JP2003042947A - 表面プラズモン共鳴セル及びそれを利用した試料流体の分析方法 - Google Patents

表面プラズモン共鳴セル及びそれを利用した試料流体の分析方法

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JP2003042947A
JP2003042947A JP2001232202A JP2001232202A JP2003042947A JP 2003042947 A JP2003042947 A JP 2003042947A JP 2001232202 A JP2001232202 A JP 2001232202A JP 2001232202 A JP2001232202 A JP 2001232202A JP 2003042947 A JP2003042947 A JP 2003042947A
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sensor chip
surface plasmon
plasmon resonance
sensor
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Takaaki Munebayashi
孝明 宗林
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面プラズモン共鳴セル,その蓋及びそのセ
ンサチップ並びにそれを用いた試料流体の分析方法にお
いて、接合面からの液漏れを無くし、少ない試料でも測
定可能なように測定をより効率的に行えるようにする。 【解決手段】 金属層2bと、回折格子2cと、センサ
面2Aとをそなえたセンサチップ2と、センサ面2A上
を適宜の隙間をあけて覆いセンサチップ2との間に試験
流体の流路を形成する蓋3とをそなえた表面プラズモン
共鳴セル1において、センサチップ2のセンサ面2A上
の所定部位には該試験流体の流通方向に沿って複数の接
合部位が設けられるとともに、蓋3の所定部位にも該流
通方向に沿って複数の接合部位4aが設けられ、上記の
センサチップ2の接合部位と上記の蓋3の接合部位4a
とが接合されることにより、1以上の流路5が形成さ
れ、また、センサチップ2及び蓋3の接合面2Ax,4
axが平滑に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により金
属層表面に発生する表面プラズモン波を利用した、表面
プラズモン共鳴セル,その蓋及びそのセンサチップ並び
にそれを用いた試料流体の分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、被検査流体(試験流体)の濃度測
定において、非分離分析(ホモジニアスアッセイ)やリ
アルタイムでのモニタリングが可能であり、また、被検
査体の適用範囲が広く、さらに安価にシステム構成可能
であることから、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface
Plasmon Resonance)を利用したSPRセンサが注目を
集めている。
【0003】以下、このようなSPRセンサの一例を、
図9及び図10を参照しながら説明すると、SPRセン
サは、図9に示すように、表面プラズモン共鳴セル(以
下、単にセルともいう)101と、セル101に光を照
射する光源10と、セル101からの反射光を検出する
ための検出器〔ここではCCD(Charge Coupled Devic
e)カメラ〕20とをそなえて構成されている。セル1
01は、図10の分解斜視図に示すように、回折格子型
のセンサチップ102と、センサチップ102上に載置
される透明な蓋部103と、センサチップ102と蓋部
103とをガスケットや両面テープ等のスペーサ104
を介して図9に示すように一体に固定するための図示し
ないホルダとをそなえて構成されている。蓋部103
は、平板形状に形成され、センサチップ102と蓋部1
03との間にスペーサ104を二個挟むことにより流路
105が形成される。そして、送液ポンプ30によりこ
の流路105に試験流体Fを流通させるようになってい
る。
【0004】また、センサチップ102は、チップ基板
102aと、チップ基板102a上に設けられた金属層
102bとをそなえて構成されている。センサチップ1
02の金属層102bが設けられた面102Aは、回折
格子102cが形成されるとともに、検出種(検出した
い所定の化学種,生化学種又は生物種)と特異的に結合
する特異的結合物質が固定された反応領域(図示略)が
形成され、試験流体Fの濃度検出に寄与するセンサ面と
して機能する。
【0005】そして、上記光源10から、透明な蓋部1
03を介してセンサチップ102に光が照射されると、
この光によって金属層102b表面に発生した表面プラ
ズモン波が、回折格子102cにより金属層102bに
誘発されたエバネッセント波に励起されて共鳴し、金属
層102b照射された光の内、特定の入射角又は特定の
波長の光成分のエネルギが、表面プラズモン波へ移行す
る。したがって、金属層102bからの反射光は、特定
の入射角又は特定の波長の光成分のエネルギが弱くな
る。
【0006】金属層102b上で発生するエバネッセン
ト波の角度及び波長は、金属層102bに固定された特
異的結合物質により捕捉された検出種の量に応じて変化
し、これに応じて、反射光の内のエネルギが弱くなる角
度及び波長が変化する。したがって、反射光の光強度を
CCDカメラ20により監視して、かかる角度及び波長
の変化を検出することで試験流体中の検出種の濃度を測
定できる。
【0007】そして、SPRセンサの特徴として、セン
サ面102Aを複数の反応領域に分けて各領域に異なる
特異的結合物質を固定することで、各領域毎で異なる検
出種を捕捉することができ、各領域毎に反射光の強度を
CCDカメラ20の画像処理により監視することで上記
の異なる検出種の試験流体中の濃度を検出できる。これ
により、例えば、試験流体中の中間生成物や最終生成物
の濃度を一度に分析することも可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図10に示す従来センサチップでは、チップ基板10
2aの各スペーサ104との接合面には回折格子102
cが形成されているため、チップ基板102aとスペー
サ104との接合部の密着性が不足しこの接合部から試
験流体が液漏れしてしまう。このため、試料流体が貴重
である場合にはできるだけ少量の試料流体で測定を行な
えるように液漏れを防止したいという要望がある。
【0009】本発明は、このような要望に応えるべく創
案されたもので、接合面からの液漏れを無くし、少ない
試料でも測定可能なように測定をより効率的に行えるよ
うにした、表面プラズモン共鳴セル,その蓋及びそのセ
ンサチップ並びにそれを用いた試料流体の分析方法を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の表面
プラズモン共鳴セル(請求項1)は、表面プラズモン波
を誘起しうる金属層と、光の照射によりエバネッセント
波を生じせしめる回折格子と、所定の検出種と特異的に
結合する特異的結合物質が固定された反応領域を有する
センサ面とをそなえたセンサチップと、該センサチップ
の該センサ面上を適宜の隙間をあけて覆い該チップとの
間に試験流体の流路を形成する蓋とをそなえた表面プラ
ズモン共鳴セルにおいて、該センサチップの該センサ面
上の所定部位には該試験流体の流通方向に沿って複数の
接合部位が設けられるとともに、該蓋の所定部位にも該
流通方向に沿って複数の接合部位が設けられ、上記のセ
