JP2002037795A - インデニル配位子を有するメタロセン化合物およびこれを含むオレフィン重合用触媒 - Google Patents

インデニル配位子を有するメタロセン化合物およびこれを含むオレフィン重合用触媒

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JP2002037795A
JP2002037795A JP2000311915A JP2000311915A JP2002037795A JP 2002037795 A JP2002037795 A JP 2002037795A JP 2000311915 A JP2000311915 A JP 2000311915A JP 2000311915 A JP2000311915 A JP 2000311915A JP 2002037795 A JP2002037795 A JP 2002037795A
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furyl
indenyl
metallocene compound
bis
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Application number
JP2000311915A
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English (en)
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Masato Nakano
正人 中野
Tsutomu Shioda
勉 潮田
Seiju Mitani
清樹 三谷
Hiroshi Yamazaki
博史 山崎
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JNC Corp
JNC Petrochemical Corp
Original Assignee
Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エラストメリツクポリオレフインを効率よく
製造するための触媒及その触媒成分として使用するメタ
ロセン化合物を提供する。 【解決手段】 インデニル配位子を有するメタロセン化
合物であり、周期律表のランタノイド系列およびアクチ
ノイド系列を含む3族、4族または5族に属する遷移金
属原子に、インデニル配位子の5員環または6員環に、
特に好ましくは、その2位の位置に、酸素原子、硫黄原
子および窒素原子よりなる群から選択されたヘテロ原子
を含有する単環式または多環式のヘテロ芳香族基、好ま
しくは置換されたヘテロ芳香族基、好ましくはフリル基
を結合させたインデニル配位子を配位させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン重合用
の触媒成分として有用な新規メタロセン化合物に関し、
さらに詳しくは、ヘテロ芳香族基で置換されたインデニ
ル配位子を有するメタロセン化合物、および該メタロセ
ン化合物を含むオレフィン重合用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィンの重合に使用することのでき
る触媒成分として、従来のチーグラー・ナッタ触媒に代
わり、π電子供与性基、たとえば非置換または置換シク
ロペンタジエニル基、非置換または置換インデニル基、
非置換または置換テトラヒドロインデニル基、非置換ま
たは置換フルオレニル基などの非置換または置換シクロ
アルカジエニル基を含有する多座配位性化合物を遷移金
属原子に配位させたメタロセン化合物が、一部で使用さ
れ始めている。
【0003】特に近年においては、遷移金属原子1モル
当たりのオレフィン重合活性が改良された種々のメタロ
セン化合物が提案されている。また、2個の置換シクロ
アルカジエニル基を2価の架橋基で結合させ、これを遷
移金属原子に配位させたC2対称性を持つメタロセン化
合物を触媒成分として用いたときに、立体規則性の高い
α−オレフィン重合体、特に立体規則性の高いプロピレ
ン重合体が好適に得られることも知られている(J. Am.
Chem. Soc. 1998, 120, 11316-11322)。
【0004】さらに、オレフィン重合活性の高いメタロ
セン化合物の開発が続けられており、置換シクロアルカ
ジエニル基の置換基またはシクロアルカジエン環中にヘ
テロ原子を導入したメタロセン化合物が種々提案されて
いる。たとえば、特開平7−258282号公報には、
2つのインデニル配位子が架橋基によって互いに結合さ
れており、該インデニル基の2−位の位置の炭素に、窒
素原子、リン原子、ヒ素原子、アンチモン原子、ビスマ
ス原子などのヘテロ原子を含有する飽和基が、該ヘテロ
原子を直接介して結合されているメタロセン化合物、具
体的には、ジメチルシランジイルビス(2−ピロリジノ
−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドが記載され
ている。
【0005】また、特開平8−183814号公報に
は、2つのインデニル配位子が架橋基によって互いに結
合されており、インデニル配位子の4−位の位置が1−
ピロリル基、1−インドリル基などで置換されたメタロ
セン化合物、具体的には、ジメチルシリレンビス(4−
(1−インドリル)−2−メチルインデン)ジルコニウ
ムジクロリドが記載されている。
【0006】更に、J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 107
86-10787 には、シクロペンタジエン環にチオフェン環
またはピロール環を縮合させたヘテロ原子含有シクロア
ルカジエンを2価の架橋基を介して結合させ、遷移金属
原子に配位させたメタロセン化合物が開示されている。
【0007】また、特表平9−510745号公報に
は、エラストメリックポリオレフィンであるステレオブ
ロックポリプロピレンを製造することのできる非架橋型
インデニル錯体の代表的なものとして、ビス(2−フェ
ニルインデニル)ジルコニウムジクロライドが記載され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、ゴム弾性を有す
るエラストメリックポリオレフィンが注目され、新規な
エラストメリックポリオレフィンを効率良く製造するこ
とのできる触媒が求められているが、上述の触媒はそれ
らの要求を十分満足できるものではなかった。本発明の
課題は、特に高い耐熱性を有するエラストメリックポリ
オレフィンを効率よく製造することのできる触媒を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、2つのインデニル配位子を有するメタロ
セン錯体において、該インデニル配位子の好ましくは特
定の位置をヘテロ芳香族基で置換した構造を有するメタ
ロセン化合物がこれを触媒成分として用いた際に、エラ
ストメリックポリオレフィンを効率良く製造することが
でき、特にインデニル配位子の2−位の位置をフリル基
で置換した構造を有するメタロセン化合物を触媒成分と
して用いた際に、高い耐熱性を有するエラストメリック
ポリオレフィンを効率よく製造することができることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】本発明は、下記一般式(1)
【化2】 [式中、Mは周期律表のランタノイド系列およびアクチ
ノイド系列を含む3族、4族または5族に属する遷移金
属原子を表し、各Raは独立して酸素原子、硫黄原子お
よび窒素原子よりなる群から選択されたヘテロ原子を含
有する単環式または多環式のヘテロ芳香族基を表し、各
1は独立して、ハロゲン原子、炭素数1ないし20の
炭化水素基、炭素数1ないし20のハロゲン化炭化水素
基、前記炭化水素基もしくは前記ハロゲン化炭化水素基
で置換されたシリル基、前記炭化水素基で置換されたア
ミノ基、または単環式もしくは多環式のアミノ基を表
し、隣接するR1同士は結合して、炭素数6ないし8の
環を形成していてもよく、pおよびqはそれぞれ独立し
て1ないし7の整数であり、nおよびlはそれぞれ独立
して0、または1ないし6の整数であり、Xはそれぞれ
独立して、ハロゲン原子、炭素数1ないし20の炭化水
素基、炭素数1ないし20のハロゲン化炭化水素基、ま
たは前記炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素基で置
換されたシリル基を表す]によって表されるインデニル
配位子を有するメタロセン化合物、および該メタロセン
化合物を含むオレフィン重合用触媒に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のメタロセン化合物を表す
