JP2002042575A - 絶縁電線 - Google Patents

絶縁電線

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた難燃性、引張特性、耐熱性および電気
特性を有し、吸湿、吸水後の絶縁抵抗の低下が少なく、
かつ、埋立、焼却などの廃棄時において、重金属化合物
の溶出や、多量の煙、腐食性ガスの発生がない絶縁電線
を提供する。 【解決手段】 エチレン・酢酸ビニル共重合体を含有す
るベース樹脂100質量部に対し金属水和物150〜3
00質量部を含有し、該エチレン酢酸ビニル共重合体の
20質量%以上が共重合体の構成成分としての酢酸ビニ
ル成分を3つ以上連続して有する構造を有し、かつ、該
ベース樹脂の酢酸ビニル含有量が40質量%以上である
組成物の架橋体で導体が被覆されている絶縁電線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子機器の
内部配線に使用される絶縁電線に関するものであり、優
れた難燃性、引張特性、電気特性を有し、かつ、埋立、
焼却などの廃棄時において、重金属化合物の溶出や、多
量の煙、腐食性ガスの発生がない絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器の内部配線に使用される
絶縁電線には、難燃性、引張特性、耐熱性など種々の特
性が要求されており、その被覆材料としては、ポリ塩化
ビニル(PVC)コンパウンドや分子中に臭素原子や塩
素原子を含有するハロゲン系難燃剤を配合したポリオレ
フィンコンパウンド、および、これらの架橋体が使用さ
れている。近年、このような被覆材料を用いた絶縁電線
を適切な処理をせずに廃棄した場合に起こる種々の問題
が提起されている。例えば、埋立廃棄した場合には、被
覆材料に配合されている可塑剤や重金属安定剤の溶出、
また、焼却廃棄した場合には、多量の腐食性ガスの発生
などという問題が起こる。このため、有害な重金属や腐
食性のハロゲン系ガスなどの発生がないノンハロゲン難
燃材料で電線を被覆する技術の検討が盛んに行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電気・電子機器の内部
配線に使用される絶縁電線に要求される特性(難燃性、
引張特性、耐熱性など)は、UL(Reference
Standard for Electrical
Wires, Cables, and Flexib
le Cords)、JISなどで規定されており、要
求される特性の中では、難燃性と引張特性の両立が難し
いことが知られている。ノンハロゲン難燃材料を被覆し
た絶縁電線で難燃性と引張特性を両立させようとする場
合には、難燃剤である金属水和物以外に難燃助剤として
赤リンを配合した組成物を被覆材料とする方法がある。
しかし、現行の電気・電子機器の配線においては、その
種類や接続部を区別することを目的として、絶縁電線の
表面に印刷を行ったり、数種類の色に着色した材料で被
覆したりする。被覆材料に赤リンを配合した場合、赤リ
ンの発色のため白色をはじめとする任意の色に着色する
ことができず、また、表面の印刷が識別できなくなると
いう問題が発生する。
【0004】近年、赤リンを使用しない方法として、酢
酸ビニル、アクリル酸エステルなどの極性基の含有量を
増加させたエチレン系共重合体にシランカップリング剤
で表面処理された金属水和物を多量に配合した組成物の
架橋体で、導体を被覆する方法が提案されている。しか
しながら、酢酸ビニル、アクリル酸エステルなどの極性
基の含有量を増加させたエチレン系共重合体は、それ自
体の絶縁抵抗が低く、金属水和物を多量に配合した組成
物を用いると、吸湿、吸水後において、さらに絶縁抵抗
が低下するという問題がある。本発明は、この問題を解
決した絶縁電線に関するものであり、電子・電気機器の
内部配線に使用され、優れた難燃性、引張特性、耐熱性
および電気特性を有し、かつ、埋立、焼却などの廃棄時
において、重金属化合物の溶出や、多量の煙、腐食性ガ
スの発生がない絶縁電線を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の発
明により達成された。 (1)エチレン・酢酸ビニル共重合体を含有するベース
樹脂100質量部に対し金属水和物150〜300質量
部を含有し、該エチレン酢酸ビニル共重合体の20質量
%以上が共重合体の構成成分としての酢酸ビニル成分を
3つ以上連続して有する構造を有し、かつ、該ベース樹
脂の酢酸ビニル含有量が40質量%以上である組成物の
架橋体で導体が被覆されていることを特徴とする絶縁電
線。 (2)前記金属水和物がシランカップリング剤で表面処
理されていることを特徴とする(1)項記載の絶縁電
線。 (3)前記金属水和物が水酸化マグネシウムであること
を特徴とする(1)又は (2)項記載の絶縁電線。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明において導体を被覆
し、絶縁体を形成するのに用いられる組成物に含まれる
