JP2007239013A - 薄膜パターン化用マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】有機高分子層を形成した基板上に薄膜をパターン形成する際に使用する薄膜パターン化用マスクにおいて、基板上に形成された有機高分子膜にキズをつけることなく、薄膜のパターン化が可能な薄膜パターン化用マスクを提供する。
【解決手段】有機高分子層を形成した基板上に薄膜をパターン形成するための開口部と開口部以外のフレーム部を有する薄膜パターン化用マスクであって、該フレーム部が開口部の周囲をハーフエッチングした周辺部、および周辺部以外であってハーフエッチングにより凹凸が形成された中心部を有し、かつ樹脂膜が周辺部と中心部の境界となる境界部以外にパターン形成されていることを特徴とする薄膜パターン化用マスク。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板にパターンを形成するための薄膜パターン化用マスクに関する。さらに述べるならば、本発明は、例えば液晶表示装置(LCD)などに利用されるカラーフィルタ上に透明導電膜をパターン化して成膜する際に好ましく用いられる薄膜パターン化用マスクに関する。
カラーフィルタの製造工程は、ガラス等の透明基板上に真空成膜法等を用いてクロムを成膜した後、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを配置して露光、現像、クロムエッチング、フォトレジスト剥離を行い、パターン状のブラック遮光層を形成する。特に最近では地球環境への影響を考慮して、有害なクロムを使用せず、遮光性樹脂をブラック遮光層として使用する樹脂ブラックマトリックス(BM)が開発・生産されている。また、ブラック遮光層を設けず、着色層を重ね合わせて遮光層を形成するタイプのカラーフィルタも開発・生産されている。次にブラック遮光層の上から、1色目の着色層用有機高分子材料を塗布した後、フォトマスクを配置して露光し、その後現像を行い、1色目のカラーパターンを形成し、同様にして2色目以降のカラーパターンを形成する。最後に液晶駆動用の電極として用いられる透明な導電性の薄膜をカラーパターン上に形成する工程を経てカラーフィルタが完成する。この時、必要に応じてカラーパターンと透明導電膜の間に、画素の保護やカラーパターンの平坦化を目的として透明有機高分子材料からなるオーバーコート層を形成する場合もある。この透明導電膜には高い光線透過率と低い抵抗値が必要とされており、これらの点から好適な材料として酸化錫を添加した酸化インジウム(ITO)が広く利用されている。ITOの成膜方法としてはスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法などの各種成膜方法が知られているが、いずれも真空に近い減圧雰囲気下で基板を加熱することが必要であり、最近では比較的低温で高い光線透過率と低い抵抗値が得られるスパッタリング法によることが多い。
導電膜をパターン化する方法としては、成膜後にフォトリソ加工などを用いてパターン化するエッチング法や、成膜時にパターン形成部が開口部となっているマスクを使用して膜形成・パターン化を行うマスク成膜法が知られている。しかし前者のエッチング法ではフォトリソ工程を必要とするため工程が長く、コストが高くなるため、TFT用のカラーフィルタには使用しづらい欠点がある。そのため、一般的には後者の金属マスクを使用するマスク成膜法が採用されている。
マスク成膜では、マスクと基板との間に隙間が生じるとこの隙間に導電膜が回り込んで成膜されるため、パターンの周辺部がボケてしまう。このボケはパターン精度を劣化させる要素であり、さらにパターンエッジがボケて視認しにくくなるために、パターンの精度、寸法の測定が困難になり、ひいてはパターン精度の管理が困難になる問題を発生させる。またこの回り込みによりパターン外に導電膜が形成されるため絶縁不良などの電気的な問題も発生する。これら問題を解決するためには、マスクと基板との隙間を無くす、すなわちマスクと基板とを密着させることが重要になる。しかし基板とマスクとを隙間無く完全に密着させた場合、前記導電膜のパターンボケは完全に防止することができるものの、マスクと基板とが接触した箇所において、マスクと基板との擦れによるキズが発生する。