JP2002029229A - 拡大された荷重保持能力を有する空気入りタイヤ - Google Patents

拡大された荷重保持能力を有する空気入りタイヤ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 標準的なホイールリムに適合しつつ、より高
い荷重保持能力を有する空気入りタイヤを提供する。 【解決手段】 タイヤ440の断面幅は、回転軸線AR
に直交しかつ赤道面EPから距離A/2に配設されたラ
インL1、L2によって規定される。タイヤ440は、
ラインL1、L2に平行でかつラインL1、L2から1
〜5mmだけ赤道面EPに向かって離れたラインM1、
M2と、それぞれ少なくとも一つの弾性プライから回転
軸線ARまでの最小半径方向距離dp1、dp2に位置
する、ラインM1、M2上の点P1、P2とを有する。
弾性プライは、点P1、P2を含み、かつラインM1、
M2から軸線方向に0〜5mmの距離d3、d4以上離
れることなくP1、P2から半径方向内側にr1、r2
だけ延びてクラウン部CPに達しているプライラインP
Lを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全般的には空気入
りタイヤに関し、特に、荷重保持能力を高めるように変
更されたサイドウォールプライラインおよびビード部を
有するタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の空気入りタイヤのサイドウォール
は、このような従来のタイヤに半径方向に望ましい可撓
性を付与する。この半径方向の可撓性によって、トレッ
ド表面は路面の凸凹に対処するように半径方向内側に移
動することができる。しかし、従来のタイヤのサイドウ
ォールはまた、望ましくない軸線方向および周方向の可
撓性によってタイヤの性能を制限する。サイドウォール
の軸線方向の可撓性によって、コーナリング時のタイヤ
の応答性が制限され、周方向の可撓性により、タイヤ
の、加速および減速時に生じるねじり力に対処する能力
が制限される。また、サイドウォールに必要な空間のた
めに、ホイールの最大サイズと、所与の全タイヤ直径の
場合にホイールにはめることのできる制動機構のサイズ
とが制限される。
【0003】標準空気圧のとき、従来のタイヤのサイド
ウォールは、路面と起こりうる接触からリムを保護す
る。また、従来のサイドウォールは、張力を作用させ、
標準空気圧のタイヤ内の空気によってもたらされる圧縮
力を拘束することによって、乗物の重量および路上の凸
凹による衝撃力を分散させる。しかし、タイヤがパンク
したときなど、標準空気圧が失われると、従来のタイヤ
の比較的薄く可撓性のサイドウォールがつぶれて座屈
し、それによって、サイドウォールが半径方向の可撓
性、リムフランジの保護や、ホイールから路面への力の
分散など、通常の機能を実現しなくなる。
【0004】荷重保持能力(LCC)は、通常、空気入
りタイヤの荷重指数(LI)によって表され、タイヤ充
填圧力(P)、およびタイヤ内に含まれる容積(V)と
関係している。欧州タイヤリム技術協会(ETRTO)
は、次式を用いてこの関係を表している。
【0005】
【数1】LCC=αVβ(P+P0) 上式で、α(アルファ)およびβ(ベータ)係数は、タ
イヤ耐久性試験の結果を解釈することにより、ETRT
Oによって固定されている。タイヤ圧(P)はETRT
O基本空気圧である。米国では、タイヤリム協会(TR
A)が同様な数式を使用して、ETRTOの荷重保持能
力に相当する「荷重指数」(LI)を求めている。空気
入りタイヤのサイドウォールの変更はLCC(およびL
I)によって制限される。たとえば、長さの短いサイド
ウォール(より小さいアスペクト比)が必要である場合
は通常、同じ荷重保持能力LCCを維持するために充填
圧Pでほとんど同じ容積Vを維持するようにタイヤ幅お
よび/または外径が大きくされる。あるいは、ETRT
O試験においてLCCのαおよび/またはβ係数のより
高い値を得て、それによってより少ないタイヤ容積Vで
同じLCCを実現するように、タイヤの設計を変更する
ことができる。小さいアスペクト比を有する従来のラジ
アルプライタイヤは、1つにはサイドウォールの制限に
対処するために開発されている。米国特許第48117
71号(以下、’771号)によって指摘されたよう
に、現在、道路用パッセンジャータイヤには基本的に2
種類の形状がある。すなわち、高アスペクト比タイヤ
(アスペクト比>65)および低アスペクト比タイヤ
(アスペクト比<65)である。低アスペクト比タイヤ
は、サイドウォールの半径方向高さがタイヤ幅に対して
小さくされたタイヤであり、高アスペクト比タイヤより
も優れたコーナリング特性および低い転がり抵抗を有す
る。特許’771号は、より大きな直径を有する新規の
ホイールおよびリム(18インチから20インチ(約4
5.72cmから約50.8cm))と共に使用される
特殊な低アスペクト比タイヤ(アスペクト比40から4
5)の使用を開示している。
【0006】サイドウォールの半径方向高さを小さくす
ることはすでに認識されている。米国特許第12935
28号は、重量保持能力に対して最も有利な幅を形成す
る膨張時断面積、および必要な緩衝作用を実現するのに
必要な最小半径方向高さのみを有し、したがって、ホイ
ールリムを走行面にできるだけ近づけることができ、そ
れによって駆動力を最も効率的に伝達することのできる
空気入りタイヤを、複数のチェーンリングを「膨張不能
な」ボンドとして使用することによって実現することを
開示している。
【0007】米国特許第1456062号(以下、’0
62号)は、既存の種類の膨張タイヤとは異なり、幅の
広いゲーブル状トレッドから独立した直線状のサイドウ
ォールまたはベリー部を有していないタイヤを開示して
いる。この場合、適切な伸長不能ベースビードを除くタ
イヤカバー全体が、「既存の種類の個体ゴムバンドタイ
ヤと置き換えるために使用できる」衝撃吸収トレッドで
ある。このトレッドは円弧状であり、中心線上に幅の狭
い鈍角のエイペックスを有しており、したがって、かけ
られる荷重によってフットプリントの大きさが変化す
る。この特許の説明から判定できるのは、タイヤが現代
のタイヤと同じ意味でのベルトやビードを有さないこと
に過ぎない。この特許は、「伸長不能なベースビード」
について述べているが、「織物コードから製造すること
ができ、エンドレスでありあらゆる方向において桁外れ
に強靭な、好ましくは薄く柔軟な土台」の一部としてこ
のようなビードを説明し図示している。ベルトを有さな
いこの非ラジアルプライタイヤはまた、空気の抜けた平
坦なタイヤが、ホイールリムフランジに荷重をかけるこ
となくホイールのほぼ平坦な壁に押し付けられることに
よって乗物を支持するのに十分な厚さとなる、’062
号特許の図3を見るとわかるリムフランジ保護機能およ
び限られたランフラット機能を実現する。
【0008】他の特許は、25%程度の低いアスペクト
比を有するが依然としてサイドウォールを有する、レー
シングタイヤなどのタイヤについて説明している。たと
えば、ドイツ特許第2534840号は、タイヤの総幅
の少なくとも2分の1であり、好ましくはタイヤの総幅
の3分の2より小さい幅を有する走行トレッドを備えた
低アスペクト比タイヤを開示している。タイヤ幅の残り
の部分は、半径方向にタイヤリムのシート表面の方へ向
けられるサイドウォールを有している。
【0009】ドイツ特許第2127588号は、タイヤ
が低圧力で膨張させられたときに平坦になるように凹状
に成形された幅の広いトレッドを有するレーシングカー
用の非常に低いプロファイルを有する空気入りタイヤ
(アスペクト比25%未満)を開示している。このリム
の最大幅はホイール直径の120%である。このタイヤ
はラジアル構造またはクロスプライ構造を有することが
できる。サイドウォールの外面は、膨張させていないタ
イヤではほぼ平坦で垂直であるが、プライラインはビー
ドからサイドウォールまで標準曲率を有する。
【0010】米国特許第5785781号は、低圧力ま
たは零圧力での走行時にタイヤを支持するように、特別
に設計されたリム上のトレッド支持リングと組み合わさ
れた比較的直線状のサイドウォールを備えたタイヤを開
示している。このタイヤは、ビードの半径方向内側に余
分のリムフランジも備えているリム上の傾斜シートに係
合する、外側に傾斜するビードのシートの半径方向近傍
に、軸線方向に最も遠く離れた点がある、ラジアルプラ
イケーシングを有している。タイヤがこの特別に設計さ
れたリム上に取り付けられ使用圧力まで膨張させられる
と、タイヤのカーカス補強構造(プライ)はビード領域
から対応するサイドウォールまで一定の湾曲方向を有
し、[ビード]補強リングを備えた[プライライン]の
接触点の接線は、第5欄40行目から61行目で述べら
れているように、少なくとも70°で、好ましくは少な
くとも80°であり、より好ましくは90°よりも大き
い、外側の方へ開放する角度φを、回転軸線と共に形成
する。各リムビードシートのベースは、回転軸線と共に
形成される角度に傾斜し、この角度は、軸線方向内側お
よび半径方向外側に開放しており、0°よりも大きく、
好ましくは10°から40°である。軸線方向外側のリ
ムフランジは、90°よりも小さく、好ましくは40°
から50°の間の、半径方向および軸線方向に外側の方
へ開放する角度γを、回転軸線と共に形成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】容易には明らかになら
ないが、従来の空気入りラジアルタイヤと比べて優れた
性能をもたらす新規の寸法特性を持つ空気入りラジアル
タイヤを開発できる可能性が存在する。したがって、本
発明の課題は、改良されたハンドリングおよび性能を、
従来の形状の(すなわち、標準的な)ホイールリム構造
で使用するのに適した適切な半径方向可撓性、十分なリ
ムフランジ保護、および拡張されたランフラット機能と
組み合わせたこのようなタイヤを開発することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の市販の
