JP2002043165A - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents
金属化フィルムコンデンサInfo
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Abstract
高く、電気機器の直流回路に組み込んだ場合に、この電
気機器を小形化、高機能化し易く、信頼性を向上できる
金属化フィルムコンデンサを提供すること。 【解決手段】 金属化ポリプロピレンフィルム2と金属
化ポリエチレンテレフタレートフィルム6とを積層し又
は積層して巻回したコンデンサ素子10を有する金属化
フィルムコンデンサ1において、前記金属化ポリプロピ
レンフィルム2の金属層4側を陰極とするとともに、前
記金属化ポリエチレンテレフタレートフィルム6の金属
層8側を陽極として直流回路に接続する。
Description
ンデンサに関し、特に、直流回路に用いる金属化フィル
ムコンデンサに関する。
直流回路に接続されて用いられている。直流回路用の金
属化フィルムコンデンサには、一般的に金属化ポリプロ
ピレンフィルムや金属化ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを各々巻回等して形成したコンデンサ素子を用い
ている。そして前者の金属化ポリプロピレンフィルムを
用いた金属化フィルムコンデンサは、直流回路に接続し
た場合、漏れ電流が小さい特徴がある。また、後者の金
属化ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた金属
化フィルムコンデンサは、静電容量を大きくし易く、前
者と同じ静電容量であれば小形にできる。
ロピレンフィルムを用いた金属化フィルムコンデンサ
は、静電容量を大きくし難く、静電容量を大きくするた
めには大形のサイズにしなければならず、組み込んだ電
気機器の小形化の防げとなり、また、他の機能を付加す
るためのスペースを確保し難く高機能化の防げとなる等
の欠点がある。また、金属化ポリエチレンテレフタレー
トフィルムを用いた金属化フィルムコンデンサは、耐圧
が低く、高電圧の直流回路に使用し難く、使用した場合
には信頼性が低い欠点がある。
が大きくて小形化し易く、かつ耐圧が高く、電気機器の
直流回路に組み込んだ場合にこの電気機器を小形化、高
機能化し易く、信頼性を向上できる金属化フィルムコン
デンサを提供することを課題とするものである。
の課題を解決するために、金属化ポリプロピレンフィル
ムと金属化ポリエチレンテレフタレートフィルムとを積
層し又は積層して巻回したコンデンサ素子を有する金属
化フィルムコンデンサにおいて、前記金属化ポリプロピ
レンフィルムの金属層側を陰極とし、前記金属化ポリエ
チレンテレフタレートフィルムの金属層側を陽極として
直流回路に接続するものである。
プロピレンフィルムと金属化ポリエチレンテレフタレー
トフィルムとを巻回等して金属化フィルムコンデンサを
形成しているため、金属化ポリプロピレンフィルムのみ
を用いた場合に比較して静電容量を大きくできる。そし
て金属化ポリプロピレンフィルムの金属層側を陰極と
し、金属化ポリエチレンテレフタレートフィルムの金属
層側を陽極として直流回路に接続すると、有極性のコン
デンサのような整流作用を示し、印加電圧が高くても非
常に漏れ電流の小さいコンデンサとして機能することを
見い出した。したがって、この発明により、静電容量を
大きくでき、小形化を容易にでき、かつ耐圧が高く高電
圧の直流回路に使用できる金属化フィルムコンデンサが
得られ、これを組み込んだ電気機器の小形化や高機能化
が容易になり、信頼性を向上できる。
いて、ポリプロピレンフィルムとポリエチレンテレフタ
レートフィルムの厚さを両者とも4μm以下とするもの
である。
レンフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムの
厚さを4μm以下としているため、静電容量を大きくし
易く、直流回路用としてより優れた整流作用を有する金
属化フィルムコンデンサが得られる。
に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態の金属
化フィルムコンデンサ1の断面図を示す。すなわち、2
は、ポリプロピレンフィルム3に金属層4を積層した金
