JP2002030051A - プロパンジアミンポリカルボン酸塩の製造法及びその用途 - Google Patents
プロパンジアミンポリカルボン酸塩の製造法及びその用途Info
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Abstract
及び高純度で製造する方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、M1、M2、M3及びM4は各々独立して水素原子
又はアルカリ金属を表す。但し、M1、M2、M3及びM4
が全て水素原子になることはない。)で示されるプロパ
ンジアミンポリカルボン酸のアルカリ金属塩の製造法に
おいて、プロパンジアミンとマロン酸エステル誘導体を
反応させる。
Description
ポリカルボン酸塩の製造法に関する。本発明のプロパン
ジアミンポリカルボン酸塩は生分解性キレート剤として
有用な化合物である。
ル酸やポリマレイン酸等の電解質ポリマー、エチレンジ
アミン四酢酸(EDTA)やニトリロトリ酢酸等のアミ
ノカルボン酸塩、トリポリリン酸ナトリウム等のポリリ
ン酸塩が使用されてきた。
いずれも生分解性が低く、近年、環境に対する悪影響が
懸念されるようになってきた。このため、生分解性を有
する種々のキレート剤が提案されている。例えば、特開
平7−64260号公報には、プロパンジアミン−N,
N’−ジマロン酸が記載されており、このようなエチレ
ンジアミン−N、N’−ジマロン酸類化合物のFe(I
II)錯塩を含有する組成物は、ハロゲン化銀カラー写
真感光材料用の漂白能を有する生分解性の処理組成物と
して極めて有用であることが開示されている。
号公報によれば、このプロパンジアミン−N,N’−ジ
マロン酸は、Bull.Chem.Soc.Japa
n,46,844(1973).に記載されているエチ
レンジアミン−N,N’−ジマロン酸の製造法に準じて
合成されている。しかしながら、このようにして合成さ
れたプロパンジアミン−N,N’−ジマロン酸は分解し
やすく脱炭酸によりプロパンジアミン−N,N’−二酢
酸が副生し、収率が低下する等の問題があり、工業的に
満足できるものではなかった。
のであり、その目的は、プロパンジアミンポリカルボン
酸塩を高収率及び高純度で製造する方法を提供すること
である。
カルボン酸系キレート剤について鋭意検討した結果、高
いキレート能を示す下記一般式(1)
して水素原子又はアルカリ金属を表す。但し、M1、
M2、M3及びM4が全て水素原子になることはない。)
で示されるプロパンジアミン−N,N’−ジマロン酸塩
がマロン酸エステル及びプロパンジアミンから容易に誘
導でき、しかも安定であるという新規な事実を見い出
し、本発明を完成させるに至った。
示されるプロパンジアミン−N,N’−ジマロン酸のア
ルカリ金属塩の製造法、及び一般式(1)で示されるプ
ロパンジアミン−N,N’−ジマロン酸のアルカリ金属
塩を有効成分として含有する生分解性キレート剤であ
る。
−N,N’−ジマロン酸塩は上記一般式(1)で示され
る化合物である。上記一般式(1)において、M1、
M2、M3及びM4は各々独立して水素原子又はアルカリ
金属を表す。本発明において重要なのは、M1、M2、M
3及びM4を全て水素原子にしないことである。全てを水
素原子にすることによって化合物の安定性が著しく低下
する。なお、アルカリ金属の代わりに臭気等のため工業
的には好ましくないがアンモニウムイオンを使用するこ
ともできる。
−N,N’−ジマロン酸のアルカリ金属塩は、結晶の形
で単離される。この結晶は安定であり、工業的にも取り
扱うことが容易である。
で示されるプロパンジアミン−N,N’−ジマロン酸の
アルカリ金属塩は、一分子のプロパンジアミン及び二分
子のマロン酸エステル誘導体から得られる。マロン酸エ
ステル誘導体としては、マロン酸のメチレン部分に脱離
基を有するものが使用できるが、好ましくはハロゲン化
マロン酸エステルである。ハロゲン化マロン酸エステル
はマロン酸エステルから容易に誘導することができる。
ハロゲン化マロン酸エステルの製造方法としては特に限
定するものではないが、例えば、マロン酸エステルのハ
ロゲン化を行うのがもっとも容易である。ハロゲン化の
際にはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれを用いても
差支えないが、取扱いの容易さから塩素及び/又は臭素
を用いるのが好ましい。
誘導体とプロパンジアミンの反応は、加熱して行っても
良いし、反応液が固結しない程度の低温、又は室温で行
っても良い。
