JP2002036360A - フッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製造方法 - Google Patents
フッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製造方法Info
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Abstract
いフッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製造方法を提供す
ることである。 【構成】芯金10の外周に、ゴム弾性層12を一体的に
設けて、所定の外径を有するロール体14を形成する第
1の工程と、ロール体14の外周面に接着剤20を塗布
する第2の工程と、ロール体14の外周に、少なくとも
径方向に沿う弾性を有するフッ素樹脂製チューブ22を
緊密に被覆する第3の工程とロール体14の外径よりも
径小な口径を有する扱きリング36を、ロール体14の
外周に被覆されたフッ素樹脂製チューブ22の外周の一
端に嵌合させ、扱きリング36をロール体14の軸方向
に沿って他端に向けて移動させて、接着剤20をロール
体14とフッ素樹脂製チューブ22との間で扱く第4の
工程と、接着剤20を固化させる第5の工程とを具備す
ることを特徴としている。
Description
層上にフッ素樹脂製チューブを被覆した弾性ロールの製
造方法に関し、特に、電子写真装置用の定着装置に使用
される定着ロールの製造方法に関する。
おいては、芯金の周囲にゴム等の弾性体層を設け、この
弾性体層の外周にフッ素樹脂被覆を施した定着ロールが
用いられている。このようなゴム弾性層を有するロール
の外周面にフッ素樹脂を被覆する方法としては、以下の
ような方法が従来採用されていた。
周にフッ素樹脂の粉体又は液体の塗料を塗布し、この後
に焼成してフッ素樹脂被覆層を形成する方法が知られて
おり、また、第2の方法としては、ゴム弾性層の外周面
に接着剤を塗布し、この後にフッ素樹脂製の熱収縮性チ
ューブを被せ、ドライヤー等でこの熱収縮性チューブを
加熱して収縮せしめると共にゴム弾性層と接着させる方
法が知られている。
金型内に、予めフッ素樹脂製チューブと芯金とを同心的
に取り付けており、チューブと芯金との間にゴム材料を
注入して硬化させる方法が知られており、また、第4の
方法として、挿入パイプの内周面に予めフッ素樹脂製チ
ューブを取り付けておき、この中に、芯金の外周にゴム
弾性層を設けたロール体を圧入する方法が知られてい
る。
た第1の方法では、フッ素樹脂の焼成温度を例えば36
0℃以上というような高温とする必要があり、このよう
な高温に弾性層を構成するゴムがさらされることによ
り、ゴムが劣化してしまう問題点が指摘されている。
脂製チューブとして厚さの厚いもの、例えば、0.5m
m以上の厚さを有するものでないと、加熱したときの収
縮力が不足して、接着剤層の厚さが不均一となり、ロー
ルの外径精度が低下するという問題点や、ロール体とフ
ッ素樹脂製チューブとの間に空気が混入してしまう問題
点が指摘されている。
けてゴム材料の注入を行うために、ロールの両端の径に
差がついて金型に忠実な成形が難しかったり、フッ素樹
脂製チューブに皺が入りやすいという問題点や、クラウ
ン形状や逆クラウン形状のロールを得ようとすると、精
密加工した極めて高価な金型を用いなければならず、仮
にこのような高価な金型を用いたとしても、尚上述した
ような金型に忠実な成形が難しいという問題点が残るも
のである。
の圧入時にフッ素樹脂製チューブが無理に引っ張られ
て、部分的に伸びる状態が発生し、これにより、フッ素
樹脂製チューブの厚さが不均一になる問題点が指摘され
ている。
もので、この発明の主たる目的は、ゴムの劣化を招くよ
うな高温処理を必要としないフッ素樹脂製チューブ被覆
ロールの製造方法を提供することである。
樹脂製チューブを被覆することの出来るフッ素樹脂製チ
ューブ被覆ロールの製造方法を提供することである。
を使用せずに、高精度でクラウン形状や逆クラウン形状
