JP2002030434A - 成膜装置 - Google Patents

成膜装置

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JP2002030434A
JP2002030434A JP2000218521A JP2000218521A JP2002030434A JP 2002030434 A JP2002030434 A JP 2002030434A JP 2000218521 A JP2000218521 A JP 2000218521A JP 2000218521 A JP2000218521 A JP 2000218521A JP 2002030434 A JP2002030434 A JP 2002030434A
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film
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Masanori Okamura
昌紀 岡村
Masayuki Ogawa
正幸 小川
Toru Okamoto
徹 岡本
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】厚みの異なるマスクを熱膨張によるマスクの変
形を発生させることなく容易に併用することができる成
膜装置を提供する。 【解決手段】カラーパターン3の表面にマスク2を用い
て選択的に所定の部分にのみ透明導電膜パターンを形成
する方法において、前記マスク2と主プレート1との間
にスペーサ5を設置することで、任意厚みのマスクを容
易に使用できることを特徴とする透明導電膜の成膜装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置用の
カラーフィルタを製造する工程に用いられ、カラーフィ
ルタ上に所定形状の透明導電膜を形成するための成膜装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルタの製造工程は、ガラス等
の透明基板上に真空成膜法等を用いてクロムを成膜した
後、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを配置して
露光、現像、クロムエッチング、フォトレジスト剥離を
行い、パターン状のブラック遮光層を形成する。特に最
近では、地球環境への影響を考慮して、有害なクロムを
使用せず、遮光性樹脂をブラック遮光層として使用する
樹脂ブラックマトリックス(BM)が開発・生産されて
いる。次にブラック遮光層の上から、1色目の着色用感
材を塗布した後、フォトマスクを配置して露光し、その
後現像を行い、1色目のカラーパターンを形成し、同様
にして2色目以降のカラーパターンを形成する。最後に
液晶駆動用の電極として用いられる透明導電膜層をカラ
ーパターン上に形成する工程を経てカラーフィルタが完
成する。このとき、カラーパターンと透明導電膜の間
に、画素の保護やカラーパターンの平坦化を目的とし
て、オーバーコート層を形成する場合もある。
【0003】ところで、前記透明導電膜層には高い光線
透過率と低い抵抗値が必要とされており、これらの点か
ら好適な材料として、酸化スズを添加した酸化インジウ
ム(ITO:Indium Tin Oxide)が広く使用されてい
る。このITO膜の形成方法としては、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、真空蒸着法などの方法が
知られているが、いずれも真空に近い減圧雰囲気下で基
板を加熱することが必要であり、特に最近では比較的低
温で高い光線透過率と低い抵抗値が得られるスパッタリ
ング法によることが多い。
【0004】前記透明導電膜は、主に前記カラーフィル
タの着色画素層が形成された画素表示領域にのみに形成
されるため、パターン化を行う必要がある。パターン化
の方法としては、成膜後に印刷マスクやフォトリソ加工
などを用いてパターン化するエッチング法および成膜時
にパターン化した金属マスクを使用して膜形成するマス
ク成膜法が知られている。しかし、エッチング法ではフ
ォトリソ工程を必要とするため工程が長く、コストが高
くなる欠点がある。そのためTFT用のカラーフィルタ
上へ導電膜を形成する方法としては、導電膜パターンの
形成部分が開口部となっているマスク、特に金属製の金
属マスクを用いたマスク成膜法が一般的に利用されてい
る。マスク成膜法は導電膜パターンの形状部分が開口部
となっている形状の金属マスクと呼ぶ金属薄膜を、導電
膜を形成すべき基板上に密着させた後、スパッタリング
法によりマスク上から導電膜を形成する方法である。
【0005】このマスクを使用したマスク成膜法を実施
する場合、マスクと基板との間に隙間が生じるとこの隙
間に導電膜成膜時に導電膜が回り込んで成膜されるた
め、パターンの周辺部がボケてしまう現象が発生する。
このボケはパターン精度を劣化させる要素であり、ま
た、パターンエッジがボケて視認しにくくなるために、
パターンの精度、寸法の測定が困難になり、ひいてはパ
ターン精度の管理が困難になる問題を発生させる。この
問題を解決するためには、金属マスクと基板との隙間を
無くす、すなわちマスクと基板とを密着させることが重
要になる。
【0006】しかしながら、基板とマスクとを隙間無く
完全に密着させた場合、導電膜のパターンボケは完全に
防止することができるものの、マスクと基板との擦れに
よるキズが多発する。特にマスクの開口部周辺はカラー