ンサチップの接合部位と上記の蓋の接合部位とが接合さ
れることにより1以上の流路が形成され、また、該セン
サチップの接合部位の接合面及び該蓋の接合部位の接合
面がそれぞれ平滑に形成されていることを特徴としてい
る。
【0011】この場合、該接合が、上記のセンサチップ
の接合部位と上記の蓋の接合部位とを嵌合させることに
より行なわれることが好ましい(請求項2)。或いは、
上記のセンサチップの接合部位の接合面、及び、上記の
蓋の接合部位の接合面は、それぞれ該試験流体に対して
低親和性の材質で形成されていることが好ましい(請求
項3)。
【0012】本発明の表面プラズモン共鳴セル(請求項
4)は、表面プラズモン波を誘起しうる金属層と、光の
照射によりエバネッセント波を生じせしめる回折格子
と、所定の検出種と特異的に結合する特異的結合物質が
固定された反応領域を有するセンサ面とをそなえたセン
サチップと、該センサチップの該センサ面上を適宜の隙
間をあけて覆い該チップとの間に試験流体の流路を形成
する蓋とをそなえた表面プラズモン共鳴セルにおいて、
該センサチップの該センサ面上の所定部位には該試験流
体の流通方向に沿って複数の接合部位が設けられるとと
もに、該蓋の所定部位にも該流通方向に沿って複数の接
合部位が設けられ、上記のセンサチップの接合部位と上
記の蓋の接合部位とが接合されることにより1以上の流
路が形成され、上記のセンサチップの接合部位と上記の
蓋の接合部位との間に、シール部材が介装され、該接合
部位の該シール部材との接合面が平滑に形成されている
ことを特徴としている。
【0013】そして、上記のセンサチップの接合部位と
上記の蓋の接合部位とがそれぞれ3以上設けられ、該セ
ンサチップと該蓋とを組み付けることにより該流路が複
数形成されることが好ましい(請求項5)。本発明の表
面プラズモン共鳴セルの蓋(請求項6)は、表面プラズ
モン波を誘起しうる金属層と、光の照射によりエバネッ
セント波を生じせしめる回折格子と、所定の検出種と特
異的に結合する特異的結合物質が固定された反応領域を
有するセンサ面とをそなえたセンサチップの該センサ面
上を、適宜の隙間をあけて覆い、該チップとの間に試験
流体の流路を形成する、表面プラズモン共鳴セルの蓋に
おいて、該試験流体の流通方向に沿って形成される複数
の接合部位を有し、該接合部位が、該センサチップに接
合されることにより1以上の流路が形成され、また、接
合部位の接合面がそれぞれ平滑に形成されていることを
特徴としている。
【0014】この場合、該接合が、該接合部位と該セン
サチップ側とを嵌合させることにより行なわれることが
好ましい。又は、該接合部位と該センサチップ側との間
に、シール部材が介装されることが好ましい。或いは、
接合部位の接合面は、該試験流体に対して低親和性の材
質で形成されていることが好ましい。本発明の表面プラ
ズモン共鳴セルのセンサチップ(請求項7)は、表面プ
ラズモン波を誘起しうる金属層と、光の照射によりエバ
ネッセント波を生じせしめる回折格子と、所定の検出種
と特異的に結合する特異的結合物質が固定されうる反応
領域を有するセンサ面とをそなえ、該センサ面上を適宜
の隙間をあけて覆う蓋との間に試験流体の流路を形成す
る、表面プラズモン共鳴セルのセンサチップにおいて、
該センサ面上に該試験流体の流通方向に沿って形成され
る複数の接合部位を有し、該接合部位が、該蓋に接合さ
れることにより1以上の流路が形成され、また、該接合
部位の接合面が平滑に形成されていることを特徴として
いる。
【0015】この場合、該接合が、該接合部位と該蓋側
とを嵌合させることにより行なわれることが好ましい。
又は、該接合部位と該蓋側との間に、シール部材が介装
されることが好ましい。或いは、接合部位の接合面は、
該試験流体に対して低親和性の材質で形成されているこ
とが好ましい。本発明の表面プラズモン共鳴を利用した
試料流体の分析方法(請求項8)は、請求項1〜5何れ
か一項に記載の表面プラズモン共鳴セルの上記の流路内
に該試験流体を流通させて該試験流体中の所定の検出種
を流路内のセンサ面の反応領域で特異的結合物質により
捕捉させるステップと、該表面プラズモン共鳴セルに該
蓋側から光を照射するステップと、該表面プラズモン共
鳴セルからの反射光を測定するステップと、測定した反
射光の強度に基づき該試験流体の分析を行なうステップ
とをそなえて構成されていることを特徴としている。
【0016】本発明の表面プラズモン共鳴を利用した試
料流体の分析方法(請求項9)は、請求項5記載の表面
プラズモン共鳴セルの上記の複数の流路内にそれぞれ異
なる試験流体を流通させて該試験流体中の所定の検出種
を各流路内のセンサ面の反応領域で特異的結合物質によ
り捕捉させるステップと、該表面プラズモン共鳴セルに
該蓋側から光を照射するステップと、該表面プラズモン
共鳴セルからの反射光を測定するステップと、測定した
反射光の強度に基づき該試験流体の分析を行なうステッ
プとをそなえて構成されていることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の表面プラズモン共鳴セル
は、センサチップのセンサ面上の所定部位に試験流体の
流通方向に沿って複数の接合部位が設けられるととも
に、蓋の所定部位にも該流通方向に沿って複数の接合部
位が設けられ、上記のセンサチップの接合部位と上記の
蓋の接合部位とが接合されることにより、該流通方向に
沿って1以上の流路が形成され、センサチップ及び蓋の
接合部位の接合面が何れも平滑に形成されるものであ
る。ここでいう接合部位とは、センサチップと蓋との間
に流路を形成すべく接合されるセンサチップの所定部位
及び蓋の所定部位を指す。
【0018】以下、図面を参照して本発明の実施の形態
について説明する。まず、本発明の第1実施形態として
の表面プラズモン共鳴セル,その蓋及びそのセンサチッ
プ並びに表面プラズモン共鳴を利用した試料流体の分析
方法について説明する。図1は本実施形態の表面プラズ
モン共鳴セル,その蓋及びそのセンサチップについて示
す図である。なお、上述の従来技術の説明に使用した図
9についても流用して説明する。
【0019】本実施形態のSPRセンサは、図9に示す
従来SPRセンサにおいて従来セル101に代えて図1
に示すセル1をそなえて構成される。従来のセル101
ではセンサチップ102の蓋部103に向き合う面に全
面にわたって回折格子が設けられているため、センサチ
ップ102の蓋部103との接合面が平滑でないのに対
し、図1に示すように本セル1ではセンサチップ2の接
合面2Axに回折格子が設けられておらず平滑である。
【0020】具体的には、図1の分解斜視図に示すよう
に、セル1は、回折格子型のセンサチップ2と、センサ
チップ2上に載置される透明な蓋3と、センサチップ2
と蓋3とを図2に示すように一体に組み付けるためのホ
ルダ(図示略)とをそなえて構成されており、蓋3は、
センサチップ2の後述するセンサ面2A上を適宜の隙間
をあけて覆い、センサチップ2との間に試験流体の流路
を形成するようになっている(センサチップ2と協働し
て試験流体の流路を形成するようになっている)。
【0021】蓋3の一方の面3aには、その両側端部
に、試験流体の流通方向に沿ってそれぞれ側壁(接合部
位)4a,4aが一体に取り付けられている。側壁4
a,4aは、互いに同じ高さに設定され、また、組み付
け時にセンサチップ2と接合されるその接合面4ax,
4axはそれぞれ平滑形状にされている。また、センサ
チップ2は、チップ基板2aと、チップ基板2a上に形
成され表面プラズモン波を誘起しうる金属層2bとをそ
なえて構成されている。センサチップ2のチップ基板2
aの金属層2bが設けられた面2Aには、後述する接合
面2Ax,2Axを除いて、エバネッセント波を生じせ