のロールを容易に成形することが出来るフッ素樹脂製チ
ューブ被覆ロールの製造方法を提供することである。
脂製チューブの厚さを均一に維持した状態で成形するこ
とが出来るフッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製造方法
を提供することである。
目的を達成するため、この発明に係わるフッ素樹脂製チ
ューブ被覆ロールの製造方法は、請求項1の記載によれ
ば、所定の外径を有する被挿入体を用意する第1の工程
と、前記被挿入体の外周面に接着剤を塗布する第2の工
程と、前記被挿入体の外周に、少なくとも径方向に沿う
弾性を有するフッ素樹脂製チューブを緊密に被覆する第
3の工程と、前記被挿入体の外径よりも径小な口径を有
する扱きリングを、該被挿入体の外周に被覆された前記
フッ素樹脂製チューブの外周の一端に嵌合させ、該扱き
リングを該被挿入体の軸方向に沿って他端に向けて移動
させて、前記接着剤を該被挿入体と該フッ素樹脂製チュ
ーブとの間で扱く第4の工程と、前記接着剤を硬化させ
る第5の工程とを具備することを特徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項2の記載によれ
ば、少なくとも一端部に保護治具を取り外し自在に取り
付けた、所定の外径を有する被挿入体を用意する第1の
工程と、前記被挿入体の外周面に接着剤を塗布する第2
の工程と、前記被挿入体及び保護治具の外周に、少なく
とも径方向に沿う弾性を有するフッ素樹脂製チューブを
緊密に被覆する第3の工程と、前記被挿入体の外径より
も径小な口径を有する扱きリングを、該保護治具の外周
に密着した前記フッ素樹脂製チューブの外周に嵌合さ
せ、該扱きリングを該被挿入体の軸方向に沿って反対側
まで移動させて、前記接着剤を該被挿入体の外周面と前
記フッ素樹脂製チューブの内周面との間で扱く第4の工
程と、前記保護治具を前記被挿入体より取り外す第5の
工程と、前記被挿入体とフッ素樹脂製チューブとの間で
前記接着剤を硬化させる第6の工程とを具備することを
特徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項3の記載によれ
ば、少なくとも一端部に保護治具を取り外し自在に取り
付けた、所定の外径を有する被挿入体を用意する第1の
工程と、前記被挿入体の外周面に接着剤を塗布する第2
の工程と、前記被挿入体及び保護治具の外周に、少なく
とも径方向に沿う弾性を有するフッ素樹脂製チューブを
緊密に被覆する第3の工程と、前記被挿入体の外径より
も径小な口径を有する扱きリングを、該保護治具の外周
に密着した前記フッ素樹脂製チューブの外周に嵌合さ
せ、該扱きリングを該被挿入体の軸方向に沿って反対側
まで移動させて、前記接着剤を該被挿入体の外周面と前
記フッ素樹脂製チューブの内周面との間で扱く第4の工
程と、前記被挿入体とフッ素樹脂製チューブとの間で前
記接着剤を硬化させる第5の工程と、前記保護治具を前
記被挿入体より取り外す第6の工程とを具備することを
特徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項4の記載によれ
ば、前記被挿入体は、少なくとも最外周にゴム弾性層を
有することを特徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項5の記載によれ
ば、前記被挿入体は、芯金と、この芯金の外周に一体的
に設けられた前記ゴム弾性層とを備えることを特徴とし
ている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項6の記載によれ
ば、前記被挿入体は、芯金のみから構成されていること
を特徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項7の記載によれ
ば、前記被挿入体は、最終的に前記ゴム弾性層を規定す
るゴムスリーブであることを特徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項8の記載によれ
ば、前記ゴムスリーブには、前記第4の工程の実施に先
