JP2002046224A - 複合成形体 - Google Patents

複合成形体

Info

Publication number
JP2002046224A
JP2002046224A JP2000233819A JP2000233819A JP2002046224A JP 2002046224 A JP2002046224 A JP 2002046224A JP 2000233819 A JP2000233819 A JP 2000233819A JP 2000233819 A JP2000233819 A JP 2000233819A JP 2002046224 A JP2002046224 A JP 2002046224A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
soft
molded article
composite molded
hard
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000233819A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichiro Kushida
祐一郎 櫛田
Reiji Yokoyama
玲二 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2000233819A priority Critical patent/JP2002046224A/ja
Publication of JP2002046224A publication Critical patent/JP2002046224A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩ビを使わない、硬質樹脂組成物と軟質樹脂
組成物からなる複合成形体の提供。 【解決手段】 (1)少なくとも芳香族ビニル化合物と
シアン化ビニル化合物を共重合してなる硬質樹脂組成物
と、(2)少なくとも炭素数2〜10個のアルキル基を
有する(メタ)アクリル酸アルキルとシアン化ビニル化
合物を共重合してなる軟質樹脂組成物とを積層してなる
複合成形体。(1)硬質樹脂組成物がABS樹脂、AE
S樹脂、AAS樹脂及びAS樹脂からなる群のうちの1
種以上が好ましく、(2)軟質樹脂組成物は(a)アク
リル酸ブチル、(b)(メタ)アクリル酸メチル及び/
又は(メタ)アクリル酸エチル、(c)芳香族ビニル化
合物及び(d)シアン化ビニル化合物を共重合した軟質
樹脂組成物が好ましい。さらに、(2)軟質樹脂組成物
には充填剤、ABS樹脂及び可塑剤を含有させてもよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬質部分と軟質部
分が一体的に構成されており、かつ、硬質部分と軟質部
分が各々特定の熱可塑性重合体である複合成形体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】硬質樹脂組成物と軟質樹脂組成物が一体
的に構成された複合成形体は、家具、建材、機械部品及
び車両部品等の分野で汎用されているが、これらの複合
成形体を工業的に大量生産する場合には、硬質樹脂組成
物や軟質樹脂組成物として熱可塑性重合体を用いたもの
を一体成形する場合が多い。特に、ポリ塩化ビニル、い
わゆる塩化ビニルは、配合処方の工夫により硬質樹脂組
成物や軟質樹脂組成物いずれも製造でき、しかも硬質塩
化ビニルからなる硬質樹脂組成物や軟質塩化ビニルから
なる軟質樹脂組成物は互いに充分な密着性を有するの
で、硬質塩化ビニルと軟質塩化ビニルを一体化した複合
成形体を容易に製造できる。そのため、硬質塩化ビニル
と軟質塩化ビニルを一体化した複合成形体は広く汎用さ
れている。硬質塩化ビニルと軟質塩化ビニルを一体化し
た複合成形体は具体的には、複数台のスクリュー押出機
を用いて硬質塩化ビニルと軟質塩化ビニルを異型共押出
することにより得られる。又、複数台のスクリューイン
ライン式射出成形機を用い、多重射出成形しても得られ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
環境問題への対応から、塩化ビニル以外の材料が求めら
れる場合があり、硬質塩化ビニルと軟質塩化ビニルから
なる複合成形体についても、代替材料の開発が検討され
ている。硬質塩化ビニルや軟質塩化ビニルに代わる材料
は多々あるが、剛性、靱性、耐熱性、耐候性及び意匠性
等の要求特性を満たし、押出成形ができ、しかも、充分
な密着強度が得られる熱可塑性重合体を使用した複合成
形体は極めて限定され、経済性も勘案すると、実用的な
代替材料は提案されていないのが実情である。
【0004】本発明は、剛性等の製品としての要求特性
を満足し、かつ、一般的な共押出や射出成形により容易
