JP2001146506A - 樹脂シートおよびこれを用いた成形品 - Google Patents
樹脂シートおよびこれを用いた成形品Info
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Abstract
と耐熱水性に優れた樹脂を用いた樹脂シートおよび成形
品を提供する。 【解決手段】 成形品の表層を形成するのに用いられる
樹脂シートであって、マレイミド系単量体単位を全構造
単位の3重量%以上の割合で含む重合体を必須成分とす
る樹脂など、ガラス転移温度が120℃以上であるメタ
クリル系樹脂を成形してなる樹脂シート。前記樹脂シー
トを熱成形して形成された表層で被覆されてなる成形
品。
Description
成形品に関する。さらに詳しくは、押出成形が可能であ
り、しかも熱成形加工性と耐熱水性に優れた樹脂シート
および成形品に関する。
れており、しかも機械的性質、熱的性質を比較的バラン
ス良く有しているので、これらの特性を生かして自動車
部品、電気機器部品、銘板、看板、照明用カバー、装飾
用樹脂板、雑貨品など、各方面で広く用いられている。
さらに近年では用途が拡大しており、浴槽、浴室、洗面
台などのいわゆるサニタリー用品としても用いられるよ
うになってきた。メタクリル系樹脂を用いたサニタリー
用品は、一般にメタクリル系樹脂シートを真空成形して
浴槽などの製品形状に成形し、その裏側に補強剤として
のガラス繊維強化プラスチック(FRP)などからなる
樹脂層を裏打ちして製造される。
リル系樹脂は耐熱水性が不十分であり、浴槽や浴室な
ど、熱水や加熱水蒸気に長時間さらされる用途において
は、クラック、変色、白化、ふくれや変形・そり、バッ
クアップ層との剥離などが発生しやすいという問題があ
る。メタクリル系樹脂の耐熱水性を改良するために、少
量の架橋剤を重合系中に添加して、線状のメタクリル系
樹脂にある程度の架橋点を持たせて熱安定性を向上させ
ることが一般に行われる。このような架橋構造を有する
メタクリル系樹脂のシートを得るには、樹脂流動性が低
いためキャスト重合法によるしかなく、生産性が悪いと
いう問題点があった。そのため、樹脂流動性が高く、押
出成形によるシート化が可能で、さらに耐熱水性に優れ
たメタクリル系樹脂が求められていた。
熱成形加工性や耐熱水性はいくらかは改善するものの、
熱水によるそりやバックアップ層との剥離については改
善されず問題であった。特公平6−70098号公報に
記載されているような架橋構造を有するメタクリル系樹
脂についても熱成形加工性と耐熱水性の両方を満たすシ
ートは得られていなかった。架橋点を多くすると耐熱水
性は改善するものの、熱成形加工性は悪くなり、加熱下
での絞り加工や曲げ加工などを行うことができない。し
たがって、本発明の課題は、押出成形が可能であり、し
かも熱成形加工性と耐熱水性に優れた樹脂を用いた樹脂
シートおよび成形品を提供することにある。
め、本発明では以下の各発明を提供する。本発明の樹脂
シートは、成形品の表層を形成するのに用いられる樹脂
シートであって、ガラス転移温度が120℃以上である
メタクリル系樹脂を成形してなる樹脂シートである。さ
らに、本発明の樹脂シートの好ましい形態においては、
前記メタクリル系樹脂が、マレイミド系単量体単位を全
構造単位の3重量%以上の割合で含む重合体を必須成分
とする樹脂である。本発明の成形品は、前記樹脂シート
を熱成形して形成された表層で被覆されてなる。
表層を形成するのに用いられる樹脂シートであって、ガ
ラス転移温度が120℃以上であるメタクリル系樹脂を
成形してなる樹脂シートである。ガラス転移温度が12
0℃以上であるメタクリル系樹脂は、押出成形が可能で
あり、良好な熱成形加工性を有し、しかも充分な耐熱水
性を有するので、熱水によるそりやバックアップ層との
剥離を有効に回避することができるのである。ガラス転
移温度が120℃以上のメタクリル系樹脂としては、例
えば、メタクリル系単量体と、マレイミド系単量体、無
水マレイン酸、メタクリル酸等との共重合体;これらの
メタクリル系樹脂を変性したポリグルタルイミド;例え
ばメタクリル酸メチルとメタクリル酸とを熱変性で脱メ
タノールして形成されるグルタル酸無水物構造をもった
メタクリル樹脂;例えばメタクリル酸メチルとα−ヒド
ロキシアルキルアクリレートを脱メタノールして形成さ
れるラクトン環構造をもったメタクリル樹脂;等が挙げ
られる。これらメタクリル系樹脂は、1種のみが用いら
れてもよいし、2種以上を混合して用いられてもよい。
また、これらメタクリル系樹脂のうち特に、メタクリル
系樹脂中メタクリル系単量体単位を30〜97重量%含
有するものが、ガラス転移温度が高く、好ましい。さら
に好ましくは40〜95重量%である。
は、好ましくは120〜160℃であるのがよく、より
好ましくは120〜150℃、さらに好ましくは125
〜150℃、最も好ましくは130〜150℃である。
ガラス転移温度が120℃未満の場合は、充分な耐熱水
性が得られない。ガラス転移温度が160℃を超える場
合は、熱成形加工性が悪くなったり、成形品の耐衝撃性
が低いため割れやクラックが発生するおそれがある。ま
た、本発明の成形品のガラス転移温度についても、前記