立ち、芯金が挿通されることを特徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項9の記載によれ
ば、前記ゴムスリーブには、前記第4の工程の実施に先
立ち、芯金に相当するダミー部材が挿通されることを特
徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項10の記載によれ
ば、前記ダミー部材は、前記第4又は第5又は第6の工
程後に取り外され、芯金が挿入され接着されることを特
徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項11の記載によれ
ば、前記フッ素樹脂製チューブは、前記被挿入体への被
覆前の段階において、該被挿入体の外径よりも径小な外
径を有して形成されていることを特徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項12の記載によれ
ば、前記第3の工程は、前記フッ素樹脂製チューブを、
前記被挿入体の外径よりも径大な内径を有する円筒状の
キャビティが形成された挿入パイプの前記キャビティ内
に挿入する第1のサブ工程と、前記フッ素樹脂製チュー
ブを前記キャビティの内周面に吸引して、該チューブの
内径を前記被挿入体の外径よりも拡径させる第2のサブ
工程と、前記被挿入体を前記フッ素樹脂製チューブ内に
挿入する第3のサブ工程と、前記吸引を解除して、前記
フッ素樹脂製チューブを前記被挿入体の外周に密着させ
る第4のサブ工程とを備えることを特徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項13の記載によれ
ば、前記第2のサブ工程においては、前記フッ素樹脂製
チューブの両端を少なくとも前記キャビティの内径より
も拡径させ、該両端を前記挿入パイプに夫々固定した後
に、該フッ素樹脂製チューブを吸引することを特徴とし
ている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項14の記載によれ
ば、前記第1のサブ工程において、前記キャビティは、
その中心軸線が鉛直方向に沿うように設定され、前記フ
ッ素樹脂製チューブの一端が、上端となるように挿入す
ることを特徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項15の記載によれ
ば、前記被挿入体は、前記フッ素樹脂チューブにこれの
上方から押し入れられることを特徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項16の記載によれ
ば、前記第4の工程において、前記扱きリングは、前記
被挿入体の前記一端部から他端部に向けて該被挿入体の
全長に渡り移動されることを特徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項17の記載によれ
ば、前記第5の工程に先立ち、前記被挿入体と保護治具
との境界において、前記フッ素樹脂チューブを切断する
ことを特徴としている。
ーブ被覆ロールの製造方法は、請求項18の記載によれ
ば、前記第6の工程に先立ち、前記被挿入体と保護治具
との境界において、前記フッ素樹脂チューブを切断する
ことを特徴としている。
素樹脂製チューブ被覆ロール製造方法の一実施例の構成
を、添付図面を参照して以下に詳細に説明する。
長さ333mmの金属製の芯金10を用意する。この芯
金10は、円柱状の芯金本体10Aと、この芯金本体1
0Aの両端に同軸に形成された軸部10B、10Cとか
ら一体的に形成されている。この芯金10の外周に、シ
リコーンゴムからなるゴム弾性層12を厚さ5mmで設
け、芯金10とゴム弾性層12とからロール体14を被
挿入体として形成する。尚、ゴム弾性層12の外周面
は、0.2mmの逆クラウン形状に形成されており、表
面粗さRzが10μmとなるように研磨されている。
の両端に夫々取り外し自在に取り付ける保護治具16,
18を用意する。ここで、ロール体14を鉛直方向に沿
