JP2003227026A - 産業布帛用モノフィラメント及びその巻き取り方法 - Google Patents

産業布帛用モノフィラメント及びその巻き取り方法

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JP2003227026A JP2002029166A JP2002029166A JP2003227026A JP 2003227026 A JP2003227026 A JP 2003227026A JP 2002029166 A JP2002029166 A JP 2002029166A JP 2002029166 A JP2002029166 A JP 2002029166A JP 2003227026 A JP2003227026 A JP 2003227026A
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Tadanori Iwama
忠則 岩間
Masanori Isaji
正典 伊佐治
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 布帛とした場合にパーンパッケージの巻き位
置に起因する周期的なヒケ斑の発生がなく布帛表面の均
一仕上がりが可能な高吸水性および/または高弾性の産
業布帛用モノフィラメントおよびその効率的な巻き取り
方法を提供する。 【解決手段】 高吸水性および/または高弾性のモノフ
ィラメントであって、パーンに巻き取られて巻き硬度が
特定のパッケージを形成しており、このパッケージから
連続して給糸して測定したストレッチテンション変動幅
がストレッチ率が5%以下においてパッケージの1トラ
バース内で0.3cN/dtex以下である産業布帛用
モノフィラメント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業布帛用モノフイ
ラメント及びその巻き取り方法に関し、さらに詳しく
は、布帛とした場合に布帛の表面が均一に仕上がり可能
な高吸水性または高弾性の産業布帛用モノフイラメント
およびその効率的な巻き取り方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高吸水性または高弾性という優れた特性
を有する合成樹脂製モノフイラメントは、製造後の外気
湿度の影響または延伸時に生じる内部歪の応力緩和に起
因して、糸質が変化し易く、パッケージによっては巻き
位置によって糸質に違いを生じ、布帛用原糸として使用
した場合に周期的なヒケ斑となり易く、その結果布帛の
品位を著しく損なうという問題があった。
【0003】一般に、汎用の産業布帛用モノフイラメン
トは、フランジボビンかパーンに巻かれて市場に供給さ
れるが、フランジボビンパッケージは、各層において外
気への晒され方は同等であり、且つ端部と中央部で巻き
締まりにも差がないため、パッケージの各層における端
部と中央部の糸質に差が生じにくく、上記の周期的なヒ
ケ斑に関しては特に問題はない。しかし、解舒時に糸が
フランジに引っ掛かり易いことから解舒性に劣るため、
フランジボビンの適用は、糸が引っ掛かり難い太物モノ
フィラメントの巻き取りに限定されているのが実状であ
る。
【0004】一方、パーンパッケージは、その優れた解
舒性から、もっぱら細物モノフイラメントに適用されて
いる。しかしながら、パーンパッケージは、表層を除く
いずれの層においても端部は外気に晒され、中央部は外
気に触れることがないため、表層を除く各層の端部と中
央部とでは外気湿度の影響の有無により水分差が生じ易
く、布帛用原糸として使用した場合には、周期的なヒケ
斑となり易く、布帛の品位を損ない易くなるという問題
があった。そして、この水分差に起因する不具合は、特
に高吸水性モノフイラメントの場合に発現し易いという
傾向があった。
【0005】また、パーンパッケージの端部は、いずれ
の層においても重ね巻きされないため、巻き締まりが生
じないが、中央部は最表層を除き重ね巻きされるために
巻き締まりが生じることになる。そして、この巻き締ま
りの違いは、延伸時に生じた内部歪みの応力緩和速度お
よび量に影響し、エージング後に端部と中央部の残留内