と同様の理由から、120〜160℃が好ましく、より
好ましくは120〜150℃、さらに好ましくは125
〜150℃、最も好ましくは130〜150℃である。
態においては、前記メタクリル系樹脂が、マレイミド系
単量体単位を全構造単位の3重量%以上の割合で含む重
合体を必須成分とする樹脂である。メタクリル系樹脂の
ガラス転移温度を120℃以上とするには、マレイミド
系単量体単位を全構造単位の3重量%以上含有させるこ
とが有効であり、これにより、熱変形温度と熱分解温度
が高くなるため、得られる成形品の熱成形加工性と耐熱
水性が向上する。このような効果を得るためには、重合
体の有するマレイミド系単量体単位の割合は全構造単位
の3重量%以上であることが好ましく、より好ましくは
5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、最も
好ましくは15重量%以上であるのがよい。また、他の
単量体単位とのバランスからはマレイミド系単量体単位
の割合は全構造単位の50重量%以下であることが好ま
しい。
15の、アルキル基、シクロアルキル基、置換アルキル
基、アリール基もしくは置換アリール基である。)で示
されるN−置換マレイミドに由来する単量体単位が好ま
しい。このようなN−置換マレイミドとしては、例え
ば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレ
イミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミ
ド、N−イソプロピルマレイミド、N−t−ブチルマレ
イミド、N−ラウリルマレイミド、N−ベンジルマレイ
ミド、N−トリブロモフェニルマレイミド等を挙げるこ
とができる。これらの中で重合体および成形品の透明
性、低着色性、耐熱性等の観点より、N−シクロヘキシ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミドが好ましく、特
にN−フェニルマレイミドが好ましい。N−トリブロモ
フェニルマレイミドに由来する単量体単位を含む場合に
は、重合体および成形品に難燃性を付与することができ
る。前記重合体は、これらのマレイミド系単量体単位の
1種または2種以上を含んでいてもよい。
体単位以外の単量体単位としてメタクリル系単量体単位
を含むことが好ましく、マレイミド系単量体単位と共に
メタクリル系単量体単位を共重合してなることがより好
ましい。メタクリル系単量体単位を含むことで、透明
性、耐候性などに優れた重合体とすることができる。重
合体の有するメタクリル系単量体単位の割合は全構造単
位の97重量%以下であり、50〜97重量%であるこ
とが好ましく、60〜95重量%であることがより好ま
しい。50重量%未満であると、透明性や耐候性が低下
するおそれがあり、97重量%を超える場合はマレイミ
ド系単量体単位が3重量%未満となるため、耐熱水性等
の本発明の効果が得られない。
単量体単位と共にメタクリル系単量体単位を共重合して
なるメタクリル系樹脂であることが好ましいが、これに
限定されず、後述のようにそれぞれの単量体を重合して
得られる別々の重合体を混合して得られるものであって
も良い。メタクリル系単量体単位としては、置換もしく
は無置換の炭素数1〜18のアルキル基、シクロヘキシ
ル基、およびベンジル基のうちの少なくとも1つを有す
るメタクリル酸エステルに由来する単量体単位が好まし
い。このようなメタクリル酸エステルとしては、例え
ば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t
−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミ
ル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、
メタクリル酸2−フェノキシエチル、メタクリル酸3−
フェニルプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
等を挙げることができる。前記重合体は、これらのメタ
クリル系単量体単位の1種または2種以上を含んでいて
もよい。
外、メタクリル系単量体単位以外に必要に応じて他の単
量体単位を含んでいてもよい。そのような他の単量体単
位としては、芳香族ビニル類;不飽和ニトリル類;アク
リル酸エステル類;オレフィン類;ジエン類;ビニルエ
ーテル類;ビニルエステル類;フッ化ビニル類;飽和脂
肪酸モノカルボン酸の(メタ)アリルエステル類;多価
(メタ)アクリレート類;多価アリレート類;グリシジ
ル化合物;不飽和カルボン酸類等に由来する単量体単位
を挙げることができる。これらの中で芳香族ビニル類に
由来する単量体単位が特に好ましい。
α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、イソプロペ
ニルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンを挙げ
ることができる。これらのうち特にスチレンが好まし