特にマスクの開口部端はカラーフィルタのブラックマトリックスの額縁部と重なり合うため、マスクの微妙なズレや摩擦によりブラックマトリックスへキズを生じやすく、ブラックマトリックス部の白ヌケ欠点を発生させカラーフィルタの品質低下を引き起こす。この問題を解決するため、マスクの基板と接する面側の開口部端に樹脂製のスペーサを設ける、もしくは開口部端に樹脂を塗布することによりマスクとブラックマトリックスとの接触を防止する方法が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら前者の樹脂製スペーサを設ける方法では、マスクの開口部端の外側にまで樹脂が形成されるため、成膜する膜のパターン形状が樹脂膜の形状に依存してしまう。またシート状樹脂を使用する場合は、シートとマスクとの密着力を高めることが難しく部分的にシートに浮きが生じボケが発生する問題がある。一方後者のマスクの開口部端に樹脂を塗布する方法では、開口部端に樹脂を均一に塗布することが難しく、部分的に樹脂が開口部側へとはみ出し、樹脂がはみ出した箇所は膜形成時の影となるため、パターンの加工精度が安定しない問題がある。さらに両者に共通する問題点として樹脂からの脱ガスの影響がある。樹脂膜は、金属マスクと比較し成膜時の加熱や真空引きによりガスを発生しやすく、その発生したガスが成膜する薄膜中に取り込まれ、膜の品質に悪影響を与える。特に開口部端に樹脂層が存在する場合、開口部端近傍つまり膜のパターン境界部の膜特性が膜のパターン中央部と大きく異なる問題が発生する。
一方、ブラックマトリックスとマスクとが接触する箇所のマスクをハーフエッチングしブラックマトリックスとマスクとの接触を最小限にする方法が提案されている(例えば特許文献1、特許文献3参照)。しかしこの方法はマスクの開口部端付近で発生するキズについては抑制できるものの、開口部端以外の箇所つまりマスクに完全に覆われている箇所についてはマスクと基板とが直接接触しているため、基板の脱着・搬送時や成膜時の基板への加熱によるマスクおよび基板の熱膨張時など、マスクと基板との接触に起因するキズが必ず発生する問題がある。
特に近年の液晶表示装置のますますの高性能化・高詳細化が進むにつれ額縁外の微少なキズや汚れも表示不良の原因となる問題が発生してきた。中でも携帯電話やPDAなどのモバイル機器用の中小型液晶表示装置においては、表示部以外の箇所を狭くすることが、モバイル機器自体の小型化につながるため、可能な限り表示部近くに駆動回路を形成する傾向がある。しかしこの駆動回路は一般的に半導体により形成されているため光が当たると、光電作用により回路が誤動作を引き起こす。そのためカラーフィルタ側には光を遮光するための遮光膜が必要となり、結果的に表示部以外の箇所つまり駆動回路を形成する箇所にも遮光層を形成する必要が出てきた。その結果、従来のカラーフィルタではマスクと基板とが接触する箇所(導電膜を形成しない箇所)はカラーフィルタを形成する有機高分子層は形成されておらず、キズの発生しにくいガラスの状態であったのに対し、近年、画素外の導電膜を形成しない箇所にも画素内と同様に遮光層や着色層、オーバーコート層が形成されるようになってきた。
このようにマスクが接触する箇所が、堅くてキズの入りにくいガラス基板から、柔らかくキズの発生しやすいカラーフィルタを構成する有機高分子樹脂膜へと変化するのに伴い画素外でのキズの発生量も増加してきている。またこれら有機高分子樹脂膜へキズが発生した場合、キズにより剥離した有機高分子片がカラーフィルタの画素上に再付着し、その再付着が突起異物や汚れとなり液晶表示装置の表示不良・歩留まりの低下を引き起こす問題が増加してきている。さらに前記したよう表示部近傍に駆動回路が設けられた液晶表示装置の場合、マスクにより駆動回路上に位置する遮光層にキズが入ると、入射する光から駆動回路を隠蔽できず、回路の誤動作を招く問題が発生する。
これら問題点を解決するために、筆者らは基板と接触する側の面に凹凸を形成して基板とマスクとの接触面積を最小化する方法を提案している(特許文献4、参照)。この方法によりマスクと基板との接触面積をより少なく、キズが入りにくいように最適化することが可能であるが、前述したような近年のより一層のマスクと樹脂膜との接触増加に対して、さらにキズ発生を防止することが望まれており、例えば、凹凸の境界部分に樹脂コートする方法が提案されている。(特許文献5)しかしながら、この方法では(凹凸境界部分を塗布する方法では、平滑な膜とならない。)樹脂の中央部は平滑でも、凹凸境界部分の樹脂が盛り上がった形状となってしまい、結果として、基板と接触した際にエッジ部分が製品をキズつける問題が生じる。