に製造できることを特徴とする、硬質部分と軟質部分か
らなる非塩ビの複合成形体の提供を課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(1)
少なくとも芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物
を共重合してなる硬質樹脂組成物と、(2)少なくとも
炭素数2〜10個のアルキル基を有する(メタ)アクリ
ル酸アルキルとシアン化ビニル化合物を共重合してなる
軟質樹脂組成物とを積層してなる複合成形体であり、
(1)硬質樹脂組成物がABS樹脂、AES樹脂、AA
S樹脂及びAS樹脂からなる群のうちの1種以上である
該複合成形体であり、(2)軟質樹脂組成物が(a)ア
クリル酸ブチル、(b)(メタ)アクリル酸メチル及び
/又は(メタ)アクリル酸エチル、(c)芳香族ビニル
化合物及び(d)シアン化ビニル化合物を共重合してな
る軟質樹脂組成物である該複合成形体であり、さらに、
(2)軟質樹脂組成物が充填剤を含有してなる該複合成
形体であり、さらに、(2)軟質樹脂組成物がABS樹
脂を含有してなる該複合成形体であり、さらに、(2)
軟質樹脂組成物が可塑剤を含有してなる該複合成形体で
あり、共押出して(1)硬質樹脂組成物と(2)軟質樹
脂組成物を融着成形してなる該複合成形体であり、射出
成形して(1)硬質樹脂組成物と(2)軟質樹脂組成物
を融着成形してなる該複合成形体である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について説明する。
【0007】本発明の(1)硬質樹脂組成物は少なくと
も芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物を共重合
したものである。
【0008】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチ
レン及びハロゲン置換スチレン等が挙げられるが、入手
が容易で、かつ、効果が大きい点で、スチレンが好まし
い。
【0009】シアン化ビニル化合物は耐油性を有するも
のである。シアン化ビニル化合物としては、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル及びα−クロロアクリロニ
トリル等が挙げられるが、入手が容易で、かつ、本発明
の効果が大きい点で、アクリロニトリルが好ましい。
【0010】(1)硬質樹脂組成物の中では、入手が容
易で、かつ、本発明の効果が大きい点で、ABS樹脂
(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、A
ES樹脂(アクリロニトリル−EPDM−スチレン樹
脂)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリレート−
スチレン樹脂)及びAS樹脂(アクリロニトリル−スチ
レン樹脂)からなる群のうちの1種以上が好ましく、A
BS樹脂がより好ましい。
【0011】ABS樹脂は、本発明の効果が大きい点
で、AS樹脂5〜30%とポリブタジエン70〜95%
を含有することが好ましい。AS樹脂は、アクリロニト
リル20〜40%とスチレン60〜80%を含有するこ
とが好ましい。
【0012】本発明の(2)軟質樹脂組成物は少なくと
も炭素数2〜10個のアルキル基を有する(メタ)アク
リル酸アルキルとシアン化ビニル化合物を共重合したゴ
ム状のものである。
【0013】なお、軟質樹脂組成物に用いるシアン化ビ
ニル化合物は前述したものが使用できる。
【0014】(2)軟質樹脂組成物の中では、本発明の
効果が大きい点で、(a)アクリル酸ブチル、(b)
(メタ)アクリル酸メチル及び/又は(メタ)アクリル
酸エチル、(c)芳香族ビニル化合物及び(d)シアン
化ビニル化合物を共重合したものが好ましい。なお、
(b)(メタ)アクリル酸メチル及び/又は(メタ)ア
クリル酸エチルの中では、本発明の効果が大きい点で、
メタクリル酸メチルが好ましい。(c)芳香族ビニル化
合物は前述したものが挙げられる。
【0015】これら4成分からなる軟質樹脂組成物中の
各成分の含有量は、寸法安定性等の機械的特性、密封特
性及び熱融着性の点で、(a)アクリル酸ブチル50〜
80質量%、(b)(メタ)アクリル酸メチル及び/又
は(メタ)アクリル酸エチル1〜20質量%、(c)芳
香族ビニル化合物10〜30質量%及び(d)シアン化
ビニル化合物1〜20質量%が好ましい。なお、(d)
シアン化ビニル化合物は5〜18質量%がより好まし
い。軟質樹脂組成物はこれら4成分の組成比により極性
を決定しているので、4成分の含有量が上記範囲外だと
軟質樹脂組成物の極性が異なり、硬質樹脂組成物との親
和性が悪くなり、よって複合成形体の成形時に硬質樹脂