しめる回折格子2cが形成されている。センサチップ2
は、面2Aを蓋3に向けて組み付けられ、この面2A
は、センサチップ2と蓋3との間の流路5に面すること
となる。また、この面2Aには、所定の領域に、所定の
検出種と特異的に結合する特異的結合物質が固定された
反応領域(図示略)が設けられており、面2Aは、試験
流体の検出に寄与するセンサ面として機能するようにな
っている。
【0022】そして、このセンサ面2Aの所定領域(接
合部,接合面)2Ax,2Axは、セル組立時、それぞ
れ側壁4a,4aの接合面4ax,4axに接合される
ようになっている。接合面2Axは平滑に形成され、ま
た、接合面4axも平滑に形成されていることから、セ
ンサチップ2と蓋3との接合が密接に行なわれるように
なっている。なお、本発明において平滑とは回折格子等
の大きな凹凸のない状態をいう。
【0023】そして、側壁4a,4aの接合面4ax,
4axとセンサチップ2の領域2Ax,2Axとが接合
されと、センサチップ2と蓋3との間に1つの流路5が
形成される。なお、チップ基板2a,蓋3及び側壁4a
の材料としては、樹脂,ガラス,金属,セラミック及び
シリコン等が使用でき、取り扱い性や加工性やコスト性
から、樹脂又はガラスが好ましい。また、蓋3は、上記
照射光及び反射光を透過させる領域については透明な材
料を用いる必要があるが、その他の部分については透明
でない材料を用いても良い。
【0024】チップ基板2a,蓋3及び側壁4aの材質
に樹脂を用いる場合、この樹脂は、熱可塑性でも熱硬化
牲でも良く、ラジカル硬化性でも良い。また、ホモポリ
マー、コポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマ
ーのいずれでも良い。透明性を重視する場合には、光学
特性に優れるもので400nm以上の波長領域にほとん
ど吸収を示さないものが好ましく、SPR検出時にバッ
クグラウンドノイズが発生しないものが特に好ましい。
【0025】例えば、ポリメチルメタクリレートおよび
その共重合体などのアクリル酸系樹脂、ポリスチレン又
はその共重合体、MS樹脂(メタクリル酸メチルとスチ
レンのランダム共重合体)、ポリカーボネート、ジエチ
レングリコールビスアリルカーボネート、ポリスチレン
とポリカーボネーとのポリマーアロイ、ポリアルキレン
テレフタレート、脂肪族または脂環式ポリアミド、ポリ
オレフィン〔ポリメチルペンテン、ポリエチレン(共)
重合体、ポリプロピレン(共)重合体等〕、シクロオレ
フィン又はシクロアルカン類から誘導した各種ポリマー
(エチレンとビシクロアルケンなどの環状オレフィンと
の共重合体など)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリ
ドン、AS樹脂及びSAN樹脂(アクリロニトリルとス
チレンとの共重合体)、ABS樹脂(アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン系樹脂)、ポリエステル、ポリ塩
化ビニル、ポリビニルフルオリド、ポリビニリデンフル
オリド、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテル
サルホンなどの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、トリアセ
チルセルロースまたはその部分ケン化物、ラジカル重合
性または熱重合性を有する官能基を有する化合物から誘
導した各種樹脂硬化物(レンズ、光ディスク、光学部品
等に使用される種々の硬化物)、各種ゴムやエラストマ
ー類などを例示することができるが、これらに限定され
るものではない。
【0026】このうち、ポリメチルメタクリレートおよ
びその共重合体のようなアクリル酸系樹脂、MS樹脂な
どのスチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィ
ン(ポリエチレン系、ポリプロピレン系)、脂環オレフィ
ンやシクロアルカン誘導体から誘導された各種樹脂など
の熱可塑性樹脂が好ましい。このような樹脂を用いる場
合、チップ基板2a,蓋3及び側壁4aは、各樹脂の特
性に合わせ通常行う成形方法により成形される。例えば
射出成形、押出成形、圧縮成形、射出圧縮成形、トラン
スファー成形、カレンダー成形、またキャスト成形など
の注型による成形を例示することができるが、これに限
定されるものではない。
【0027】また、金属層2bの材質は、表面プラズモ
ン波を誘起しうるものであれば限定はなく、例えば金,
銀,アルミニウム等である。また、回折格子2cは、チ
ップ基板2aの表面に凹凸を形成しておき、その上にス
パッタリング等により金属を薄く積層して上記金属層2
bを形成することで上記金属層2bの表面に具現でき
る。
【0028】また、センサチップ2に回折格子2cを設
けるべくチップ基板2aに形成される凹凸は、例えばチ
ップ基板2aを切削して形成され、切削方法としては機
械的に行なうものでも良いし、エッチングの技術等によ
り化学的に行なうものでもよい。また、チップ基板2a
を樹脂材により構成する場合には、樹脂材が完全に固化
しないうちに、例えばフォトリソグラフィ等により凹凸
を形成したスタンパをチップ基板2aに押圧して凹凸を
形成することもできるし、射出成形によりスタンパから
凹凸形状を転写しても良い。
【0029】本発明の第1実施形態としての表面プラズ
モン共鳴セル1では、上述したように構成されているの
で、蓋3の側壁部4aの接合面4axとセンサチップ2
の接合面2Axとが、共にフラットな面で安定且つ密着
した状態で接合される。特に、接着剤を用いて接合部位
を強固に密着させる場合は、センサチップ2の接合面2
Axには金属層2bを設けない方が好ましい。スパッタ
リングなどによる積層した接合強度の低い金属層がない
ほうが接着剤による密着性が増すからである。
【0030】本実施形態の表面プラズモン共鳴セル1で
は、センサチップ2の接合面2Ax及び蓋3の接合面4
axが平滑に形成されていることにより接合面の密着性
が高まるので、試験流体の液漏れが殆ど無く、測定をよ
り効率的に行なえるようになるので、少量の試料(試験
流体)だけでも測定できるという利点がある。また、従
来構成に対しセンサチップ2の接合面2Axを平滑にす
るだけなので製造が比較的容易であるという利点もあ
る。
【0031】加えて、接合面2Ax,4axを平滑にす
ることによって、従来必須であったガスケットや両面テ
ープなどのスペーサが必ずしも必要ではなくなる。これ
により、部品点数を減らすことができ製造コストを低減
できるのみならず、セルの厚み制御が容易となり、また
セルの厚みを従来より小さくすることができる。つま
り、従来SPRセンサでは、上述したようにガスケット
や両面テープなどの弾性体からなるスペーサ104を介
することで蓋とセンサチップとの密着性を持たせていた
が、弾性体を用いるが故にセルの厚み(試験流体を流す
流路の厚み)を精度良く設定することが困難であった。
またスペーサの取り扱いを容易にするにはスペーサに所
定以上の厚みを持たせる必要があるため、セルの厚み
(試験流体を流す流路の厚み)を薄くするにも限界があ
った。例えば図10に示すような従来のセルでは流路厚
みが250μm程度もあり、流路の厚みを50μm以
下、更には20μm以下に薄くするようなことは困難で
あった。
【0032】現在、ゲノミクス、プロテオミクスなどの
研究が盛んになり、サンプル(試験流体)は微量になり
つつあるため、より微量の試験流体で効率良く測定が行
えることが望まれている。このためにはセルの流路の厚
みを薄くすることが重要である。セルの流路の厚みを薄
くすることは流路を流れる容量を小さくすることにつな
がり、測定に用いる試料流体を減らすことにつながる。
