JP2002031638A - 生体試料検出用チップ及び生体試料検出方法 - Google Patents

生体試料検出用チップ及び生体試料検出方法

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JP2002031638A
JP2002031638A JP2000216160A JP2000216160A JP2002031638A JP 2002031638 A JP2002031638 A JP 2002031638A JP 2000216160 A JP2000216160 A JP 2000216160A JP 2000216160 A JP2000216160 A JP 2000216160A JP 2002031638 A JP2002031638 A JP 2002031638A
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JP
Japan
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biological sample
chip
groove
dna
chip substrate
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JP2000216160A
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Yasuyo Saito
靖代 齋藤
Kazuhisa Hatakeyama
和久 畠山
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体試料検出用チップ及び生体試料検出方法
において、生体試料を無駄なく有効に使用できるととも
に、チップの材質を広く選択できるようにする。 【解決手段】 チップ基板1と、チップ基板1の表面に
形成され第1の生体試料を流通させるとともに該第1の
生体試料と相補的に反応する第2の生体試料を配置する
ための溝部2とをそなえて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DNA(デオキシ
リボヌクレオチド)の塩基配列の解析に用いて好適な、
生体試料検出用チップ及び生体試料検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、生体由来の試料(生体試料)
を検出するためのチップが開発されている。このような
チップの一例としては、例えばDNAが表面に固定され
たDNAチップがあり、このDNAチップを使用してハ
イブリダイゼーション法によりDNAの塩基配列の解析
が行なわれる。
【0003】DNAは4種類の塩基から構成され、これ
らの塩基はそれぞれ相補的に結合する性質を有してお
り、ハイブリダイゼーション法ではこの性質を利用して
かかる塩基配列の解析が行なわれる。つまり、検査対象
となる塩基の配列が未知のDNA(ターゲットDNA)
を、比較対象となる塩基の配列が既知の複数種類のDN
A(プローブDNA)と混合し、ターゲットDNAとプ
ローブDNAとが結合しているか否かを調査すること
で、ターゲットDNAと結合しうるプローブDNAを特
定する。これにより、この特定されたプローブDNAの
塩基配列と相補的な配列が、ターゲットDNAの塩基配
列、或いは、ターゲットDNAの塩基配列の一部である
と判定することができるのである。
【0004】具体的には、複数種類のプローブDNAを
含む水溶液(以下、プローブ溶液とも言う)を、平坦な
スライドグラス上に間隔をおいてドット状に付着させ
(これをスポッティングと言う)固定する。このプロー
ブDNAを付着させたスライドグラス(=DNAチッ
プ)に、ターゲットDNAを含む水溶液(以下、ターゲ
ット溶液とも言う)を滴下した後、DNAの結合反応が
起こり得る所定の条件下においてハイブリダイズさせ
る。DNAチップはその後洗浄され、プローブDNAと
結合しなかったターゲット溶液が洗い流される。ターゲ
ットDNAは予め蛍光標識されているため、このターゲ
ットDNAとプローブDNAとが結合している部分のみ
が蛍光標識された状態となる。
【0005】したがって、その後DNAチップをレーザ
ー光でスキャニングしてスライドグラス上の各位置にお
ける蛍光量を測定することにより、各プローブDNAに
ついてターゲットDNAと結合したか否かを速やかに判
定することができ、この判定結果に基づいてターゲット
DNAの塩基配列を解析することができるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、プローブDNAを担持したDNAチップに
ターゲット溶液を滴下した後、DNAチップをカバーガ
ラスで覆うようにしており、これにより、ターゲット溶
液がこのカバーガラスによりDNAチップ上で押し広げ
られ、DNAチップ上の所定範囲に間隔をあけて配置さ
れる複数のプローブDNAとターゲット溶液とを確実に
接触させるようにしている。
【0007】DNAのハイブリダイゼーション反応で
は、結合する一対の分子種が鎖状であることや、水素結
合のみによる結合であるため対合のエネルギーが低いこ
とから、酵素反応や抗原抗体反応と比較すると、結合し
にくく、また、結合したとしてもその結合は不安定なも
のとなってしまう。このため、DNAの結合反応(ハイ
ブリダイゼーション反応)を効率的に行なうためには、
プローブDNAを有効に使用して、プローブDNAに対