属化ポリプロピレンフィルムである。ポリプロピレンフ
ィルム3は、10μm以下の厚さのもので、4μm以下
のものが好ましく、特に3.5μm以下のものが好まし
く、その表面が通常平担になっているが、絶縁油等を含
浸する場合には含浸し易いように表面を粗面化したり凹
凸状にしたものを用いてもよい。また、金属層4は、ポ
リプロピレンフィルム3に直接積層した銅等の金属から
なる薄い下地金属層と、この下地金属層の表面に積層さ
れた亜鉛やアルミ等の金属からなる、抵抗値が1〜20
Ω/□程度で、厚さが100〜数100Å程度の上側金
属層を積層したものである。なお、金属化ポリプロピレ
ンフィルム2は、長手方向の一端部に数mm程度の幅の非
金属部5が設けられている。
フィルム7に金属層8を積層した金属化ポリエチレンテ
レフタレートフィルムである。ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム7は、10μm以下の厚さのもので、4μ
m以下のものが好ましく、特に3.5μm以下のものが
好ましく、ポリプロピレンフィルム3と同様に、その表
面が通常平担になっているが、粗面化したり凹凸状にし
たものを用いてもよい。また、金属層8は金属層4と同
種の金属層からなる。そして金属化ポリエチレンテレフ
タレートフィルム6も、長手方向の一端部に数mm程度の
幅の非金属部9が設けられている。
金属化ポリエチレンテレフタレートフィルム6とを非金
属部5及び9を互いに反対側にして数mm程度ずらして積
層し、巻回等してコンデンサ素子10とする。なお、巻
回形の場合には巻心部分と外周部分においては、金属化
ポリプロピレンフィルム2と金属化ポリエチレンテレフ
タレートフィルム6は、バーンオフ等により金属層4及
び8が除去されている。また、外周には保護用フィルム
11が巻回されている。
亜鉛や鉛,銅,スズ,はんだ等の溶融金属を噴射してメ
タリコン12a及び12bを積層している。メタリコン
12a及び12bには、フレーム状やリード状の端子1
3a及び13bをはんだ付けや電気溶接等により接続し
ている。そして端子13a及び13bの先端を引き出し
た状態にして、コンデンサ素子10をプラスチック製の
角形等のケース14に収納し、エポキシ樹脂等の合成樹
脂等の絶縁物質15を充填し封止している。なお、ケー
ス14は、金属製のケースでもよく、絶縁油等を含浸
し、蓋により密封する構造にしてもよい。また、ケース
14を用いず、モールド法やディップ法等によって、コ
ンデンサ素子10を合成樹脂等の絶縁物質によって被覆
する構造にしてもよい。
の製造方法を説明する。先ず、ポリプロピレンフィルム
3及びポリエチレンテレフタレートフィルム7の表面の
非金属部分5及び9とする箇所に石油系のオイルを塗布
する。次に、真空蒸着装置やイオンプレーティング装
置、スパッタリング装置等を用いて、ポリプロピレンフ
ィルム3及びポリエチレンテレフタレートフィルム7の
表面に銅を薄く蒸着し、さらに、亜鉛やアルミ等の金属
をその表面に蒸着して金属層4及び8を形成する。蒸着
後、温度30〜70℃で、24〜48時間加熱処理す
る。加熱処理後、自動巻取機等により金属化ポリプロピ
レンフィルム2と金属化ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム6とを積層して所定の長さだけ巻き取り、コンデ
ンサ素子10を形成する。巻取後、コンデンサ素子10
の端面に亜鉛や銅等の溶融金属を吹き付けて、メタリコ
ン12a及び12bを形成する。この際、コンデンサ素
子10の側面に溶融金属が付着してショートするのを防
止するために側面を紙粘着テープ等でマスキングしてお
く。メタリコン12a及び12bを形成後、このメタリ
コン12a及び12bに端子13a及び13bを半田付
けしたり、電気溶接等して接続する。端子13a及び1
3bを接続後、コンデンサ素子10をケース14に収納
し、エポキシ樹脂等の絶縁物質15をこのケース14内
に充填して硬化し封止する。この後、電圧処理を行な
い、予じめポリプロピレンフィルム3やポリエチレンテ
レフタレートフィルム7の弱点部の表面の金属層4及び
8を除去する。以上の工程によって金属化フィルムコン
デンサ1を製造する。
金属化ポリプロピレンフィルム2の金属層4にメタリコ
ン12aを介して接続した端子13aを陰極とし、金属
