JP2002039293A - 油圧式チェーンテンショナ - Google Patents

油圧式チェーンテンショナ

Info

Publication number
JP2002039293A
JP2002039293A JP2000220758A JP2000220758A JP2002039293A JP 2002039293 A JP2002039293 A JP 2002039293A JP 2000220758 A JP2000220758 A JP 2000220758A JP 2000220758 A JP2000220758 A JP 2000220758A JP 2002039293 A JP2002039293 A JP 2002039293A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plunger
valve body
valve
chain tensioner
hydraulic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000220758A
Other languages
English (en)
Inventor
Ken Yamamoto
山本  憲
Hiromichi Bando
広道 阪東
Eiji Maeno
栄二 前野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2000220758A priority Critical patent/JP2002039293A/ja
Publication of JP2002039293A publication Critical patent/JP2002039293A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H7/0848Means for varying tension of belts, ropes, or chains with means for impeding reverse motion
    • F16H2007/0853Ratchets
    • F16H2007/0855Ratchets comprising a clip member engaging with the rack teeth
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H7/0848Means for varying tension of belts, ropes, or chains with means for impeding reverse motion
    • F16H2007/0859Check valves

Landscapes

  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの高速回転域における高周波の変動
荷重に対してチェックバルブの弁体を良好に追従させる
ことができる応答性に優れたチェーンテンショナを提供
することである。 【解決手段】 ハウジング1にガイド孔2と、そのガイ
ド孔2の底面で開口する給油孔3とを形成する。ガイド
孔2内にプランジャ7を組込み、その背部に形成された
油圧ダンパ室8内にリターンスプリング9とチェックバ
ルブ10とを組み込む。チェックバルブ10における弁
体16の開閉量を0.3mm以下に規制して、エンジン
の高速回転時に、チェーンからプランジャに付与される
高周波の変動荷重に対する弁体の追従性を高め、チェー
ンテンショナの応答性の向上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として自動二
輪車におけるカム軸駆動用チェーンの張力を一定に保つ
チェーンテンショナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動二輪車のカム軸駆動用チェ
ーンの張力調整には、ラチェット式あるいはねじ式の機
械式のチェーンテンショナが使用されている。このよう
な、機械式のチェーンテンショナにおいては、衝撃緩衝
能力が劣るため、メカニカルノイズが発生し易く、騒音
が大きな問題となっている。また、衝撃荷重がかかるた
め、部品の損傷が激しく、耐久性にも問題がある。
【0003】一方、普通自動車のカム軸駆動用チェーン
の張力調整に用いられている油圧式チェーンテンショナ
は、チェックバルブの作動によって油圧ダンパ室内の作
動油を封入状態に保持する油圧ダンパにより衝撃を緩衝
するため、衝撃力の衝撃時に異音を発生することがなく
静粛であり、耐久性に優れている。
【0004】ここで、油圧式チェーンテンショナにおけ
るチェックバルブの弁体には、普通、直径3〜4mmの
鋼製のボールが使われている場合が多い。そのようなボ
ールは、軸受メーカにおいて製造されるボールベアリン
グの転動体として広く使われているため、入手が容易で
あり、しかも表面硬さも高く、耐久性も充分である。
【0005】ところで、弁体が鋼製ボールから成るチェ
ックバルブにおいては、弁体の慣性重量が大きいため、