するターゲットDNAの分子量(試料分子密度)をでき
るだけ高いものとすることが重要となる。
【0008】しかしながら、上述した手法では、DNA
チップをカバーガラスで覆うことにより、ターゲット溶
液が、プローブDNAが付着していない箇所を含んだD
NAチップの表面全体に均一に存在する状態となる。即
ち、ターゲット溶液中には、プローブDNAと接触しな
い分が必ず存在することとなる。このため、試料分子密
度が必ずしも十分高いとは言えず、試験効率が比較的の
低いものとなってしまうという課題がある。
【0009】さて、特開平11−75812号公報に
は、キャピラリィの内壁にDNAプローブを形成し、キ
ャピラリィ内に試料を流通させることにより効率的にハ
イブリダイゼーションを行なうことができるようにした
DNAキャピラリィが開示されている。しかしながら、
この技術では、キャッピング剤の光反応によって、閉空
間であるキャピラリィ内にDNAプローブを固相化する
ようになっているが、このような光反応による工程は手
間が掛かかるという課題があり、また、キャピラリィの
材質がガラスのような光透過性の材料に限定されてしま
うという課題もある。
【0010】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、生体試料を無駄なく有効に使用できるととも
に、チップの材質を広く選択できるようにした、生体試
料検出用チップ及び生体試料検出方法を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の生体試料検出用チップは、チップ基板と、該
チップ基板の表面に形成され第1の生体試料を流通させ
るとともに該第1の生体試料と相補的に反応する第2の
生体試料を配置するための溝部とをそなえて構成されて
いることを特徴としている。
【0012】請求項2記載の本発明の生体試料検出用チ
ップは、チップ基板と、該チップ基板の表面に形成され
る溝部と、該チップ基板に対し着脱可能で該チップ基板
に装着された際には該溝部を密閉する蓋部とをそなえ、
該溝部と該蓋部とにより、第1の生体試料を流通させる
とともに該第1の生体試料と相補的に反応する第2の生
体試料を配置するための流路が形成されることを特徴と
している。
【0013】請求項3記載の本発明の生体試料検出用チ
ップは、チップ基板と、該チップ基板に対し着脱可能な
蓋部と、該蓋部の表面に形成される溝部とをそなえ、該
蓋部が該チップ基板に装着された際には、該溝部が密閉
され、該溝部と該チップ基板とにより、第1の生体試料
を流通させるとともに該第1の生体試料と相補的に反応
する第2の生体試料を配置するための流路が形成される
ことを特徴としている。
【0014】請求項1〜3記載の生体試料検出用チップ
において、該溝部の幅が5μm以上であることが好まし
い(請求項4)。また、該第1の生体試料及び該第2の
生体試料が、共にオリゴヌクレオチドであること、又
は、共にペプチドであることが好ましい(請求項5)。
請求項6記載の本発明の生体試料検出方法は、請求項1
〜5の何れかの項に記載の生体試料検出用チップを用い
て生体試料の検出を行なうことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。 (A)第1実施形態の説明 先ず、本発明の第1実施形態としてのDNAチップ(生
体試料検出用のチップ)について説明する。図1〜図3
は本実施形態のDNAチップ又はこのDNAチップを用
いたDNAの塩基配列の解析方法を説明するための図で
ある。
【0016】本DNAチップは、図1(A),(B)に
示すように、チップ基板1と、このチップ基板1に形成
され略四角形状の横断面を有する溝部2とをそなえて構
成されている。図1(A)では一部のみ示すが、溝部2
の底面には溝部2の全長に渡って、配列が既知で複数の
互いに異なる種類のプローブDNAを含む水溶液(第2
の生体試料,プローブ溶液)10がそれぞれ間隔を空け
てスポッティング/固定され、また、溝部2は、塩基配
列が未知のターゲットDNAを含む水溶液(第1の生体
試料,ターゲット溶液)を流通させるための流路として
機能するようになっており、溝部2内に、ターゲット溶
液を流通させることにより、このターゲット溶液中のタ
ーゲットDNAと、溝底部にスポッティングされたプロ
ーブ溶液10中のプローブDNAとを接触させてハイブ
リダイゼーションを行なわせるようにしている。
【0017】なお、1スポット当たりのプローブ溶液1
0の量は、溝部2の形状にもよるが、ターゲットDNA
との結合反応やハイブリダイゼーション後に行なわれる
蛍光量の測定の容易性から、平面視での最大長さ(例え
ば、真円であれば直径、長円であれば長軸長さ)が10
μm以上となるように設定される。また、DNAチップ
の上面において、溝部2の一端にはターゲットDNAを
注入するための試料注入口2Aが開口を上方に向けて取
り付けられ、また、溝部2の他端には、試料注入口2A
から注入されたターゲットDNAを排出するための試料
排出口2Bが開口を上方に向けて取り付けられている。
試料排出口2Bには図示しないチューブが取り付けられ
ており、ターゲットDNAが過剰に注入された場合に
は、過剰分がこのチューブを介して所定の箇所へ排出さ
れるようになっている。
【0018】また、ハイブリダイゼーションを行なう際
には、DNAチップの表面には、図1(B)に示すよう
にカバーガラス又はフィルム等の表面部材4が配置され
る。ハイブリダイゼーション反応が生じやすいようにD