い。前記不飽和ニトリル類としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フェニ
ルアクリロニトリル等を挙げることができる。前記アク
リル酸エステル類としては、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロ
ピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アク
リル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソ
アミル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸イソボルニル等を
挙げることができる。
ロピレン、イソブチレン、ジイソブチレン等を挙げるこ
とができる。前記ジエン類としては、ブタジエン、イソ
プレン等を挙げることができる。前記ビニルエーテル類
としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル等を挙げることができる。前記ビニルエステル類とし
ては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等を挙げること
ができる。前記フッ化ビニル類としては、フッ化ビニリ
デン等を挙げることができる。
アリルエステル類としては、プロピオン酸アリル等を挙
げることができる。前記多価(メタ)アクリレート類と
しては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジビニル
ベンゼン、ジアリルフタレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサ
イドまたはプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)ア
クリレート、ハロゲン化ビスフェノールAのエチレンオ
キサイドまたはプロピレンオキサイド付加物のジ(メ
タ)アクリレート、イソシアヌレートのエチレンオキサ
イドまたはプロピレンオキサイド付加物のジもしくはト
リ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ルイソシアヌレート等を挙げることができる。前記グリ
シジル化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、アリルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグ
リシジルエーテル等を挙げることができる。前記不飽和
カルボン酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、マレイン酸、フマル酸、あるいはこれらの半
エステル化物や無水物等を挙げることができる。
位、メタクリル系単量体単位以外の他の単量体単位の割
合は全構造単位の0〜20重量%であることが好まし
い。また、芳香族ビニル類に由来する単量体単位の割合
は全構造単位の15重量%未満であることが好ましい。
上記範囲を超える場合には、重合体および成形品の熱成
形加工性、耐熱水性、透明性、耐候性などが低下するお
それがある。また、前記多価(メタ)アクリレート類
は、得られる重合体の押出成形性が損なわれない程度、
例えば全構造単位の0.005〜0.10重量%の範囲
で使用することが望ましい。あるいは、キャスト重合に
よって樹脂シートを作製する場合、全構造単位の0.0
1〜1.0重量%程度含んでいてもよい。
で代表される架橋剤を用いることで、前記重合体に剛性
を付与したり、耐熱水性や表面の耐擦傷性を向上させる
ことができるので好ましい。前記重合体の重量平均分子
量は5万〜100万が好ましく、より好ましくは8万〜
50万である。重量平均分子量が5万未満の場合は、押
出成形して得られた樹脂シートの熱成形加工時に加熱時
のドローダウンが大きく賦形できなかったり、成形品の
耐衝撃性が低いため割れやクラックが発生するおそれが
ある。重量平均分子量が100万を超える場合は、樹脂
の流動性が低いため、押出成形時のシート化ができなか
ったり、シート化できたとしても熱成形加工時の深絞り
成形ができなかったりするおそれがある。
様の理由から、120〜160℃が好ましく、より好ま
しくは120〜150℃、さらに好ましくは125〜1
50℃、最も好ましくは130〜150℃である。前記
重合体は、重合により上記した各単量体単位となり得る
単量体を含む単量体成分を原料として、常法にしたがっ
て重合を行うことで製造することができる。従来のメタ
クリル系樹脂と同様に鋳型中でキャスト重合を行うこと
もできるが、前記重合体は押出成形可能であるので、溶
液重合、バルク重合、懸濁重合、乳化重合等により重合
体を得た後、必要に応じて他の成分を加えて前記重合体
を必須成分とする樹脂とした後、これをペレット化して
押出成形に供することが好ましい。
述の本発明の樹脂シートを得るための押出成形もしくは
共押出や、これら樹脂シートを用いて行う熱成形に支障
のない限りにおいて、さらに前述した特定の重合体以外
の他の重合体(PMMA樹脂、MS樹脂、AS樹脂、透