各成分について説明する。 (1)ベース樹脂 本発明においてベース樹脂は、エチレン・酢酸ビニル共
重合体を含んでなり、エチレン・酢酸ビニル共重合体の
ほかにポリオレフィンを含んでもよい。ベース樹脂はそ
の酢酸ビニル含有量が40質量%以上であり、好ましく
は50〜70質量%である。酢酸ビニル含有量を40質
量%以上とすることにより、絶縁電線の難燃性に関する
規格であるJIS C3005の水平燃焼試験や60°
傾斜燃焼試験に合格する絶縁電線とすることができる。
さらに、絶縁体を厚くしたり、酢酸ビニル含有量をさら
に多くしたりすることで(例えば60質量%以上)、絶
縁電線の難燃性に関する規格であるUL VW−1垂直
燃焼試験に合格するものとすることもできる。エチレン
・酢酸ビニル共重合体とポリオレフィンの混合物をベー
ス樹脂として用いる場合には、酢酸ビニル含有量の高い
エチレン・酢酸ビニル共重合体を使用し、混合物の酢酸
ビニル含有量を上記の割合に調整する。通常、酢酸ビニ
ル含有量が高いエチレン・酢酸ビニル共重合体を使用し
た組成物を押出被覆して絶縁電線を製造する場合、押出
機ホッパー内や押出機スクリュー供給部でペレットがブ
ロッキングしたり、押出機ガイドロールで被覆層が潰れ
たり、損傷したりすることがあるが、ポリオレフィンと
混合することにより、これらを緩和したり、防止したり
することができる。
【0007】(2)エチレン・酢酸ビニル共重合体 本発明においてベース樹脂に用いるエチレン・酢酸ビニ
ル共重合体の20質量%以上、好ましくは30〜50質
量%は、共重合体の構成成分としての酢酸ビニル成分を
3つ以上連続して有する構造のものである。共重合体の
構成成分としての酢酸ビニル成分を3つ以上連続して有
する構造のエチレン・酢酸ビニル共重合体を用いること
により、組成物の絶縁抵抗を向上させることができる。
エチレン・酢酸ビニル共重合体の構造については、13
C−NMRスペクトルのピーク面積比から、算出するこ
とができ、65〜70ppmに酢酸ビニル成分を3つ以
上連続して有する構造を示す信号がみられる。このよう
なエチレン・酢酸ビニル共重合体としては、例えば「レ
バプレン800HV」「レバプレン700HV」「レバ
プレン600HV」(いずれも商品名、バイエル社製)
などがある。また、本発明で用いるエチレン・酢酸ビニ
ル共重合体としては、メルトフローレイト(MFR)が
0.1〜10g/10分(荷重21.18N(2.16
kgf)、温度190℃)のものが好ましい。
【0008】(3)ポリオレフィン 本発明においてベース樹脂に用いることのできるポリオ
レフィンとしては、例えば、超低密度ポリエチレン(V
LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエ
チレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)
などのポリエチレン、ポリプロピレン単独重合体(H−
PP)、エチレン−プロピレンブロック共重合体(B−
PP)、エチレン−プロピレンランダム共重合体(R−
PP)や、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変
性したものなどがあげられる。不飽和カルボン酸として
は、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸が用い
られ、不飽和カルボン酸の誘導体としては、マレイン酸
モノエステル、マレイン酸ジエステル、無水マレイン
酸、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエステル、
無水イタコン酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエ
ステル、無水フマル酸などがある。ポリオレフィンの変
性は、例えば、ポリオレフィンと不飽和カルボン酸等を
パーオキサイド存在下に溶融、混練することにより、行
うことができる。ポリオレフィンのメルトフローレイト
(MFR)は、0.1〜10g/10分(VLDPE、
LLDPE、LDPE、MDPE、HDPE:荷重2
1.18N(2.16kgf)、温度190℃、H−P
P、B−PP、R−PP:荷重21.18N(2.16
kgf)、230℃)のものが好ましい。
【0009】上記のエチレン・酢酸ビニル共重合体及び
ポリオレフィンは、ベース樹脂の酢酸ビニル含有量、及
びエチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル成分を
3つ以上連続して有する構造のものの割合を、それぞれ
上記の所定の割合とするものであれば、2種以上を組み
合わせて使用することも可能である。
【0010】(4)金属水和物 本発明において、難燃剤として用いられる金属水和物と
しては、特に制限はないが、例えば、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、水和珪酸アルミニウム、水和
珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロ
タルサイトなどの水酸基あるいは結晶水を有する化合物