ホイールリム上に取り付けるように設計された空気入り
タイヤの荷重保持能力を高める(荷重指数を拡大する)
ための、空気入りタイヤのプライラインビード領域構造
の変更に関する。
【0013】本発明によれば、より高い荷重保持能力を
有する(拡大された荷重指数)を有するが、従来の市販
のホイールリムに適合する空気入りタイヤは、修正され
たカーカスプライラインを有している。このタイヤは、
トレッド領域と、それぞれがビードを有する2つのビー
ド領域を備えるカーカス構造と、2つのビード領域の間
に延びている、コードで補強された少なくとも1つの弾
性プライと、トレッド領域と各ビード領域の間に延びて
いる2つのサイドウォールとを有している。タイヤは、
回転軸線ARに直交するように、タイヤの赤道面EPか
ら距離A/2だけ離れて配設されたラインL1およびL
2によって規定される断面幅(SW)と、それぞれ、ラ
インL1およびL2に平行であり、かつ、軸線方向内側
に赤道面EPの方へ延びてラインL1およびL2から1
mmないし4mmの距離d1、d2だけ間隔を置いて配
置されたラインM1およびM2と、それぞれ、少なくと
も1つの弾性プライからタイヤの回転軸線ARまでの最
小半径方向距離dp1、dp2に位置する、ラインM1
およびM2上の点P1、P2とを有しており、弾性プラ
イは、点P1およびP2を含むプライラインPLを有し
ており、プライラインPLは、ラインM1、M2から軸
線方向に0mmないし6mmの距離d3、d4以上離れ
ることなく、点P1およびP2から半径方向外側にそれ
ぞれ半径方向距離r1、r2だけ延びてタイヤのクラウ
ン部CPに達している。r1、r2は、距離dp1、d
p2を断面高さSHの30%から70%の値だけ超える
値を有する距離として定義される。
【0014】本発明によれば、r1、r2は、距離dp
1、dp2をタイヤの断面高さSHの30%から70
%、好ましくは40%から60%の値だけ超える値を有
する距離として定義される。プライライン(PL、P
L’)は、サイドウォール内で各ビードから半径方向外
側に、軸線方向(A)に対して角度φで延びており、サ
イドウォールプライライン角度φは軸線方向および半径
方向外側に開放しており、80°から100°の範囲で
ある。各ビード領域は、軸線方向(A)に対して角度α
を形成するリムビードシートラインを有するビードベー
スを横切ってほぼ平坦な断面形状を有しており、角度α
は軸線方向および半径方向外側に開放しており、5°か
ら20°の範囲である。各ビード領域は、半径方向
(R)に対して角度γを形成するリムフランジラインに
沿ってほぼ平坦な断面形状を有しており、角度γは軸線
方向および半径方向外側に開放しており、0°から10
°の範囲である。
【0015】プライは、タイヤ断面幅が、タイヤを取り
付けるために使用されるリム上のフランジの半径方向の
すぐ外側に位置するように、各サイドウォールを通って
トレッドショルダまで概ね連続する曲率を維持しながら
延びている。プライは、サイドウォールを通ってビード
の周りに延び、ビードの半径方向内側を通過し、ビード
の半径方向外側で少なくとも1つのプライの主要部分に
隣接して位置する折返し端部を有しており、ビード領
域、ならびにビードの半径方向外側のサイドウォール領
域およびプライと内部カーカスとの間のサイドウォール
領域には少なくとも部分的に弾性補強材が充填される。
プライの折返し端部はプライの主要部分の軸線方向外側
にある。
【0016】また、本発明によれば、プライの折返し端
部は、少なくとも1つのプライの主要部分の軸線方向内
側にあり、内側補強材とプライの主要部分との間に位置
している。
【0017】本発明によれば、弾性補強材は、空気が抜
けた状態での拡張可動性走行時に拡張可動性タイヤのサ
イドウォールを補強するために弾性材料で作られてい
る。
【0018】本発明によれば、プライは、各サイドウォ
ールから半径方向内側にビードの周りに延び、まずビー
ドの半径方向外側を通過し、次にビードの半径方向内側
を通過し、次にビードの軸線方向内側を通過し、最後に
半径方向外側に、少なくとも1つのプライの主要部分の
軸線方向内側およびビードの半径方向外側に位置する反
転されたプライ折返し端部まで延びている。この実施態
様の弾性補強材は、少なくとも1つのプライの主要部分
と、反転されたプライ折返し端部で終わる少なくとも1
つのプライの反転された折返し端部との間にある。この
弾性材料は、空気が抜けた状態での拡張可動性走行時に
拡張可動性タイヤのサイドウォールを補強するように設
計することができる。
【0019】本発明によれば、空気入りタイヤは、トレ
ッド領域と、2つのビード領域と、トレッド領域と各ビ
ード領域との間に延びている2つのサイドウォールと、
内壁、および2つのビード領域の間に延びている、コー
ドで補強された少なくとも1つの弾性プライを備えたカ
ーカス構造とを有している。プライは、各ビードから半
径方向外側に、軸線方向に対して角度φで延びているサ
イドウォールプライラインを有している。サイドウォー
ルプライライン角度φは、軸線方向および半径方向外側
に開放しており、80°から100°の範囲である。各
ビード領域は、従来のリムに適合するように、軸線方向
に対して角度αを形成するリムビードシートラインを持
つビードベースを横切ってほぼ平坦な断面形状を有して
いる。角度αは、軸線方向および半径方向外側に開放し
ており、5°から20°の範囲であり、各ビード領域
は、半径方向に対して角度γを形成するリムフランジラ
インに沿ってほぼ平坦でよい断面形状を有している。角
度γは、軸線方向および半径方向外側に開放しており、
0°から10°の範囲である。
【0020】本発明の他の態様では、本発明のプライラ
インは、外側および内側の(反転された)プライ折返し
端部を共に利用する様々な実施態様と、ビード領域補強
要素の様々な形態とで実現される。
【0021】本発明の他の態様では、少なくとも1つの
プライは、サイドウォールからビードの周りに延び、ビ
ードの半径方向内側を通過し、ビードの半径方向外側で
少なくとも1つのプライの主要部分に隣接して位置する
折返し端部を有しており、ビード領域、ならびにビード
の半径方向外側のサイドウォール領域および少なくとも
1つのプライと内部カーカスとの間のサイドウォール領
域の少なくとも一部には少なくとも部分的に弾性補強内
部ビード補強材が充填される。
【0022】他の実施態様では、折返し端部は、少なく
とも1つのプライの主要部分の軸線方向外側であって
も、あるいは軸線方向内側であってもよい。内側の(反
転された)折返し端部を有する実施態様の場合、内部エ
イペックスは、内壁と反転された折返し端部との間に位
置することができ、あるいはエイペックスは、少なくと
も1つのプライの主要部分と、反転されたプライ折返し
端部で終わる少なくとも1つのプライの反転された折返
し部との間に位置する中央エイペックスでもよい。エイ
ペックス要素は、一様に湾曲した内面を形成するような
形状にされることが好ましい。
【0023】本発明の他の態様では、ビード補強要素
は、空気が抜けた状態(ラン「フラット」タイヤでの拡
張可動性走行時に拡張可動性タイヤのサイドウォールを
補強するように設計された弾性材料で作られている。
【0024】本発明の特徴は、本発明のタイヤが、従来
のリム形状を有するが従来よりも大きいリム幅および直
径を有するホイールリム上の既存のタイヤに置き換わ
り、同時に、既存のタイヤと同じ荷重保持能力、タイヤ
外径、および断面高さを維持できることである。
【0025】本発明の他の特徴は、本発明のタイヤが、
既存のタイヤを、それよりも小さいタイヤであって、し
かも、従来のリム形状を有するが従来よりも大きいリム
幅を有するホイールリム上に取り付けられるタイヤで置
き換え、同時に、既存のタイヤと同じ荷重保持能力を維
持できることである。
【0026】本発明の他の態様、特徴、および利点は、
本発明の以下の説明を考慮すれば明らかになろう。
【0027】
【定義】「アスペクト比」は、タイヤの断面幅に対する
断面高さの比を意味し、本明細書では百分率で表され
る。
【0028】「軸線方向」および「軸線方向に」は、タ
イヤの回転軸線に平行なラインまたは方向を意味する。
【0029】「軸線方向内側」は、軸線方向において赤
道面に向かう方向を意味する。
【0030】「軸線方向外側」は、軸線方向において赤
道面から離れる方向を意味する。
【0031】「エイペックス」は、ビードの半径方向外
側などタイヤ内の空気がないときにそれを閉じ込めるこ
とのできる領域で通常使用される弾性フィラーを意味す
る。
【0032】「ビード」は、ビード領域のコアを形成
し、リムに対するタイヤの保持に関連する、周方向に実
質的に伸長不能な金属製ワイヤ組立体を意味する。
【0033】「ビード領域」は、タイヤの、ビードを囲
みかつビードを含み、ホイールリムおよびビードシート
にはまるような形状にされた、周方向に延びる領域を意
味する。
【0034】「ビードベース」は、ビードヒールとビー
ドトウとの間にあり、ホイールリムのビードシートに接
触する、ビード領域の比較的平坦な部分を意味する。
【0035】「ビードヒール」は、リムフランジに接触
する、軸線方向外側のビード領域縁部を意味する。
【0036】「ビードシート」は、ビード領域が位置す
る、リム上の平坦な部分を意味する。
【0037】「ビードトウ」は、軸線方向内側のビード
領域縁部を意味する。
【0038】「ベルト構造」または「補強ベルト」また
は「ベルトパッケージ」は、トレッドの下に存在し、ビ
ードに固定されておらず、タイヤの赤道面に対して18
°から30°の範囲の左および右のコード角を有する、
織物または不織布の平行なコードの少なくとも2つの環
状の層またはプライを意味する。
【0039】「カーカス」は、ベルト構造、トレッド、
およびアンダートレッドとは別のタイヤ構造であって、
ビード領域およびプライを含むタイヤ構造を意味する。
【0040】「周方向」は、軸線方向に垂直な環状トレ
ッドの表面の周囲に沿って延びている円形のラインまた