上記一般式(1)において、Mは周期律表のランタノイ
ド系列およびアクチノイド系列を含む3族、4族または
5族に属する遷移金属原子を表し、好ましくはチタン、
ジルコニウムまたはハフニウムである。
【0012】各Raは独立して、インデニル配位子の5
員環または6員環に結合する、酸素原子、硫黄原子およ
び窒素原子よりなる群から選択されたヘテロ原子を含有
する単環式または多環式のヘテロ芳香族基を表し、例え
ば、酸素原子を含有する単環式または多環式の芳香族基
としては、フリル基やベンゾフリル基が例示でき、フリ
ル基としては、2−フリル基、3−フリル基などを挙げ
ることができる。
【0013】また、硫黄原子を含有する単環式または多
環式の芳香族基としては、チエニル基やベンゾチエニル
基が例示でき、チエニル基としては、2−チエニル基、
3−チエニル基などを挙げることができる。
【0014】窒素原子を含有する単環式または多環式の
芳香族基としては、ピロリル基、ピリジル基、インドリ
ル基およびキノリル基が例示でき、ピロリル基として
は、1−ピロリル基、2−ピロリル基および3−ピロリ
ル基を、ピリジル基としては、2−ピリジル基、3−ピ
リジル基および4−ピリジル基を、インドリル基として
は、1−インドリル基、3−インドリル基を、そしてキ
ノリル基としては、1−キノリル基、3−キノリル基を
挙げることができる。
【0015】ヘテロ芳香族基Raは、アルキル基、アリ
ール基、アラルキル基、アルコキシ基、置換シリル基お
よびハロゲン原子のような置換基により置換されていて
もよく、さらに隣接する置換基同士は結合して縮合環を
形成していてもよい。これらの置換基の代表的な例とし
ては、メチル、エチル、t−ブチル、フェニル、ビニ
ル、メトキシ、トリメチルシリル、ビニルジメチルシリ
ル、フェニルジメチルシリル、メトキシジメチルシリ
ル、フルオロなどを挙げることができる。縮合環の代表
的な例にはベンゾ環がある。
【0016】好ましいヘテロ芳香族基は、2−フリル
基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、
2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−ピリジル基、3
−ピリジル基、4−ピリジル基、ベンゾフリル基、ベン
ゾチエニル基、3−インドリル基、1−キノリル基、3
−キノリル基である。更に好ましくはフリル基であり、
特に好ましくは2−フリル基である。
【0017】非置換または置換2−フリル基としては、
2−フリル、2−(5−メチル)フリル、2−(5−t
−ブチル)フリル、2−(5−トリメチルシリル)フリ
ル、2−(5−フェニル)フリル、2−(5−ビニルジ
メチルシリル)フリル、2−(4,5−ベンゾフリ
ル)、2−(4,5−ジメチル)フリルおよび2−(5
−フルオロ)フリルを挙げることができる。高い耐熱性
を有するエラストメリックポリオレフィンを製造するた
めには、これらヘテロ芳香族基の少なくとも1つがイン
デニル配位子の5員環に結合しているのが好ましい。ま
た、ヘテロ芳香族基はインデニル配位子の2−位に結合
しているのがさらに好ましい。
【0018】本発明の好ましいメタロセン化合物は、ヘ
テロ芳香族基Raの2つがフリル基であり、各フリル基
が2つのインデニル配位子の2−位に結合している一般
式(1)の化合物である。
【0019】本発明のさらに好ましいメタロセン化合物
は、ヘテロ芳香族基Raの2つがフリル基であり、各フ
リル基が置換基を有しさらに2つのインデニル配位子の
2−位に結合している一般式(1)の化合物である。さ
らに、立体規則性の高いオレフィン重合体を得るために
好ましいメタロセン化合物は、置換基がフリル基の5−
位に結合しているものである。特に好ましいメタロセン
化合物は、2つのインデニル配位子の2−位に結合して
いる各フリル基がその5−位に置換基を有しているもの
である。かかる置換基の代表的な例としては、アルキル
基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、置換シ
リル基およびハロゲン原子を挙げることができる。具体
的には、メチル基、エチル基、t−ブチル基、フェニル
基、ビニル基、メトキシ基、トリメチルシリル基、ビニ
ルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メト
キシジメチルシリル基およびフルオロ基などを挙げるこ
とができる。さらに、隣接する置換基同士は結合して縮
合環を形成してもよく、その代表的な例にはベンゾ環が
ある。
【0020】フリル基の5−位に置換基が結合している
特に好ましいフリル基として、2−(5−メチル)フリ
ル、2−(5−t−ブチル)フリル、2−(5−フェニ
ル)フリル、2−(5−トリメチルシリル)フリル、2
−(5−ビニルジメチルシリル)フリル、2−(4,5
−ベンゾフリル)、2−(4,5−ジメチル)フリルお
よび2−(5−フルオロ)フリルを挙げることができ
る。
【0021】各R1は独立して、ハロゲン原子、炭素数
1ないし20の炭化水素基、炭素数1ないし20のハロ
ゲン化炭化水素基、前記炭化水素基もしくはハロゲン化
炭化水素基で置換されたシリル基、前記炭化水素基で置
換されたアミノ基、または単環式もしくは多環式のアミ
ノ基を表す。
【0022】前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
【0023】前記炭素数1ないし20の炭化水素基とし
ては、炭素数1ないし20のアルキル基、炭素数6ない
し20のアリール基、炭素数7ないし20のアラルキル
基、炭素数1ないし20のアルコキシ基、炭素数6ない
し20のアリールオキシ基、または炭素数7ないし20
のアラルキルオキシ基を挙げることができる。
【0024】前記炭素数1ないし20のアルキル基とし
ては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチ
ル基、s−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、
デシル基、ドデシル基、オクタデシル基などの直鎖また
は分岐を有する鎖状アルキル基、前記鎖状アルキル基で
置換されていてもよいシクロプロピル基、シクロヘプチ
ル基、シクロヘキシル基などの環状アルキル基を挙げる
ことができる。
【0025】前記炭素数6ないし20のアリール基とし
ては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基
など、および前記アルキル基などでさらに置換されたト
リル基、キシリル基、トリメチルフェニル基を挙げるこ
とができる。
【0026】前記炭素数7ないし20のアラルキル基と
しては、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、アン
スリルメチル基など、および前記アルキル基などでさら
に置換された(メチルフェニル)メチル基、(ジメチル
フェニル)メチル基、(トリメチルフェニル)メチル
基、(エチルフェニル)メチル基、(プロピルフェニ
ル)メチル基、(ブチルフェニル)メチル基などを挙げ
ることができる。
【0027】前記炭素数1ないし20のアルコキシ基と
しては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、
ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などの前記
アルキル基を有する鎖状および環状のアルコキシ基を挙
げることができる。
【0028】前記炭素数6ないし20のアリールオキシ
基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ
基、アンスリルオキシ基などの前記アリール基を有する
無置換または置換アリールオキシ基を挙げることができ
る。
【0029】前記炭素数7ないし20のアラルキルオキ
シ基としては、例えば、ベンジルオキシ基などの前記ア
ラルキル基を有するアラルキルオキシ基を挙げることが
できる。
【0030】炭素数1ないし20のハロゲン化炭化水素
基としては、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリー
ル基、ハロゲン化アラルキル基、ハロゲン化アルコキシ
基、ハロゲン化アリールオキシ基、及びハロゲン化アラ
ルキルオキシ基など、例えば、モノクロルメチル、ジク
ロルメチル、トリクロルメチル、パーフルオロエチル、
モノクロルフェニル、ジフルオロフェニル、モノクロル
ベンジルなどを挙げることができる。
【0031】前記炭化水素基で置換されたシリル基とし
