JP2002036539A - 液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置

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JP2002036539A
JP2002036539A JP2000219452A JP2000219452A JP2002036539A JP 2002036539 A JP2002036539 A JP 2002036539A JP 2000219452 A JP2000219452 A JP 2000219452A JP 2000219452 A JP2000219452 A JP 2000219452A JP 2002036539 A JP2002036539 A JP 2002036539A
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chamber
plate
pressure generating
storage chamber
liquid storage
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JP2000219452A
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English (en)
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Takahiro Katakura
孝浩 片倉
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14419Manifold

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Reciprocating Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ダンパ部の耐インク性を向上させてピンホール
の発生等が少なくなる液体噴射装置を提供する。 【解決手段】ノズル開口3が穿設されたノズルプレート
17と、上記ノズル開口3に連通する圧力発生室2なら
びに上記圧力発生室2に供給するインクを貯留するイン
ク貯留室4に対応する空間が形成されて上記ノズルプレ
ート17に積層された流路形成部24と、上記流路形成
部24に積層されて開口を封止する振動板11と、上記
圧力発生室2に圧力を発生させる圧電振動子6と、上記
インク貯留室4の壁面の少なくとも一部を構成してイン
ク貯留室4内の圧力変動を吸収するダンパ板13とを備
え、上記ダンパ板13をセラミックスから形成したこと
により、ダンパ板13の耐インク性が飛躍的に向上し、
ピンホールの発生等がほとんどなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動子の振動
等によりノズル開口から液体滴を吐出させる液体噴射装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電振動子を用いた液体噴射装置(以下
の説明では、インクジェット式記録ヘッドに適用した例
を示し、「記録ヘッド」という)は、一般に、図9に示
すように、上面に圧電振動子6が貼着され、上記圧電振
動子6に対応する圧力発生室2が形成されたアクチュエ
ータユニット1と、ノズル開口3およびインク貯留室4
が形成され上記アクチュエータユニット1の下面に貼着
された流路ユニット5とを備え、上記圧電振動子6の振
動により圧力発生室2に圧力を発生させ、ノズル開口3
からインク滴を吐出させるようになっている。
【0003】上記アクチュエータユニット1は、圧力発
生室2を形成する空間が形成された圧力発生室形成板1
0と、この圧力発生室形成板10の上面に位置して上記
空間の上面開口を塞ぐ振動板11と、上記圧力発生室形
成板10の下面に位置する連通穴形成板14とを備えて
いる。この連通穴形成板14には、インク貯留室4と圧
力発生室2を連通させる連通穴12と、圧力発生室2と
ノズル開口3を連通させる連通路8とが形成されてい
る。
【0004】上記アクチュエータユニット1には、その
振動板11の上面に、共通の下部電極19が形成されて
いる。そして、上記下部電極19の上面に、平板状の圧
電振動子6が形成され、上記圧電振動子6の上面には、
個別の上部電極20が形成されている。そして、上記下
