JP5410419B2 - マイクロ分析チップ用粘着シート及びマイクロ分析チップ並びにその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、極微量成分分析に有用なマイクロ分析チップ並びにその製造方法に関する。
近年、創薬研究や臨床検査のハイスループット化を達成する手段として、生理活性物質を固相基板上に固定化したデバイスであるバイオチップが注目されている。固定化される生理活性物質としては、核酸、たんぱく質、抗体、糖鎖、糖タンパク、アプタマーなどが代表的なものであり、特に核酸を固定化したバイオチップである核酸マイクロアレイはすでに多数の商品が上市されている。チップの形態としては、平板の基板上に各種生理活性物質がスポットされ固定化されている形態であり、主に研究機関における研究分析用に活用されている。
さらに近年、マイクロ分析チップとか、μTAS(micro total analytical system)とか、ラボオンチップと呼ばれる、微細加工技術を利用した化学反応や分離、分析システムの微小化の研究が盛んになっており、マイクロチャネル(微細流路)上で各種の化学反応、特に生理学的反応を行うことが可能となっている。このシステムにおいては、微少量のサンプルを迅速分析できるため、この特長を生かした次期のバイオチップ、特に医療機関における診断用バイオチップとして商品化されることが期待されており、注目されている(これらのシステムを、マイクロ分析チップと称する)。
このバイオチップや、マイクロ分析チップは、現在はガラス製のものが主流である。ガラス基板でマイクロ分析チップを作成するためには、例えば、基板に金属、フォトレジスト樹脂をコートし、マイクロチャネルのパターンを焼いた後にエッチング処理を行う方法がある。しかしガラスは大量生産に向かず非常に高コストであるため、プラスチック化が望まれている。
プラスチック製のバイオチップやマイクロ分析チップは、種々のプラスチックを用いて射出成形等の各種の成形方法で製造することが可能である。射出成形では型キャビティ内へ溶融した熱可塑性プラスチック材料を導入し、キャビティを冷却させて樹脂を硬化させることで、効率よく経済的にチップ基板を製造できる。このため、プラスチック製のバイオチップやマイクロ分析チップは大量生産に適している。しかしプラスチック製バイオチップもしくはマイクロ分析チップにはまだ技術上の欠点が多数あり、ガラス製に取って代わるだけの認知を得てはいない。特にマイクロフルイディックスと総称されるバイオチップもしくはマイクロ分析チップは、チップの内部に微小の流路が設けられていることを特徴とする分析用チップであるが、プラスチック製はおろかガラス製に関しても現時点では多くの欠点がありいまだ研究段階である。プラスチック製のマイクロ分析チップにおいて、特に問題なのは、微細流路を加工したプラスチック板の上に別のプラスチックの板を貼り付けて微細流路に蓋をする必要があるが、その貼り合わせ方法で安価・簡便・確実な方式がいまだ見つかっていないことであり、これはプラスチック製のマイクロ分析チップの実用化を妨げている大きな要因のひとつである。
プラスチック製バイオチップもしくはマイクロ分析チップにおける貼り合わせ工程では、加熱や超音波やレーザーにより熱圧着するなどの方式か、有機系接着剤を用いる方式で、主に貼り合わせが行われている(特許文献1)。加熱による融着は、後述する加熱による生理活性物質の失活問題が発生しやすい。また、抗原抗体反応を利用した免疫分析法の場合には、試料中の微量な分析対象物質の存在やその濃度を熱レンズ顕微鏡法等の方法を利用して測定することにより知ることができるが、加熱により微細流路内の変形や流路面の表面性の悪化が生じやすく、測定が困難になる可能性がある。超音波による熱溶着は、数ミリメートル角の面の接合は可能であるが、数センチ角の面の熱溶着には不向きであり、溶着不足が生じやすい。レーザー照射では、照射面ならともかく、2枚のプラスチックの張り合わせ面などプラスチックの中心部のみの加熱は非常に困難であり、また装置のコストも非常に高額であるなどの問題がある。
有機系接着剤での貼り合わせ方法は比較的低温でプラスチック板同士を接合できるので非常に有効であるが、例えば射出成形で得られたプラスチック板には成形時のひけ等により本来平坦であるはずの部分にも数μm〜数10μmレベルの凹凸が発生するため、プラスチック板同士を接着剤で良好に張り合わせる場合にはこの凹凸を埋める必要があり、数十μmオーダーの接着剤厚みが必要になる。厚みが数10μmオーダーの接着剤で貼り合わせを行うと、基板の間より接着剤の余剰分が出やすく、マイクロチャネルの封鎖や内壁の汚染が生じやすくなる。特に熱硬化型接着剤で貼り合わせる場合は、加熱による熱圧着方式同様、生理活性物質の失活問題が発生しやすく、また、熱レンズ顕微鏡法等の測定が困難になる可能性がある。