うように起立させた状態で、上方に位置する保護治具1
6には、対応する軸部10Bが嵌合する嵌合孔16A
が、下端面に形成されている。また、この保護治具16
の外径は、ローラ体14の外径と同一に設定されてお
り、換言すれば、保護治具16の外周面と、ローラ体1
4の外周面とは、保護治具16がローラ体14に取り付
けられた状態で、面一になるように設定されている。
尚、この保護治具16の軸方向に沿う厚さは、25mm
に設定されている。尚、保護治具16の外径は、ローラ
体14の外径と同一であることに限定されず、ローラ体
14の外径よりも僅かに径小であっても良い。
対応する軸部10Cが嵌合する嵌合孔18Aが上端面に
形成されている。また、この保護治具18の外径は、ロ
ーラ体14に隣接する部分で、ローラ体14の外径と同
一に設定され、ローラ体14とは反対側に向かうにつれ
てその外径を徐々に径小となるように設定されている。
換言すれば、保護治具18の外周面と、ローラ体14の
外周面とは、保護治具18がローラ体14に取り付けら
れた状態で、その接合位置に置いては面一になるように
設定され、保護治具18の外周面は、ローラ体14から
離れるにつれて(即ち、先端に向かうにつれて)先細状
の円錐面となるように設定されている。
は、47mmに設定されている。ここで、保護治具18
の外径は、ローラ体14の外径と同一であることに限定
されず、ローラ体14の外径よりも僅かに径大であって
も良い。
のロール体14の上部に、一方の保護治具16を、これ
の嵌合孔16Aに対応する軸部10Bが嵌合するように
取り付け、また、他方の保護治具18を、これの嵌合孔
18Aに対応する軸部10Cが嵌合するように取り付け
る。
6,18が取り付けられたロール体14の外周面に、ブ
レード塗装により液状のシリコーンゴム接着剤(以下、
単に接着剤と呼ぶ。)20を塗布する。ここで、塗布さ
れた接着剤20の膜厚は、図3に示すように、概略30
μmになるように設定されている。
剤としては、自己接着性を有するシリコーンゴムを用い
ることが好ましい。自己接着性を有するシリコーンゴム
接着剤としては、脱アセトン型、脱オキシム型、脱アル
コール型、脱酢酸型、付加型(付加反応硬化型)を使用
することが出来るが、脱アセトン型、脱オキシム型、脱
アルコール型、脱酢酸型は、硬化時に副生成物が発生す
るのと、空気中の水分と反応して硬化するため、作業上
取り扱いにくい問題点がある。このため、副生成物の発
生がなく、100℃以上の加熱で硬化する付加型の自己
接着性を有するシリコーンゴム接着剤が好適するもので
ある。
的に開放された挿入パイプ24を用意する。この挿入パ
イプ24の内部には、均一な内周面を有するキャビティ
30が形成されており、このキャビティ30の内径は、
ロール体14の外径よりも僅かに大きい41mmに設定
されている。また、挿入パイプ24の全長は、390m
mに設定されている。尚、キャビティ30の内周面に
は、図示しない真空ポンプに接続された複数の吸引孔3
0Bが開口している。
に、図5に示すように、フッ素樹脂製チューブ22を、
その下端が挿入パイプ24から下方に突出するように挿
入する。ここで、このフッ素樹脂製チューブ22は、膜
厚が50μmに設定されており、少なくとも径方向に沿
って所定の弾性を有している。尚、フッ素樹脂製チュー
ブ22の内径は、ロール体14の外径よりも径小の3
8.4mmに設定され、軸方向長さは、挿入パイプ24
の全長(390mm)よりも十分に長い434mmに設
定されている。
4の下部開口から下方に突出した部分を、径方向外方に
拡径させながら、挿入パイプ24の外周面に折り返すよ
うにする。この後、この状態を維持したままで、挿入パ
イプ24の下部を基台26上にセットする。この結果、
図7に示すように、フッ素樹脂製チューブ22の下部が
挿入パイプ24と基台26との間で密封状態で固定され
ることになる。
28が上下に貫通した状態で形成されており、詳細は後
述するが、挿入パイプ24内に、内部に被挿入体として
のロール体14が挿入される際に、この挿入パイプ24
内の圧力を圧抜き孔28から逃がし、挿入パイプ24内
の圧力が増大しないようになされている。