組成物との融着性や界面接着性が悪くなるおそれがあ
る。又、寸法安定性等の機械的特性が悪くなるおそれが
ある。
【0016】これら4成分の中で特に極性に強い影響が
あるのは、(d)シアン化ビニル化合物である。(d)
シアン化ビニル化合物が1質量%未満だと極性が小さく
なるので硬質樹脂組成物との親和性が悪くなるおそれが
あり、20質量%を越えると極性が大きすぎて硬質樹脂
組成物との親和性が悪くなるおそれがある。
【0017】本発明の(2)軟質樹脂組成物は柔軟性を
保持する点で、ガラス転移温度が0℃以下であることが
好ましい。ガラス転移温度を0℃以下にするためには、
アクリル酸ブチルが50質量%以上であることが好まし
い。又、アクリル酸ブチルが80質量%を越えると強度
が低下するおそれがある。
【0018】さらに、本発明の(2)軟質樹脂組成物に
は、異型押出時の賦形性や成形物の剛性を改良して押出
成形加工性を向上し、強度を大きくするために、充填剤
を添加してもよい。充填剤としては、炭酸カルシウム、
タルク、マイカ、カオリン、クレー、酸化亜鉛、水酸化
アルミニウム、アルミナ、硫酸バリウム、水酸化マグネ
シウム、チタン酸カリウム、珪藻土、シリカ、ガラスビ
ーズ、ガラスフレーク及びガラス繊維等が挙げられる。
これらの中では、押出成形加工性を向上し、強度を大き
くする点で、炭酸カルシウムが好ましい。
【0019】充填剤の添加量は、(a)アクリル酸ブチ
ル、(b)(メタ)アクリル酸メチル及び/又は(メ
タ)アクリル酸エチル、(c)芳香族ビニル化合物及び
(d)シアン化ビニル化合物を共重合した軟質共重合体
100質量部に対して、3〜200質量部が好ましく、
5〜100質量部がより好ましい。3質量部未満だと押
出成形加工性や強度が悪くなるおそれがあり、200質
量部を越えると軟質樹脂組成物が硬くなりすぎて柔軟性
を失い、シール性が低下し、押出成形加工性や強度が悪
くなるおそれがある。
【0020】さらに、本発明の(2)軟質樹脂組成物に
は、強度を大きくするために、ABS樹脂を添加しても
よい。ABS樹脂は前述したものと同様のものが使用で
きる。
【0021】ABS樹脂の添加量は、(a)アクリル酸
ブチル、(b)(メタ)アクリル酸メチル及び/又は
(メタ)アクリル酸エチル、(c)芳香族ビニル化合物
及び(d)シアン化ビニル化合物を共重合した軟質共重
合体100質量部に対して、3〜40質量部が好まし
く、5〜20質量部がより好ましい。3質量部未満だと
強度が悪くなるおそれがあり、40質量部を越えると軟
質樹脂組成物が硬くなりすぎて柔軟性を失い、シール性
が低下するおそれがある。
【0022】さらに、本発明の(2)軟質樹脂組成物の
柔軟性を確保し、シール性を大きくするために、可塑剤
を添加してもよい。可塑剤としては、ジ−2−エチルヘ
キシルフタレートやジブチルフタレート等のフタル酸エ
ステル類、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等のアジ
ピン酸エステル類、ジブチルセバケート等のセバシン酸
エステル、トリオクチルトリメリテート等のトリメリッ
ト酸エステル及びエポキシ化大豆油等のエポキシ系化合
物からなる群のうちの1種又は2種以上が好ましい。
【0023】可塑剤の添加量は、(a)アクリル酸ブチ
ル、(b)(メタ)アクリル酸メチル及び/又は(メ
タ)アクリル酸エチル、(c)芳香族ビニル化合物及び
(d)シアン化ビニル化合物を共重合した軟質共重合体
100質量部に対して、3〜100質量部が好ましく、
5〜50質量部がより好ましい。3質量部未満だと硬
く、柔軟性がなく、シール性が低下するおそれがあり、
100質量部を越えると強度が小さく、可塑剤が樹脂表
面にブリードするおそれがある。
【0024】さらに、本発明の硬質樹脂組成物や軟質樹
脂組成物には、本発明に支障のない範囲内で、PE、P
P、AS、PMMA、PC、PET、PBT、ナイロン
6、ナイロン66、ポリウレタン、熱可塑性エラストマ
ー、SBR、BR、IR、EPR、NBR、アクリルゴ
ム及びシリコンゴム等の重合体を添加してポリマーアロ
イとしてもよい。
【0025】さらに、本発明の硬質樹脂組成物や軟質樹
脂組成物には、耐熱性、透明性、難燃性及び帯電防止性
等を具備させるために、マレイミド系単量体や(メタ)
アクリル酸エステル系単量体等を共重合した共重合体、
酸化防止剤難燃剤、帯電防止剤、老化防止剤、耐候剤、
滑剤、発泡剤、防黴剤、顔料、染料、木粉及び香料等を
添加してもよい。
【0026】又、本発明の硬質樹脂組成物には、軟質樹
脂組成物と同様に、異型押出時の賦形性や成形物の剛性
を改良するために、充填剤を添加してもよい。硬質樹脂
組成物に添加する充填剤の添加量は、硬質樹脂組成物1
00質量部に対して、3〜200質量部が好ましく、5
〜100質量部がより好ましい。3質量部未満だと押出