明ABS樹脂、PVC樹脂など)をブレンドして用いて
もよいが、この場合にも前述した特定の重合体に含まれ
るマレイミド系単量体単位やメタクリル系単量体単位の
割合が上述の範囲となるようにすることが好ましい。す
なわち、前記重合体に含まれるマレイミド系単量体単位
の割合は全構造単位の3重量%以上であり、5重量%以
上であることが好ましく、10重量%以上であることが
より好ましく、15重量%以上であることがさらに好ま
しい。また、他の単量体単位とのバランスからはマレイ
ミド系単量体単位の割合は全構造単位の50重量%以下
であることが好ましい。前記重合体に上記割合でマレイ
ミド系単量体単位が存在することにより、成形品の熱成
形加工性や耐熱水性が向上する。さらに、前記重合体
は、成形品の耐熱性、外観、透明性、耐候性等の点でメ
タクリル系単量体単位をも含むことが好ましい。前述し
た特定の重合体に含まれるメタクリル系単量体単位の割
合は全構造単位の97重量%以下であり、50〜97重
量%であることが好ましく、60〜95重量%であるこ
とがより好ましい。50重量%未満であると、透明性や
耐候性が低下するおそれがあり、97重量%を超える場
合はマレイミド系単量体単位が3重量%未満となるた
め、耐熱水性等の本発明の効果が得られない。特に好ま
しいのは、マレイミド系単量体単位と共にメタクリル系
単量体単位を共重合してなる重合体を含むメタクリル系
樹脂である。
レイミド系単量体単位やメタクリル系単量体単位を共重
合してなる重合体であってもよいし、それぞれの単量
体を重合してなる別々の重合体、例えば、マレイミド−
スチレン系共重合体とメタクリル系重合体の混合物であ
っても良い。の場合、重合体の混合方法、混合される
重合体の数や種類、その量比等は、特に限定されず、本
発明の効果を損なわない範囲で適宜設定することができ
る。また、この混合に際して、互いの重合体が相溶性を
示す範囲で、重合体の種類や組成、混合量比を設定する
ことで、より透明性のある樹脂シートや透明感のある成
形品を得ることができる。
は、各種添加剤を添加して用いてもよい。添加剤として
は、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤やホス
ファイト系安定剤を熱安定性改良のために、ベンゾフェ
ノン系やヒンダードアミン系の紫外線吸収剤を耐候性改
良のために、アミド系の滑剤や金属石鹸類を成形加工性
改良のために、使用することができる。また、これら以
外の添加剤としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニ
ウム、硫酸カルシウム、タルク、マイカ、ベントナイ
ト、ガラスフィラー等の無機充填剤、難燃剤、帯電防止
剤、着色剤、石目等の模様材等が挙げられる。これらの
各種添加剤の添加量は特に限定されず、成形性や得られ
る成形品の外観や物性に鑑みて適宜設定することができ
る。例えば着色剤や石目等の模様材は成形品の所望の外
観から設定することができ、0.01〜50重量%であ
る。無機充填剤は前記重合体に対し1〜50重量%であ
る。例えば水酸化アルミニウムやガラスフィラーを用い
ると耐熱水性が良好になり、またあわせて石目様の模様
やマイカ等の量を調整すれば、石目調の成形品や質感の
優れた人工大理石調の表層を有する成形品を得ることが
できる。
クリル系樹脂に含まれる前記特定の重合体の割合は、3
0重量%〜100重量%であることが好ましく、40重
量%〜100重量%であることがより好ましく、50重
量%〜100重量%がさらに好ましい。前記特定の重合
体の割合が少なすぎると、透明性、耐熱性、耐候性等の
所望の物性を得られない場合がある。本発明の樹脂シー
トは、前記メタクリル系樹脂を押出成形して得られるも
のであってもよいし、あるいは、前記メタクリル系樹脂
と、該メタクリル系樹脂以外の熱可塑性樹脂とを共押出
することにより積層してなる積層樹脂シートであっても
よい。積層樹脂シートを用いて熱成形することにより、
例えば、1回の熱成形でバスタブ等の成形品を製品とし
て得ることができるので、本発明の樹脂シートとして積
層樹脂シートは好ましい実施形態である。なお、積層樹
脂シートを成形品に用いる際には、前記メタクリル系樹
脂を含む層を成形品の表層とすることが好ましい。
しては、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系、ポ
リスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・
スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン(A
S)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、アクリロ
ニトリル・エチレン・プロピレン・スチレン(AE
S)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(P
A)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェ
ニレンオキサイド(PPO)、アモルファスポリオレフ
ィン(APO)等やこれらのアロイ又は変性体等が挙げ