部電極19および上部電極20を介して圧電振動子6に
駆動信号を入力するようになっている。
【0005】一方、上記流路ユニット5は、インク貯留
室4を形成する空間が形成されたインク貯留室形成板1
6と、ノズル開口3が穿設され、上記インク貯留室形成
板16の下面に位置するノズルプレート17と、上記イ
ンク貯留室形成板16の上面に位置する供給口形成板1
8とから構成されている。上記インク貯留室形成板16
には、圧力発生室2とノズル開口3を連通させる連通路
8が形成されている。また、上記供給口形成板18に
は、インク貯留室4から連通穴12を介して圧力発生室
2にインクを供給するインク供給口9が穿設されるとと
もに、圧力発生室2とノズル開口3を連通させる連通路
8が形成されている。
【0006】また、上記供給口形成板18には、そのイ
ンク貯留室4に対応する部分に、インク貯留室4内の圧
力変動を逃がすダンパ室7となる空間が形成されてい
る。そして、上記供給口形成板18とインク貯留室形成
板16との間には、上記ダンパ室7の開口を塞ぐダンパ
板13が挟まれている。
【0007】上記アクチュエータユニット1は、セラミ
ックスから形成された振動板11,圧力発生室形成板1
0,連通穴形成板14が積層され、一体的に焼成されて
形成されている。一方、上記流路ユニット5は、ステン
レス鋼から形成された供給口形成板18,ダンパ板1
3,インク貯留室形成板16,ノズルプレート17が、
接着剤層15を介して積層されている。そして、アクチ
ュエータユニット1と流路ユニット5とは、接着剤層1
5を介して接合されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記記
録ヘッドでは、インク貯留室4内の圧力変動を吸収する
ダンパ板13として極めて薄いステンレス鋼が用いられ
ているため、インクによって腐食や劣化が起こりやす
く、場合によってはピンホール等を発生するおそれがあ
る。また、ステンレス鋼製の部材とセラミックス製の部
材とが接着剤で貼り合わせられているため、貼り合わせ
の作業に労力を要するうえ、熱収縮率や線膨張係数の相
違により歪や剥離が発生するおそれがある。また、イン
クがステンレス鋼や接着剤と直接接触するため、例え
ば、ステンレス鋼に対してエッチング作用のあるインク
や、接着剤を溶出させるようなインクを用いることがで
きず、使用するインクの特性にどうしても制限があるの
が実情である。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、ダンパ部の耐液体性を向上させてピンホールの
発生等が少なくなる液体噴射装置の提供を第1の目的と
し、流路の耐液体性を向上させて使用する液体の種類を
選ばない液体噴射装置の提供を第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射装置は、ノズル開口が穿設された
ノズルプレートと、上記ノズル開口に連通する圧力発生
室ならびに上記圧力発生室に供給するインクを貯留する
液体貯留室に対応する空間が形成されて上記ノズルプレ
ートに積層された流路形成部と、上記流路形成部に積層
されて開口を封止する封止板と、上記圧力発生室に圧力
を発生させる圧力発生素子と、上記液体貯留室の壁面の
少なくとも一部を構成して液体貯留室内の圧力変動を吸
収するダンパ板とを備え、上記ダンパ板がセラミックス
から形成されていることを要旨とする。
【0011】すなわち、本発明の液体噴射装置は、液体
貯留室の壁面の少なくとも一部を構成して液体貯留室内
の圧力変動を吸収するダンパ板を備え、上記ダンパ板が
セラミックスから形成されている。このため、ダンパ板
の耐液体性が飛躍的に向上し、ピンホールの発生等がほ
とんどなくなる。
【0012】本発明の液体噴射装置において、上記流路
形成部,封止板,ノズルプレートがそれぞれセラミック
スから形成されている場合には、液体と接触する流路が
すべてセラミックスから形成されることとなり、流路の
耐液体性が向上する。したがって、使用する液体の種類
に制限を受けず、例えば、ステンレス鋼に対してエッチ
ング作用のある液体や、接着剤を溶出させるような特性
の液体でも使用が可能になる。
【0013】本発明の液体噴射装置において、上記流路
形成部,封止板,ノズルプレート,ダンパ板の積層体
が、接着層を介さずに一体的に形成されている場合に
は、貼り合わせの作業が不要になるうえ、熱収縮率や線