チェーンテンショナの応答性が保証されているのは、チ
ェーンからプランジャに付与される変動荷重の周波数が
300Hz程度までである。
【0006】一方、普通自動車の4気筒エンジンは、一
般的に6000rpm以下の回転域で使用されるため、
エンジンの回転時に、カム軸駆動用チェーンに付与され
る変動荷重の周波数はせいぜい200Hz程度であり、
鋼製ボールを弁体とするチェックバルブ内蔵形のチェー
ンテンショナで充分に対応することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動二輪車
のエンジンにおいては、一般的に12,000rpm以
上の回転域で使用されることも多く、300Hzまでを
保証した従来の普通自動車用の油圧式チェーンテンショ
ナでは高速回転域での高周波の変動荷重に対して弁体を
追従させることができない。
【0008】この発明の課題は、エンジンの高速回転域
における高周波の荷重変動に対してチェックバルブの弁
体を良好に追従させることができるようにした応答性に
優れた油圧式チェーンテンショナを提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、ハウジングに有底のガイド
孔と、そのガイド孔の底部で開口する給油孔とを形成
し、前記ガイド孔内にプランジャを摺動自在に組み込ん
でその背部に油圧ダンパ室を設け、この油圧ダンパ室内
にプランジャを外方向に押圧するリターンスプリング
と、油圧ダンパ室内の作動油が給油孔側に逆流するのを
防止するチェックバルブとを組込み、そのチェックバル
ブが、給油孔に連通する弁孔を有するバルブシートと、
そのバルブシートに形成されたシート面に対して接触、
離反自在に設けられた弁体と、その弁体の開閉量を制限
するリテーナとから成り、そのチェックバルブにおける
弁体の開閉量を0.3mm以下とした構成を採用したの
である。
【0010】上記のように、チェックバルブにおける弁
体の開閉量の上限値を0.3mmとすることにより、弁
体の開閉による移動量は小さいため、エンジンの高速回
転域における高周波の変動荷重に対して弁体は良好に追
従し、自動二輪車のカム軸駆動用チェーンの張力調整用
に適用することができる応答性に優れたチェーンテンシ
ョナを得ることができる。
【0011】ここで、弁体の開閉量は応答性を向上させ
るうえにおいて小さい程好ましいが、必要以上に小さく
すると精度管理の面で困難性を有するため、0.1mm
を下限とするのがよい。
【0012】上記弁体の開閉量は、その弁体の材質に応
じて0.3mmを超えない範囲で適宜に決定する。例え
ば、弁体が直径3〜4mmの鋼製のボールから成る場
合、その開閉量が0.2mmを超えると、エンジンの高
速回転域における高周波の変動荷重に対して応答遅れを
生じるおそれがある。そこで、鋼製ボールから成る弁体
の場合は、その開閉量を0.2mm以下とする。
【0013】弁体をセラミックによって形成すると、鋼
製ボールから成る弁体に比較して、球径を同じとした場
合に、弁体の軽量化を図ることができるため、変動荷重
に対する弁体の追従性が向上し、チェックバルブの応答
性をさらに向上させることができる。
【0014】また、弁体を合成樹脂で形成することによ
り、弁体をより軽量化することができるため、チェック
バルブの応答性をより向上させることができる。
【0015】上記のようなセラミックあるいは合成樹脂
から成る弁体の場合、圧力変化に対する応答性が鋼製ボ
ールから成る弁体に比較して優れているため、弁体の開
閉量を0.3mm以上とすることができ、精度管理の容
易化を図ることができる。
【0016】この発明に係る油圧式オートテンショナに
おいては、4気筒エンジンの回転数が、例えば12,0
00rpmの回転域に達すると、チェーンに作用する張
力変動周波数は400Hzに達し、チェックバルブの弁
体はきわめて高速度で開閉を繰り返すことになる。この
とき、バルブシートに形成されたシート面の面精度が悪
い場合、そのシート面に対する当接によって弁体は短期
間で摩耗し、耐久性に問題が生じる。
【0017】その耐久性の向上を図るため、この発明で
は、バルブシートが鋼製の場合に、そのバルブシートに
形成されたシート面の面粗さRaを0.8以下にしてい
る。また、合成樹脂から成る弁体にメッキ処理等の処理
を施すことにより耐摩耗性の表面層を形成して、弁体の
摩耗を抑制するようにしている。さらに、バルブシート
と弁体の双方を合成樹脂で形成している。
【0018】この発明に係る油圧式チェーンテンショナ
において、前記ガイド孔の開口部内周にクリップ装着溝
を設け、そのクリップ装着溝内にレジスタクリップに設
けられた径方向に弾性変形可能なリング部を装着し、前
記プランジャの外周には前記レジスタクリップのリング
部で締付けられる複数の円周溝を軸方向に間隔をおいて
形成し、各円周溝の外周に、プランジャの前進時にレジ
スタクリップのリング部を拡径させるテーパ面と、プラ
ンジャの後退時にレジスタクリップのリング部に係合し
てプランジャの後退動を阻止する係合面とを設けること
により、エンジンの停止時に、カムの停止位置によりチ