られる。
シートを熱成形して形成された表層で被覆されてなるも
のである。樹脂シートを構成するメタクリル系樹脂のガ
ラス転移温度が120℃以上であること、好ましくは前
述した特定の重合体がマレイミド系単量体単位を有する
ことによって、熱変形温度と熱分解温度が高くなるた
め、得られる成形品の熱成形加工性と耐熱水性が向上す
る。このような本発明の効果をより一層発揮させるため
には、重合体の有するマレイミド系単量体単位の割合は
全構造単位の3重量%以上であり、5重量%以上である
ことが好ましく、10重量%以上であることがより好ま
しく、15重量%以上であることがさらに好ましい。ま
た、他の単量体単位とのバランスからはマレイミド系単
量体単位の割合は全構造単位の50重量%以下であるこ
とが好ましい。
−スチレン系共重合体とメタクリル系重合体のような異
なる重合体を混合する際に、重合体の種類や組成、混合
量比を適宜設定することによって、本発明の樹脂シート
あるいは成形品に透明性を付与させる場合、全光線透過
率が50%以上であることが好ましく、より好ましくは
70%以上、さらに好ましくは80%以上、さらに好ま
しくは85%以上、特に好ましくは90%以上である。
高い全光線透過率を有することで、成形品に透明感を付
与することができ、付加価値を高めることができる。こ
の全光線透過率は成形品の状態で測定しても良いし、後
述するような本発明の樹脂シート(積層樹脂シート)の
状態で測定しても良く、全光線透過率の測定を問題なく
行うことができる状態であれば、透明性を評価すること
が可能である。
層の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.1〜1
5mm、より好ましくは0.3〜10mm、さらに好ま
しくは1〜7mmである。前記範囲よりも薄くなると、
屈曲部分や平面部分に破損が生じたり、強度や耐熱性が
低下する場合がある。前記範囲よりも厚くなると、後述
する本発明の樹脂シートの熱成形時に均一にシートが軟
化しない等、熱成形時に問題が発生する場合がある。本
発明の成形品の表層を形成するのに用いられる樹脂シー
トは、その背面に他の材料からなるバックアップ層(補
強層)を有する多層成形体においても、表層用樹脂シー
トとして好適に用いられるものである。前記バックアッ
プ層としては、繊維強化樹脂層または熱可塑性樹脂層が
好ましく用いられる。バックアップ層の厚みとしては最
終成形品の用途に応じて、変形や衝撃に対する割れが起
こらない程度であれば特に限定されない。本発明の成形
品において、表層とバックアップ層の間には、接着性を
向上させるための接着層や、意匠性を向上させるための
着色層を設けてもよい。
混入したものである。この樹脂材料としては、不飽和ポ
リエステル、ビニルエステル、ウレタン系、エポキシ樹
脂等の熱硬化性樹脂;ガラス繊維強化熱硬化性樹脂;後
述する熱可塑性樹脂;発泡ウレタン、硬質ウレタン等を
用いることができる。繊維材料としては、ガラス繊維、
アラミド繊維等が挙げられる。バックアップ層に用いら
れる熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(PP)等
のオレフィン系、ポリスチレン(PS)、アクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニト
リル・スチレン(AS)、ポリメタクリル酸メチル(P
MMA)、アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・
スチレン(AES)、ポリアセタール(POM)、ポリ
ブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポ
リアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィド(PP
S)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、アモルフ
ァスポリオレフィン(APO)等やこれらのアロイ又は
変性体等が挙げられる。なお、バックアップ層としての
熱可塑性樹脂層は、繊維材料を含むものであってもよ
い。
製造方法についてさらに詳しく説明する。本発明の成形
品を製造する方法としては、大別して (1) 前記樹脂を成形して樹脂シート(以下、第1の樹脂
シートと称することもある)を作製し、これを熱成形し
た後、バックアップ層を積層する方法 (2) 前記樹脂と熱可塑性樹脂とを共押出してなる積層樹
脂シート(以下、第2の樹脂シートと称することもあ
る)を作製し、これを熱成形する方法 の2通りが挙げられる。
は、主としてバックアップ層が繊維強化樹脂層である場
合に適している。本発明の第1の樹脂シートを作製する
方法としては、前記樹脂を用いて従来のメタクリル系樹
脂と同様にキャスト重合によって樹脂シートを製造する
方法であってもよいが、前記樹脂は押出成形可能である
ので、前記樹脂をペレット化し、これを押出成形して樹
脂シートを製造することが好ましい。押出成形はキャス
ト重合よりも生産性に優れ、コスト的に有利なためであ
る。
例えば、二軸スクリュー押出機、一軸スクリュー押出
