JP2002046939A - 産業布帛用モノフィラメントおよびその巻き取り方法 - Google Patents

産業布帛用モノフィラメントおよびその巻き取り方法

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JP2002046939A
JP2002046939A JP2000230348A JP2000230348A JP2002046939A JP 2002046939 A JP2002046939 A JP 2002046939A JP 2000230348 A JP2000230348 A JP 2000230348A JP 2000230348 A JP2000230348 A JP 2000230348A JP 2002046939 A JP2002046939 A JP 2002046939A
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Tadanori Iwama
忠則 岩間
Masanori Isaji
正典 伊佐治
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Toray Monofilament Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 解舒性に優れ、布帛とした場合に周期的なヒ
ケ斑の発生がなく布帛の表面が均一に仕上がり可能な高
吸水性または高弾性の産業布帛用モノフィラメントおよ
びその効率的な巻き取り方法を提供する。 【解決手段】 高吸水性または高弾性のモノフィラメン
トであって、鼓型巻具または半鼓型巻具に巻き取られて
パッケージを形成しており、このパッケージから連続し
て給糸して測定したストレッチ率5%以下のストレッチ
テンション変動幅がパッケージの各層における1トラバ
ース分の糸長内で0.3cN/dtex以下である産業
布帛用モノフィラメント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業布帛用モノフイ
ラメントおよびその巻き取り方法に関し、さらに詳しく
は、布帛とした場合に布帛の表面が均一に仕上がり可能
な高吸水性または高弾性の産業布帛用モノフイラメント
およびその効率的な巻き取り方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高吸水性または高弾性という優れた特性
を有するモノフイラメントは、製造後の外気湿度の影響
または延伸時に生じる内部歪の応力緩和に起因して、糸
質が変化し易く、パッケージによっては巻き位置によっ
て糸質に違いを生じ、布帛用原糸として使用した場合に
周期的なヒケ斑となり易く、その結果布帛の品位を著し
く損なうという問題があった。
【0003】一般に、汎用の産業布帛用モノフイラメン
トは、フランジボビンかパーンに巻かれて市場に供給さ
れるが、フランジボビンパッケージは、各層において外
気への晒され方は同等であり、且つ端部と中央部で巻き
締まりにも差がないため、パッケージの各層における端
部と中央部の糸質に差が生じにくく、上記の周期的なヒ
ケ斑に関しては特に問題はない。しかし、解舒時に糸が
フランジに引っ掛かり易いことから解舒性に劣るため、
フランジボビンの適用は、糸が引っ掛かり難い太物モノ
フィラメントの巻き取りに限定されているのが実状であ
る。
【0004】一方、パーンパッケージは、その優れた解
舒性から、もっぱら細物モノフイラメントに適用されて
いる。しかしながら、パーンパッケージは、表層を除く
いずれの層においても端部は外気に晒され、中央部は外
気に触れることはないため、高吸水性モノフイラメント
を巻き取った場合には、表層を除く各層の端部と中央部
で外気湿度の影響の有無により水分差が生じ、布帛用原
糸として使用したときに、周期的なヒケ斑となり易く、
布帛の品位を著しく損なうという問題があった。
【0005】また、パーンパッケージの端部は、いずれ
の層においても重ね巻きされないため、巻き締まりを生
じないが、中央部は最表層を除き重ね巻きされるために