素樹脂製チューブ22の、挿入パイプ24の上部開口か
ら上方に突出した部分を、径方向外方に拡径させなが
ら、挿入パイプ24の外周面に折り返すようにする。そ
して、図9に示すように、挿入パイプ24の上端にキャ
ップ34を嵌め込んで、このキャップ34と挿入パイプ
24との間でフッ素樹脂製チューブ22を強固に挟持し
て固定する。尚、このキャップ34には、ロール体14
が挿通される中心孔34Aが形成されている。
て、吸引孔30Bを介してフッ素樹脂製チューブ22を
吸引する。ここで、フッ素樹脂製チューブ22の上下両
端は、夫々、挿入パイプ24の上下端部に対して密閉さ
れた状態となっている。この結果、フッ素樹脂製チュー
ブ22は、吸引により拡径されて、図10に示すよう
に、キャビティ30の内周面に密着する事になる。即
ち、フッ素樹脂製チューブ22の内径は、キャビティ3
0の内径と実質的に同径、つまり、ロール体14の外径
よりも径大に拡径されることになる。
着剤20が塗布されたロール体14を上方から、保護治
具18を先頭にして挿入パイプ24内に挿入する。ここ
で、この挿入動作に伴い、挿入パイプ24内の圧力が増
大する方向となるが、基台26には圧抜き孔28が形成
されているので、増大した圧力は、この圧抜き孔28か
ら抜けて、結果として、挿入パイプ24内の圧力は増大
しないことになる。このようにして、ロール体14は挿
入パイプ24にセットされたフッ素樹脂製チューブ22
内にスムーズに挿入されることなる。
0が塗布されているが、フッ素樹脂製チューブ22は、
ロール体14の外径よりも径大に拡径されているので、
ロール体14は、問題なく、フッ素樹脂製チューブ22
内に挿入されていくことになる。
め、フッ素樹脂製チューブ22をこれの外径がロール体
14の外径よりも径大となるように拡径させておくこと
により、ロール体14の挿入時にフッ素樹脂製チューブ
22に余分なストレスを生じさせることなく、ストレス
に基づく肉厚の変化を効果的に防止することが出来る効
果を特有に奏することが出来ることになる。
素樹脂製チューブ22内に挿入された時点で、真空ポン
プの起動を停止する。この結果、フッ素樹脂製チューブ
22は、自信の弾性に基づいて、径方向に収縮すること
となる。即ち、図12に示すように、ロール体14及び
両保護治具16,18の外周に、フッ素樹脂製チューブ
22が間に接着剤20を介した状態で、密着した状態で
被覆されることになる。
6,18の外周にフッ素樹脂製チューブ22を緊密に被
覆させた後、挿入パイプ24から取り出し、図13に示
すように、下方に位置する保護治具18の外周に、下方
から扱きリング36を嵌め込む。ここで、この扱きリン
グ36は、O−リングから構成されており、JISB
2401で規定される呼び番号「P40」に準拠して形
成されたものが用いられている。そして、この扱きリン
グ36を、上述した保護治具18の外周に位置する状態
に止めておく。
36を詳細は図示していないが移動機構の押上部材38
を介して反対側の保護治具16に向けて、ロール体14
の軸方向に沿って、例えば15cm/minの速度で押
上移動させる。このような扱きリング36の移動に伴
い、予め塗布されていた接着剤20は、ロール体14の
外周面とフッ素樹脂製チューブ22の内周面との間を扱
き出され、両面の間の全域に渡り、均一な層厚を有して
押し出されることになる。即ち、図15に示すように、
ロール体14の外周面とフッ素樹脂製チューブ22の内
周面との間に、薄くて均一な接着剤20の層が形成され
ることになる。
4と上方の保護治具16との境界においてフッ素樹脂製
チューブ22を切断し、保護治具16をロール体14か
ら上方に取り外す。一方、ロール体14と下方の保護治
具18との境界においてフッ素樹脂製チューブ22を切
断し、保護治具18をロール体14から下方に取り外
す。このようにして、ロール体14をこれの外周にフッ
素樹脂製チューブ22を被覆した状態で単独に分離す
る。
を被覆した状態で分離したロール体14を、図示しない
加熱槽に入れて加熱して、接着剤20を硬化させ、フッ
素樹脂製チューブ22とロール体14とを接着剤20を
介して接着する。