部歪みに大きな差が生じ、これまた布帛の周期的なヒケ
斑となり易いという問題があった。この不具合は特に延
伸後のフリー収縮が大きい高弾性モノフイラメントの場
合に発現し易く、またパッケージの内層になればなるほ
ど強いヒケ斑となるという傾向があった。
【0006】かかる状況から、布帛用原糸として周期的
なヒケ斑が発生し難いという特性改良を目指した種々の
検討が従来から行われている。例えば、特開昭54−1
25737号公報には、表面のフィラメントが、それ以
前に巻かれたフィラメントの全面を、少なくても0.3
mm厚に覆い巻きした捲糸体が提案されている。しかし
ながら、この捲糸体はパーン巻きの巻厚径が著しく異な
ることから、急激且つ大幅に周長が変化する端部と中央
に、スピンドルドライブ方式で連続してスピンドル回転
数を制御して覆い巻きすることは極めて困難であり、ま
たツイストワインダーで覆い巻きした場合には、端部と
中央で撚数が急激に且つ周期的に変化するため、布帛表
面が上記撚数変化に対応した周期的な光沢斑になり易い
という問題があった。さらに、0.3mm厚とはいえ最
内層の端部は段になってしまうため、型崩れし易いとい
う問題も包含するものであった。
【0007】また、特開昭60−48867号公報およ
び特開平7−309530号公報には、トラバース速度
などの巻取条件を特定したポリエステル繊維の巻取方法
およびストッキング編地用ナイロン66糸の巻取方法が
提案されている。さらに、特開平11−100720号
公報には、延伸から10日間経過後のフリー収縮率など
の特性値を特定したスクリーン紗用ポリエステルモノフ
ィラメントが提案されている。しかしながら、これらの
提案は、延伸による内部歪みに対する改良に関するもの
であり、依然として繊維の水分率の多寡による問題点を
解消するものではなく、さらに、特開平11−1007
20号公報に記載の技術は、素材の持つ高弾性という優
れた特性を犠牲にせざるを得ないものであった。
【0008】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結
果、達成されたものである。
【0009】したがって、本発明の目的は、高吸水性お
よび/または高弾性という優れた特性を有する細物モノ
フイラメントであっても、パーンの優れる解舒性を有効
に活用することができ、布帛とした場合にパッケージの
巻き位置に起因する周期的なヒケ斑の発生を起こすこと
がなく、布帛の表面が均一に仕上がり可能な、高吸水性
または高弾性の産業布帛用モノフィラメントおよびその
効率的なパーン巻き取り方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討した結果、比較的低い張力で、
且つ特定の張力パターン条件でパーンに巻き取るという
独特の方法により、パッケージの表層、中層、内層とい
った各層において端部と中央部で水分差および延伸によ
り発生する内部歪みの緩和差の影響が生じ難い産業布帛
用モノフイラメントが得られることを見出だし、本発明
に到達した。
【0011】すなわち、本発明は、繊度が980dte
x以下、かつJIS−L1013に定める試料の標準状
態における水分率が1%以上および/または初期引張抵
抗度が30cN/dtex以上の合成樹脂製モノフィラ
メントであって、パーンに巻かれてパッケージを形成し
ており、このパッケージのJIS−S6050に定める
硬さ試験機による巻き硬さが各層において98以下であ
り、且つ前記パッケージから連続して給糸したモノフィ
ラメントについて測定したストレッチ率5%以下のスト
レッチテンション(以下ST値と略称する。)変動幅
(以下ST値差と略称する。)が、パッケージの各層に
おける1トラバース分の糸長内で、0.3cN/dte
x以下であることを特徴とする産業布帛用モノフィラメ
ントを提供するものである。
【0012】また、本発明モノフィラメントの巻き取り
方法は、繊度が980dtex以下、かつ水分率が1%
以上および/または初期引張抵抗度が30cN/dte
x以上の合成樹脂製モノフィラメントを、パーンに巻き
取るに際し、巻き始めの巻き張力を1.0cN/dte
x未満とし、以後の巻き張力を巻き始め張力と同一ない