NAチップの周囲の温度は所定温度(60〜80℃前
後)に調整されるため、このような表面部材4で溝部2
を密閉することにより高温雰囲気下で溝部内の試料溶液
を蒸発させないようにしている。
【0019】以下、チップ基板1及び溝部2についてさ
らに説明する。先ず、チップ基板1について説明する
と、チップ基板1の大きさは、ここでは一般に使用され
るスライドガラスと同程度の大きさ(例えば25mm×
75mm程度)に設定され、厚みは、DNAを検出する
ための装置の設定等に依存するものであるが、通常1m
m前後(0.7mm〜1.6mm程度)に設定されてい
る。
【0020】チップ基板1の材質は、ガラスでも樹脂で
も良いが、取り扱いや加工性の良い樹脂が好ましい。な
お、チップ基板1の表面に疎水性を持たせることによ
り、スポット位置が多少ずれて溝部から外れてプローブ
溶液がスポッティングされたとしても、水溶性のプロー
ブ溶液が溝部2周辺のチップ基板1の表面に弾かれて溝
部2内の所定位置へ収容されることが可能になる。
【0021】チップ基板1の材質として樹脂を使用する
場合、この樹脂(基材樹脂)は、熱可塑性でも熱硬化性
でも良く、ラジカル硬化性でも良い。また、ホモポリマ
ー、コポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー
のいずれでも良い。光学特性に優れるもので400nm
以上の波長領域にほとんど吸収を示さないものが好まし
く、蛍光検出時にバックグラウンドノイズが発生しない
ものが特に好ましい。例えば、ポリメチルメタクリレー
トおよびその共重合体などのアクリル酸系樹脂、ポリス
チレンまたはその共重合体、MS樹脂(メタクリル酸メ
チルとスチレンのランダム共重合体)、ポリカーボネー
ト、ポリアルキレンテレフタレート、脂肪族または脂環
式ポリアミド、透明ポリオレフィン(ポリメチルペンテ
ン、ポリエチレン(共)重合体、ポリプロピレン(共)
重合体など)、シクロオレフィンまたはシクロアルカン
類から誘導した各種ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビ
ニルピロリドン、AS樹脂及びSAN樹脂(アクリロニ
トリルとスチレンとの共重合体)、ABS樹脂(アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂)、ポリ塩化
ビニル、ポリビニルフルオリド、ポリビニリデンフルオ
リド、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサ
ルホンなどの透明性を有する熱可塑性樹脂、トリアセチ
ルセルロースまたはその部分ケン化物、ラジカル重合性
または熱重合性を有する官能基を有する化合物から誘導
した各種樹脂硬化物(レンズ、光デイスク、光学透明部
品等に使用される種々の硬化物)、透明性を有する各種
ゴムやエラストマー類などを例示することができるが、
これらに限定されるものではない。このうち、ポリメチ
ルメタクリレートおよびその共重合体のようなアクリル
酸系樹脂、MS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリカーボ
ネート、透明性ポリオレフィン(ポリエチレン系、ポリ
プロピレン系)、脂環オレフィンやシクロアルカン誘導
体から誘導された透明性を有する各種樹脂などの熱可塑
性樹脂が好ましい。
【0022】このような樹脂を用いる場合、チップ基板
1は、各樹脂の特性に合わせ通常行う成形方法により成
形される。例えば射出成形、押出成形、圧縮成形、射出
圧縮成形、トランスファー成形、カレンダー成形、また
キャスト成形などの注型による成形を例示することがで
きるがこれに限定されるものではない。次に、溝部2に
ついて説明すると、溝部2は、ここでは、図示するよう
にチップ基板1上で大きく蛇行するように形成されてお
り、これにより、溝部2の内部にスポッティングされる
プローブDNA10の打点数を十分な数量としている。
DNAチップ1枚当たりのプローブDNA10の打点数
としては、25mm×75mm程度の大きさのDNAチ
ップであれば、1,000〜80,000個程度であることが好ま
しく、この程度のスポット密度(所定面積当たりの打点
数)であれば効率的に試験を行なうことが可能である。
【0023】また、溝部2の幅Wは、溝部2内部にプロ
ーブ溶液10がスポッティングされるため、スポッティ
ングを行なうスポッティングヘッドの形式等にも依存す
るが、検出可能なスポット径を得るため5μm以上であ
ることが好ましい〔図1(A),(B)は便宜的に溝部
2の幅Wを拡大して示している〕。スポッティングヘッ
ドが試料溶液を噴射する形式のものであれば、溝部2の
幅WはスポッティングヘッドとDNAチップ(溝部2)
との距離にも依存する。かかる距離が大きいほど、スポ
ッティングヘッドから噴射された試料溶液の噴射径は広
がる傾向にあるため、溝部2の幅Wは、スポッティング
ヘッドとDNAチップ(溝部2)との距離が比較的大き
い場合には、スポッティングヘッドの試料を噴射する開
口部の幅(噴射開口幅)と同程度以上であることが好ま
しい。また、スポッティングヘッドとDNAチップ(溝
部2)との距離が比較的小さい場合には、毛細管現象を
利用することにより、溝部2の幅Wを、スポッティング
ヘッドの噴射開口幅よりも小さくすることが可能であ
る。つまり、スポッティングヘッドから試料溶液が溝部
2の幅Wよりも大きな幅で溝部2に噴射されても、この
試料溶液は毛細管現象により溝部2内に引かれるので、
