JP2002045387A - バンドカイロ - Google Patents

バンドカイロ

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JP2002045387A
JP2002045387A JP2000233797A JP2000233797A JP2002045387A JP 2002045387 A JP2002045387 A JP 2002045387A JP 2000233797 A JP2000233797 A JP 2000233797A JP 2000233797 A JP2000233797 A JP 2000233797A JP 2002045387 A JP2002045387 A JP 2002045387A
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band
heating element
warmer
stretchable
adhesive
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JP2000233797A
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English (en)
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Kaoru Usui
薫 臼井
Masato Nakamura
正人 中村
Yoshikazu Sakamaki
由和 酒巻
Michio Aida
道雄 相田
Yukio Urume
幸夫 潤米
Hisao Kimura
久雄 木村
Hisahiro Momo
寿浩 百々
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Mycoal Co Ltd
Original Assignee
Mycoal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用中、動いても発熱体のズレや脱落が生ず
ることなく、少なくとも片面が所望箇所で固定できる機
能を持ち、発熱体を所望の巻き締め力で密着固定でき、
しかも、貼ることによる皮膚への刺激をなくし、蒸れ
ず、保温効果、固定力に優れたフリーサイズ化バンドカ
イロを提供すること。 【解決手段】 柔らかさ、伸長時の弾性応力や応力緩和
の回復力を限定した通気性と柔軟性を有するバンドに面
ファスナー及び/または粘着剤層からなる固定手段を設
ける構成にすると共に、該バンドの断続的伸縮領域発熱
体を設け、少なくとも片面に面ファスナーの雌ファスナ
ー機能を設けることにより、フィット性に優れ、脱落防
止を確保すると共に、蒸れず快適に採暖できることを特
徴とするバンドカイロ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用、家庭用、
レジャー用等に供される巻き付け固定型化学カイロに関
するものである。更に詳しくは、首や腕等の身体等に巻
き付け固定して使用する場合、バンドの任意の所望箇所
に自在に固定でき、かつ使用中もズレず、脱落もせず、
使用後も簡単に取り外せる無断アジャスタブルなバンド
カイロに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高齢化社会が進み、腰痛、肘痛、
膝痛、肩痛等の症状を訴える人が増加する傾向にある。
また、冷房された部屋で作業する場合も膝、肘、ふくら
はぎ等の局部を温める手段が望まれていた。そのため、
対症療法として化学カイロが使われている。また、単に
暖を確保するためにも化学カイロが使われている。従来
の化学カイロは、それ自身では適用箇所に固定すること
ができないものであったり、化学カイロを収納するため
のポケットを付けた下着等を使用したり、発熱体に粘着
剤を設けて、身体や衣服に化学カイロを貼り付けて使用
するようにしたもであったりした。また、伸縮性シート
状物により、身体などに固定できるシート状物付きカイ
ロが知られている。このカイロは、カイロが取り付けら
れた部分が非伸縮性になっているため、伸縮性部分が伸
縮しても、カイロと材料の取り付け部分からカイロが外
れないが、装着するときに一部伸びきり、伸縮性が変わ
りしっかりと固定できなかったり、使用中特に身体を動
かしたとき、生ずる小さなズレが幾度となく生じ、結果
として、所望の固定箇所からズレたり、脱落して本来の
所望の箇所での採暖する目的が達成できなかった。ま
た、シート状物の固定手段も断続的なもので、固定でき
る場所がシート状物上で予め、決められているため、無
断的に任意の場所に固定できなかったり、最適な状態で
の固定ができず、締め付けがきつかったり、緩かったり
して、使用中苦痛があったり、ズレたり脱落したりする
欠点があった。
【0003】そこで、柔らかく、肌触りが良く、装着時
や使用中にバンドの伸縮性が低下せず、巻き付け時に伸
びきりが起こらず適格な締め付けができ、無断的にバン
ドの任意の場所に固定でき、ゆるみ、ズレ、脱落がな
く、使用後は痛みもなく、簡単に取り外せるバンドカイ
ロが望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来のそ
れ自体では固定することができない化学カイロの場合、
例えば、化学カイロを収納するためのポケットを付けた
下着等を使用する場合、装着が面倒であり、装着具が相
当に高価であり、装着位置が特定箇所にあり、具体的に
温熱効果を最も必要とする部分に対し、的確に装着使用
できないことが多かった。
【0005】また、人体への直貼タイプの粘着剤付き化
学カイロでは、皮膚の保護のため、粘着力を余り上げら
れず、多くの部分は密着不良になっていた。また、密着
良好部分ではカイロを剥がすとき痛さを伴っていた。さ
らに、長期間使用する場合、ある間隔をおいて、粘着と
剥離が繰り返され、皮膚の炎症も起こりやすく、肌に炎
症を起こさず、何回も同じ箇所に固定し、保温効果を保
持できるものはなかった。また、衣服に貼るタイプの場
合、活動時、衣服が動き、常に、温熱効果を最も必要と
する部分に対し、的確に化学カイロを位置させて置くこ
とが難しい場合も生じた。しかも、上述のような接着方
式によるものが少なくとも人体に関し適用される場合は
殆ど垂直状又は傾斜状となることが一般的であり、一方
袋内に装入された発熱剤は、片寄りや凝結を起こし、発
熱むら、温度分布の不均一が発生し、また、凝結によっ
て不快感を与え、発熱状態も乱れるものであった。多孔
質フィルムを使用したものも提案されたが完全な解決に
は至らなかった。更に、保温効果を上げるために屈曲部
の周りに複数個のカイロを粘着剤等で貼り付けても、使
用中剥がれたり、剥がす時に痛みがあったり、不快感が
伴っていた。
【0006】シート状物を使って巻き付ける方法でのカ
イロも提案されている。しかし、シート状物を巻き付
け、該シート状物を引っ張り固定手段で止めようとする
と、シート状物の一部が伸びきり、巻きにゆるみが生
じ、適度の引っ張り力を持ちながら、安定して固定する
ことができない場合があった。更に、これにより装着
後、歩く等の動作を加えるとズレたり、脱落したりする
欠点があった。それを防止するために塩化ビニル樹脂等
の滑り止め層を全面塗布した場合、ズレたり、脱落した
りする欠点は解決するが、通気性がなくなり、蒸れて不
快な状態が続く欠点を有していた。
【0007】また、粘着部に経皮吸収可能な薬物を混入
し、温熱治療用貼付剤としたものもあるが、粘着剤に固
定の役目と薬剤供給源の2つの役目を持たせているた
め、粘着力を十分に落とすことができず粘着剤による皮
膚への過剰刺激や貼ることの繰り返し刺激により、皮膚
の炎症又はこれに近い状態が起こりやすく、同じ所へ繰
り返し貼ることが難しく、粘着剤を使用した薬物医療の
限界を呈していた。また、固定用としては粘着力がたり
ず、使用中剥がれる等の問題も呈していた。
【0008】そこで本発明は、肌触りが良く、心地良い
程度に弾力的に貼った状態で、無断的にバンドの任意の
場所に固定でき、使用者の種々のサイズの腕や脚等に調
節して取り付け可能であり、装着時や使用中にバンドの
伸縮性が変わらず、ゆるみ、ズレ、脱落がなく、所望の
箇所に長時間固定でき、十分な採暖が可能で、使用時は
痛みもなく、簡単に取り外せるバンドカイロを提供する
ことを目的とする。合わせて、薬剤提供元のみの役目を
持った薬剤層付きバンドカイロを提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するべく創案されたもので、 柔らかく、肌感触を良くす
るために、バンドの柔らかさをループスティフネステス
ターにおいて5g以下とした。また、少なくとも片面が
連続的に面ファスナーの雌ファスナー機能を持つ通気性
袋体内に空気の存在によって発熱する発熱剤を収容した
発熱体を使用し、固定手段を持ち、少なくとも片面を連
続的に面ファスナーの雌ファスナー機能を持つ不織布か
ら構成し、100%長手方向伸長時の応力が500g/
25mm幅以下、100%長手方向伸長時の応力緩和の
回復力が90%以上のバンド本体に断続的伸縮性領域を
設け、該領域で該発熱体と連結させることにより、少な
くとも片面の全面が面ファスナーの雌ファスナー機能を
有し、連結部分でも伸縮性を有し、弱い力でも簡単に伸
ばせ、肌への感触が良いバンドカイロを完成した。ここ
で、ズレや脱落の一つの原因として、装着時のバンドの
部分的な伸び切りが起こり、装着時後、伸縮性が弱くな
るためとの知見を得た。バンドの伸縮性が不足する場合
には、取り付け時に降伏点を超え、回復力が弱まり、適
度の締め付けができず、また使用中、膝等の太さの変化
により、伸長力が働き、長さが伸び、さらに締め付け力
が弱くなり、発熱体やバンドがズレたり、脱落するが、
本発明ではバンド本体に前記特性を持たせることによ
り、これを防止できるようにした。さらに、発熱体を取
り付ける領域を断続的伸縮性領域にする事により、脚等
の巻き付け固定対象体の動作時の寸法変化に追従できる
ようにしてズレや脱落を防止した。また、発熱体および
バンドの少なくとも片面の全部を面ファスナーの雌ファ
スナー機能を有する様に形成することにより、無断アジ
ャスタブルな機能を付与した。このファスナー機能によ
り、少なくとも長手方向に伸縮可能な領域を引っ張って
使用者の脚や腕等に囲繞し、バンドによる最も適切な締
め付け状態において、面ファスナーの雄ファスナーを前