膨張係数の相違による歪の発生や剥離のおそれがない。
【0014】本発明の液体噴射装置において、上記流路
形成部が、圧力発生室に対応する空間が形成された圧力
発生室形成板と、液体貯留室に対応する空間ならびにノ
ズル開口と圧力発生室を連通させる連通路が形成された
液体貯留室形成板と、ノズル開口と圧力発生室を連通さ
せる連通路ならびに液体貯留室の液体を圧力発生室に供
給する供給口が形成された供給口形成板と、ノズル開口
と圧力発生室を連通させる連通路ならびに液体貯留室内
の圧力変動を逃がすダンパ室に対応する空間が形成され
たダンパ室形成板と、ノズル開口と圧力発生室を連通さ
せる連通路が形成されて上記ダンパ室形成板のダンパ室
に対応する開口を塞ぐダンパ板とが積層されている場合
には、積層構造であるため、グリーンシートの積層体を
焼成するセラミックス製品の製造に適している。
【0015】本発明の液体噴射装置において、ダンパ室
形成板が液体貯留室形成板よりノズルプレート側に存在
している場合には、仮にダンパ室を大きくしても液体流
路の引き回しに邪魔にならないことから、ダンパ室の容
積を大きくでき、液体貯留室内の圧力を有効に吸収しう
る。
【0016】本発明の液体噴射装置において、供給口形
成板の液体貯留室と対応する部分に、液体貯留室の一部
を形成する空間が形成されている場合には、液体貯留室
形成板だけでなく、供給口形成板にも液体貯留室となる
空間が設けられてスペースを有効活用することができ、
液体貯留室の容量にも余裕ができて流路抵抗が低減され
るとともに液体貯留室を介したクロストークも低減され
る。
【0017】本発明の液体噴射装置において、供給口形
成板および圧力発生室形成板の液体貯留室と対応する部
分に、液体貯留室の一部を形成する空間が形成されてい
る場合には、液体貯留室形成板だけでなく、供給口形成
板や圧力発生室形成板にも液体貯留室となる空間が設け
られてスペースを有効活用することができ、液体貯留室
の容量にも余裕ができて流路抵抗が低減されるとともに
液体貯留室を介したクロストークも低減される。
【0018】本発明の液体噴射装置において、上記流路
形成部が、圧力発生室に対応する空間が形成された圧力
発生室形成板と、液体貯留室に対応する空間ならびにノ
ズル開口と圧力発生室を連通させる連通路が形成された
液体貯留室形成板と、ノズル開口と圧力発生室を連通さ
せる連通路ならびに液体貯留室の液体を圧力発生室に供
給する供給口が形成された供給口形成板と、ノズル開口
と圧力発生室を連通させる連通路および液体貯留室と圧
力発生室を連通させる連通穴ならびに液体貯留室内の圧
力変動を逃がすダンパ室に対応する空間が形成されたダ
ンパ室形成板と、ノズル開口と圧力発生室を連通させる
連通路が形成されて上記ダンパ室形成板のダンパ室に対
応する開口を塞ぐダンパ板とが積層されている場合に
は、積層構造であるため、グリーンシートの積層体を焼
成するセラミックス製品の製造に適している。
【0019】本発明の液体噴射装置において、ダンパ室
形成板が液体貯留室形成板より圧力発生室側に存在して
いる場合には、ダンパ室を外気と連通させやすく、より
有効に液体貯留室内の圧力変動を吸収できる。
【0020】本発明の液体噴射装置において、上記流路
形成部が、圧力発生室に対応する空間が形成された圧力
発生室形成板と、液体貯留室に対応する空間ならびにノ
ズル開口と圧力発生室を連通させる連通路が形成された
液体貯留室形成板と、ノズル開口と圧力発生室を連通さ
せる連通路および液体貯留室の液体を圧力発生室に供給
する供給口ならびに液体貯留室内の圧力変動を逃がすダ
ンパ室に対応する空間が形成された供給口形成板と、ノ
ズル開口と圧力発生室を連通させる連通路ならびに圧力
発生室と液体貯留室を連通させる連通穴が形成されて上
記ダンパ室形成板のダンパ室に対応する開口を塞ぐダン
パ板とが積層されている場合には、積層構造であるた
め、グリーンシートの積層体を焼成するセラミックス製
品の製造に適している。
【0021】本発明の液体噴射装置において、上記流路
形成部が、圧力発生室に対応する空間が形成された圧力
発生室形成板と、液体貯留室に対応する空間ならびにノ
ズル開口と圧力発生室を連通させる連通路が形成された
液体貯留室形成板と、ノズル開口と圧力発生室を連通さ
せる連通路ならびに液体貯留室の液体を圧力発生室に供
給する供給口が形成された供給口形成板とが積層され、
上記圧力発生室形成板および供給口形成板の液体貯留室