巻き締まりを生じることになる。そして、この巻き締ま
りの違いは、延伸時に生じた内部歪みの応力緩和速度お
よび量に影響し、エージング後に端部と中央部の残留内
部歪みに大きな差を生じ、これまた布帛の周期的なヒケ
斑となり易いという問題があった。この不具合は特に延
伸後のフリー収縮が大きい高弾性モノフイラメントの場
合に発現し易く、またパッケージの内層になればなるほ
ど強いヒケ斑となる傾向があった。
【0006】かかる状況から、布帛用原糸として周期的
なヒケ斑が発生し難いという特性改良を目指した種々の
検討が従来から行われている。例えば、特開昭54−1
25737号公報には、表面のフィラメントがそれ以前
に巻かれたフィラメントの全面を少なくとも0.3mm
厚に覆い巻きした捲糸体が提案されている。しかしなが
ら、この捲糸体はパーン巻きの巻厚径が著しく異なるこ
とから、急激且つ大幅に周長が変化する端部と中央に、
スピンドルドライブ方式で連続してスピンドル回転数を
制御して覆い巻きすることが極めて困難であり、またツ
イストワインダーで覆い巻きした場合には、端部と中央
で撚数が急激に且つ周期的に変化するため、布帛表面が
上記撚数変化に対応した周期的な光沢斑になり易いとい
う問題があった。さらに、0.3mm厚とはいえ最内層
の端部は段になってしまうため、型崩れし易いという問
題も包含するものであった。
【0007】また、特開昭60−48867号公報およ
び特開平7−309530号公報には、トラバース速度
などの巻取条件を特定したポリエステル繊維の巻取方法
およびストッキング編地用ナイロン66糸の巻取方法が
提案されている。さらに、特開平11−100720号
公報には、延伸から10日間経過後のフリー収縮率など
の特性値を特定したスクリーン紗用ポリエステルモノフ
ィラメントが提案されている。しかしながら、これらの
提案は、延伸による内部歪みに対する改良に関するもの
であり、依然として繊維の水分率の多寡による問題点を
解消するものではなく、さらに、特開平11−1007
20号公報に記載の技術は、素材の持つ高弾性という優
れた特性を犠牲にせざるを得ないものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結
果、達成されたものである。
【0009】したがって、本発明の目的は高吸水性また
は高弾性という優れた特性を有する細物モノフイラメン
トであっても解舒性に優れ、布帛とした場合にパーンパ
ッケージの巻き位置に起因する周期的なヒケ斑の発生を
起こすことがなく、布帛の表面が均一に仕上がり可能
な、高吸水性または高弾性の産業布帛用モノフイラメン
トおよびその効率的な巻き取り方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討した結果、截頭錐体状の鍔を有
する巻具にモノフィラメントを特定の張力で巻き取ると
いう独特の方法により、パッケージの表層、中層、内層
といった各巻き取り層において端部と中央部で水分差お
よび延伸により発生する内部歪みの緩和差が生じ難いモ
ノフィラメントが得られることを見出だし、本発明に到
達した。
【0011】すなわち、本発明は、繊度が980dte
x以下、JIS−L1013に定める試料の標準状態に
おける水分率(以下吸湿率と略称する。)が1%以上ま
たは初期引張抵抗度が30cN/dtex以上のモノフ
ィラメントであって、少なくともトップ側の鍔が截頭錐
体からなり、この截頭錐体の截頭部が内側方向に向いて
いる鼓型巻具または半鼓型巻具に巻き取られてパッケー
ジを形成しており、このパッケージから連続して給糸し
て測定したストレッチ率5%以下のストレッチテンショ
ン(以下ST値と略称する)変動幅(以下ST値差と略
称する)が、パッケージの各層における1トラバース分
の糸長内で0.3cN/dtex以下であることを特徴
とする産業布帛用モノフィラメントを提供するものであ
る。
【0012】なお、上記の鼓型巻具または半鼓型巻具に
おける截頭錐体の鍔のJIS−Z8114に定めるテー
パー比が12以下であることが好ましい。