ェーンが緊張し、そのチェーンによりプランジャが押し
込まれても、プランジャは円周溝の係合面がレジスタク
リップに係合する位置まで後退するだけであって大きく
後退することはない。このため、エンジンが再始動され
ても、チェーンはプランジャの後退量に相当する量だけ
弛みが生じて大幅に弛みが生じるのを防止することがで
き、常に適切なダンピング特性を得ることができる。
【0019】また、この発明に係るチェーンテンショナ
において、前記プランジャの外周で軸方向に並ぶ複数の
円周溝の最後端の円周溝より後端側に、レジスタクリッ
プのリング部に対する係合によってプランジャを抜け止
めするストッパ溝を設けると、チェーンを取り外すエン
ジン回りのメンテナンス時、プランジャはリターンスプ
リングの押圧により外方向に移動し、レジスタクリップ
にストッパ溝が対応する位置までプランジャが前進する
と、レジスタクリップがストッパ溝に係合してプランジ
ャを抜け止めする。このため、プランジャやリターンス
プリング等の部品がバラバラに分解するのを防止するこ
とができる。
【0020】さらに、この発明に係るチェーンテンショ
ナにおいて、プランジャの軸方向に並ぶ円周溝の最先端
の円周溝より前側に、前記レジスタクリップに対する当
接によってプランジャをガイド孔内に押し込んだ初期セ
ット状態に保持するストッパ面を設けることにより、チ
ェーンの組付け時にプランジャを押し込む必要がなくな
るため、組付けの容易化を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1に示すように、アルミ合金
等の軽合金から成るハウジング1には有底のガイド孔2
と、そのガイド孔2の底面において開口する給油孔3と
が形成されている。また、ハウジング1には、ガイド孔
2の開口端部の内周にクリップ装着溝4と、そのクリッ
プ装着溝4を横切ってハウジング1の先端面で開口する
切欠部5とが設けられている。
【0022】クリップ装着溝4には、レジスタクリップ
6が装着されている。図3に示すように、レジスタクリ
ップ6は径方向に弾性変形可能なリング部6aの両端に
一対の操作片6bを設けており、その一対の操作片6b
は前記切欠部5に挿通されて先端部がハウジング1の外
部に臨み、上記一対の操作片6bを摘むことによってリ
ング部6aが拡径するようになっている。
【0023】図1に示すように、ガイド孔2内にはプラ
ンジャ7が摺動自在に組み込まれ、そのプランジャ7の
後端とガイド孔2の底面間に油圧ダンパ室8が形成され
ている。
【0024】油圧ダンパ室8内にはリターンスプリング
9とチェックバルブ10が組み込まれ、上記リターンス
プリング9によってプランジャ7は外方向に押圧されて
いる。
【0025】プランジャ7の外周には前記レジスタクリ
ップ6のリング部6aによって弾力的に締付けられる複
数の円周溝11が軸方向に等間隔に形成されている。ま
た、プランジャ7の外周には軸方向に並ぶ上記円周溝1
1の最先端の円周溝11の前側にストッパ面12と、最
後端の円周溝11の後側にストッパ溝13とが設けられ
ている。
【0026】上記プランジャ7は、レジスタクリップ6
のリング部6aに対するストッパ面12の係合によって
ガイド孔2内に押し込まれた初期のセット状態に保持さ
れると共に、レジスタクリップ6のリング部6aに対す
るストッパ溝13の係合によって抜け止めされる。
【0027】図2(I)に示すように、プランジャ7の
外周に形成された前記円周溝11の外周には、プランジ
ャ7が外方向に前進動する際の先行側に係合面11a
と、後行側にテーパ面11bとが形成され、前記係合面
11aはプランジャ7の後退時に、クリップ装着溝4の
後部側面4aに当接して停止するレジスタクリップ6の
リング部6aに係合してプランジャ7の後退動を阻止す
るようになっている。一方、テーパ面11bはプランジ
ャ7の前進時にレジスタクリップ6のリング部6aを拡
径させるようになっている。
【0028】図4に示すように、チェックバルブ10
は、バルブシート14と、そのバルブシート14に形成
された弁孔15を開閉する弁体16と、その弁体16の
開閉量を制限するリテーナ17とから成る。
【0029】バルブシート14には、ガイド孔2の底面
に対向する背面にシール溝18が設けられ、そのシール
溝18にシール部材19が取付けられている。シール部
材19は、バルブシート14を押圧するリターンスプリ
ング9の押圧力によってガイド孔2の底面に押し付けら
れて、ガイド孔2の底面とバルブシート14の背面間を
シールしている。
【0030】上記チェックバルブ10は給油孔3に供給
される作動油の圧力が油圧ダンパ室8内の圧力より高圧
になると弁体16が弁孔15を開放して、給油孔3に供
給される作動油を油圧ダンパ室8内に流入させ、その油
圧ダンパ室8内の作動油の圧力が給油孔3内に供給され
る作動油の供給圧より高くなると、弁体16が弁孔15
の開口端に形成されたシート面20に密着して弁孔15
を閉じ、油圧ダンパ室8内の作動油が給油孔3側に逆流
するのを防止する。
【0031】図1は、チェーンテンショナの組立て状態
を示し、プランジャ7は、レジスタクリップ6のリング