樹脂製チューブ22を被覆したロール体14(フッ素樹
脂被覆弾性ロール)を得ることが出来ることになる。
は、芯金10の外周にゴム弾性層12を設けたロール体
14の外周面に接着剤20を塗布し、フッ素樹脂製チュ
ーブ22を緊密に被覆した後、扱きリング36を介して
フッ素樹脂製チューブ22を外周を軸方向の全長に渡り
扱くことにより、接着剤20をロール体14とフッ素樹
脂製チューブ22との間に薄く押し出し、この接着剤2
0を硬化させることにより、ロール体14とフッ素樹脂
製チューブ22とを接着剤20を介して接着するように
しているので、ゴムの劣化を招くような高温処理が不必
要となると共に、従来困難とされていた薄いフッ素樹脂
製チューブを被覆することが出来るることになる。
度の高いフッ素樹脂被覆弾性ロールを容易に且つ安価に
製造することが出来ることになると共に、従来、フッ素
樹脂被覆も塗装と研磨とを併用するしかなかったクラウ
ン形状や逆クラウン形状のフッ素樹脂被覆弾性ロールを
も安価に製造することが出来ることになる。
となく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可
能であることは言うまでもない。
ル体14の両端に保護治具16,18を取り付けるよう
に説明したが、この発明はこのような構成に限定される
ことなく、保護治具を用いることなく、芯金10の外周
に取り付けたゴム弾性層12の弾性を利用して、ロール
体14を単体の状態でフッ素樹脂製チューブ22内に挿
入するように構成しても良いものである。
体としてロール体14を用いるように説明したが、この
発明はこのような構成に限定されることなく、挿入体と
して所定の外径を有するものであれば何でもよく、例え
ば、最外周にゴム弾性層を有するもの、即ち、最終的に
ゴム弾性層12を規定するゴムスリーブそのものであっ
ても良い。
用いる場合においては、このゴムスリーブの外周に接着
剤を塗布し、フッ素樹脂製チューブを被覆した後、これ
を扱くに際して、扱き動作の直前に芯金10をゴムスリ
ーブ内に挿通して両者を扱くようにしても良いし、ま
た、芯金10の代わりにこれに相当するダミー部材を挿
通してから扱くようにしても良いものである。
程の後に、このダミー部材を取り外し、代わりに芯金1
0を挿通して両者を接着するようにすればよいものであ
る。勿論、ゴムスリーブの弾性がそれほど柔らかくない
場合には、芯金やダミー部材を用いずに、ゴムスリーブ
そのものの外周にフッ素樹脂製チューブを被覆するよう
にしても良いことは言うまでもない。また、扱き工程の
前に、ダミー部材を取り外すようにしても良いことは言
うまでもない。
を用いるようにすることも出来ることは言うまでもな
い。この場合、接着剤層を弾性層として機能させるため
には、接着剤層を所定の厚さに調整すればよいことは言
うまでもない。
作を1回実施するように説明したが、この発明は、この
ような回数に限定されることなく、複数回に渡り扱き動
作を実施するようにしても良いことは言うまでもない。
特に、接着剤層の厚さが厚く設定されていて、この為に
接着剤20の量が多い場合には、複数回に渡り扱き動作
を分けることにより、より均一に接着剤を押し広めるこ
とが出来て有利である。
具16,18をロール体14から取り外した後に、接着
剤20を硬化させて、ロール体14の外周面とフッ素樹
脂製チューブ22の内周面とを接着させるように説明し
たが、この発明は、このような手順に限定されることな
く、接着剤20を硬化させてから、保護治具16,18
をロール体14から取り外すようにしても良いことは言
うまでもない。
20はブレード塗装されるように説明したが、この発明
は、この発明はこのような手順に限定されることなく、
例えば、スプレー塗装されても良いことは、言うまでも
ない。
ば、ゴムの劣化を招くような高温処理を必要としないフ
ッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製造方法が提供される
ことになる。
製チューブを被覆することの出来るフッ素樹脂製チュー
ブ被覆ロールの製造方法が提供されることになる。