エステル誘導体の量については特に限定するものではな
いが、プロパンジアミンに対して2〜4倍モルの添加が
好ましい。2倍モル未満を添加した場合、プロパンジア
ミンに1分子のマロン酸エステルが付加した反応中間体
が生成し、反応生成物中に混入することになる。また、
4倍モル以上の添加は工業的に不利である。
ンのアルカリ水溶液中にマロン酸エステル誘導体を滴下
してもよいし、アルカリ水溶液中にプロパンジアミン及
びマロン酸エステル誘導体を同時に添加してもよい。
誘導体とプロパンジアミンの反応はアルカリ水溶液中で
実施する。反応液のpHは7以上であれば良いが、好ま
しくはpH8〜14の間で反応するのが好ましい。アル
カリとしては、特に限定するものではないが、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化
物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の
炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸
水素リチウム等の炭酸水素塩、酸化ナトリウム、酸化カ
リウム、酸化リチウム等の酸化物、金属ナトリウム、金
属カリウム、金属リチウム等の金属等、水に溶かした
り、水と反応してアルカリ性を示すものなら問題なく使
用できる。加えるアルカリの量は、反応中に生成するハ
ロゲンを捕捉し、尚且つエステルを加水分解するため、
マロン酸エステル誘導体に対して1倍モル以上、2〜4
倍モル以上の添加が特に好ましい。
ジアミン−N,N’−ジマロン酸のアルカリ金属塩は晶
析又は再結晶により容易に精製できる。晶析する場合
は、プロパンジアミン−N,N’−ジマロン酸のアルカ
リ金属塩の水溶液にアルコール等の貧溶媒を添加する。
また再結晶の場合は、水と相溶性のあるアルコール等の
貧溶媒と水を混合した溶液中で行う。
性があれば、アルコールに限らず他の貧溶媒を使用する
ことができるが、最も安価なアルコールが工業的には有
利である。適当なアルコールを例示すると、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノ
ール、ヘキサノール、ヘプタノール、シクロヘキサノー
ル、エチレングリコール、グリセリンなどが使用できる
が、水との相溶性の良いメタノール、エタノール、プロ
パノールが好ましい。
ジアミン−N,N’−ジマロン酸のアルカリ金属塩はキ
レート剤として使用することができる。キレート剤とし
ては、プロパンジアミン−N,N’−ジマロン酸のアル
カリ金属塩のみを使用しても良いし、他の剤と併用して
も良い。
をキレートすることができる。金属イオンとしてはアル
カリ金属(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等)
のイオン、アルカリ土類金属(例えばカルシウム、マグ
ネシウム、バリウム等)のイオン、金属(例えばAl,
Cr,Mo,W,Mn,Ru,Os,Co,Rh,I
r,Fe,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Z
n,Cd,Hg等)のイオンを挙げることができる。
ートすることができ、繊維・染色用薬剤、写真用薬剤、
紙パルプ漂白剤、石鹸、洗剤用ビルダー、スケール防止
剤、金属表面処理用錯化剤、分析用金属イオン隠蔽剤な
どに広く使用することができる。
するため、エチレンジアミン四酢酸の様な従来のキレー
ト剤が環境にかけていた負荷を軽減することができる。
本発明のキレート剤の具体的な使用方法、使用量はそれ
ぞれの用途に応じて異なるため一概には言えないが、原
則的にはそれぞれの用途における一般的な使用方法と大
幅に異なることは無い。但し、本発明のキレート剤は、
その優れた機能、効果の故に従来に無い使用例が期待で
き、また、同程度の効果の達成に対して使用量の削減が
可能であることは言うまでも無い。
ート能が高いプロパンジアミン−N,N’−ジマロン酸
のアルカリ金属塩を高収率、高純度で提供することがで
き、工業的に極めて有用である。
明はこれらに限定されるものではない。
加え、室温、攪拌下、臭素16.4gを滴下した。滴下
終了後、80℃まで加熱し、1時間還流を行うことによ
り反応で生成した臭化水素を取り除いた。得られた反応
液を5%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、四塩化炭素を
留去した後、蒸留操作を行うことで19.1g(収率8
0.0%)の臭化マロン酸ジエチルを得た。
ナトリウム12.0g、水50.0gを入れたガラス製