特開平10−39289号公報 特開平9−143677号公報 特開平7−159982号公報 特開2002−38254号公報 特開2005−77806号公報
本発明の目的は、上記欠点を解消するために、マスクと基板とが接触する箇所、中でもマスクと有機高分子層が接触する箇所でのキズの発生を防止し、液晶表示装置の表示不良・歩留まりの低下を防止することができる導電膜パターン化用マスクを提供することである。
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成をとる。
(1)有機高分子層を形成した基板上に薄膜をパターン形成するための開口部と開口部以外のフレーム部を有する薄膜パターン化用マスクであって、該フレーム部が開口部の周囲をハーフエッチングした周辺部、および周辺部以外であってハーフエッチングにより凹凸が形成された中心部を有し、かつ樹脂膜が周辺部と中心部の境界となる境界部以外にパターン形成されていることを特徴とする薄膜パターン化用マスク。
(2)前記樹脂膜が、前記中心部の凸部上に形成されていることを特徴とする(1)に記載の薄膜パターン化用マスク。
(3)前記周辺部の幅が、0.1〜3mmであることを特徴とする(1)または(2)に記載の薄膜パターン化用マスク。
(4)前記樹脂膜の厚さが5〜100μmであることを特徴とする(1)〜3のいずれかに記載の薄膜パターン化用マスク。
(5)前記樹脂膜が少なくともポリイミド樹脂を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の薄膜パターン化用マスク。
(6)前記有機高分子層を形成した基板が、カラーフィルタ基板であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の薄膜パターン化用マスク。
本発明によれば、マスクと基板との接触によるキズを抑制し、カラーフィルタの保護膜の剥離に起因する液晶表示装置の表示不良発生を防止し、かつ成膜する薄膜パターン境界部での特性変化を防止し均一な膜特性を得られるという、優れた効果が得られる。
本発明は基板にパターンを形成するためのマスクであって、マスクの有機高分子層と接触する面の表層に凹凸を形成し、かつ有機高分子層と接するフレーム部に樹脂膜をコーティングしたことを特徴とする薄膜パターン化用マスクである。
本発明のマスクが好適に使用される少なくとも有機高分子層を形成した基板の有機高分子層の材質は特に限定されず、180℃以上のアニール処理でも軟化、分解、着色を生じない材料を用いることができ、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニールアルコール樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、シリコーン樹脂およびこれらの混合物などが好ましく用いられる。中でもカラーフィルタとして使用する場合には耐熱性、密着性に優れているポリイミド樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
本発明のマスクが好適に使用される基板は、特に限定されず、光線透過率が高く、機械的強度、寸法安定性が優れたガラスが最適であるが、他にポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などのプラスチック板も使用できる。
本発明のマスク材質は、特に限定されないが、基板と同一材質、すなわちガラスやプラスチック板が好ましい。また、取扱性、耐久性、加工性および熱膨張係数を配慮した金属も好ましく、タングステン、モリブデン、鉄、クロム、ニッケル、チタン、ステンレス、アルミニウム、42アロイなどの多くの金属もしくは合金の板から選定することができる。