ては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル
基、トリフェニルシリル基、トリベンジルシリル基、ト
リエトキシシリル基、ジメチル−フェノキシ−シリル基
などの前記炭化水素基によって3置換されたシリル基を
挙げることができ、また、前記ハロゲン化炭化水素基で
置換されたシリル基としては、(トリフルオロメチル)
ジメチルシリル基、(フルオロフェニル)ジメチルシリ
ル基、(クロロメチル)ジメチルシリル基などを挙げる
ことができる。
【0032】また、前記炭化水素基で置換されたアミノ
基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミ
ノ基、メチルエチルアミノ基などの前記炭化水素基によ
り2置換されたアミノ基を挙げることができる。また、
前記単環式のアミノ基としては、飽和もしくは不飽和で
あってもよく、例えば、1−ピロリジル基、1−ピロリ
ル基を挙げることができ、更に前記多環式のアミノ基と
しては、飽和もしくは不飽和であってもよく、例えば、
1−インドリル基を挙げることができる。
【0033】また、本発明のメタロセン化合物におい
て、インデニル基上の置換基R1が、アリール基あるい
はベンゾ基であることが、より高分子量のオレフィン重
合体を得ることができる点で好ましい。本発明のメタロ
セン化合物は、特に、インデニル基上の4−位の位置
に、アリール基あるいはベンゾ基が導入されていること
が好ましい。このような置換基として、4−フェニル
基、4−ナフチル基、4,5−ベンゾ基などを例示する
ことができる。
【0034】前記pおよびqは、前記Raの数を表し、
それぞれ独立して1ないし7の整数であり、好ましくは
1ないし3の整数である。
【0035】前記nおよびlは、前記R1の数を表し、
それぞれ独立して0または1ないし6のいずれかひとつ
の整数であり、好ましくは0または1ないし4のいずれ
かひとつの整数である。
【0036】前記Xはそれぞれ独立して、ハロゲン原
子、炭素数1ないし20の炭化水素基、炭素数1ないし
20のハロゲン化炭化水素基、または前記炭化水素基も
しくはハロゲン化炭化水素基で置換されたシリル基を表
し、それぞれは、前記R1で定義したものと同じ定義で
表されるが、XとR1とは互いに独立している。Xは、
好ましくはハロゲン原子、さらに好ましくは塩素原子で
ある。
【0037】本発明のメタロセン化合物の非限定的な例
として、ビス(2−(2−フリル)インデニル)ジルコ
ニウムジクロライド、ビス(2−(2−フリル)インデ
ニル)ジルコニウムジブロマイド、ビス(2−(2−フ
リル)インデニル)ジルコニウムメチルクロライド、ビ
ス(2−(2−フリル)インデニル)ジルコニウムジメ
チル、ビス(2−(2−フリル)インデニル)ジルコニ
ウムジフェニル、ビス(2−(2−(4,5−ベンゾフ
リル)インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス
(2−(2−チエニル)インデニル)ジルコニウムジク
ロライド、ビス(2−(N−ピロリル))インデニル)
ジルコニウムジクロライド、ビス(2−(2−ピリジ
ル)インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(2
−(2−ベンゾフリル)インデニル)ジルコニウムジク
ロライド、ビス(2−(2−インドリル)インデニル)
ジルコニウムジクロライド、ビス(2−(2−キノリ
ル)インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(2
−(2−フリル)−1−メチルインデニル)ジルコニウ
ムジクロライド、ビス(2−(2−フリル)−4−メチ
ルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(2−
(2−フリル)−4−フェニルインデニル)ジルコニウ
ムジクロライド、ビス(2−(2−フリル)−4−ナフ
チルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(2
−(2−フリル)−4,5−ベンゾインデニル)ジルコ
ニウムジクロライド、ビス(2−(2−フリル)シクロ
ペンタフェナンスリル)ジルコニウムジクロライド、ビ
ス(2−(2−フリル)−4−フェニル−7−メチル−
インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(2−
(2−(5−トリメチルシリル)フリル)インデニル)
ジルコニウムジクロライド、ビス(2−(2−(5−ビ
ニルジメチルシリル)フリル)インデニル)ジルコニウ
ムジクロライド、ビス(2−(2−(5−フェニル)フ
リル)インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス
(2−(2−(5−メチル)フリル)インデニル)ジル
コニウムジクロライド、ビス(2−(2−(4,5−ジ
メチル)フリル)インデニル)ジルコニウムジクロライ
ド、ビス(2−(2−(5−トリメチルシリル)フリ
ル)−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロラ
イド、ビス(2−(2−(5−トリメチルシリル)フリ
ル)−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロ
ライド、ビス(4−(2−フリル)−2−フェニルイン
デニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(4−(1−
ピロリル)−2−フェニルインデニル)ジルコニウムジ
クロライド、ビス(4−(1−インドリル)−2−フェ
ニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、
【0038】ビス(2−(2−フリル)インデニル)は
フニウムジクロライド、ビス(2−(2−フリル)イン
デニル)はフニウムジブロマイド、ビス(2−(2−フ
リル)インデニル)ハフニウムメチルクロライド、ビス
(2−(2−フリル)インデニル)ハフニウムジメチ
ル、ビス(2−(2−フリル)インデニル)ハフニウム
ジフェニル、ビス(2−(2−チエニル)インデニル)
ハフニウムジクロライド、ビス(2−(2−ピロリル)
インデニル)ハフニウムジクロライド、ビス(2−(2
−ピリジル)インデニル)ハフニウムジクロライド、ビ
ス(2−(2−ベンゾフリル)インデニル)ハフニウム
ジクロライド、ビス(2−(2−インドリル)インデニ
ル)ハフニウムジクロライド、ビス(2−(2−キノリ
ル)インデニル)ハフニウムジクロライド、ビス(2−
(2−フリル)−1−メチルインデニル)ハフニウムジ
クロライド、ビス(2−(2−フリル)−4−メチルイ
ンデニル)ハフニウムジクロライド、ビス(2−(2−
フリル)−4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロ
ライド、ビス(2−(2−フリル)−4−ナフチルイン
デニル)ハフニウムジクロライド、ビス(2−(2−フ
リル)−4,5−ベンゾインデニル)ハフニウムジクロ
ライド、ビス(2−(2−フリル)シクロペンタフェナ
ンスリル)ハフニウムジクロライド、
【0039】ビス(2−(2−フリル)インデニル)チ
タニウムジクロライド、ビス(2−(2−フリル)イン
デニル)チタニウムジブロマイド、ビス(2−(2−フ
リル)インデニル)チタニウムメチルクロライド、ビス
(2−(2−フリル)インデニル)チタニウムジメチ
ル、ビス(2−(2−フリル)インデニル)チタニウム
ジフェニル、ビス(2−(2−チエニル)インデニル)
チタニウムジクロライド、ビス(2−(2−ピロリル)
インデニル)チタニウムジクロライド、ビス(2−(2
−ピリジル)インデニル)チタニウムジクロライド、ビ
ス(2−(2−ベンゾフリル)インデニル)チタニウム
ジクロライド、ビス(2−(2−インドリル)インデニ
ル)チタニウムジクロライド、ビス(2−(2−キノリ
ル)インデニル)チタニウムジクロライド、ビス(2−
(2−フリル)−1−メチルインデニル)チタニウムジ
クロライド、ビス(2−(2−フリル)−4−メチルイ
ンデニル)チタニウムジクロライド、ビス(2−(2−
フリル)−4−フェニルインデニル)チタニウムジクロ
ライド、ビス(2−(2−フリル)−4−ナフチルイン
デニル)チタニウムジクロライド、ビス(2−(2−フ
リル)−4,5−ベンゾインデニル)チタニウムジクロ
ライド、ビス(2−(2−フリル)シクロペンタフェナ
ンスリル)チタニウムジクロライド、ビス(2−(2−
(5−フルオロ)フリル)インデニル)ジルコニウムジ
クロライド、ビス(2−(2−(5−フルオロ)フリ
ル)−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロ
ライド、ビス(2−(2−(5−フルオロ)フリル)−
4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、
ビス(2−(2−(5−フルオロ)フリル)シクロペン
タフェナンスリル)ジルコニウムジクロライド、ビス
(2−(2−(5−メチル)フリル)シクロペンタフェ
ナンスリル)ジルコニウムジクロライド、ビス(2−
(2−(5−トリメチルシリル)フリル)シクロペンタ
フェナンスリル)ジルコニウムジクロライド、ビス(2
−(2−(5−フェニル)フリル)シクロペンタフェナ
ンスリル)ジルコニウムジクロライド、ビス(2−(2
−(5−フルオロ)フリル)シクロペンタフェナンスリ
ル)ジルコニウムジクロライド、ビス(2−(2−ベン
ゾフリル)シクロペンタフェナンスリル)ジルコニウム
ジクロライド、(2−(2−(5−メチル)フリル)シ
クロペンタフェナンスリル)(2−(2−(5−メチ
ル)フリル)インデニル)ジルコニウムジクロライド、
ビス(2−(2−(5−メチル)フリル)−5,6−ビ
ス(トリメチルシリル)インデニル)ジルコニウムジク
ロライド、ビス(2−(2−(5−メチル)フリル)−
5,6−ビス(トリメチルシリル)インデニル)ハフニ
ウムジクロライドなどを挙げることができる。
【0040】配位子の合成法としては既知の方法を用い
ることができ、例えば「Tetrahedron Letters, 35, 4,
633-636, (1994)」には、2−フリルインデン、2−チ
エニルインデンが記載されている。また、ヘテロ芳香族
基置換インデンの合成法としては、ハロゲン化したイン
デンと、芳香族ヘテロ環化合物のボロン酸誘導体を触媒
の存在下クロスカップリングする方法もある。たとえ
ば、2−(2−フリル)インデンの合成法は2−ブロモ
インデンと2−フリルボロン酸を塩基の存在下でPd金
属触媒にてクロスカップリングさせることにより合成す
ることができる。
【0041】本発明の上記一般式(1)で表されるメタ
ロセン化合物の代表的な合成経路は以下の如く略記でき
るが、これに限定されるものではない。 [1] RaR1-C96 + n−BuLi → Li(RaR1-C95) +C410 [2] 2 Li(RaR1-C95) + MX4 → (RaR1-C95)2MX2 + 2 L iX すなわち、ヘテロ芳香族基で置換されたインデンを金属
塩型塩基でアニオン化する工程[1]、更にアニオン化
された置換インデンを例えばハロゲン化金属化合物と反
応させる工程[2]を経て、一般式(1)で示されるメ
タロセン化合物を得る。
【0042】前記の工程[1]において、ヘテロ芳香族
基で置換されたインデンのアニオン化に使用される金属
塩型塩基としては、たとえば、メチルリチウム、n−ブ
チルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウ
ム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ム、水素化カルシウム、リチウムジイソプロピルアミ
ド、t−ブチルオキシカリウム、メチルマグネシウムイ
オジド、エチルマグネシウムイオジド、フェニルマグネ
シウムブロミド、t−ブチルマグネシウムブロミドなど
が挙げられる。
【0043】ヘテロ芳香族基で置換されたインデンのア
ニオン化反応は、前記金属塩型塩基にアミン化合物、た
とえば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルア
ミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、ter
t−ブチルアミン、アニリン、エチレンジアミンなどの
第1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジn
−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチ
ルアミン、ジtert−ブチルアミン、ピロリジン、ヘ
キサメチルジシラザン、ジフェニルアミンなどの第2級
アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn
−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリn−
ブチルアミン、トリtert−ブチルアミン、トリフェ
ニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N,N′
N′−テトラメチルエチレンジアミン、N−メチルピロ
リジン、4−ジメチルアミノピリジンなどの第3級アミ
ンを共存させて行うことができる。
【0044】前記のインデンのアニオン化反応は、通
常、有機溶媒中において、−100℃以上であって、か
つ使用した溶媒の沸点以下の温度、好ましくは−70℃
ないし100℃の温度で行われる。
【0045】反応に用いられる有機溶媒は、原料化合物
または反応生成物と反応せず、またそれらを分解しなけ
れば、特に制限なく使用できるが、好ましくはエーテル
類、ハロゲン化炭化水素、または芳香族化合物が使用で
きる。エーテル類としては、ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエ
タンなどの比較的低分子のエーテル類が好ましい。ハロ
ゲン炭化水素としては、ジクロロメタンが好ましい。芳
香族化合物としては、トルエン、アニソール、キシレン
が好ましい。また、これらの2種以上の混合溶媒を併用
することもできる。
【0046】前記の工程[2]において、アニオン化さ
れた置換インデンと反応させるハロゲン化金属化合物と
しては、たとえば、チタニウムテトラクロリド、チタニ
ウムテトラブロミド、チタニウムテトライオジド、チタ
ニウムテトラフルオリド、チタニウムトリクロリド、チ
タニウムトリブロミド、チタニウムトリイオジド、チタ
ニウムトリフルオリド、ジルコニウムテトラクロリド、
ジルコニウムテトラブロミド、ジルコニウムテトライオ
ジド、ジルコニウムテトラフルオリド、ハフニウムテト
ラクロリド、ハフニウムテトラブロミド、ハフニウムテ
トライオジド、ハフニウムテトラフルオリドなどの、テ
トラハロゲン化金属化合物、またはハロゲン原子の2個
までが前記炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基またはシ
リル基によって置換されたトリ−またはジ−ハロゲン化
金属化合物を挙げることができるが、好ましくはテトラ
ハロゲン化金属化合物である。
【0047】前記の工程[2]における反応後の反応液
から、メタロセン化合物を、常法により単離し精製して
取り出す。その精製には、必要に応じて、溶媒留去、適
切な溶剤による抽出、吸着、濾過、再結晶などを行うこ
とができ、通常は、目的物と不純物の溶媒への溶解度差
を利用して目的物を晶析させ、次いで再結晶を行うこと
などによって、さらに精製し、本発明のメタロセン化合
物を得ることができる。
【0048】本発明の一般式(1)で表されるメタロセ
ン化合物は、アルミノキサン、イオン性化合物、もしく
はイオン性化合物と有機アルミニウム化合物の混合物と
共に、オレフィンの重合に触媒として用いると、優れた
重合活性を示す。
【0049】前記アルミノキサンは、一般式(2)また
は一般式(3)で表される有機アルミニウム化合物もし
くはこれらの混合物である。
【化3】 [一般式(2)および(3)において、各R2、R3は、
それぞれ独立に水素原子または炭素数が1ないし20の
炭化水素基を示し、mは4ないし30の整数、rは6な
いし32の整数を示す]
【0050】各R2、R3において、炭素数が1ないし2
0の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基などのアルキル基、アリル基、2−メチ
ルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メ
チル−1−プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル
基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、およ
びアリール基を挙げることができるが、好ましくは炭素
数が1ないし6、さらに好ましくは炭素数が1ないし4
の炭化水素基である。
【0051】前記一般式(2)において、mは4ないし
30の整数であるが、好ましくは6ないし30の整数、
さらに好ましくは8ないし30の整数である。
【0052】前記一般式(3)において、rは6ないし
32の整数であるが、好ましくは8ないし32の整数、
さらに好ましくは10ないし32の整数である。