と対応する部分に、液体貯留室の一部を形成するととも
に封止板まで達する空間が形成され、上記封止板がダン
パ板を兼ねている場合には、液体貯留室形成板だけでな
く、供給口形成板や圧力発生室形成板にも液体貯留室と
なる空間が設けられてスペースを有効活用するとがで
き、液体貯留室の容量にも余裕ができて流路抵抗が低減
されるとともに液体貯留室を介したクロストークも低減
される。しかも、ダンパ室を形成するダンパ室形成板が
不要となるうえ、ダンパ室のような閉じた空間で液体貯
留室内の圧力変動を吸収するのではないため、より有効
に液体貯留室内の圧力変動を吸収できる。
【0022】本発明の液体噴射装置において、圧力発生
室形成板と供給口形成板の間に、ノズル開口と圧力発生
室を連通させる連通路ならびに液体貯留室と圧力発生室
を連通させる連通穴が形成された連通穴形成板とが積層
されている場合には、圧力発生室と供給口との間に連通
穴が存在することから、圧力発生室内の圧力変動が液体
貯留室に伝わるのを緩和し、液体貯留室を介したクロス
トークが抑制される。
【0023】本発明の液体噴射装置において、上記圧力
発生素子が圧電振動子である場合には、圧力発生素子と
して圧電振動子を用いた液体噴射装置において、ダンパ
部のピンホールの発生を減少させたり、使用液体の制限
をなくすことができる。
【0024】本発明の液体噴射装置において、上記圧電
振動子が撓み振動モードの圧電振動子である場合には、
圧力発生素子として撓み振動モードの圧電振動子を用い
た液体噴射装置において、ダンパ部のピンホールの発生
を減少させたり、使用液体の制限をなくすことができ
る。
【0025】本発明の液体噴射装置において、上記圧力
発生素子が流路内の液体を加熱する加熱素子である場合
には、圧力発生素子として加熱素子を用いた液体噴射装
置において、ダンパ部のピンホールの発生を減少させた
り、使用液体の制限をなくすことができる。
【0026】本発明の液体噴射装置において、上記セラ
ミックスがジルコニアである場合には、入手しやすい材
料で、流路部の製造が比較的容易である。
【0027】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0028】図1および図2は、本発明の液体噴射装置
の一実施の形態を示す図である。この実施の形態では、
本発明の液体噴射装置をインクジェット式記録ヘッドに
適用した例を示している。この記録ヘッドは、ノズル開
口3が穿設されたノズルプレート17と、上記ノズル開
口3から吐出されるインクの流路が形成されて上記ノズ
ルプレート17の上に積層された流路形成部24と、上
記流路形成部24の上に積層された振動板(封止板)1
1とを備えている。
【0029】上記流路形成部24は、上記ノズル開口3
に連通する圧力発生室2が形成された圧力発生室形成板
10と、上記圧力発生室2に供給するインクが貯留され
るインク貯留室4に対応する空間が形成されたインク貯
留室形成板16と、上記インク貯留室4内の圧力変動を
吸収するダンパ室7が形成されたダンパ室形成板21と
を備えている。
【0030】また、上記流路形成部24は、圧力発生室
2の下部開口を塞ぐとともに、圧力発生室2とノズル開
口3とを連通させる連通路8ならびにインク貯留室4と
圧力発生室2とを連通させる連通穴12が穿設された連
通穴形成板14と、インク貯留室4に貯留されたインク
を圧力発生室2に供給するインク供給口9が穿設された
供給口形成板18とを備えている。
【0031】さらに、上記流路形成部24は、インク貯
留室形成板16とダンパ室形成板21との間に挟まれて
ダンパ室7の下部開口を塞ぎ、インク貯留室4内の圧力
変動をダンパ室7に逃がすことにより吸収するダンパ板
13を備えている。
【0032】そして、上記流路形成部24は、ノズルプ
レート17側から、インク貯留室形成板16,ダンパ板
13,ダンパ室形成板21,供給口形成板18,連通穴
形成板14,圧力発生室形成板10の順に積層されて構
成されている。ここで、上記インク貯留室形成板16,
ダンパ板13,ダンパ室形成板21,供給口形成板18
には、それぞれ、ノズル開口3と圧力発生室2とを連通
させる連通路8が穿設されている。また、ダンパ板1
3,ダンパ室形成板21には、それぞれ、インク貯留室
4と圧力発生室2を供給口9を介して連通させる連通穴
12が穿設されている。
【0033】一方、上記振動板11の上面には、櫛歯状
の下部電極19が形成されている。この下部電極19の