部6aに対するストッパ面12の係合によって押し込み
状態に保持されている。
【0032】チェーンテンショナの組付けに際しては、
エンジンブロックにボルトの締付けによる手段を介して
ハウジング1を取付け、そのハウジング1の取付け後、
レジスタクリップ6に設けられた一対の操作片6bを摘
んでリング部6aを拡径し、そのリング部6aとストッ
パ面12の係合を解除してリターンスプリング9の押圧
力によりプランジャ7を前進させ、そのプランジャ7で
図示省略した揺動可能なチェーンガイドを介してチェー
ンを押圧する。
【0033】上記のようなチェーンテンショナの組付け
時、プランジャ7はガイド孔2内に押し込まれた状態に
保持されているため、ハウジングの取付けに際してプラ
ンジャ7を押圧する必要がなく、組付け作業が容易であ
る。
【0034】図2(I)はプランジャ7が前進して図示
省略したチェーンを押圧している状態を示し、レジスタ
クリップ6のリング部6aは円周溝11のテーパ面11
bを弾力的に締付けている。
【0035】上記のようなチェーンの張力調整状態にお
いて、エンジンを回転すると、カム軸の回転により吸排
気弁が開閉し、その開閉に伴ってチェーンに変動荷重が
付与される。このため、チェーンが振動し、そのチェー
ンの緊張時、プランジャ7に押し込み力が付与される。
このとき、油圧ダンパ室8の圧力が高くなるため、チェ
ックバルブ10の弁体16は弁孔15を閉じ、油圧ダン
パ室8内に封入された作動油によって上記押し込み力は
緩衝される。その押し込み力の最小値がリターンスプリ
ング9の弾力と作動油圧の合力を超える大きな押し込み
力の場合、その合力と上記押し込み力とが釣り合う位置
までプランジャ7が後退する。
【0036】このとき、レジスタクリップ6のリング部
6aは円周溝11のテーパ面11bで押圧されて拡径
し、プランジャ7の後退動を阻止することはない。ま
た、油圧ダンパ室8内の作動油は、ガイド孔2とプラン
ジャ7の摺動面間より外部にリークする。
【0037】一方、チェーンに弛みが生じると、リター
ンスプリング9の押圧によりプランジャ7が前進してチ
ェーンの弛みを吸収し、チェーンの張力を一定に保持す
る。
【0038】ここで、図2(I)に示すように、レジス
タクリップ6のリング部6aがクリップ装着溝4内で軸
方向に移動し得る量をL1 とし、円周溝11の係合面1
1aに当接するリング部6aがテーパ面11bを摺動し
て後側の円周溝11に嵌り込むまでのレジスタクリップ
6の移動量(円周溝11のピッチに相当)をL2 とする
と、L1 からL1 +L2 の寸法は、チェーンから作用す
る力で油圧ダンパによりプランジャ7が変位する距離よ
り遙かに大きい値に設定されている。
【0039】このため、エンジンの運転時、プランジャ
7はL1 からL1 +L2 の寸法内で前後動してチェーン
の張力変化を吸収し、チェーンの張力を一定に保持す
る。
【0040】チェーンが摩耗によって伸びが生じると、
プランジャ7はリターンスプリング9の押圧により前進
してチェーンの伸びを吸収する。このとき、チェーンの
伸び量が円周溝11のピッチより大きい場合、レジスタ
クリップ6のリング部6aは次の円周溝11内に嵌り込
んで、その円周溝11の内周に弾性接触する。
【0041】エンジンを停止すると、カムの停止位置と
の関係からプランジャ7が押し込まれることがある。ま
た、登りの坂道において、チェンジレバーを前進ギヤに
入れた状態、あるいは下り坂でバックギヤに入れたまま
停止したとき、チェーンが緊張してプランジャ7が押し
込まれる。
【0042】このとき、プランジャ7は後退し、図2
(II)に示すように、円周溝11の係合面11aがクリ
ップ装着溝4の後部側面4aに当接して停止するレジス
タクリップ6のリング部6aに当接する位置まで後退す
ると、プランジャ7が停止する。
【0043】このため、チェーンはプランジャ7の後退
量に相当する分だけ弛みが生じるだけであって大幅に弛
みが生じることはない。したがって、エンジンが再始動
されてもチェーンに大幅な弛みが生じることがなく、ス
プロケットからチェーンが外れたり、あるいは歯飛びが
生じたりするのを防止することができる。
【0044】ここで、エンジンが自動二輪車の4気筒エ
ンジンのように、12,000rpm以上で高速回転す
る場合、チェーンには400Hz以上の張力変動周波数
が付与され、図4に示すチェックバルブ10の弁体16
は高速度で開閉することになる。このとき、上記弁体1
6の開閉量δが大きい場合、弁体16は高周波の変動荷
重に応答することができない。
【0045】そのような高周波の変動荷重に対する応答
性の向上を図るため、チェックバルブ10における弁体
16の開閉量を、その弁体16の材質に応じて以下に記
述するように規制している。
【0046】すなわち、弁体16が球径を3〜4mm程
度とする鋼製のボールから成る場合に、その弁体16の
開閉量δを0.2mm以下に規制している。
【0047】上記のように、弁体16の開閉量δを0.
2mm以下に規制することによって、弁体16はエンジ
ンの高速回転域における高周波の変動荷重に対しても良
好に追従し、チェックバルブ10の応答性の向上を図る