フィルタのブラックマトリックスの額縁部と重なり合う
ため、メタルマスクの微妙なズレや摩擦によりブラック
マトリックスへキズを生じ、白ヌケ欠点を発生させる原
因となってしまう。これらキズの発生を防止するため基
板とマスクとの接触は最小限にすることが望ましく、た
とえばマスクの基板と接触する側(基板裏面)にスペー
サを設ける方法や、マスクをハーフエッチングすること
で基板とマスクとの接触を最小限にする方法などが知ら
れている。また、マスクと基板との間に樹脂製のスペー
サを設置し微少な隙間を形成しキズを防止する方法など
も採用されている。隙間の大きさとしては、隙間が大き
すぎると前述した透明導電膜の回り込みによるボケが発
生するため、可能な限り小さくすることが必要であり、
その厚みはマスク厚により異なるが50μm〜300μ
mが好ましい。
【0007】ところで前記のように、マスク成膜法にお
いては成膜時マスクと基板とを密着させることが必要で
ある。そのため基板とマスクとを密着させるためのさま
ざまな方法が提案されている。中でも、図4に示すよう
に、基板3の裏側からスプリング等の手段41により機
械的にマスク2と基板3とを密着させる方法、もしくは
図3に示すように、基板3裏側の内部に多数の磁石7が
設けられる副プレート42を設置し、磁石7の磁力によ
りマスク2を基板3側に吸着してマスク2と基板3とを
密着させる方法のいずれかの方法が一般的に採用されて
いる。
【0008】前記図4に示したスプリング41により基
板3とマスク2とを密着させる方法においては、前記図
3に示した内部に多数の磁石7が設けられる副プレート
42を用いる方法に比べ、構造、仕組みが簡単であり、
多種多様な品種、パターンに対応しやすい長所がある。
しかしながら、スプリング41により基板3をマスク2
側へと押しつけるため、強く押しつけすぎると基板3と
マスク2との接触により基板3にキズが生じ、その結果
カラーフィルタの品質欠点発生による表示不良や、パー
ティクルの発生によるカラーフィルタ製造工程の歩留ま
り低下を引き起こしてしまう。一方、押しつけが弱すぎ
ると、前述したように基板3とマスク2との間にうきが
生じ、導電膜が基板3のカラーパターンのエッジに回り
込んでエッジ部がぼけてしまう。このように、スプリン
グ方式においては、スプリングによる押し込み量の調整
が製品の品質、歩留まりに大きな影響を与え、その管理
が非常に重要になる。
【0009】ところで、このスプリング方式において
は、機械的にスプリングにより基板をマスクに押しつけ
てマスクと基板とを密着させるため、マスクに大きな力
がかかり、そのためマスクの剛性が低いとマスク歪みや
変形が発生する。つまり、スプリング方式では、マスク
の剛性がより高いことが望ましく、そのためにはマスク
厚をより厚くすることが望ましいが、厚くしすぎると後
述するように加工精度の問題や、パターン境界部での導
電膜の膜厚減少の問題などが発生するため、最適な厚み
を設定する必要がある。以上の項目を考慮に入れると、
このスプリングによりマスクと基板とを密着する方式に
おいて、マスクの厚みとしては、1.0mm〜5.0m
mが好ましく、より好ましくは1.5mm〜3.0mm
の厚みである。
【0010】一方、前記図3に示した基板裏側の内部に
多数の磁石7を配した副プレート42によりマスク2を
吸着する方式では、磁石7によりマスク2を吸着するた
め、磁石配置を最適化することによりマスクと基板とを
完全に密着させることができる。そのためマスクと基板
との隙間が発生しにくく、前記スプリング方式に比べボ
ケが発生しにくい長所がある。この副プレートによる方
式では、マスクが基板側へと吸着されるため、前記スプ
リングにより基板とマスクとを密着させる方法とは反対
に、マスクの剛性が強すぎるとマスクが磁石に引きつけ
られない、部分的に引きつけられることにより基板にキ
ズが発生するなどの問題がある。そのためマスクにはあ
る程度の柔軟性が必要であり、そのための厚みとしては
0.05mm〜1.0mmが好ましく、より好ましくは
0.2mm〜0.5mmである。
【0011】ところで、マスクでパターン化を行う、マ
スク成膜では基板と接する部分とは反対の部分(以下マ
スク表面と呼ぶ)にも導電膜が成膜されるため、マスク
を繰り返し使用していくにつれマスク表面に導電膜が積
層され、その積層膜が厚くなりすぎると膜剥がれが生
じ、その剥がれた膜がパーティクルとなる問題がある。
この膜剥がれを防止するために、マスクの表面に凹凸を
形成して膜の密着力を向上させ膜剥がれを防止する方法
が知られている。マスク表面に凹凸を形成する方法とし
ては、サンドブラスト法やフォトエッチング法により実
施することができる。また、機械的研磨やレーザー加工
により凹凸を付けることももちろん可能である。さらに
溶接によりマスク表面に凸部を形成し凹凸を形成するこ
と、ポリイミドなどの樹脂を凸状に形成し凹凸を形成す
ることも可能である。しかしながら、前記の凹凸形成方
法の、いずれの方法においても厚みの薄いマスクに凹凸
加工を施した場合、マスクの剛性が弱いため、マスク歪
み、平面性の悪化が発生する。この歪み、平坦性の悪化
は基板とマスクとの密着性悪化の原因となり、前述した
ボケ欠点発生の原因となってしまう。
【0012】またさらに、同一マスクを繰り返して使用
する場合、表面に積層された導電膜をマスクより除去し
て再利用する方法が取られる。このマスクを再生洗浄す
るには、マスクの変形・キズ発生の防止、マスクの腐食
の防止を考慮に入れた上で、導電被膜のみを完全に除去