各櫛歯部19Aは、それぞれ圧力発生室2の上部を覆う
部分に形成されている。また、上記下部電極19の各櫛
歯部19A上面に、それぞれ平板状の圧電振動子6が形
成され、上記圧電振動子6の上面には、個別の上部電極
20が形成されている。上記上部電極20および下部電
極19を介して各圧電振動子6に駆動信号を印加するよ
うになっている。
【0034】そして、ノズルプレート17上に流路形成
部24が積層され、この流路形成部24上に、圧電振動
子6および上部電極20,下部電極20が形成された振
動板11が積層されている。
【0035】上記記録ヘッドにおいて、圧電振動子6に
駆動信号が印加されると、圧電振動子6が横方向に収縮
する。このとき、圧電振動子6の振動板11に固定され
た下面側は収縮せず、上面側だけが収縮するため、圧電
振動子6および振動板11が下方にたわみ、圧力発生室
2を圧縮する。そして、圧力発生室2内の圧力上昇によ
り、圧力発生室2内のインクがノズル開口3からインク
滴として吐出され、記録紙等にドットが形成されて印刷
が行われる。ついで、圧電振動子6が放電されて元の状
態に戻ると、圧力発生室2内が減圧され、インク貯留室
4からインク供給口9を通して圧力発生室2へ新しいイ
ンクが供給される。
【0036】上記記録ヘッドでは、ノズルプレート1
7、流路形成部24(インク貯留室形成板16,ダンパ
板13,ダンパ室形成板21,供給口形成板18,連通
穴形成板14,圧力発生室形成板10)、振動板11が
すべてセラミックスから形成されている。
【0037】上記のような記録ヘッドは、例えば、つぎ
のようにしてつくることができる。すなわち、まず、セ
ラミックスのグリーンシート成形体を準備し、上記グリ
ーンシート成形体を打ち抜いて、ノズルプレート17,
インク貯留室形成板16,ダンパ板13,ダンパ室形成
板21,供給口形成板18,連通穴形成板14,圧力発
生室形成板10,振動板11に対応する部分を形成す
る。このとき、インク貯留室4,ダンパ室7,インク供
給口9,圧力発生室2,連通路8,連通穴12にそれぞ
れ対応する空間を打ち抜き等で形成しておく。
【0038】そして、上記ノズルプレート17,インク
貯留室形成板16,ダンパ板13,ダンパ室形成板2
1,供給口形成板18,連通穴形成板14,圧力発生室
形成板10,振動板11に対応するグリーンシート成形
体を所定の順序で積層したのち焼成することにより、接
着剤を介することなくセラミックスで一体的に形成され
た記録ヘッドを得ることができる。
【0039】上記記録ヘッドを構成するセラミックス材
料としては、特に限定するものではなく、各種の材料を
用いることができる。例えば、炭化珪素,炭化チタン,
炭化クロム,炭化ニオブ,炭化バナジウム,炭化ジルコ
ニウム,炭化モリブデン,炭化ボロン等の各種炭化物、
酸化ジルコニウム(ジルコニア),酸化アルミニウム,
酸化マグネシウム,酸化珪素,酸化チタン,酸化ベリリ
ウム等の各種酸化物、窒化アルミニウム,窒化珪素,窒
化ベリリウム,窒化ボロン等の各種窒化物,ほう化ジル
コニウム,ほう化クロム,ほう化チタン等の各種ほう化
物、サイアロン等のような複合化合物等をあげることが
できる。これらは、単独でもしくは併せて用いられる。
【0040】上記記録ヘッドでは、ダンパ板13がセラ
ミックスから形成されているため、ダンパ板13の耐イ
ンク性が飛躍的に向上し、ピンホールの発生等がほとん
どなくなる。また、流路形成部24,振動板11,ノズ
ルプレート17がそれぞれセラミックスから形成されて
いるため、インクと接触する流路がすべてセラミックス
から形成されることとなり、流路の耐インク性が向上す
る。したがって、使用するインクの種類に制限を受け
ず、例えば、ステンレス鋼に対してエッチング作用のあ
るインクや、接着剤を溶出させるような特性のインクで
も使用が可能になる。
【0041】さらに、上記記録ヘッドでは、上記流路形
成部24,振動板11,ノズルプレート17の積層体
が、接着層を介さずに一体的に形成されているため、貼
り合わせの作業が不要になるうえ、熱収縮率や線膨張係
数の相違による歪の発生や剥離のおそれがない。さら
に、積層構造であるため、セラミックスのグリーンシー
ト成形体からの製造に適している。
【0042】また、ダンパ室形成板21がインク貯留室
形成板16より圧力発生室2側に存在しているため、ダ
ンパ室7を外気と連通させやすく、より有効にインク貯
留室4内の圧力変動を吸収できる。さらに、圧力発生室