さらにバイオチップやマイクロ分析チップにこだわらず、プラスチック製品の貼り付けについて見てみるならば、上記以外の接合方式として、接合させようと考えている部品の接合面の一部に突起をつけ、それを接合すべき別の面にはめ込んで、なおかつ超音波振動によりその部分を熱融着して接合させる方式の提案がある(特許文献2)。しかしこの方式が利用できるのは、あまり微細でない、比較的大きな成形品に対してのみであり、微細な構造を有するバイオチップやマイクロ分析チップはその方式の対象となっていない。
さらに、分析用のチップ、特にバイオチップへの応用を考える場合、検出用の部位に各種の物質、特に核酸、たんぱく質、抗体、糖鎖、糖タンパク又はアプタマーをコーティングもしくは固定化する場合が多く、これらの生理活性物質は加熱に弱く加熱すると化学的に失活する可能性があるため、高温にさらされる接合プロセスは、バイオチップ及びマイクロ分析チップの製造には不向きである。
比較的低温で、安価で簡便に、かつ強固で確実に接合されたプラスチック製マイクロ分析チップを提供する方法として表面に微細流路を有するプラスチック基板とプラスチックフィルムとを微細流路を有する面側で紫外線硬化型接着剤を介して接合する方法が提案されている。(特許文献3)しかしながら、特許文献3にはカバー部材の内側表面への選択結合性物質の具体的な固定化方法については何ら記述されていない。
これらの分析用マイクロ分析チップは、製造工程の簡略化と同時に、分析の定量性、解析の精度、経済性なども重要視される。マイクロ分析チップに充填される試料は、通常、僅少量であるために、分析対象となる物質は極めて微量しか存在しないことが多い。マイクロ分析チップにおいては、微量であっても高感度で精度良く分析することができるように技術的に対処することが求められる。
検出感度の向上に大きな影響を及ぼす要素の一つとして、微細流路への選択結合性物質の固定化効率、すなわち、流路面の選択結合性物質の固定化能力が挙げられる。よって、微細流路を形成する基板のみならず、カバー部材の内側表面で固定できる選択結合性物質の量が少ないと、明らかに分析感度の障害となる。
特開2002−139419号公報 特開平5−16241号公報 特開2007−240461号広報
本発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、シート表面が粘着性を有し、且つ、シート表面への選択結合性物質の固定化能を有する粘着シートをマイクロ分析チップの基板もしくは被覆基板として使用することにより、比較的低温で、安価で且つ簡便にマイクロ分析チップを提供すること、並びに、迅速な処理および精度の高い検出を可能とするマイクロ分析チップを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、表面に微細流路となる凹凸を有する基板に対し、表面に粘着層を有するプラスチックシートを被覆基板として利用し、粘着剤を介して接合することにより、比較的低温で、迅速に、十分な結合強度で、且つ微細流路を封鎖せずに貼り合わせられ、さらに粘着層表面への選択結合性物質の固定化能を有することを見出した。それを利用して加工したバイオチップやマイクロ分析チップが実現可能であることを確認し本発明に至った。
すなわち、本発明は、
(1)カルボキシル基、もしくは酸無水物基含有モノマー構造単位の割合がポリマー中の全モノマー構造単位の5〜25重量%であるポリマーを含有する架橋型粘着剤により形成された粘着層が設けられたプラスチックシートからなるマイクロ分析チップ用粘着シート、
(2)前記粘着層表面に選択結合性物質が固定化されていることを特徴とする(1)に記載のマイクロ分析チップ用粘着シート、
(3)前記粘着層表面のカルボキシル基、もしくは酸無水物基と前記選択結合性物質の官能基とを結合することにより選択結合性物質が固定化されていることを特徴とする(2)に記載のマイクロ分析チップ用粘着シート、
(4)前記選択結合性物質が核酸、蛋白質、ペプチド、糖類、脂質のいずれかである(2)又は(3)に記載のマイクロ分析チップ用粘着シート、
(5)前記プラスチックシートがポリエステル、セルロース誘導体、ポリカーボネートのいずれかである(1)乃至(4)のいずれか一項に記載のマイクロ分析チップ用粘着シート、
