tanδ、絶縁抵抗
IRのいずれかが低下していることがわかる。さらに、
金属顕微鏡を用いて、本実施形態の試料の表面状態を観
察したところ、粒界に空孔等が認められず、緻密な焼結
体であることが確認された。
【0033】以上説明したように、本実施形態のセラミ
ックコンデンサによれば、誘電体1を、TiO2を25
〜85mol%含み、残部をZnO及び不可避不純物と
する主組成物に、CuOを0.5〜15重量%、MnO
2を0.1〜10重量%、Al23を0〜10重量%、
PbOを0.001〜10重量%、ガラス組成物を0.
5〜10重量%添加した材料組成としたので、高い比誘
電率、低いtanδ、高い絶縁抵抗を実現することがで
き、マイクロ波等の高周波領域における電気的特性を安
定化させることができる。したがって、高周波領域にお
ける信頼性を向上させることができる。
【0034】本実施形態のセラミックコンデンサの製造
方法によれば、TiO2を25〜85mol%含み、残
部をZnO及び不可避不純物とする主組成物に、CuO
を0.5〜15重量%、MnO2を0.1〜10重量
%、Al23を0〜10重量%、PbOを0.001〜
10重量%、ガラス組成物を0.5〜10重量%添加し
た材料組成となるように、それぞれの粉体を秤量・混合
して混合粉とし、この混合粉を成形してバルク状の成形
体とし、この成形体を800℃以上の温度で焼成したの
で、緻密で高強度の焼結体を低温焼成により作製するこ
とができる。
【0035】[第2の実施形態]図2は本発明の第2の
実施形態の積層セラミックコンデンサを示す断面図であ
り、図において、符号11はシート状の誘電体層、12
は薄厚の内部電極、13、14は端子電極であり、誘電
体層11を8層、内部電極12を7層、交互に積層した
構成である。
【0036】誘電体層11は、TiO2を25〜85m
ol%含み、残部をZnO及び不可避不純物とする主組
成物に、CuOを0.5〜15重量%、MnO2を0.
1〜10重量%、Al23を0〜10重量%、PbOを
0.001〜10重量%、ガラス組成物を0.5〜10
重量%添加した材料組成からなるシート状の誘電体セラ
ミックスである。
【0037】内部電極12及び端子電極13、14は、
導体としての特性を有し、しかも信頼性の高い電極材
料、例えば、AgもしくはAg合金を主成分とする金属
により構成されている。Ag合金としては、例えば、9
0Ag−10Pd等が好適に用いられる。この積層セラ
ミックコンデンサは、高周波領域においても安定した特
性を有する。
【0038】次に、この積層セラミックコンデンサの製
造方法について説明する。まず、本実施形態の材料組成
となるように、粉末状のTiO2、ZnO、CuO、M
nO2、Al23、PbO、ガラス組成物をそれぞれ所
定量秤量し、これらの粉体を所定量の水(もしくはエタ
ノール、アセトン)等の分散媒とともにボールミルに収
容し、所定時間、例えば24時間混合・粉砕し、その後
脱水(もしくは脱エタノール、脱アセトン等の脱有機溶
媒)・乾燥を行った。
【0039】次いで、この乾燥粉に所定量の有機バイン
ダー及び有機溶剤を加えた後、ライカイ機、混練機等を
用いて混練し、所定の粘度を有するスラリーとした。こ
こで、有機バインダーとしては、PVA(polyvinyl al
cohol)水溶液を用いた。有機バインダーは、エチルセ
ルロース水溶液、アクリル樹脂水溶液(アクリルバイン
ダー)等を用いてもよい。次いで、ドクターブレード法
により、このスラリーをシート状に成形し脱脂してグリ
ーンシートとし、このグリーンシート上に、Ag、もし
くは90Ag−10Pd等のAg合金を主成分とする導
電ペーストを所定のパターンに印刷し内部電極層とし
た。
【0040】次いで、これらのグリーンシートを厚み方
向に重ね合わせ、その後厚み方向に加圧して積層体とし
た。次いで、この積層体を800℃以上の温度で焼成
し、その後、両側面に端子電極13、14を形成した。
以上により、誘電体層11と内部電極12とを交互に積
層した積層セラミックコンデンサを作製することができ
た。
【0041】以上説明したように、本実施形態の積層セ
ラミックコンデンサによれば、誘電体層11を、TiO
2を25〜85mol%含み、残部をZnO及び不可避