記バンド表面に形成された雌ファスナーの任意の場所に
固定することにより、全面発熱体を最適な状態で、囲
繞、固定でき、使用中動いても、ズレや脱落が起こらな
いようにした。また、発熱体及び/またはバンドの一部
に曲線部を設け、湾曲部に適合自在に形成した。さら
に、バンドカイロ即ち発熱体及びまたはバンドの片面ま
たは両面の一部または全部に通気性滑り止め層を形成す
る事により、蒸れ等の不快感を生ぜず、ズレや脱落防止
をより強固なものとした。ここで、雌ファスナー機能
(ループ機能)としては雄ファスナー(フック)と再封
鎖可能な機能であり、該機能を有する手段であれば何れ
の手段でも使用できる。伸縮性とは張力を受けた場合、
その張力の方向に、伸長又は拡大し、その張力を除くと
張力が作用する前の寸法又はその近くに戻るという材料
の性質を言う。以上の様に、上記のような問題点を解決
し、肌感触が良く、使用中にバンドや発熱体のズレや脱
落もなく、顕著な温熱効果を発揮させる無断アジャスタ
ブルなバンドカイロに構成できるという知見を得て完成
されたものである。即ち、本発明のバンドカイロは、請
求項1記載の通り、通気性袋体内に空気の存在によって
発熱する発熱剤を収容してなる発熱体と、断続的伸縮性
領域および少なくとも長手方向に伸縮性を有する領域か
らなる通気性固定用バンドから構成されるバンドカイロ
において、断続的伸縮性領域に発熱体が設けられ、該発
熱体も含め、バンドカイロとして少なくとも片面は連続
的に面ファスナーの雌ファスナーの機能を持ち、かつ
該少なくとも長手方向に伸縮性を有する領域が、柔らか
さがループスティフネステスターにおいて5g以下で、
100%長手方向伸長時の応力が500g/25mm幅
以下で、100%長手方向伸長時の応力緩和の回復力が
90〜100%で、固定手段を有することを特徴とす
る。また、請求項2記載のバンドカイロは、請求項1に
記載のバンドカイロにおいて、前記バンドの固定手段が
面ファスナーの雄ファスナーであることを特徴とする。
また、請求項3記載のバンドカイロは、請求項1に記載
のバンドカイロにおいて、前記バンドの固定手段が粘着
剤層であることを特徴とする。また、請求項4記載のバ
ンドカイロは、請求項1乃至3の何れかに記載のバンド
カイロにおいて、前記バンドの雌ファスナー機能を不織
布で形成したことを特徴とする。また、請求項5記載の
バンドカイロは、請求項1乃至4の何れかに記載のバン
ドカイロにおいて、前記バンドの少なくとも一部に通気
性滑り止め層を設けたことを特徴とする。また、請求項
6記載のバンドカイロは、請求項5に記載のバンドカイ
ロにおいて、前記通気性滑り止め層の設けられた領域の
摩擦係数が20〜80°であり、通気度が1,000秒
/100cc以下であることを特徴とする。また、請求
項7記載のバンドカイロは、請求項1乃至6の何れかに
記載のバンドカイロにおいて、前記発熱体の少なくとも
一部に曲線部を設け、湾曲部に適合自在に形成したこと
を特徴とする。また、請求項8記載のバンドカイロは、
請求項7に記載のバンドカイロにおいて、前バンドが記
発熱体の曲線部に沿って曲線部を有することを特徴とす
る。また、請求項9記載のバンドカイロは、請求項1乃
至8の何れかに記載のバンドカイロにおいて、前記バン
ドが複合化伸縮材から構成されたことを特徴とする。ま
た、請求項10記載のバンドカイロは、請求項1乃至9
の何れかに記載のバンドカイロにおいて、前記バンドが
前記発熱体の装着箇所に複数回囲繞可能な長さを有する
ものであることを特徴とする。また、請求項11記載の
バンドカイロは、請求項1乃至10の何れかに記載のバ
ンドカイロにおいて、前記バンドが調整用固定手段を備
えてなることを特徴とする。また、請求項12記載のバ
ンドカイロは、請求項1乃至11の何れかに記載のバン
ドカイロにおいて、前記発熱体の近傍に薬物含有層を設
けたことを特徴とする。また、請求項13記載のバンド
カイロは、請求項1乃至12の何れかに記載のバンドカ
イロにおいて、前記バンドカイロの少なくとも一部に文
字、図形、記号、数字、模様、写真、絵の何れか一種以
上が設けられていることを特徴とする。また、請求項1
4記載のバンドカイロは、請求項1乃至13の何れかに
記載のバンドカイロにおいて、前記バンドカイロの少な
くとも一部が着色されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】断続的伸縮性領域とは、伸縮性を
有する部分と非伸縮性を有する部分が存在する領域で、
外力等の力を受けたとき該領域の少なくとも一部が変形
することにより、その力や歪みを吸収できる機能を有す
る領域であれば如何なるものでもよい。例えば、非伸縮
性を有する部分と少なくとも一方向に伸縮性を有する部
分をそれぞれ少なくとも1箇所以上で構成され、少なく
とも伸縮性を有する部分が伸縮性巻き付け用部と同じ基
材で作成された断続的伸縮性領域が一例として挙げられ
る。図1にそのパターンの一例を示す。このパターン上
に発熱体が設けられ、発熱体が身体に巻き付け、固定さ
れたときに発熱体の下部のバンド部分が曲げられ、伸縮
性を有する部分と非伸縮性を有する部分の段差ができ、
面接触から点接触や線接触等の非面接触になり、バンド
カイロのズレや脱落を防止する。また、段差が生じなく
とも、伸縮性を有する部分が外圧により変形し、バンド
カイロをずらす力を緩和し、ずれを防ぐ。また凹凸を予
め生じさせておくと、点や線接触になり肌に優しく、フ
ィット性も増す。伸縮性を有する部分と非伸縮性の部分
の大きさ、割合は如何なるものでもよい。ここで該領域
の伸縮性を有する部分は外力により変形できる機能があ
ればよいので、伸長性を有する部分も伸縮性を有する部
分の役割を果たすことができる。
【0011】また、該断続的伸縮性領域にはこの領域を
多層構造とし、最上層を断続的伸縮性領域または非伸縮
性部とし、ここに発熱体を設け、これと反対側の最外層
を伸縮性とした多層構造の領域も含ませる。たとえば、
糸状伸縮材を挟んで、2枚の伸縮性基材が設けられ、一
方の基材の一部を接着(粘着)剤等の塗布等により、非
伸縮性としその上に発熱体を設け、それと反対側の他方
の基材部分の伸縮性を少なくとも一部残したものが一例
として挙げられる。ここで、図1に示したパターンを一
例に取ると、接着(粘着)や融着等の手法を使い、伸縮
性を有する部分と非伸縮性を有する部分を長手方向と交
わる方向に簾状に設ける場合はそれぞれの幅は、特に制
限はないが好ましくは0.05〜20mm、より好まし
くは0.1〜10mm、さらに好ましくは0.1〜8m
mである。同様にして、適宜の大きさと間隔でメルトブ
ロー法による網状(蜘蛛の巣状)、ロールコーター、塗
布や印刷等による格子状や点状等の領域が一例として挙
げられる。
【0012】バンドと発熱体との取り付け構造としては
下記のものが一例として挙げられる。 1)バンドの断続的伸縮性領域または非伸縮性領域上に
発熱体が全部又は一部が設けられる構造。 2)バンドの断続的伸縮性領域または非伸縮性領域の端
の上に発熱体の端が設けられる構造。 3)発熱体の端をバンドの断続的伸縮性領域または非伸
縮性領域の端が挟む構造。 4)バンドが多層構造を持ち、一方の最外層の断続的伸
縮性領域または非伸縮性領域に発熱体を設け、それと反
対側の最外層が伸縮性領域または非伸縮性領域である構
造。 5)発熱体がバンドの断続的伸縮性領域または非伸縮性
領域または伸縮性領域に挟まれ、少なくともその片面が
断続的伸縮性領域または非伸縮性領域である構造。ここ
で、発熱体の取り付け法としては接着(含粘着)及び/
または融着等の固定取り付け法または面ファスナー等に
よる脱着自在の結合部による取り付け法が好ましい。
【0013】本発明のバンドカイロのバンドは柔らか
く、弱い力でも伸縮可能である基材を使っているので、
該断続的伸縮性領域の伸縮性を有する部分は外力により
容易に変形できる。これにより、発熱体が脚や腕等に巻
き付け、固定されたときに、発熱体の下部のバンド部分
がまげられ、伸縮性を有する部分が変形する(図2
(2))。使用中、脚や腕は動くと太さが変化し、その
太さの変化するが、伸縮性部があるので、図2の
(2)、(3)の様に変化して脚や腕の太さの変化に追
従でき、ズレを起こさず、所望の箇所を温め続けること
ができる。
【0014】また、本発明バンドカイロは、摩擦力の範
囲を制限した透湿性滑り止め層を採用しているため、バ
ンドおよび全面発熱体がズレや脱落せず、使用時に中、
強い粘着力による痛みを感じることなく、所望のところ
を的確に温めることができる。バンド及び滑り止め層が
通気性や透湿性を有しているので、蒸れによる不快感も
ない。言うまでもないが、発熱体を固定するためのバン
ドの採用により、取り付け装着具の厄介さや粘着剤を繰
り返し貼ることによる皮膚の炎症の危険を減少し、この
発熱体を湾曲部でも簡単かつ確実、均一に身体等に簡単
に密着固定することができ、発熱状態も均一に保て、し
かも使用後においても対象物を汚染したり、傷つけたり
せず、発熱体を非常に容易に脱着できるものである。
【0015】前記バンドカイロを構成する発熱体は、こ
の種の化学カイロとして使用されている一般的な発熱体
で構わないが、一つの連続した発熱領域からなる全面発
熱体や発熱剤をいくつかの独立したブロックに分けた複
数の発熱領域からなる区分発熱体等が挙げられる。全面
発熱体としては、例えば、扁平形状の通気性袋体内に発
熱剤を収容した発熱体、すなわち片面が通気性のフィル
ム、他面を非通気性のフィルムで袋状に形成した通気性
の収容袋に発熱剤を収容し、肉薄扁形状に形成すればよ
い。この場合、発熱体の全面が発熱領域となるなら、収
容袋内は発熱剤が隣接状態に保たれるならば適宜区画さ
れていても構わない。例えば、収容袋を構成する両面の
フィルムが適宜箇所で融着または接着して内部の発熱剤
の偏りが生じにくいように形成してもよく、また、同じ
くエンボス加工等を施して収容袋内の発熱剤を区画する
ことにより発熱剤の偏りが生じにくいように形成しても
よいが、この場合は、前記の通り、区画された発熱剤は
隣接状態に保たれる必要がある。尚、発熱体の表面を面
ファスナーの雌ファスナー機能を持つ不織布等で作成し
て面ファスナーの雌ファスナーを形成し、雄ファスナー
部による固定を、よりフレキシブルなものとした。ま
た、バンドで被着部に固定した際に、発熱体を被着部に
その全面において密着させるには、発熱体の厚みは20
mm以下、好ましくは9mm以下にする必要がある。こ