【0033】また、流路の厚みを薄くすることで測定感
度を上げることができる。すなわち特異的結合物質(リ
ガンド)はセンサチップ表面に固定化されているのでセ
ンサチップ近傍を流れる試験流体だけが相互作用を起こ
し、結合する。反応速度はセル内における垂直方向(厚
み方向)への拡散速度に依存するので、流路の厚みが薄
いほど拡散によりチップ表面に到達する分子の割合は増
加する。即ち反応効率が上がり感度が高まるのである。
【0034】本実施形態の表面プラズモン共鳴セル1で
は、接合面2Ax,4axを平滑にし側壁4aを蓋3又
はセンサチップ2(ここでは蓋3)に設けることによっ
てスペーサが不要となるので、セルの厚み制御が容易と
なり、またセルの厚みを従来より薄くでき、より微量の
試験流体で効率良く測定できるという利点がある。次
に、本発明の第2実施形態としての表面プラズモン共鳴
セル,その蓋及びそのセンサチップ並びに表面プラズモ
ン共鳴を利用した試料流体の分析方法について説明す
る。図2及び図3は本実施形態の表面プラズモン共鳴セ
ル,その蓋及びそのセンサチップ並びに表面プラズモン
共鳴を利用した試料流体の分析方法について示す図であ
る。なお、上述の従来技術及び第1実施形態で既に説明
した構成部品については同一の符号を付し、その説明を
省略する。
【0035】本実施形態のSPRセンサは、図2に示す
ように、セル11と、セル11に光を照射する光源10
と、セル11からの反射光を検出するための検出器(こ
こではCCDカメラ)20と、送液ポンプ30a,30
bとをそなえて構成されている。セル11は、後述する
ように2つの流路5a,5bとをそなえており、送液ポ
ンプ30a,30bは、これらの流路5a,5bに互い
に異なる(又は同種の)試験流体Fa,Fbを送液する
ようになっている。
【0036】ここで、セル11について説明する。上述
した図1に示す第1実施形態のセル1には試験流体の流
路が1つしか設けられていないのに対し、本セル11に
は複数(ここでは2つ)の流路がそなえられている。具
体的には、図3の分解斜視図に示すように、セル11
は、回折格子型のセンサチップ12と、センサチップ1
2上に載置される透明な蓋13と、センサチップ12と
蓋13とを図2に示すように一体に組み付けるためのホ
ルダ(図示略)とをそなえて構成されており、蓋13
は、センサチップ12の後述するセンサ面12A上を適
宜の隙間をあけて覆い、センサチップ12との間に試験
流体の流路を形成するようになっている(センサチップ
12と協働して試験流体の流路を形成するようになって
いる)。
【0037】蓋13の一方の面13aには、その両側端
部に、試験流体の流通方向に沿ってそれぞれ側壁(接合
部位)4a,4aが一体に取り付けられ、また、側壁4
a,4aの間には側壁4a,4aと平行して中央側壁
(接合部位)4bが一体に取り付けられている。側壁4
aと中央側壁4bとは、互いに同じ高さに設定され、ま
た、組み付け時にセンサチップ12と接合されるその接
合面4ax,4bxはそれぞれ平滑形状にされている。
【0038】また、センサチップ12は、チップ基板1
2aと、チップ基板12a上に形成され表面プラズモン
波を誘起しうる金属層12bとをそなえて構成されてい
る。センサチップ12のチップ基板12aの金属層2b
が設けられた面12Aには、エバネッセント波を生じせ
しめる回折格子2cが後述する接合面12Ax,12A
yを除いて形成されている。センサチップ12は、面1
2Aを蓋13に向けて組み付けられ、この面12Aは、
センサチップ12と蓋13との間の流路に面することと
なる。
【0039】また、この面12Aには、所定の領域に、
所定の検出種と特異的に結合する特異的結合物質が固定
された反応領域(図示略)が設けられており、面12A
は、試験流体の検出に寄与するセンサ面として機能する
ようになっている。そして、このセンサ面12Aの所定
領域(接合部位,接合面)12Ax,12Ay,12A
xは、セル組立時、それぞれ側壁部4a,4b,4aに
接合されるようになっている。
【0040】これにより、センサチップ12と蓋13と
の間において、側壁4a,4aとセンサチップ12の領
域12Ax,12Axとが接合されるとともに、センサ
チップ12の所定領域(接合部位)12Ayと蓋13の
中央側壁(接合部位)4bとが接合されることにより、
上述したように複数(ここでは2つ)の流路5a,5b
が形成される。
【0041】そして、センサ面12Aの内、流路5a,
5bにそれぞれ面するセンサ部12Aaの一部には、上
述したように反応領域(図示略)がそれぞれ設けられて
いる。なお、チップ基板12a,蓋13及び側壁4a,
4bの材料,製造方法,金属層や回折格子の形成方法
は、上述した第1実施形態のチップ基板2a,蓋3及び
側壁4a,4bと同様のものが使用される。
【0042】本発明の第2実施形態としてのセル11
は、上述したように構成されており、以下の手法(本発
明の第2実施形態としての表面プラズモン共鳴を利用し
た試料流体の分析方法)により、試験流体Fa,Fb中
の検出種の濃度の測定が行なわれる。つまり、先ず、送
液ポンプ30a,30bにより試験流体Fa,Fbをセ
ル11内の流路5a,5bに流通させる。この際、試験
流体Fa,Fbは、流路5a,5bに面するセンサ部1
2Aa,12Aa上の反応領域を通過し、濃度に応じた
量の検出種がこの反応領域に結合される。
【0043】センサ部12Aa,12Aaの各反応領域
には、光源10から照射光が、透明部を有する蓋13を
介して照射されており、センサ部12Aa,12Aaか
らの各反射光をCCDカメラ20により監視して、各反
射光の特定の角度又は特定の波長のエネルギの変化を検
出することにより、試験流体Fa,Fb中の検出種の濃
度がそれぞれ測定される。
【0044】本実施形態の表面プラズモン共鳴セル11
では、センサチップ12の所定領域(接合部位)12A
x,12Ayと蓋13の側壁(接合部位)4a,4bと
が接合されることにより、複数(ここでは2つ)の流路
5a,5bが形成されるので、同時に互いに異なる試験
流体Fa,Fbに対する測定が可能であり、同じ種類で
異なる濃度の試験流体について同時に測定したり、異な
る種類の試験流体について同時に測定したりすることが
でき、測定効率が向上するという利点がある。
【0045】また、第1実施形態の構成に対し単に中央
側壁を設けるだけなので、製造が比較的容易であるとい
う利点もある。次に、本発明の第3実施形態の表面プラ
ズモン共鳴セル,その蓋及びそのセンサチップ並びに表
面プラズモン共鳴を利用した試料流体の分析方法につい
て説明する。図4は、本発明の第3実施形態の表面プラ
ズモン共鳴セルの構成を示す模式的な分解斜視図であ
る。なお、上述の各実施形態と同様の構成部品について
は同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0046】本実施形態の表面プラズモン共鳴セルは、
上述した図2に示すSPRセンサにおいて、上述した第
2実施形態の表面プラズモン共鳴セル11の代わりに使
用されるものである。また、上述した第2実施形態の表
面プラズモン共鳴セル11では、側壁4a,4a及び中
央側壁4bが、蓋と一体に形成されていたのに対し、本
実施形態の表面プラズモン共鳴セルでは、これらの側壁
4a,4bがセンサチップと一体に設けられている。
【0047】つまり、本実施形態の表面プラズモン共鳴
セル21は、センサチップ22と、透明な蓋23と、セ
ンサチップ22と蓋23とを一体に組み付ける図示しな
いホルダとをそなえて構成されている。センサチップ2
2の一方の面22Aには、側壁(接合部位)4a,4a
及び中央側壁(接合部位)4bが試験流体Fa,Fbの