【0053】一般式(2)において少なくとも2つのR
2が同一の場合や、一般式(3)において少なくとも2
つのR3が同一の場合には、各R2とR3は独立してメチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、フェニル
基、ベンジル基などの炭化水素基であることが好まし
く、特にメチル基であることが好ましい。
【0054】一般式(2)において少なくとも1つのR
2が同一でない場合や、一般式(3)において少なくと
も1つのR3が同一でない場合は、R2およびR3は独立
して、メチル基と水素原子を含む組み合わせ、またはメ
チル基とイソブチル基を含む組み合わせであることが好
ましく、更に好ましいのはメチル基と水素原子のみから
なる組み合わせ、またはメチル基とイソブチル基のみか
らなる組み合わせである。R2及びR3がメチル基と水素
原子のみからなる組み合わせで構成されている場合に
は、メチル基と水素原子の総数の和に占める水素原子の
総数の割合が、0.01ないし60%の範囲であるのが
好ましく、また、R2及びR3がメチル基とイソブチル基
のみからなる組み合わせで構成されている場合には、メ
チル基とイソブチル基の総数の和に占めるイソブチル基
の総数の割合が、それぞれ独立に0.01ないし60%
の範囲であるのが好ましい。
【0055】上記のアルミノキサンは既知の種々の条件
下に調製することが可能である。例えば、[1]トリア
ルキルアルミニウムをトルエン、エーテル等の有機溶剤
を使用して直接水と反応させる方法、または、[2]ト
リアルキルアルミニウムと結晶水を有する塩類、例えば
硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物と反応させる方
法、または、[3]トリアルキルアルミニウムとシリカ
ゲル等に含浸させた水分と反応させる方法、または、
[4]トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミ
ニウムを混合し、トルエン、エーテルなどの有機溶剤を
使用して直接水と反応させる方法、または[5]トリメ
チルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合
し、結晶水を有する塩類、例えば硫酸銅水和物、硫酸ア
ルミニウム水和物と反応させる方法、または、[6]シ
リカゲル等に水分を含浸させ、トリイソブチルアルミニ
ウムを反応させた後、トリメチルアルミニウムを更に反
応させる方法、を挙げることができる。
【0056】前記のイオン性化合物は、下記一般式
(4)で表すことができる。 [C+][A-] 式(4) 上記一般式(4)において、[C+]はカチオン、
[A-]はアニオンを示す。
【0057】[C+]のカチオンとしては、活性プロト
ンを含有するものと、含有しないものとがある。活性プ
ロトンを含有するカチオンとしては、例えば、トリメチ
ルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピ
ルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N−ジ
メチルアニリニウム、N,N,2,4,5−ペンタメチルア
ニリニウム、トリフェニルホスホニウム、トリ(o−ト
リル)ホスホニウム、トリ(p−トリル)ホスホニウ
ム、トリ(メシチル)ホスホニウムなどで表されるブレ
ンステッド酸を挙げることができる。また、活性プロト
ンを含有しないカチオンとしては、例えば、カルボニウ
ム、オキソニウムまたはスルホニウムカチオンを挙げる
ことができる。
【0058】また、[A-]のアニオンとしては、例え
ば、[AlR4 -]、[BR4 -]、[PR6 -][Cl
4 -]を挙げることができる。なお、ここで、Rはメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチ
ル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチ
ル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、ベンジル
基、ナフチル基などのC1ないしC20の炭化水素基であ
り、さらに、これらのRには、C1ないしC10の炭化水
素基、またはハロゲンが置換基として導入されていても
よい。具体的には、メチルフェニル基、ジメチルフェニ
ル基、トリメチルフェニル基、ヘキサメチルフェニル
基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、ブチ
ルフェニル基、ペンチルフェニル基、クロロフェニル
基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ヘキ
サクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ブロモ
フェニル基、ジブロモフェニル基、トリブロモフェニル
基、ヘキサブロモフェニル基、ペンタブロモフェニル
基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリ
フルオロフェニル基、ヘキサフルオロフェニル基、ペン
タフルオロフェニル基などを挙げることができる。
【0059】本発明のメタロセン化合物を含むオレフィ
ン重合用触媒に、触媒成分として、イオン性化合物と共
に用いる有機アルミニウム化合物は、下記一般式(5)
で表すことができる。 R4 SAlY3-S 式(5) 上記一般式(5)において、R4は炭素数3ないし12
の炭化水素基を示し、Yは水素原子またはハロゲン原子
を示し、sは1ないし3の整数を示す。
【0060】前記R4としては、例えば、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基などのアルキル基、ア
ルケニル基を挙げることができる。
【0061】また、前記Yにおいて、ハロゲン原子とし
ては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を挙げ
ることができる。
【0062】本発明の触媒は、メタロセン化合物とアル
ミノキサンとを含む場合、その組成は、メタロセン化合
物中の遷移金属原子1モルに対してアルミノキサン中の
アルミニウム原子が10〜100000モル、好ましく
は50〜50000モル、特に好ましくは100〜30
000モルの割合となる範囲で使用されるのが好まし
い。
【0063】本明細書において、用語「重合」は、単独
重合および共重合を包含する意味で使用される。したが
って、用語「オレフィン重合体」は、1種のオレフィン
の単独重合体、および2種以上のオレフィンの共重合体
を包含する。
【0064】本発明の触媒は、オレフィンの重合におい
て使用することができる。重合するオレフィンとして
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、1−デセ
ン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセ
ン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の直鎖α−オ
レフィン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン、2−メチル−1−ペンテン等の分枝鎖α−オ
レフィンを挙げることができる。
【0065】また、本発明の触媒を用いて、上記オレフ
ィンの2種類以上を含む混合物を重合することもでき
る。例えば、エチレン/プロピレン、プロピレン/1−
ブテンのような2種のオレフィンの混合物、エチレン/
プロピレン/1−ブテンのような3種のオレフィンの混
合物を重合することによって、ランダム共重合体を製造
することができる。
【0066】また、複数の重合ステップからなる多段重
合プロセスを採用し、各ステップにおいてフィードする
オレフィンの種類を変えることによって、例えば前記の
オレフィンの組み合わせによる2種以上のオレフィン単
位を含むブロック共重合体を製造することも可能であ
る。
【0067】また、前記オレフィンまたはそれらの2種
以上を含む混合物に、更にブタジエン、1,4−ヘキサ
ジエン、1,4−ペンタジエン、1,7−オクタジエン、
1,9−デカジエンなどのような共役および非共役ジエ
ン類、スチレン、シクロプロペン、シクロブテン、ノル
ボルネン、ジシクロペンタジエンなどのような環状オレ
フィン、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルな
どのような極性ビニルモノマーを含む混合物の重合に使
用することも可能である。
【0068】本発明のメタロセン化合物を含む触媒は、