本発明のマスクの厚みは特に限定はされないが、0.05〜3mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜0.7mmの範囲である。0.05mm未満では取り扱いが難しく生産性が悪くなるのに加え、マスクの強度が著しく低いため凹凸の形成が難しく、またマスクが歪みやすいため基板とマスクとの密着力も悪くなりボケが発生しやすくなるため好ましくない。一方、3mmを越えた場合はマスクの加工が難しく、マスクの製作コストが高くなるため好ましくない。
本発明のマスクは、薄膜をパターン化して成膜するためのマスクとして使用できる。薄膜の材質は特に限定はされないが、例えば有機高分子層よりなるカラーフィルタ上に形成する導電性薄膜としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムと酸化スズの混合物(以下、ITOと称する)、金、銀、銅、アルミニウム、パラジウム、白金、クロムなどの単体もしくは混合物、もしくは積層体からなり、厚みは10〜5000オングストロームのものが好適に使用される。
本発明においては、マスクの少なくとも前記有機高分子層と接触する側の面にフレーム部を形成する。フレーム部は、開口部の周囲をハーフエッチングした周辺部、および周辺部以外の中心部を有している。また、フレーム部の境界部以外に樹脂膜のコーティングを実施する。ここで境界部とは、周辺部と中心部の境界となる部分を言う。樹脂膜を形成するのは、カラーフィルタとマスクとの接触面積を少なくし、かつ、前記フレーム部が直接基板と接触することによるキズ発生を完全に防止するためである。ここで、中心部とは、フレーム部のうちのハーフエッチング部を除いた部分を言う。より詳しく述べると、基板と接触する側のマスク面に凹凸を形成し、マスク上に基板をセットした際、マスクと基板との接触部分を言う。本発明の樹脂膜をコーティングする場合、マスクと基板との接触部分は、中心部エッジから、好ましくは0(より好ましくは0.1、更に好ましくは0.2)mmまでコーティングし、凹部分への流れ込みのないようコーティングする。凹部に流れ込むと、中心部の端部で樹脂膜が部分的に盛り上がり、接触した際のキズの原因となる。また、コーティング部分が中心部の端部から1mm以上距離で離れていると端部のエッジ部が基板に接触して、傷つける恐れがある。樹脂膜の形成位置としては、境界部から中心部側に向かって0.1〜0.9mmの場所が好ましい。更に好ましくは0.2〜0.5mmが好ましい。また、マスクの有機高分子層と接触する可能性のない領域等は、樹脂膜のコーティングが形成されていなくても良い。
本発明において、フレーム部分は、特に限定はされないが、マスク材質と基板とが直接接することを防止するために、任意の形状の樹脂膜をコーティングする(図1参照)。極端な場合、境界部をコーティングしない限り、実質上突起部分が発生せず、他の領域は、樹脂膜のコーティングにより凹凸の形成がなされる。コーティングする樹脂としては同一の樹脂を使用するのが、生産性・経済性の面で好ましいが、もちろん異なる樹脂を使用しても良い。コーティングする樹脂のパターンは特に限定はされず、全面塗布、ストライプ状、メッシュ状、ドット状、その他マスクパターンに合わせて任意の形状でコーティングすることができる。但し、マスクの開口部以外の箇所の面積に対する、基板に接触する樹脂膜の総面積の比率は、好ましくは5〜60(より好ましくは10〜55、更に好ましくは20〜50)%である。前記数値範囲の下限値を下回るとマスクと基板との接触を完全に防止することができず、接触した箇所でキズが発生する恐れがある。一方、上限値を上回ると樹脂膜からの脱ガス量が増加し、成膜する膜の膜質に影響を及ぼす恐れがあり、いずれも好ましくないからである。
また、本発明においては、樹脂膜をマスクの開口部端から0.1mm未満の範囲にはコーティングしないことが好ましい。これは前記したように成膜時の樹脂膜からの脱ガスが、成膜する薄膜の品質に影響するのを防止するためである。例えば加熱や真空中での成膜方法で薄膜を形成する場合、樹脂膜からの脱ガスが成膜する薄膜中に取り込まれると、膜質が大幅に変化する。また開口部端近傍に樹脂をコーティングした場合、樹脂が部分的に開口部中へはみ出し、作成する薄膜パターンの形状に影響を及ぼす可能性がある。そのため本発明においては、樹脂膜はマスク端部もしくは開口部端から0.1mmまでの範囲にはコーティングしないことが好ましい。