し巻き経時と共に漸減する張力として巻き取ることを特
徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明のモノフィラメントを構成するポリ
マーとしては、溶融紡糸が可能な熱可塑性樹脂であれば
いかなる素材であってもよいが、ポリアミド、ポリエス
テル、ポリオレフィン、フッ素系樹脂、ポリフェニレン
サルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性
ポリイミド、ポリオキシメチレンおよびポリエーテルニ
トリルなどを挙げることができる。また、モノフィラメ
ントを構成するポリマーには、少量の酸化チタン、酸化
ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タル
ク、カオリン、ジルコニウム酸、などの各種無機粒子や
架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか、従
来公知の抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、
着色防止剤、耐光剤、難燃剤、各種着色剤、帯電防止
剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種界面活性剤、
各種強化繊維類および各種可塑剤などが添加されてもよ
い。
【0015】本発明の産業布帛用モノフィラメントは、
繊度が980dtex以下、好ましくは440dtex
以下のものである。
【0016】繊度が上記の範囲を越える太物モノフィラ
メントに本発明を適用しても、何ら支障は生じないが、
太物モノフィラメントは、その解舒性からパッケージの
巻き位置で糸質差が生じ難いフランジボビンを適用でき
るため、敢えて本発明の適用から除外した。太物モノフ
ィラメントの解舒性に問題ない理由については明らかで
はないが、太物モノフィラメントは糸が重いため、解舒
バルーンが大きくなりフランジと接触しにくくなること
に加えて、フランジとの接触衝撃力が細物モノフィラメ
ントに比べ単位糸断面積当り相対的に小さくなるため、
解舒性が阻害され難いものになるためであると考えられ
る。
【0017】本発明の産業布帛用モノフィラメントは、
水分率が1%以上、好ましくは3%以上および/または
初期引張抵抗度が30cN/dtex以上、好ましくは
65cN/dtex以上のものである。
【0018】水分率が上記の範囲未満および/または初
期引張抵抗度が上記の範囲未満のモノフィラメントに本
発明を適用しても何ら支障は生じないが、低吸水性また
は低弾性のモノフィラメントでは、本発明によらずに通
常のパーンパッケージを適用しても布帛の周期的なヒケ
斑は発生し難いことから、敢えて本発明から除外した。
上記の低吸水性および/または低弾性のモノフィラメン
トが通常のパーンパッケージでも布帛の周期的なヒケ斑
とならない理由については明らかではないが、低吸水性
モノフィラメントの水分率差は最大でも1%未満と小さ
く、一方、低弾性モノフィラメントは延伸による内部歪
みが小さく、おのずと応力緩和差も小さくなり、パッケ
ージの各層で糸質差が最大となったとしてもヒケ斑が発
生する程の糸質差にならないためであると考えられる。
【0019】また、本発明の産業布帛用モノフィラメン
トは、パーンにまかれてパッケージを形成しており、こ
のパッケージのJIS−S6050に定める硬さ試験機
による巻き硬さが各層において98以下、好ましくは9
4以下のものである。巻き硬さが上記の範囲を越える場
合は、後述するST値差の拡大を招き、布帛とした際に
周期的なヒケ斑となり易く、布帛の品位を著しく損なう
恐れがあるため好ましくない。この原因については明確
ではないが、巻き硬さの上昇は通気性の低下および巻き
締まりの増大を招き、高吸水性品の場合は、通気性の低
下に伴いパッケージ内部はより外気と遮断され易くな
り、外気に晒されている端部との水分差が糸質差となっ
て、ST値差の拡大を招くためであると考えられる。一
方、高弾性品の場合は、巻き締まり現象を有するパッケ
ージ内層中央部と重ね巻きがなく巻き締まり現象のない
端部では、延伸時に生じる内部歪みの応力緩和の仕方が