試料溶液を溝部2の外部へ飛散させることなく溝部2内
の所定位置に配置できるのである。
【0024】また、溝部2の深さDは、スポットした試
料溶液(プローブ溶液)が溝部2内から溢れ出てしまわ
ない程度であれば特に限定されないが、通常は幅Wと同
程度以上である。このような溝部2は、例えばチップ基
板1を切削して形成され、切削方法としては、機械的に
行なうものでも良いし、エッチングの技術等により化学
的に行なうものでもよい。また、チップ基板1を樹脂材
により構成する場合には、樹脂材が完全に固化しないう
ちにチップ基板1をスタンパにより押圧して溝部2を形
成することもできる。
【0025】また、プローブ溶液がスポッティングされ
る溝部2の表面には、親水処理、例えば、後述するよう
なプローブ溶液中のDNAを固定化するためのコーティ
ング剤を塗工してコーティング膜2aを形成させるよう
な処理が施されるのが好ましい。このようなコーティン
グ剤としては、(1)DNAをイオン結合で固定化する
のに適した、正電荷を表面官能基として保有するコーテ
イング剤、(2)DNAを水素結合で固定化するのに適
した表面官能基を保有するコーテイング剤、または
(3)(修飾、オリゴ)DNA末端アミノ基を共有結合
で固定化するのに適した官能基を表面官能基として保有
するコーテイング剤が好ましい。
【0026】(1)の官能基としては、代表的なものと
しては、四級アミノ基(アンモニウム基)、チューブホ
ニウム基、スルホニウム基、ビグアニド基、ベタイン基
(代表的には四級アミノ基とCOO−基を含む両性イオ
ン基)等が挙げられるが、中では四級アミノ基が特に好
ましい。(2)の官能基としては、代表的なものとして
は、ウレタン基、ウレア基、ヒドラジド基、アミド基、
アミノ基、ヒドロキシル基、カルボン酸基、スルホン酸
基、リン酸基等が挙げられるが、導入の容易さ、コーテ
イングの耐久性、効果等を考えると、ウレタン基、ヒド
ロキシル基等が特に好ましい。
【0027】(3)の官能基としては、代表的なものと
しては、ケトン基,アルデヒド基のようなアミノ基とシ
ッフ塩基を形成するカルボニル基、アミノ基と付加反応
する基であるエポキシ基、アズラクトン基又はエピスル
フィド基など、アミノ基とマイケル付加等の付加反応を
して共有結合を形成する基であるアクリロイル基、メタ
クリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基
又はマレイミド基、等が挙げられるが、導入の容易さを
考えると、カルボニル基、エポキシ基、アクリロイル基
及びメタクリロイル基が特に好ましい。
【0028】このようなコーテイング剤の塗工方法は、
代表的には、基材に、デイップコート法、スプレーコー
ト法、グラビアコート及びエアナイフコート等の塗工器
具により塗工する方法で、溶剤乾燥(及び必要に応じ活
性エネルギー線照射)し、基材表面に0.1μm〜50
μm、好ましくは0.2μm〜5μmの平滑なコーテイ
ング膜が得られるよう塗工する〔図1(B)では便宜的
にコーティング膜2aは厚みを誇張して示している〕。
【0029】活性エネルギー線硬化が必要な場合には、
塗布したコーテイング組成物層を架橋硬化せしめるた
め、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧
水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タ
ングステンランプなどの光源から発せられる紫外線、あ
るいは通常20〜2000kVの電子線加速器から取り
出される電子線、α線、β線、γ線などの活性エネルギ
ー線を照射し、硬化させてコーテイング膜を形成させ
る。
【0030】ここで、本DNAチップの製造方法につい
て図2の工程図を参照しながら説明する。まず、チップ
基板1について説明すると、先ずステップA10で、ガ
ラス又は樹脂が所定の形状(ここでは25mm×75m
m程度の平板形状)に成形される。特にチップ基板1に
樹脂材を用いる場合について説明すると、樹脂材は上述
した各種の成型方法により所定の厚みにされた後、所定
の平面寸法に裁断される。なお、この際、樹脂材が硬化
しない内にスタンパによりチップ基板1を押圧して、チ
ップ基板1の成形と同時に溝部2を成形するようにして
も良い。
【0031】そして、スタンパにより溝部2がチップ基
板1に形成されていない場合には、ステップA20で、
チップ基板1に切削加工により溝部2が成形され、ステ
ップA30で、溝部2の底部に、DNAを固定化するた
めのコーティング剤の塗布等の表面処理が施工される。
なお、溝部2の内部を除くチップ基板1の表面の疎水処
理を必要とする場合には、ステップA10で成形加工
後、基板1の表面に疎水処理をしてからステップA20
の溝加工をするのが好ましい。
【0032】そして、ステップA40で、図示しないス
ポッティングヘッドにより複数(1,000〜80,000個程
度)の互いに異なるプローブ溶液10が溝部2内にスポ
ッティングされ、DNAチップの製造が完了する。本発
明の第1実施形態としてのDNAチップは上述したよう
に構成されており、以下の手法(本発明の第1実施形態
としての生体試料検出方法)により、図3のフロチャー
トに示すようにターゲットDNAの塩基配列の解析が行
なわれる。つまり、先ず、ステップB10で、試料注入
口2Aからターゲット溶液が注入される。この注入され
たターゲット溶液は溝部2内を流れ、溝部2の下流端ま
で流れ着き、これにより、溝部2の全長に渡って所定の