する必要がある。この除去の方法としては、サンドブラ
ストによる機械的な剥離や、酸を使用したエッチング法
などの化学的な剥離法が使用されている。しかしなが
ら、いずれの方法においても、前記マスク表面への凹凸
の形成時と同じようにマスク厚が厚く剛性が高いマスク
には有用であるが、マスク厚が薄く剛性が低いものにつ
いてはマスクに歪み等が発生するため実施し難い。その
結果マスク厚が薄く、マスクの剛性の低いマスクについ
てはその製作コストが極めて高価であるにも関わらず、
使用後は廃棄処分されている。
【0013】一方、マスク厚を厚くした場合、マスクの
加工が困難になる問題点が存在する。カラーフィルタ用
の透明導電膜のパターン化に用いられるマスクは、好ま
しくは0.1mm以下、より好ましくは0.05mm以
下のパターン精度が要求される。マスクの加工方法とし
ては、機械加工により金属板を切削し所定の開口部を形
成する方法、化学的に金属板をフォトリソ加工によりエ
ッチングして開口部を形成する方法等があり、特にエッ
チング加工による方が精度的に優れたものが製作でき
る。しかし、エッチング法は、金属板両面よりエッチン
グ液を噴霧してエッチングを行っており、表層よりエッ
チングが進んでいくため、表層に比べマスク中心部がエ
ッチングされにくく、パターンの断面が図8に示すよう
に凸型となってしまう。マスクが薄い場合にはこの凸は
無視することができるが、マスクが厚い場合、パターン
精度の悪化やマスクによるキズ、ボケの発生原因となり
無視することができない問題となる。
【0014】また、通常厚みの厚いマスクを使用する場
合は、パターン境界部の膜厚分布が悪く滲みやすくなる
のを防止するため、マスクの開口部のエッジ部分に水平
方向から5〜45度のテーパーを設ける等の特別な加工
が必要であるが、エッチングによりテーパー加工を実施
するのは非常に困難である。これらの点から、マスク厚
の厚いマスクについては、機械による切削加工が用いら
れている。しかしながら、機械加工において、精度良く
開口部を作成するためには、高度の設備・技術が必要で
あり、製作コストがエッチング法に比べ高くなる欠点が
存在する。
【0015】以上の点を考慮に入れると、最適なマスク
の厚みは生産される品種によって異なってくる。たとえ
ば、試験や試作等の少量多品種の生産においては、初期
のマスクの作成費用が安い厚みの薄いマスクが好ましい
のに対し、同一品種を連続的に生産する大量生産におい
ては、剛性が高いため生産途中での変形が小さく、また
膜剥がれ防止のための表面加工やマスクの再利用が可能
であるマスク厚の厚いマスクがより好ましい。このよう
に、導電膜をパターン化するためのマスクにおいて、マ
スクの厚みは成膜するパターン形状や品種構成により最
適な厚みが異なり、その厚みの違いは基板とマスクとの
密着方法などの装置構成や、導電膜の品質、歩留まり、
コストに多大な影響を与える。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】近年、液晶表示装置の
高性能化、多機能化が進み、さまざまな分野で液晶表示
装置が使用されるようになるにつれ、サイズや形状、品
質の異なる多種多様な製品が製造されるようになってき
ている。この液晶表示装置の多様化に伴い、カラーフィ
ルタ製造工程においても、サイズ、形状、品質の異なる
多種多様な品種の生産が必要となってきており、透明導
電膜の成膜工程においても同様に多種多様な製品に対応
する必要がでてきた。しかしながら、前記のように透明
導電膜をパターン化するためのマスクの厚みは、必要と
される品質、カラーフィルタおよび透明導電膜のパター
ン形状、成膜条件、成膜膜厚、成膜枚数さらには成膜装
置の装置構成により最適な厚みが異なってくる。しかし
ながら、現在カラーフィルタ製造工程における透明導電
膜の成膜工程においては、基板やマスクの脱着や、基板
とマスクとの位置合わせなど、基板脱着用ロボットを使
用しての自動化が進んでいる。そのため異なる厚みのマ
スクを使用した場合、基板脱着ロボットのティーチング
の変更や、基板とマスクとを密着させるためのスプリン
グもしくは内部に磁石を取り付けた副プレートの位置合
わせの最適化等の装置改良が必要であり、実質上生産機
においては、マスク厚が品質、コスト、歩留まりに大き
な影響を与えるにも関わらず生産時のマスク厚の変更は
不可能である。そのため現状透明導電膜の成膜装置にお
いては、厚み1.5〜3mm程度のマスク厚の比較的厚
いマスクを使用した前記スプリングによる基板固定方
式、もしくは厚み0.2〜0.5mm程度のマスク厚の
比較的薄いマスクを使用した前記副プレートによるマス
ク吸着による基板固定方式のいずれか一方を選択して使
用している状態である。
【0017】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
であって、異なる厚みのマスクを、同一装置において容
易に使用可能にする成膜装置を提供することを目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、以
下の構成を採用する。すなわち (1)開口部が形成された主プレートと、カラーパター
ンが形成される基板と、前記カラーパターンに対向する
位置に設けられた開口部が形成されるマスクとを備え、
前記主プレートの開口部に前記マスクを密着させた前記
基板を固定し、前記基板上に膜を成膜する成膜装置であ
って、前記マスクの厚みを任意に変更できるようにした
ことを特徴とする成膜装置。
【0019】(2)前記変更可能なマスクの厚みが0.