流通方向に沿ってセンサチップ22と一体に設けられて
おり、センサチップ22と蓋23との間に流路5a,5
bが形成されている。
【0048】壁面22Aの側壁4a,4bが取り付けら
れていない領域22Aa,22Aaには、金属層2b及
び回折格子2cが設けられるとともに図示しない反応領
域が設けられ、流路5a,5bに面するセンサ面として
構成されている。また、センサチップ22の蓋23に対
する接合部位、即ち側壁4a,4bの接合面4ax,4
bxは回折格子のない平滑形状であるとともに金属層が
形成されていない。
【0049】また、これらの側壁4a,4bと接合され
る蓋23の所定領域(接合部位)23a,23bは当然
ながら平面形状となっている。なお、センサチップ22
及び蓋23の材質及び製造方法は、第1実施形態のセン
サチップ2及び蓋3に適用されるものが使用される。し
たがって、本発明の第3実施形態としての表面プラズモ
ン共鳴セル21は、センサチップ22の側壁部4a,4
bの接合面4ax,4bxと、蓋23の接合面23a,
23bとが、共に平滑な面で安定して接合される。した
がって、第2実施形態と同様に、センサチップ22と蓋
23との接合部位から試験流体Fa,Fbが漏れてしま
うことを防止して測定を安定して且つ精度良く行なえる
という利点がある。
【0050】次に、本発明の第4実施形態の表面プラズ
モン共鳴セル,その蓋及びそのセンサチップ並びに表面
プラズモン共鳴を利用した試料流体の分析方法について
説明する。図5(a),(b)は、本発明の第4実施形
態の表面プラズモン共鳴セルの構成を示す模式的な分解
斜視図である。なお、上述の各実施形態と同様の構成部
品については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0051】本実施形態の表面プラズモン共鳴セルは、
上述した図2に示すSPRセンサにおいて、セル11の
代わりに使用されるものであり、上述した各実施形態に
対し、蓋とセンサチップとの間にシール部材を介装する
ようにしている。具体的には、本実施形態の表面プラズ
モン共鳴セル31は、センサチップ32と、透明な蓋3
3と、センサチップ32と蓋33とを一体に組み付ける
図示しないホルダとをそなえて構成されている。蓋33
には、その両側端に側壁片(接合部位)4aa,4aa
と、その中央に中央側壁片(接合部位)4baが設けら
れ、一方、センサチップ32には、その両側端に側壁片
(接合部位)4ab,4abと、その中央に中央側壁片
(接合部位)4bbが設けられている。
【0052】そして、側壁片4aaと側壁片4abとが
接合されて側壁4aが形成され、中央側壁片4aaと中
央側壁片4baとが接合されて中央側壁4bが形成さ
れ、これにより、センサチップ32と蓋33との間に流
路5a,5bが形成されるようになっている。また、側
壁片4aaと側壁片4abとにはそれぞれ半円状の横断
面を有する平滑な凹部4ac,4adがそれぞれ形成さ
れており、これらの側壁片4aa,4abの相互間には
円筒形の隙間が形成される。同様に、中央側壁片4ba
と中央側壁片4bbとにはそれぞれ半円状の横断面を有
する平滑な凹部4bc,4bdがそれぞれ形成されてお
り、側壁片4ba,4bbの相互間には円筒形の隙間が
形成される。
【0053】そして、これらの円筒形の隙間には、弾性
体(シール部材)4cがそれぞれ圧縮状態で介装されて
おり、側壁間がシールされている。このような弾性体4
cの材質としてはゴムが好ましく、例えばシリコンゴ
ム,フッ素ゴム,ウレタンゴム,スチレン−ブタジエン
ゴム,ニトリル−ブタジエンゴム等である。なお、セン
サチップ32及び蓋33の材質及び製造方法は、第1実
施形態のセンサチップ2及び蓋3に適用されるものが使
用される。
【0054】したがって、本発明の第4実施形態として
の表面プラズモン共鳴セル31によれば、弾性体4cが
センサチップ32と蓋33との接合面に密着し、かかる
接合面がシールされるので、センサチップ32と蓋33
との接合面から、流路5a,5b内の試験流体が漏れて
しまうことをより効果的に抑制できるという利点があ
る。
【0055】なお、図5(b)に示すように側壁片4a
a,4abの凹部4bc,4bdの両側に平面(平滑
面)F,Fを形成するようにしても良い。次に、本発明
の第5実施形態の表面プラズモン共鳴セル,その蓋及び
そのセンサチップ並びに表面プラズモン共鳴を利用した
試料流体の分析方法について説明する。図6(a),
(b)及び図7は、本発明の第5実施形態の表面プラズ
モン共鳴セルの構成を示す模式的な分解斜視図である。
なお、上述の各実施形態と同様の構成部品については同
一の符号を付し、その説明を省略する。
【0056】本実施形態の表面プラズモン共鳴セルは、
上述した図2に示すSPRセンサにおいて、セル11の
代わりに使用されるものであり、蓋とセンサチップとが
嵌合により接続されるようになっている。つまり、図6
(a)に示すように、本実施形態の表面プラズモン共鳴
セル41は、センサチップ42と、透明な蓋43と、セ
ンサチップ42と蓋43とを一体に組み付ける図示しな
いホルダとをそなえて構成されている。蓋43には、そ
の両側端に側壁片(接合部位)44aa,44aaと、
その中央に中央側壁片(接合部位)44baが設けら
れ、一方、センサチップ42には、その両側端に側壁片
(接合部位)44ab,44abと、その中央に中央側
壁片(接合部位)44bbが設けられている。
【0057】蓋43の側壁片44aa,44baには、
それぞれ長手方向に沿っての矩形断面の凸部44ac,
44bcが設けられ、また、センサチップ42の側壁片
44ab,44bbには、それぞれ長手方向に沿って矩
形断面の凹部44ad,44bdが設けられており、こ
れらの凸部44ac,44bcと凹部44ad,44b
dとが嵌合して、センサチップ42と蓋43とが接合さ
れるようになっている。側壁片44aa,44ba,4
4ab,44bbの各接合面は何れも平滑に形成されて
いる。
【0058】なお、センサチップ42及び蓋43の材質
及び製造方法は、第1実施形態のセンサチップ2及び蓋
3に適用されるものがそれぞれ使用される。したがっ
て、本発明の第5実施形態としての表面プラズモン共鳴
セル41によれば、センサチップ42と蓋43とが嵌合
して接合されるので、センサチップ42と蓋43との接
合面から、流路5a,5b内の試験流体が漏れてしまう
ことを効果的に抑制できるという利点がある。
【0059】なお、センサチップ42と蓋43との嵌合
部の形状は、図6(a)のものに限定されず、例えば図
6(b)又は図7に示すような形状であっても良い。図
6(b)では、図6(a)の側壁片44aa,44ba
に対応する側壁片44aa′,44ba′が、図6
(b)中で下に凸の三角形状の横断面を有する形状とさ
れ、一方、図6(a)の側壁片44ab,44bbに対
応する側壁片44ab′,44bb′には、図6(b)
中で下に凸の三角形状の横断面を有する凹部44a
d′,44bd′が設けられており、側壁片44a
a′,44ba′と側壁片44ab′,44bb′とが
それぞれ嵌合するようになっている。
【0060】また、図7では、図6(b)の側壁片44
aa′,44ba′に対応する側壁片44aa″,44
ba″が、図7中で下に凸の三角形状の横断面を有し形
状のより長い側壁片として設けられ、一方、図6(b)
の側壁片44ab′,44bb′の代わりに、センサチ
ップ42に下に凸の三角形状の横断面を有する凹部44
ad″,44bd″が設けられており、側壁片44a
a″,44ba″と凹部44ad″,44bd″とがそ
れぞれ嵌合するようになっている。このような図7の態
様によれば、センサチップ42には側壁片を設けずに単
に凹部44ad″,44bd″を形成するのみでよいた