(6)表面に凹凸を有する基板と(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のマイクロ分析チップ用粘着シートとを基板の凹凸を有する面と粘着シートの粘着層が内側になるように接合してなるマイクロ分析チップ、
(7)前記粘着層と前記基板の間に空隙を有することを特徴とする(6)に記載のマイクロ分析チップ、
(8)前記表面に凹凸を有する基板がプラスチック製であることを特徴とする(6)又は(7)に記載のマイクロ分析チップ、
(9)プラスチックシートに粘着剤を塗布する工程、粘着剤を塗布したプラスチックシートと表面に凹凸を有する基板とを基板の凹凸を有する面と粘着剤が内側になるようにロールにてラミネートする工程を含む(6)乃至(8)のいずれか一項に記載のマイクロ分析チップの製造方法、
(10)プラスチックシートに粘着剤を塗布して粘着層を形成する工程、粘着層表面に選択結合性物質を固定化する工程、選択結合性物質を固定化した粘着層を設けたプラスチックシートと表面に凹凸を有する基板とを基板の凹凸を有する面と粘着層が内側になるようにロールにてラミネートする工程を含む請求項6乃至8のいずれか一項に記載のマイクロ分析チップの製造方法、
である。
本発明のマイクロ分析チップ用粘着シートは、シート表面が粘着性を有し、且つ、シート表面への選択結合性物質の固定化能を有する。このような基材は、マイクロ分析チップの被覆シートとして好適である。本発明のマイクロ分析チップ用粘着シートを使用することにより、比較的低温で、安価で且つ簡便にマイクロ分析チップを提供すると共に、迅速な処理および精度の高い検出を可能とするマイクロ分析チップを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明は、カルボキシル基、もしくは酸無水物基含有モノマー構造単位の割合がポリマー中のモノマー構造単位の5〜25重量%であるポリマーを含有する粘着剤により形成された粘着層が設けられたプラスチックシートからなるマイクロ分析チップ用粘着シート及びマイクロ分析チップ並びにその製造方法に関するものである。本発明は、微細流路を有するマイクロ分析チップを主な対象としているが、微細流路とは水や有機溶剤等の液状物質を流すことを前提に形成された蓋をされた、微細な溝を指し、流路の幅が1000μm以下でかつ流路の深さが500μm以下であることが好ましい。
本発明に使用する粘着剤は、カルボキシル基、もしくは酸無水物基含有モノマーをモノマーの一つとする共重合体である。中でも、官能基を持たない主モノマーとしてのビニル誘導体とカルボキシル基、もしくは酸無水物基含有モノマーとを共重合させた共重合体が好ましく、アクリル系粘着剤を主とするものであることがより好ましい。アクリル系粘着剤は、官能基を持たない主モノマーとしての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸モノマーや不飽和多塩基酸との共重合体である。(メタ)アクリル酸モノマーや不飽和多塩基酸は架橋剤を用いる場合の反応点や選択結合物質の反応点として活用される。
官能基を持たない(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル又はアクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル又はメタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。他のビニル誘導体モノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン又はアクリロニトリル等が挙げられる。ビニル誘導体モノマーはアクリル酸ブチル又はアクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく、アクリル酸ブチルが特に好ましい。
カルボキシル基、もしくは酸無水物基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、β−カルボキシエチルアクリレート又はω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシプロピルフタレート及び2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート等が挙げられる。カルボキシル基、もしくは酸無水物基含有モノマーは、アクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
