JP2002029855A - 無機粉末用バインダー - Google Patents
無機粉末用バインダーInfo
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Abstract
結物を得るのに有用な無機粉末バインダーを提供するこ
と。 【解決手段】 エチレン含有量が5〜60モル%、ケン
化度が95%以上で、かつ平均粒子径が300μm以下
のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を用いてな
る。
Description
機粉末用のバインダーに関し、特に磁気フェライト等の
磁性体用のバインダーに関する。
結物を得るに当たっては、該無機粉末と有機バインダー
からなる組成物を成形後に焼結する方法が知られてい
る。そして、かかる有機バインダーとして、特開昭63
−25266号公報には、エチレンビニルアルコール共
重合体を用いることが記載されている。
者が上記のバインダーについて詳細に検討した結果、エ
チレンビニルアルコール共重合体、即ち、エチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記す
る)の粒子径については、まだまだ検討の余地があるこ
とが判明した。
の有機バインダーとしてEVOHを用いる時の粒子径に
ついて鋭意研究を重ねた結果、エチレン含有量が5〜6
0モル%、ケン化度が95%以上で、かつ平均粒子径が
300μm以下(特には200μm以下)のEVOHを
用いることにより、成形性や寸法安定性に優れ、特にフ
ェライト等に用いたときには磁気特性に優れたフェライ
ト磁石を得ることができることを見出して本発明を完成
する至った。
の灰分が20ppm以下であるときやかかるEVOHが
高級脂肪酸またはその塩を含有するとき、本発明の作用
効果を顕著に得ることができる。
本発明に用いるEVOHは、エチレン含有量が5〜60
モル%(更には15〜50モル%、特には25〜45モ
ル%)で、ケン化度が95モル%以上(更には98モル
%以上、特には99〜99.9モル%)であり、また、
該EVOHのメルトフローレート(MFR)(210
℃、荷重2160g)は、0.1〜100g/10分
(更には1〜50g/10分、特には3〜40g/10
分)が好ましい。
−酢酸ビニル共重合体のケン化によって得られ、該エチ
レン−酢酸ビニル共重合体は、公知の任意の重合法、例
えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などによ
り製造され、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化も
公知の方法で行い得る。
ない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重
合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレ
ン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、
(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸
類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたは
ジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜1
8のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸
あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミ
ンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルア
ミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アル
キルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルア
ミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるい
はその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあ
るいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミ
ド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、
アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビ
ニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化
ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシ
ラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、ア
リルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチ
ル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−
アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸等が挙げられる。
分が20ppm以下のEVOHを用いることも好まし
く、かかる灰分が20ppmを越えると最終の焼結物に
クラックや空孔が発生しやすくなって好ましくない。か
かる灰分の更に好ましい上限は15ppm、特には10
ppm、殊には5ppmで、下限については特に制限は
ないが、敢えて規定するとすれば0.1ppm、更には
0.5ppmである。
蒸発皿にとり、電熱器とガスバーナーを用いて炭化後、
400℃の電気炉に入れ、700℃まで徐々に昇温し、
更に700℃で3時間にわたって完全に炭化後、電気炉
より取り出し5分間放冷後、デシケータ中で25分間放
置し、灰分を精量することにより求めることができる。
定されず、一例を挙げればEVOHの製造時に灰分の基
となる金属(塩)や無機物の含有量を調整したり、製造
されたEVOH(ペレット)に該金属(塩)や無機物等
を含有或いは洗浄等による除去などの方法により調整す
ることもできる。
無機粉末用バインダーとして用いるに当たって、その平
均粒子径を300μm以下(特には200μm以下、殊
には150μm以下)とすることを最大の特徴とするも
ので、かかる粒子径が300μmを越えると無機粉末と
の混合不良を生じて本発明の目的を達成できない。通
常、EVOHは直径が3〜7mm程度で長さが5〜10