成形加工性や強度が悪くなるおそれがあり、200質量
部を越えると押出成形加工性や強度が悪くなるおそれが
ある。
【0027】本発明では、硬質樹脂組成物からなる成形
体と軟質樹脂組成物からなる成形体を一体化して複合成
形体を製造するものであるが、成形体や複合成形体の成
形方法は任意の方法が使用できる。
【0028】硬質樹脂組成物と軟質樹脂組成物を一体化
して複合成形体とする方法としては、硬質樹脂組成物や
軟質樹脂組成物を別個に成形した後に、接着剤層を介し
て一体化する方法や、接着剤層を介しないで一体化する
方法等が挙げられる。接着剤層を介しないで一体化する
方法としては、熱プレス法、熱板融着法及び振動融着法
等が挙げられる。
【0029】しかしながら、工業的により有利な点で、
硬質樹脂組成物と軟質樹脂組成物の成形と同時に一体化
して複合成形体とする方法が好ましい。成形と同時に一
体化して複合成形体とする方法としては、共押出成形す
る方法や射出成形する方法等が挙げられる。
【0030】共押出成形する方法としては、例えば、複
数の押出機を用いることにより、一体化した複合成形体
を共押出成形する方法が挙げられる。具体的には、異種
の溶融樹脂流を合流してシートやフィルムを共押出成形
する方法が挙げられる。異種の溶融樹脂流を合流してシ
ートやフィルムを共押出成形する方法としては、マルチ
マニホールド法やフィードブロック法等が挙げられる。
又、異型押出においては、ダイス内部で硬質樹脂組成物
と軟質樹脂組成物を合流させて共押出してもよい。
【0031】射出成形する方法としては、例えばインサ
ート射出成形法が挙げられる。インサート射出成形法と
しては、予め成形した硬質樹脂組成物と軟質樹脂組成物
を金型内の一部に装着し、硬質樹脂組成物と軟質樹脂組
成物からなる複合成形体を射出する方法等が挙げられ
る。射出成形の際には、縦型射出成型機が用いられるこ
とが多い。他にも射出成形する方法としては、複数の射
出成形機を用いることにより、一台又は複数の金型を用
いて射出成形する方法、例えば芯材と被覆材からなる複
合成形体において、芯材を成形した後に、被覆材を成形
して一体化する方法が挙げられる。
【0032】本発明では、硬質樹脂組成物と軟質樹脂組
成物の接着性が高いために、共押出成形する方法や多重
射出成形する方法により強固に一体化した複合成形体が
得られる。
【0033】本発明の複合成形体は、特に用途を限定し
ないが、例えば、家具、建材、車両内外装材及び弱電機
器筐体等に好適に用いられる。
【0034】
【実施例】次に、実験例により本発明の内容を更に具体
的に記述するが、ここで用いた%及び部は全て質量基準
で示した。
【0035】参考例1 硬質樹脂組成物を次のようにして調製した。アクリロニ
トリル28%、スチレン62%及びその他の成分10%
からなる重量平均分子量18万のAS樹脂75%と、ポ
リブタジエン25%とからなるABS樹脂100質量
部、炭酸カルシウム30質量部、ステアリン酸マグネシ
ウム1質量部、エチレンビスステアリルアミド2質量部
及びトリメチロールプロパントリステアレート1質量部
を2軸押出機により溶融混練し、硬質樹脂組成物のペレ
ットを得た。
【0036】参考例2 軟質樹脂組成物を以下のようにして調製した。表1のモ
ノマー組成からなる軟質共重合体をラジカル乳化重合に
より得た。そして、表2に示す量の軟質共重合体、AB
S樹脂、炭酸カルシウム、TOTM、酸化防止剤及び滑
剤を4リットルのテストバンバリーにより混練し、得ら
れた軟質樹脂組成物をペレット化した。なお、軟質共重
合体につき、ガラス転移温度を測定した。結果を表1に
示す。
【0037】(使用材料) ABS樹脂:参考例1記載のABS樹脂と同じ TOTM:可塑剤、トリオクチルトリメリテート 酸化防止剤:フェノール系安定剤、市販品 滑剤:ステアリン酸、市販品
【0038】(測定方法)
【0039】[ガラス転移温度]セイコー電子社製DS
C測定器により測定した。
【0040】
【表1】 実験例1 表2の硬質樹脂組成物と軟質樹脂組成物からなる複合成
形体を製造し、各種物性を測定した。結果を表2に示
す。
【0041】(測定方法)
【0042】[硬度]軟質樹脂組成物のペレットを、1
60℃条件下でロールによりシーティングした後、18
0℃条件下で厚さ2mmのプレスシートを作製した。得
られたプレスシートにつき、JIS K−6253によ
り硬度を測定した。
【0043】[破断強度]硬度の測定で用いるプレスシ
ートにつき、JIS K 6251により破断強度を測
定した。
【0044】[破断伸び]硬度の測定で用いるプレスシ
ートにつき、JIS K 6251により破断伸びを測
定した。
【0045】[柔軟さ]硬度の測定で用いるプレスシー
トにつき、手で折り曲げた場合の感覚により柔軟さを測
定した。柔軟な場合を良好とし、硬い場合を不良とし
た。
【0046】[界面の接着性]共押出成形体の界面の接
