JP2002035861A - 金属製網材 - Google Patents
金属製網材Info
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Abstract
ら、加工時に露出する切断面に対する良好な防食効果が
得られる金属製網材を提供する。 【解決手段】 本発明の金属製網材10は、金属板14
に切断加工を施すことにより穴11が形成され、穴11
の周壁が切断加工により切断面11aをなす。この金属
製網材10では、金属板14が、鋼板16と、Znを主
体とし3〜18%のAl及び1〜5%のMgを含み鋼板
16の表面及び裏面を被覆する溶融めっき層18とで構
成される。これにより、網目状に引き伸ばしてから切断
面に防食加工を施す工程を不要としながらも、露出切断
面への良好な防食効果を得ることができる。
Description
際に露出した切断面の腐食を抑制する構造を備えた金属
製網材に関する。
や、建物の周囲に張り巡らされるフェンス等に用いられ
る金属製網材は、例えば、切断加工により互い違いに形
成された多数の切込みを有する鋼板が切込みと略直交す
る方向に引き伸ばされることで形成される。このような
金属製網材では、亜鉛(Zn)100%の溶融めっき層
や、55%のアルミニウム(Al)と43.4%のZn
と1.6%のシリコン(Si)とを含む溶融めっき層
を、引き伸ばす前の鋼板の表面と裏面に形成することで
腐食を抑えている。
属製網材では、鋼板の表面と裏面における錆びの発生を
溶融めっき層で抑止することはできるが、引き伸ばし時
に切込みの近傍で溶融めっき層から露出した鋼板の切断
面はその腐食を抑えることができない。切断面の腐食を
抑えるには、網目状に引き伸ばした後、切断面に防食加
工を施す工程が別途必要となり、製造工程が複雑にな
る。
で、切断面の防食加工を不要とした簡素な工程で作製し
ながらも、露出した切断面に対する良好な防食効果が得
られる構造の金属製網材を提供することを目的とする。
成するため、金属板に切断加工を施すことにより穴が形
成され、穴の周壁が切断加工により切断面をなす金属製
網材であって、金属板が、鋼板と、Znを主体とし3〜
18%のAl及び1〜5%のMgを含み鋼板の表面及び
裏面を被覆するめっき層とで構成されることを特徴とす
る金属製網材を提供する。
とし3〜18%のAl及び1〜5%のMgを含むめっき
層で鋼板の表面及び裏面が被覆されるので、雨水に晒さ
れている間にZn、Al、Mgの各成分がめっき層から
鋼板の切断面に流れることで、Mgを含むZn系の緻密
な保護被膜と、Mgを含むZn−Al系の緻密な保護被
膜との二層構造の高耐食めっき層が切断面を被覆する犠
牲防食作用が得られる。このため、網目状に引き伸ばし
てから切断面に防食加工を施す工程を不要としながら
も、露出切断面への良好な防食効果を得ることができ
る。
複数の切込みの列が切断加工により該列と直交する方向
で1/2ピッチずつずれるように形成してから、切込み
と略直交する方向に引き伸ばすことで網目状に形成し
て、金属製網材を得ることができる。或いは、これに代
えて、金属板に切断加工により複数の打抜き穴を開けて
パンチングメタルを形成し、これを金属製網材とするこ
とができる。また、めっき層は、溶融めっき法により、
或いは、電解めっき法により形成することができる。
エキスパンドメタル、農作物・植物栽培用の棚板、汚水
中の異物を除去するための下水用フィルタ、建物用フェ
ンス、駐車場の床材、又は、船舶の車輌積載部における
床材を形成することができる。例えば、建築用ラスの場
合には、建物の壁内でモルタルに埋没しない部分が空気
接触により腐食して強度が低下するような不都合を解消
することができる。また、エキスパンドメタル、農作物
・植物栽培用の棚板、下水用フィルタ、建物用フェン
ス、駐車場の床材、船舶内の車輌積載部における床材に
おいては、雨水等に晒されることによる腐食を抑止し
て、強度の低下を回避することができる。Znを主体と
し3〜18%のAl及び1〜5%のMgを含むめっき層
で覆われた鋼板を有する金属製網材は、耐食性だけでな
く、耐候性にも優れている。
金属製網材を示す正面図、図2は金属製網材の1つの編
目を拡大して示す正面図、図3は図2のIII-III線に沿
った断面図、図4は金属製網材のもとになる金属板を示
す正面図である。なお、本発明はこの実施形態例に限定
されるものではない。
は、図4に示す金属板14にエキスパンド成形機(図示
せず)で切断加工を施すことにより、一直線上に所定ピ
ッチで並ぶ所定長さの複数の切込み(穴)15の列を該
列と直交する方向(図4における上下方向)で1/2ピ
ッチずつずれるように形成した後、切込み15と略直交
する方向(上記と同じ方向)に金属板14を引き伸ばす
ことにより形成されたものである。
は、図2に示すように、菱形に加工されており、切込み
15が拡張されることで形成された穴11の周壁が切断
加工による切断面11aをなしている。網目12は、II
I-III矢視方向に見ると図3に示す形状を呈している。
す正面図である。この構成では、打抜き器による切断加
工により、金属板14に複数の打抜き穴17が開けられ
て、網目状のパンチングメタルとして形成される。打抜
き穴17穴の周壁は、切断加工により切断面をなしてい
る。このようなパンチングメタルから成る金属製網材1
0にも本発明を適用することができる。
部分的に示す断面図、図7は或る暴露期間をおいた金属
板の表面近傍の部分を拡大して示す断面図である。な