機、ベント付き二軸スクリュー押出機、ベント付き一軸
スクリュー押出機などが好ましく用いられる。押出成形
の際の加熱溶融の温度は150〜300℃であることが
好ましい。前記範囲よりも成形温度が低い場合、成形機
内でのベントアップ等の問題があり、前記範囲よりも成
形温度が高い場合、樹脂の分解が起こり、着色や分子量
低下などを引き起こすおそれがある。本発明の第1の樹
脂シートを熱成形する方法としては、特に限定されず、
前記樹脂シートを加熱により軟化させ、所望の形状の型
を用いて、種々の形状の成形品とする方法であればよ
く、具体的には真空成形、圧空成形、スタンパブル成形
等が挙げられる。樹脂シートの加熱の方法として、特に
限定されず、炉等による加熱、遠赤外線による加熱、高
周波加熱装置による加熱等が利用できる。
て繊維強化樹脂層を積層する場合、その方法としては、
一般に用いられるハンドレイアップ法、スプレーアップ
法、レジンインジェクション法や、SMC、BMCのプ
レス成形で得られた成形品と接着する方法等を用いるこ
とができる。その一例としてスプレーアップ法による製
造方法について説明する。すなわち、樹脂材料と細かく
切断した繊維材料とを、表層の裏側にスプレーして混合
堆積し、脱泡した後硬化させる。この方法によると、予
め製品形状に成形された表層の形状に沿った繊維強化樹
脂層を形成することができる。
る繊維強化樹脂または熱可塑性樹脂を射出して、樹脂発
泡体からなるバックアップ層を形成させることも可能で
ある。なお、本発明の第1の樹脂シートを押出成形によ
り得る際に、例えば前記樹脂とガラス繊維等の繊維材料
と共に押し出すことで、バックアップ層を設けなくても
十分な強度を有する樹脂シートを得ることも可能であ
る。このとき用いることのできる繊維材料の形態として
は、特に限定されないが、ストランド状またはミル状が
好ましい。
では、前記樹脂と前記熱可塑性樹脂とをそれぞれペレッ
ト化し、これを共押出成形することで本発明の第2の積
層樹脂シートを得て、この積層樹脂シートを加熱溶融し
て所望の形状に熱成形すればよい。本発明の第2の樹脂
シートを共押し出しにより得る際に、例えばガラス繊維
等の繊維材料と共に引きそろえて前記繊維材料を配向さ
せバックアップ層としても良いし、あるいは繊維材料と
熱可塑性樹脂とが混合されたガラス繊維強化熱可塑性樹
脂を用いることもできる。このとき用いることのできる
繊維材料の形態としては、特に限定されないが、ストラ
ンド状またはミル状が好ましい。
熱成形の方法については、(1) の場合と同様である。上
述した本発明の第1および第2の樹脂シートは、前記樹
脂を用いたものであるため、熱成形加工性および耐熱水
性に優れるものである。本発明の成形品は、従来のメタ
クリル系樹脂からなる成形品と同様の用途で用いること
ができ、たとえば、自動車部品、電気機器部品、銘板、
看板、照明用カバー、装飾用樹脂板、雑貨品や;浴槽、
浴室、洗面台などのいわゆるサニタリー用品として用い
られる。中でも本発明の成形品は成形加工性と耐熱水性
に優れるため、その特徴を生かして、湾曲部が多く、熱
水や加熱水蒸気に長時間さらされる用途(サニタリー用
品、特に浴槽や浴室など)で特に好適に用いられる。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実
施例中で「部」、「%」とは特にことわりがない限り、
それぞれ「重量部」、「重量%」を表すものとする。 (1)ガラス転移温度の測定方法 DSC−8230(理学電気(株)製)を用い、α−ア
ルミナをリファレンスとして、窒素気流下、常温から2
60℃まで昇温速度10℃/分で測定して得られたDS
C曲線から、中点法により求めた。
グラフィー(GPC)にて測定した分子量を、標準ポリ
スチレンにより検定した値で示した。 (3)全光線透過率 押出成形またはキャスト重合して得られた樹脂シート
(5mm厚)から切り出した試験片を用い、ASTM−
D1003に準じて測定した。 [実施例1]N−フェニルマレイミド25部、メタクリ
ル酸メチル65部、スチレン10部を用いて共重合して
得られた重量平均分子量24万、ガラス転移温度144
℃のマレイミド系共重合体を押出成形し、押出ロール温
度60℃にて急冷して厚み5mm、幅500mmの樹脂
シートを得た。
℃になるように遠赤外線ヒーターで加熱して、縦300
mm、横200mm、深さ50mmの浅型のトレー型
と、縦160cm、横120cm、深さ70cmの深型
のバスタブ型の2種類の型で真空成形を行った。浅型と
深型のいずれの成形においても共にコーナー部まで良好
に賦型し、また深型の成形においてはかまち部分も良好
な外観を呈しており、十分な成形品が得られた。この成
形品より切り出した試験片で評価したガラス転移温度は
144℃であった。また、上記樹脂シートを切り出した
50mm角の試験片を用い、90℃の熱水中において耐
熱水試験を行ったところ、1000時間経過してもクラ
ック、変色、白化、ふくれや、変形・そり等は発生しな
かった。また、上記で得られた成形品から同様に切り出
した試験片で同様の耐熱水試験を行ったが、結果は上記
と同様で良好であった。また、上記樹脂シートから切り