は方向を意味することが最も多く、断面で見たときに半
径がトレッドの軸線方向湾曲を形成する数組の互いに隣
接する円曲線の方向を指すこともできる。
【0041】「クラウン領域」は、タイヤカーカスの、
トレッドの半径方向内側の部分を意味する。
【0042】「赤道面」は、タイヤの回転軸線に垂直で
ありトレッドの中心を通る平面、またはトレッドの周方
向中心線を含む平面を意味する。
【0043】「フットプリント」は、標準荷重圧および
速度条件の下でタイヤトレッドが平坦な表面と接触する
接触部分、すなわち領域を意味する。
【0044】「プライ」は、ゴムが被覆されているか、
あるいは半径方向に広げられるか、あるいはその他の方
法で平行にされたコードのコード補強層を意味する。
【0045】「プライライン」は、膨張応力がかけられ
る取り付けられたプライによって生成される半径方向断
面幾何学的曲線を意味する。
【0046】「ラジアル(半径方向の)」および「半径
方向に」は、回転軸線に垂直な方向、すなわち回転軸線
に対する半径方向を意味する。
【0047】「ラジアルプライタイヤ」は、ビードから
ビードへ延びており、タイヤの赤道面に対して65°か
ら90°の間のコード角度で配置されたコードを、少な
くとも1つのプライが有する、ベルトが巻かれ、または
周方向に制限された空気入りタイヤを意味する。
【0048】「リム直径(公称)」は、フランジの底部
(公称またはビードシート)で測定されたリムの近似直
径を意味する。
【0049】「リム幅」は、内側リムフランジ表面同士
の間の距離を意味する。
【0050】「断面高さ」は、タイヤの外径と公称リム
直径との差の2分の1を意味する。
【0051】「断面幅」は、装飾およびサイドウォール
保護リブまたはバーを除く、2つのサイドウォールの外
面同士の間で測定された、適切に取り付けられ膨張させ
られたタイヤの最大幅を意味する。
【0052】「ショルダ」は、トレッド縁部のすぐ下に
あるサイドウォールの上部を意味する。
【0053】「サイドウォール」は、タイヤの、トレッ
ドとビード領域との間の部分を意味する。
【0054】「トレッド」は、タイヤの接地部分を意味
する。
【0055】「トレッド領域」は、カーカスのクラウン
領域、トレッド、クラウン領域とトレッドの間のあらゆ
る要素(たとえば、ベルト構造、アンダートレッド)を
含む、タイヤの環状部分を意味する。
【0056】「アンダートレッド」は、トレッド溝の底
部とカーカスとの間のトレッド材料を意味する。
【0057】
【発明の実施の形態】(従来技術の形態)図1は、標準
ホイールリム111上の従来技術のタイヤ110の部分
断面図である。たとえば、タイヤ110はP205/5
5R16であり、リム111は従来の形状の6.5J1
5H2リムであり、この場合、「J」はフランジ113
a、113bの形状を示し、「H2」はリムベース12
7a、127bの形状を示している。従来技術のタイヤ
110は、2つのトレッドショルダ116a、116b
を持つ接地トレッド114と、トレッドの半径方向内側
に位置する周方向のベルト構造118とを有するトレッ
ド領域112を有している。従来技術のタイヤ110
は、各ビード領域が、ビードベース122a、122b
と、伸長不能な金属ワイヤからなるビード124a、1
24bと、ビード124a、124bの半径方向外側の
中央エイペックス125a、125bとを有する、2つ
のビード領域120a、120bを有している。弾性サ
イドウォール126a、126bはそれぞれ、ビード領
域120a、120bから半径方向外側にトレッドショ
ルダ116a、116bまで延びている。図1に示され
ているように、従来のタイヤ110は、内壁131を有
するカーカス構造128と、それぞれ各ビード領域12
0a、120bからサイドウォール126a、126b
を通って半径方向外側に延び、ベルト構造118の半径
方向内側でトレッド領域112を横切る、少なくとも1
つのコード補強弾性プライ130とを有している。プラ
イ130は、サイドウォール126a、126bから、
ビード124a、124bおよびエイペックス125
a、125bの周りに延び、ビード124a、124b
の半径方向内側を通過し、ビード124a、124bの
半径方向内側のビード領域120a、120b内のプラ
イ130の主要部分に隣接して位置するプライ折返し端
部132a、132bを有している。プライ130はプ
ライライン内に位置している。エイペックス125a、
125bは、ビード124a、124bの半径方向外側
の空間と、プライ130と折返し端部132a、132
bとの間の空間をほぼ満たしている。
【0058】従来技術のタイヤ110は、たとえば、ア
スペクト比が約55であり外径が約24.88インチ
(632mm)であるP205/55R16タイヤであ
る。通常の低アスペクト比タイヤは、アスペクト比が3
5から65までの範囲である。例示的なP205/55
R16タイヤ110および6.5J15H2リム111
の場合、測定値は概ね以下のとおりである。すなわち、
リム幅(Wr)は6.5インチ(165mm)、リム直
径(Dr)は16インチ(406mm)、断面幅(S
W)は8.07インチ(205mm)、断面高さ(S
H)は4.44インチ(113mm)である。アスペク
ト比は100(113/205)=55%である。荷重
保持能力LCCは、2.5barで約615kgであ
り、約91の荷重指数LIに相当する。
【0059】(本発明の理論の基本)図1に示されてい
る従来技術のタイヤ110において、サイドウォール1
26a、126bは半径方向の可撓性をもたらし、トレ
ッド表面が半径方向内側に移動し、路面との接触を維持
することを可能にする。上記で詳しく説明したように、
軸線方向および周方向の望ましくない可撓性により、サ
イドウォールからタイヤ性能を制限するマイナスの副作
用が生じる。
【0060】本発明のタイヤ240は、図3に示されて
いるように、図1に示されている種類の従来技術のタイ
ヤの、断面幅SWの軸線方向内側と、断面幅から半径方
向内側(回転軸線ARの方へ向かう)の両方の外面を有
する部分をほぼなくしている。
【0061】本発明の重要な態様は、タイヤ240のプ
ライラインPLが従来技術のタイヤ110のプライライ
ンPLに従っていることである。ずっと短いサイドウォ
ールを有するこの新規のタイヤ240は、従来技術の構
造と比べて、性能と荷重保持能力(LCC)の両方にお
いて顕著な利点を与える。
【0062】次に、新規のタイヤの形状について詳しく
説明する。図6(a)を参照するとわかるように、本発
明によるタイヤ440は、Aに等しい断面幅(SW)を
有する。ホイール軸ARに直交するラインL1およびL
2は、タイヤ440の赤道面EPからA/2の距離に位
置している。ラインL1およびL2は、リムフランジプ
ロテクタ形状を除いた場合、タイヤ形状の軸線方向外側
限界を規定する。ここではタイヤ440の一方の側につ
いてのみ詳しく説明するが、他方の側も鏡像関係にあ
り、同じ特徴を有する。図6(a)および6(b)に示
されているように、ラインL1およびL2に平行に、か
つラインL1およびL2から軸線方向内側にEPの方
へ、それぞれ、ラインL1およびL2から1mmないし
5mm、好ましくは2mmないし4mmの距離d1およ
びd2だけ離れて配置された新しいラインM1およびM
2が形成されている。これらのラインM1およびM2上
に、それぞれ、ビード442a、442bから幾何学的
に軸線方向外側に位置するプライ部の、ARからの最小
距離に等しい、回転軸線AR軸までの半径方向距離dp
1およびdp2をそれぞれ有する点P1およびP2が形
成されている。この最小距離は、それ自体が、リム直径
と、ビード圧縮値など他の設計要件とによって制限され
る。本発明によって形成されるプライラインPLは点P
1およびP2を含む。
【0063】本発明の新規のタイヤのプライラインPL
は、点P1およびP2からそれぞれ回転軸線ARから離
れる方向に半径方向距離r1、r2まで、それぞれ、0
mmないし5mm、好ましくは0mmないし3mmの距
離d3、d4以上ラインM1およびM2から軸線方向に
離れることがないように、回転軸線から半径方向外側に
延びている。半径方向距離r1およびr2は、それぞ
れ、回転軸線ARから点P1、P2までの距離dp1お
よびdp2を、断面高さSHの約30%から70%の
値、好ましくはSHの40%から60%の値だけ超える
値を有するように形成されている。プライラインPL
は、点rlおよびr2から、屈曲点を有さない経路に従
うクラウン領域または部分CP(トレッドとサイドウォ
ールとの間の部分)に繋がる。結果として得られる新規
のタイヤ440は、図5(a)に示すように、従来技術
のタイヤ構造と比べて非常に短いサイドウォールを有す
る。
【0064】本発明の態様では、タイヤの容積または圧
力を増大させ、したがって、LCCのETRTO計算に
おけるα(アルファ)およびβ(ベータ)係数を修正す
ること以外の手段によって所与の空気入りタイヤの荷重
保持能力(LCC)が改善される(LCCを大きくする
ことは、タイヤリム協会によって決定された荷重指数
(LI)を大きくすることに相当する)。本発明の空気
入りタイヤ、および以下に提示するその変形形態はこの
ことを実現し、それによって、既存のタイヤサイズおよ
びリムサイズについてのLCCを向上させるか、あるい
は、より小さなタイヤを車両上で使用できるようにし、
その場合に、この新規のより小さいタイヤが最初の車両
タイヤと同じLCCまたはそれよりも優れたLCCを有
するようにする。本発明の「より小さい」タイヤはいく
つかの実施形態を有することができる。図5(a)およ
び5(b)に、従来のタイヤと比較して2つの例が示さ
れているが、本発明はこの2つの例に限らない。
【0065】a)たとえば、図5(a)に示されている
ように、新規のより小さいタイヤ340Aは、従来のタ
イヤ110と同じ外径および同じ断面幅を有することが
できるが、より小さな断面高さを有し、それに対応して
より大きなホイールおよびリム直径を有する。ホイール