お、図7には鋼板の表面側のみを示すが、この構造は鋼
板の裏面においても同様である。
と、Znを主体とし3〜18%のAl及び1〜5%のM
gを含み鋼板16の表面及び裏面を被覆する溶融めっき
層18とで構成されている。溶融めっき層18は、鋼板
16を溶融めっき液に浸漬する工程を含む溶融めっき法
により形成される。
おいた金属板14では、溶融めっき層18の表面側に、
Mgを含むZn系の緻密な保護被膜20と、Mgを含む
Zn−Al系の緻密な保護被膜22とが順次形成され
て、二層構造の高耐食めっき層24が形成されている。
されている間にZn、Al、Mgの各成分が溶融めっき
層18から、鋼板16の切断面11a(図10参照)に
流れることで、高耐食めっき層24が切断面11aを被
覆する犠牲防食作用を得ることができる。高耐食めっき
層24は、切断面11aの腐食を効果的に抑止し、犠牲
防食作用を長時間持続させる。
Mg及び91%のZnを含む溶融めっき層18により鋼
板16の表面及び裏面を被覆した日新製鋼株式会社製の
ZAM(商標名)や、11%のAl、3%のMg及び8
6%のZnを含む溶融めっき層18により鋼板16の表
面及び裏面を被覆した新日本製鐵株式会社製のスーパダ
イマジンク(商標名)を使用することができる。本実施
形態に係る金属製網材10は、例えば、5%のAlと9
5%のZnを含む溶融めっき層が形成された金属製網材
に比較するとその約5〜6倍の耐食性を有し、また、Z
nが100%の溶融めっき層で鋼板を被覆した金属製網
材に比較するとその約10〜12倍の耐食性を有する。
網材の切断面に対する犠牲防食作用を説明するための断
面図である。
工時から数週間の暴露前期においては、金属板加工時に
形成される切断面(鋼素地露出部)11aが、雨水等の
影響で酸化する。
時点から1年未満の暴露中期においては、切断面11a
の近傍の垂れ部の溶融めっき層18から流れる成分によ
り、Mgを含むZn系の緻密な保護被膜20が切断面1
1a上に形成され、これを被覆する。
時間が経過した暴露後期においては、溶融めっき層18
から引き続き流れた成分により、前記保護被膜20上
に、Mgを含むZn−Al系の緻密な保護被膜22が形
成され、これにより、二層構造の高耐食めっき層24が
切断面11aを被覆することになる。このため、切断面
11aでは犠牲防食作用が長時間持続することになる。
露前期には切断面11aに錆が発生するが、その発生程
度は比較的小さく、時間の経過と共に溶融めっき層18
の犠牲防食作用によるバリヤ効果で腐食が抑制される。
用ラス、エキスパンドメタル、農作物・植物栽培用の棚
板、汚水中の異物を除去するための下水用フィルタ、建
物用フェンス、駐車場の床材、又は、船舶の車輌積載部
における床材を形成することができる。従来、例えば下
水用フィルタはチタンで形成されていたため非常に高価
であった。しかし、Zn−Al−Mgを含む溶融めっき
層18で鋼板16を覆った金属板14から成る金属製網
材10を採用すれば、耐久性を向上させた廉価な下水用
フィルタを得ることができる。
及び裏面を、溶融めっき法で形成した溶融めっき層18
により被覆したが、この構成に限らず、鋼板16の表面
及び裏面を、電解めっき法で形成した電解めっき層によ
り被覆することもできる。この場合にも、溶融めっき層
18を用いた際と同様の作用効果を得ることができる。
よれば、簡素な工程で作製しながらも、加工時に露出し
た切断面に対する良好な防食効果を得ることができる。
面図である。
である。
を示す正面図である。
面図である。
を拡大して示す断面図である。
る犠牲防食作用を説明するための断面図である。
る犠牲防食作用を説明するための断面図である。
する犠牲防食作用を説明するための断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 金属板に切断加工を施すことにより穴が
形成され、穴の周壁が切断加工により切断面をなす金属
製網材であって、金属板が、鋼板と、Znを主体とし3
〜18%のAl及び1〜5%のMgを含み鋼板の表面及
び裏面を被覆するめっき層とで構成されることを特徴と
する金属製網材。 - 【請求項2】 金属板は、所定ピッチで並ぶ複数の切込
みの列が切断加工により該列と直交する方向で1/2ピ
ッチずつずれるように形成された後に切込みと略直交す
る方向に引き伸ばされて網目状に形成される請求項1に
記載の金属製網材。 - 【請求項3】 金属板は、複数の打抜き穴が切断加工に
より形成されたパンチングメタルで形成される請求項1
に記載の金属製網材。 - 【請求項4】 めっき層が、溶融めっき法又は電解めっ
き法で形成される請求項1〜3の何れか1項に記載の金
属製網材。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載の金属
製網材で形成された建築用ラス、エキスパンドメタル、
農作物・植物栽培用の棚板、下水用フィルタ、建物用フ
ェンス、駐車場の床材、又は、船舶の車輌積載部におけ
る床材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000221838A JP2002035861A (ja) | 2000-07-24 | 2000-07-24 | 金属製網材 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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