2とインク供給口9との間に連通穴12が存在すること
から、圧力発生室2内の圧力変動がインク貯留室4に伝
わるのを緩和し、インク貯留室4を介したクロストーク
が抑制される。
【0043】図3は、本発明の第2の実施の形態の液体
噴射装置を示す。この記録ヘッドでは、連通穴形成板1
4がない。それ以外は、上記第1の実施の形態と同様で
あり、同様の部分には同じ符号を付している。この記録
ヘッドでは、記録ヘッドを構成するパーツが少なくてす
み、小型化やコスト面等で有利である。それ以外は、上
記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0044】図4は、本発明の第3の実施の形態の液体
噴射装置を示す。この記録ヘッドでは、連通穴形成板1
4およびダンパ室形成板21がなく、供給口形成板18
にダンパ室7になる空間が形成されている。それ以外
は、上記第1の実施の形態と同様であり、同様の部分に
は同じ符号を付している。この記録ヘッドでは、記録ヘ
ッドを構成するパーツが少なくてすみ、小型化やコスト
面等で有利である。それ以外は、上記第1の実施の形態
と同様の作用効果を奏する。
【0045】図5は、本発明の第4の実施の形態の液体
噴射装置を示す。この記録ヘッドでは、流路形成部24
を構成するパーツの積層順序が異なり、ノズルプレート
側から、ダンパ室形成板21,ダンパ板13,インク貯
留室形成板16,供給口形成板18,連通穴形成板1
4,圧力発生室形成板10の順に積層されている。それ
以外は、上記第1の実施の形態と同様であり、同様の部
分には同じ符号を付している。
【0046】この記録ヘッドでは、ダンパ室形成板21
がインク貯留室形成板16よりノズルプレート17側に
存在しているため、ダンパ室7を大きくしてもインク流
路の引き回しに邪魔にならないことから、インク貯留室
4内の圧力を有効に吸収しうる。それ以外は、上記第1
の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0047】図6は、本発明の第5の実施の形態の液体
噴射装置を示す。この記録ヘッドは、上記第4の実施の
形態と同様に流路形成部24を構成するパーツの積層順
序が異なっている。また、連通穴形成板14および供給
口形成板18のインク貯留室4と対応する部分に、イン
ク貯留室4の一部となる空間23が形成されている。そ
れ以外は、上記第4の実施の形態と同様であり、同様の
部分には同じ符号を付している。
【0048】この記録ヘッドでは、インク貯留室形成板
16だけでなく、供給口形成板18等にもインク貯留室
4となる空間が設けられてスペースを有効活用すること
ができ、インク貯留室4の容量にも余裕ができて流路抵
抗が低減されるとともにインク貯留室4を介したクロス
トークも低減される。それ以外は、上記第4の実施の形
態と同様の作用効果を奏する。
【0049】図7は、本発明の第6の実施の形態の液体
噴射装置を示す。この記録ヘッドは、上記第4の実施の
形態と同様に流路形成部24を構成するパーツの積層順
序が異なっているとともに、連通穴形成板14がない。
それ以外は、上記第4の実施の形態と同様であり、同様
の部分には同じ符号を付している。この記録ヘッドで
は、記録ヘッドを構成するパーツが少なくてすみ、小型
化やコスト面等で有利である。それ以外は、上記第4の
実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0050】図8は、本発明の第7の実施の形態の液体
噴射装置を示す。この記録ヘッドは、流路形成部24
が、ノズルプレート17側から、インク貯留室形成板1
6,連通穴形成板14,供給口形成板18,連通穴形成
板14,圧力発生室形成板10の順に積層されており、
ダンパ室形成板21およびダンパ板13がない。そし
て、連通穴形成板14,供給口形成板18,連通穴形成
板14,圧力発生室形成板10には、振動板11まで達
するようインク貯留室4の一部となる空間23が形成さ
れ、上記振動板11がダンパ板を兼ねている。
【0051】この記録ヘッドでは、ダンパ室7を形成す
るダンパ室形成板21が不要となるうえ、ダンパ室7の
ような閉じた空間でインク貯留室4内の圧力変動を吸収
するのではないため、より有効にインク貯留室4内の圧
力変動を吸収できる。
【0052】なお、上記各実施の形態では、本発明を撓
み振動モードの圧電振動子が用いられた液体噴射装置に