このような材料が好ましい理由は、粘着力、凝集力に優れるとともに、ポリマー中に不飽和結合がないため光や酸素に対する安定性が高く、また、モノマーの種類や分子量の選択により用途に応じた任意の品質、特性を得ることができるからである。
カルボキシル基、もしくは酸無水物基含有モノマー構造単位の割合はポリマー中の全モノマー構造単位の5〜25重量%であることが必要である。10〜20重量%の範囲内であるのが好ましい。5重量%より低いと官能基(カルボキシル基もしくは酸無水物基)の量が減少し、選択結合性物質の結合量が不十分となる。25重量%より高いと粘着シート表面のカルボキシル基を活性化する工程において、緩衝液(pH6〜8)に含侵する場合に、粘着層が剥離や溶解しやすくなる。よって、このような範囲において、粘着シート表面のカルボキシル基を活性化する工程において、緩衝液(pH6〜8)に含侵する場合に、粘着層が剥離や溶解しにくく、表面のカルボキシル基の量が十分あり、選択結合性物質の結合量が十分な粘着層が得られる。
以上のような粘着剤としては、架橋型のものが使用される。架橋型の場合、エポキシ系化合物、イソシアナート系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物又はアルデヒド系化合物等の各種架橋剤を用いる方法、あるいは放射線を照射する方法等が挙げられ、これらは、官能基の種類等に応じて適宜選択される。
粘着剤を構成する高分子材料の架橋度は、粘着剤(粘着性組成物)の種類、組成等の諸条件により異なり、特に限定されないが、通常、架橋度は、ゾル−ゲル分率で、10〜95%であるのが好ましく、15〜90%であるのがより好ましい。10%より低いと粘着シート表面のカルボキシル基を活性化する工程において、緩衝液(pH6〜8)に含侵する場合に、粘着層が剥離や溶解しやすく、95%より高いと粘着層形成用の塗布液の粘度の安定性が悪く、加工性が悪くなったり、官能基(カルボキシル基)の量が減少し、選択結合性物質の結合量が不十分となる。よって、このような範囲において、粘着シート表面のカルボキシル基を活性化する工程において、緩衝液(pH6〜8)に含侵する場合に、剥離や溶解しにくく、加工性も良好で、表面のカルボキシル基の量が十分あり、選択結合性物質の結合量が十分な粘着層が得られる。
このような粘着剤は、必要に応じ可塑剤を含有していてもよい。可塑剤としてはフタル酸エステル、トリメリット酸エステル、ピロメリット酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、リン酸トリエステル又はグリコールエステル等のエステル類や、プロセスオイル、液状ポリエーテル、液状ポリテルペン、その他の液状樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を混合して用いることができる。このような可塑剤は、粘着剤との相溶性が良いものであるのが好ましい。
また、粘着剤は、前記可塑剤の他、必要に応じ、例えば、紫外線吸収剤又は酸化防止剤等の各種添加剤を含有することができる。
粘着剤の塗布の方法に関しても特に限定しないが、コンマコーター、バーコーター、スピンコーター、スプレーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター又はその他の各種のコーティング装置の使用が可能である。
粘着剤の厚みは1〜50μmであるのが好ましく、1〜10μmであるのがより好ましい。粘着剤の厚みが下限値未満では、十分な接着強度が得られないだけでなく、貼り合わせ時に気泡が入りやすく好ましくない。また、上限値を超えると、貼り合わせる際に微細流路内に樹脂が入り込みやすく、流路を閉塞しやすいので好ましくない。
本発明に使用するプラスチックシートの素材に使用されるプラスチックとは、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種環状ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリノルボルネン、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、半硬化状態のフェノール樹脂、半硬化状態のエポキシ樹脂又はその他各種の熱可塑性プラスチック、セルロース誘導体の様に、融点とTgを有する高分子物質のことを示すが、その種類や重合度、融点、Tg、弾性率などの物性に関して特に限定するものではない。これらの内、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリスチレン、セルロース誘導体、又はポリカーボネートが好ましく、ポリエステル、セルロース誘導体、又はポリカーボネートがより好ましい。