/リム/タイヤ組立体の全体寸法は、車両のホイールに
うまくはめ込み、かつ車両のロードクリアランスを維持
するために概ね同じであるが、ホイール/リム直径を大
きくすると、より大きくより効率的なブレーキを使用す
ることができ、かつ/またはブレーキ対流冷却を向上さ
せることができる。
【0066】b)図5(b)に示されている第2の例で
は、新規のタイヤ340Bは、従来のタイヤ110より
も小さい外径を有し、同時に、従来のタイヤと同じ断面
高さならびにホイールおよびリム直径を維持することが
できる。
【0067】荷重保持能力LCCの計算は、タイヤの耐
久性がタイヤのサイドウォールのたわみの関数であると
いう仮定に基づく計算である。特に、様々なタイヤのカ
テゴリについて臨界たわみ率が確立されている。この場
合、所与のタイヤのLCCはこのタイヤの臨界たわみ率
限界までタイヤをたわませる荷重である。本発明の教示
によって作られたタイヤの経験的な試験により、本発明
のタイヤは、所与の荷重に対して、本発明のタイヤが置
き換わる従来技術のタイヤよりも小さなたわみ率を示す
ことがわかっている。これは、構造的支持と空気圧支持
との両方を改善する、本発明の特徴によるものと考えら
れる。
【0068】空気圧支持理論は、図2に示されている以
下の数式[1]に基づく理論である。
【0069】
【数2】 t∝(P/2)(1−(Rm/Rt)2) [1] 上式で、tはサイドウォール内の半径方向張力であり、
記号「∝」は「比例する」を意味し、Pはタイヤ充填圧
(ゲージ)であり、Rtはタイヤ軸線Aからトレッド領
域の内面までの半径方向距離であり、Rmは、タイヤ軸
線Aから、サイドウォール断面幅が最大になる点までの
半径方向距離である。図2には、半径方向張力線tは、
一般的なタイヤのサイドビュー190内の半径方向矢印
として示されている。タイヤ軸線はラインAとして示さ
れており、荷重支持表面Sは、ビュー190において表
面Sに押し付けられるタイヤよりも下に示されている。
ビュー191、192、193、および194は、タイ
ヤ軸線Aから、ビード/サイドウォール領域198の、
リムフランジの半径方向のすぐ外側にあり、したがって
たわむことのできる部分までの半径方向距離であるRb
を含め、様々な半径方向距離を示すタイヤの概略部分断
面図である。
【0070】荷重をかけられていない所与の圧力Pのタ
イヤにおいて、半径方向距離Rtはすべての方向で等し
く、半径方向距離Rmはすべての方向で等しく、したが
って張力tはあらゆる場所で同じである。ビュー191
は、タイヤの、荷重をかけられておらず/圧縮されてい
ない部分の相対的な半径方向距離を示す。ビュー191
と同じタイヤのビュー190および192を見るとわか
るように、タイヤが重量Wによる荷重を受けると、重量
Wはタイヤを荷重支持表面Sに押し付け、主にタイヤの
下部をたわませ、トレッド半径Rtを圧縮時トレッド半
径Rt(C)まで小さくし、最大サイドウォール半径Rm
を圧縮時サイドウォール半径Rm(C)まで小さくす
る。トレッド半径Rtをある割合だけ小さくする所与の
タイヤ圧縮の場合、最大サイドウォール半径Rmの対応
する減少率は常に小さくなる。したがって、数式[1]
の率(Rm/Rt)2は、タイヤが圧縮されたときに大
きくなり、それによってタイヤの下半分のサイドウォー
ル内の張力が小さくなる。(図では矢印197の高さで
表されている)タイヤの上半分の張力tの垂直成分の和
(積分)が、タイヤの下半分の張力tのそれを超え、そ
れによって、上向きの正味力がタイヤに対する荷重Wの
下向きの力と釣り合うことがわかる。
【0071】本発明は、たとえば、本発明によって作ら
れたタイヤの部分断面図を示す図2のビュー193およ
び194に示されているように、タイヤのビード領域の
非常に近くに最大サイドウォール幅を配置するようにタ
イヤの形状を変更する結果を利用する。ビュー193
は、ビュー191に示されている従来のタイヤのトレッ
ド半径Rtとほぼ同等なトレッド半径R’tを有し、か
つ、ビード領域半径Rbにほぼ等しく、したがって、ビ
ュー191に示されている従来のタイヤの最大サイドウ
ォール半径Rmよりも小さい最大サイドウォール半径
R’mを有する、本発明のタイヤの圧縮されていない部
分を示している。ビュー194において、タイヤは、ビ
ュー192に示されている圧縮された従来のタイヤの圧
縮時トレッド半径Rt(c)とほぼ同等な圧縮時トレッ
ド半径R’t(c)まで同じ量だけ圧縮されている。ビ
ュー194の圧縮された本発明のタイヤのサイドウォー
ルが圧縮を受けて膨張するとき、最大サイドウォール半
径は小さくなることができず、実際には、図のように、
圧縮されていない本発明のタイヤの最大サイドウォール
半径R’mよりも大きな圧縮時最大サイドウォール半径
R’m(c)まで大きくなる。その結果、数式[1]の
率(Rm/Rt2は、本発明の場合は値(R’m(c)/
R’t(c))2、すなわち、同じトレッド半径圧縮を有
する従来のタイヤの値(R m(c)/Rt(c))2より
も大きな値まで大きくなる。したがって、本発明のタイ
ヤの圧縮されたサイドウォール内の張力tは、同じ量だ
け圧縮された従来のタイヤのサイドウォールにおける張
力tの対応する低下よりも大きな量だけ低下する。荷重
をかけられた本発明のタイヤの下半分で張力がこのよう
により大きく低下することは、それに対応して、トレッ
ド半径R’t(c)までの圧縮を生じさせるのに必要な
荷重重量Wが、従来のタイヤにおいて等しいトレッド半
径Rt(c)までの圧縮を生じさせるのに必要な荷重重
量Wよりも大きくなることを意味する。あるいは、本発
明のタイヤでは、同じ荷重重量Wによって、従来のタイ
ヤよりも弱い圧縮(またはより小さいたわみ率)がもた
らされる。すなわち、本発明のタイヤはより高い荷重保
持能力を有する。
【0072】上記の理論は簡略化されており、サイドウ
ォールおよびトレッド領域の剛性の効果は含まれていな
い。本発明の効果は、サイドウォールの剛性を高める
と、所与の荷重重量Wに対するたわみ率が低下すること
に関して説明することもできる。この効果は、EMTタ
イヤがその空気圧の大部分またはすべてを失い、それに
よって、数式[1]の張力支持が零圧力Pにおける零に
低下した後で、限られた車両速度および走行距離に対し
て許容できるほど適切に機能するように設計された拡張
移動性技術(EMT)タイヤで特に重要である。
【0073】(本発明の好ましい実施形態)次に、図3
を参照すると、本発明の好ましい実施形態が、従来の形
状のホイールリム211上に取り付けられたタイヤ24
0の部分断面図として示されている。リム211(11
1に対応)は、標準リム111と同じ全体形状を有して
おり、同じ形状のビードシート221a、221bと、
軸線方向に延びている部分234a、234bを備える
同じ形状のフランジ213a、213bとを有してい
る。しかし、本発明のタイヤ240のリム211は、標
準リム111のリム幅Wrよりも約1インチから3イン
チ(25.4mmから76.2mm)広いリム幅Wr’
を有している。後述のように、本発明の様々な実施形態
は、標準リム111の標準リム直径Drとは異なるリム
直径Dr’を必要とすることもある。
【0074】タイヤ240は、2つのトレッドショルダ
216a、216bを持つ接地トレッド214と、トレ
ッド214の半径方向内側に位置する周方向のベルト構
造218とを有するトレッド領域212を有している。
タイヤ240は、2つのビード領域220a、220b
を有しており、各ビード領域は、伸長不能な金属ワイヤ
製のビード224a、224bと、ビード224a、2
24bから軸線方向および半径方向内側にあるビードト
ウ223a、223bで終わるビードベース222a、
222bと、ビード224a、224bの半径方向外側
の内部補強構造244a、241bとを有する。ビード
領域220a、220bには、いくつかの任意選択の要
素として、図示されていないが、チェーファー、チッ
パ、フリッパなど一般的な要素を含めることができる。
弾性サイドウォール226a、226bはそれぞれ、ビ
ード領域220a、220bから半径方向外側に、トレ
ッドショルダ216a、216bまで延びている。タイ
ヤ240は、内壁231を有するカーカス構造228
と、それぞれ、各ビード領域220a、220bからサ
イドウォール226a、226bを通って半径方向外側
に延び、ベルト構造218の半径方向内側でトレッド領
域212を横切る、少なくとも1つのコード補強弾性プ
ライ230とを有している。プライ230は、サイドウ
ォール226a、226bから、半径方向内側にビード
224a、224bの周りに延び、まずビード224
a、224bの半径方向内側を通過し、次にビード22
4a、224bの軸線方向外側を通過し、最後に半径方
向外側に、プライ230の主要部分の軸線方向外側およ
びビード224a、224bの半径方向外側に位置する
折返し端部232a、232bまで延びている。ビード
領域220a、220bは、各リムフランジ213a、
213bの軸線方向に延びている部分234a、234
bを含め、ホイールリム211の従来の形状のビードシ
ート221a、221bおよびフランジ213a、21
3b部に適合する形状にされている。タイヤ240のビ
ード領域220a、220bの近傍の一方または両方の
サイドウォール226a、226b上に、任意のリムフ
ランジプロテクタ242a、242bを設けることがで
き、このリムフランジプロテクタ242a、242b
は、各ビード/サイドウォール領域220a/226
a、220b/226bから軸線方向外側に延び、それ
によって、リムフランジ213a、213bの半径方向
外側に延びると共に、従来の形状のホイールリム211
の各リムフランジ213a、213bの軸線方向に延び
ている部分234a、234bの少なくとも最も外側の
縁部まで軸線方向外側に延びる、連続的な周方向弾性突
起を有することが好ましい。
【0075】本発明の最も重要な特徴は、上記で図6
(a)および(b)を参照して説明した定義に制限され
るビード領域およびサイドウォール領域内のプライライ