め、図6(b)などの構成に対し製造が比較的容易であ
るという利点がある。
【0061】次に、本発明の第6実施形態の表面プラズ
モン共鳴セル,その蓋及びそのセンサチップ並びに表面
プラズモン共鳴を利用した試料流体の分析方法について
説明する。図8は、本発明の第6実施形態の表面プラズ
モン共鳴セルの構成を示す模式的な分解斜視図である。
なお、上述の各実施形態と同様の構成部品については同
一の符号を付し、その説明を省略する。
【0062】本実施形態の表面プラズモン共鳴セルは、
上述した図2に示すSPRセンサにおいて、セル11の
代わりに使用されるものであり、図3に示す第2実施形
態の平板セル11に対し、特に、センサチップ12と蓋
3との接合面をそれぞれ試験流体に対し低親和性の材質
により形成したことに特徴がある。以下では、試験流体
を水溶性のものとして、かかる低親和性の材質として疎
水性のものを接合面に用いた例を説明する。
【0063】具体的には、本実施形態の表面プラズモン
共鳴セル11′は、図8に示すように、第2実施形態と
同様に、センサチップ12′と、側壁4a,4a及び中
央側壁(接合部位)4bが同一面に固設された透明な蓋
3′と、センサチップ12′と蓋3′とを一体に組み付
ける図示しないホルダとをそなえて構成されている。そ
して、センサチップ12′及び側壁4a,4bには何れ
も疎水性の材質が使用され、また、蓋3′には、ここで
は、水溶性の試験流体に対して高い親和性を有する親水
性の材質が使用されている。
【0064】なお、蓋3′に使用される親水性の材質と
しては例えばガラスが使用される。また、センサチップ
12′及び側壁4a,4bに使用される疎水性の材質と
しては、例えば第1実施形態のセンサチップ2及び側壁
4a,4bに使用しうるものとして上述した樹脂の多く
を使用することができ、具体的には、例えば、ポリメチ
ルメタクリレートおよびその共重合体などのアクリル酸
系樹脂、ポリスチレン又はその共重合体、MS樹脂(メ
タクリル酸メチルとスチレンのランダム共重合体)、ポ
リカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカー
ボネート、ポリスチレンとポリカーボネーとのポリマー
アロイ、ポリアルキレンテレフタレート、脂肪族または
脂環式ポリアミド、ポリオレフィン〔ポリメチルペンテ
ン、ポリエチレン(共)重合体、ポリプロピレン(共)
重合体等〕、シクロオレフィン又はシクロアルカン類か
ら誘導した各種ポリマー(エチレンとビシクロアルケン
などの環状オレフィンとの共重合体など)、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリビニルピロリドン、AS樹脂及びSAN樹脂
(アクリロニトリルとスチレンとの共重合体)、ABS樹
脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂)、
ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルフルオリ
ド、ポリビニリデンフルオリド、ポリアリレート、ポリ
サルホン、ポリエーテルサルホンなどの熱可塑性樹脂、
エポキシ樹脂、トリアセチルセルロースまたはその部分
ケン化物、ラジカル重合性または熱重合性を有する官能
基を有する化合物から誘導した各種樹脂硬化物(レン
ズ、光ディスク、光学部品等に使用される種々の硬化
物)、各種ゴムやエラストマー類などを例示することが
できるが、これらに限定されるものではない。
【0065】このうち、ポリメチルメタクリレートおよ
びその共重合体のようなアクリル酸系樹脂、MS樹脂な
どのスチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィ
ン(ポリエチレン系、ポリプロピレン系)、脂環オレフィ
ンやシクロアルカン誘導体から誘導された各種樹脂など
の熱可塑性樹脂が好ましい。本発明の第6実施形態の表
面プラズモン共鳴セル11′は上述したように構成され
ているので、蓋3′の側壁4aの下面4ax及び側壁4
bの下面(接合面)4bx、及び、これらの面にそれぞ
れ接合される蓋12′の所定領域12Ax及び所定領域
(接合部位,接合面)12Ayが疎水性を有するので、
これら面間より水溶性の試験流体が漏れてしまうことを
効果的に防止できるという利点がある。
【0066】また、蓋3′が親水性なので(特に流路5
a,5bに面する領域が親水性なので)、試験流体中の
溶質が蓋3′に吸着してしまうことが抑制され、蓋3′
を介してセンサチップ12′に照射される照射光が遮ら
れてしまうことを抑制できるという利点がある。なお、
本実施形態の表面プラズモン共鳴セルでは、蓋3′の特
に流路5a,5bを構成する領域を親水性にし、試験流
体中の溶質が蓋3′に吸着して蓋3′を介してセンサチ
ップ12′に照射される照射光を遮ってしまうことを抑
制するようにしているが、かかる吸着が蓋3′の透明性
を阻害しない程度のものであれば、蓋3′の流路5a,
5bに面する領域を親水性にしなくても良い。この場
合、例えば、蓋3′と側壁4a,4bとを疎水性の材料
により一体成形することが可能となる。なお、蓋3′が
一度使用されると廃棄される使い捨ての場合は、蓋3′
にたとえ溶質が付着したとしてもコンタミネーションが
引き起こされる虞はない。
【0067】また、センサチップ12′及び側壁4a,
4bにそれぞれ疎水性の材料を使用しているが、側壁4
a,4bの下面4ax,4bx、及び、これらの面にそ
れぞれ接合されるセンサチップ12′の所定領域12A
x,12Ayが疎水性を有していれば良く(即ち、セン
サチップ12′と側壁4a,4bとの接合面がそれぞれ
試験流体に対して低親和性の材質により構成されていれ
ば良く)、例えば、センサチップ12′及び側壁4a,
4bの材質としてガラスのような疎水性を有さない材質
を用い、下面4ax,4bx、及び、所定領域12A
x,12Ayに対して疎水性を持たせるような表面加工
を施す構成としても良い。或いは、蓋3′を側壁4a,
4bと一体に疎水性の材質により構成し、流路5a,5
bに面する領域(試験流体と接触する領域)に対して親
水性を持たせるような表面加工を施す構成としても良
い。
【0068】或いは、さらに、蓋3′と側壁4a,4b
とを別個の材料により構成し接合してもよい。この場
合、側壁4a,4bを疎水性材料で構成し、蓋3′を親
水性材料で構成したのち蓋3′の側壁4a,4bと接合
する面に疎水性を持たせるような表面加工を施し、これ
ら蓋3′と側壁4a,4bとを接合すれば良い。又は、
上述した図4に示す構成のように、側壁4a,4bを蓋
3′とではなくセンサチップ12′と一体構成してもよ
い。この場合、例えば、センサチップ12′と側壁4
a,4bを疎水性材料で構成し、また、蓋3′を親水性
材料で構成したのち蓋3′の側壁4a,4bと接合する
面を疎水性を持たせるような表面加工を施す構成とすれ
ば良い。
【0069】なお、センサチップ12′の表面には表面
プラズモン波を誘起しうる金属層が形成されているた
め、通常疎水性を示す。しかし、疎水性表面には試験流
体中の溶質が非特異的に吸着してしまい、この溶質が表
面プラズモン共鳴を起こし、これがバックグラウンドノ
イズとなってしまうため計測に不利である。従って、セ
ンサチップ12′表面の金属層の反応領域には、表面加
工により親水性を付与することが望ましい。
【0070】さて、このような疎水性又は親水性を持た
せるための表面加工方法を以下に例示する。 プラズマ処理/紫外線処理 疎水性樹脂表面をプラズマ処理や紫外線処理により親水
化することができる。 光重合法によって共有結合的に疎水性/親水性の分子
をパタニングする方法ガスモノマ雰囲気の真空容器内に
蓋3′を配置し、この蓋3′上に置いたフォトマスクを