化ポリエチレンテレフタレートフィルム6の金属層8に
メタリコン12bを介して接続した端子13bを陽極と
して直流回路に接続する。このように接続することによ
って、金属化フィルムコンデンサ1は、漏れ電流の小さ
い有極性のコンデンサのように、順方向の電流としては
漏れ電流だけが流れ、逆方向の電流は遮断されずに通過
させる整流作用を示す。なお、金属化ポリプロピレンフ
ィルムと金属化ポリエチレンテレフタレートフィルムの
厚さを4μm以下、特に3.5μm以下とすることによ
り、上記の整流作用がより顕著になり、直流回路用によ
り適した金属化フィルムコンデンサが得られる。
印加し、1V/秒の速さで昇圧した場合に、順方向に流
れる電流を漏れ電流として測定する。なお、実施例は次
の通りの条件とする。
0mmのポリプロピレ ンフィルムに、銅の下地金属層
と、亜鉛の上側金属層とを積層したものとす る。金属
化ポリエチレンテレフタレートフィルム−厚さ3.0μ
m,幅50mmの ポリエチレンテレフタレートフィルム
に、銅の下地金属層と、亜鉛の上側金 属層とを積層し
たものとする。コンデンサ素子−金属化ポリプロピレン
フィルムと金属化ポリエチレンテレフタレートフィルム
とを積層し巻回した巻回形の素子とする。そしてこの実
施例1の金属化フィルムコンデンサについて、金属化ポ
リプロピレンフィルムの金属層側にメタリコンを介して
接続された端子を陰極側とし、金属化ポリエチレンテレ
フタレートフィルムの金属層側にメタリコンを介して接
続された端子を陽極側として直流電圧を印加した場合の
漏れ電流A1と、極性を逆向きにして金属化ポリプロピ
レンフィルム側を陰極側として直流電圧を印加した場合
の漏れ電流B1とを図2のグラフに示す。図2のグラフ
から明らかな通り、金属化ポリプロピレンフィルム側の
端子を陰極側とした場合には、印加電圧が450Vのと
き、漏れ電流A1は約0.5mAとなる。そして金属化
ポリプロピレンフィルム側の端子を逆に陽極側とした場
合には、漏れ電流B1は約220Vぐらいから急激に上
昇し始める。すなわち、実施例1の金属化フィルムコン
デンサは、アルミ電解コンデンサのような有極性のコン
デンサとしての特性を示し、非常に漏れ電流A1が小さ
くなっている。
0mmのポリプロピレ ンフィルムに、銅の下地金属層
と、アルミの上側金属層とを積層したものと する。金
属化ポリエチレンテレフタレートフィルム−厚さ3.0
μm,幅50mmの ポリエチレンテレフタレートフィル
ムに、銅の下地金属層と、アルミの上側 金属層とを積
層したものとする。コンデンサ素子−金属化ポリプロピ
レンフィルムと金属化ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムとを積層し巻回した巻回形とし、実施例1とほぼ同
じ大き さの素子とする。そしてこの実施例2の金属化
フィルムコンデンサについても、実施例1と同様に、金
属化ポリプロピレンフィルムの金属層側に接続された端
子を陰極側とし、金属化ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムの金属層側に接続された端子を陽極側として直流
電圧を印加した場合の漏れ電流A2と、極性を逆向きに
して金属化ポリプロピレンフィルム側の端子を陽極側と
し、金属化ポリエチレンテレフタレートフィルム側を陰
極側として直流電圧を印加した場合の漏れ電流B2とを
図3のグラフに示す。図3のグラフから明らかな通り、
金属化ポリプロピレンフィルム側の端子を陰極側とした
場合には、印加電圧が450Vのとき、漏れ電流A2は
約0.8mAとなる。また、金属化ポリプロピレンフィ
ルム側の端子を陽極側とした場合には、漏れ電流B2は
約250V程度から急激に増加し、約410Vの電圧で
5mA(アルミ電解コンデンサを直流回路に使用する場
合の漏れ電流の一種の目安値)になる。したがって、こ
の実施例2の金属化フィルムコンデンサについても、金
属化ポリプロピレンフィルム側の端子を陰極側とし、金
属化ポリエチレンテレフタレートフィルム側の端子を陽
極側として直流回路に接続することにより、漏れ電流A
2の小さい有極性のコンデンサとしての特性を示す。
プロピレンフィルムのみを用いた金属化フィルムコンデ
ンサについて、実施例1等と同様に直流電圧を印加した
場合の漏れ電流A3を測定し、図4のグラフに示す。な