不純物とする主組成物に、CuOを0.5〜15重量
%、MnO2を0.1〜10重量%、Al23を0〜1
0重量%、PbOを0.001〜10重量%、ガラス組
成物を0.5〜10重量%添加した材料組成としたの
で、小型かつ大容量で、高い比誘電率、低い誘電損失、
高い絶縁抵抗を実現することができ、マイクロ波等の高
周波領域における電気的特性を安定化させることができ
る。したがって、高周波領域における信頼性を向上させ
ることができる。
【0042】本実施形態の積層セラミックコンデンサの
製造方法によれば、TiO2を25〜85mol%含
み、残部をZnO及び不可避不純物とする主組成物に、
CuOを0.5〜15重量%、MnO2を0.1〜10
重量%、Al23を0〜10重量%、PbOを0.00
1〜10重量%、ガラス組成物を0.5〜10重量%添
加した材料組成の混合粉を成形してなるグリーンシート
を厚み方向に重ね合わせて積層体とし、この積層体を8
00℃以上の温度で焼成するので、内部電極12の材料
にPtやPd等の貴金属と比較して比較的安価なAg等
の金属を用いることができ、PtやPd等の貴金属を電
極材料として用いる必要が無い。したがって、特性を低
下させること無く、低コスト化を図ることができる。
【0043】以上、本発明の誘電体磁器組成物とそれを
用いた磁器コンデンサ及びその製造方法の各実施形態に
ついて図面に基づき説明してきたが、具体的な構成は上
述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の
要旨を逸脱しない範囲で設計の変更等が可能である。例
えば、第2の実施形態の積層セラミックコンデンサで
は、誘電体層11を8層、内部電極12を7層、交互に
積層した構成としたが、誘電体層11及び内部電極12
それぞれの大きさや層数は、必要とされる容量や特性に
より適宜変更可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の請求項1記
載の誘電体磁器組成物によれば、TiO2を25〜85
mol%含み、残部をZnO及び不可避不純物とする主
組成物に、CuOを0.5〜15重量%、MnO2
0.1〜10重量%、Al23を0〜10重量%、Pb
Oを0.001〜10重量%、ガラス組成物を0.5〜
10重量%添加したので、高い比誘電率、低い誘電損
失、高い絶縁抵抗を実現することができ、マイクロ波等
の高周波領域における電気的特性を安定化させることが
できる。したがって、高周波領域における信頼性を向上
させることができる。
【0045】請求項3記載の磁器コンデンサによれば、
本発明の誘電体磁器組成物からなる素子の両面に電極を
形成したので、高周波領域における誘電体損失を小さく
することができる。その結果、マイクロ波等の高周波領
域における電気的特性を安定化させることができ、高周
波領域における信頼性を向上させることができる。ま
た、電極に、PtやPd等の貴金属と比較して比較的安
価なAg等の金属を用いることができるので、特性を低
下させずに製造コストを低減することができる。
【0046】請求項4記載の磁器コンデンサによれば、
本発明の誘電体磁器組成物からなるシート状の誘電体
と、電極とを交互に積層したので、高周波領域における
誘電体損失を小さくすることができる。その結果、マイ
クロ波等の高周波領域における電気的特性を安定化させ
ることができ、高周波領域における信頼性を向上させる
ことができる。また、電極に、PtやPd等の貴金属と
比較して比較的安価なAg等の金属を用いることができ
るので、特性を低下させずに製造コストを低減すること
ができる。
【0047】請求項5記載の誘電体磁器組成物の製造方
法によれば、TiO2を25〜85mol%含み、残部
をZnO及び不可避不純物とする主組成物に、CuOを
0.5〜15重量%、MnO2を0.1〜10重量%、
Al23を0〜10重量%、PbOを0.001〜10
重量%、ガラス組成物を0.5〜10重量%添加した粉
体を、成形してバルク状もしくはシート状の成形体と
し、この成形体を800℃以上の温度で焼成するので、
低温焼成により緻密で高強度の焼結体を作製することが
できる。
【0048】請求項6記載の誘電体磁器組成物の製造方
法によれば、シート状の成形体の一主面に電極を形成