間隔を置いて底部にスポッティングされた多数のプロー
ブDNAと接触する。なお、試料注入口2Aから溝部2
に注入されたターゲット溶液の内、過剰分は試料排出口
2Bを介して外部へ排出されるそして、ステップB20
で、DNAの結合反応が起こりやすいようにDNAチッ
プの周囲温度が所定温度(60〜80℃前後)に調整さ
れてハイブリダイゼーションが行なわれる。この際、チ
ップ基板1の表面は、図1(B)に示すようにカバーガ
ラス又はフィルム等の表面部材4が配置され、溝部2内
の試料溶液の水分が高温雰囲気下で蒸発してしまうこと
が防止される。
【0033】ターゲットDNAは予め蛍光標識されてお
り、ステップB30では、DNAチップから表面部材4
が外されて溝部2内が洗浄された後には、このターゲッ
トDNAとプローブDNAとが結合した部分のみが蛍光
標識された状態となり、溝部2内の各位置における蛍光
量を検出することにより、どのプローブDNAがターゲ
ットDNAと結合したかが検出される。
【0034】つまり、プローブDNAは、溝部2の底部
に形成されたコーティング膜2aに固定されており、こ
の固定されたプローブDNAとターゲットDNAとが結
合すれば、このターゲットDNAに施された蛍光標識が
コーティング膜2aに固定されることとなる。したがっ
て、DNAチップを洗浄すると、プローブDNAと結合
しなかったターゲットDNAは洗い流されるが、プロー
ブDNAと結合したターゲットDNAは、蛍光標識とと
もにコーティング膜2aに固定されることとなり、溝部
2内の各プローブDNA10の蛍光量を検出することに
より、どのプローブDNA10がターゲットDNAと結
合したかを検出でき、これに基づきターゲットDNAの
塩基配列が解析されるのである。
【0035】そして、このようなDNAの塩基配列を解
析することにより遺伝子解析や、ひいては遺伝子病等の
診断が行なわれる。したがって、本DNAチップ及び本
DNAチップを用いた生体試料検出方法では、以下のよ
うな利点が得られる。つまり、底部にプローブDNAが
配置された溝部2にターゲット溶液を通液させるので、
従来に比べハイブリダイゼーションに寄与しないターゲ
ット溶液の量を大幅に抑制することができる。また、タ
ーゲットDNAはハイブリダイゼーション反応を起こす
まで、複数のスポット(プローブDNA)を順次通過し
ていくので、1つのスポット(プローブDNA)に対す
るターゲットDNAの分子量(試料分子密度)が高くな
って効率的にハイブリダイゼーションを行なうことがで
きる。
【0036】したがって、ターゲット溶液量の減少や、
プローブ溶液又はターゲット溶液におけるDNA濃度の
低減を図ることができるという利点がある。なお、上述
の実施形態では、ハイブリダイゼーションを行なう際、
カバーガラス又はフィルム等の表面部材4で溝部2を密
閉することにより高温雰囲気下で溝部内の試料溶液を蒸
発させないようにしているが、表面部材4を使用する代
わりに、例えば、DNAチップをフィルムの袋状物に収
容後、この袋状物の内部を真空引きした後に封止し、こ
れによりDNAチップをフィルムで密閉して溝部2内の
試料溶液が蒸発してしまうことを防止するようにしても
良い。 (B)第2実施形態の説明 次に、本発明の第2実施形態としてのDNAチップ(生
体試料検出用のチップ)について説明する。図4は本実
施形態のDNAチップについて示す図である。なお、第
1実施形態で使用した図3についても流用して説明す
る。また、上述した第1実施形態と同一の部材について
は同じ符号を付し説明を省略する。
【0037】本第2実施形態のDNAチップは、上述し
た第1実施形態のDNAチップに対し、チップ基板1に
取り外し可能で溝部2を密閉する蓋部3をそなえた構成
のものである。つまり、本実施形態のDNAチップは、
図4(A),(B)に示すように、チップ基板1と、こ
のチップ基板1に形成され略四角形状の横断面を有する
溝部2と、上述した蓋部3とをそなえて構成されてい
る。また、蓋部3の縁部に形成された複数の凸部3b
を、チップ基板1の縁部に形成された凹部1aに対して
挿脱することにより、蓋部3はチップ基板1に対し着脱
できるようになっている。なお、チップ基板1の凹部1
aは、第1実施形態で上述した溝部2の成型方法と同様
の方法(切削加工やスタンパを用いた加工)により成形
される。
【0038】なお、チップ基板1の凹部1a及び蓋部3
の凸部3bとを設けるかわりに蓋部3の周縁部又はチッ
プ基板1上の該周縁部に相当する位置に接着層を設けて
も良い。また、チップ基板1と蓋部3との間には、図示
しないシール材(例えばパッキン)が蓋部3の周縁に沿
って介装されており、蓋部3がチップ基板1に装着され
た際には、チップ基板1上の試料溶液が外部に対し密封
されるようになっている。
【0039】また、溝部2と、図4(B)中における蓋
部3の下面(チップ基板1への取り付け時における蓋部
3のチップ基板1側の面)3aとから、ターゲット溶液
を流通させるための流路5が形成されている。さらに、
溝底部には、コーティング膜2aを介して、異なる種類
のプローブ溶液10がそれぞれ間隔を空けてスポッティ
ング/固定されている。プローブ溶液10は、流路5に
通液されるターゲットDNAと接触するよう流路5内に
スポッティングされていれば良く、したがって、蓋部壁
面3aの溝部2に面する部位にプローブDNA10をス
ポッティングするように構成することも可能である。こ
の場合、チップ基板1から取り外した状態で蓋部3にス
ポッティングを行なうこととなり、溝部2内にスポッテ