【0013】また、本発明のモノフィラメントの巻き取
り方法は、繊度が980dtex以下、JIS−L10
13に定める試料の標準状態における水分率が1%以上
または初期引張抵抗度が30cN/dtex以上のモノ
フィラメントを、少なくともトップ側の鍔が截頭錐体か
らなり、この截頭錐体の截頭部が内側方向に向いている
鼓型巻具または半鼓型巻具に巻き取るに際し、0.2c
N/dtex以上、0.9cN/dtex以下の張力で
巻き取ることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明のモノフィラメントを構成するポリ
マーとしては、溶融紡糸が可能な熱可塑性樹脂であれば
いかなる素材であってもよいが、ポリアミド、ポリエス
テル、ポリオレフィン、フッ素系樹脂、ポリフェニレン
サルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性
ポリイミド、ポリオキシメチレンおよびポリエーテルニ
トリルなどを挙げることができる。また、モノフィラメ
ントを構成するポリマーには、少量の酸化チタン、酸化
ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タル
ク、カオリン、ジルコニウム酸、などの各種無機粒子や
架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか、従
来公知の抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、
着色防止剤、耐光剤、難燃剤、各種着色剤、帯電防止
剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種界面活性剤、
各種強化繊維類および各種可塑剤などが添加されてもよ
い。
【0016】本発明のモノフィラメントは、繊度が98
0dtex以下、好ましくは440dtex以下のもの
である。
【0017】繊度が上記の範囲を越える太物モノフィラ
メントに本発明を適用しても、何等支障は生じないが、
太物モノフィラメントは、その解舒性からパッケージの
巻き位置で糸質差が生じ難いフランジボビンを適用でき
るため、敢えて本発明の適用から除外した。太物モノフ
ィラメントの解舒性に問題ない理由は明らかではない
が、太物モノフィラメントは糸が重いため、解舒バルー
ンが大きくなりフランジと接触しにくくなることに加え
て、フランジとの接触衝撃力が細物モノフィラメントに
比べ単位糸断面積当り相対的に小さくなるため、解舒性
が阻害され難いものであると考えられる。
【0018】本発明のモノフィラメントは、吸湿率が1
%以上、好ましくは3%以上または初期引張抵抗度が3
0cN/dtex以上、好ましくは65cN/dtex
以上のものである。
【0019】吸湿率が上記の範囲未満または初期引張抵
抗度が上記の範囲未満のモノフィラメントに本発明を適
用しても何等支障は生じないが、低吸湿率または低弾性
のモノフィラメントでは、本発明のパッケージによらず
ともパーンなどの他のパッケージを適用しても布帛の周
期的なヒケ斑を発生し難いことから、敢えて本発明から
除外した。上記の低吸水率または低弾性モノフィラメン
トがパーンパッケージでも布帛の周期的なヒケ斑となら
ない理由は明らかではないが、低吸水率品の吸湿率差は
最大でも1%未満と小さく、一方、低弾性率品は、延伸
による内部歪みは小さく、おのずと応力緩和差も小さく
なり、パッケージの各層で糸質差が最大となったとして
もヒケ斑が発生する程の糸質差にならないためであると
考えられる。
【0020】また、本発明のモノフィラメントは、パッ
ケージの各層におけるST値差が0.3cN/dtex
以下、好ましくは0.2cN/dtex以下のものであ
る。
【0021】ST値差が上記の範囲を越える場合は、布
帛とした際に周期的なヒケ斑となり易く、布帛の品位を
著しく損なう恐れがあるため好ましくない。この原因は
明確ではないが、ST値は、瞬間的な伸張弾性回復率を
観察しているものであり、従ってST値に大きい差があ
る隣り合った連続糸を布帛にした場合には、その打ち込