ことができる。
【0048】ここで、弁体16をセラミックで形成する
と、このセラミックから成る弁体16は鋼性のボールか
ら成る弁体に比較して軽量であるため、チェーンの高周
波の変動荷重に対する追従性を高めることができ、チェ
ックバルブ10の応答性をより向上させることができ
る。
【0049】また、弁体16を合成樹脂で形成すると、
弁体16をより軽量化することができるため、チェーン
の高周波の変動荷重に対する追従性をさらに高めること
ができる。
【0050】上記のようなセラミックから成る弁体16
あるいは合成樹脂から成る弁体16の場合、その開閉量
δを0.3mmとしてもチェーンに400Hzを超える
高周波の変動荷重が付与されても良好に追従させること
ができる。
【0051】チェックバルブ10における弁体16は、
チェーンに付与される高周波の変動荷重によって高速度
で開閉を繰り返すことになる。このとき、バルブシート
14が鋼製とされ、弁体16が鋼製あるいは合成樹脂で
形成されている場合、バルブシート14に形成されたシ
ート面20の面粗さRaが0.8を超えていると、その
シート面20に対する弁体16の当接によって、弁体1
6が摩耗し易い。その弁体16の摩耗を抑制するため、
シート面20の面粗さRaは0.8以下に規制しておく
のが好ましい。
【0052】ここで、合成樹脂から成る弁体16にメッ
キ処理を施して耐摩耗性の表面層を形成すると、弁体1
6の耐久性の向上を図ることができる。
【0053】また、バルブシート14および弁体16の
双方を合成樹脂で形成することにより、バルブシート1
4と弁体16の相対摩耗を効果的に防止することができ
る。
【0054】
【発明の効果】以上のように、この発明においては、チ
ェックバルブにおける弁体の開閉量を0.3mm以下と
したので、エンジンの高速回転域における高周波の変動
荷重に対して弁体を良好に追従させることができ、自動
二輪車に適用することができる応答性に優れたチェーン
テンショナを得ることができる。
【0055】また、高周波の変動荷重が付与されるチェ
ーンからプランジャに付与される衝撃を油圧ダンパ室内
の作動油に緩衝するようにしたので、異音の発生はな
く、カム駆動チェーンシステムの低騒音化を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る油圧式チェーンテンショナの縦
断正面図
【図2】(I)は、図1に示す油圧式チェーンテンショ
ナの一部分を拡大して示す断面図、(II)は使用状態を
示す断面図
【図3】図1に示す油圧式チェーンテンショナのIII −
III 線に沿った断面図
【図4】図1に示すチェーンテンショナのチェックバル
ブを示す拡大断面図
【符号の説明】
1 ハウジング 2 ガイド孔 3 給油孔 4 クリップ装着溝 5 切欠部 6 レジスタクリップ 6a リング部 6b 操作片 7 プランジャ 8 油圧ダンパ室 9 リターンスプリング 10 チェックバルブ 11 円周溝 11a 係合面 11b テーパ面 12 ストッパ面 13 ストッパ溝 14 バルブシート 15 弁孔 16 弁体 17 リテーナ 20 シート面
フロントページの続き (72)発明者 前野 栄二 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 Fターム(参考) 3J049 AA08 BB13 BB17 BB26 BB35 BB37 CA05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに有底のガイド孔と、そのガ
    イド孔の底部で開口する給油孔とを形成し、前記ガイド
    孔内にプランジャを摺動自在に組み込んでその背部に油
    圧ダンパ室を設け、この油圧ダンパ室内にプランジャを
    外方向に押圧するリターンスプリングと、油圧ダンパ室
    内の作動油が給油孔側に逆流するのを防止するチェック
    バルブとを組込み、そのチェックバルブが、給油孔に連
    通する弁孔を有するバルブシートと、そのバルブシート
    に形成されたシート面に対して接触、離反自在に設けら
    れた弁体と、その弁体の開閉量を制限するリテーナとか
    ら成り、そのチェックバルブにおける弁体の開閉量を
    0.3mm以下とした油圧式チェーンテンショナ。
  2. 【請求項2】 前記ガイド孔の開口部内周にクリップ装
    着溝を設け、そのクリップ装着溝内にレジスタクリップ
    に設けられた径方向に弾性変形可能なリング部を装着
    し、前記プランジャの外周には前記レジスタクリップの
    リング部で締付けられる複数の円周溝を軸方向に間隔を
    おいて形成し、各円周溝の外周に、プランジャの前進時
    にレジスタクリップのリング部を拡径させるテーパ面
    と、プランジャの後退時にレジスタクリップのリング部
    に係合してプランジャの後退動を阻止する係合面とを設
    けた請求項1に記載の油圧式チェーンテンショナ。
  3. 【請求項3】 前記プランジャの外周で軸方向に並ぶ複
    数の円周溝の最後端の円周溝より後端側に、レジスタク