本発明において、選択結合性物質とは、被検物質と直接的又は間接的に、選択的に結合し得る各種の物質を意味する。基材の表面に結合しうる選択結合性物質の代表的な例としては、核酸、蛋白質、ペプチド、糖類又は脂質を挙げることができる。
核酸としては、DNAやRNAでも良く、またPNAでも良い。特定の塩基配列を有する一本鎖核酸は、該塩基配列又はその一部と相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸と選択的にハイブリダイズして結合するので、本発明でいう「選択結合性物質」に該当する。
核酸は、生細胞等天然物由来のものであっても良いし、核酸合成装置により合成されたものであっても良い。生細胞からのDNA又はRNAの調製は公知の方法により行うことができる。例えばDNAの抽出については、Blinらの方法(Blin et al.,Nucleic Acids Res.3:2303(1976))等に、また、RNAの抽出については、Favaloroらの方法(Favaloro et al.,Methods Enzymol.65:718(1980))に記載されている。固定化される核酸としては、更に、鎖状若しくは環状のプラスミドDNAや染色体DNA、これらを制限酵素により若しくは化学的に切断したDNA断片、試験管内で酵素等により合成されたDNAやRNA又は化学合成したオリゴヌクレオチド等を用いることもできる。
また、蛋白質としては、抗体及びFabフラグメントやF(ab’)フラグメントのような、抗体の抗原結合性断片、並びに種々の抗原を挙げることができる。抗体やその抗原結合性断片は、対応する抗原と選択的に結合し、抗原は対応する抗体と選択的に結合するので、「選択結合性物質」に該当する。
ペプチドとしては、リボソームペプチド、非リボソームペプチド若しくは消化ペプチドのような生体内で産生されるペプチドや合成ペプチドを挙げることができる。
糖類としては、各種単糖のほか、オリゴ糖や多糖などの糖鎖を挙げることができる。
脂質としては、単純脂質のほか、複合脂質であっても良い。
更に、上記核酸、蛋白質、ペプチド、糖類又は脂質以外の抗原性を有する物質を固定化することもできる。また、選択結合性物質として、基材の表面に細胞を固定化してもよい。
これらの選択結合性物質のうち特に好ましいものとして、DNA、RNA、蛋白質、ペプチド、糖、糖鎖又は脂質を挙げることができる。
本発明において粘着剤表面に固定化される選択結合物質の接合方法は、例えば、縮合反応、付加反応又は置換反応等の公知の化学結合を生成させる反応が挙げられるが、アミド結合やエステル結合を生成させるような脱水縮合反応や置換反応が好ましく、特にカルボキシル基とアミノ基からアミド結合を生成させる脱水縮合反応あるいは酸無水物とアミノ基からアミド結合を生成させる縮合反応が好ましい。該脱水縮合反応としては通常のペプチド縮合反応が挙げられ、この際の脱水縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドなどのカルボジイミド、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートなどのホスホニウム塩、ジフェニルホスホリルアジドなどが挙げられ、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドが好ましい。脱水縮合剤の使用量は、カルボキシル基に対して0.5〜10モル当量であり、好ましくは1〜2モル当量である。反応は、添加剤存在下または非存在下で行われ、添加剤としては、N−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−ニトロフェノール又はペンタフルオロフェノールなどが挙げられる。添加剤を使用する場合、その使用量はカルボキシル基に対して0.5〜10モル当量程度、好ましくは1〜2モル当量程度である。
本発明の粘着シートは、粘着層上に離型シートを備えていても良い。離型シートとしては、ポリエステルフィルムを挙げることができる。
このようにして得られた粘着シートは必要に応じてシーズニングされる。