のように、扁平形状の通気性袋体内に発熱剤を収容した
状態で全面発熱体の厚みを9mm以下に押さえることに
より、本バンドカイロを人体に適用した際に、発熱体に
取り付けられたバンドによる固定によって、袋体内の発
熱剤の移動が生じず、均一な発熱状態で、発熱体を適用
箇所の全面において、密着状態に保つことが可能とな
る。また、発熱体の形状は、肘、膝など、被着部の湾曲
形状に合わせ、曲線部を設け、湾曲部に適合する形状に
するのが好ましい。また、発熱体の近傍に薬物含有層を
設けるようにすれば、薬剤を用いた医療用として、固定
保持部と薬剤供給部を分離形成したことにより、薬剤供
給部に強力な粘着剤を使うことが避けられるため、肌に
優しい医療用温熱剤として用いられるバンドカイロを提
供できる。
【0016】区分発熱体としては通気性袋内に独立した
区分を設け、それぞれに発熱体を配置し、区画による保
温を目的としたものである。独立した区分は通気性袋を
構成している通気性フィルムや非通気性フィルム等にエ
ンボス等により窪みを設け、そこに発熱剤を収納するこ
とにより、使用時の発熱剤の偏りを防ぐ効果を期待した
ものが一例として挙げられる。
【0017】前記バンドカイロを構成する発熱体の数は
少なくとも一対の発熱体があればよいが、この他に、バ
ンドの許す範囲で、発熱体の数を増やすのは制限されな
い。
【0018】前記発熱体とバンドとの連結は、接着(含
粘着)及び/または融着等でバンドの断続的伸縮性領域
上に発熱体全体を設けてもよいし、発熱体の端部または
一部をバンドの該領域に設けて連結を行ってもよい。
【0019】前記バンドカイロの発熱体を構成する発熱
剤としては、種類に制約はなく従来公知の空気の存在に
よって発熱する部材であればすべて適用できるものであ
る。なかでも金属粉を使用した発熱剤からなる発熱体が
好適に用いられる。金属粉としては鉄粉系が好ましく、
発熱剤の組成例としては鉄粉系、反応助剤、水、保水剤
及び/又は添加剤から構成されるもので、空気及び水の
共存下で発熱する物質が好んで使用される。具体的に
は、鉄粉、還元鉄、活性炭、アルミナ、シリカゲル、木
炭、吸水性高分子、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化鉄、酢酸、クロ
ル酢酸、水、アクリル系吸水高分子、CMC、ベントナ
イト、トルマリン(苦土電気石)、トリポリリン酸ソー
ダ、消石灰、バーミキュライト、パーライト、テラバル
ーン、木粉、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン等の発熱原料を適宣配合処方した組成物の使用が好
適である。云うまでもないが、発熱剤は粉体状、粘土
状、粘性体状、クリーム状、スラリー状、シャーベット
状、液状等の所望形態で使用でき、袋状、シート状等の
通気性袋体に収容した状態において、発熱体として該バ
ンドで固定できる状態になっていればいずれの形態でも
構わない。
【0020】前記バンドの厚みは、好ましくは4mm、
より好ましくは3mm以下、さらに好ましくは2mm以
下である。ギャザー付きの場合は伸ばしきった状態での
厚みを言う。
【0021】前記バンドの長さは、バンドカイロを装着
箇所に囲繞し、固定できる長さがあれば足りるが、発熱
体装着箇所に複数回囲繞可能な長さにするのが、発熱体
の密着性、固定性の観点から好ましい。伸長して固定す
る場合は通常、10から300%伸長するが、固定でき
る範囲であれば、基材の伸長範囲は特に限定されない。
【0022】前記バンドの重量は、好ましくは30g以
下、より好ましくは25g以下、さらに好ましくは20
g以下である。
【0023】前記バンドの柔らかさは、前記バンドの伸
縮性巻き付け用部における、ループスティフネステスタ
ーにおいて5g以下、好ましくは3g以下、より好まし
くは2g以下である。こうすることが発熱体の密着固定
性の観点から好ましい。
【0024】ここで、ループスティフネステスターと
は、試料をループ状に曲げ、自重によってたるみにくい
方向に固定して、そのループの直径方向を押しつぶした
時のつぶし開始時の荷重を測定し、その値をもって柔ら
かさを決める。ここでは、(株)東洋精機製作所のルー
ブスティフネステスターNo.581を用いて、圧縮速
度3.5mm/secの条件で測定して前記数値を特定
したものである(試料幅25mm)。
【0025】前記バンドの100%長手方向伸長時の応
力は、500g/25mm幅以下、好ましくは50〜4
50g/25mm幅、より好ましくは60〜400g/
25mm幅である。
【0026】前記バンドの100%長手方向伸長時の応
力緩和の回復力は、90〜100%、好ましくは95〜
100%、より好ましくは98〜100%である。90
%に満たないと巻き付け時に一部伸びきり、適格な巻き
締めができなくなり、ゆるみの原因になる。また使用
中、人体の動作等への追従が不十分であり、一部伸びき
り、伸縮性に変化が起こり、ズレや脱落が起こりやす
い。
【0027】前記バンドの100%長手方向伸長時の応
力緩和の回復力(伸長回復率)は、自記記録装置付定速
伸長型引張試験機を用いて、JIS L1015及びL
1096に準じて、試料を試験機に固定して、100%
伸長させる。この状態を10分間保持した後、引張速度
と同様の速度で戻し始めて応力が0になった時の長さZ
(mm)を測定する。元の長さL(mm)に対して下記
式から100%伸長時の伸長回復率(%)を算出する。 100%伸長時の伸長回復力(%)=(2−(Z/
L))×100 ここで、試料固定寸法は150mm、引っ張り速度は3
00mm/minである。なお、上記伸縮弾性不織布の
流れ方向(連続方向)を長手方向とした試料を縦サンプ
ルとした。試料サイズは長さ200mm×幅25mmで
ある。
【0028】前記バンドを構成するバンド基材としての
伸縮性基材は、伸縮性があり上記特性を満足する限り特
に限定されるものではないが、例えば天然ゴム、合成ゴ
ム、エラストマー、伸縮性形状記憶ポリマー等の単品や
これらと非伸縮性素材との混合品、混抄品やこれらの組
み合わせ品から構成される織物、フィルム、スパンデッ
クス糸、糸、紐、平板、リボン、スリットフィルム、発
泡体、不織布、またはこれら同士またはこれらと非伸縮
性のものとの積層等による複合化伸縮材等が一例として
挙げられる。ここで、非伸縮性の長繊維や連続フィラメ
ントをランダムに交絡させ、ランダムに接着や融着させ
て全体として伸縮性を有する等の加工法によるものも上
記伸縮材に含まれる。ウレタン糸等の伸縮性糸にナイロ
ン糸等を巻き付けて保護性伸縮性糸にしてもよい。
【0029】ここで、エラストマー中でも、熱可塑性を
有する熱可塑性エラストマーは熱融着性を有し、不織布
等との積層体を製造するのに非常に容易であるので、望
ましい。熱融着性の無い素材であれば熱可塑性樹脂を混
合や混抄することにより熱融着性を付与したり、ホット
メルト系等の接着剤(含粘着剤)を用いて接着すればよ
い。さらに、伸縮材が非通気性の場合には、熱ピン方
式、エンボス方式等、孔を開ける手段を使い、孔を開け
ることにより、伸縮性や伸長性と通気性を付与したバン
ドとしても構成できる。すなわち、バンド全体として、
伸縮性があればよく、単品でも、伸縮性基材同士または
非伸縮性基材との組み合わせによる複合品でもよい。
【0030】上記合成ゴムとしては、具体的には、例え
ばブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエン、イソプレ
ンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジ
エン−スチレン共重合体、ブチルゴム、アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン
−イソプレンゴム、ポリアルキレンスルフィド、シリコ
ーンゴム、ポリ(クロル・トリフルオロエチレン)、フ
ッ化ビニリデン−6−フッ化プロピレン・コポリマー、
ウレタンゴム、プロピレンオキシドゴム、エピクロルヒ
ドリンゴム、アクリル酸エステル−アクリロニトリル・
コポリマー又はアクリル酸エステル−2−クロルエチル
ビニルエーテル・コポリマー等が一例として拳げられ
る。
【0031】又、上記熱可塑性エラストマーとしては、
具体的には、例えばオレフィン系エラストマー、ウレタ
ン系エラストマー又はエステル系エラストマー、スチレ
ン系エラストマー、アミド系エラストマー、塩ビエラス
トマー、シンジオタクチックポリ(1,2−ブタジエ
ン)、ポリ(トランス−1,4−イソプレン)、シリコ
ーン系エラストマー等が一例として拳げられる。
【0032】上記オレフィン系エラストマーとしては、
エチレン−プロピレン・コポリマー、エチレン−プロピ
レン−ジエン・ターポリマー、クロロスルホン化ポリエ
チレン、塩素化ポリエチレン又はエチレン−酢酸ビニル
・コポリマー等が一例として拳げられる。中でも、シク
ロペンタジエニル錯体、即ちメタロセン触媒を用いて形
成されたエチレン−α−オレフィンが特に好ましい。α
−オレフィンとしては1−ヘキセン、1−オクテン、1
−ヘプテン、4−メチルペンテン−1等が特に好まし
い。
【0033】ウレタン系エラストマーとしては、ウレタ
ン結合を有するブロックとポリカーボネート系ポリオー
ル、又はエーテル系ポリオール、又はポリエーテル・ポ
リエステル系ポリオール、又はカプロラクトン系ポリエ
ステルブロックとからなるウレタン系エラストマーが一
例として挙げられる。特にこれらから形成されるポリウ
レタンフィルムは、非多孔質で透湿性を持ち、伸縮性も
合わせ持つ特徴がある。
【0034】エステル系エラストマーとしては、芳香族
ポリエステルを有するブロックと脂肪族ポリエステル又
は脂肪族ポリエーテルを有するブロックとからなるエス
テル系エラストマーが一例として挙げられる。
【0035】伸縮性記憶形状ポリマーとしては、ポリイ
ソプレン系、スチレン−ブタジエン系等共重合ポリマ
ー、ポリウレタン系、ポリマーアロイ系等が一例として
挙げられる。
【0036】伸縮性基材は上記何れでもよいが、100
%伸長時の伸長回復率の関係から、上記天然ゴム、合成
ゴム、ウレタン系エラストマー、伸縮性記憶形状ポリマ
ー、エチレン−α−オレフィン及びこれらを含む複合品
が好ましい。
【0037】非伸縮性基材としては上記伸縮性基材以外
のものを云う。基材を構成する素材の一例として、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体鹸化物又はエチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリカーボネート、芳香族或いは脂肪族のポリ