介して紫外光を照射することにより、紫外光が照射され
た領域にだけ光重合反応を生じさせてポリマー膜を堆積
させることができ、例えばC23Clを重合させること
により疎水性領域をパタニングできる。 コーティング剤の塗工 疎水性樹脂表面に親水性のコーティング剤を塗工するこ
とにより、かかる表面を親水化できる。このようなコー
ティング剤としては、例えば極性基を有するコーティン
グ剤がある。極性基を有するコーティング剤の代表的な
ものとしては、カルボキシル基,カルボニル基,スルホ
ン酸基,ヒドロキシル基,アミノ基,ウレタン基,ウレ
ア基,ヒドラジド基,アミド基,リン酸基,エーテル結
合やエステル結合などの極性基を有する物質等であり、
このような極性基を多く有するほど親水性が増すことと
なる。
【0071】このようなコーティング剤の塗工方法とし
ては、代表的なものとして、基材(蓋3′)に、ディッ
プコート法、スプレーコート法、グラビアコート及びエ
アナイフコート等の塗工器具により塗工する方法があ
り、溶剤乾燥(及び必要に応じ活性エネルギ線照射)し、
基材表面に0.1μm〜50μm、好ましくは0.2μ
m〜5μmの平滑なコーティング膜が形成されるように
塗工が行なわれる。
【0072】活性エネルギ線硬化が必要な場合には、塗
布したコーティング組成物層を架橋硬化せしめるため、
キセノンランプ,低圧水銀灯,高圧水銀灯,超高圧水銀
灯,メタルハライドランプ,カーボンアーク灯、タング
ステンランプなどの光源から発せられる紫外線、あるい
は通常20〜2000kVの電子線加速器から取り出さ
れる電子線,α線,β線,γ線などの活性エネルギ線を
照射し、硬化させてコーティング膜を形成させる。 疎水性鎖/親水性鎖の導入 チップ基板2a上の金属層2cに、チオール基を用いて
さまざまな疎水性鎖/親水性鎖を導入する方法がある。
金属層2cの材質が金であれば、金とチオール基との結
合は、非常に強固であるため、チオール基と親水性の官
能基を有する分子を用いれば、容易に金表面を親水性に
誘導することができる。同様に、疎水性にすることも容
易である。なお、金属層2cに疎水性を持たせる構成と
しては図1に示す第1実施形態のように、金属層2cが
蓋3に接合される場合である。
【0073】親水性の官能基として代表的なものとし
て、カルボキシル基,カルボニル基,スルホン酸基,ヒ
ドロキシル基,アミノ基,ウレタン基,ウレア基,ヒド
ラジド基,アミド基,リン酸基,エーテル結合やエステ
ル結合などの極性基であり、このような極性基を多く有
するほど親水性が増すこととなる。逆に、アルキル、シ
クロアルキル、アリール鎖状炭化水素(アルカン、アル
ケンなどのアルキル基)、環状炭化水素(シクロアルキ
ル)、芳香族炭化水素(アリール)、パーフロロアルキル
などのハロゲン化アルキル、有機ポリシロキサンなどの
基は、それのみでは疎水性を示す。
【0074】そして、疎水性を示す鎖の長さと、親水性
基(極性基)の有無と密度とから、全体の親水性/疎水性
の度合いを決定することができる。親水性にするために
は、上記極性基を導入すればよく、数は限定されない。
例えば、金表面(金属層2cの表面)にチオール基のつ
いた官能基つきのリンカーを固定し、このリンカーの官
能基に更に親水性のデキストランや、カルボキシメチル
で修飾したデキストランを化学結合すると、親水性を持
たせることができ、逆に、例えば、金表面にチオールア
ルカン基を結合することにより、疎水性の高い表面を形
成できる。
【0075】さて、本発明の表面プラズモン共鳴セル
は、上述した各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲で種々の変形を行なうことが可能であ
る。例えば、上記各実施形態では、センサチップと蓋と
の間で、側端部に加えて中央に1つの接合部位を設ける
ことにより2つの流路を設けるようにしているが、接合
部位を中央に2つ以上の設けて、より多くの流路をそな
える構成としても良い。
【0076】また、上記各実施形態では、本発明を、金
属層及び回折格子がセンサチップの表面に設けられた型
式のセンサチップに適用した例を示しているが、センサ
面が、特異的結合物質が固定された反応領域を有する樹
脂又はガラスのような透明な平面層により構成され、こ
の層が回折格子及び金属層上に設けられた型式のセンサ
チップに適用しても良い。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の表面プラ
ズモン共鳴セル(請求項1),表面プラズモン共鳴セル
の蓋(請求項6)及び表面プラズモン共鳴セルのセンサ
チップ(請求項7)並びに表面プラズモン共鳴を利用し
た試料流体の分析方法(請求項8)によれば、センサチ
ップの接合部位の接合面及び蓋の接合部位の接合面が平
滑に形成されていることにより接合面の密着性が高まる
ので、試験流体の液漏れが殆ど無く、測定をより効率的
に行なえ、少量の試料流体により測定できるという利点
がある。
【0078】また、従来構成に対し接合面を平滑にする
だけなので製造が比較的容易であるという利点もある。
さらに、接合面を平滑にすることによってスペーサを不
要とすることが可能となり、セルの厚み制御が容易に行
なえ、またセルの厚みを従来より小さくすることがで
き、より微量の試験流体で効率良く測定できるという利
点がある。
【0079】さらに、センサチップの接合部位と蓋の接
合部位とを嵌合させることで試験流体が流路から漏れて
しまうことを一層効果的に抑制できる(請求項2)。ま
た、センサチップの接合部位の接合面及び蓋の接合部位
の接合面にそれぞれ試験流体に対して低親和性の材質を
使用することで、試験流体が流路から漏れてしまうこと
を一層効果的に抑制できるという利点がある(請求項
3)。
【0080】同様に、センサチップの接合部位と蓋の接
合部位との間にシール部材を介装し、接合部位のシール
部材との接合面を平滑に形成することで、接合面での密
着性を向上させることができ、試験流体が流路から漏れ
てしまうことを一層効果的に抑制できるという利点があ
る(請求項4)。また、複数の流路をそなえることで、
同時に複数の測定を行うことができ、測定を効率的に行
えるという利点がある(請求項5)。
【0081】また、各流路に異なる試験流体を流通させ
ることにより、これらの異なる試験流体に対して同時に
測定を行なえ、測定を効率的に行なえるという利点があ
る(請求項9)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の表面プラズモン共鳴セ
ルの構成を示す模式的な分解斜視図である。
【図2】本発明の第2〜第6実施形態の表面プラズモン
共鳴セルが適用されるSPRセンサの全体構成を示す模
式的な斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態の表面プラズモン共鳴セ
ルの構成を示す模式的な分解斜視図である。
【図4】本発明の第3実施形態の表面プラズモン共鳴セ
ルの構成を示す模式的な分解斜視図である。
【図5】(a),(b)は本発明の第4実施形態の表面
プラズモン共鳴セルの構成を示す模式的な分解斜視図で
ある。
【図6】(a),(b)は本発明の第5実施形態の表面
プラズモン共鳴セルの構成を示す模式的な分解斜視図で
ある。
【図7】本発明の第5実施形態の表面プラズモン共鳴セ
ルの変形例の構成を示す模式的な分解斜視図である。
【図8】本発明の第6実施形態の表面プラズモン共鳴セ
ルの構成を示す模式的な分解斜視図である。
【図9】SPRセンサの一般的な全体構成を示す模式的
な斜視図である。
【図10】従来のセルの構成を示す模式的な分解斜視図
である。
【符号の説明】
1,11,11′,21,21′,31,41 表面プ