オレフィンの液相重合法および気相重合法に用いること
ができる。
【0069】液相重合法の重合溶媒としては、ジルコニ
ウム化合物を溶解しうる炭化水素化合物であって、例え
ば、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレ
ン、p−キシレン、エチルベンゼン、ブチルベンゼン、
メシチレン、ナフタレンなどの芳香族系炭化水素を用い
ることができ、好ましく用いられるのは、トルエン、キ
シレンである。
【0070】また、使用する溶媒がメタロセン化合物を
溶解し得ない溶媒であっても、特公平7−96566号
公報に記載されているような、メタロセン化合物およ
び、アルミノキサン、イオン性化合物、もしくは、イオ
ン性化合物と有機アルミニウムとを、芳香族系炭化水素
中で予め混合し、少量のα−オレフィンと反応させて予
備活性化した触媒として用いる方法を採用すれば、該溶
媒中でもオレフィンの重合反応を行うことが可能であ
る。このようなメタロセン化合物を溶解し得ない溶媒と
しては、例えば、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキ
サン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オ
クタデカンなどの脂肪族系炭化水素、シクロペンタン、
メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタ
ンなどの脂環族系炭化水素、ガソリン、灯油、軽油など
の石油留分を挙げることができるが、特には、脂肪族系
炭化水素が好ましい。さらに、重合するオレフィン自体
を液化オレフィンとして溶媒に使用し、重合を行うこと
も可能である。
【0071】触媒の使用に際して、本発明のメタロセン
化合物は、アルミノキサンまたはイオン性化合物または
イオン性化合物と有機アルミニウム化合物の混合物と、
予め混合したのち反応系に供給してもよく、また、反応
系に上記触媒成分をそれぞれ別々に供給してもよい。
【0072】本発明のメタロセン化合物を用いてオレフ
ィンの重合を行う場合、反応系の重合温度には特に制限
はないが、好ましくは−50℃ないし150℃、特に好
ましくは−10℃ないし100℃の温度である。また、
重合圧力にも特に制限はないが、好ましくは大気圧ない
し7MPa、特に好ましくは0.2MPaないし5MP
aである。製造するオレフィン重合体の分子量は、公知
の手段、例えば、重合温度の選定あるいは水素の導入に
より調節することができる。
【0073】本発明のオレフィン重合用の触媒は、本発
明のメタロセン化合物を2種類以上任意の割合で含んで
いてもよい。また、本発明のオレフィン重合用の触媒
は、他の既存のオレフィン重合用の触媒と任意の割合で
併用してもよい。本発明のオレフィン重合用の触媒を加
えることにより、既存のオレフィン重合用触媒だけを用
いて得られるポリオレフィンを改質することができる。
特に本発明のオレフィン重合用の触媒に、任意の割合で
既存のメタロセン化合物を加えることによって種々の物
性を有するポリオレフィンを得ることも可能である。
【0074】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明は該実施例によって限定されるものでは
ない。実施例および比較例において使用する用語の定義
および測定方法は以下の通りである。 融点(Tm):DSC7型示差走査熱量分析計(パーキ
ン・エルマー社製)を用いてオレフィン重合体を室温か
ら30℃/分の昇温条件下230℃まで昇温し同温度に
て10分間保持後、−20℃/分にて−20℃まで降温
し、同温度にて10分間保持した後、20℃/分の昇温
条件下で融解時のピークを示す温度を融点とした。 分子量(Mw),分子量分布(Mw/Mn):ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果
に基づき算出した。すなわち、ポリマー濃度0.05重
量%のo−ジクロロベンゼン溶液を用いカラムは混合ポ
リスチレンゲルカラム(例えば東ソー(株)社製PSKg
el GMH6−HT)を使用し、135℃にて測定す
ることによって求める。測定装置としては、例えばウォ
ーターズ社製GPC−150Cが用いられる。 アイソタクチックペンタッド分率(mmmm):ポリマ
ー濃度20重量%のo−ジクロロベンゼン/臭化ベンゼ
ン=8/2重量比の溶液を用い、NMR測定装置(例え
ば JEOL−GX270、日本電子(株)製)を使用
し、67.20MHz,130℃の条件で13C核磁気共
鳴スペクトルの結果から算出した。 極限粘度([η]):ウベローデ型粘度計を用い、デカリ
ン溶液中135℃で測定した。
【0075】実施例1 [ビス(2−(2−フリル)インデニル)ジルコニウム
ジクロライドの合成]500mlのガラス製反応容器に、
2−(2−フリル)インデン 5.0g(0.028mol)
とテトラヒドロフラン(THF)140mlを加えドライ
アイス−メタノールバスで−60℃に冷却した。ここに
1.57mol/Lのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液1
8ml(0.029mol)を滴下した。その後、室温まで昇
温した後、18時間攪拌し、赤褐色溶液を得た。減圧下
で該赤褐色溶液の溶媒を30ml程度になるまで濃縮した
のち、トルエン60mlを加えドライアイス−メタノール
バスで−15℃に冷却した。ここに、トルエン140ml
に懸濁させた四塩化ジルコニウム3.5g(0.015mo
l)を加えた。これを室温まで昇温した後、20時間攪
拌した。反応終了後、トルエンで再結晶を行いビス(2
−(2−フリル)インデニル)ジルコニウムジクロライ
ドの淡黄色結晶1.57g(収率21%)を得た。1H−
NMRを測定し構造を確認した。1 H−NMR(500MHz,CDCl3):δ6.55
(dd,2H)、6.57(dd,2H)、6.66
(s,4H)、7.13(dd,4H)、7.28(d
d,4H)、7.59(dd,2H)
【0076】実施例2 [ビス(2−(2−フリル)インデニル)ジルコニウム
ジクロライドを用いたプロピレンの重合]内容積1.5
Lの撹拌機付きステンレス製重合器を窒素ガスで置換し
た後、重合器内にトルエン1L、メチルアルミノキサン
−トルエン溶液(東ソーアクゾ社製、商品名:MMAO
type3A)のAl/Zr=10000となる量、
上記実施例1で得たビス(2−(2−フリル)インデニ
ル)ジルコニウムジクロライド(0.0069mmol)を
含むトルエン溶液3mlを順次添加し、30℃に昇温し
た。続いて、重合器内の圧力が0.3MPaを維持する
ようにプロピレンを連続的に導入し、1時間重合反応を
行った。重合終了後は未反応プロピレンを重合器内から
放出し、塩酸−メタノールに投入することによって触媒
成分を分解した。析出したポリプロピレンを洗浄、減圧
乾燥を行い、エラストメリックポリプロピレン8.9g
を得た。ポリプロピレンの分析値を表1に示す。
【0077】実施例3 [ビス(2−(2−チエニル)インデニル)ジルコニウ
ムジクロライドの合成]500mlのガラス製反応容器
に、2−(2−チエニル)インデン 5.0g(0.02
5mol)とTHF140mlを加えドライアイス−メタノ
ールバスで−60℃に冷却した。ここに1.57mol/L
のn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液17ml(0.02
6mol)を滴下した。その後、室温まで昇温した後、1
8時間攪拌し、赤褐色溶液を得た。減圧下で該赤褐色溶
液の溶媒を30ml程度になるまで濃縮し、トルエン60
mlを加えドライアイス−メタノールバスで−15℃に冷
却した。ここに、トルエン140mlに懸濁させた四塩化
ジルコニウム3.5g(0.015mol)を加えた。室温
まで昇温した後、20時間攪拌した。反応終了後、トル
エンで再結晶を行いビス(2−(2−チエニル)インデ
ニル)ジルコニウムジクロライドの淡黄色結晶1.13
g(収率16%)を得た。1H−NMRを測定し構造を
確認した。1 H−NMR(500MHz,CDCl3):δ6.58
(s,4H)、7.10−7.13(m,6H)、7.2
0−7.22(m,6H)、7.39(dd,2H)
【0078】実施例4 [ビス(2−(2−チエニル)インデニル)ジルコニウ
ムジクロライドを用いたプロピレンの重合]ビス(2−
(2−フリル)インデニル)ジルコニウムジクロライド
(0.0069mmol)を含むトルエン溶液3mlの代り
に、ビス(2−(2−チエニル)インデニル)ジルコニ
ウムジクロライド(0.0052mmol)を含むトルエン
溶液3mlを用いた他は実施例2と同様の方法で重合を行
った。その結果、エラストメリックポリプロピレン8.