ンに関する特徴である。本発明の特徴は、タイヤ240
の両側を部分断面図で示す図3と、右側ビード領域22
0bならびにサイドウォール226bおよびリム211
の近傍の部分の断面の詳細を示す図7(a)とにおける
第1の実施形態のタイヤ240に示されている。本発明
の特徴は、適切に取り付けられ膨張させられたタイヤ2
40において、図7(a)、(b)、および(c)に示
されているように、少なくとも1つのプライ230が、
ビード224a、224bから半径方向外側に約80°
から約100°の角度φで延びるプライラインPL’を
有することである。少なくとも1つのプライ230は、
(断面幅SW’が測定される)最大タイヤ幅がビード2
24a、224bの半径方向近傍に位置し、好ましくは
フランジ213a、213bの半径方向のすぐ外側に位
置するように、概ね連続する湾曲を維持しながらサイド
ウォール226a、226bを通ってトレッドショルダ
216a、216bまで延びている。図7(a)に示さ
れているように、角度φは、プライライン562と軸線
Aとの間で測定され、軸線方向および半径方向外側に開
放している。軸線方向外側のプライ折返し端部232
a、232bを有するこの本発明のプライラインPL’
を実現するために、中央エイペックスは存在しない(図
1の中央エイペックス125a、125bと比較された
い)。したがって、プライ230の主要部分は、ビード
224a、224bの周りに密着して巻かれ、サイドウ
ォール226a、226bの外側の近傍に配置され、プ
ライ折返し端部232a、232bにほぼ平行でありか
つ密に隣接している。プライ230をビード領域220
a、220b内の所定の位置に保持するために、ビード
領域、ならびにサイドウォール領域の少なくとも、ビー
ド224a、224bの半径方向外側の部分およびプラ
イ230とカーカス内壁231との間の部分には、弾性
補強物、すなわち、補強要素241a、241bが少な
くとも部分的に充填されている。好ましい実施形態にお
いて、本発明のタイヤ240は、従来技術のタイヤ11
0の断面幅SWとほとんど同じ断面幅SW’を有してい
る。このことは、従来技術のタイヤ110のリム幅Wr
よりも十分に大きな新規の寸法Wr’にすることによっ
て実現することができる。補強要素241a、241b
は、熱硬化性樹脂、熱可塑性エラストマ、熱可塑性樹脂
を含む群から選択された高分子材料である。通常のエラ
ストマの場合、材料は約3MPaから300MPaのモ
ジュラスを有する。補強要素には、様々な長さのアラミ
ド、ナイロン、レーヨン、ポリエステルなど、無作為ま
たはその他の方法で整列させた繊維を組み込むことがで
き、あるいは剛性を調整するように選択されたポリエチ
レン、セルロースなどのフィラー材料を添加することが
できる。ビード領域220a、220bの近傍のタイヤ
サイドウォール226a、226bは(取り付けられ膨
張させられたタイヤ上で)ほぼ直線状であるが、内部補
強物241a、241bは、一様に湾曲した内面231
を形成し、それによってタイヤ硬化プロセス中にエラス
トマが正常に流れるような形状にされることが好まし
い。
【0076】より広いリム幅Wr’を除いて、本発明の
タイヤ240に使用すべきリム211は、従来技術のリ
ム111とほとんど同じ従来の形状のリムであり、現在
市販されている。従来の形状のリム211は、約0°か
ら約15°であるが最も一般的には約5°のリムビード
シート角「α」を有しており、角度αは、軸線方向およ
び半径方向外側に開放し、リムビードシートライン56
0と軸線Aとの間に形成される。従来の形状のリム21
1は、約0°から約15°であるが最も一般的には約0
°のリムフランジ角「γ」も有しており、角度γは、軸
線方向および半径方向外側に開放し、リムフランジライ
ン564と半径方向線Rとの間に形成される。リムフラ
ンジライン564は、リムビードシート221a、22
1bをフランジ213a、213bに接合する、丸めら
れた「ヒール」コーナーのすぐ後で、フランジ213
a、213bの内面の平坦部に接している。リム211
とタイヤ240は、完全に平行であり互いにはめ合う表
面を有するように示されているが、本明細書の図面が理
想的なものであり、実際にはタイヤ表面とリム表面は互
いにほぼ整合するだけでよいことを理解されたい。弾性
材料と、チェーファー、チッパ、フリッパ、サイドウォ
ールインサート(不図示)など、ビード領域220a、
220bまたはサイドウォール226a、226b内の
任意選択の要素とは、ビードベース222a、222b
が、リム211、ビードシート221a、221b、お
よびフランジ213a、213bの角度および寸法にほ
ぼ整合し、同時に、上述の本発明のプライライン562
を維持するように適切な形状にされている。
【0077】本発明のタイヤ240は、たとえば本発明
の設計のP205/40R18タイヤであり、リム22
1はたとえば、従来の形状の市販の8.0J18H2リ
ムであり、この場合、「J」はフランジ213a、21
3bの形状を示し、「H2」はリム211の残りの部分
の形状を示す。例示的なタイヤ240およびリム221
は、従来技術の例示的なP205/55R16タイヤ1
10および6.5J15H2リム111の適切な代替要
素とみなされる。タイヤ240は、例示的な従来技術の
P205/55R16タイヤ110の外径に相当する約
24.8インチ(630mm)の外径を有している。例
示的な本発明のP205/40R18タイヤ240およ
び対応する例示的な市販の8.0J18H2リム211
の測定値は以下のとおりである。すなわち、リム幅(W
r’)は8.0インチ(203mm)、リム直径(D
r’)は18インチ(462mm)、断面幅(SW’)
は、例示的なP205/55R16タイヤ110の断面
幅(SW)と同じ8.07インチ(205mm)、断面
高さ(SH)は3.40インチ(86mm)である。ア
スペクト比は100(86/205)=42、すなわち
約40%と計算される。本発明の構造のために、荷重保
持能力LCCは、2.5barバールで約615kg
(荷重指数LI=91)であり、すなわち、置き換えら
れるP205/55R16タイヤ110と同じであり、
これは通常の従来技術のP205/40R18のLI約
83に対して向上している。
【0078】(内側のプライ折返しを有する代替実施形
態)図4を参照すると、本発明の代替実施形態が、従来
の形状のホイールリム211上に取り付けられたタイヤ
240’の部分断面として示されている。代替実施形態
のタイヤ240’は、主として少なくとも1つのプライ
230’(230に対応)がビード224a、224b
の周りに巻かれる方法が、好ましい実施形態のタイヤ2
40と異なる。
【0079】リム211は、標準リム111と同じ全体
的な形状を有しており、同じ形状のビードシート221
a、221bと、軸線方向に延びている部分234a、
234bを含む同じ形状のフランジ213a、213b
とを備えるが、本発明のタイヤ240’のリムは、標準
リム111のリム幅Wrよりも全体的に広いリム幅W
r’を有している。以下に詳しく説明するように、本発
明の様々な実施形態は、標準リム111の標準リム直径
Drとは異なるリム直径Dr’を必要とすることもあ
る。
【0080】タイヤ240’は、2つのトレッドショル
ダ216a、216bを持つ接地トレッド214と、ト
レッド214の半径方向内側に位置する周方向のベルト
構造218とを有するトレッド領域212を有してい
る。タイヤ240’は、2つのビード領域220a’、
330b’を有しており、各ビード領域は、ビード22
4a、224bと、ビード224a、224bから軸線
方向および半径方向内側にあるビードトウ223a、2
23bで終わるビードベース222a、222bと、ビ
ード224a、224bの半径方向外側の内部補強構造
241a’、241b’とを有する。ビード領域220
a’、220b’のいくつかの任意選択の要素として、
図示されていないが、チェーファー、チッパ、フリッパ
など一般的な要素を含めることができる。弾性サイドウ
ォール226a、226bはそれぞれ、ビード領域22
0a’、220b’から半径方向外側に、トレッドショ
ルダ216a、216bまで延びている。タイヤ24
0’は、内壁231を有するカーカス構造228’と、
それぞれ、各ビード領域220a’、220b’からサ
イドウォール226a、226bを通って半径方向外側
に延び、ベルト構造218の半径方向内側でトレッド領
域212を横切る、少なくとも1つのコード補強弾性プ
ライ230’とを有している。プライ230’は、サイ
ドウォール226a、226bから、半径方向内側にビ
ード224a、224bの周りに延び、まずビード22
4a、224bの軸線方向外側を通過し、次に、ビード
224a、224bの半径方向内側を通過し、次にビー
ド224a、224bの軸線方向内側を通過し、最後に
半径方向外側に、プライ230’の主要部分の軸線方向
外側およびビード224a、224bの半径方向外側に
位置する折返し端部232a’、232b’まで延びて
いる。ビード領域220a’、220b’は、各リムフ
ランジ213a、213bの軸線方向に延びている部分
234a、234bを含め、ホイールリム211の従来
の形状のビードシート221a、221bおよびフラン
ジ213a、213b部に適合する形状にされている。
タイヤ240’のビード領域220a’、220b’の
近傍の一方または両方のサイドウォール226a、22
6b上に、任意選択のリムフランジプロテクタ242
a、242bを設けることができ、このリムフランジプ
ロテクタ242a、242bは、各ビード/サイドウォ
ール領域220a’/226a、220b’/226b
から軸線方向外側に延び、それによって、リムフランジ
213a、213bの半径方向外側に延びると共に、従
来の形状のホイールリム211の各リムフランジ213
a、213bの軸線方向に延びている部分234a、2
34bの少なくとも最も外側の縁部まで軸線方向外側に
延びる、連続的な周方向弾性突起を有することが好まし
い。