があげられる。これらの金属水和物は、単独もしくは2
種以上組み合わせて使用することができる。また、本発
明においてはシランカップリング剤で表面処理した金属
水和物を用いることで、良好な引張特性を有する絶縁電
線を得ることが可能になる。表面処理に用いられるシラ
ンカップリング剤としては、通常使用されるものを特に
制限なく用いることができるが、アミノ基、メタクリル
基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基などの有機官
能基を有するシランカップリング剤が好ましく、難燃
性、引張特性の点から、ビニル基および/またはエポキ
シ基を有するシランカップリング剤がさらに好ましい。
【0011】このようなものとしては、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロ
イルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタ
クリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシランなどがあげられる。シランカッ
プリング剤で表面処理された金属水和物を用いる場合、
あらかじめシランカップリング剤で表面処理された金属
水和物を組成物に配合してもよいし、未処理もしくは表
面処理済みの金属水和物とともにシランカップリング剤
を配合し、表面処理を行ってもよい。このときのシラン
カップリング剤は、表面処理するに十分な量が適宜加え
られるが、具体的には金属水和物に対し0.1〜2.0
質量%が好ましい。
【0012】また、これらの金属水和物の種類について
は、耐熱性の点から、水酸化マグネシウムが好ましく、
このようなものとしては、例えば、「キスマ5」「キス
マ5A」「キスマ5B」「キスマ5J」「キスマ5L
H」「キスマ5PH」(いずれも商品名、協和化学工業
社製)などがある。金属水和物の配合量は、ベース樹脂
100質量部に対して、150〜300質量部であり、
好ましくは180〜240質量部である。金属水和物の
配合量が150質量部より少ないと、電気・電子機器の
内部配線に使用される絶縁電線に要求される難燃性を得
ることができない。一方、金属水和物の配合量が300
質量部を越えると引張特性が低下するため好ましくな
い。
【0013】本発明において導体を被覆する組成物に
は、絶縁電線、ケーブルなどにおいて、一般的に使用さ
れている各種の樹脂やゴム、さらに、添加剤(酸化防止
剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、分散剤、架橋助剤、
架橋剤、顔料など)を本発明の目的を損なわない範囲
で、必要に応じ適宜配合することができる。本発明の絶
縁電線は、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど
の通常用いられる混練装置で溶融混練した各成分を含む
組成物を、通常の電線製造用押出成形機を用いて導体周
囲に押出被覆し、その後、その被覆層を架橋することに
より製造することができる。架橋の方法は特に制限はな
く、化学架橋法でも電子線架橋法でも行うことができる
が、生産性の点から、電子線照射による架橋法が好まし
い。本発明の絶縁電線の製造において電子線照射で架橋
する場合、電子線の線量は5〜25Mradが好まし
く、組成物にメタクリレート系化合物(例えば、トリメ
チロールプロパントリアクリレートなど)、アリル系化
合物(例えば、トリアリルシアヌレートなど)、マレイ
ミド系化合物、ジビニル系化合物などの多官能性化合物
を架橋助剤として配合してもよい。
【0014】本発明の絶縁電線の導体径や導体の材質な
どは特に制限はなく、用途に応じて適宜定められる。絶
縁体(被覆層)の厚さも特に制限はなく、通常のものと
同様でよい。また、上記した被覆用組成物で形成した絶
縁体と導体の間に中間層を設けるなど、被覆層が多層構
造のものであってもよい。
【0015】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例1〜5及び比較例1、2 まず、表1に示す割合で各成分を室温にてドライブレン
ドし、バンバリーミキサーを用いて溶融混練して、絶縁
体形成用の各組成物を得た。次に、汎用の電線製造用押
出成形機を使用して、得られた組成物を導体径0.48
mmφの錫メッキ軟銅線(構成7本/0.16mmφ)
上に、厚み0.42mmで押出被覆して、未架橋の絶縁
電線を製造し、さらに、この絶縁電線に10Mradの
電子線照射を行った。
【0016】なお、表1に示す各成分として、以下のも
のを使用した。 (01)エチレン・酢酸ビニル共重合体 レバプレン800HV (商品名、バイエル社製) 酢酸ビニル含有量 80質量% (02)エチレン・酢酸ビニル共重合体 エバフレックスEV40LX (商品名、三井デュポン
・ポリケミカル社製)酢酸ビニル含有量 40質量% (03)変性ポリエチレン アドテックス L6100M (商品名、日本ポリオレ