本発明においては、マスクの開口部端は基板と直接接触しない凹部とすることがキズの発生を防止するためには好ましい。かつ、周辺部の幅が、0.1〜3mmの範囲内であることで、より一層キズの発生を防止することができる。中心部を開口部端から0.1mm未満の位置に形成した場合、中心部の端部のエッジにてキズつけたり、パターンエッジがボケてしまう場合がある。一方、中心部を開口部端から3mmを越える位置に形成した場合、開口部端が基板側へと垂れ下がり、フレーム部エッジが基板に接触してキズを発生させる問題や、もしくは開口部端が基板とは反対側に反り、パターンのボケが発生する問題が生じるため好ましくない。
ここで、マスク開口部端から0.1mm〜3mmの範囲内に中心部を形成するとは、図1、2に記載のとおり、境界部がマスク開口部端から0.1mm〜3mmの範囲内に存在することをいう。また、ここでいう中心部の頂部とは、図2に記載のとおり、フレーム部を構成する平坦な頂上部をいう。さらに、頂部のみに樹脂膜が形成されているとは、少なくとも上述の段差部分(凹部)には樹脂膜が形成されていないことを言う。
本発明におけるマスクのフレーム部の形成方法は特に限定されず、例えばサンドブラスト法やレーザー加工などの物理的な方法や、エッチング法など化学的な方法いずれの方法も好ましく利用することができる。もちろん、平坦なマスク上に後付で凸状のスペーサを取り付けることもできる。フレーム部の形成量も特に限定されないが、キズの発生をより防止するためにはマスクの開口部以外の箇所の面積の5〜60%が基板との接触箇所になるようにフレーム部を形成する事が好ましく、より好ましくは10〜55%、更に好ましくは20〜50%の範囲である。
フレーム部の段差も特に限定はされず、使用するマスクの厚み、フレーム部の形状により任意の値を選択することができる。例えば厚さ0.25mmのマスクの場合、マスク厚みの5〜50%を凹凸段差にすることが好ましく、より好ましくは10〜25%である。5%未満の場合は凹部の異物で基板と接触する可能性があり、凹部の効果を十分に発揮できない。また50%を越えた場合はマスクの強度が著しく低下し、マスクに歪みや反りが発生するため好ましくない。特にマスク厚みが薄い場合にと、その影響が大きい。
コーティングする樹脂膜の材質は特に限定されず、薄膜形成時の加熱による劣化を防ぐために180℃以上の耐熱性を有し、かつ真空中での成膜時に樹脂からの放出ガスの影響で薄膜の膜質が変化することを防止するため、脱ガスの少ない材料を選択することが好ましい。これらの点から、ポリイミド樹脂、テトラフルオロトエチレン樹脂、またはシリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく用いられる。なかでもポリイミド樹脂もしくはポリイミド樹脂の混合物が耐熱性の点から最も好ましい。
塗布する樹脂膜の厚みは特に限定されないが、キズおよび放出ガス(脱ガス)の影響の防止の点から、5〜100μmの範囲が好ましく、10〜50μmが最も好ましい。5μmより薄いと十分にキズの発生を防止することができず、100μmよりも厚いと樹脂からの放出ガスの影響で膜質が悪化するのに加え、基板とマスクとの間の隙間が広くなり、パターン周辺部がボケてしまうため好ましくない。マスクエッジに近い程、薄膜にした方が放出ガスの影響がない。樹脂のコーティング方法も特に限定されず、例えばスクリーン印刷法、転写法、インクジェット法などによりフレーム部に樹脂をコーティングした後、加熱により樹脂を硬化させる方法などが好適に用いられる。
本発明における薄膜の成膜方法も、特に限定はされず、マスクによるパターン化が可能な方法であればよく、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法など物理的・化学的な各種成膜方法が使用できる。またパターン化の際に基板とマスクを密着させる方法も限定されず、クリップ、スプリング、テープ、磁石による密着方法など任意の方法が採用できる。
次に説明図を用い、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例1