01mm〜5mmの範囲内であることを特徴とする前記
(1)記載の成膜装置。
【0020】(3)前記マスクの材質が磁性体であるこ
とを特徴とする前記(1)もしくは(2)記載の成膜装
置。
【0021】(4)前記マスクを前記主プレートに熱膨
張による変形が逃げられるように固定したことを特徴と
する前記(1)から(3)のいずれかに記載の成膜装
置。
【0022】(5)前記基板にはカラーパターンが複数
形成され、前記マスクには前記カラーパターンに対向す
る位置に設けられた複数の開口部が形成されることを特
徴とする前記(1)から(4)のいずれかに記載の成膜
装置。
【0023】(6)前記主プレートと前記マスクとの間
にスペーサを設置したことを特徴とする前記(1)から
(5)のいずれかに記載の成膜装置。
【0024】(7)前記スペーサが金属製であることを
特徴とする前記(6)記載の成膜装置。
【0025】(8)前記マスクおよび前記主プレートと
マスクとの間に設置したスペーサを前記主プレートに熱
膨張による変形が逃げられるように固定したことを特徴
とする前記(6)ないし(7)のいずれかに記載の成膜
装置。
【0026】(9)前記スペーサの内部、表面、裏面の
いずれか一カ所以上の箇所に磁石を取り付けて、マスク
を吸着固定することを特徴とする前記(6)から(8)
のいずれかに記載の成膜装置。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明は開口部が形成された主プ
レートと、カラーパターンが形成される基板と、前記カ
ラーパターンに対向する位置に設けられた開口部が形成
されるマスクとを備え、前記主プレートの開口部に前記
マスクを密着させた前記ガラス基板を固定し、前記基板
上に膜を成膜する成膜装置であって、前記マスクの厚み
を任意に変更できるようにしたことを特徴とする成膜装
置である。
【0028】なお、本発明において、カラーパターンと
は、着色層およびブラックマトリックスを含むものと
し、さらに着色層およびブラックマトリックス層で形成
された位置あわせ用のマークや透明導電膜パターン管理
用等のマーク類も含むものである。また、着色層および
ブラックマトリックス層を形成した後、カラーパターン
の平坦化および保護を目的として必要により保護層を形
成することもある。
【0029】また、本発明における基板とマスクとの密
着は、基板とマスクとを隙間無く密着させるのが導電膜
のパターンボケの防止につながるが、マスク全面におい
て密着させた場合、マスクと基板との擦れによるキズが
多発する。特にマスクの開口部周辺はカラーフィルタの
ブラックマトリックスの額縁部と重なり合うため、メタ
ルマスクの微妙なズレや摩擦によりブラックマトリック
スへキズを生じ、白ヌケ欠点を発生させる原因となって
しまう。これらキズの発生を防止するため、基板とマス
クとの接触は最小限にすることが望ましく、たとえばマ
スクの基板と接触する側(基板裏面)にスペーサを設け
る方法や、マスクをハーフエッチングすることで基板と
マスクとの接触を最小限にする方法が採用できる。ま
た、マスクと基板との間に樹脂製のスペーサを設置し、
微少な隙間を形成し、キズを防止する方法なども採用さ
れている。隙間の大きさとしては、隙間が大きすぎると
前述した透明導電膜の回り込みによるボケが発生するた
め、可能な限り小さくすることが望ましく、マスク厚に
より異なるが一般的に50〜300μmが好ましい。
【0030】本発明で使用する基板は、特に限定され
ず、光線透過率が高く、機械的強度、寸法安定性が優れ
たガラスが最適であり、ソーダガラス、無アルカリガラ
ス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどが多く用いられ
る。他にポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂などのプラスチック板も使用できる。また、一色以
上のカラーパターンの形成されたカラーフィルタなどに
使用される場合、ガラスまたはプラスチックの上にカラ
ーフィルタの要求特性を満足させる種々のプラスチック
系および無機系、有機系の薄膜がパターン化され積層複
合されたものが使用される。
【0031】ブラックマトリックス層としては特に限定
されないが、クロムやクロムと酸化クロムや窒化クロム
の多層膜などからなる無機系やアクリル樹脂、ポリイミ
ド樹脂などに黒色顔料を分散した有機系の材料が用いら
れる。無機系、有機系とも本発明において好適に用いら
れるが、成膜に複雑な真空系を要する無機系に比べ製造
コストの面で有利であり、地球環境への影響も少ない有
機系を用いるのが望ましい。ブラックマトリックス層の
厚みは無機系で0.1〜0.3μm、有機系で0.5〜
2μmのものが多く用いられる。ブラックマトリックス
層は通常フォトリソグラフィ法により所定のパターンを
形成する。
【0032】着色層としては特に限定されないが、顔料
を樹脂に分散したものが用いられる。樹脂としては18
0℃以上のアニール処理でも軟化、分解、着色を生じな
い材料が用いることができ、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニールアルコール
樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂、ポリイミド樹脂およびこれらの混合物が好まし
く用いられる。これらの中でも耐熱性に優れているポリ