【0081】本発明の代替実施形態240’の最も重要
な特徴は、プライラインと、ビード領域およびサイドウ
ォール領域内の補強弾性材料の相対的な位置決めとに関
連しており、また、プライ折返し端部232a’、23
2b’の相対的な位置決めに関連している。これらの特
徴は、タイヤ240’の両側を部分断面図で示す図4
と、右側ビード領域220b’ならびにサイドウォール
226bおよびリム211の近傍の部分の断面の詳細を
示す図7(b)とに示されている。本発明の特徴は、適
切に取り付けられ膨張させられたタイヤ240’におい
て、少なくとも1つのプライ230’が、ビード224
a、224bから半径方向外側に約80°から約100
°の角度φで延びるプライライン562を有することで
ある。少なくとも1つのプライ230’は、(断面幅S
W’が測定される)最大タイヤ幅がビード224a、2
24bの半径方向近傍に位置し、好ましくはフランジ2
13a、213bの半径方向のすぐ外側に位置するよう
に、概ね連続する湾曲を維持しながらサイドウォール2
26a、226bを通ってトレッドショルダ216a、
216bまで延びている。図7(b)に示されているよ
うに、角度φは、プライライン562と軸線Aとの間で
測定され、軸線方向および半径方向外側に開放してい
る。好ましい実施形態のタイヤ240と同様に、この本
発明のプライラインを実現するために、中央エイペック
スは存在しない(図1の中央エイペックス125a、1
25bと比較されたい)。好ましい実施形態のタイヤ2
40とは異なり、本発明の代替実施形態のタイヤ24
0’は、反転されたプライ折返しを使用して、プライ2
30’およびプライライン562を適切に配置するのを
助けている。この場合も、本発明によるプライラインの
詳細については、図6(a)および(b)の説明ですで
に論じた。したがって、プライ230’の主要部分は、
ほぼ直線状のプライライン562と共に、半径方向内側
に、各サイドウォール226a、226bの外側の近傍
で各サイドウォール226a、226bを通って延び、
ビード224a、224bの軸線方向外側を通過し、次
にビード224a、224bの周りに密着して巻かれ、
プライ230’の主要部分の軸線方向内側にありかつプ
ライ230’の主要部分に平行でありかつ密に隣接して
いる折返し端部232a’、232b’で終わってい
る。プライ230’をビード領域220a’、220
b’内の所定の位置に保持するために、ビード領域、な
らびにサイドウォール領域の少なくとも、ビード224
a、224bの半径方向外側の部分およびプライ折返し
端部232a’、232b’とカーカス内壁231との
間の部分には、弾性補強物、すなわち、補強要素241
a’、241b’が少なくとも部分的に充填されてい
る。図4に示されているように、内部補強物241
a’、241b’が半径方向外側にプライ折返し端部2
32a’を越えて延びる場合、内部補強物241a’、
241b’はプライ230’とカーカス内壁231との
間にも位置する。好ましい実施形態において、本発明の
タイヤ240’は、従来技術のタイヤ110の断面幅S
Wとほとんど同じ断面幅SW’を有している。このこと
は、リム幅を大きくし、従来技術のタイヤ110のリム
幅Wrよりも十分に大きな新規の寸法Wr’にすること
によって実現することができる。内部補強物241
a’、241b’は、熱硬化性樹脂、熱可塑性エラスト
マ、および熱可塑性樹脂を含む群から選択された高分子
材料である。通常のエラストマの場合、材料は約3MP
aから300MPaのモジュラスを有する。補強要素に
は、様々な長さのアラミド、ナイロン、レーヨン、ポリ
エステルなど、無作為またはその他の方法で整列させた
繊維を組み込むことができ、あるいは剛性を調整するよ
うに選択されたポリエチレン、セルロースなどのフィラ
ー材料を添加することができる。ビード領域220
a’、220b’の近傍のタイヤサイドウォール226
a、226bは(取り付けられ膨張させられたタイヤ上
で)ほぼ直線状であるが、内部補強物241a、241
bは、一様に湾曲した内面231を形成し、それによっ
てタイヤ硬化プロセス中にエラストマが正常に流れるよ
うな形状にされることが好ましい。
【0082】より広いリム幅Wr’を除いて、本発明の
タイヤ240’に使用すべきリム211は、従来技術の
リム111とほとんど同じ従来の形状のリムであり、現
在市販されている。従来の形状のリム211は、約0°
から約15°であるが最も一般的には約5°のリムビー
ドシート角「α」を有しており、角度αは、軸線方向お
よび半径方向外側に開放し、リムビードシートライン5
60と軸線Aとの間に形成される。従来の形状のリム2
11は、約0°から約15°であるが最も一般的には約
0°のリムフランジ角「γ」も有しており、角度γは、
軸線方向および半径方向外側に開放し、リムフランジラ
イン564と半径方向線Rとの間に形成される。リムフ
ランジライン564は、リムビードシート221a、2
21bをフランジ213a、213bに接合する、丸め
られた「ヒール」コーナーのすぐ後で、フランジ213
a、213bの内面の平坦部に接している。弾性材料
と、チェーファー、チッパ、フリッパ、サイドウォール
インサート(不図示)など、ビード領域220a’、2
20b’またはサイドウォール226a、226b内の
任意選択の要素とは、ビードベース222a、222b
が、リム211、ビードシート221a、221b、お
よびフランジ213a、213bの角度および寸法にほ
ぼ整合し、同時に、上述の本発明のプライライン562
を維持するように適切な形状にされている。
【0083】タイヤ240’の反転プライ折返し補強構
造の変形形態は、本発明の第2の代替実施形態240”
を形成するものであり、図7(c)に示されている。図
7(c)に示されている特徴は、ビード領域とサイドウ
ォールおよびリムの近傍の部分とを含むタイヤ240”
の右側部分の断面図に見られる特徴である。タイヤ24
0”の対応する左側部分(不図示)が、図7(c)に示
されており上記で説明したタイヤ240”の右側部分の
実質的な鏡像であることが理解されるべきである。図7
(c)を図1および7(b)と比較すると、第2の代替
の実施形態のタイヤ240”の主要な違いが、反転され
たプライ折返し端部232b”(232b’に対応)の
相対的な位置決めと、周囲の要素525b、344b
(125b、241b’に対応)であることがわかる。
【0084】図7(c)のリム211は、図7(a)お
よび(b)に示すリム211と概ね同じであり同じ形状
のビードシート221a、221bと、軸線方向に延び
ている部分234a、234bを含む同じ形状のフラン
ジ213a、213bとを備えている。
【0085】タイヤ240”の図示されている部分は、
金属ワイヤ製のビード224bと、ビード224bから
軸線方向および半径方向内側にあるビードトウ223b
で終わるビードベース222bと、ビード224bの半
径方向外側の中央補強構造525bとを有するビード領
域220b”を有している。ビード領域220b”のい
くつかの任意選択の要素として、図示されていないが、
チェーファー、チッパ、フリッパなど一般的な要素を含
めることができる。弾性サイドウォール226bは、ビ
ード領域220b”から半径方向外側に延びている。タ
イヤ240”は、内壁231を有するカーカス構造22
8”と、ビード領域220b”からサイドウォール22
6bを通って半径方向外側に延びる、少なくとも1つの
コード補強弾性プライ230”とを有している。プライ
230”は、サイドウォール226bから、半径方向内
側にビード224bの周りに延び、まずビード224b
の軸線方向外側を通過し、次にビード224bの半径方
向内側を通過し、次にビード224bの軸線方向内側を
通過し、最後に半径方向外側に、プライ230”の主要
部分の軸線方向内側およびビード224bの半径方向外
側に位置する折返し端部232b”まで延びている。ビ
ード領域220b”は、各リムフランジ213bの軸線
方向に延びている部分234bを含め、ホイールリム2
11の従来の形状のビードシート221bおよびフラン
ジ213b部に適合する形状にされている。
【0086】本発明の第2の代替実施形態のタイヤ24
0”の重要な特徴は、プライラインと、ビード領域およ
びサイドウォール領域内の補強弾性材料の相対的な位置
決めとに関する特徴であり、また、プライ折返し端部の
相対的な位置決めに関する特徴である。これらの特徴
は、右側のビード領域220b”とサイドウォール22
6bおよびリム211の近傍の部分との断面の詳細を示
す図7(c)に示されている。本発明の特徴は、適切に
取り付けられ膨張させられたタイヤ240”において、
少なくとも1つのプライ230”が、ビード224bか
ら半径方向外側に約80°から約100°の角度φで延
びており、すでに図6(a)および(b)に関して説明
したようにクラウン部に対する制限を組み込んでいるプ
ライライン562を有することである。少なくとも1つ
のプライ230”は、(断面幅SW’が測定される)最
大タイヤ幅がビード224bの半径方向近傍に位置し、
好ましくはフランジ213bの半径方向のすぐ外側に位
置するように、概ね連続する湾曲を維持しながらサイド
ウォール226bを通って延びている。図7(c)に示
されているように、角度φは、プライライン562と軸
線Aとの間で測定され、軸線方向および半径方向外側に
開放している。本発明の第2の代替実施形態のタイヤ2
40”は、従来とは異なり、プライ折返し端部232
b”をプライ230”の主要部分に対して軸線方向内側
に配置するプライ折返しを利用するので、本発明のプラ
イライン562は、反転されたプライ折返し端部23
2”の位置決めとは無関係に実現することができる。本
発明の代替実施形態のタイヤ240’とは異なり、第2
の代替実施形態のタイヤ240”は、プライ230”の
主要部分と、反転されたプライ折返し端部232b”で
終わるプライ230”の反転された折返し部との間に配
置された中央補強構造525bを使用する。カーカス内
壁231の形状に応じて、プライ折返し端部232b”