着性につき以下のように測定した。硬質樹脂組成物と軟
質樹脂組成物のペレットを、2台の単軸押出機からなる
共押出機に別個に供給して融着成形し、共押出し、複合
成形体を製造した。押出機の設定温度は、硬質樹脂組成
物側を240℃、軟質樹脂組成物側を180℃とした。
又、複合成形体の断面形状は、両樹脂共に4×4mmの
正方形とした。得られた複合成形体につき手で引張る
と、硬質樹脂組成物と軟質樹脂組成物との界面で複合成
形体が剥がれなかった場合を良好とし、界面で複合成形
体が剥がれた場合を不良とした。
【0047】[外観]共押出成形体の外観につき以下の
ように測定した。界面の接着性にて製造した複合成形体
につき、後述の参考例3の塩ビからなる複合成形体に比
べて外観に遜色がない場合を良好とした。
【0048】[剥離強さ]インサート射出成形体の剥離
強さにつき以下のように測定した(図1〜3参照)。硬
質樹脂組成物を用いて、長さ150mm、幅25mm、
厚さ4mmの樹脂板を以下の成形条件下で射出成形し、
作製した。 射出成型機:日精樹脂工業社製、FN−2000 成型温度:200℃ 射出速度:55mm/秒 射出時間:6秒 冷却時間:45秒 この様にして作製した樹脂板3を金型内にインサートし
た。この時図2に示す様に、樹脂板3の一部にテフロン
(登録商標)シート4を両面テープで貼り付けた。続い
て、この硬質樹脂組成物からなる樹脂板3上に、軟質樹
脂組成物2をAの部分で熱融着し、射出成形し、図1と
図2に示す試験片1を作製した。得られた試験片1につ
き、インサート射出成形体の剥離強さとして180度剥
離強さを測定した。測定は図3に示す様に軟質樹脂組成
物2を折り曲げ、硬質樹脂組成物からなる樹脂板3と軟
質樹脂組成物2の両端をそれぞれ矢印の方向に引張るこ
とにより行った。
【0049】[破壊状態]剥離強さの測定で使用したイ
ンサート射出成形体の破壊状態につき以下のように測定
した。剥離強さにて180度剥離強さを測定した結果、
軟質樹脂組成物2が材料破壊を起こした場合を材破と
し、軟質樹脂組成物2と硬質樹脂組成物からなる樹脂板
3との界面で界面破壊した場合を界破とした。
【0050】[押出成形加工性]界面接着性にて製造し
た複合成形体の軟質部分(軟質樹脂組成物の部分)の表
面を観察し、表面が平滑な場合を良好とし、表面が平滑
でない場合を不良とした。
【0051】
【表2】
【0052】実験例2 表3の硬質樹脂組成物と軟質樹脂組成物からなる複合成
形体を製造し、各種物性を測定したこと以外は、実験例
1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】実験例3 表4の硬質樹脂組成物と軟質樹脂組成物からなる複合成
形体を製造し、各種物性を測定したこと以外は、実験例
1と同様に行った。結果を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】実験例4 表5の硬質樹脂組成物と軟質樹脂組成物からなる複合成
形体を製造し、各種物性を測定したこと以外は、実験例
1と同様に行った。結果を表5に示す。
【0057】
【表5】
【0058】実験例5 表6に示すように、ABS樹脂のかわりにPS樹脂を用
いて硬質樹脂組成物を調製し、硬質樹脂組成物と軟質樹
脂組成物からなる複合成形体を製造し、各種物性を測定
したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表6
に示す。
【0059】(使用材料) PS:ポリスチレン樹脂、市販品
【0060】
【表6】
【0061】参考例3 表7に示すように、比較のため、ABS樹脂のかわりに
硬質塩ビを用いて硬質樹脂組成物を調製し、軟質共重合
体として軟質塩ビを用いて硬質樹脂組成物を調製し、硬
質樹脂組成物と軟質樹脂組成物からなる複合成形体を製
造したこと以外は、実験例1と同様に行った。
【0062】(使用材料) 硬質PVC:硬質塩化ビニル樹脂、市販品 軟質PVC:軟質塩化ビニル樹脂、市販品
【0063】
【表7】
【0064】
【発明の効果】本発明により、硬質塩化ビニルと軟質塩
化ビニルからなる複合成形体と同等の複合成形体が得ら
れるので、塩化ビニルの代替材料として使用でき、その
産業的利益は極めて大きい。具体的には、本発明によ
り、硬質部分と軟質部分との熱融着性や界面接着性が良
く、かつ、密封特性が良好で、一般的な共押出や射出成
形により容易に製造できる複合成形体が得られる。特に
本発明の軟質樹脂組成物は柔軟性を確保でき、押出成形
加工性が良好で、寸法安定性や低圧縮永久歪等の機械的
特性が良く、適度な強度や硬度を維持できるという効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合成形体からなる試験片の平面図で
ある。
【図2】本発明の複合成形体からなる試験片の断面図で