図1に示すように、厚み0.7mmの無アルカリガラス基板2(日本電気硝子製 OA−10 620mm×750mm)に樹脂系遮光剤によるブラックマトリックス50を加工し、その上にレッド51・グリーン52・ブルー53の3色のペーストをパターン化して積層し、さらにその上にアクリル製の保護膜であるオーバーコート層4を形成し、カラーフィルタ機能をもった有機高分子層よりなる積層複合基板を形成した。この基板2上にDCマグネトロンスパッタリング装置を用いてITOよりなる透明導電性薄膜3を成膜した。ITO膜はITOパターンの形状部分が開口部となっているマスク1(42アロイ製、620mm×750mm×厚みa=0.25mm)を基板全面に取り付けるマスク成膜法によりパターン化を行った。このとき図1に示すように、マスクとブラックマトリックスとの接触によるキズの発生を防止するため、ハーフエッチングにより周辺部に段差(周辺部の幅、すなわちハーフエッチング幅bを=2mm、ハーフエッチング段差cを=0.075mm)を設け、額縁部のブラックマトリックスと接触しないようにした。フレーム部の中心部にも同様にハーフエッチングにより、突起を形成し、その上にマトリックス状の樹脂膜を形成した。この時ハーフエッジ量(円柱状突起の高さ)はマスク開口部と同じハーフエッチング段差cを0.075mmとし、円柱部の円の直径fを=2mm、円柱部のピッチgを2mmとした。このときの基板とマスクとの接触面積は、マスクの開口部を除く部分の面積の40%となった。次にマスク1の円柱の突起部に実施例1と同様にスクリーン印刷法を用いてポリイミド樹脂のコーティングを行った。ポリイミド樹脂は突起部にのみ形成し、そのときの厚みdを=30μm、開口部端から樹脂までの距離hを=2.1mmとし、樹脂と基板との接触長さiを1.8mmにした。このときの、マスクの開口部以外の場所に対する、基板に接触する樹脂膜の総面積の比率は20%であった。このマスクを基板の表面に重ね合わせた後、基板裏側に磁石(φ9mm×2mm、サマリウム・コバルト磁石)を内部に700個を均等に入れた(基板と同サイズの)プレート(620×750×厚み3mm アルミニウム製 図示せず)を設置し、プレート内に設置した磁石の磁力によりマスクを基板側へと吸着しマスクと基板とを密着させたのち、ITO膜の成膜を行った。成膜条件は成膜時の基板温度210℃、酸素濃度0.5%、真空度0.4Paで行った。膜厚e=1400オングストロームのITO膜のスパッタリングを行ったところ、透過率(λ=400〜700nmのY値)96%、表面電気抵抗値15Ω/□で面内バラツキのないITO膜が得られた。この基板の外観検査を行ったところブラックマトリックス部へのキズ、汚れの発生が無いのに加え、マスクと基板とが接触している箇所についてもキズ、汚れの発生は観察されず、保護膜の剥離も全く発生しなかった。
実施例2
実施例1と同様のカラーフィルタ機能をもった積層複合基板2に、スパッタリングにてITO透明導電膜をパターン形成するマスク成膜において厚みaを0.5mmの42アロイ製のマスク1を使用して実施例1と同様の方法でカラーフィルタ上へのITO膜の成膜をおこなった。このとき図1に示すように、マスクとブラックマトリックスとの接触によるキズの発生を防止するため、ハーフエッチングによりマスク開口部の端部に段差(周辺部の幅、すなわちハーフエッチング幅bを0.2mm、ハーフエッチング段差cを=0.05mm)を設け、額縁部のブラックマトリックスと接触しないようにした。
さらにマスク面にハーフエッチングにより円柱状の突起をフレーム上に(図2と同様)残すことでマトリックス状の突起部を形成した。この時ハーフエッジ量(円柱状突起の高さ)はマスク開口部と同じハーフエッチング段差cを0.05mmとし、円柱部の円の直径fを=2mm、円柱部のピッチgを=2mmとした。このときの基板とマスクとの接触面積は、マスクの開口部を除く部分の面積の41%となった。次にこのマスクを使用し実施例1と同様にスクリーン印刷法を用いてポリイミド樹脂のコーティングを行った。ポリイミド樹脂は頂部にのみ形成し、そのときの厚みdを=30μm、開口部端から樹脂までの距離hを0.3mmとし、樹脂と基板との接触長さiを=1.8mmにした。このときの、マスクの開口部以外の場所に対する、基板に接触する樹脂膜の総面積の比率は21%であった。このマスクを実施例2と同様に基板の表面に重ね合わせてスパッタリング装置を用いて基板温度210℃、膜厚eを1400オングストロームのITO膜のスパッタリングを行ったところ前記実施例2と同じ特性の、面内バラツキのないITO膜が得られた。この基板の外観検査を行ったところブラックマトリックス部へのキズ、汚れの発生が無いのに加え、マスクと基板とが接触している箇所についてもキズ、汚れの発生は観察されず、保護膜の剥離も全く発生しなかった。