出した試験片で評価した全光線透過率は87%であっ
た。
部、メタクリル酸メチル85部、スチレン5部を用いて
共重合して得られた重量平均分子量10万、ガラス転移
温度132℃のマレイミド系共重合体を押出成形し、押
出ロール温度60℃にて急冷して厚み5mm、幅500
mmの樹脂シートを得た。次にこの樹脂シートをシート
温度が180℃になるように遠赤外線ヒーターで加熱
し、その後は参考例1と同様にして、浅型と深型の2種
類の型で真空成形を行ったところ、浅型と深型のいずれ
の成形においても共にコーナー部まで良好に賦型し、ま
た深型の成形においてはかまち部分も良好な外観を呈し
ており、十分な成形品が得られた。この成形品より切り
出した試験片で評価したガラス転移温度は132℃であ
った。
たところ、1000時間経過してもクラック、変色、白
化、ふくれや、変形・そり等は発生しなかった。また、
上記で得られた成形品から同様に切り出した試験片で同
様の耐熱水試験を行ったが、結果は上記と同様で良好で
あった。また、上記樹脂シートから切り出した試験片で
評価した全光線透過率は90%であった。 [実施例3]実施例2において、さらにエチレングリコ
ールジメタクリレートを0.01部を追加して公知の方
法によってキャスト重合して、重量平均分子量32万、
ガラス転移温度134℃のマレイミド共重合体の樹脂シ
ートを得た。その後は実施例1と同様にして、浅型と深
型の2種類の型で真空成形を行ったところ、浅型と深型
のいずれの成形においても共にコーナー部まで良好に賦
型し、また深型の成形においてはかまち部分も良好な外
観を呈しており、十分な成形品が得られた。この成形品
より切り出した試験片で評価したガラス転移温度は13
4℃であった。
たところ、1000時間経過してもクラック、変色、白
化、ふくれや、変形・そり等は発生しなかった。また、
上記で得られた成形品から同様に切り出した試験片で同
様の耐熱水試験を行ったが、結果は上記と同様で良好で
あった。また、上記樹脂シートから切り出した試験片で
評価した全光線透過率は90%であった。 [実施例4]N−シクロヘキシルマレイミド25部、メ
タクリル酸メチル62部、スチレン13部を用いて共重
合して得られた重量平均分子量16万、ガラス転移温度
134℃のマレイミド系共重合体を押出成形し、押出ロ
ール温度60℃にて急冷して厚み5mm、幅500mm
の樹脂シートを得た。
℃になるように遠赤外線ヒーターで加熱し、その後は実
施例1と同様にして、浅型と深型の2種類の型で真空成
形を行ったところ、浅型と深型のいずれの成形において
も共にコーナー部まで良好に賦型し、また深型の成形に
おいてはかまち部分も良好な外観を呈しており、十分な
成形品が得られた。この成形品より切り出した試験片で
評価したガラス転移温度は134℃であった。また、実
施例1と同様の耐熱水試験を行ったところ、1000時
間経過してもクラック、変色、白化、ふくれや、変形・
そり等は発生しなかった。また、上記で得られた成形品
から同様に切り出した試験片で同様の耐熱水試験を行っ
たが、結果は上記と同様で良好であった。また、上記樹
脂シートから切り出した試験片で評価した全光線透過率
は89%であった。
代わりに圧空成形を行う以外は全く同様にして浅型と深
型の2種類の型で成形を行った。浅型と深型のいずれの
成形においても共にコーナー部まで良好に賦型し、また
深型の成形においてはかまち部分も良好な外観を呈して
おり、十分な成形品が得られた。また、実施例1と同様
の耐熱水試験を行ったところ、1000時間経過しても
クラック、変色、白化、ふくれや、変形・そり等は発生
しなかった。また、上記で得られた成形品から同様に切
り出した試験片で同様の耐熱水試験を行ったが、結果は
上記と同様で良好であった。
代わりにスタンパブル成形を行う以外は全く同様にして
浅型と深型の2種類の型で成形を行った。浅型と深型の
いずれの成形においても共にコーナー部まで良好に賦型
し、また深型の成形においてはかまち部分も良好な外観
を呈しており、十分な成形品が得られた。また、実施例
1と同様の耐熱水試験を行ったところ、1000時間経
過してもクラック、変色、白化、ふくれや、変形・そり
等は発生しなかった。また、上記で得られた成形品から
同様に切り出した試験片で同様の耐熱水試験を行った
が、結果は上記と同様で良好であった。
ス転移温度105℃のポリメタクリル酸メチルを用いて
実施例1と同様に、浅型と深型の2種類の型で真空成形
を行ったところ、浅型と深型のいずれの成形においても
共にコーナー部まで良好に賦型し、また深型の成形にお
いてはかまち部分も良好な外観を呈しており、十分な成
形品が得られた。しかし、実施例1と同様の耐熱水試験
を行ったところ、100時間で白化、変形が見られ、時
間経過とともにその傾向が大きくなった。また、上記樹
脂シートから切り出した試験片で評価した全光線透過率
は90%であった。
に対し、エチレングリコールジメタクリレートを0.1
部添加し、公知の方法によってキャスト重合して得られ
た、重量平均分子量50万、ガラス転移温度115℃の
メタクリル系樹脂シートを用いて実施例1と同様に、浅
型と深型の2種類の型で真空成形を行ったところ、浅型
と深型のいずれの成形においても共にコーナー部まで良