し、次いで、この成形体を複数枚厚み方向に重ね合わせ
加圧して積層体とし、この積層体を前記温度で焼成する
ので、内部電極材料にPtやPd等の貴金属と比較して
安価なAg等の金属を用いることができ、PtやPd等
の貴金属を電極材料として用いる必要が無くなる。した
がって、製品の特性を低下させること無く低コスト化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の単層セラミックコ
ンデンサを示す断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態の積層セラミックコ
ンデンサを示す断面図である。
【符号の説明】
1 バルク状の誘電体 2 端子電極 3 リード線 4 エポキシ樹脂 11 誘電体層 12 内部電極 13、14 端子電極
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 4/12 364 H01G 4/12 415 415 B28B 11/00 Z (72)発明者 鄭 勝教 大韓民国京畿道水原市八達區梅灘洞314番 地 三星電機株式会社内 (72)発明者 呉 濬禄 大韓民国京畿道水原市八達區梅灘洞314番 地 三星電機株式会社内 (72)発明者 張 炳圭 大韓民国京畿道水原市八達區梅灘洞314番 地 三星電機株式会社内 Fターム(参考) 4G031 AA11 AA19 AA25 AA26 AA28 AA29 AA30 AA32 BA09 CA08 GA02 GA06 GA11 4G055 AA08 AC09 BA22 BA29 5E001 AB01 AB03 AE00 AE03 AE04 AH05 AH08 AH09 AJ01 AJ02 5G303 AA01 AA10 AB01 AB06 AB07 AB15 BA12 CA01 CB01 CB02 CB11 CB18 CB25 CB30 CB35 CB38 DA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 TiO2を25〜85mol%含み、残
    部をZnO及び不可避不純物とする主組成物に、CuO
    を0.5〜15重量%、MnO2を0.1〜10重量
    %、Al23を0〜10重量%、PbOを0.001〜
    10重量%、ガラス組成物を0.5〜10重量%添加し
    てなることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】 前記ガラス組成物は、硼酸ガラス、硼珪
    酸ガラス、硼酸亜鉛ガラス、硼珪酸亜鉛ガラス、硼酸鉛
    ガラスのいずれか1種であることを特徴とする請求項1
    記載の誘電体磁器組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の誘電体磁器組成
    物からなる素子の両面に電極を形成してなることを特徴
    とする磁器コンデンサ。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の誘電体磁器組成
    物からなるシート状の誘電体層と、電極層とを交互に積
    層してなることを特徴とする磁器コンデンサ。
  5. 【請求項5】 TiO2を25〜85mol%含み、残
    部をZnO及び不可避不純物とする主組成物に、CuO
    を0.5〜15重量%、MnO2を0.1〜10重量
    %、Al23を0〜10重量%、PbOを0.001〜
    10重量%、ガラス組成物を0.5〜10重量%添加し
    た粉体を、成形してバルク状もしくはシート状の成形体
    とし、この成形体を800℃以上の温度で焼成すること
    を特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記シート状の成形体の一主面に電極を
    形成し、次いで、この成形体を複数枚厚み方向に重ね合
    わせ加圧して積層体とし、この積層体を前記温度で焼成
    することを特徴とする請求項5記載の誘電体磁器組成物
    の製造方法。
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