イミド樹脂がより好ましい。
【0033】本発明の成膜装置で得られるカラーフィル
タは、必要により保護膜層を形成することができる。保
護膜層としてはポリイミド樹脂、オルガノシランを縮重
合して得られるシリコーン樹脂、オルガノシランとイミ
ド基を有する化合物とを縮重合して得られるイミド変形
シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド
樹脂、もしくはこれらの混合物などが用いられる。
【0034】本発明で使用されるマスクは、特に限定さ
れないが、耐熱性、耐久性、加工性および熱膨張係数を
配慮した金属が好ましく、タングステン、モリブデン、
鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、ステンレスなど
の多くの金属もしくは合金の板から選定することができ
る。中でもガラスと熱膨張係数の近い42アロイ(ニッ
ケル42%、鉄58%の合金)も好適に使用されてい
る。また、基板と同一の材質、すなわちガラスやプラス
チック板を使用することもできる。また、基板とマスク
とを密着させる場合、スプリングによる機械的な固定
や、基板裏側の内部に多数の磁石が設けられている副プ
レートによりマスクを基板側へ吸着する方式が採用され
ているが、前者の場合、マスクに機械的な剛性が必要で
あるため、マスク材質により異なるが、金属製のマスク
としては厚み1.0mm〜5.0mm、より好ましくは
1.5mm〜3.0mmの厚みである。また、後者にお
いては磁石の磁力によりマスクを吸着するため、マスク
は磁性体であることが好ましく、その厚みは0.01m
m〜1.0mm、より好ましくは0.2mm〜0.5m
mである。したがって、マスクの厚みは、マスク全体と
しては0.01〜5.0mmが望ましい。
【0035】ただし、前述したように、マスクと基板と
を密着させる際、マスクと基板との擦れによるキズが発
生しやすいため、スペーサやハーフエッチングにより部
分的に基板とマスクとを接触させるなどの工夫を要す
る。マスクの導電膜が成膜される面(マスク表面)には
付着した導電膜の剥がれを防止するために、サンドブラ
ストやエッチング等の方法により、表面に凹凸を形成す
ることが好ましい。
【0036】本発明のマスクは、導電性の薄膜をパター
ン化して成膜するためのマスクとして使用できる。導電
性の薄膜は、例えば酸化インジウム、酸化スズ、酸化イ
ンジウムと酸化スズの混合物(以下、ITOと称す
る)、酸化亜鉛、酸化カドミウム、金、銀、銅、アルミ
ニウム、パラジウム、白金などの単体もしくは混合物、
もしくは積層体からなり、厚みは10〜5000オング
ストロームが好ましい。中でもITOは高透明性および
低抵抗性の点でカラーフィルタ上へ成膜される導電膜と
しては、より好ましい。
【0037】導電膜の成膜はカラーフィルタにダメージ
を与えないような250℃以下の温度で成膜しても抵抗
値が低く、透明性の高い膜が得られる点で、スパッタリ
ング法によることが好ましい。その中でも高い成膜レー
トが得られるDCマグネトロンスパッタリング法による
ことがより好ましいが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。成膜装置の形式としては、バッチ式、インラ
イン式、枚葉式等のものが使用できるが、生産性に優れ
る点でインライン式が好ましい。
【0038】本発明で使用される主プレートとマスクと
の間に配するスペーサも、特に限定されないが、耐熱
性、耐久性、加工性および熱膨張係数を配慮した金属が
好ましく、タングステン、モリブデン、鉄、ニッケル、
クロム、アルミニウム、ステンレスなどの多くの金属も
しくは合金の板から選定することができる。また、基板
と同一の材質、すなわちガラスやプラスチック板を使用
することもできる。特に、スペーサ材をマスク材もしく
は主プレート材と同一の材質で形成することにより、熱
膨張によるスペーサ、マスクの歪みを最小限に抑制でき
るとともに、それぞれの部材の擦れによるパーティクル
の発生も最小限に抑えることができる。さらにスペーサ
においても前記マスクと同様に透明導電膜が形成される
面には、サンドブラストやエッチング等により凹凸を形
成し膜剥がれを防止するのが好ましい。
【0039】本発明に用いられるITOターゲットは、
酸化インジウムと酸化錫からなるスパッタリング用ター
ゲットが使用される。ターゲットとしてはコールドプレ
ス法、ホットプレス法、スリップキャスト法など様々な
製法で作成されたものが使用可能であるが、製品欠点の
原因である使用途中でターゲット表面に析出される黒色
突起(以下ノジュールという)の発生を押さえるために
はスリップキャスト法によるターゲットを使用すること
が最も好ましい。またノジュールの発生を押さえること
に加え、異常放電の防止、ターゲットからの脱ガスの防
止、成膜速度の向上・安定性、さらには成膜されたIT
O膜の特性向上のためにも、使用するITOターゲット
の密度は重要である。そのため本発明においては、ター
ゲット密度6.20g/cm3 以上のターゲットを使用
することが好ましく、さらに好ましくは7.10g/c
3 以上の高密度ターゲットであり、さらには、密度
7.13g/cm3 以上の超高密度ターゲットを使用す
るのが最も好ましい。また使用前のターゲットの表面粗
さもノジュールおよび異常放電の防止には重要であり、
表面が滑らかなほどノジュールおよび異常放電が発生し