本発明に用いられる凹凸を有する基板の材質は、プラスチック、ガラス、シリコン、金属又はセラミックなどが挙げられる。プラスチックとしては高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種環状ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリノルボルネン、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、半硬化状態のフェノール樹脂、半硬化状態のエポキシ樹脂、その他各種の熱可塑性プラスチックが挙げられるが、透明性が良く観察や測定に有利なことからポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、環状ポリオレフィン又はポリエチレンテレフタレートが好ましい。ガラスとしては石英ガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス又はソーダライムガラスが挙げられるが、加工性の点から石英ガラス、ホウケイ酸ガラスが好ましい。金属は銀、ニッケル、アルミニウム合金、ステンレス、ハステロイ又はチタンなどが挙げられる。これら基板は単一の材質で形成されていても、2種類以上の材質によって形成されていても良い。2種類以上の材質によって形成されている例としては、ガラスやシリコンの基板上に感光性樹脂を塗布し光を照射した部分もしくは照射しなかった部分のみ選択的に除去することで、ガラスやシリコン基板上にプラスチックの凹凸部を形成することができるがこの例に限定されることは無い。このような感光性樹脂組成物としてはネガ型レジスト、ポジ型レジストなどを用いることができるが、十分な膜厚に塗布でき加工性が良いことからエポキシ樹脂系ネガ型レジストが好ましく、具体例としてはSU−8(マイクロケム社製)、SU−8 3000(化薬マイクロケム社製)などが挙げられる。
これら基板の材質として、加工性や観察の点から、プラスチック又はガラスが好ましいが、マイクロ分析チップ用粘着シートとの接着性が良好な点からプラスチックが最も好ましい。
微細な凹凸はエッチング、フォトリソグラフィー、射出成型、熱プレス、インプリント、モールディング、放電加工、切削加工、サンドブラスト加工又は光造形などの手法によって形成される。必要に応じてこれら手法を2種類以上組み合わせて用いても良い。凹凸の形状は通常は溝状または円形や長方形の穴状、柱状などが挙げられる。溝などの側壁の形状は通常は垂直形状のほかテーパー形状、逆テーパー形状、円弧形状などが挙げられる。凹凸の大きさは通常は溝である場合は深さ10〜1000μm、幅10〜1000μm、穴状や柱状である場合はその円の直径もしくは長方形の一辺が10〜1000μmである。凹凸の形状や側壁の形状、大きさについて例示したが、これらは加工法や目的の機能によって大きく異なり、またマイクロ分析チップは通常1種類の形状で形成されることは少ないため上記に限定されるものではない。
本発明において凹凸を有する基板とマイクロ分析チップ用粘着シートとを基板の凹凸を有する面と粘着シートの粘着層が内側になるように接合しマイクロ分析チップとするが、この際に凹凸の凹部分が空隙となり流路やチャンバー、ミキサーなどマイクロ分析チップの機能部となる。また凸部分はマイクロ分析チップ用粘着シートの粘着層と接合し液の漏洩等を防ぐ。マイクロ分析チップ用粘着シートとの密着性を上げるために凸部分の高さはそろっていることが好ましい。
本発明の凹凸を有する基板とマイクロ分析チップ用粘着シートとの接合は大気圧または真空中でロール、板により加熱、加圧することで行われる。この際必要に応じてマイクロ分析チップ用粘着シート及び基板のどちらか一方もしくは両方を治具などに固定しても良い。装置の作業時間やマイクロ分析チップ用粘着シートや基板の耐久性の点から接合を行う際の真空度は大気圧〜10Paで、加熱温度は20℃〜100℃、加圧時の圧力は0.01〜10MPaで行うことが好ましい。
以上のように形成された粘着シートやマイクロ分析チップのカルボキシル基、酸無水物基は使用に際して活性化される。
本発明のマイクロ分析チップの製造方法は、比較的低温のプロセスで、強固に、汚染なく、比較的大面積が接合され、性能良好なプラスチック製バイオチップもしくはマイクロ分析チップとして使用できるという特徴がある。特にマイクロフルイデックス等の微細加工を施した製品に好適に使用できる。特にそのなかで核酸チップ、プロテインチップ、抗体チップ、アプタマーチップ又は糖タンパクチップ等の生理活性物質をチップ表面又は内部に固定化している製品群が挙げられる。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
基材としてポリエステルフィルムを用い、下記の組成の粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成し粘着シートを作製した。