三つ口フラスコに攪拌、氷冷下、臭化マロン酸ジエチル
24.0gを滴下した。滴下終了時のpHは12.7で
あった。この反応液に希塩酸を加えpH4.0にしたと
ころ白色の2ナトリウム塩の結晶が析出した。この結晶
に水酸化ナトリウムを加えて、水に溶解させた後、メタ
ノールを加えると、純度99.2%、収率35.1%で
白色の四ナトリウム塩結晶が析出した。
ジアミンポリカルボン酸二ナトリウム塩に2倍量の水酸
化ナトリウムを加えプロパンジアミンポリカルボン酸四
ナトリウム塩とした。これをメタノールに添加し、50
℃に加温後、結晶が溶解するまで水を添加した。結晶が
全て溶解した時点でプロパンジアミンポリカルボン酸ナ
トリウム塩の水−メタノール溶液を徐々に室温に戻し結
晶を析出させた。得られた結晶の純度は99.0%で、
再結晶による収率は92%であった。
44(1973)に基づき、プロパンジアミンポリカル
ボン酸を合成した。即ち、臭化マロン酸9.2g、水3
0mlを200mlのガラス製三つ口フラスコに入れ氷
浴中で冷却しながら30%水酸化ナトリウム水溶液でp
H7に調整した。この水溶液を3〜5℃に保った状態で
プロパンジアミン1.8gを徐々に加えた。この時のp
Hは11であった。プロパンジアミンを加えた後、pH
が9〜11の範囲になるように30%水酸化ナトリウム
水溶液で調製しながら70℃までゆっくりと加熱した。
30%水酸化ナトリウム水溶液でpHを9〜11に保ち
ながら70℃で約1時間加熱し、加熱終了後室温まで冷
却した。このときのpHは10.3であった。この反応
液を氷浴中で冷却し、温度を5℃以下に保ちながら希塩
酸を滴下したところ2.2gの黄色結晶が得られた。こ
の黄色結晶には四ナトリウム塩は無く、2ナトリウム塩
が主成分でその純度を測定したところ純度は32%、収
率は9.2%であった。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、M1、M2、M3及びM4は各々独立して水素原子
又はアルカリ金属を表す。但し、M1、M2、M3及びM4
が全て水素原子になることはない。)で示されるプロパ
ンジアミンポリカルボン酸のアルカリ金属塩の製造法に
おいて、プロパンジアミンとマロン酸エステル誘導体を
反応させることを特徴とするプロパンジアミンポリカル
ボン酸のアルカリ金属塩の製造法。 - 【請求項2】 マロン酸エステル誘導体がハロゲン化マ
ロン酸エステルであることを特徴とする請求項1に記載
の製造法。 - 【請求項3】 アルカリ水溶液中で、マロン酸エステル
誘導体とプロパンジアミンを反応させることを特徴とす
る請求項1又は請求項2に記載の製造法。 - 【請求項4】 下記一般式(1) 【化2】 (式中、M1、M2、M3及びM4は各々独立して水素原子
又はアルカリ金属を表す。但し、M1、M2、M3及びM4
が全て水素原子になることはない。)で示されるプロパ
ンジアミンポリカルボン酸塩の水溶液に貧溶媒を加えて
晶析し、プロパンジアミンポリカルボン酸のアルカリ金
属塩を精製することを特徴とするプロパンジアミンポリ
カルボン酸のアルカリ金属塩の製造法。 - 【請求項5】 下記一般式(1) 【化3】 (式中、M1、M2、M3及びM4は各々独立して水素原子
又はアルカリ金属を表す。但し、M1、M2、M3及びM4
が全て水素原子になることはない。)で示されるプロパ
ンジアミンポリカルボン酸のアルカリ金属塩を、水と相
溶性を有する貧溶媒と水との混合溶媒中で再結晶するこ
とを特徴とするプロパンジアミンポリカルボン酸のアル
カリ金属塩の製造法。 - 【請求項6】 貧溶媒がアルコール類から選ばれること
を特徴とする請求項4又は請求項5に記載の製造法。 - 【請求項7】 請求項1に記載の一般式(1)で示され
るプロパンジアミンポリカルボン酸のアルカリ金属塩を
有効成分として含有する生分解性キレート剤。
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JP2014122155A (ja) * | 2012-11-26 | 2014-07-03 | Okayama Univ | カ−ボンナノチュ−ブ集合体及びその製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JPH0764260A (ja) * | 1993-08-23 | 1995-03-10 | Fuji Photo Film Co Ltd | ハロゲン化銀写真用処理組成物及びそれを用いた処理方法 |
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