用せずに、高精度でクラウン形状や逆クラウン形状のロ
ールを容易に成形することが出来るフッ素樹脂製チュー
ブ被覆ロールの製造方法が提供されることになる。
ューブの厚さを均一に維持した状態で成形することが出
来るフッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製造方法が提供
されることになる。
の状態を示す断面図である。
態を示す断面図である。
す断面図である。
る。
状態を示す断面図である。
端外周に折り返した状態を示す断面図である。
である。
端外周に折り返した状態を示す断面図である。
固定した状態を示す断面図である。
引して密着させた状態で示す断面図である。
挿入している状態を示す断面図である。
密に被覆した状態を示す断面図である。
ある。
を示す断面図である。
を示す断面図である。
す断面図である。
Claims (18)
- 【請求項1】所定の外径を有する被挿入体を用意する第
1の工程と、 前記被挿入体の外周面に接着剤を塗布する第2の工程
と、 前記被挿入体の外周に、少なくとも径方向に沿う弾性を
有するフッ素樹脂製チューブを緊密に被覆する第3の工
程と、 前記被挿入体の外径よりも径小な口径を有する扱きリン
グを、該被挿入体の外周に被覆された前記フッ素樹脂製
チューブの外周の一端に嵌合させ、該扱きリングを該被
挿入体の軸方向に沿って他端に向けて移動させて、前記
接着剤を該被挿入体と該フッ素樹脂製チューブとの間で
扱く第4の工程と、 前記接着剤を硬化させる第5の工程と、を具備すること
を特徴とするフッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製造方
法。 - 【請求項2】少なくとも一端部に保護治具を取り外し自
在に取り付けた、所定の外径を有する被挿入体を用意す
る第1の工程と、 前記被挿入体の外周面に接着剤を塗布する第2の工程
と、 前記被挿入体及び保護治具の外周に、少なくとも径方向
に沿う弾性を有するフッ素樹脂製チューブを緊密に被覆
する第3の工程と、 前記被挿入体の外径よりも径小な口径を有する扱きリン
グを、該保護治具の外周に密着した前記フッ素樹脂製チ
ューブの外周に嵌合させ、該扱きリングを該被挿入体の
軸方向に沿って反対側まで移動させて、前記接着剤を該
被挿入体の外周面と前記フッ素樹脂製チューブの内周面
との間で扱く第4の工程と、 前記保護治具を前記被挿入体より取り外す第5の工程
と、 前記被挿入体とフッ素樹脂製チューブとの間で前記接着
剤を硬化させる第6の工程と、を具備することを特徴と
するフッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製造方法。 - 【請求項3】少なくとも一端部に保護治具を取り外し自
在に取り付けた、所定の外径を有する被挿入体を用意す
る第1の工程と、 前記被挿入体の外周面に接着剤を塗布する第2の工程
と、 前記被挿入体及び保護治具の外周に、少なくとも径方向
に沿う弾性を有するフッ素樹脂製チューブを緊密に被覆
する第3の工程と、 前記被挿入体の外径よりも径小な口径を有する扱きリン
グを、該保護治具の外周に密着した前記フッ素樹脂製チ
ューブの外周に嵌合させ、該扱きリングを該被挿入体の
軸方向に沿って反対側まで移動させて、前記接着剤を該
被挿入体の外周面と前記フッ素樹脂製チューブの内周面
との間で扱く第4の工程と、 前記被挿入体とフッ素樹脂製チューブとの間で前記接着
剤を硬化させる第5の工程と、 前記保護治具を前記被挿入体より取り外す第6の工程
と、を具備することを特徴とするフッ素樹脂製チューブ
被覆ロールの製造方法。 - 【請求項4】前記被挿入体は、少なくとも最外周にゴム
弾性層を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れ
か1項に記載のフッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製造
方法。 - 【請求項5】前記被挿入体は、芯金と、この芯金の外周
に一体的に設けられた前記ゴム弾性層とを備えることを
特徴とする請求項4に記載のフッ素樹脂製チューブ被覆