異なるため、残留内部歪みに差ができ易いが、巻き締ま
りの増大は、この残留内部歪み差をよりいっそう広げて
しまい糸質差となって、ST値差の拡大を招くためであ
ると考えられる。
【0020】そして、本発明の産業布帛用モノフィラメ
ントは、パッケージの各層におけるST値差が0.3c
N/dtex以下、好ましくは0.2cN/dtex以
下のものである。
【0021】ST値差が上記の範囲を越える場合は、布
帛とした際に周期的なヒケ斑となり易く、布帛の品位を
著しく損なう恐れがあるため好ましくない。この原因に
ついては明確ではないが、ST値は、瞬間的な伸張弾性
回復率を観察しているものであり、したがってST値に
大きい差がある隣り合った連続糸を布帛にした場合に
は、その打ち込み張力による弾性回復率の差が布帛組織
の目開きの差となり、いわゆるヒケ斑になるためである
と考えられる。
【0022】本発明の産業布帛用資材として有用な高吸
水性または高弾性モノフィラメントの製造は、常法にし
たがって溶融紡糸、延伸し、必要によっては熱固定を施
して給油した後、本発明の方法によって巻き取ることを
骨子とするが、この巻き取り方法の最適条件について以
下に説明する。
【0023】まず、本発明の方法に適用する巻き取り機
は、巻き取り張力の制御機構を有するパーンワインダー
であれば如何なるものでもよいが、特にスピンドルドラ
イブ型パーンワインダーが好適である。
【0024】そして、本発明の巻き取り方法において
は、巻き取り張力条件が極めて重要であり、巻き始め巻
き張力を1.0cN/dtex未満とし、以後の巻き取
り張力が巻き始め張力と同一ないしまたは巻き経時と共
に漸減するように制御すべきである。
【0025】この同一張力巻き取りにおける巻き取り張
力は、低ければ低いほどパッケージ内各層の糸質差が生
じにくい傾向となり、布帛とした際に周期的なヒケ斑と
なりにくくなるため好ましいが、0.05cN/dte
x未満の巻き取り張力では、製品輸送時の衝撃などで巻
き崩れが生じ易くなるため好ましくない。一方、1.0
cN/dtex以上で巻き取った場合には、布帛とした
際にエンボス状の斑となり易くなるため好ましくない。
より好ましい巻き取り張力は0.3cN/dtexから
0.1cN/dtexの範囲である。
【0026】上記の範囲以上の巻き取り張力とした場合
にエンボス状の斑が発生する理由については明らかでは
ないが、引張弾性回復限界を越える高い負荷は糸物性が
変化するほどのダメージを与えるが、高張力巻き取りの
場合は、より大きな巻き締まりとなって、連続糸の中で
は糸物性差のより一層の拡大をもたらし、エンボス状斑
となるためであると考えられる。
【0027】さらに好ましい巻き取り張力条件は、巻き
始め巻き張力を上記の範囲とし、以後の巻き取り張力が
巻き経時と共に漸減するように巻き取る方法である。こ
の漸減巻き方法の最終巻き取り張力は、低ければ低いほ
ど巻き締まり現象が緩和されるため好ましいが、0.0
5cN/dtex以下ではパッケージ崩れになり易くな
るため好ましくない。好適には0.1cN/dtex程
度までである。
【0028】かくして得られる本発明の繊度が980d
tex以下、かつ水分率が1%以上および/または初期
引張抵抗度が30cN/dtex以上である細物の産業
布帛用モノフィラメントは、パーンパッケージが有する
優れた解舒性を有効に活用し、且つ輸送中の衝撃などに
よる巻き崩れし難いなどの安定したパッケージ性を有
し、布帛とした場合には巻き位置に起因する周期的なヒ
ケ斑の発生がなく、布帛の表面が均一に仕上がり可能
で、高吸水性または高弾性という優れた特性をより有効
に利用し得るものであり、産業布帛資材用モノフィラメ
ントとして極めて有用である。
【0029】本発明の産業布帛用モノフィラメントから
なる産業用布帛の具体例としては、篩絹、スクリーン
紗、各種メッシュクロス、各種フィルター、各種基布、
抄紙用具、ベルトコンベア、ゴム補強材およびテープ状
クロスなどを挙げることができる。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。
【0031】なお、以下に述べる実施例における各特性