ィングするのに比べ容易にスポッティングできる。
【0040】或いは、溝部底面と蓋部壁面3aとの両方
にプローブDNA10をスポッティングするように構成
しても良い。ここで、蓋部3についてさらに説明する
と、蓋部3には、チップ基板1と同じ材質が適用可能で
あり、成型方法もチップ基板1に使用されるものが適用
可能である。また、プローブDNAが溝部2又は蓋部3
のどちらにスポッティングされていたとしても、蓋部3
を溝部2から離脱させてからハイブリダイゼーション後
の蛍光検出を行なうことができるので、蓋部3の材質は
光透過性の物でなくても良い。
【0041】なお、蓋部壁面3aにプローブDNAをス
ポッティングする場合には、DNAを固定化するための
コーティング剤が蓋部壁面3aに塗工される。このよう
なコーティング剤及び塗工方法は、第1実施形態で上述
した溝部2のコーティング膜2aに適用されるものと同
一である。また、蓋部3をチップ基板1に対して着脱す
るための凸部3aの材質としては、蓋部3と同一のもの
を使用することが、蓋部3と一体に成形が可能となった
り、蓋部3に溶着が可能になるので好ましいが、異なる
材質であっても良く、この場合には、例えば接着材を用
いることにより蓋部3と凸部3aとを接合すれば良い。
蓋部3と凸部3aとで互いに異なる材質を使用する場合
としては、チップ基板1と蓋部3とを何れも硬質のガラ
ス材により構成し、凸部3aを弾性を有する樹脂材によ
り構成するような場合が考えられ、このようにすること
により、弾性を有する凸部3aをチップ基板1の凹部1
bに嵌入して、蓋部3をチップ基板1に装着できる。
【0042】本発明の第2実施形態としてのDNAチッ
プは上述したように構成されており、以下の手法(本発
明の第2実施形態としての生体試料検出方法)により、
第1実施形態と同じく図3のフロチャートに示すように
ターゲットDNAの塩基配列の解析が行なわれる。つま
り、先ず、ステップB10で、試料注入口2Aからター
ゲット溶液が注入される。このターゲット溶液は、溝部
2と蓋部3とから構成される流路5を流れて溝部底部に
スポッティングされた多数のプローブDNAと接触し、
試料排出口2Bを介して外部へ流出する。この時、流路
5は上方を蓋部3により閉じられて略閉空間の横断面を
そなえて構成されているので、例えばポンプを使用して
ターゲット溶液を比較的早い流速で流路5内を流通又は
ポンピングさせることが可能となり、検出に要する時間
を短縮することが可能となる。
【0043】次に、ステップB20で、DNAチップの
周囲温度が所定温度(60〜80℃前後)に調整されて
ハイブリダイゼーションが行なわれるが、この際、流路
5内の試料溶液は蓋部3により流路5内に密閉されてお
り、試料溶液中の水分が蒸発してしまうことが防止され
る。そして、ステップB30では、DNAチップから蓋
部3が外されて溝部2内が洗浄された後、溝部2内の蛍
光量を測定することにより、どのプローブDNA10が
ターゲットDNAと結合したかが検出される。
【0044】そして、このようなDNAの塩基配列を解
析することにより遺伝子解析や、ひいては遺伝子病等の
診断が行なわれる。したがって、本DNAチップ及び本
DNAチップを用いた生体試料検出方法では、上述した
第1実施形態と同様の利点が得られる他、蓋部3により
溝部2の上方が塞がれるので、溝部2と蓋部3とにより
構成される流路5内でポンプ等を用いて比較的高い流速
でプローブ溶液を流通させることができ、検出に要する
時間を短縮できるという利点がある。
【0045】また、前述したように、特開平11−75
812号公報に開示された従来技術では光反応によって
閉空間内にDNAプローブを固相化するため、かかる閉
空間の外周面を形成するチップ本体の材質が光透過性の
ものに限定されていた。これに対し、本DNAチップで
は、蓋部3はチップ基板1に対して着脱可能に独立して
形成されており、チップ基板1から蓋部3を取り外して
スポッティングによりDNAチップ(溝部底部)にプロ
ーブDNAを固定することができるので、チップ基板1
や蓋部3の材質が光透過性のものに限定されないという
利点がある。 (C)第3実施形態の説明 次に、本発明の第3実施形態としてのDNAチップ(生
体試料検出用のチップ)について説明する。図5
(A),(B)は本実施形態のDNAチップについて示
す図である。なお、上述した第1実施形態及び第2実施
形態と同一の部材については同じ符号を付し説明を省略
する。
【0046】本第3実施形態のDNAチップは、上述し
た第2実施形態のDNAチップに対し、生体試料用の流
路を形成する溝部を、チップ基板1ではなく蓋部3に設
けた構成のものである。つまり、本実施形態のDNAチ
ップは、図5(A),(B)に示すように、チップ基板
1と、蓋部3と、この蓋部3のチップ基板1に向かい合
う面に形成され略四角形状の横断面を有する溝部2′と
をそなえて構成され、蓋部3の縁部に形成された複数の
凸部3bを、チップ基板1の縁部に形成された凹部1a
に対して挿脱することにより、蓋部3はチップ基板1に
対し着脱できるようになっている。
【0047】また、溝部2′とチップ基板1の表面とか
ら、ターゲット溶液(第1の生体試料)を流通させるた
めの流路5′が形成され、溝部2′とともに流路5′を
形成するチップ基板1の部位には、コーティング膜1b
を介して、互いに異なる種類のプローブ溶液(第2の生
体試料)10がスポッティング/固定されている。コー
ティング膜1bはDNAを固定化するためのもので、こ