み張力による弾性回復率の差が布帛組織の目開きの差と
なり、いわゆるヒケ斑になるものと考えられる。
【0022】本発明の産業布帛用資材として有用な高吸
水性または高弾性モノフィラメントの製造は、常法に従
って溶融紡糸、延伸し、必要によっては熱固定を施し、
給油した後、本発明の巻具に巻き取る方法を骨子とする
が、この巻き取り方法の最適条件について以下に説明す
る。
【0023】まず、本発明の巻具は、図1および図2に
示すとおり、少なくともトップ側の鍔が截頭錐体Aから
なり、この截頭錐体Aの截頭部が内側方向に向いている
鼓型巻具Bまたは半鼓型巻具Cであることが必須の条件
である。そして、截頭錐体Aのテーパー比は12以下の
ものであることが好ましい。このテーパー比は小さけれ
ば小さいほど解舒性に優れるため好ましいが、相反して
巻量が少なくなりパッケージ効率からは不利となるた
め、極端に小さいテーパー比の截頭錐体Aの採用はコス
ト的にも実質的に極めて難しいものとなる。一方、テー
パー比が大きい場合は解舒性が劣る傾向になるため好ま
しくない。好適にはテーパー比が7.5から0.3の範
囲、より好ましくは3.5から0.5のものである。な
お、巻具径、巻具長さおよびパッケージ径については随
意に選択できるが、高次加工効率およびハンドリング性
などからして、最大でもそれぞれの寸法が200φ、5
50mmおよび350φ以下になるように、そして巻量
が15Kg以下になるように設計されるべきである。
【0024】次に、本発明で使用する巻具用巻き取り機
は、パーンワインダーであればトラバースのプログラム
変更のみで既存機を流用することができ、特にスピンド
ルドライブ型パーンワインダーの使用が好適である。
【0025】そして、本発明のモノフィラメントの巻き
取り方法においては、巻き取り張力条件が極めて重要で
あり、0.2cN/dtex以上、0.9cN/dte
x以下に制御すべきである。上記の範囲未満の巻き取り
張力では、輸送中の衝撃などで巻き崩れが生じ易くなる
ため好ましくない。一方、上記の範囲以上の巻き取り張
力では、布帛とした際にエンボス状の斑となり易いため
好ましくない。より好ましい巻き取り張力条件は0.3
cN/dtex以上、0.7cN/dtex以下の範囲
である。
【0026】上記の範囲以上の巻き取り張力とした場合
にエンボス状の斑が発生する理由については明らかでは
ないが、引張弾性回復限界を越える高い負荷は糸物性が
変化するほどのダメージを与えるが、高張力巻き取りの
場合は、極めて小さい巻き形状差による巻き張力差が、
より大きな巻き締まりの差となって、連続糸の中で大き
な糸物性差をもたらすことにより、エンボス状斑となる
ものと考えられる。
【0027】かくして得られる本発明の繊度が980d
tex以下、吸湿率が1%以上または初期引張抵抗度が
30cN/dtex以上である布帛用モノフィラメント
は、解舒性に優れ、布帛とした場合に巻き位置に起因す
る周期的なヒケ斑の発生がなく、布帛の表面が均一に仕
上がり可能で、細物モノフイラメントであっても、高吸
水性または高弾性という優れた特性をより有効に利用し
得るものであり、産業布帛用モノフィラメントとして極
めて有用である。
【0028】本発明の産業布帛用モノフィラメントが適
用し得る産業布帛資材としては、篩絹、スクリーン紗、
各種メッシュクロス、各種フィルター、各種基布、抄紙
用具、ベルトコンベア、ゴム補強材およびテープ状クロ
スなどを挙げることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。
【0030】なお、以下に述べる実施例における各特性
の測定、評価は次の基準に従って行った。 (1)巻取張力 エーコー測器(株)製テンションメーター、モデル15
00で測定した。 (2)繊度初期引張抵抗度 JIS−L1013に従い正量繊度を測定し、繊度とし
た。 (3)吸湿率 JIS−L1013に従い試料の標準状態における水分
率を測定し、吸湿率とした。 (4)初期引張抵抗度 JIS−L1013に従い測定した。 (5)ST値 図3に示した測定装置のモデル図に従って説明する。パ