とカーカス内壁231との間の領域に追加の弾性フィラ
ーまたは補強材料(すなわち、内部エイペックス344
b)が必要になることがある。図7(c)に示されてい
るように、内部補強物344bが半径方向外側にプライ
折返し端部232b”を越えて延びる場合、内部補強物
344bはプライ230”とカーカス内壁231との間
にも位置する。中央補強構造525bおよび内部補強物
344bは、熱硬化性樹脂、熱可塑性エラストマ、およ
び熱可塑性樹脂を含む群から選択された高分子材料など
の弾性材料を含む。通常のエラストマの場合、材料は約
3MPaから300MPaのモジュラスを有する。補強
要素には、様々な長さのアラミド、ナイロン、レーヨ
ン、ポリエステルなど、無作為またはその他の方法で整
列させた繊維を組み込むことができ、あるいは剛性を調
整するように選択されたポリエチレン、セルロースなど
のフィラー材料を添加することができる。ビード領域2
20b”の近傍のタイヤサイドウォール226bは(取
り付けられ膨張させられたタイヤ上で)ほぼ直線状であ
るが、補強要素344bは、一様に湾曲した内面231
を形成し、それによってタイヤ硬化プロセス中にエラス
トマが正常に流れるような形状にされることが好まし
い。
【0087】より広いリム幅Wr’を除いて、本発明の
タイヤ240”に使用すべきリム211は、従来技術の
リム111とほとんど同じ従来の形状のリムであり、現
在市販されている。従来の形状のリム211は、約0°
から約15°であるが最も一般的には約50のリムビー
ドシート角「α」を有しており、角度αは、軸線方向お
よび半径方向外側に開放し、リムビードシートライン5
60と軸線Aとの間に形成される。従来の形状のリム2
11は、約0°から約15°であるが最も一般的には約
0°のリムフランジ角「γ」も有しており、角度γは、
軸線方向および半径方向外側に開放し、リムフランジラ
イン564と半径方向線Rとの間に形成される。リムフ
ランジライン564は、リムビードシート221a、2
21bをフランジ213a、213bに接合する、丸め
られた「ヒール」コーナーのすぐ後で、フランジ213
a、213bの内面の平坦部に接している。弾性材料
と、チェーファー、チッパ、フリッパ、サイドウォール
インサート(不図示)など、ビード領域220b”また
はサイドウォール226b内の任意選択の要素とは、ビ
ードベース222bが、リム211、ビードシート22
1a、221b、およびフランジ213a、213bの
角度および寸法にほぼ整合し、同時に、上述の本発明の
プライライン562を維持するように適切な形状にされ
ている。
【0088】(拡張可動性技術(EMT)タイヤの代替
実施形態)本発明の他の代替実施形態には、自己支持技
術としても知られている拡張可動性技術(EMT)を組
み込むこと、すなわち、EMTタイヤがその空気圧の大
部分またはすべてのを失った(「パンク」)後で限られ
た車両速度および走行距離に対して許容できるほど適切
に機能するように設計された空気入りタイヤが含まれ
る。以下では、本発明の好ましいEMT実施形態を例示
する手段として特定のサイドウォールトレッドショルダ
構造が提示されるが、本発明はこの特定の実施形態に限
らない。
【0089】図8を参照すると、本発明の好ましいEM
Tの実施形態が、従来の形状のホイールリム611上に
取り付けられたタイヤ650の部分断面として示されて
いる。リム611は、標準リム111(211も同様)
と同じ全体的な形状を有しており、同じ形状のビードシ
ート621a、621bと、軸線方向に延びている部分
634a、634bを含む同じ形状のフランジ613
a、613bとを備えるが、本発明のタイヤ650のリ
ム611は、標準リム111のリム幅Wrよりも約1な
いし3インチ(25.4〜76.2mm)広いリム幅W
r”を有している。上記で詳しく説明したように、本発
明の様々な実施形態は、標準リム111の標準リム直径
Drとは異なるリム直径Dr”を必要とすることもあ
る。
【0090】タイヤ650は、2つのトレッドショルダ
616a、616bを持つ接地トレッド614と、トレ
ッド614の半径方向内側に位置する周方向のベルト構
造618とを有するトレッド領域612を有している。
トレッドショルダ616a、616bは、低空気圧ある
いは零空気圧、すなわちランフラット状態で走行する間
のEMTタイヤ650の性能を高めるために、随意、図
のようにいくらか軸線方向外側に延ばされている。タイ
ヤ650は、2つのビード領域620a、620bを有
し、各ビード領域は、ワイヤ製のビード624a、62
4bと、ビード624a、624bから軸線方向および
半径方向内側にあるビードトウ623a、623bで終
わるビードベース622a、622bと、ビード624
a、624bの半径方向外側の内部補強構造652a、
652bとを有している。ビード領域620a、620
bのいくつかの任意選択の要素として、図示されていな
いが、チェーファー、チッパ、フリッパなど一般的な要
素を含めることができる。弾性サイドウォール626
a、626bはそれぞれ、ビード領域620a、620
bから半径方向外側に、トレッドショルダ616a、6
16bまで延びている。タイヤ650は、内壁631を
有するカーカス構造628と、それぞれ、各ビード領域
620a、620bからサイドウォール626a、62
6bを通って半径方向外側に延び、ベルト構造618の
半径方向内側でトレッド領域612を横切る、少なくと
も1つのコード補強弾性プライ630とを有している。
プライ630は、サイドウォール626a、626bか
ら、半径方向内側にビード624a、624bの周りに
延び、まずビード624a、624bの軸線方向内側を
通過し、次にビード624a、624bの半径方向内側
を通過し、次にビード624a、624bの軸線方向外
側を通過し、最後に半径方向外側に、プライ630の主
要部分の軸線方向外側およびビード624a、624b
の半径方向外側に位置する折返し端部632a、632
bまで延びている。ビード領域620a、620bは、
各リムフランジ613a、613bの軸線方向に延びて
いる部分634a、634bを含め、ホイールリム61
1の従来の形状のビードシート621a、621bおよ
びフランジ613a、613b部に適合する形状にされ
ている。タイヤ650のビード領域620a、620b
の近傍の一方または両方のサイドウォール626a、6
26b上に、任意選択のリムフランジプロテクタ642
a、642bを設けることができ、このリムフランジプ
ロテクタ642a、642bは、各ビード/サイドウォ
ール領域620a/626a、620b/626bから
軸線方向外側に延び、それによって、リムフランジ61
3a、613bの半径方向外側に延びると共に、従来の
形状のホイールリム611の各リムフランジ613a、
613bの軸線方向に延びている部分634a、634
bの少なくとも最も外側の縁部まで軸線方向外側に延び
る、連続的な周方向弾性突起を有することが好ましい。
【0091】本発明の重要な特徴は、プライラインと、
ビード領域およびサイドウォール領域内のエイペックス
または補強弾性材料の相対的な位置決めとに関する特徴
である。これらの特徴は、タイヤ650の両側を部分断
面図で示す図8と、右側ビード領域220bならびにサ
イドウォール226bおよびリム211の近傍の部分の
断面の詳細を示す図7(a)とに示されている。本発明
の特徴は、適切に取り付けられ膨張させられたタイヤ6
50において、少なくとも1つのプライ630が、ビー
ド624a、624bから半径方向外側に約80°から
約100°の角度φで延びるプライライン662を有す
ることである。前述のように、本発明によるプライライ
ン位置は図6(a)および(b)に説明に関して定義さ
れている。少なくとも1つのプライ630は、(断面幅
SW”が測定される)最大タイヤ幅がビード624a、
624bの半径方向近傍に位置し、好ましくはフランジ
613a、613bの半径方向のすぐ外側に位置するよ
うに、概ね連続する湾曲を維持しながらサイドウォール
626a、626bを通ってトレッドショルダ616
a、616bまで延びている。図7(a)に示されてい
るように、角度φは、プライライン562と軸線Aとの
間で測定され、軸線方向および半径方向外側に開放して
いる。この軸線方向外側のプライ折返し端部632a、
632bを持つ本発明のプライラインを実現するため
に、中央エイペックスは存在しない(図1の中央エイペ
ックス125a、125bと比較されたい)。したがっ
て、プライ630の主要部分は、ビード624a、62
4bの周りに密着して巻かれ、サイドウォール626
a、626bの外側の近傍に配置され、プライ折返し端
部632a、632bにほぼ平行でありかつ密に隣接し
ている。プライ630をビード領域620a、620b
内の所定の位置に保持するために、ビード領域、ならび
にサイドウォール領域の少なくとも、ビード624a、
624bの半径方向外側の部分およびプライ630とカ
ーカス内壁631との間の部分には、弾性補強物652
a、652bが少なくとも部分的に充填されている。
【0092】EMTタイヤ内の補強要素652a、65
2bの他の機能は、荷重をかけられたタイヤ650がラ
ンフラットタイヤ状態のときにタイヤ650を支持する
ことである。ランフラット用途の場合、内部補強要素6
52a、652bは、特にランフラット走行時または拡
張可動性走行時に、EMTタイヤ650のサイドウォー
ル626a、626bを補強するように設計された弾性
材料で作られることが好ましい。内部補強物652a、
652bの弾性材料は、標準空気圧動作時に熱の蓄積を
抑制すると共に、特に、エイペックス/補強物652
a、652bのたわみが最大になるランフラット走行時
に熱の蓄積を抑制するために、約70から約90、好ま
しくは約80から約90の範囲のホットリバウンドを含
む低ヒステリシスを有することが好ましい。ホットリバ
ウンドが55よりも低い場合、この材料はランフラット
動作時に焼ける傾向を有する。この弾性材料は、ショア
A硬さが約70から約80であり、モジュラスが約5M