にくい。そのため本発明で使用されるターゲットとして
は好ましくは表面粗さRa(JIS B0601で定義
される中心線平均粗さ)が0.5μm以下であり、より
好ましくは0.1μm以下である。
【0040】また本発明においては、異なる厚みのマス
クを使用するため、放電状態が安定しにくい。そのため
成膜時のターゲットおよび成膜される基板上さらにはマ
スク上で発生する異常放電を抑制することが製品欠点減
少のためには好ましい。そのため例えば特開平9−59
772号公報や特開平9−111448号公報、特開平
10−265951号公報に示されているようにターゲ
ットと成膜される基板との間に中間電極と呼ばれるパイ
プ状の電極棒を設けること、また例えばAdvance
d Energy社製のSparc−leV等のアーク
抑制回路を、電源とカソードとの間に設置することも異
常放電抑制のためには好ましい。Sparc−leVを
使用した異常放電の抑制方法としては、連続的な電源の
ON,OFFの繰り返しによるターゲット表面への電荷
の蓄積防止が最も効果的である。この時の反転周波数と
しては2kHz〜200kHzが好ましく、より好まし
くは50kHz〜100kHzである。また電源をOF
Fする反転時間としては、より短い方が成膜効率の点で
は好ましいが、短すぎると異常放電防止の効果を十分に
活用できないため、1μsから20μsが好ましく、よ
り好ましくは2μsから5μsである。もちろんこれら
反転時間は反転周波数により最適な時間が変化する。さ
らに反転時に逆電圧をターゲットに印可するのも異常放
電抑制には効果的である。反転電圧としては、成膜電圧
の10〜20%電圧値が好ましく、より好ましくは13
〜16%である。またインライン式のように複数のカソ
ードを用いて連続的に成膜を行う場合、カソード間干渉
により異常放電が発生するのを防止するため反転時のタ
イミングを同調させることがより好ましい。
【0041】またターゲットの有効利用、およびノジュ
ールの減少、異常放電の防止のためにはターゲット裏面
に設置したカソードの磁石を左右もしくは上下、さらに
は上下左右に揺動させ成膜を行うことも本発明において
は有用である。揺動方法は一定の動作を繰り返す往復運
動によるものが一般的ではあるが、たとえばノジュール
の発生した箇所、もしくはターゲットの厚みの厚い箇所
を重点的にスパッタリングできるように揺動速度を随時
変化させて使用することが最も好ましい。
【0042】また本発明において、マスクを主プレート
に固定する際、マスクの変形が逃げられるように固定す
ることが好ましい。これは成膜前後の基板への加熱に伴
いマスクおよび主プレートも同時に加熱されるが、この
時マスクと主プレートの熱膨張率が異なるため完全にマ
スクを主プレートとを固定してしまうとマスクの熱によ
る膨張が十分に逃げられずマスクに歪みが発生し、その
結果パターン精度の悪化や基板へのキズを引き起こして
しまうためである。マスクの変形が逃げられるように固
定する方法としては様々な方法が考えられるが、例えば
ネジで固定する場合、図5に示すようにネジの押し込み
量cをマスク2の厚みよりも広くし、かつネジとマスク
との間隔aを規定量以上設けることで達成することがで
きる。押し込み量cおよび間隔aはマスク材質、大き
さ、厚みにより最適な値が決定される。その他の例えば
主プレート内に磁石を埋め込みその磁力によりマスクを
吸着固定するなどの方法もマスクの変形を逃がす固定方
法として用いることができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつ
つ説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0044】(比較例1)図4にスプリングにより基板
とマスクとを密着固定する方式(スプリング方式)の断
面図を示す。アルミニウム製の主プレート1の開口部に
厚さ2mmのSUS430製のマスク2を取り付け、そ
のマスク2の上部にカラーパターンの形成されたカラー
フィルタ基板3(ガラスOA−10 日本電気硝子製
400mm×500mm×0.7mm)をセットし、さ
らに基板裏面にスプリング41を取り付けた。スプリン
グ41により基板3はマスク2および主プレート1の方
面へと押しつけられ、その結果マスク2と基板3は密着
固定された。なおこれらの作業は基板供給ロボットによ
り全自動で実施された。このときマスク2は主プレート
1にネジによりマスクが動かないようにしっかりと固定
した。
【0045】次にこのマスクおよび基板を取り付けた主
プレートをインライン式のスパッタリング装置により基
板温度240℃、ITO膜厚1400オングストローム
でITO透明電極膜をパターン形成した。このようにし
て得た透明導電膜は透過率(λ=400〜700nmの
Y値)96、表面電気抵抗15Ω/□であった。しかし
ながら、成膜後のマスクの一部に熱膨張に起因すると考
えられる歪みが発生した。成膜された膜の外観検査をし
たところ、マスクの歪みが発生した箇所にキズやボケが
多発していた。
【0046】また次に上記マスク2の厚みを0.5mm
に変更しその他は前記と同じ装置・条件で、基板供給ロ
ボットを用いてマスク2および基板3の脱着を実施した
ところ基板をロボットがマスクに取り付ける際、基板が
落下して割れる現象が多発した。これはカラーフィルタ
基板3をマスク2に密接する際、厚み2mmのマスクを
使用していた際と比較しマスクと基板の間に1.5mm