の測定、評価は次ぎの基準に従って行った。 (1)巻取張力 エーコー測器(株)製テンションメーター、モデル15
00で測定した。 (2)巻き硬さ JIS−S6050に定める硬さ試験機で測定した。 (3)繊度 JIS−L1013に従い正量繊度を測定し、繊度とし
た。 (4)水分率 JIS−L1013に従い試料の標準状態における水分
率を測定した。 (5)初期引張抵抗度 JIS−L1013に従い測定した。 (6)ST値 図1に示した測定装置のモデル図にしたがって説明す
る。パッケージ1から解舒し、ガイド2を経て、テンタ
ー3で一次張力をおよそ0.1cN/dtexに調整
し、等周速のローラー4、5間でダンサーローラー6と
荷重Wにより0.1cN/dtexから0.5cN/d
texの範囲から選ばれる一定の張力に調整した後、ロ
ーラー5、8間のストレッチ率を5.0%以下の任意条
件として引っ張り、8の周速を60m/分で走行し、ピ
ックアップ7でST値を検出して記録計で記録し、その
記録チャートからストレッチ率水準により最大となるS
T値差を読み取る。
【0032】なお、図中のfはフリクションレスローラ
ー、Sはセパレートローラー、W/Dは巻取機を示す。 (7)布帛品位 布帛表面の目視官能検査でヒケ斑の有無を次の3水準に
判定した。
【0033】A反;ヒケ斑は皆無の良反布帛、 B反;ヒケ斑は認められるが、軽微で実用上問題はない
布帛、 C反;重度のヒケ斑が認められ実用に耐得ない布帛。 [実施例1]東レ(株)製ナイロン樹脂、M1021T
を常法にしたがってエクストルーダーで溶融紡糸し、次
いで未延伸糸を2段階に延伸し、さらに熱風乾熱炉で弛
緩熱固定し、オイリング後、八州熱学(株)製スピンド
ルドライブ型パーンワインダー、20J−AWHT25
2/Pで、直径90φ、長さ420mmのパーンに張力
一定パターンで巻き取り、高吸水率モノフィラメント2
Kgのパッケージを得た。次いで、得られたパッケージ
を1ケ月間エージングした後、84メッシュのフィルタ
ーを製織した。この時の巻取張力、巻き硬度および1ケ
月間エージングしたモノフィラメントの繊度、水分率、
初期引張抵抗度、ST値差、布帛品位の評価結果を表1
に示した。なお、輸送中などにおけるパッケージ型崩れ
の発生はなく、また製織時のパッケージ解舒性も良好で
あった。 [実施例2]巻き取り張力条件を漸減パターンに変更し
た以外は、実施例1と同一方法で高吸水率モノフィラメ
ント2Kgのパッケージを得た。次いで、得られたパッ
ケージを1ケ月間エージングした後、84メッシュのフ
ィルターを製織した。この時の巻取張力、巻き硬度およ
び1ケ月間エージングしたモノフィラメントの繊度、水
分率、初期引張抵抗度、ST値差、布帛品位の評価結果
を表1に併記した。なお、輸送中などにおけるパッケー
ジ型崩れの発生はなく、また製織時のパッケージ解舒性
も良好であった。 [実施例3]東レ(株)製PET樹脂、T200TMを
常法にしたがい、エクストルーダーで溶融紡糸し、次い
で未延伸糸を2段階に延伸し、さらに熱風乾熱炉で定長
熱固定し、オイリング後、実施例1と同一方法で巻き取
り、高弾性モノフィラメント2Kgのパーンパッケージ
を得た。次いで、得られたパッケージを1ケ月間エージ
ングした後、120メッシュのスクリーン紗を製織し
た。この時の巻取張力、巻き硬度および1ケ月間エージ
ングしたモノフィラメントの繊度、水分率、初期引張抵
抗度、ST値差、布帛品位の評価結果を表1に併記し
た。なお、輸送中などにおけるパッケージ型崩れの発生
はなく、また製織時のパッケージ解舒性も良好であっ
た。 [実施例4]巻き取り張力条件を漸減パターンに変更し
た以外は、実施例3と同一方法で高弾性モノフィラメン
ト2Kgのパッケージを得た。次いで、得られたパッケ
ージを1ケ月間エージングした後、120メッシュのス
クリーン紗を製織した。この時の巻取張力、巻き硬度お
よび1ケ月間エージングしたモノフィラメントの繊度、
水分率、初期引張抵抗度、ST値差、布帛品位の評価結
果を表1に併記した。なお、輸送中などにおけるパッケ
ージ型崩れの発生はなく、また製織時のパッケージ解舒
性も良好であった。 [比較例1]実施例1において、巻取張力を1.2cN
/dtexで巻き取ったところ、物性が高強力低伸度、