のコーティング膜1bを形成するためのコーティング剤
及び塗工方法は、第1実施形態で上述した溝部2のコー
ティング膜2aに適用されるものと同一である。
【0048】また、蓋部3における溝部2′の成型方法
は、第2実施形態で上述したチップ基板1における溝部
2の成型方法と同様であり、溝部2′の幅W′及び深さ
D′の好ましい設定値は、第1実施形態で上述した溝部
2の幅W及び深さDの好ましい設定値と同様である。本
発明の第3実施形態としてのDNAチップは上述したよ
うに構成されており、流路5′にターゲット溶液を流通
させることにより、このターゲット溶液と流路内におい
てチップ基板1に固定されたプローブ溶液10とをハイ
ブリダイズさせてターゲットDNAの塩基配列の解析を
行なうことができるので第2実施形態のDNAチップと
同様の効果を得ることができる。
【0049】また、プローブ溶液10を、溝部内ではな
く平坦形状のチップ基板1にスポッティングするため、
従来と同じ方法でチップを製作できるという利点があ
る。 (D)その他 なお、本発明の生体検出用チップ及び生体検出方法は、
上述の各実施形態のものに限定されず、発明の趣旨を逸
脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【0050】例えば、上述の実施形態では、チップ基板
1上に一本の溝部2が形成されているが、例えば図6
(A)に示すように、複数の溝部12a〜12dを設け
た構成としても良いし、図6(B)に示すように溝部2
が複数の流路12e〜12hに分岐するように構成して
も良い。なお、図6(A),(B)では、流路に対する
試料注入口及び試料採取口は省略している。また、図6
(A),(B)を第2実施形態又は第3実施形態に適用
する場合には、図6(A),(B)では示さないが、蓋
部3の凸部3bを嵌入するための凹部1aがチップ基板
1の周縁部に設けられる(図4参照)。
【0051】また、上述の各実施形態では、溝部は、横
断面の幅が一定の四角形状に形成されているが、例えば
図7(A)に示すように横断面がU字型の溝部22a
や、図7(B)に示すように横断面がV字型の溝部22
bとして形成しても良い。この場合、溝部22a,22
bは底面側で横断面が狭まる形状となっているので、溝
部22a,22b内にスポッティングされたプローブD
NAが下方に集合してスポッティングの位置を自動的に
調整できるようになる。
【0052】或いは、図7(C)に示すように底面に近
付くにしたがって横断面の幅が広がる形状(横断面が台
形)の溝部22c(換言すれば、ありみぞ型の溝部22
c)として形成しても良い。このような溝部22cを形
成する場合には、チップ基板1の材質は、無色透明であ
ることが好ましい。チップ基板1の材質を無色透明にす
ることにより、図7(C)中にスマッジングで示す部分
(溝部22c内の試料が、溝部22cを形成するチップ
基板1の壁面により上方に対して遮蔽される部分)につ
いても、ハイブリダイゼーション後の蛍光検出を行なう
ことができるようになる。
【0053】また上述の各実施形態では、第1の生体試
料としてターゲット溶液をチップ基板1の溝部2内に流
通させ、第2の生体試料としてプローブ溶液を溝部2内
にスポッティングしているが、これとは逆に、第1の生
体試料としてプローブ溶液を溝部2内に流通させ、第2
の生体試料としてターゲット溶液を溝部2内にスポッテ
ィングするようにしても良い。
【0054】また、上述の各実施形態では第1の生体試
料及び第2の生体試料としてDNAを用いた例を説明し
たが、第1の生体試料及び第2の生体試料は共にDNA
以外のオリゴヌクレオチドであっても良く、例えば、第
1の生体試料及び第2の生体試料が共にRNA(リボヌ
クレオチド)であっても良いし、共にPNA(ペプチド
クレオチド)であっても良い。或いは、第1の生体試料
及び第2の生体試料は共に、複数のアミノ酸より形成さ
れるペプチド(タンパク質も含む)であってもよい。R
NAやPNAを用いたチップの用途としては上述の実施
形態と同様に遺伝子解析ひいては遺伝子病の診断であ
り、ペプチドを用いたチップの用途としては各種の病気
の診断が考えられる。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の生体試料検出用チップによれば、チップ基板の表
面に形成された溝部に第1の生体試料を流通させるとと
もに第1の生体試料と相補的に反応する第2の生体試料
が配置されるので、第1の生体試料と第2の生体試料と
の反応を効率的に行なうことができ、生体試料を無駄な
く有効に使用することができるという利点がある。
【0056】請求項2記載の本発明の生体試料検出用チ
ップによれば、チップ基板の表面に形成される溝部とチ
ップ基板に装着され溝部を密閉する蓋部とから流路が形
成され、この流路に、第1の生体試料を流通させるとと
もに第1の生体試料と相補的に反応する第2の生体試料
が配置されるので、請求項1記載の生体試料検出用チッ
プと同様に、第1の生体試料と第2の生体試料との反応
を効率的に行なうことができ、生体試料を無駄なく有効
に使用することができるという利点がある。
【0057】また、蓋部はチップ基板に対して着脱可能
なので、蓋部をチップ基板から離脱することにより流路
(即ち、溝部又は蓋部)に生体試料を容易に配置するこ
とが可能となり、さらに、チップ(チップ基板及び蓋
部)の材質を広く選択することが可能となる利点があ
る。また、蓋部により溝部が密閉されて流路が形成され
ているので、この流路内で、第1の生体試料を比較的速