フィン社製) (04)ビニルシラン処理水酸化マグネシウム キスマ 5PH (商品名、協和化学工業社製) (05)酸化防止剤 アデカスタブAO−18(商品名、旭電化工業社製) トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ
キス(3−ラウリルチオプロピオネート) (06)酸化防止剤 ノクラックMB(商品名、大内新興化学工業社製) 2−メルカプトベンヅイミダゾール (07)ステアリン酸 さくら(商品名、日本油脂社製) (08)架橋助剤 オグモントT200 (商品名、新中村化学工業社製) トリプロピレングリコールジアクリレート
【0017】得られた絶縁電線について、以下の試験を
行った。結果を表1に示した。 1)引張特性試験 得られた絶縁電線の絶縁体の引張強度(MPa)、引張
伸び(%)を、標線25mm、引張速度500mm/分
で測定した。引張強度10.3MPa以上、引張伸び1
00%以上のものは実用上合格レベルである。 2)難燃性試験 JIS C3005の水平燃焼試験、UL VW−1垂
直燃焼試験を行い、合格数を示した(合格数/試験
数)。なお、難燃性については、前記2種の燃焼試験の
両方に合格する必要はなく、水平燃焼試験において全て
の供試体が試験に合格するものを難燃性試験に合格とす
る。 3)電気特性(水中絶縁抵抗)試験 20℃の水中に絶縁電線50mを1時間浸漬し、導体と
水の間に500Vの直流電圧を1分間加え、絶縁抵抗を
測定し、1km当たりに換算した。換算値が100MΩ
・km以上のものは合格レベルである。(JIS C3
005の絶縁抵抗試験)
【0018】
【表1】
【0019】表1の結果から、エチレン・酢酸ビニル共
重合体単独もしくは、エチレン・酢酸ビニル共重合体と
変性ポリエチレンの混合物中における酢酸ビニル含有量
が40質量%以上であり、エチレン・酢酸ビニル共重合
体中における構成成分としての酢酸ビニル成分を3つ以
上連続して有する構造を有するエチレン・酢酸ビニル共
重合体の含有量が20質量%以上のものを用いた実施例
1〜5の絶縁電線は、いずれも、難燃性、電気特性(水
中絶縁抵抗)が良好であり、特に、混合物中における酢
酸ビニル含有量が60質量%を越える実施例1、2の絶
縁電線は、ULVW−1垂直燃焼試験にも合格する高い
難燃性を示した。さらに、実施例1〜5の絶縁電線は、
ビニルシラン処理水酸化マグネシウムを用いているた
め、良好な引張特性を示している。一方、ベース樹脂中
の酢酸ビニル含有量が低く、かつ、共重合体の構成成分
としての酢酸ビニル成分を3つ以上連続して有する構造
のエチレン・酢酸ビニル共重合体を全く使用していない
比較例1、及び共重合体の構成成分としての酢酸ビニル
成分を3つ以上連続して有する構造のエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体の割合が低すぎる比較例2の絶縁電線は、
いずれも引張強度が低く、電気特性(水中絶縁抵抗)も
合格レベルである100MΩ・kmを下回り、問題のあ
ることがわかる。
【0020】
【発明の効果】本発明の絶縁電線は、優れた難燃性、引
張特性、耐熱性を有し、さらに、水中に浸漬しても高い
絶縁抵抗を維持しうる優れた電気特性を有する。また、
本発明の絶縁電線の被覆層はノンハロゲン難燃材料であ
ってかつリンを含まない材料で構成されており、難燃性
等に優れるだけでなく、埋立、焼却などの廃棄時におい
て重金属化合物の溶出や、多量の煙、腐食性ガスの発生
がなく、電気・電子機器の内部配線に好適に用いること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 浩治 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 齋藤 清 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB061 BF031 DE076 DE146 DE256 DE286 DJ006 FB106 FD016 GQ01 5G315 CA03 CB02 CC08 CD04 CD14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン・酢酸ビニル共重合体を含有す
    るベース樹脂100質量部に対し金属水和物150〜3
    00質量部を含有し、該エチレン酢酸ビニル共重合体の
    20質量%以上が共重合体の構成成分としての酢酸ビニ
    ル成分を3つ以上連続して有する構造を有し、かつ、該
    ベース樹脂の酢酸ビニル含有量が40質量%以上である
    組成物の架橋体で導体が被覆されていることを特徴とす
    る絶縁電線。
  2. 【請求項2】 前記金属水和物がシランカップリング剤
    で表面処理されていることを特徴とする請求項1記載の
    絶縁電線。
  3. 【請求項3】 前記金属水和物が水酸化マグネシウムで
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の絶縁電線。
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