比較例1
マスクへのポリイミドコーティングを行わなかったこと以外は、実施例1と同じマスク、装置・条件によりカラーフィルタ基板へのITO膜のマスク成膜を行った。このITO成膜後のカラーフィルタの外観検査を行ったところ、額縁部のハーフエッジを形成した箇所にはキズの発生もなく良好なITOパターンが形成されたが、マスクのフレーム部エッジに位置する箇所でマスクと基板との擦れに起因する直径約50μmのキズや汚れが多発しオーバーコート層4の剥離が観察された。このカラーフィルタを使用して液晶表示装置を製作したところ剥離片が高さ15μm程度の突起となってカラーフィルタ画素上に付着したことに起因する点状の表示欠点が発生し、液晶表示装置の歩留まり低下に大きな影響を与えた。
実施例3
実施例1と同様にマスクにポリイミド樹脂を形成する際、図1に示すように、マスクの突起部の頂部のみにポリイミド樹脂を形成するようパターン印刷を行った。(マスク厚みaを0.25mm、ハーフエッチング幅bを=2.0mm、ハーフエッチング段差cを0.075mm、樹脂膜厚みdを30μm、開口部エッジからの距離hを3.5mm)このマスクを用いて、実施例1と同様にITO膜の成膜を実施したところ、マスクフレーム部エッジに位置する箇所で、カラーフィルタにキズが発生した。
比較例2
マスクにポリイミド樹脂を形成する際、図2に示すように境界部に樹脂膜を形成し、開口部端部からの距離hを0.2mmまでポリイミド樹脂を形成するようパターン印刷を行った。このマスクを用いて、実施例1と同様にITO膜の成膜を実施したところ、樹脂の脱ガスによる影響を受け、透過率91%、表面抵抗値25Ω/□と特性値が悪化した。また、マスクのフレーム部エッジ部に当たる樹脂の盛り上がり部に該当する箇所で、カラーフィルタに、比較例1より薄いキズが発生した。
比較例3
比較例2と同様にマスクにポリイミド樹脂を形成する際、図2のハーフエッチング幅bを=0mm(ハーフエッチング処理なし。すなわち周辺部が存在しない。)を使用して、開口部エッジからの距離hを=0mm(ギリギリ)までポリイミド樹脂を形成するようパターン印刷を行った。このマスクを用いて、実施例1と同様にITO膜の成膜を実施したところ、樹脂の脱ガスによる影響を受け、透過率89%、表面抵抗値30Ω/□と特性値が悪化した。
本発明の一実施態様を示す基板およびマスクの断面説明図である。 比較例の一実施態様を示す基板およびマスクの断面説明図である。
符号の説明
1:マスク
2:ガラス基板
3:透明導電膜
4:オーバーコート層
50:ブラックマトリックス
51,52,53:RGB各画素
6:ポリイミドコーティング層
71:開口境界部
72:周辺部
73:境界部

Claims (6)

  1. 有機高分子層を形成した基板上に薄膜をパターン形成するための開口部と開口部以外のフレーム部を有する薄膜パターン化用マスクであって、該フレーム部が開口部の周囲をハーフエッチングした周辺部、および周辺部以外であってハーフエッチングにより凹凸が形成された中心部を有し、かつ樹脂膜が周辺部と中心部の境界となる境界部以外にパターン形成されていることを特徴とする薄膜パターン化用マスク。
  2. 前記樹脂膜が、前記中心部の凸部上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜パターン化用マスク。
  3. 前記周辺部の幅が、0.1〜3mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜パターン化用マスク。
  4. 前記樹脂膜の厚さが5〜100μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜パターン化用マスク。
  5. 前記樹脂膜が少なくともポリイミド樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜パターン化用マスク。
  6. 前記有機高分子層を形成した基板が、カラーフィルタ基板であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜パターン化用マスク。
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