高収縮率、さらには脆い、いわゆる弾性限界を越えたダ
メージ品となり、布帛表面はエンボス状の斑となり、産
業用フィルターとして使用に耐えないものとなった。1
ケ月間エージングしたモノフィラメントの繊度、吸湿
率、初期引張抵抗度、ST値差、布帛品位の評価結果を
表1に併記した。ただし、輸送中のパッケージ型崩れの
発生はなく、また製織時のパッケージ解舒性も良好であ
った。 [比較例2]巻き取り張力条件を表1に示す漸増パター
ンにした以外は、実施例3と同一方法で高弾性モノフィ
ラメント2Kgのパッケージを得た。次いで、得られた
パッケージを1ケ月間エージングした後、120メッシ
ュのスクリーン紗を製織した。この時の巻取張力、巻き
硬度および1ケ月間エージングしたモノフィラメントの
繊度、水分率、初期引張抵抗度、ST値差、布帛品位の
評価結果を表1に併記した。ただし、輸送中のパッケー
ジ型崩れの発生はなく、また製織時のパッケージ解舒性
も良好であった。 [比較例3]実施例3において、巻き取り張力0.04
cN/dtexで巻き取ったところ、輸送中にパッケー
ジの型崩れが生じ、解舒不可能となったため、スクリー
ン紗の製造を中止した。 [比較例4]実施例4において、最終巻き取り張力0.
04cN/dtexで巻き取ったところ、輸送中にパッ
ケージの表層で型崩れが生じ、解舒不可能となったた
め、スクリーン紗の製造を中止した。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高吸水性
および/または高弾性という特性を有する細物の産業布
帛用モノフイラメントは、布帛用原糸として使用した場
合に巻き位置に起因する布帛表面の周期的なヒケ斑の発
生がないため、布帛の表面が均一に仕上がり可能で、高
吸水性および/または高弾性という優れた特性をより有
効に利用し得るものであり、産業布帛資材用モノフィラ
メントとして極めて有用である。また、高吸水性および
/または高弾性という特性の細物モノフイラメントであ
っても、優れた解舒性を有するパーンパッケージを有効
活用できることから、製織生産性の点でもその価値は大
きい。
【0036】そして、本発明の高吸水性および/または
高弾性である細物の産業布帛用モノフイラメントの製造
方法によれば、上記の性能を有するモノフイラメントを
効率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ST値測定装置のモデル図である。
【符号の説明】
1:パッケージ 2:ガイド 3:テンター 4,5,8:ローラー 6:ダンサーローラー 7:ピックアップ f:フリクションレスローラー s:セパレートローラー W/D:巻取機

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊度が980dtex以下、かつJIS
    −L1013に定める試料の標準状態における水分率が
    1%以上および/または初期引張抵抗度が30cN/d
    tex以上の合成樹脂製モノフィラメントであって、パ
    ーンに巻かれてパッケージを形成しており、このパッケ
    ージのJIS−S6050に定める硬さ試験機による巻
    き硬さが各層において98以下であり、且つ前記パッケ
    ージから連続して給糸したモノフィラメントについて測
    定したストレッチ率5%以下のストレッチテンション変
    動幅が、パッケージの各層における1トラバース分の糸
    長内で、0.3cN/dtex以下であることを特徴と
    する産業布帛用モノフィラメント。
  2. 【請求項2】 繊度が980dtex以下、かつJIS
    −L1013に定める試料の標準状態における水分率が
    1%以上および/または初期引張抵抗度が30cN/d
    tex以上の合成樹脂製モノフィラメントをパーンに巻
    き取るに際し、巻き始め巻き張力を1.0cN/dte
    x未満とし、以後の巻き張力が巻き始め張力と同一ない
    し巻き経時と共に漸減する張力として巻き取ることを特
    徴とする産業布帛用モノフィラメントの巻き取り方法。
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