好に賦型し、また深型の成形においてはかまち部分も良
好な外観を呈しており、十分な成形品が得られた。しか
し、実施例1と同様の耐熱水試験を行ったところ、50
0時間で少し変形が見られ、時間経過とともにその傾向
が大きくなった。また、上記樹脂シートから切り出した
試験片で評価した全光線透過率は91%であった。
スタブ型で賦形した成形品の外側に、不飽和ポリエステ
ル樹脂とガラス繊維のチョップドストランドを用い、ス
プレーアップ法で吹き付け、常温硬化し、バックアップ
層を形成した。得られた成形品は、上面から見たときの
表面性、深みのある質感に優れ、剛性、強度について
も、浴槽などのサニタリー用品として充分使用できるも
のであった。 [実施例8〜10]実施例2〜4で得られた深型のバス
タブ型で賦形した成形品を用いて、実施例7と同様にし
てバックアップ層を形成した。得られた成形品はいずれ
も、上面から見たときの表面性、深みのある質感に優
れ、剛性、強度についても、浴槽などのサニタリー用品
として充分使用できるものであった。
深型のバスタブ型で賦形した成形品を用いて、実施例7
と同様にしてバックアップ層を形成した。得られた成形
品について、実施例1と同様の耐熱水性試験を行ったと
ころ、100時間でふくれ、白化が発生し、またそりも
大きくバックアップ層が一部剥離した。 [実施例11]実施例1で用いたマレイミド系共重合体
とABS樹脂(1mm長さのガラス繊維を含有する)と
を共押し出しにより、マレイミド系共重合体の表層(5
mm)とABS樹脂のバックアップ層(7mm)の2層
構造の樹脂シートを得た(幅1400mm)。この樹脂
シートを上シート(表層)が190℃、下シート(バッ
クアップ層)が160℃になるように遠赤外線ヒーター
で加熱し、バックアップ層が外側になるようにして、縦
160cm、横120cm、深さ70cmの深型のバス
タブ型で真空成形を行ったところ、コーナー部まで良好
に賦型し、かまち部分も良好な外観を呈しており、十分
な成形品が得られた。得られた成形品は、上面から見た
ときの表面性、深みのある質感に優れ、剛性、強度につ
いても、浴槽などのサニタリー用品として充分使用でき
るものであった。
たマレイミド系共重合体を用いて、実施例11と同様に
して、ABS樹脂と共押し出しして、成形品を作製し
た。得られた成形品はいずれも、コーナー部まで良好に
賦型し、かまち部分も良好な外観を呈しており、十分な
成形品であり、上面から見たときの表面性、深みのある
質感に優れ、剛性、強度についても、浴槽などのサニタ
リー用品として充分使用できるものであった。 [比較例5]比較例1で用いたポリメタクリル酸メチル
を用いて、実施例11と同様にして、ABS樹脂と共押
し出しして、成形品を作製した。得られた成形品につい
て、実施例1と同様の耐熱水性試験を行ったところ、1
00時間でふくれ、白化が発生し、またそりも大きくA
BS樹脂層が一部剥離した。
ミド系単量体単位を全構造単位の3重量%以上の割合で
含む重合体を必須成分とする樹脂等の、ガラス転移温度
が120℃以上であるメタクリル系樹脂を用いているの
で、従来のメタクリル系樹脂からなる樹脂シートと異な
り、押出成形により製造することが可能である。押出成
形はキャスト重合よりも生産性に優れ、コスト的に有利
である。また、前記樹脂は熱成形加工性に優れるため、
この樹脂を用いた本発明の樹脂シートは、湾曲部におい
ても寸法精度良く曲げ加工などの成形を行うができる。
また、真空成形、圧空成形、スタンパブル成形等の種々
の成形方法に適応可能である。
から、これを表層として有する本発明の成形品は、浴槽
や浴室など、熱水や加熱水蒸気に長時間さらされる用途
においても、クラック、変色、白化、ふくれや変形・そ
り、バックアップ層との剥離などが発生しない。
Claims (5)
- 【請求項1】 成形品の表層を形成するのに用いられる
樹脂シートであって、ガラス転移温度が120℃以上で
あるメタクリル系樹脂を成形してなる樹脂シート。 - 【請求項2】 前記メタクリル系樹脂を押出成形してな
る、請求項1に記載の樹脂シート。 - 【請求項3】 前記メタクリル系樹脂と、該メタクリル
系樹脂以外の熱可塑性樹脂とを共押出することにより積
層してなる、請求項1に記載の樹脂シート。 - 【請求項4】 前記メタクリル系樹脂が、マレイミド系
単量体単位を全構造単位の3重量%以上の割合で含む重
合体を必須成分とする樹脂である、請求項1から3まで
のいずれかに記載の樹脂シート。 - 【請求項5】 請求項1から4までのいずれかに記載の
樹脂シートを熱成形して形成された表層で被覆されてな
る、成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000270702A JP2001146506A (ja) | 1999-09-06 | 2000-09-06 | 樹脂シートおよびこれを用いた成形品 |
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JP11-252245 | 1999-09-06 | ||
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