アミド、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリア
クリロニトリル、塩化ビニル−塩化ビニリデン系樹脂、
ポリイミド、塩酸ゴム、ポリフェニレン、芳香族或いは
脂防族のポリアミド、ポリスルホン、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリロニトリル、塩化ビニル−塩化ビニリ
デン系樹脂、ポリイミド、塩酸ゴム、ポリフェニレンオ
キサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイ
ミド、エポキシ樹脂、ポリアミノビスマレイミド、ポリ
アセタール、ポリエ一テルエーテルケトン、ポリエーテ
ルサルフオン、ポリアリレート、ポリオキシベンジル等
の高分子材料や紙、パルプ、繊維、綿等の天然材料また
はこれらの組合せによる織物、織布、不織布、フィル
ム、シート、発泡シート等が挙げられる。また、伸縮性
基材に接着剤等を設けたり、2軸延伸するなどした、伸
縮性のないものや実質上伸縮性のないものも伸縮性のな
い基材に含まれる。又これらは単独、或いは2種以上を
積層して用いることができる。
【0038】伸縮性基材及び非伸縮性基材は、透明、不
透明、着色、無着色等如何なるものでもよい。
【0039】前記複合化伸縮材としては、前記伸縮性基
材を含み、該使用基材と形態、性状、種類等の何れかを
異にする基材との組み合わせにより全体として伸縮性を
有する基材である。例えば、以下のものが挙げられる。 1)伸縮性フィルムを使用した一例として、ウレタン系
エラストマー等の伸縮性フィルムを伸長状態にして、少
なくともその片側に不織布(ナイロン製等)を接着また
は融着し、伸長された状態を解除することにより伸縮性
を付与したバンドとして構成できる。伸長時に不織布を
エンボスや熱ピン方式等で接着または融着し、同時にウ
レタン系エラストマーフィルム等の伸縮性基材に孔を開
け、伸縮性と通気性を付与したバンドにすることもでき
る。ここで、該不織布の代わりにポリエチレンフィルム
等の樹脂フィルムと不織布をラミネートしたものを使用
してもよい。また、該樹脂フィルムやウレタン系エラス
トマーフィルム等の伸縮性基材に予め孔を開けたものを
使用し、伸縮性と通気性を付与したバンドにすることも
できる。
【0040】2)伸縮性基材として、ホットメルト接着
剤(又は粘着剤)付きの糸状伸縮基材(0.5mmφの
糸状ウレタン、0.8mmφの糸状アクリロニトリル・
ブタジエンゴム等)を一定間隔(5mm間隔等)に複数
本並べそれらを長手方向に100%以上伸長し、その位
置で固定し、その上に片面に不織布を積層したポリエチ
レンフィルム等の樹脂フィルムからなる基材を該樹脂フ
ィルムと該伸縮基材が向かい合う様に置き、該樹脂フィ
ルムと該伸縮基材を断続的に接着(又は粘着)した。そ
の後、伸長を解放し、元に戻す。元に戻すことにより、
不織布がつぼまり、ひだがより、面ファスナーの雄ファ
スナーとのかかりがよくなる。
【0041】3)不織布の厚さをある間隔(例えば2m
m間隔)で変えることにより、伸縮性の不織布からなる
保持基材を作り、該不織布を伸ばし固定する。一方、該
伸縮性の不織布からなる保持基材の伸長解除時の長さの
伸縮性基材である接着剤付きポリウレタン糸等の伸縮性
糸を該伸長された保持材と同じ長さに伸長し、該伸長固
定された保持材とある間隔(例えば2mm間隔)で点熱
接着する。熱接着後、伸長を解除し、ひだの少ない伸縮
性のバンド基材とする。なお、粘着剤を使用し、点圧着
で作成してもよい。
【0042】4)短冊状にした不織布を複数本並べ、そ
の上にメルトブロー法等でSIS等のホットメルト系粘
着剤を蜘蛛の巣状に塗布し、該不織布と交差するよう
に、伸長状態の複数本からなるベアのウレタン糸等の糸
状伸縮基材を置き、その上に短冊状にした不織布を置
き、テフロン(登録商標)加工された熱ロールで加熱圧
着した後に、伸長状態を解除し、伸縮性のバンド基材と
する。
【0043】5)伸縮性を有する碁盤目状(網状)シー
トと碁盤目状シートの少なくとも片面側にカードウエブ
(繊維積層体の前駆体)を積層した後、高圧水流等によ
り各々を交絡させ、ランダムに接着や融着することによ
り一体化することにより伸縮部を形成する。ここで、碁
盤目状のネット状シートはエチレン−α−オレフィン等
の熱可塑性エラストマー等の弾性素材から製造された弾
性糸や該フィルムをスリットして得られる細帯状の弾性
体を少なくとも経糸又は緯糸に使い、配列させ、交点を
熱融着や接着剤を使用した接着等の方法により接合する
ことにより、伸縮性のバンド基材を得る。繊維積層体を
構成する繊維としては、ポリオレフィン、ポリエステ
ル、ポリアミド、コットン、レーヨン等が一例として挙
げられる。弾性体糸から上記碁盤目状のシートは、特開
昭49−118963号公報、特開昭49−62771
号公報等に開示されている方法により製造できるが、上
記碁盤目状のシート作成例としては前記伸縮性基材や非
伸縮性基材に用いられる素材を単軸押出機とサーキュラ
ーネットダイを使いの所定のストランド径、ピッチを持
つ円筒状のネットを作成し、それを切り開いて、ある一
定の方向で、一定の幅、長さで切断して作成されること
が一例として挙げられる。さらに、これを融点より低い
一定の温度で加熱し、伸長し、そのままの状態で、室温
迄冷却し、張力を解除したものをシートとして使用して
もよい。この加熱伸長処理品は加熱伸長処理温度未満の
温度範囲では伸縮性が殆どないので、このシートに不織
布を貼る等の加工をした後に、加熱伸長処理温度を超え
る温度で、十数秒間保持後、もとの伸縮性を発揮させる
ことができる。網状の線材の断面形状は円、楕円、三
角、四角、六角等何れでもよく、又捻線のように複数の
線材でもよい。その径は0.01〜5.0mmであるこ
とが望ましく、総て均一である必要はない。また、網状
のメッシュは伸長される方向の幅は0.1から15m
m、その直角方向の幅が0.1から15mmであること
が望ましい。また、網状の開口形状は四角に限らず、略
円形等であってもよい。また網状の線材のクロス点は接
着してもよいし、編み物状にクロス掛けでもよい。更
に、網状シートのみかけ厚さ(線材の重なりや変形によ
る生ずる)は0.5から5.0mm程度が望ましい。ま
た、その成型物を融点より低い温度で、伸長方向に伸長
し、張力をかけたまま冷却して張力を解除し、伸長方向
の5%歪み引張応力は伸長前のみかけ5%歪引張応力の
5〜40倍程度を持ち、そのままの形状を維持させても
よい。
【0044】6)2層のカーディット熱融合された熱可
塑性樹脂(例えば、ポリプロピレン)不織布とその間に
挟まれたネット状の伸縮性シートとからなり、不織布と
ネット状伸縮状シート間に感圧ホットメルト接着剤がス
パイラル塗布法により0.31〜0.93mg/cm2
のレベルで塗布されている。この3層構造体は引っ張り
ゼロの下で伸縮性ネット状シートを用いて組み立て、組
み立てられた3層構造は各一定間隔(例えば2mmの間
隔)を以って組み合わされた1対のリングロール間に通
され、細かいスケールで不織布に切れ目を入れる。また
は伸縮性ネット状シートを用いて組み立てたられた後
に、全面発熱体の設けられる領域の部分は全面圧着し、
断続的伸縮性を有する領域または非伸縮性を有する領域
にした後、組み立てられた3層構造は各2mmの間隔を
以って組み合わされた1対のリングロール間に通され、
該加工部を除き、細かいスケールで不織布に切れ目を入
れる。使用時は切れ目の入った不織布付きネット状伸縮
性シートを引き伸ばし、使用する。
【0045】7)非伸縮性基材の所要箇所に設けられた
ひだ付き部上にペースト状または液状のゴム材が帯状に
接着、固化し、伸縮性のバンド基材とする。
【0046】以上の例が一例として挙げられるが、該伸
縮基材や非伸縮性基材の大きさ、幅、太さ、数、数密度
等は複合化伸縮基材が形成でき、前記巻き付け固定用柔
軟性バンドの条件を満たせば如何なるものでもよい。本
発明では接着剤に粘着剤も、また、接着には粘着も含有
する。
【0047】また、前記バンドへの素材加工時の接着
(粘着を含む)はホットメルト接着剤(又は粘着剤)を
利用したり、融着(加圧溶融、超音波溶融等)する等の
処理を単独又はそれらを組み合わせる公知の方法で行わ
れる。該基材間の接着や融着等は部分的又は全面的に行
ってもよいし、該基材が一対一の場合でも、一つの基材
が他種の基材で挟まれている場合でも行うことができる
が、風合い等から基材の伸縮性を阻害しないように、接
着は間欠的に行うことが好ましい。例えば接着剤の塗布
の場合、バンドの長手方向に線状に筋塗りする等の部分
連続的か、または、網状、ドット状等の間欠的に接着剤
等を設け、両部材を接着することが推奨される。基材が
柔らかく、風合いが保たれれば全面接着や全面融融着で
もよい。
【0048】伸縮性基材の幅はバンドとして使用できれ
ば、如何なる物でもよい。平板伸縮性基材の場合、前記
フィルムと同様に、孔をあけて、透湿性を持たせればよ
いし、また一例として、複合化伸縮性基材も含め、糸状
伸縮性基材の場合、その太さは制限はないが、風合いや
外観上より好ましくは0.05から3mmφ、より好ま
しくは0.1から2mmφ、さらに好ましくは0.1か
ら1mmφである。また、その配設本数は断面積や収集
力を勘案して好ましくは1〜10本/cm、さらに好ま
しくは2から8本/cmである。1本/cm未満ではフ
ィット性に欠け、ギャザーのピッチが大きすぎ、外観も
悪くなる。10本/cmを越えると伸長応力が大きすぎ
不適である。
【0049】前記不織布としては不織布、伸縮性不織布
等があるがそれらの素材としてはパルプ、麻、綿、レー
ヨン、アセテートなどの植物繊維、あるいはポリエチレ
ンなどを原料とした合成パルプ、およびポリエチレン、
ポリプロピレン、プロピレンやエチレンを主体とする共
重合体、プロピレン−エチレン−ブテン三元ランダム共
重合体等の自己接合型を狙ったポリオレフィン系、ナイ
ロン6等のポリアミド系、ポリエチレンテレフタレート
等のポリエステル系、などの熱可塑性高分子物質の単繊
維及び複合繊維、さらにこれらの混合繊維、さらにセル
ロース繊維パルプ等を混合したものが用いられる。該不
織布は短繊維不織布、長繊維不織布、連続フィラメント
不織布でも使用可能であるが、機械的性質の点から長繊