Paから約9MPaであり、ホットリバウンド(100
EC)が約70から約90である。しかし、様々な長さ
のアラミド、ナイロン、レーヨン、ポリエステルなど、
無作為またはその他の方法で整列させた繊維を組み込む
か、あるいは剛性を調整するように選択されたポリエチ
レンやセルロースなどのフィラー材料を添加することに
よって、補強物652a、652bの弾性材料の特性を
さらに調整し制御することができることが本発明者によ
って認識されている。
【0093】ビード領域620bの近傍のタイヤサイド
ウォール626a、626bは(取り付けられ膨張させ
られたタイヤ上で)ほぼ直線状であるが、内部補強物6
52a、652bは、一様に湾曲した内面631を形成
し、それによってタイヤ硬化プロセス中にエラストマが
正常に流れるような形状にされることが好ましい。内部
支持体652a、652bの他の特徴は、タイヤカーカ
ス構造628の残りの部分と同様に、拡張可動性タイヤ
の要件に従って任意選択に決定され、本発明の主題では
ない。
【0094】好ましいEMTの実施形態において、本発
明のタイヤ650は、従来技術のタイヤ110の断面幅
SWとほとんど同じ断面幅SW”を有している。このこ
とは、リム幅を大きくし、従来技術のタイヤ110のリ
ム幅Wrよりも十分に大きな新規の寸法Wr”にするこ
とによって実現することができる。広いリム幅Wr”を
除いて、本発明のタイヤ650に使用すべきリム611
は、従来技術のリム111とほとんど同じ従来の形状の
リムであり、現在市販されている。従来の形状のリム6
11は、約0°から約15°であるが最も一般的には約
5°のリムビードシート角「α」を有しており、角度α
は、軸線方向および半径方向外側に開放し、リムビード
シートライン560と軸線Aとの間に形成される。従来
の形状のリム611は、約0°から約15°であるが最
も一般的には約0°のリムフランジ角「γ」も有してお
り、角度γは、軸線方向および半径方向外側に開放し、
リムフランジライン564と半径方向線Rとの間に形成
される。リムフランジライン564は、リムビードシー
ト621a、621bをフランジ613a、613bに
接合する、丸められた「ヒール」コーナーのすぐ後で、
フランジ613a、613bの内面の平坦部に接してい
る。弾性材料と、チェーファー、チッパ、フリッパ、サ
イドウォールインサート(不図示)など、ビード領域6
20a、620bまたはサイドウォール626a、62
6b内の任意選択の要素とは、ビードベース622a、
622bが、上記で図6(a)および(b)を参照して
説明したように、リム611、ビードシート621a、
621b、およびフランジ613a、613bの角度お
よび寸法にほぼ整合し、同時に、上述の本発明のプライ
ライン562を維持するように適切な形状にされてい
る。
【0095】本発明のタイヤ650は、たとえば本発明
の設計のP205/40R18タイヤのEMTバージョ
ンであり、リム611はたとえば、従来の形状の市販の
8.0J18H2リムであり、この場合、「J」はフラ
ンジ613a、613bの形状を示し、「H2」はリム
611の残りの部分の形状を示す。例示的なタイヤ65
0およびリム611は、従来技術の例示的なP205/
55R16タイヤ110および6.5J15H2リム1
11の適切な代替要素とみなされる。タイヤ650は、
例示的な従来技術のP205/55R16タイヤ110
の外径に相当する約24.8インチ(630mm)の外
径を有している。例示的な本発明のP205/40R1
8タイヤ650および対応する例示的な市販の8.0J
18H2リム611の測定値は以下のとおりである。す
なわち、リム幅(Wr”)は8.0インチ(203m
m)、リム直径(Dr”)は18インチ(462m
m)、断面幅(SW”)は、例示的なP205/55R
16タイヤ110の断面幅(SW)と同じ8.07イン
チ(205mm)、断面高さ(SH)は3.40インチ
(86mm)である。アスペクト比は100(86/2
05)=42、すなわち約40%と計算される。本発明
の構造のために、荷重保持能力LCCは、置き換えられ
るP205/55R16タイヤ110と同じ約615k
gであり、これは典型的な従来技術のP205/40R
18のLCC約487kg(荷重指数LI=83)と比
べて向上した値である。
【図面の簡単な説明】
【図1】明確にするためにゴムおよびプライ領域内の陰
影をなくした、従来のタイヤの断面図である。
【図2】本発明による、圧縮および張力効果を示すタイ
ヤの概略側面図および4つの概略部分断面図である。
【図3】明確にするためにゴムおよびプライ領域内の陰
影をなくした、本発明による、外側の折返し端部を有す
るタイヤの実施形態の断面図である。
【図4】明確にするためにゴムおよびプライ領域内の陰
影をなくした、本発明による、内側の(反転された)折
返し端部を有するタイヤの他の実施形態の断面図であ
る。
【図5】本発明によるタイヤと従来のタイヤとの比較を
示す断面図であり、(a)は従来のタイヤと、より大き
なリム直径を有する本発明のタイヤとの比較を示し、
(b)は従来のタイヤと、より大きなリム幅を有する本
発明のタイヤとの比較を示す。
【図6】本発明による特徴を組み込んだタイヤを示し、
(a)はその概略断面図、(b)は(a)のビード領域
の拡大図である。
【図7】明確にするためにゴムおよびプライ領域内の陰
影をなくした、本発明によるタイヤのビード領域ならび
にサイドウォール領域およびリムの一部の拡大図であ
り、(a)は、図3のタイヤの実施形態の場合を示し、
(b)は、プライ折り返しがビードの内側に回り込む図
4のタイヤの実施形態の場合を示し、(c)は、図4の
タイヤの他の実施形態の場合を示す。
【図8】明確にするためにゴムおよびプライ領域内の陰
影をなくした、本発明による、拡張可動性タイヤ実施形
態の断面図である。
【符号の説明】
240、240’、240”、340A、340B、4
40、650 タイヤ 211、611 リム 212、612 トレッド領域 213a、213b、613a、613b フランジ 214、614 接地トレッド 216a、216b、616a、616b トレッド
ショルダ 218、618 ベルト構造 220a、220b、220’a、220’b、220
b”、620a、620b ビード領域 222a、222b、622a、622b ビードベ
ース 224a、224b、624a、624b ビード 226a、226b、626a、626b サイドウ
ォール 228、228’228”、628 カーカス構造 230、230’、630 プライ 232a、232b、232’a、232’b、23
2”b、632a、632b 折返し端部 221a、221b、621a、621b ビードシ
ート 223a、223b、623a、623b ビードト
ウ 241a’、241b’ 弾性補強物 344b、652a、652b 内部補強物 525b 中央補強構造 562 プライライン 564 リムフランジライン 631 内壁 642a、642b リムフランジプロテクタ
フロントページの続き (71)出願人 590002976 1144 East Market Stre et,Akron,Ohio 44316− 0001,U.S.A. (72)発明者 フランク フィルポット ルクセンブルク国 エル−5465 ヴァルト ブレディムス ル ド プリンシパル 2 (72)発明者 ギア フォン ニューエン ベルギー国 ビー−6730 ロシニョール ル ド エイコルズ 243 (72)発明者 アレイン エミール フランソワー ルー スゲン ルクセンブルク国 エル−2175 ル アフ ルレッド デ ミューセ 11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド領域と、それぞれビードを有す
    る2つのビード領域を含むカーカス構造と、前記2つの
    ビード領域の間に延びた、コードで補強された少なくと
    も1つの弾性プライと、前記トレッド領域と前記各ビー
    ド領域の間に延びている2つのサイドウォールとを有す
    る空気入りタイヤにおいて、 回転軸線ARに直交しかつタイヤの赤道面EPから距離
    A/2に配設されたラインL1およびL2によって規定
    された断面幅と、それぞれ前記ラインL1およびL2に
    平行であり前記ラインL1およびL2から1mmないし
    5mmの距離だけ軸線方向内側に前記赤道面EPに向か
    って離れたラインM1およびM2と、それぞれ前記少な
    くとも1つの弾性プライから前記タイヤの回転軸線AR
    までの最小半径方向距離dp1、dp2に位置する、前
    記ラインM1およびM2上の点P1およびP2とを有
    し、前記弾性プライは、前記点P1およびP2を含むプ
    ライラインPLを有しており、前記プライラインPL
    は、前記ラインM1およびM2から軸線方向に0mmな
    いし5mmの距離d3、d4以上離れることなく、前記
    点P1およびP2から半径方向外側にそれぞれ半径方向
    距離r1およびr2だけ延びて、前記タイヤのクラウン
    部CPに達していることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 ラインM1およびM2は、それぞれライ
    ンL1およびL2から2mmないし4mmの距離d1お
    よびd2だけ間隔を置いて配置されていることを特徴と
    する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記半径方向距離r1、r2は、前記距
    離dp1、dp2を前記タイヤの断面高さSHの30%
    から70%の値だけ超える値を有する距離として規定さ
    れることを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイ
    ヤ。
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