ある。
【図3】180度剥離強さの測定方法を説明するための
図である。
【符号の説明】
1 試験片 2 軟質樹脂組成物 3 樹脂板 4 テフロンシート A 熱融着部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/18 C08F 220/18 C08K 3/00 C08K 3/00 5/00 5/00 C08L 33/08 C08L 33/08 55/02 55/02 //(C08F 220/18 (C08F 220/18 212:08 212:08 220:44) 220:44) B29K 25:00 B29K 25:00 33:00 33:00 55:02 55:02 105:16 105:16 B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F100 AK11A AK11J AK25B AK25J AK27A AK27B AK27J AK74A AK74B AK80A AL01A AL01B BA02 CA04B CA23B EH20 EH36 4F206 AA13 AA21 AB07 AB11 AG03 JA07 JB22 JF01 JL02 4F207 AA13 AA21 AB07 AB11 AG03 KA01 KA17 KB26 KF01 4J002 BG041 BN152 DE076 DE106 DE146 DE236 DG046 DJ016 DJ036 DJ046 DJ056 DL006 EH097 EH147 FD016 FD027 GF00 4J100 AB02R AB03R AB04R AB08R AL03P AL03Q AM02S AM03S BB01S CA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)少なくとも芳香族ビニル化合物と
    シアン化ビニル化合物を共重合してなる硬質樹脂組成物
    と、(2)少なくとも炭素数2〜10個のアルキル基を
    有する(メタ)アクリル酸アルキルとシアン化ビニル化
    合物を共重合してなる軟質樹脂組成物とを積層してなる
    複合成形体。
  2. 【請求項2】 (1)硬質樹脂組成物がABS樹脂、A
    ES樹脂、AAS樹脂及びAS樹脂からなる群のうちの
    1種以上である請求項1記載の複合成形体。
  3. 【請求項3】 (2)軟質樹脂組成物が(a)アクリル
    酸ブチル、(b)(メタ)アクリル酸メチル及び/又は
    (メタ)アクリル酸エチル、(c)芳香族ビニル化合物
    及び(d)シアン化ビニル化合物を共重合してなる軟質
    樹脂組成物である請求項1又は2記載の複合成形体。
  4. 【請求項4】 さらに、(2)軟質樹脂組成物が充填剤
    を含有してなる請求項1〜3のうちの1項記載の複合成
    形体。
  5. 【請求項5】 さらに、(2)軟質樹脂組成物がABS
    樹脂を含有してなる請求項1〜4のうちの1項記載の複
    合成形体。
  6. 【請求項6】 さらに、(2)軟質樹脂組成物が可塑剤
    を含有してなる請求項1〜5のうちの1項記載の複合成
    形体。
  7. 【請求項7】 共押出して(1)硬質樹脂組成物と
    (2)軟質樹脂組成物を融着成形してなる請求項1〜6
    のうちの1項記載の複合成形体。
  8. 【請求項8】 射出成形して(1)硬質樹脂組成物と
    (2)軟質樹脂組成物を融着成形してなる請求項1〜6
    のうちの1項記載の複合成形体。
JP2000233819A 2000-08-02 2000-08-02 複合成形体 Pending JP2002046224A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000233819A JP2002046224A (ja) 2000-08-02 2000-08-02 複合成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000233819A JP2002046224A (ja) 2000-08-02 2000-08-02 複合成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002046224A true JP2002046224A (ja) 2002-02-12

Family