維不織布や連続フィラメント不織布が好ましい。
【0050】例えば不織布としては 長繊維または連続
フィラメントを静電気や乱気流を利用してランダムに交
絡させてコンベア上に体積させ、ウェブをつくり、これ
をヒートエンボス等にてボンディングする方法によって
作られる通気性かつ透湿性の不織布が一例として挙げら
れる。この不織布に使用される長繊維または連続フィラ
メントはポリエチレンテレフタレート等のポリエステ
ル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、ナイロン等のポリアミド、パルプ及びそれらの混合
物を含む群から選択される長繊維や連続フィラメント
で、それらの長さは10mm以上、好ましくは20mm
以上であり、特にポリエチレン繊維やその連続フィラメ
ントを使ったものや、ポリエステルテレフタレート繊維
と他の熱融着性繊維との組み合わせが好ましい。繊維間
の結合により開口部的な空間が生じ、この開口部により
素材自信に伸縮性がなくても繊維方向と異なる方向に対
しては、見かけの伸縮性が発現し、繊維方向への伸長で
は繊維素材自体が伸長された引っ張り弾性率により伸縮
性が発生するに対し、開口部の変形による伸縮は伸長さ
れた成形物(不織布)の曲げ弾性率が働くために生ずる
歪引張応力により発現されるものである。したがって、
曲げ弾性が強い場合は伸縮性が生ずるし、弱い場合は伸
長性という発現になる。このような形状の伸縮材は面形
状で伸縮ができるため、薄型伸縮材として好適である。
一方向に大きくした開口形状ものにすれば一方向へ伸縮
性のある基材とする事ができる。この開口形状は三角、
四角、円、楕円等いずれでもよくその大きさも不織布と
して使用できるものであれば、如何なるものでもよい。
図27にその原理を示す様に、結合点19を中心とした
角度を変化させることにより、全体として伸縮できるし
((1)⇔(2)、(3))、一方向伸縮性も得られる
((3)⇔(2))。 繊維20方向の縦、横に伸縮の
ほかに、開口部がそれ以外の方向への伸長又は伸縮(成
形物の曲げ弾性が大きい場合)することができ、着装時
の歪みをいろいろな方向で吸収できる。
【0051】また、伸縮性不織布としては下記のものが
一例として挙げられる。 1.熱可塑性エラストマーを直接シート法にて繊維状に
加工して得られる弾性繊維から製造される不織布。 2.結晶性ポリプロピレンと融点100〜150℃の熱
可塑性樹脂とから構成される弾性複合繊維からなる不織
布。 3.結晶性ポリプロピレン(ハードエラスティク成分)
と熱可塑性エラストマーから構成される伸縮性弾性複合
繊維からなる伸縮弾性不織布。 4.ウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー
の繊維または連続フィラメントから製造される不織布。
【0052】前記不織布及び伸縮性不織布の坪量は、好
ましくは5〜200g/m、より好ましくは15〜8
0g/mである。5g/m未満では不織布の目が粗
すぎたり、回復力が小さく不十分となる場合があり、2
00g/mを越えるとサーマルボンド法での不織布形
成が難しくなり、コスト高になる。
【0053】前記不織布及び伸縮性不織布の0.5g/
cm加重下における厚さが好ましくは0.05から5
mmであり、さらに好ましくは0.2〜2mmである。
0.05mmに満たないと繊維密度が高くなり、伸縮特
性が不十分となる場合があり、5mmを越えると違和感
を与える。
【0054】前記不織布及び伸縮性不織布を形成する繊
維又は連続フィラメントの径は、好ましくは5〜40μ
mであり、より好ましくは5〜30μm、さらに好まし
くは8〜20μmである。40μmを越えるとこれで作
成された不織布の風合いが悪化する。
【0055】前記バンドの透湿性は、ガーレー法におい
て、好ましくは1,000秒/100cc以下、より好
ましくは500秒/100cc以下、さらに好ましくは
100秒/100cc以下である。1,000秒/10
0ccを越えると蒸れ等の不快感が強くなる。
【0056】また、前記バンドを構成する、人体の皮膚
に対する側のフィルム、或いは、シートには汗等の分泌
物、傷口からの体液を吸収する能力乃至吸水性を備える
ようにしてもよいし、予め水分等を含ませて、皮膚に水
分等を補給できるようにしてもよい。具体的には、例え
ば、通気性を有するフィルム、或いは、シートの内側に
吸水性を有する紙、織布、不織布、或いは、発泡シート
を積層したもの、通気性を有するフィルム、或いは、シ
ートの内側に、保水剤を散布、或いは、積層したもの、
通気性を有するフィルム、或いは、シートの内側に吸水
性ポリマーやベントナイト等の保水剤を担持させた紙、
織布、不織布、或いは、発泡シートを積層したもの等が
一例として挙げられる。
【0057】少なくとも長手方向と交わる方向に伸縮す
る部分は両方向に伸縮するバンドで構成してもよい。ま
た、長手方向に伸縮する基材又は発熱体上に少なくとも
一方向に伸縮する基材を取り付けてもよい。該少なくと
も長手方向と交わる方向に伸縮する基材が空間を渡り、
長手方向と交わる方向に伸縮できれば接着(含粘着)又
は融着等で全面固着したり、または部分的に固着して取
り付けても構わない。またそれらの取り付け角度は固定
機能が維持できればいかなるものでもよい。また各該基
材または発熱体をトリミングして、丸みを与えても構わ
ない。基材を別途取り付ける場合の基材は伸縮性基材又
は一方向のみに伸縮可能とした基材またはその加工品等
が使用できる。
【0058】前記バンドの固定手段も、特に限定される
ものではないが、バンドの固定手段としては、所望の箇
所での簡単な固定を可能とする意味で、面ファスナーま
たは粘着剤層の使用が好ましい。
【0059】尚、バンド本来の固定手段とは別に設けら
れた、調整用の固定手段により、一旦仮着したバンド
を、その後、より適切な締め付けカによる固定状態に調
整できる。このような調整用の固定手段は、特に限定さ
れるものではないが、前記バンドの固定手段として一般
的に採用されている、粘着剤、鍵ホック、ホツクボタ
ン、ベルクロ等の面ファスナー、マグネット等、任意に
使用できる。所望の箇所での簡単な固定を可能とするこ
とができる点で、面ファスナーや粘着剤層の使用が好ま
しい。尚、面ファスナーと粘着剤層との組み合わせで調
整用固定手段を構成しても構わない。
【0060】また、この調整用の固定手段が粘着剤層で
形成されている場合、はじめに該粘着剤層を巻き付け対
象物に貼り付け、位置決めをした後、該バンドカイロ全
体を取り付けてもよい。
【0061】前記バンドに設けられる面ファスナーの雄
ファスナーは、粘着、接着、融着、縫い込み等の任意の
固着手段によって、バンドの適当な場所に固着すればよ
い。
【0062】ここで、面ファスナーとは、マジックテー
プ(登録商標)、マジックファスナー、ベルクロ(ファ
スナー)、フックアンドループテープ等の商品名で知ら
れているもので、雌ファスナーであるループと該雌ファ
スナー締結し得る雄ファスナーであるフックとの組み合
わせで締結機能を有するものである。前記ループ機能を
有するものとして、不織布や、毛羽立ち、わなを有する
糸の織布等があるが、バンドを形成する芯材の表面にこ
れらループ機能(雌ファスナー機能)を有するものを被
覆してもよいが、これ自体でバンドを構成してもよい。
雄ファスナー部材であるフック部材は特に制限はない
が、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
系樹脂やポリアミド、ポリエステル等から形成されたも
のが一例として挙げられる。フックの形状は特に限定さ
れるものではないが、断面がI字型、逆L字型、逆J字
型、いわゆるきのこ型等の形状のフックがループに引っ
かかり易く、かつ肌に極度の刺激感を与えない点で好ま
しい。なお、フックがファスニングテープの全面積に粘
着されていてもよく、更にテープ基体を省略してフック
のみで、ファスニングテープとして使用してもよい。
【0063】粘着剤層の粘着剤としては粘着力で発熱体
及びバンドを所要部に固定できる固定能カを有するもの
であれば、エマルジョン型、溶剤型やホットメルト型で
あろうと、いかなるものでもよいが、一例として粘着剤
としては酢酸ビニル系粘着剤、ポリビニルアルコール系
粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系
粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリ
工チレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン
(ネオプレン(登録商標))系粘着剤、ニトリルゴム系
粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、ブチルゴム系粘着
剤、シリコーンゴム系粘着剤、スチレンエラストマー系
粘着剤(例えば、SIS、SBS、SEBS(SBSの
水素添加タイプ)、SIPS(SISの水素添加タイ
プ)など)等が一例として挙げられる。
【0064】本発明の通気性を持つ滑り止め層は滑り止
め剤をバンド基材の上に全面設けた後、孔を複数個あ
け、通気性を保ってもよいし、滑り止め剤を繊維化して
形成した多孔質性樹脂をバンド基材上に設けてもよい
し、セパレーター上の多孔性弱粘着層をバンド基材の表
面に移着してもよいし、直接、バンド基材の表面上にメ
ルトブロー法等で蜘蛛の巣状に設けてもよい。また、印
刷したり、粒状の弱粘着性物質または軟質塩化ビニル樹
脂を均一に分散し、熱を加えて、定着せしめて、多数の
突起からなる物としてもよいし、エラストマーの溶液ま
たは分散液あるいはプラスチゾルを水玉模様に散布した
ものも使用できる。また、摩擦のあるフィルム等を貼り
合せて滑り止め層としてもよい。滑り止め層はバンド基
材上に全面的に設けてもあるいは部分的に設けてもよ
い。さらにロール等で、熱及びまたは圧力をかけて、滑
り止め剤とバンド基材との密着性を向上させてよい。ま
た、滑り止め剤はホットメルト系、溶剤系、エマルジョ
ン等いずれでも使用できる。
【0065】本発明の滑り止め層により、巻き付け固定
した発熱体のズレや脱落を防止でき、発熱体を常に所定
の場所に密着固定しておける。このような滑り止め層は
バンド基材上に設けられた状態で、摩擦係数が好ましく
は20〜80°であり、より好ましく30から70°、
さらに好ましく40〜60°である。摩擦係数が20°