い流速で流通させることが可能となり、生体試料の検出
に要する時間を短縮することが可能となるという利点も
ある。
【0058】請求項3記載の本発明の生体試料検出用チ
ップによれば、蓋部がチップ基板に装着された際には、
蓋部の溝部とチップ基板とにより密閉状態で流路が形成
され、この流路内に、第2の生体試料を配置するととも
に、第1の生体試料を流通させることにより、第1の生
体試料と第2の生体試料との反応を効率的に行なうこと
ができ、また、蓋部はチップ基板に対して着脱可能なの
で、請求項2記載の生体試料検出用チップと同様の効果
が得られる。
【0059】また、溝部の幅が5μm以上とすることに
より、溝部(流路)内での第1の生体試料と第2の生体
試料との化学反応の検出を容易に行なえるという利点が
ある(請求項4)。また、第1の生体試料及び第2の生
体試料を、共にオリゴヌクレオチドとすることにより、
遺伝子解析ひいては遺伝子病の診断を行なうことがで
き、また、第1の生体試料及び第2の生体試料を、共に
ペプチドとすることにより、各種の病気の診断を行なえ
るという利点がある(請求項5)。
【0060】請求項6記載の本発明の生体試料検出方法
によれば、請求項1〜5の何れかの項に記載の生体試料
検出用チップを用いて生体試料の検出を行なうことによ
り、生体試料を無駄なく有効に使用して生体試料検出を
効率的に行なえるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのDNAチップの
構成を示す図であり、(A)はその表面部材を取り外し
た状態で示す模式的な平面図、(B)は(A)のX−X
断面を拡大して表面部材を装着した状態で示す模式図で
ある。
【図2】本発明の第1実施形態としてのDNAチップの
模式的な製造工程図である。
【図3】本発明の第1実施形態としてのDNAチップを
使用した塩基配列の解析方法を説明するためのフローチ
ャートである。
【図4】本発明の第2実施形態としてのDNAチップの
構成を示す図であり、(A)はその蓋部を取り外した状
態で示す模式的な平面図、(B)は(A)のY−Y断面
を拡大して蓋部を装着した状態で示す模式図である。
【図5】本発明の第3実施形態としてのDNAチップの
構成を示す図であり、(A)はその蓋部を取り外した状
態で示す模式的な平面図、(B)は(A)のY1−Y1
断面を拡大して蓋部を装着した状態で示す模式図であ
る。
【図6】(A),(B)はそれぞれ本発明の各実施形態
における溝部の変形例の構成をフィルム又は蓋部を取り
外した状態で示す模式的な平面図である。
【図7】(A)〜(C)はそれぞれ本発明の各実施形態
における溝部の変形例の構成をフィルム又は蓋部を取り
外した状態で示す模式的な横断面図である。
【符号の説明】
1 チップ基板 1a 凹部 1b,2a コーティング膜 2,2′,12a〜12h,22a〜22c 溝部 2A 試料注入口 2B 試料排出口 3 蓋部 3b 凸部 4 表面部材 5,5′ 流路 10 プローブDNA(第2の生体試料)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01N 35/08 C12N 15/00 F Fターム(参考) 2G058 AA09 DA09 GA01 4B024 AA11 CA09 HA14 4B063 QA01 QA12 QQ42 QR32 QR56 QR84 QS03 QS34 QS39

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ基板と、 該チップ基板の表面に形成され第1の生体試料を流通さ
    せるとともに該第1の生体試料と相補的に反応する第2
    の生体試料を配置するための溝部とをそなえて構成され
    ていることを特徴とする、生体試料検出用チップ。
  2. 【請求項2】 チップ基板と、 該チップ基板の表面に形成される溝部と、 該チップ基板に対し着脱可能で、該チップ基板に装着さ
    れた際には該溝部を密閉する蓋部とをそなえ、 該溝部と該蓋部とにより、第1の生体試料を流通させる
    とともに該第1の生体試料と相補的に反応する第2の生
    体試料を配置するための流路が形成されることを特徴と
    する、生体試料検出用チップ。
  3. 【請求項3】 チップ基板と、 該チップ基板に対し着脱可能な蓋部と、 該蓋部の表面に形成される溝部とをそなえ、 該蓋部が該チップ基板に装着された際には、該溝部は密
    閉され、該溝部と該チップ基板とにより、第1の生体試
    料を流通させるとともに該第1の生体試料と相補的に反
    応する第2の生体試料を配置するための流路が形成され
    ることを特徴とする、生体試料検出用チップ。
  4. 【請求項4】 該溝部の幅が5μm以上であることをこ
    とを特徴とする、請求項1〜3の何れかの項に記載の生
    体試料検出方法。
  5. 【請求項5】 該第1の生体試料及び該第2の生体試料
    が、共にオリゴヌクレオチドであること、又は、共にペ
    プチドであることを特徴とする、請求項1〜4の何れか
    の項に記載の生体試料検出用チップ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかの項に記載の生体
    試料検出用チップを用いて生体試料の検出を行なうこと
    を特徴とする、生体試料検出方法。
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