の隙間が発生することに起因する。この基板割れを防止
するためにはロボットの再ティーチングを実施してロボ
ットの動作を最適化し1.5mmの隙間を調節すること
に加え、スプリングや主プレートを厚み0.5mmのマ
スクを使用するための専用の物に変更する必要がある
が、ロボットのティーチングには時間と手間がかかり生
産設備において実施した場合著しく生産性を損なうこ
と、また主プレート、スプリングは高価でありコストの
問題があること、さらに主プレートは重量物であるため
容易に変更できないなどの問題点が発生した。
【0047】(実施例1)比較例1と同様に、図4のス
プリング方式において、アルミニウム製の主プレート1
の開口部に厚さ2mmのSUS430製のマスク2を取
り付け、そのマスク2の上部にカラーパターンの形成さ
れたカラーフィルタ基板3(ガラスOA−10 日本電
気硝子製 400mm×500mm×0.7mm)をセ
ットし、さらに基板裏面にスプリング41を取り付け
た。スプリング41により基板3はマスク2および主プ
レート1の方面へと押しつけられ、その結果マスク2と
基板3は密着固定された。このときマスク2は主プレー
ト1にネジにより固定していたが、完全に固定すると成
膜時の基板への加熱にるマスクの熱膨張によりマスクが
変形してしまう問題点があため、図5に示すネジのはめ
込み量cを2.1mmに設定し、マスクの熱膨張による
変形を逃がすようマスク2を主プレート1に固定した。
このとき図5に示した固定用ネジ61とマスク2との隙
間aは、マスクの熱による膨脹量以上の間隔が必要であ
り、使用する材質、大きさにより最適な間隔が決定され
る。本比較例においては、アルミニウム製である主プレ
ートの熱膨張係数が0.207×10-4であるのに対
し、SUS430製のマスクの熱膨張係数が0.104
×10-4であることより、400×500mmの基板サ
イズにおいては、240℃加熱時において最大0.87
mmの膨脹の差が発生する。そのため、図5に示した固
定用ネジ61とマスク2との隙間aは、0.87mm以
上必要であるが、隙間を大きくしすぎるとパターンズレ
の原因となるため、本比較例では1mmの隙間を発生す
るよう設計を行った。次にこのマスクおよび基板を取り
付けた主プレートをインライン式のスパッタリング装置
により基板温度240℃、ITO膜厚1400オングス
トロームでITO透明電極膜をパターン形成した。この
ようにして得た透明導電膜は透過率(λ=400〜70
0nmのY値)96、表面電気抵抗15Ω/□であっ
た。この膜の外観検査の結果、マスクによるキズ、ボケ
等の発生もなく良好な結果を得られた。
【0048】そこで次に前記と同じインライン式スパッ
タリング装置において、前記と同様にカラーパターンの
形成されたカラーフィルタ3上(ガラスOA−10 日
本電気硝子製 400mm×500mm×0.7mm)
の透明導電膜を成膜する工程において、厚み0.5mm
の42アロイ製のマスク2を用いて成膜を行った。この
とき図1に示すようにアルミ製主プレート1とマスク2
との間に、SUS430製の厚み1.5mmのスペーサ
5を設置した。このマスクおよびスペーサを比較例と同
様にアルミニウム製の主プレートにネジ固定を行った
が、このとき比較例1と同様完全に締め付けを行うと、
それぞれの材質の熱膨張係数が異なるため成膜時の加熱
によりマスクおよびスペーサが変形してしまう問題があ
る。そこで図6に示す、ネジのはめ込み量c=2.1m
m、d=1.60mmとし、マスクおよびスペーサの熱
膨張による変形を逃がすように主プレート1に取り付け
た。さらにそれぞれの材質の熱膨張による膨脹量を考慮
に入れた固定ネジ62とマスク2との隙間を形成するこ
とが重要であり、本実施例においては、アルミ製の主プ
レートの熱膨張係数が0.207×10-4であるのに対
し、SUS430製のスペーサの熱膨張係数が0.10
4×10-4、42アロイ製のマスクの熱膨張係数が0.
043×10-4であることより、400×500mmの
基板サイズにおいて240℃の加熱時は主プレートとス
ペーサとの熱膨張の差は最大0.87mm、主プレート
とマスクとの熱膨張の差は最大1.38mmである。そ
こで図6に示す固定用ネジとマスク、スペーサとの隙間
abをそれぞれ、a=1.5mm、b=1mmとしてそ
れぞれの材質に適合した最適な隙間を形成するよう工夫
した。次にこのマスク、スペーサおよび基板を取り付け
た主プレートをインライン式のスパッタリング装置によ
り基板温度240℃、ITO膜厚1400オングストロ
ームでITO透明電極膜をパターン形成した。このよう
にして得た透明導電膜は透過率(λ=400〜700n
mのY値)96、表面電気抵抗15Ω/□であった。ま
た、比較例で発生した外観上の欠点やパターンのズレも
発生せず良好な結果を得られた。
【0049】その他様々な材質、厚み、大きさのマスク
についても同様に本実施例の方式によれば任意の厚みの
マスクを、スペーサとネジを変更することで簡単に低コ
ストで使用することができた。
【0050】(実施例2)実施例1と同様のインライン
式スパッタリング装置においてアルミ製の主プレート1
を用いて、カラーパターンの形成されたカラーフィルタ
3上(ガラスOA−10 日本電気硝子製 400mm
×500mm×0.7mm)の透明導電膜を成膜する工
程において、厚み0.25mmの42アロイ製のマスク
2を用いて成膜を行う際、図2に示すようにアルミ製主
プレートとマスクとの間に、SUS430製の厚み1.