実施例1(粘着シートの作製1)
ポリマーAの合成方法
アクリル酸n−ブチル127.5gとアクリル酸22.5gを酢酸エチル225gに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル0.05gを添加して、90℃で6.5時間重合してアクリル樹脂共重合体(重量平均分子量:Mw=80万)(ポリマーA)を得た。さらにこれを酢酸エチル、メチルエチルケトンで希釈し、固形分率26.7%、粘度6500mPasのアクリル樹脂共重合体(ポリマーA)溶液を得た。
ポリマーA溶液 100重量部(アクリル酸ブチル/アクリル酸=85/15)、エポキシ系架橋剤テトラッド−X(三菱ガス化学社製)0.02重量部、メチルエチルケトン 570重量部を均一になるように混合溶解した粘着剤組成物を、ポリエステルフィルム(片面側に易接着処理を施したもの A4100)(厚さ:100μm)上にコンマコーターで塗布して乾燥し、粘着剤層(厚さ:5μm)を形成した。この上を離型シートとしてのポリエステルフィルム(片面側にシリコーン処理を施したもの)(リンテック社製 AL5 厚さ:38μm)で覆った。得られたシートを35℃で7日間シーズニングを行い、粘着シートを作製した。
実施例2(粘着シートの作製2)
エポキシ系架橋剤テトラッド−X(三菱ガス化学社製)の添加量を0.05重量部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
比較例1(粘着シートの作製3)
ポリマーBの合成方法
アクリル酸n−ブチル105g、アクリル酸45g、酢酸エチル225gに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル0.05gを添加して、90℃で6.5時間重合してアクリル樹脂共重合体(重量平均分子量:Mw=70万)(ポリマーB)を得た。さらに酢酸エチル、メチルエチルケトンで希釈し、固形分率27.7%、粘度57000mPasのアクリル樹脂共重合体(ポリマーB)溶液を得た。
粘着剤組成物として、ポリマーB溶液 100重量部(Mw(重量平均分子量)=70万、固形分率27.7%、粘度57000mPas)(アクリル酸ブチル/アクリル酸=70/30)を使用した以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
比較例2(粘着シートの作製4)
エポキシ系架橋剤テトラッド−X(三菱ガス化学社製)の添加剤を0.05重量部とした以外は比較例1と同様にして粘着シートを作製した。
比較例3(粘着シートの作製5)
エポキシ系架橋剤テトラッド−X(三菱ガス化学社製)を添加しない以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
比較例4(粘着シートの作製6)
エポキシ系架橋剤テトラッド−X(三菱ガス化学社製)を添加しない以外は比較例1と同様にして粘着シートを作製した。
上記実施例1〜2および比較例1〜4で作製された粘着シートについて、耐pH性と蛋白質(トリプシン)結合性評価を行った。評価結果を表1に示す。
耐pH性評価方法
2−モルホリンエタンスルホン酸(MES、同仁化学社製)を最終濃度0.5Mになるように蒸留水に溶解し、pH6.0〜7.0になるように1N水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、MES緩衝液を調整した。また、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール(Tris、ナカライテスク社製)を最終濃度0.5Mになるように蒸留水に溶解し、pH7.0〜8.0になるように1N塩酸を滴下して、Tris緩衝液を調整した。それぞれの緩衝液を0.1Mに蒸留水で希釈して用いた。
これらの緩衝液4mLに、20mmx20mmの大きさに裁断した粘着シートを20分間室温で含浸し、粘着層の状態を目視にて観察した。
○=全てのpH条件で変化なし
△=一部のpH条件で粘着層が溶解または剥離または膨潤
×=全てのpH条件で粘着層が溶解または剥離または膨潤
蛋白質(トリプシン)の結合量評価方法