お、金属化ポリプロピレンフィルムとして実施例1と同
一の条件のものを2枚用い、実施例1とほぼ同一形状に
したコンデンサ素子を用いる。静電容量は340μFに
なる。図4のグラフから明らかな通り、漏れ電流A3は
ほぼ一定で0.35mAになる。
較して、漏れ電流値は450Vのとき約1.4〜2.3
倍になっているが、静電容量を約1.12〜1.18倍
にできる。
金属化ポリプロピレンフィルムと金属化ポリエチレンテ
レフタレートフィルムとを積層し又は積層して巻回した
コンデンサ素子を有する金属化フィルムコンデンサにお
いて、金属化ポリプロピレンフィルムの金属層側を陰極
とし、金属化ポリエチレンテレフタレートフィルムの金
属層側を陽極として直流回路に接続することにより、有
極性のコンデンサとしての機能を有し、静電容量が大き
く、小形化し易く、耐圧が高く、高圧の直流回路に使用
でき、組み込んだ電気機器を小形化、高機能化し易く、
信頼性を向上できる金属化フィルムコンデンサが得られ
る。
ピレンフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルム
の厚さを4μm以下、特に3.5μm以下とすることに
より、静電容量を大きくし易く、より整流作用の優れた
直流回路用に適した金属化フィルムコンデンサが得られ
る。
す。
す。
ピレンフィルム、3…ポリプロピレンフィルム、 4,
8…金属層、6…金属化ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム、7…ポリエチレンテレフタレートフィルム、
10…コンデンサ素子、13a,13b…端子。 整理番号 P2551
Claims (2)
- 【請求項1】 金属化ポリプロピレンフィルムと金属化
ポリエチレンテレフタレートフィルムとを積層し又は積
層して巻回したコンデンサ素子を有する金属化フィルム
コンデンサにおいて、前記金属化ポリプロピレンフィル
ムの金属層側を陰極とするとともに、前記金属化ポリエ
チレンテレフタレートフィルムの金属層側を陽極として
直流回路に接続することを特徴とする金属化フィルムコ
ンデンサ。 - 【請求項2】 ポリプロピレンフィルム及びポリエチレ
ンテレフタレートフィルムの厚さが各々4μm以下であ
る請求項1記載の金属化フィルムコンデンサ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000230690A JP3901916B2 (ja) | 2000-07-31 | 2000-07-31 | 金属化フィルムコンデンサ |
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009099653A (ja) * | 2007-10-15 | 2009-05-07 | Panasonic Corp | 金属化フィルムコンデンサの検査方法 |
JP2010040633A (ja) * | 2008-08-01 | 2010-02-18 | Taitsu Corp | フィルムコンデンサ |
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---|---|---|---|---|
EP3732698A4 (en) * | 2017-12-25 | 2021-09-01 | ABB Power Grids Switzerland AG | BIAXIALLY ORIENTED POLYPROPYLENE FILM, POWER CAPACITOR, AND RELATED MANUFACTURING METHOD AND SYSTEM |
-
2000
- 2000-07-31 JP JP2000230690A patent/JP3901916B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2010040633A (ja) * | 2008-08-01 | 2010-02-18 | Taitsu Corp | フィルムコンデンサ |
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JP3901916B2 (ja) | 2007-04-04 |
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