75mmのスペーサ5を設置した。このときスペーサの
内部には図2に示すように、φ3×1mmの耐熱性に優
れたサマリウム−コバルト系の磁石7をマスク2と接触
する面側へ、24個均等に配置した。この磁石7はマス
ク2の固定用に用いられるものであり、実施例1で示し
た固定ネジ62の代わりに、磁石の磁力によりマスクを
固定するものである。このときスペーサ5は実施例1と
同様に熱膨張を考慮に入れた図7に示す固定用ネジ63
で固定する。実施例1と同様に固定用ネジとスペーサと
の間隔bはb=1.0mmとした。磁石による固定のた
めマスクは自由に水平方向には伸び縮みでき、その結果
成膜時の加熱によるマスクの膨脹を逃がすことができ
る。このマスク、スペーサ、および基板を取り付けた主
プレートを実施例1と同様の条件でスパッタリング装置
に投入したところ、実施例1と同様の膜特性のITO透
明電極膜をパターン化できるとともに、外観上の欠点も
全く発生しなかった。実施例1と同様にマスク厚を変更
した場合もスペーサおよびネジを変更することのみで対
応することができた。
【0051】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の変
更が可能である。たとえば、上記実施例においてはスプ
リングにより基板とマスクとを密着させたが、たとえば
マスク厚の薄い場合、図3に示したように多数の磁石を
取り付けた副プレートを基板裏面に取り付け、マスクを
副プレート内の磁石により引きつけることで、基板とマ
スクを密着させることも可能であり、他の手段で密着さ
せるようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】本発明によるカラーパターン上への透明
導電膜を成膜する際に使用する成膜装置においては、透
明導電膜をパターン化するためのマスクの厚みを任意に
変更できる。つまり成膜するパターン形状や必要な品
質、および成膜枚数に応じて最適な厚みのマスクを使用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す断面説明図である。
【図2】本発明の一実施態様を示す断面説明図である。
【図3】本発明の一実施態様を示す断面説明図である。
【図4】本発明の一比較態様を示す断面説明図である。
【図5】本発明の一比較態様を示すマスクおよびスペー
サ固定用ネジの断面説明図である。
【図6】本発明の一実施態様を示すマスクおよびスペー
サ固定用ネジの断面説明図である。
【図7】本発明の一実施態様をスペーサ固定用ネジの断
面説明図である。
【図8】本発明の一実施態様を示す、エッチング法によ
り作製したマスク開口部の断面説明図である。
【符号の説明】
1:主プレート 2:マスク 3:基板 41:スプリング 42:副プレート 5:スペーサ 61、62、63:固定用ネジ 7:磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA11 BA45 BA48 BA54 BB02 BB37 BB44 2H092 HA04 JB01 JB11 MA05 MA35 NA27 NA29 PA08 4K029 BA10 BA15 BA45 BA47 BA50 BC09 CA05 HA02 HA04 5G323 CA05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開口部が形成された主プレートと、カラー
    パターンが形成される基板と、前記カラーパターンに対
    向する位置に設けられた開口部が形成されるマスクとを
    備え、前記主プレートの開口部に前記マスクを密着させ
    た前記基板を固定し、前記基板上に膜を成膜する成膜装
    置であって、前記マスクの厚みを任意に変更できるよう
    にしたことを特徴とする成膜装置。
  2. 【請求項2】前記変更可能なマスクの厚みが0.01m
    m〜5mmの範囲内であることを特徴とする請求項1記
    載の成膜装置。
  3. 【請求項3】前記マスクの材質が磁性体であることを特
    徴とする請求項1もしくは2記載の成膜装置。
  4. 【請求項4】前記マスクを前記主プレートに熱膨張によ
    る変形が逃げられるように固定したことを特徴とする請
    求項1から3のいずれかに記載の成膜装置。
  5. 【請求項5】前記基板にはカラーパターンが複数形成さ
    れ、前記マスクには前記カラーパターンに対向する位置
    に設けられた複数の開口部が形成されることを特徴とす
    る請求項1から4のいずれかに記載の成膜装置。
  6. 【請求項6】前記主プレートと前記マスクとの間にスペ
    ーサを設置したことを特徴とする請求項1から5のいず
    れかに記載の成膜装置。
  7. 【請求項7】前記スペーサが金属製であることを特徴と
    する請求項6記載の成膜装置。
  8. 【請求項8】前記マスクおよび前記主プレートとマスク
    との間に設置したスペーサを前記主プレートに熱膨張に
    よる変形が逃げられるように固定したことを特徴とする
    請求項6ないし7のいずれかに記載の成膜装置。
  9. 【請求項9】前記スペーサの内部、表面、裏面のいずれ
    か一カ所以上の箇所に磁石を取り付けて、マスクを吸着
    固定することを特徴とする請求項6から8のいずれかに
    記載の成膜装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017150038A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 株式会社ジャパンディスプレイ シャドーマスク及び表示装置の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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