ッケージ1から解舒し、ガイド2を経て、テンサー3で
一次張力をおよそ0.1cN/dtexに調整し、等周
速のローラー4、5間でダンサーローラー6と荷重Wに
より0.1cN/dtexから0.5cN/dtexの
範囲から選ばれる一定の張力に調整した後、ローラー
5、8間でストレッチ率5.0%以下で引っ張り、ロー
ラー8の周速を60m/分で走行し、ピックアップ7で
ST値を検出して記録計で記録し、その記録チャートか
らストレッチ率水準により最大となるST値差を読み取
る。なお、図3中のfはフリクションレスローラー、S
はセパレートローラー、W/Dは巻取機を示す。 (6)布帛品位 布帛表面の目視官能検査でヒケ斑の有無を次の3水準に
判定した。
【0031】A反;ヒケ斑は皆無の良反布帛。
【0032】B反;ヒケ斑は認められるが軽微で実用
上、問題はない布帛。
【0033】C反;重度のヒケ斑が認められ実用に耐得
ない布帛。 [実施例1]東レ(株)ナイロン樹脂、M1021Tを
常法に従い、エクストルーダーで溶融紡糸し、次いで未
延伸糸を2段階に延伸し、さらに熱風乾熱炉で弛緩熱固
定し、オイリング後、トラバースプログラムを鼓型ボビ
ン用に改造した八州熱学製スピンドルドライブ型パーン
ワインダー、20J−AWHT252/Pで、ボビン径
90φ、ボビン長さ420mm、パッケージ径125
φ、截頭錐体のテーパー比0.74の鼓型ボビンに巻き
取り、高吸水率モノフィラメント2Kgの鼓型ボビンパ
ッケージを得た。次いで、得られたパッケージを1ケ月
間エージングした後、84メッシュのフィルターを製織
した。この時の巻取張力、1ケ月間エージングしたモノ
フィラメントの繊度、吸湿率、初期引張抵抗度、ST値
差、布帛品位の評価結果を表1に併記した。なお、製織
時、パッケージからの解舒性は良好であった。 [実施例2]東レ(株)PET樹脂、T200TMを常
法に従い、エクストルーダーで溶融紡糸し、次いで未延
伸糸を2段階に延伸し、さらに熱風乾熱炉で定長熱固定
し、オイリング後、実施例1と同一方法で巻き取り、高
弾性モノフィラメント2Kgの鼓型ボビンパッケージを
得た。次いで、得られたパッケージを1ケ月間エージン
グした後、120メッシュのスクリーン紗を製織した。
この時の巻取張力、1ケ月間エージングしたモノフィラ
メントの繊度、吸湿率、初期引張抵抗度、ST値差、布
帛品位の評価結果を表1に併記した。なお、製織時、パ
ッケージからの解舒性は良好であった。 [実施例3]巻具をボトム側がフランジ鍔でトップ側が
截頭錐体鍔であるボビン径90φ、ボビン長さ390m
m、パッケージ径125φおよび截頭錐体のテーパー比
が0.74の半鼓型ボビンに変更し、ワインダーのトラ
バースプログラムを半鼓型ボビン用に変更した以外は、
実施例2と同様の方法で120メッシュのスクリーン紗
を製造した。この時の巻取張力、1ケ月間エージングし
たモノフィラメントの繊度、吸湿率、初期引張抵抗度、
ST値差、布帛品位の評価結果を表1に併記した。な
お、製織時、パッケージからの解舒性は良好であった。 [比較例1]実施例1において、巻取張力を1.5cN
/dtexで巻き取ったところ、物性が高強力低伸度、
高収縮率、さらには脆い、いわゆる弾性限界を越えたダ
メージ品となり、ST値差は周期性はないものの極めて
大きく、布帛表面はエンボス状の斑となり、産業用フィ
ルターとして使用に耐えないものとなった。1ケ月間エ
ージングしたモノフィラメントの繊度、吸湿率、初期引
張抵抗度、ST値差、布帛品位の評価結果を表1に併記
した。なお、製織時、パッケージからの解舒性に関して
は実施例1と同様に良好であった。 [比較例2]実施例2において、巻取張力を0.1cN
/dtexで巻き取ったところ、輸送中にパッケージの
型崩れが生じ、解舒不可能となったため、スクリーン紗
の製造を中止した。 [比較例3]実施例2において、巻具の截頭錐体のテー
パー比を15にしとたところ、製織時に解舒糸が鍔との
接触により断糸多発のためスクリーン紗の製造を中止し
た。 [比較例4]八州熱学(株)製スピンドルドライブ型パ
ーンワインダー、20J−AWHT252/Pを用い