9gを得た。得られたポリプロピレンの分析値を表1に
示す。
【0079】実施例5 [ビス(2−(2−(4,5−ベンゾフリル))インデ
ニル)ジルコニウムジクロライドの合成]500mlのガ
ラス製反応容器に、2−(2−(4,5−ベンゾフリ
ル))インデン 10.3g(0.044mol)とTHF2
50mlを加えドライアイス−メタノールバスで−60℃
に冷却した。ここに1.50mol/Lのn−ブチルリチウ
ム−ヘキサン溶液30ml(0.045mol)を滴下した。
その後、室温まで昇温した後、18時間攪拌し、赤橙色
溶液を得た。減圧下で該赤橙色溶液の溶媒を30ml程度
になるまで濃縮したのち、トルエン200mlを加えドラ
イアイス−メタノールバスで−70℃に冷却した。ここ
に、四塩化ジルコニウム5.1g(0.022mol)を加
えた。これを室温まで昇温した後、20時間攪拌した。
反応終了後、ジクロロメタン−ヘキサンで再結晶を行
い、ビス(2−(2−(4,5−ベンゾフリル))イン
デニル)ジルコニウムジクロライドの橙色結晶3.1g
(収率22%)を得た。1H−NMRを測定し構造を確
認した。1 H−NMR(90MHz,CDCl3):δ6.75
(s,2H)、6.91(s,4H)、7.05〜7.5
7(m,16H)
【0080】実施例6 [ビス(2−(2−(4,5−ベンゾフリル))インデ
ニル)ジルコニウムジクロライドを用いたプロピレンの
重合]ビス(2−(2−フリル)インデニル)ジルコニ
ウムジクロライド(0.0069mmol)を含むトルエン
溶液3mlの代わりに、 ビス(2−(2−(4,5−ベン
ゾフリル))インデニル)ジルコニウムジクロライド
(0.0062mmol)を含むトルエン溶液3mlを用いた
以外は、実施例2と同様の方法で重合を行った。その結
果、エラストメリックポリプロピレン12.1gを得
た。得られたポリプロピレンの分析値を表1に示す。
【0081】実施例7 [ビス(2−(2−フリル)−4−フエニルインデニ
ル)ジルコニウムジクロライドの合成]500mlのガラ
ス製反応容器に、2−(2−フリル)−4−フエニルイ
ンデン7.8g(0.030mol)とTHF150mlを加
えドライアイス−メタノールバスで−50℃に冷却し
た。ここに1.50mol/Lのn−ブチルリチウム−ヘキ
サン溶液20ml(0.030mol)を滴下した。その後、
室温まで昇温した後、18時間攪拌し、赤橙色溶液を得
た。減圧下で赤橙色溶液の溶媒を30ml程度になるまで
濃縮し、トルエン250mlを加えドライアイス−メタノ
ールバスで−70℃に冷却した。ここに、四塩化ジルコ
ニウム3.5g(0.015mol)を加えた。室温まで昇
温した後、20時間攪拌した。反応終了後、ジクロロメ
タン−ヘキサンで再結晶を行いビス(2−(2−フリ
ル)−4−フエニルインデニル)ジルコニウムジクロラ
イドの2種類の異性体(A,B)を得た(異性体A:橙
色結晶,0.68g,収率7%、異性体B:淡橙色針状
結晶,0.55g,収率5%)。1H−NMRを測定し構
造を確認した。1 H−NMR(500MHz,CDCl3): 異性体A:δ6.49(d,2H)、δ6.53(dd,
2H)、δ6.78(d,2H)、δ6.87(d,2
H)、δ6.99(d,2H)、δ6.99(dd,2
H)、δ7.23(d,2H)、δ7.37(t,2
H)、δ7.44(t,4H)、δ7.56(d,2
H)、δ7.61(d,4H) 異性体B:δ6.42(dd,2H)、δ6.52(d,
2H)、δ6.67(d,2H)、δ6.73(d,2
H)、δ7.14〜7.26(m,6H)、δ7.34〜
7.48(m,12H)
【0082】実施例8 [ビス(2−(2−フリル)−4−フェニルインデニ
ル)ジルコニウムジクロライドを用いたプロピレンの重
合]ビス(2−(2−フリル)インデニル)ジルコニウ
ムジクロライド(0.0069mmol)を含むトルエン溶
液3mlの代りに、ビス(2−(2−フリル)−4−フェ
ニルインデニル)ジルコニウムジクロライドの異性体A
(0.0010mmol)および異性体B(0.056mmol)
を含むトルエン溶液3mlをそれぞれ用いた他は実施例2
と同様の方法で重合を行った。その結果、エラストメリ
ックポリプロピレンを1.4g、0.7g得た。得られた
ポリプロピレンの分析値を表1に示す。
【0083】実施例9 [ビス(2−(2−(5-メチル)フリル)インデニ
ル)ジルコニウムジクロライドの合成]500mlのガラ
ス製反応容器に、2−(2−(5−メチル)フリル)イ
ンデン7.8g(0.030mol)とジエチルエーテル1
50mlを加えドライアイス−メタノールバスで−50℃
に冷却した。ここに1.50mol/Lのn−ブチルリチウ
ム−ヘキサン溶液17ml(0.026mol)を滴下した。
その後、徐々に室温まで昇温しながら18時間攪拌し、
赤橙色溶液を得た。減圧下で赤橙色溶液の溶媒を30ml
程度になるまで濃縮し、トルエン200mlを加えドライ
アイス−メタノールバスで−70℃に冷却した。ここ
に、四塩化ジルコニウム3.0g(0.013mol)を加
えた。その後、徐々に室温まで昇温しながら20時間攪
拌した。反応終了後、ジクロロメタン−ヘキサンで再結
晶を行いビス(2−(2−(5−メチル)フリル)イン
デニル)ジルコニウムジクロライドの橙色結晶1.7g
(収率24%)を得た。1H−NMRを測定し構造を確
認した。1 H−NMR(500MHz,CDCl3):δ2.48
(s,6H)、δ6.13(d,2H)、δ6.45
(d,2H)、δ6.59(s,4H)、δ7.11(d
d,4H)、δ7.27(dd,4H)
【0084】実施例10 [ビス(2−(2−(5−メチル)フリル)インデニ
ル)ジルコニウムジクロライドを用いたプロピレンの重
合]内容積1.5Lの撹拌機付きステンレス製重合器を
窒素ガスで置換した後、重合器内にトルエン1L、メチ
ルアルミノキサン−トルエン溶液(東ソーアクゾ社製、
商品名:MMAO type3A)のAl/Zr=10
000となる量、上記実施例9で得たビス(2−(2−
(5−メチル)フリル)インデニル)ジルコニウムジク
ロライド(0.0069mmol)を含むトルエン溶液3ml
を順次添加し、30℃に昇温した。続いて、重合器内の
圧力が0.3MPaを維持するようにプロピレンを連続
的に導入し、1時間重合反応を行った。重合終了後は未
反応プロピレンを重合器内から放出し、塩酸−メタノー
ルに投入することによって触媒成分を分解した。析出し
たポリプロピレンを洗浄、減圧乾燥を行い、エラストメ
リックポリプロピレン8.9gを得た。ポリプロピレン
の分析値を表1に示す。
【0085】実施例11 [ビス(2−(2−(5−メチル)フリル)シクロペン
タ(l)フェナンスリル)ジルコニウムジクロライドの合
成]500mlのガラス製反応容器に、2−(2−(5−
メチル)フリル)シクロペンタ(l)フェナンスレン 8.