    リップのリング部に対する係合によってプランジャを抜
    け止めするストッパ溝を設けた請求項2に記載の油圧式
    チェーンテンショナ。
  4. 【請求項4】 前記プランジャの軸方向に並ぶ円周溝の
    最先端の円周溝より前側に、前記レジスタクリップに対
    する当接によってプランジャをガイド孔内に押し込んだ
    初期セット状態に保持するストッパ面を設けた請求項3
    に記載の油圧式チェーンテンショナ。
  5. 【請求項5】 前記弁体がボールから成る請求項1乃至
    4のいずれかに記載の油圧式チェーンテンショナ。
  6. 【請求項6】 前記弁体がセラミックから成る請求項1
    乃至4のいずれかに記載の油圧式チェーンテンショナ。
  7. 【請求項7】 前記弁体が合成樹脂から成る請求項1乃
    至4のいずれかに記載の油圧式チェーンテンショナ。
  8. 【請求項8】 前記弁体に耐摩耗性の表面層を形成した
    請求項7に記載の油圧式チェーンテンショナ。
  9. 【請求項9】 前記チェックバルブのバルブシートが合
    成樹脂から成る請求項7に記載の油圧式チェーンテンシ
    ョナ。
JP2000220758A 2000-07-21 2000-07-21 油圧式チェーンテンショナ Pending JP2002039293A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000220758A JP2002039293A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 油圧式チェーンテンショナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000220758A JP2002039293A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 油圧式チェーンテンショナ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002039293A true JP2002039293A (ja) 2002-02-06

Family

ID=18715305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000220758A Pending JP2002039293A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 油圧式チェーンテンショナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002039293A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009168050A (ja) * 2008-01-10 2009-07-30 Fuji Koki Corp 可逆式流量制御弁
JP2014043886A (ja) * 2012-08-27 2014-03-13 Ntn Corp 油圧式オートテンショナ

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1650620A1 (de) * 1967-08-29 1970-01-02 Auto Union Gmbh Kettenspannvorrichtung
JPS63115958A (ja) * 1986-10-30 1988-05-20 イナ・ベルツラーゲル・シエツフレル・コマンデイートゲゼルシヤフト チエーン緊張装置
JPH01116389A (ja) * 1987-10-30 1989-05-09 Fujirebio Inc 逆止弁
JPH05215259A (ja) * 1992-02-10 1993-08-24 Hitachi Ltd 逆流防止装置
JPH09119490A (ja) * 1995-08-18 1997-05-06 Borg Warner Automot Inc 液圧テンショナ
JPH09512884A (ja) * 1994-05-06 1997-12-22 イナ・ヴェルツラーガー・シェッフラー・コマンディトゲゼルシャフト チェーンテンショナーにおける輸送安全性装置
JPH11336855A (ja) * 1998-05-27 1999-12-07 Tsubakimoto Chain Co 油圧式テンショナ
JP2000002350A (ja) * 1998-06-17 2000-01-07 Tsudakoma Corp 逆止弁
JP2001355691A (ja) * 2000-06-14 2001-12-26 Ntn Corp チェーンテンショナ
JP2002005250A (ja) * 2000-06-26 2002-01-09 Ntn Corp チェーンテンショナ
JP2002005251A (ja) * 2000-06-26 2002-01-09 Ntn Corp チェーンテンショナ
JP2002005249A (ja) * 2000-06-16 2002-01-09 Ntn Corp チェーンテンショナ