て、直径55.5φ、長さ550mmのパーンボビンに
巻き取り、2Kgのパーンパッケージにした以外は、実
施例1と同様の方法で84メッシュのフィルターを製造
した。この時の巻取張力、1ケ月間エージングしたモノ
フィラメントの繊度、吸湿率、初期引張抵抗度、ST値
差、布帛品位の評価結果を表1に併記した。なお、製織
時、パッケージからの解舒性は良好であった。 [比較例5]八州熱学(株)製スピンドルドライブ型パ
ーンワインダー、20J−AWHT252/Pを用い
て、直径55.5φ、長さ550mmのパーンボビンに
巻き取り、2Kgのパーンパッケージにした以外は、実
施例2と同様の方法で120メッシュのスクリーン紗を
製造した。この時の巻取張力、1ケ月間エージングした
モノフィラメントの繊度、吸湿率、初期引張抵抗度、S
T値差、布帛品位の評価結果を表1に併記した。なお、
製織時、パッケージからの解舒性は良好であった。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の鼓型巻具
または半鼓型巻具に巻き取られたモノフイラメントは、
布帛用原糸として使用した際に従来のフランジボビンパ
ッケージではなし得なかった優れた解舒性を有し、且つ
パーンパッケージの欠点である巻き位置に起因する布帛
表面の周期的なヒケ斑の発生がないため、高吸水性また
は高弾性という特性を有する細物モノフイラメントを産
業布帛用資材として有効に活用し得るものである。
【0036】また、本発明のモノフイラメントの巻き取
り方法によれば、上記の性能を有するモノフイラメント
を効率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する鼓型巻具の一例を示す縦断面
図である。
【図2】本発明で使用する半鼓型巻具の一例を示す縦断
面図である。
【図3】ST値測定装置のモデル図である。
【符号の説明】
A 截頭錐体(鍔) B 鼓型巻具 C 半鼓型巻具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3F056 AA05 AC01 3F115 AA00 BA04 CA23 4L036 MA06 MA34 PA49 UA07 UA25 4L045 AA05 BA02 BA49 BA60 DA42 DC06 DC21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊度が980dtex以下、JIS−L
    1013に定める試料の標準状態における水分率が1%
    以上または初期引張抵抗度が30cN/dtex以上の
    モノフィラメントであって、少なくともトップ側の鍔が
    截頭錐体からなり、この截頭錐体の截頭部が内側方向に
    向いている鼓型巻具または半鼓型巻具に巻き取られてパ
    ッケージを形成しており、このパッケージから連続して
    給糸して測定したストレッチ率5%以下のストレッチテ
    ンション変動幅が、パッケージの各層における1トラバ
    ース分の糸長内で0.3cN/dtex以下であること
    を特徴とする産業布帛用モノフィラメント。
  2. 【請求項2】 前記鼓型巻具または半鼓型巻具における
    截頭錐体の鍔のJIS−Z8114に定めるテーパー比
    が12以下であることを特徴とする請求項1記載のモノ
    フィラメント。
  3. 【請求項3】 繊度が980dtex以下、JIS−L
    1013に定める試料の標準状態における水分率が1%
    以上または初期引張抵抗度が30cN/dtex以上の
    モノフィラメントを、少なくともトップ側の鍔が截頭錐
    体からなり、この截頭錐体の截頭部が内側方向に向いて
    いる鼓型巻具または半鼓型巻具に巻き取るに際し、0.
    2cN/dtex以上、0.9cN/dtex以下の張
    力で巻き取ることを特徴とするモノフィラメントの巻き
    取り方法。
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