未満であると滑り止め層としての役目をはたせない。8
0°を越えると滑り止めとしては十分に役目を果たす
が、皮膚等への密着が良すぎて、バンドを剥がす時や身
体を動かした時に痛い等との不快惑が伴う。通気度はガ
ーレー法による通気度が好ましくは1,000秒/10
0cc以下、より好ましくは500秒/100cc以
下、さらに好ましくは100秒/100cc以下であ
る。1,000秒/100ccを越えると蒸れ等の不快
感が強くなる。
【0066】摩擦係数はJISP8147の傾斜方法に
準ずる方法で滑り傾斜測定装置を用いた測定した。ここ
で滑り傾斜測定装置は水準器を取り付けた固定台に平行
になるような、ちょうつがいで取り付けた傾斜板を持
つ。該傾斜板に試料(幅100mm、長さ200mm)
を固定し、その試料上端の上におもり(幅60mm、長
さ100mm、質量400g)を置き、毎秒1°の速度
で傾斜角度を上げ、おもりが滑り始めたときの傾斜角を
読み取った。ギャザー付きの基材は伸びきった状態で、
固定し、その摩擦係数を測定した。
【0067】滑り止め層を形成する方法をさらに以下に
説明する。 1)蜘蛛の巣状に形成する場合、メルトブロー方式によ
り弱粘着性物質を直接,バンド基材の上に蜘蛛の巣状散
布用ノズルを使って散布することにより、蜘蛛の巣状の
弱粘着層を不織布やフィルムからなる通気性バンド上に
設けることができる。さらに熱ロールで熱圧着処理をし
てもよい。 2)転写による多孔性樹脂で形成する場合、セパレータ
ー上に、メルトブロー方式やカーテンスプレー方式など
により弱粘着性物質を繊維化して不織布状ないし絡まり
繊維状に堆積させて、孔の微細性や均等分布性に優れ通
気性や弱粘着力の偏りが少なくてその平均性に優れる多
孔性の弱粘着層を容易に形成することができ、その多孔
性弱粘着層を不繊布やフィルムからなる通気性のバンド
上に転写により設ける。 3)バンド基材の表面に樹脂やエラストマーの溶液又は
分散液、あるいはプラスチゾルを一様に塗布、乾燥後、
孔を複数個開ける。または線状や模様状に塗布し、乾燥
する。以下、一様に塗布等する場合は最終的に孔を開け
て通気性を確保する。 4)バンド基材の表面にホツトメルトタイプの樹脂材料
をホツトメルトコーティング法により一様にまたは模様
状に塗布する。 5)バンド基材の表面に熱溶融性樹脂を押出しラミネー
トとする。 6)バンド基材の表面に発泡性の樹脂組成物を一様にま
たは模様状に塗布または含侵させ、ついで発泡させて樹
脂の発泡層による凹凸のある表面を形成する。 7)バンド基材の表面に摩擦のある合成樹脂フィルムを
ラミネートする。尚、各樹脂材料を模様状に塗布するに
はグラビアコーターなどが使用できる。また、ホットメ
ルト樹脂や軟質塩化ビニル樹脂などの場合、粒状のもの
をバンド基材の表面に均一に散布したのち、熱を加えて
定着せしめることによって、バンド基材の表面に多数の
突通を形成することもできる。
【0068】滑り止め剤としては滑り止め層での摩擦係
数が20〜80°であれば、溶剤系、ホットメルト系、
エマルジョン系等いかなるものも使用できるが、特に、
弱粘性物質が好ましく、ホットメルト系、エマルジョン
系が好ましい。
【0069】好ましく用いうる弱粘着性物質の例として
は、SIS、SBS、SEBS、SIPSの如きスチレ
ン系エラストマー、アクリル酸系やメタクリル酸系のア
ルキルエステルを成分とするアクリル系エラストマー、
ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体の如きオレフィン系
エラストマー、ウレタン系エラストマーなどが一例とし
て挙げられる。またその他の滑り止め剤として、軟質塩
化ビニル系樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴ
ム、また、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体の加水分解物、エチレン−アクリル
酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、
ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などのホットメルト
樹脂、あるいはタック性を弱めたエチレン−メチルメタ
クリレート共重合体(EMMA)、発泡性の樹脂組成物
としてのは水や低沸点中性液などを発泡とするポリウレ
タン樹脂組成物、アクリル系樹脂(たとえばビニリデン
クロライド−アクリロニトリル共重合体などの熱硬化性
アクリル樹脂など)などの樹脂のコアに発泡剤(イソブ
タンなどの揮発性溶剤)を含有させたカプセルをバイン
ダー樹脂と混合したものが挙げられる。これらは単数で
又は2種以上をブレンドして用い得る。また水系エマル
ジョンとして使用してもよい。
【0070】ちなみに、スチレン系エラストマーにオレ
フィン系エラストマーを加えることで、タックや強度を
調節することができる。なお弱粘着性物質の調整に際し
ては、必要に応じタツキフアイヤー、軟化剤、老化防止
剤などの適宜な添加剤を配合することができる。
【0071】本発明において、基材等の連結に用いられ
る接着剤(粘着剤)としては連結できるものであれば如
何なるものでもよいが、前記粘着剤の外に、ホットメル
ト接着剤及びスチレン・ブタジエン共重合体、アクリル
酸エステル共重合体、酢酸ビニル・エチレン・オレフィ
ン共重合体、石油樹脂、コールドグルー等の接着成分を
含む接着剤が一例として挙げられる。
【0072】薬物含有層は、薬物が保持できるものであ
ればいかなるものでもよいが、一般に、保水剤、結合
剤、粘着剤や樹脂等から構成されるバインダーに薬効成
分を含有させて構成される。バインダーとしては薬効成
分を含有し、支持体や発熱体等固定維持できるものであ
ればよいが、前記高分子材料、前記天然ゴム、前記合成
ゴム、前記熱可塑性エラストマー、前記弱粘着性粘着
剤、ジェル等が一例として挙げられる。薬物含有層の薬
物とは、ペパーミントやラベンダー油等の香料、ショー
ガエキス、漢方薬、サリチル酸やインドメタシン等の経
皮吸収性薬剤等が挙げられるが、薬効のある物質であれ
ばいかなるものでもよい。
【0073】また、前記バンドカイロの所望の位置に、
文字、模様等を印刷等で施したり、一部または全部を着
色したり、色の異なる物を貼り合わせたりすることは任
意である。
【0074】使用前にバンドカイロの他の部分への損傷
を防ぐため、面フアスナーの雄フアスナーを剥離紙や粘
着フィルム等の保護膜でカバーしておき、また、粘着剤
層を剥離紙等の保護膜でカバーしておき、使用時に取り
外すようにしてもよい。
【0075】
【実施例】以下、図面を用いて、本発明通気湿性滑り止
め層付きバンドカイロの実施例に付き、詳細に説明す
る。ただし、この説明に記載されている構成部品の形
状、大きさ、材質、数、その位置などは、特定的な記載
がない限りは本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨
のものではなく、単なる説明例にすぎない。
【0076】(実施例1)図1は断続的伸縮性領域1を
例示したものである。即ち、少なくとも一方向に伸縮性
を有する部分1aと非伸縮性を有する部分1bのパター
ンの一例を示したものである。
【0077】(実施例2)図2は断続的伸縮性領域1の
役割の一例を示したもので、膝等の動きにより、(2)
⇔(3)の変化をし、伸縮性を有する部分1aが変化す
ることにより、その動きに順応することができることを
示したものである。
【0078】(実施例3)ここで、図3は本発明バンド
カイロの一例を示す平面図、図4はその断面図(IV−
IV)、図5は面ファスナーの雄ファスナー周辺部の断
面図(V−V)である。図6は同使用状態を示す斜視図
である。図中2は扁平形状に形成された厚み5mm×長
さ100mm×幅55mmの長方形状の通気性袋内に発
熱剤2cを収容し、通気面が面ファスナーの雌ファスナ
ー機能を持つ不織布からなる発熱体であり、該発熱体
が、厚み1mm×長さ250mm×幅60mmの2倍伸
張可能の伸縮性不織布製バンド3の一端表面側に、図1
(1)のパターンの様に長さ55mm×幅5mmの帯状
で10mm間隔で簾状に、長手方向と交わる様に設けら
れた接着剤(アクリル系粘着剤)上に貼着されている。
該接着剤2bと発熱体2の接触部が非伸縮性を有する部
分1bであり、接着剤2bのないところが伸縮性を有す
る部分1aである。一方不織布として伸長性、通気性の
あるものを採用し、固定性、通気性の高いものとした。
この通気性のある伸縮性不織布製バンド3は、長手方向
に伸長させた状態で微孔を形成されたウレタン系エラス
トマーフィルムの両面に不繊布を部分融着し、解放する
ことにより、伸縮性と通気性を与えるように形成された
ものである。そして、バンド3の両表面には不織布によ
る面ファスナーの雌ファスナー3aがその全面に渡り形
成されている。このバンド3は、厚み1mm×長さ40
cm×幅50mmの不織布製バンドで、固定性、通気性
の良いものとした。重量6gで、100%伸長時の応力
は300g/25mm、100%伸長時の回復率は95
%であった。また柔らかさはループスティフネステスタ
ーで0.8gであった。また、発熱体2の表面側の通気
性シートとしても不織布を用い、発熱体2の表面にも面
ファスナーの雌ファスナー2aが形成されていることに
より片面は全体として面ファスナーの雌ファスナー機能
を持つバンドカイロとした。尚、図4はバンド3の他端
側の裏面に接着剤(ホットメルト系接着剤)4aを介し
て設けられたバンドの固定用手段としての面ファスナー
の雄ファスナー4を示し、この雄ファスナー4をバンド
3の表面全面に形成された雌ファスナー3a、或いは、
発熱体2の表面全面に渡り形成された雌ファスナー2a
の任意の位置に付着させ、最も適当な締め付け力でバン
ド3を用いて発熱体2を固定できるようにした。図6は
使用時の様子を一例として模式的に示したもので、身体
に巻き付けた時に発熱体2の下面分に当たる断続的伸縮
性領域1での伸縮を有する部分1aが人体側に突起し、
身体を押し、フィット性を増加する。このバンドの10
0%伸長時の応力は300g/25mm幅、100%伸
長時の回復率は95%であった。また柔らかさはループ
スティフネステスターで0.8gであった。
【0079】前記発熱体2の構成を詳細に説明すると、
発熱剤2cである発熱組成物として、鉄粉10.5g、
水4.0g、食塩0.4g、活性炭2.3g、木粉2.