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1650620A1 (de) * 1967-08-29 1970-01-02 Auto Union Gmbh Kettenspannvorrichtung
JPS63115958A (ja) * 1986-10-30 1988-05-20 イナ・ベルツラーゲル・シエツフレル・コマンデイートゲゼルシヤフト チエーン緊張装置
JPH01116389A (ja) * 1987-10-30 1989-05-09 Fujirebio Inc 逆止弁
JPH05215259A (ja) * 1992-02-10 1993-08-24 Hitachi Ltd 逆流防止装置
JPH09512884A (ja) * 1994-05-06 1997-12-22 イナ・ヴェルツラーガー・シェッフラー・コマンディトゲゼルシャフト チェーンテンショナーにおける輸送安全性装置
JPH09119490A (ja) * 1995-08-18 1997-05-06 Borg Warner Automot Inc 液圧テンショナ
JPH11336855A (ja) * 1998-05-27 1999-12-07 Tsubakimoto Chain Co 油圧式テンショナ
JP2000002350A (ja) * 1998-06-17 2000-01-07 Tsudakoma Corp 逆止弁
JP2001355691A (ja) * 2000-06-14 2001-12-26 Ntn Corp チェーンテンショナ
JP2002005249A (ja) * 2000-06-16 2002-01-09 Ntn Corp チェーンテンショナ
JP2002005250A (ja) * 2000-06-26 2002-01-09 Ntn Corp チェーンテンショナ
JP2002005251A (ja) * 2000-06-26 2002-01-09 Ntn Corp チェーンテンショナ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009168050A (ja) * 2008-01-10 2009-07-30 Fuji Koki Corp 可逆式流量制御弁
JP2014043886A (ja) * 2012-08-27 2014-03-13 Ntn Corp 油圧式オートテンショナ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7775923B2 (en) Chain tensioner for two-wheeled vehicle engine
US4808148A (en) Temperature compensated self-tensioning idler pulley
US6244981B1 (en) Hydraulic tensioner with pawl-style external rack
JP3594420B2 (ja) 液圧テンショナ
JP3670911B2 (ja) チェーンテンショナ
JP2003202060A (ja) チェーンテンショナ
JP3415612B1 (ja) チェーン張力付与装置
JP2007032603A (ja) チェーンテンショナ
US20050272542A1 (en) Ring type hydraulic tensioner
JP3415613B1 (ja) チェーン張力付与装置
JP2001082558A (ja) チェーンテンショナ
JP2010249173A (ja) オートテンショナ
JPH05288250A (ja) 同期動力伝達ベルト等のベルト用自動張力調整装置
JP4806301B2 (ja) チェーンテンショナ
JP3635188B2 (ja) チェーンテンショナおよびチェーンシステム
JP4148637B2 (ja) 油圧式チェーンテンショナ
JP4072306B2 (ja) 油圧式チェーンテンショナ
JP2002039293A (ja) 油圧式チェーンテンショナ
JP3670887B2 (ja) チェーンテンショナ
JP4898403B2 (ja) チェーンテンショナ
JP2003202059A (ja) チェーンテンショナ
EP2280190B1 (en) Chain tensioner
JP2004076797A (ja) チェーン張力付与装置
JP4880428B2 (ja) 給油式オートテンショナ
EP1036955B1 (en) Hydraulic tensioner

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060725

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20070206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070328

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070619