7g(0.029mol)とTHF 200mlを加えドライ
アイス−メタノールバスで−70℃に冷却した。ここに
1.59mol/Lのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液1
8.5ml(0.029mol)を滴下した。その後、徐々に
室温まで昇温しながら18時間攪拌し、濃赤色溶液を得
た。減圧下で濃赤色溶液の溶媒を留去し、トルエン20
0mlを加えドライアイス−メタノールバスで−70℃に
冷却した。ここに、四塩化ジルコニウム3.4g(0.0
15mol)を加えた。その後、徐々に室温まで昇温しな
がら20時間攪拌した。反応終了後、ジクロロメタン−
ヘキサンで再結晶を行いビス(2−(2−(5−メチ
ル)フリル)シクロペンタ(l)フェナンスリル)ジルコ
ニウムジクロライドの黄色結晶1.9g(収率18%)
を得た。1H−NMRを測定し構造を確認した。1 H−NMR(500MHz,CDCl3):δ2.62
(s,6H)、δ6.34(d,2H)、δ6.57
(d,2H)、δ6.96(s,4H)、δ7.40
(t,4H)、δ7.49(t,4H)δ7.54(d,
4H)、δ8.41(d,4H)
【0086】比較例1 [ビス(2−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロ
ライドを用いたプロピレンの重合]ビス(2−フェニル
インデニル)ジルコニウムジクロライドを、特表平9−
510745号公報記載の方法に従い合成した。プロピ
レンの重合はビス(2−(2−フリル)インデニル)ジ
ルコニウムジクロライド(0.0069mmol)を含むト
ルエン溶液3mlの代りに、ビス(2−フェニルインデニ
ル)ジルコニウムジクロライド(0.0052mmol)を
含むトルエン溶液3mlを用いた他は実施例2と同様の方
法で重合を行った。その結果、エラストメリックポリプ
ロピレン6.6gを得た。ポリプロピレンの分析値を表
1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、新規なエラストメリッ
クポリオレフィンを効率よく得ることのできるメタロセ
ン化合物とそれを含む触媒を提供することができる。ま
た、特にインデニル配位子の2−位の位置にフリル基を
導入したメタロセン化合物を用いると、高い耐熱性を有
するエラストメリックポリオレフィンを製造することが
できる。また、さらに、フリル基の、好ましくは5−位
や、インデニル基の好ましくは4−位に置換基を導入し
たメタロセン化合物を用いると、高い立体規則性や、高
い分子量を有するポリオレフィンを製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 潮田 勉 千葉県市原市五井海岸5番地の1 チッソ 石油化学株式会社高分子研究所内 (72)発明者 三谷 清樹 千葉県市原市五井海岸5番地の1 チッソ 石油化学株式会社高分子研究所内 (72)発明者 山崎 博史 埼玉県所沢市松が丘2丁目41番10号 Fターム(参考) 4H050 AA01 AB40 WB11 WB21 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC10A AC28A BA00A BA01B BA02B BB00A BB00B BB01B BC12B BC15B BC16B BC17B BC25B BC27B BC39B EA01 EB02 EB03 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 EC01 EC02 FA02 FA04 GA01 GA04 GA06 GA14 GA19 GB01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される、インデニ
    ル配位子を有するメタロセン化合物。 【化1】 [式中、Mは周期律表のランタノイド系列およびアクチ
    ノイド系列を含む3族、4族または5族に属する遷移金
    属原子を表し、各Raは独立して酸素原子、硫黄原子お
    よび窒素原子よりなる群から選択されたヘテロ原子を含
    有する単環式または多環式のヘテロ芳香族基を表し、各
    1は独立して、ハロゲン原子、炭素数1ないし20の
    炭化水素基、炭素数1ないし20のハロゲン化炭化水素
    基、前記炭化水素基もしくは前記ハロゲン化炭化水素基
    で置換されたシリル基、前記炭化水素基で置換されたア
    ミノ基、または単環式もしくは多環式のアミノ基を表
    し、隣接するR1同士は結合して、炭素数6ないし8の
    を形成していてもよく、pおよびqはそれぞれ独立し
    て1ないし7の整数であり、nおよびlはそれぞれ独立
    して0、または1ないし6の整数であり、Xはそれぞれ
    独立して、ハロゲン原子、炭素数1ないし20の炭化水
    素基、炭素数1ないし20のハロゲン化炭化水素基、ま
    たは前記炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素基で置
    換されたシリル基を表す]
  2. 【請求項2】 Mがチタン、ジルコニウムまたはハフニ
    ウムである、請求項1記載のメタロセン化合物。
  3. 【請求項3】 Raの少なくとも1つが、インデニル配
    位子の5員環に結合している、請求項1または2記載の
    メタロセン化合物。
  4. 【請求項4】 Raの少なくとも1つが、インデニル配
    位子の2−位に結合している、請求項1または2記載の
    メタロセン化合物。
  5. 【請求項5】 各Raは独立して、フリル基、チエニル
    基、ピリジル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、
    キノリル基、ピロリル基およびインドリル基よりなる群
    から選択されたヘテロ芳香族基である、請求項1ないし
    4のいずれか1項に記載のメタロセン化合物。
  6. 【請求項6】 Raの2つがフリル基であり、そして各
    フリル基が2つのインデニル配位子の2−位に結合して
    いる、請求項1または2記載のメタロセン化合物。
  7. 【請求項7】 各R1は独立して、炭素数1ないし20
    のアルキル基、炭素数6ないし20のアリール基、炭素
    数7ないし20のアラルキル基、炭素数1ないし20の
    アルコキシ基、炭素数6ないし20のアリールオキシ基
    または炭素数7ないし20のアラルキルオキシ基であ
    る、請求項1または2記載のメタロセン化合物。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
    のメタロセン化合物と、アルミノキサン、イオン性化合
    物、およびイオン性化合物と有機アルミニウム化合物と
    の混合物からなる群から選択された触媒成分とを含んで
    いる、オレフィン重合用触媒。
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