0.1Mの2−モルホリンエタンスルホン酸緩衝液(MES,pH 6.0、同仁化学社製)に0.5Mの塩化ナトリウムを添加して反応溶液Aとして、20mmx20mmの大きさに裁断した粘着シートを、2mLの反応溶液Aに20分間室温で含浸した。粘着シートを入れた反応溶液Aに、0.8mgの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、ピアス社製)及び2.2mgのN−ヒドロキシスルホスクシンイミド(Sulfo−NHS、ピアス社製)を添加し、60分間室温で保温することで、粘着シートのカルボキシル基を活性化した。カルボキシル基を活性化した粘着シートを反応溶液Aで2回洗浄した。2mgのトリプシン(ロシュ社製)を反応溶液A2mLに添加し、これに粘着シートを含浸し、3時間室温で反応させることで、粘着シートにトリプシンを結合した。反応終了後、溶液から粘着シートを取り出し、反応溶液中の残存トリプシン量を、標準物質としてのウシ血清アルブミン(BSA、ピアス)、及びBSA Protein Assay Kit(ピアス社製)を用いて測定し、粘着シートの蛋白質結合量を定量した。
Figure 0005410419
実施例1、2は耐pH性が良好で、十分な蛋白結合量を示した。一方、比較例1、2及び4は耐pH性が不十分であり、蛋白結合能の定量は出来なかった。比較例3ではpH条件の許容範囲が狭く、活性化工程の条件が限定される。
実施例3、4(マイクロ分析チップの製造1、2)
シリコン基板上にエポキシ樹脂系ネガレジストSU−8 3050(化薬マイクロケム社製)を3000rpmでスピンコートしホットプレートを用い95℃で20分間加熱乾燥し50μm厚の均一な塗布膜を得た。100μm幅の流路パターンを有するマスクを介しマスクアライナー(ミカサ社製:MA−20)を用いて250mJ/cmで塗布膜を露光した。ホットプレートを用い95℃で6分間塗布膜をベークした後に、現像液を用いて塗布膜を現像し100μm幅の流路パターンを有する基板を得た。この基板に30℃で実施例1及び2で得られたマイクロ分析チップ用粘着シートから離型シートを剥がしたものを流路パターンと粘着層が内側になるようにラミネートしマイクロ分析チップを得た。流路の両端に針で穴を開けチューブを接続しシリンジポンプを用いて純水を送液したところ、基盤とマイクロ分析チップ用粘着シートとの接合部での剥離や漏れは観測されずマイクロ分析チップとして十分に機能することが分かった。

Claims (8)

  1. カルボキシル基、もしくは酸無水物基含有モノマー構造単位の割合がポリマー中の全モノマー構造単位の5〜25重量%であるポリマーを含有する架橋型粘着剤により形成された粘着層が設けられたプラスチックシートからなるマイクロ分析チップ用粘着シートであって、 前記マイクロ分析チップは、表面に凹凸を有する基板の前記凹凸を有する表面と前記粘着シートとを対向させて接合されることによって形成され、被検物質と直接的に又は間接的に選択的に結合し得る選択結合性物質を有するものであって、 前記選択結合性物質は、前記粘着層表面が有するカルボキシル基もしくは酸無水物基と、該選択結合性物質が有する官能基との間の縮合反応、付加反応又は置換反応により、前記粘着層表面に固定化されていることを特徴とするマイクロ分析チップ用粘着シート。
  2. 前記選択結合性物質が核酸、蛋白質、ペプチド、糖類、脂質のいずれかである請求項1に記載のマイクロ分析チップ用粘着シート。
  3. 前記プラスチックシートがポリエステル、セルロース誘導体、ポリカーボネートのいずれかである請求項1又は2に記載のマイクロ分析チップ用粘着シート。
  4. 表面に凹凸を有する基板と請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマイクロ分析チップ用粘着シートとを基板の凹凸を有する面と粘着シートの粘着層が内側になるように接合してなるマイクロ分析チップ。
  5. 前記粘着層と前記基板の間に空隙を有することを特徴とする請求項4に記載のマイクロ分析チップ。
  6. 前記表面に凹凸を有する基板がプラスチック製であることを特徴とする請求項4又は5に記載のマイクロ分析チップ。
  7. プラスチックシートに粘着剤を塗布する工程、粘着剤を塗布したプラスチックシートと表面に凹凸を有する基板とを基板の凹凸を有する面と粘着剤が内側になるようにロールにてラミネートする工程を含む請求項4乃至6のいずれか一項に記載のマイクロ分析チップの製造方法。
  8. プラスチックシートに粘着剤を塗布して粘着層を形成する工程、粘着層表面に選択結合性物質を固定化する工程、選択結合性物質を固定化した粘着層を設けたプラスチックシートと表面に凹凸を有する基板とを基板の凹凸を有する面と粘着層が内側になるようにロールにてラミネートする工程を含む請求項4乃至6のいずれか一項に記載のマイクロ分析チップの製造方法。
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