3gを混合したものを用いた。また、通気性包材とし
て、目付40g/mのナイロン不織布に厚さ70μm
の徴細多孔質ポリエチレンフィルムがラミネートされ
た、ガーレー式透気度が19,000秒/100ccの
包材を使用した。非通気性包材として、厚さ50μmの
ポリエチレンフィルムを使用した。通気性包材のポリエ
チレン面と非通気牲包材のポリエチレンを向かい合わせ
て重ね、すなわち不織布が露出するように積層して、そ
の端縁を5mm幅で約120℃にしたインパルスシーラ
ーを用いて三方をシールして外径長さ100mm、幅5
5mmの発熱組成物収納袋を調製した。この収納袋に上
記発熱組成物を充填し、該収納袋の投入口を熱シールし
て発熱体を作成し、バンドに該発熱体をアクリル系粘着
剤を介して貼り付けて、バンドカイロを作成した。
【0080】前記バンドカイロを、ポリエチレンからで
きた保存用外袋に封入し、24時間経過してから、外袋
を破って、足のふくらはぎにバンドで巻き付け、固定
し、通常の使用をしたところ、発熱体の下面である身体
と接触する部分が伸縮と非伸縮が繰り返されているの
で、伸縮部がもりあがり、身体を押す形になり、押しつ
け状態が面から点または線に変わるため、フィット性が
非常によくなるとともに、肌当たりも良い。3分程度
で、発熱温度が約38℃まで上昇し、以後38〜41℃
で6時間以上にわたって発熱した。使用中、動いたが、
伸縮部がもりあがり、点または線状に身体を押す形にな
っているので、動きによる歪みをその伸縮性で吸収し、
身体の動きに応じて、離れたり、外れたりすることがな
く、バンドカイロのズレや外れはなかった。本発明物中
の発熱剤も全く袋体内で移動することはなく、全面にわ
たって平均化した発熱が認められ、蒸れもなかった。使
用後カイロを取り外しも簡単に、スムーズに行え、痛み
もなく、皮膚の炎症もなかった。動きながら使用実験を
したところ、バンド及び発熱体はズレ落ちることはなか
った。発熱体を保冷体に変えて試験をしたがバンド及び
保冷体はズレ落ちることはなかった。
【0081】(比較例1)実施例3のウレタン系エラス
トマーフィルムをポリエチレンエラストマーに変え以外
は実施例1と同じバンドを作成した。該バンドは100
%伸長時の応力が350g/25mm幅、100%伸長
時の回復率が80%であった。実施例1と同様にして、
腕に発熱体を置きその上から該バンドを巻き付けた後、
該バンドの雄ファスナーをバンドの雌ファスナーに固定
して発熱体を身体に取り付けた。動きながら使用実験を
したところ、本バンド及び発熱体はずれ落ちた。発熱体
を保冷体に変えて試験をしたがバンド及び保冷体はズレ
落ちた。
【0082】(実施例4)図7は他の実施例を示すもの
で、前記実施例3の発熱体2の部分とバンド3の部分に
曲線部2d、3cを設け、曲線部を持つ被着体への取り
付け、密着性を向上させた。さらに、該発熱体の設けら
れた面と反対の面にはスチレン系樹脂であるSEBSか
らなる摩擦係数60°の滑り止め層7が蜘蛛の巣状に設
けられている。該雄ファスナー4及び発熱体2が設けら
れていない部分のバンドの通気度は200秒/100c
c、バンドの100%伸張時の応力は300g/25m
mであった。図8は断面図(VIII−VIII)を示
す。
【0083】(実施例5)図9は他の実施例を示すもの
で、前記実施例3と異なる点として、本バンドはホット
メルト系接着剤9aで覆われた糸状ウレタン9を5mm
間隔にならべ、長手方向に150%伸長させ、該糸状ウ
レタンの両面に基材としての不織布3b、3bを設け、
部分的に加熱圧着した後に、解放する事により作成した
伸縮性のあるバンドであり、さらに該バンドに調整用固
定手段として面ファスナーの雄ファスナー5、6を接着
剤を介して発熱体2の脇に設けた。該発熱体2は実施例
1と同様にしてバンド端に設けてある。図10は該バン
ド3の断面図(X−X)である。このバンドは厚み4m
m×長さ400mm×幅50mm、重量25g、100
%伸長時の応力は300g/25mm幅、100%伸長
時の回復率は92%であった。また柔らかさはループス
ティフネステスターで0.8gであった。
【0084】(実施例6)図11は実施例3の発熱体を
バンドの中央付近に設け、固定手段を離型紙付粘着剤層
8に代えたものである。さらに、前記実施例3のバンド
3の伸縮性基材を変えて、ポリオキシエチレン含有率が
17〜70%である非多孔質透湿性ウレタン系フィルム
の両面に不織布を設けたシートをバンド本体に使用し、
裏面側には不織布の上に弱粘着性のSISからなる通気
性滑り止め層を設け、さらに加熱圧縮処理をした滑り止
め層7を設けたものである(摩擦係数65°、通気度が
300秒/100cc)。本バンドを膝の上部に巻き付
け固定し、実施例3と同様にして試験を行い、同様の結
果を得た。滑り止め層7を設けることにより、運動中、
カイロやバンドのズレや脱落をより確実に防止できるも
のとした。尚、使用時には、離型紙を取り離して使用し
た。
【0085】(実施例7)図12のバンドは不織布製バ
ンド基材と点接着された糸状伸縮材9が存在する領域と
存在しない領域とから構成されている。該存在する領域
は200%伸ばされた状態のウレタン製糸状伸縮材を挟
んでその両側に不織布製バンド基材が設けられ、点接着
14で該バンド基材と結合されている。さらに、該糸状
伸縮材間の一部には糸状伸縮材と平行して、該点接着が
存在しない領域を含め全バンド長に渡り、線状に、全面
接着が設けられ、該バンド基材同士が該全面接着部15
を介して接着されている。該点接着された糸状伸縮材が
存在しない領域に図1の(2)のパターンで、発熱体が
設けられた。図13にその断面図(XIII−XII
I)を示した。図14はその断面平面図(XIV−XI
V)である。図15は伸縮部が解放され、ギャザ−が形
成されている伸縮性部の部分断面図(XV−XV)であ
る。該バンドカイロを発熱体が首の後ろ側にくるように
して、首に巻き付け試験を行ったが、十分に暖がとれ、
運動中、カイロやバンドのズレや脱落はなかった。ここ
で、発熱体が設けられた領域に該点接着された糸状伸縮
材が存在する領域が少しあっても実用上は問題なかっ
た。
【0086】(実施例8)実施例3で使用した素材を使
い区分発熱体を作成した。まず、非通気性フィルム13
をエンボス加工して、独立した窪み6個を作成し、発熱
剤11aをそれぞれの独立した窪みに収納し、その上に
通気性フィルム12を乗せ、発熱剤を収納した窪み部分
以外を熱シールして区分発熱体11とした(図16は平
面図、図17は断面図(XVII−XVII))。実施
例3と同様にして、バンドカイロを作成した。実施例3
と同様の試験をし、同様な結果を得た。
【0087】(実施例9)図18は他の実施例を示すも
ので、前記実施例3と同じ素材で作った全面発熱体2
(厚み5mm×長さ100mm×幅30mm)を複合化
伸縮材から作成されたバンド基材上に図1(1)のパタ
ーンを持つ断続的伸縮領域で設けたものである。該複合
化伸縮材は伸縮性を有する碁盤目状のネット状シートと
ネット状シートの少なくとも片面側にカードウエブ(繊
維積層体の前駆体)を積層した後、高圧水流等により各
々を交絡させ、ランダムに接着や融着することにより一
体化することにより伸縮材としたものである。ここで、
碁盤目状のネット状シートはエチレン−α−オレフィン
系の熱可塑性エラストマーの弾性素材から製造された弾
性糸を経糸と緯糸に使い、配列させ、交点を熱融着し接
合することにより、伸縮性のバンド基材が得られた。繊
維積層体を構成する繊維としては、ポリエチレンを使用
した。図19は発熱体収容部の断面図(XIX−XI
X)である。図20はその平面断面図(XX−XX)
で、不織布16aが積層されたメッシュ状シート伸縮材
16を示す。図21はバンドの断面図(XXI−XX
I)である。その後、該バンドカイロをポリエチレン製
保存用外袋に入れ、24時間後該外袋からバンドカイロ
を取り出し、実施例3と同様な試験を行い、同様な結果
を得た。
【0088】(実施例10)図22及び図23(XXI
II−XXIII断面図)は更なる他の実施例を示すも
ので、実施例3の発熱体が設けられた面と反対側のバン
ド面に、弱粘着性の粘着剤に薬剤を含ませて形成した薬
剤含有層17を設け、薬剤を使用する温熱治療を行える
ようにした。尚、図中18は薬剤含有層17を保護する
ための剥離紙を示す。
【0089】(実施例11)図24は実施例6のバンド
基材の端が発熱体の端を挟んで結合した例である。この
バンドは厚み4mm×長さ400mm×幅50mm、重
量25g、100%伸長時の応力は300g/25mm
幅、100%伸長時の回復率は92%、であった。また
柔らかさはループスティフネステスターで0.8gであ
った。発熱体は中央部より端部へ移してある。
【0090】(実施例12)図25は実施例6のバンド
基材の端が発熱体の端でホットメルト系粘着剤を介して
重なり合って結合した例である。このバンドは厚み4m
m×長さ40mm×幅50mm、重量25g、100%
伸長時の応力は300g/25mm幅、100%伸長時
の回復率は92%、であった。また柔らかさはループス
ティフネステスターで0.8gであった。発熱体は中央
部より端部へ移してある。
【0091】(実施例13)図26は実施例6で使用し
たのと同種のバンド基材及び発熱体を用い、2枚の基材
が発熱体を挟み、一方の基材の断続的伸縮性領域に発熱
体をホットメルト系粘着剤を介して設けると共に、両基
材が糸状伸縮性ウレタンを挟み、メルトブローされたホ
ットメルト系粘着剤を介し点接着で重なり合って結合さ
れ、かつ両基材の一部がホットメルト系粘着剤を介し結
合されている例である。このバンドは厚み4mm×長さ
400mm×幅50mm、重量25g、100%伸長時
の応力は300g/25mm幅、100%伸長時の回復
率は92%、であった。また柔らかさはループスティフ
ネステスターで0.8gであった。発熱体は中央部より
端部へ移してある。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように本発明では従来の重
厚な袋付き固定用サポーターに代え、少なくとも片面全