適用した例を示したが、これに限定するものではなく、
縦振動モードの圧電振動子が用いられた液体噴射装置に
適用することもできるし、圧力発生素子として流路内の
インクを加熱する加熱素子が用いられたいわゆるバブル
ジェット(登録商標)式の記録ヘッドに適用することも
可能である。
【0053】また、上記各実施の形態では、本発明の液
体噴射装置を、インクジェット式記録ヘッドに適用した
例をしめしたが、これに限定するものではなく、例え
ば、吐出する液体をガソリン等の燃料とし、内燃機関の
燃料噴射装置として用いることもできる。さらに、透明
基板上にマトリックス状に形成された透明電極の上に有
機発光層を形成する表示体の、有機発光層の形成等にも
応用することができる。このように、本発明の液体噴射
装置では、噴射する液体として各種の液体を適用するこ
とができ、各種の産業分野に応用することが可能であ
る。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明の液体噴射装置に
よれば、液体貯留室の壁面の少なくとも一部を構成して
液体貯留室内の圧力変動を吸収するダンパ板を備え、上
記ダンパ板がセラミックスから形成されているため、ダ
ンパ板の耐液体性が飛躍的に向上し、ピンホールの発生
等がほとんどなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射装置の一実施の形態を示す分
解斜視図である。
【図2】上記液体噴射装置の断面図である。
【図3】本発明の液体噴射装置の第2の実施の形態を示
す断面図である。
【図4】本発明の液体噴射装置の第3の実施の形態を示
す断面図である。
【図5】本発明の液体噴射装置の第4の実施の形態を示
す断面図である。
【図6】本発明の液体噴射装置の第5の実施の形態を示
す断面図である。
【図7】本発明の液体噴射装置の第6の実施の形態を示
す断面図である。
【図8】本発明の液体噴射装置の第7の実施の形態を示
す断面図である。
【図9】従来の液体噴射装置を示す断面図である。
【符号の説明】
2 圧力発生室 3 ノズル開口 4 インク貯留室 6 圧電振動子 11 振動板 13 ダンパ板 17 ノズルプレート 24 流路形成部

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口が穿設されたノズルプレート
    と、上記ノズル開口に連通する圧力発生室ならびに上記
    圧力発生室に供給する液体を貯留する液体貯留室に対応
    する空間が形成されて上記ノズルプレートに積層された
    流路形成部と、上記流路形成部に積層されて開口を封止
    する封止板と、上記圧力発生室に圧力を発生させる圧力
    発生素子と、上記液体貯留室の壁面の少なくとも一部を
    構成して液体貯留室内の圧力変動を吸収するダンパ板と
    を備え、上記ダンパ板がセラミックスから形成されてい
    ることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 【請求項2】 上記流路形成部,封止板,ノズルプレー
    トがそれぞれセラミックスから形成されている請求項1
    記載の液体噴射装置。
  3. 【請求項3】 上記流路形成部,封止板,ノズルプレー
    ト,ダンパ板の積層体が、接着層を介さずに一体的に形
    成されている請求項2記載の液体噴射装置。
  4. 【請求項4】 上記流路形成部が、圧力発生室に対応す
    る空間が形成された圧力発生室形成板と、液体貯留室に
    対応する空間ならびにノズル開口と圧力発生室を連通さ
    せる連通路が形成された液体貯留室形成板と、ノズル開
    口と圧力発生室を連通させる連通路ならびに液体貯留室
    の液体を圧力発生室に供給する供給口が形成された供給
    口形成板と、ノズル開口と圧力発生室を連通させる連通
    路ならびに液体貯留室内の圧力変動を逃がすダンパ室に
    対応する空間が形成されたダンパ室形成板と、ノズル開
    口と圧力発生室を連通させる連通路が形成されて上記ダ
    ンパ室形成板のダンパ室に対応する開口を塞ぐダンパ板
    とが積層されている請求項1〜3のいずれか一項に記載
    の液体噴射装置。
  5. 【請求項5】 ダンパ室形成板が液体貯留室形成板より
    ノズルプレート側に存在している請求項4記載の液体噴
    射装置。