ID=18726287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000233819A Pending JP2002046224A (ja) 2000-08-02 2000-08-02 複合成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002046224A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005239823A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Nippon A & L Kk 熱板融着用樹脂組成物および車両用灯具のランプハウジング成形品
JP2005319624A (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Hakubun:Kk 彫刻刀
WO2009017118A1 (ja) * 2007-07-31 2009-02-05 Techno Polymer Co., Ltd. 積層体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005239823A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Nippon A & L Kk 熱板融着用樹脂組成物および車両用灯具のランプハウジング成形品
JP2005319624A (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Hakubun:Kk 彫刻刀
WO2009017118A1 (ja) * 2007-07-31 2009-02-05 Techno Polymer Co., Ltd. 積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1940901B1 (en) Multi-layer article comprising impact modified acrylics having a bimodal distribution of impact modifier sizes
TWI421293B (zh) A thermoplastic resin composition and a composite molded article
KR101002103B1 (ko) 저광택 스티렌계 수지 조성물, 이로부터 제조된 저광택시트 및 복합물
WO1996030435A1 (fr) Article moule a film acrylique stratifie et ce film
KR101750603B1 (ko) 열가소성 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품
KR102066598B1 (ko) 열가소성 수지 조성물, 이의 제조방법 및 이를 포함하여 제조되는 성형품
JPH08509673A (ja) 寸法安定な強化熱可塑性pvc製品
CA2650023A1 (en) Rigid polyvinyl chloride polymer compositions having improved impact properties
JPWO2008123316A1 (ja) 重合体組成物およびそれからなる成形品
US4511695A (en) Soft polymer alloys
KR20120049563A (ko) 우수한 내충격성과 내열성을 가지는 생분해성 다층시트 및 그 제조방법
JP2002046224A (ja) 複合成形体
JP2000007880A (ja) 木質系abs樹脂組成物及びそれを用いた成形品
JP2013513687A (ja) インテリアシート/フィルム用ポリオレフィン組成物
JPH09262920A (ja) 硬質ポリ塩化ビニル樹脂系多層シートおよびその製造方法
KR102044168B1 (ko) 내충격성 및 내열성이 균일하게 개선된 생분해성 다층시트의 제조방법
SK4722002A3 (en) Composite material and method for producing thereof
KR102044172B1 (ko) 내충격성 및 내열성이 강화된 생분해성 다층시트의 제조방법
JPH09272777A (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた積層物
JP2001146506A (ja) 樹脂シートおよびこれを用いた成形品
JP2001322211A (ja) 複合成形品及び共押出成形品
KR101718943B1 (ko) 친환경 데코레이션시트 조성물 및 이를 이용한 데코시트
JP2000319496A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
KR102117524B1 (ko) 인라인 라미네이팅 플라스틱 필름을 포함하는 시트 및 그 제조방법
JP2017206671A (ja) フィルム、積層フィルム及び積層成形品