部を面ファスナーの雌ファスナー機能を持つ不織布から
構成し、100%伸長時の応力が500g/25mm幅
以下、100%伸長時の応力緩和率が90%以上の柔軟
な材質で形成された、軽量化バンド上に、面ファスナや
粘着剤層等からなる固定手段、空間、その空間の周辺に
長手方向と交わる方向に伸縮する部分や弱粘着性の滑り
止め層を設けることにより、次に列挙する特有の効果を
有する無断アジャスタブルバンドを得ることができる。
以上説明したように本発明では固定手段としてのバンド
と発熱体を断続的伸縮領域で一体化し、それぞれの表面
を面ファスナーの雌ファスナーとして形成すると共に、
バンドに雄ファスナーを設け、さらにまた、このバンド
表面に摩擦係数20から80°までの滑り止め層を設け
ることにより、次に列挙する特有の効果を有するバンド
カイロを得ることができる。 (1)本発明のバンドカイロはカイロ取り付け部を含め
伸縮自在であるため、身体のどの部分にでも巻き付け固
定できる。 (2)全体として伸縮性を有するシート状材料に化学カ
イロを取り付けるのみの簡単な構造で構造ができている
ので、特に、身体の屈曲する部分、例えば、足の膝の部
分や腕の肱の部分など巻き付け固定した場合、身体の屈
伸に伴い、シート状物に力がかかったとしても伸縮性に
より変形でき、歪みを吸収できる。更に化学カイロは非
伸縮性の部分と伸縮性のある部分が存在する断続的伸縮
性領域で取り付けられ、バンド基材と化学カイロとの結
合は非伸縮性の部分においてのみ行われているので、カ
イロ取り付け領域以外の伸縮性のある部分が身体の動き
に応じて伸び縮みしても、断続的伸縮性領域の伸縮性部
分が変形して、カイロ全体にかかるストレスがなくな
り、カイロ部分が身体からズレ落ちたりするおそれもな
いし、カイロの結合部分にストレスがかからず、シート
からカイロが外れるようなおそれもない。 (3)摩擦係数を20から80°に制限したす透湿性滑
り止め層により、断続的伸縮領域の効果に加えて、該領
域以外のところで、バンドカイロのズレや脱落への抵抗
が増すため、使用中に身体を動かしても、ズレや脱落が
より効果的に防止できる。しかも蒸れ等の不快感もな
い。 (4)粘着剤等の接着するための刺激物質が直接皮膚に
固着しないので、長時間、何回も同じ箇所に固定して
も、固定と脱着やその繰り返しからくる皮膚傷害がな
く、長時間、安心して使用できる。 しかも使用後取り外
す時に痛みを伴わない。 (5)バンドにより、発熱体中の発熱剤がほぼ均等の厚
みで、所要箇所に取り付けられ、発熱剤を均一に、効率
よく、発熱させることができるので、熱が効率よく人体
側に伝わると共に、違和感もなく、発熱の継続時間も長
くなり、長時間使用することができる。 (6)発熱体上やバンド上の任意の所で止められる固定
手段を備えることにより、固定や脱着が容易で、簡単で
ある。 (7)発熱体に直接結合したバンドで固定するため、肘
や膝等の関節部さらに腰や腕等の人体における湾曲部や
伸縮部に追従して密着し、また、使用中に突っ張り感や
違和感がないので、使用感が良好であり、しかも使用中
に剥離の発生がなく、更に、人体との密着性が良好であ
るから、優れた温熱効果や患部の治療効果が得られる。 (8)薬剤含有層を設けることにより、温熱効果と薬剤
効果の相乗効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (1)〜(6)本発明バンドカイロの断続的
伸縮部領域の一実施例の平面図
【図2】 本発明バンドカイロの使用状態の一例を示す
側面図
【図3】 本発明バンドカイロの一実施例の平面図
【図4】 同IV−IVの断面図
【図5】 同V−Vの断面図
【図6】 同使用状態を示す斜視図
【図7】 本発明バンドカイロの他の実施例の平面図
【図8】 同VIII−VIIIの断面図
【図9】 本発明バンドカイロの他の実施例の平面図
【図10】 同X−Xの断面図
【図11】 本発明バンドカイロの他の実施例の平面図
【図12】 本発明バンドカイロの他の実施例の平面図
【図13】 同XIII−XIIIの断面図
【図14】 同XIV−XIVの平面断面図
【図15】 同解放時の伸縮性部の部分断面図(XV−
XV)
【図16】 本発明発熱体の一実施例の平面図
【図17】 同XVII−XVIIの断面図
【図18】 本発明バンドカイロの他の実施例の平面図
【図19】 同XIX−XIXの断面図
【図20】 同XX−XXの平面断面図
【図21】 同XXI−XXI断面図
【図22】 本発明バンドカイロの他の実施例の平面図
【図23】 同XXIII−XXIIIの断面図
【図24】 本発明バンドカイロの他の実施例の断面図
【図25】 本発明バンドカイロの他の実施例の断面図
【図26】 本発明バンドカイロの他の実施例の断面図
【図27】 本発明バンドカイロのバンドの構造的伸縮
性基材の一伸縮原理図
【符号の説明】
1 断続的伸縮性領域 1a 伸縮性を有する部分 1b 非伸縮性を有する部分 2 発熱体 2a 雌ファスナー 2b 接着剤 2c 発熱剤 2d 曲線部 3 バンド 3a 雌ファスナー 3b 基材 3c 曲線部 4 雄ファスナー 4a 接着剤 5 雄ファスナー 6 雄ファスナー 7 滑り止め層 8 離型紙付粘着剤層 9 糸状伸縮材 9a 接着剤 11 区分発熱体 11a 発熱剤 12 通気性フィルム 13 非通気性フィルム 14 点接着部 15 全面接着部 16 メッシュ状シート伸縮材 16a 不織布 17 薬剤含有層 18 剥離紙 19 結合点 20 繊維または連続フィラメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒巻 由和 栃木県栃木市皆川城内町388 マイコール 株式会社内 (72)発明者 相田 道雄 栃木県栃木市皆川城内町388 マイコール 株式会社内 (72)発明者 潤米 幸夫 栃木県栃木市皆川城内町388 マイコール 株式会社内 (72)発明者 木村 久雄 栃木県栃木市皆川城内町388 マイコール 株式会社内 (72)発明者 百々 寿浩 栃木県栃木市皆川城内町388 マイコール 株式会社内 Fターム(参考) 3B011 AA09 AB09 AB18 AC01 4C099 AA01 CA07 CA09 CA11 EA08 GA03 JA04 LA14 NA02 TA04

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気性袋体内に空気の存在によって発熱
    する発熱剤を収容してなる発熱体と、断続的伸縮性領域
    および少なくとも長手方向に伸縮性を有する領域からな
    る通気性固定用バンドから構成されるバンドカイロにお
    いて、断続的伸縮性領域に発熱体が設けられ、該発熱体
    も含め、バンドカイロとして少なくとも片面は連続的に
    面ファスナーの雌ファスナーの機能を持ち、かつ 該少
    なくとも長手方向に伸縮性を有する領域が、柔らかさが
    ループスティフネステスターにおいて5g以下で、10
    0%長手方向伸長時の応力が500g/25mm幅以下
    で、100%長手方向伸長時の応力緩和の回復力が90
    〜100%で、固定手段を有することを特徴とするバン
    ドカイロ。
  2. 【請求項2】 前記バンドの固定手段が面ファスナーの
    雄ファスナーであることを特徴とする請求項1に記載の
    バンドカイロ。
  3. 【請求項3】 前記バンドの固定手段が粘着剤層である
    ことを特徴とする請求項1に記載のバンドカイロ。
  4. 【請求項4】 前記バンドの雌ファスナー機能を不織布
    で形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに
    記載のバンドカイロ。
  5. 【請求項5】 前記バンドの少なくとも一部に通気性滑
    り止め層を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何
    れかに記載のバンドカイロ。
  6. 【請求項6】 前記通気性滑り止め層の設けられた領域
    の摩擦係数が20〜80°であり、通気度が1,000
    秒/100cc以下であることを特徴とする請求項5に
    記載のバンドカイロ。
  7. 【請求項7】 前記発熱体の少なくとも一部に曲線部を
    設け、湾曲部に適合自在に形成したことを特徴とする請
    求項1乃至6の何れかに記載のバンドカイロ。
  8. 【請求項8】 前バンドが記発熱体の曲線部に沿って曲
    線部を有することを特徴とする請求項7に記載のバンド
    カイロ。
  9. 【請求項9】 前記バンドが複合化伸縮材から構成され
    たことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のバ
    ンドカイロ。
  10. 【請求項10】 前記バンドが前記発熱体の装着箇所に
    複数回囲繞可能な長さを有するものであることを特徴と
    する請求項1乃至9の何れかに記載のバンドカイロ。
  11. 【請求項11】 前記バンドが調整用固定手段を備えて
    なることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載
    のバンドカイロ。
  12. 【請求項12】 前記発熱体の近傍に薬物含有層を設け
    たことを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の
    バンドカイロ。
  13. 【請求項13】 前記バンドカイロの少なくとも一部に
    文字、図形、記号、数字、模様、写真、絵の何れか一種
    以上が設けられていることを特徴とする請求項1乃至1
    2の何れかに記載のバンドカイロ。
  14. 【請求項14】 前記バンドカイロの少なくとも一部が
    着色されていることを特徴とする請求項1乃至13の何
    れかに記載のバンドカイロ。
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