ラズモン共鳴セル 2,12,12′,22,22′,32,42 センサ
チップ 2A,2Aa,2Aa,12A,12Aa,12Aa,
22A,22Aa,22Aa センサ面 2Ax,12Ax 所定領域(接合部位,接合面) 2Ay,12Ay 所定領域(接合部位,接合面) 2a チップ基板 2b 金属層 2c 回折格子 3,3′,23,23′,33,43 蓋 23a 所定領域(接合部位) 23b 所定領域(接合部位) 4a 側壁(接合部位) 4aa,4ab,44aa,44ab,44aa′,4
4ab′ 側壁片(接合部位) 4ac,4ad 凹部 4ax 接合面 4b 中央側壁(接続部位) 4ba,4bb,44ba,44bb,44ba′,4
4bb′,44ba″,44bb″ 中央側壁片(接合
部位) 4bc,4bd 凹部 4bx 接合面 4c 弾性体(シール部材) 5a,5b 流路 10 光源 20 検出器(CCDカメラ) 30a,30b 送液ポンプ 44ac,44bc 凸部 44ad,44bd,44ad′,44bd′,44a
d″,44bd″ 凹部 Fa,Fb 試験流体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G057 AA01 AB01 AB07 AC01 BA05 BB01 BB06 BC07 BD01 BD03 BD04 BD09 CB03 DA03 DB08 DC07 2G059 AA01 BB04 DD12 DD13 EE02 FF03 JJ30

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面プラズモン波を誘起しうる金属層
    と、光の照射によりエバネッセント波を生じせしめる回
    折格子と、所定の検出種と特異的に結合する特異的結合
    物質が固定された反応領域を有するセンサ面とをそなえ
    たセンサチップと、該センサチップの該センサ面上を適
    宜の隙間をあけて覆い該チップとの間に試験流体の流路
    を形成する蓋とをそなえた表面プラズモン共鳴セルにお
    いて、 該センサチップの該センサ面上の所定部位には該試験流
    体の流通方向に沿って複数の接合部位が設けられるとと
    もに、該蓋の所定部位にも該流通方向に沿って複数の接
    合部位が設けられ、 上記のセンサチップの接合部位と上記の蓋の接合部位と
    が接合されることにより1以上の流路が形成され、 また、該センサチップの接合部位の接合面及び該蓋の接
    合部位の接合面がそれぞれ平滑に形成されていることを
    特徴とする、表面プラズモン共鳴セル。
  2. 【請求項2】 該接合が、上記のセンサチップの接合部
    位と上記の蓋の接合部位とを嵌合させることにより行な
    われることを特徴とする、請求項1記載の表面プラズモ
    ン共鳴セル。
  3. 【請求項3】 上記のセンサチップの接合部位の接合
    面、及び、上記の蓋の接合部位の接合面は、それぞれ該
    試験流体に対して低親和性の材質で形成されていること
    を特徴とする、請求項1記載の表面プラズモン共鳴セ
    ル。
  4. 【請求項4】 表面プラズモン波を誘起しうる金属層
    と、光の照射によりエバネッセント波を生じせしめる回
    折格子と、所定の検出種と特異的に結合する特異的結合
    物質が固定された反応領域を有するセンサ面とをそなえ
    たセンサチップと、該センサチップの該センサ面上を適
    宜の隙間をあけて覆い該チップとの間に試験流体の流路
    を形成する蓋とをそなえた表面プラズモン共鳴セルにお
    いて、 該センサチップの該センサ面上の所定部位には該試験流
    体の流通方向に沿って複数の接合部位が設けられるとと
    もに、該蓋の所定部位にも該流通方向に沿って複数の接
    合部位が設けられ、 上記のセンサチップの接合部位と上記の蓋の接合部位と
    が接合されることにより1以上の流路が形成され、 上記のセンサチップの接合部位と上記の蓋の接合部位と
    の間に、シール部材が介装され、該接合部位の該シール
    部材との接合面が平滑に形成されていることを特徴とす
    る、表面プラズモン共鳴セル。
  5. 【請求項5】 上記のセンサチップの接合部位と上記の
    蓋の接合部位とがそれぞれ3以上設けられ、該センサチ
    ップと該蓋とを組み付けることにより該流路が複数形成
    されることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に
    記載の表面プラズモン共鳴セル。
  6. 【請求項6】 表面プラズモン波を誘起しうる金属層
    と、光の照射によりエバネッセント波を生じせしめる回
    折格子と、所定の検出種と特異的に結合する特異的結合
    物質が固定された反応領域を有するセンサ面とをそなえ
    たセンサチップの該センサ面上を、適宜の隙間をあけて
    覆い、該チップとの間に試験流体の流路を形成する、表
    面プラズモン共鳴セルの蓋において、 該試験流体の流通方向に沿って形成される複数の接合部
    位を有し、該接合部位が、該センサチップに接合される
    ことにより1以上の流路が形成され、また、該接合部位
    の接合面が平滑に形成されていることを特徴とする、表
    面プラズモン共鳴セルの蓋。
  7. 【請求項7】 表面プラズモン波を誘起しうる金属層
    と、光の照射によりエバネッセント波を生じせしめる回
    折格子と、所定の検出種と特異的に結合する特異的結合
    物質が固定されうる反応領域を有するセンサ面とをそな
    え、該センサ面上を適宜の隙間をあけて覆う蓋との間に
    試験流体の流路を形成する、表面プラズモン共鳴セルの
    センサチップにおいて、 該センサ面上に該試験流体の流通方向に沿って形成され
    る複数の接合部位を有し、該接合部位が、該蓋に接合さ
    れることにより1以上の流路が形成され、また、該接合
    部位の接合面が平滑に形成されていることを特徴とす
    る、表面プラズモン共鳴セルのセンサチップ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5の何れか一項に記載の表面
    プラズモン共鳴セルの上記の流路内に該試験流体を流通
    させて該試験流体中の所定の検出種を流路内のセンサ面
    の反応領域で特異的結合物質により捕捉させるステップ
    と、 該表面プラズモン共鳴セルに該蓋側から光を照射するス
    テップと、 該表面プラズモン共鳴セルからの反射光を測定するステ
    ップと、 測定した反射光の強度に基づき該試験流体の分析を行な
    うステップとをそなえて構成されていることを特徴とす
    る、表面プラズモン共鳴を利用した試料流体の分析方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項5記載の表面プラズモン共鳴セル
    の上記の複数の流路内にそれぞれ異なる試験流体を流通
    させて該試験流体中の所定の検出種を各流路内のセンサ
    面の反応領域で特異的結合物質により捕捉させるステッ
    プと、 該表面プラズモン共鳴セルに該蓋側から光を照射するス
    テップと、 該表面プラズモン共鳴セルからの反射光を測定するステ
    ップと、 測定した反射光の強度に基づき該試験流体の分析を行な
    うステップとをそなえて構成されていることを特徴とす
    る、表面プラズモン共鳴を利用した試料流体の分析方
    法。
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