mm程度の円筒状のペレットで、かかるペレットを上記
の粒子径に調整するに当たっては特に制限はなく、凍結
粉砕、機械粉砕等の公知の粉砕方法により調整すること
ができる。
用いられるEVOHが得られるのであるが、本発明にお
いては、かかるEVOHに高級脂肪酸またはその塩が含
有されていることも好ましく、かかる高級脂肪酸として
は、炭素数8以上の高級脂肪酸で、具体的には、ラウリ
ン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、
パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデ
カン酸、オレイン酸、カプリン酸、ベヘニン酸、リノー
ル酸等の高級脂肪酸が挙げられ、その塩としては、これ
らのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マ
グネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等のアルカリ
土類金属塩の他、亜鉛金属塩等を挙げることができる。
これらの中でもステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸
またはその金属塩が好適に用いられる。
しては特に制限はないが、EVOH100重量部に対し
て、1〜30重量部(更には1〜10重量部、特には1
〜5重量部)が好ましく、かかる含有量が1重量部未満
では、EVOHと無機粉末の混合時の分散性の向上効果
が得難く、逆に30重量部を越えると最終の焼結物にク
ラックや空孔が発生しやすくなって好ましくない。かく
して無機粉末用バインダーに用いるEVOHが得られる
のである。
用バインダーについて説明する。通常は、該EVOHと
無機粉末を混合して、成型した後、焼結することにより
焼結物が得られるのである。かかる無機粉末としては、
粉末治金やセラミックス等の焼結製品の原料として使用
されるものが挙げられ、具体的には、アルミナ、シリ
カ、ジルコニウム、チタニア、マグネシア、ストロンチ
ウム、バリウム、酸化クロム、酸化鉄、又は2種以上の
これらの酸化物からなる複合酸化物のようなセラミック
粉末、又は鉄、銅、アルミニウム、シリコン、ニッケ
ル、コバルト及びこれらの合金、ステンレス鋼のような
金属粉末、ニッケルアルミナイド、モリブデンシリサイ
ドのような金属間化合物、シリコンカーバイド、タング
ステンカーバイド、炭化鉄などの炭化物、窒化ケイ素、
窒化ホウ素のような窒化物、及びこれらの複合物又は混
合物等を挙げることができ、好適にはSrフェライト
(SrO・6Fe2O3)やBaフェライト(BaO・6
Fe2O3)等のフェライトが用いられる。
るが、通常は無機粉末100重量部に対してEVOHを
0.1〜5重量部(更には0.5〜3重量部、特には
0.5〜1重量部)配合することが好ましく、かかる配
合量が0.1重量部未満ではバインダー機能を十分に発
揮できず、逆に5重量部を越えると最終の焼結物にクラ
ックや空孔が発生しやすくなって好ましくない。上記以
外に、必要に応じて、水、溶剤(アルコール等)、可塑
剤、滑剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥
剤などを配合したりする。
出成形等の方法により成形することができ、具体的には
無機粉末とEVOH(粉末)を金型にてプレス成形等を
行って成形物を得ることができるがこれに限定されるも
のではない。尚、フェライト磁石を得る場合には、かか
るプレス成形を磁界中で行えばよい。最後に得られた成
形物を1200〜1300℃程度で焼結することによ
り、目的とする焼結物が得られるのである。
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準を示す。
有量44モル%、ケン化度99.5モル%、MFR12
g/10分(210℃、荷重2160g)、平均粒子径
100μm、灰分0.5ppm、ステアリン酸マグネシ
ウムをEVOH100部に対して5部含有]1部を配合
して配合物を得た後、約0.9MA/mの磁界中でプレ
ス成形して成形物を得た。次いで、得られた成形物を1
245℃の電気炉で1時間焼結して焼結物を得た。
気特性を以下の要領で評価した。 (外観性)得られた焼結物の外観を目視観察して、以下
の基準で評価した。 ○・・・クラックが認められず良好 △・・・僅かにクラックが認められるが形状を保持 ×・・・クラックが著しく崩壊
を測定して、収縮率を算出して以下の基準で評価した。 ○・・・体積変化率が15%未満 ×・・・体積変化率が15%以上
c)を測定して、以下の基準で評価した。 ○・・・IHc>BHc>1kA/mの関係を満たす ×・・・1kA/m>IHc及びBHcの関係である 尚、IHcは、I(磁気分極)−H(磁界の強さ)曲線で
の保持力で、BHcは、B(磁束密度)−H(磁界の強
さ)曲線での保持力である。
0μmのEVOHを用いた以外は同様に行って焼結物を
得て、同様に評価を行った。
4mmの円筒形のペレットを用いた以外は同様に行って
焼結物を得ようとしたが、成形物が崩壊して焼結物を得
ることができなかったため、評価せず。実施例及び比較
例の評価結果を表1にまとめて示す。
レン含有量が5〜60モル%、ケン化度が95%以上
で、かつ平均粒子径が300μm以下のEVOHを用い
ているため、外観性、寸法安定性、磁気特性に優れた焼
結物を得ることができ、フェライト磁石等のバインダー
として有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】 エチレン含有量が5〜60モル%、ケン
化度が95%以上で、かつ平均粒子径が300μm以下
のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を用いること
を特徴とする無機粉末用バインダー。 - 【請求項2】 エチレン含有量が5〜60モル%、ケン
化度が95%以上で、かつ平均粒子径が200μm以下
のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を用いること
を特徴とする無機粉末用バインダー。 - 【請求項3】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
の灰分が20ppm以下であることを特徴とする請求項
1または2記載の無機粉末用バインダー。 - 【請求項4】 更に、高級脂肪酸またはその塩が含有さ
れてなることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の
無機粉末用バインダー。 - 【請求項5】 無機粉末がフェライトであることを特徴
とする請求項1〜4いずれか記載の無機粉末用バインダ
ー。
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