ロールの製造方法。 - 【請求項6】前記被挿入体は、芯金のみから構成されて
いることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記
載のフッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製造方法。 - 【請求項7】前記被挿入体は、最終的に前記ゴム弾性層
を規定するゴムスリーブであることを特徴とする請求項
4に記載のフッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製造方
法。 - 【請求項8】前記ゴムスリーブには、前記第4の工程の
実施に先立ち、芯金が挿通されることを特徴とする請求
項7に記載のフッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製造方
法。 - 【請求項9】前記ゴムスリーブには、前記第4の工程の
実施に先立ち、芯金に相当するダミー部材が挿通される
ことを特徴とする請求項7に記載のフッ素樹脂製チュー
ブ被覆ロールの製造方法。 - 【請求項10】前記ダミー部材は、前記第4又は第5又
は第6の工程後に取り外され、芯金が挿入され接着され
ることを特徴とする請求項9に記載のフッ素樹脂製チュ
ーブ被覆ロールの製造方法。 - 【請求項11】前記フッ素樹脂製チューブは、前記被挿
入体への被覆前の段階において、該被挿入体の外径より
も径小な外径を有して形成されていることを特徴とする
請求項1乃至3の何れか1項に記載のフッ素樹脂製チュ
ーブ被覆ロールの製造方法。 - 【請求項12】前記第3の工程は、 前記フッ素樹脂製チューブを、前記被挿入体の外径より
も径大な内径を有する円筒状のキャビティが形成された
挿入パイプの前記キャビティ内に挿入する第1のサブ工
程と、 前記フッ素樹脂製チューブを前記キャビティの内周面に
吸引して、該チューブの内径を前記被挿入体の外径より
も拡径させる第2のサブ工程と、 前記被挿入体を前記フッ素樹脂製チューブ内に挿入する
第3のサブ工程と、 前記吸引を解除して、前記フッ素樹脂製チューブを前記
被挿入体の外周に密着させる第4のサブ工程と、 を備えることを特徴とする請求項11に記載のフッ素樹
脂製チューブ被覆ロールの製造方法。 - 【請求項13】前記第2のサブ工程においては、前記フ
ッ素樹脂製チューブの両端を少なくとも前記キャビティ
の内径よりも拡径させ、該両端を前記挿入パイプに夫々
固定した後に、該フッ素樹脂製チューブを吸引すること
を特徴とする請求項12に記載のフッ素樹脂製チューブ
被覆ロールの製造方法。 - 【請求項14】前記第1のサブ工程において、前記キャ
ビティは、その中心軸線が鉛直方向に沿うように設定さ
れ、 前記フッ素樹脂製チューブの一端が、上端となるように
挿入することを特徴とする請求項12に記載のフッ素樹
脂製チューブ被覆ロールの製造方法。 - 【請求項15】前記被挿入体は、前記フッ素樹脂チュー
ブにこれの上方から押し入れられることを特徴とする請
求項14に記載のフッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製
造方法。 - 【請求項16】前記第4の工程において、前記扱きリン
グは、前記被挿入体の前記一端部から他端部に向けて該
被挿入体の全長に渡り移動されることを特徴とする請求
項2又は3に記載のフッ素樹脂製チューブ被覆ロールの
製造方法。 - 【請求項17】前記第5の工程に先立ち、前記被挿入体
と保護治具との境界において、前記フッ素樹脂チューブ
を切断することを特徴とする請求項2又は3に記載のフ
ッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製造方法。 - 【請求項18】前記第6の工程に先立ち、前記被挿入体
と保護治具との境界において、前記フッ素樹脂チューブ
を切断することを特徴とする請求項2又は3に記載のフ
ッ素樹脂製チューブ被覆ロールの製造方法。
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