  6. 【請求項6】 供給口形成板の液体貯留室と対応する部
    分に、液体貯留室の一部を形成する空間が形成されてい
    る請求項4または5記載の液体噴射装置。
  7. 【請求項7】 供給口形成板および圧力発生室形成板の
    液体貯留室と対応する部分に、液体貯留室の一部を形成
    する空間が形成されている請求項4〜6のいずれか一項
    に記載の液体噴射装置。
  8. 【請求項8】 上記流路形成部が、圧力発生室に対応す
    る空間が形成された圧力発生室形成板と、液体貯留室に
    対応する空間ならびにノズル開口と圧力発生室を連通さ
    せる連通路が形成された液体貯留室形成板と、ノズル開
    口と圧力発生室を連通させる連通路ならびに液体貯留室
    の液体を圧力発生室に供給する供給口が形成された供給
    口形成板と、ノズル開口と圧力発生室を連通させる連通
    路および液体貯留室と圧力発生室を連通させる連通穴な
    らびに液体貯留室内の圧力変動を逃がすダンパ室に対応
    する空間が形成されたダンパ室形成板と、ノズル開口と
    圧力発生室を連通させる連通路が形成されて上記ダンパ
    室形成板のダンパ室に対応する開口を塞ぐダンパ板とが
    積層されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の液
    体噴射装置。
  9. 【請求項9】 ダンパ室形成板が液体貯留室形成板より
    圧力発生室側に存在している請求項8記載の液体噴射装
    置。
  10. 【請求項10】 上記流路形成部が、圧力発生室に対応
    する空間が形成された圧力発生室形成板と、液体貯留室
    に対応する空間ならびにノズル開口と圧力発生室を連通
    させる連通路が形成された液体貯留室形成板と、ノズル
    開口と圧力発生室を連通させる連通路および液体貯留室
    の液体を圧力発生室に供給する供給口ならびに液体貯留
    室内の圧力変動を逃がすダンパ室に対応する空間が形成
    された供給口形成板と、ノズル開口と圧力発生室を連通
    させる連通路ならびに圧力発生室と液体貯留室を連通さ
    せる連通穴が形成されて上記ダンパ室形成板のダンパ室
    に対応する開口を塞ぐダンパ板とが積層されている請求
    項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  11. 【請求項11】 上記流路形成部が、圧力発生室に対応
    する空間が形成された圧力発生室形成板と、液体貯留室
    に対応する空間ならびにノズル開口と圧力発生室を連通
    させる連通路が形成された液体貯留室形成板と、ノズル
    開口と圧力発生室を連通させる連通路ならびに液体貯留
    室の液体を圧力発生室に供給する供給口が形成された供
    給口形成板とが積層され、上記圧力発生室形成板および
    供給口形成板の液体貯留室と対応する部分に、液体貯留
    室の一部を形成するとともに封止板まで達する空間が形
    成され、上記封止板がダンパ板を兼ねている請求項1〜
    3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  12. 【請求項12】 圧力発生室形成板と供給口形成板の間
    に、ノズル開口と圧力発生室を連通させる連通路ならび
    に液体貯留室と圧力発生室を連通させる連通穴が形成さ
    れた連通穴形成板とが積層されている請求項4〜11の
    いずれか一項に記載の液体噴射装置。
  13. 【請求項13】 上記圧力発生素子が圧電振動子である
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  14. 【請求項14】 上記圧電振動子が撓み振動モードの圧
    電振動子である請求項13記載の液体噴射装置。
  15. 【請求項15】 上記圧力発生素子が流路内の液体を加
    熱する加熱素子である請求項1〜12のいずれか一項に
    記載の液体噴射装置。
  16. 【請求項16】 上記セラミックスがジルコニアである
    請求項1〜15のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
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