JP2002025452A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

Info

Publication number
JP2002025452A
JP2002025452A JP2001149107A JP2001149107A JP2002025452A JP 2002025452 A JP2002025452 A JP 2002025452A JP 2001149107 A JP2001149107 A JP 2001149107A JP 2001149107 A JP2001149107 A JP 2001149107A JP 2002025452 A JP2002025452 A JP 2002025452A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle size
phosphor
particles
display panel
plasma display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001149107A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3436260B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Kado
博行 加道
Mitsuhiro Otani
光弘 大谷
Masaki Aoki
正樹 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001149107A priority Critical patent/JP3436260B2/ja
Publication of JP2002025452A publication Critical patent/JP2002025452A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3436260B2 publication Critical patent/JP3436260B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 充填率の高い蛍光体層を形成する蛍光体材料
を用い、輝度および発光効率の高いプラズマディスプレ
イパネルを提供する。 【解決手段】 少なくとも2つ以上のピークを持った粒
径分布を有する蛍光体材料を用いて蛍光体層を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字または画像表
示用のカラーテレビジョン受像機やディスプレイ等に使
用する希ガス放電発光を利用したプラズマディスプレイ
パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下では、従来のプラズマディスプレイ
パネルについて図面を参照しながら説明する。図5は交
流型(AC型)のプラズマディスプレイパネルの概略を
示す断面図である。
【0003】図5において、41はフロントカバープレ
ート(前面ガラス基板)であり、この前面ガラス基板4
1上に表示電極42が形成されている。さらに、表示電
極42が形成されているフロントカバープレート41
は、誘電体ガラス層43及び酸化マグネシウム(Mg
O)誘電体保護層44により覆われている(例えば特開
平5−342991号公報参照)。
【0004】また、45は背面ガラス基板(バックプレ
ート)であり、この背面ガラス基板45上には、アドレ
ス電極46と隔壁47、蛍光体層48が設けられてお
り、49が放電ガスを封入する放電空間となっている。
蛍光体層48はカラー表示のために、赤50、緑51、
青52の3色の蛍光体層が順に配置されている。上記各
蛍光体層48は、放電によって発生する波長の短い紫外
線(波長147nm)により励起発光する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来プラズマディスプ
レイパネルとして開発されてきたパネルの輝度は、40
インチのNTSCパネル(セル数が640×480でセ
ルピッチが0.43mm×1.29mm、1セル面積約
0.55mm2)で約250cd/m2であった(例え
ば、機能材料1996年2月号Vol.16、No.
2、ページ7)。
【0006】これに対して従来のCRTでは、500c
d/m2程度の輝度を得ることが可能と言われている。
【0007】近年期待されているフルスペックのハイビ
ジョンテレビの画素レベルは、画素数が1920×11
25となり、セルピッチも42インチクラスで0.15
mm×0.48mmで1セルの面積は0.072mm2
の細かさになる。
【0008】ここで放電空間から発生する紫外線の放射
効率は放電空間が小さくなるに従って悪くなる。この結
果、42インチのハイビジョンテレビ用のPDPを従来
通りのセル構成で作製した場合、パネル発光効率が、N
TSCの場合に比べて1/7〜1/8程度になり、0.
15〜0.17lm/W程度に低下する。
【0009】以上のように、プラズマディスプレイパネ
ルでハイビジョンのような画素の小さなテレビを作製す
るにあたり、現行のNTSC並の明るさにしようと思え
ば、輝度を大幅に向上させなければならないという課題
が存在する。
【0010】そこで本願発明は、蛍光体材料を改良する
ことによって良好な蛍光体膜を形成し、比較的高い発光
効率で動作するプラズマディスプレイパネルを提供する
ことを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のプラズマディスプレイパネルは、一対の平
行に配されたプレートの間に、電極および複数色の蛍光
体層とが配設され、ガス媒体が封入された放電空間が形
成され、放電に伴って紫外線を発し、蛍光体層で可視光
に変換することによって発光するプラズマディスプレイ
パネルであって、この蛍光体層が、2つ以上のピークを
有し、1つのピークが1.5μm以上5μm以下の粒径
であり、もう1つのピークが1.5μm以下の粒径であ
り、さらに前記2つ以上のピークのうち少なくとも1つ
のピークの粒径が他の1つのピークの粒径の2倍以上で
ある蛍光体材料から形成されることを特徴とする。
【0012】従来の蛍光体材料は、一般的に1つのピー
クを持ったある程度の粒径分布を有している。これらの
蛍光体材料から構成される蛍光体膜を有するプラズマデ
ィスプレイパネルは、蛍光体の粒径が小さくなるほど膜
内での蛍光体粒子の充填率が向上し、その結果、膜内部
での反射効果が大きくなり、発生した可視光を有効に膜
前面に取り出すことが可能となる。
【0013】しかし、一方では蛍光体粒子が小さくなる
ほど粒子の比表面が大きくなるために、結晶欠陥が発生
しやすくなり、発光特性が劣化し、蛍光体膜として考え
た場合、これらの関係がトレードオフとなる。
【0014】これに対し本発明のように粒径分布が2つ
以上有する蛍光体材料を用いると、比較的大きな粒径の
蛍光体で効率良く発光し、しかも膜構成にした場合に、
比較的大きな粒径の蛍光体粒子間に比較的小さな粒径の
蛍光体粒子が詰まり充填率が向上し、結果として膜内で
の反射率が向上し、発光した可視光を効率よく膜前面に
取り出すことが可能となる。
【0015】尚、前記蛍光体層は、粒径分布が2つ以上
のピークを有し、1つのピークの粒径が他の1つのピー
クの粒径の5倍以上である蛍光体材料から形成ことが望
ましい。
【0016】さらに、少なくとも1つのピークの粒径が
他の1つのピークの粒径の5倍以上にすることで充填率
がさらに向上する。
【0017】また、ピーク間の最小値の粒径を境界とし
てそれぞれの分布を分割した場合、それぞれの分布の平
均粒径をA、最小粒子をdmin、最大粒径をdmax
とし、x=100A/(A+dmax−dmin)で表
されるx(%)を粒径集中度と定義したとき、それぞれ
の分布の粒径集中度が50%以上100%以下にするこ
とで、大きな粒子と小さな粒子の分布が明確になり、大
きな粒子間の隙間を小さな粒子で充填しやすくなる。
【0018】さらに、それぞれの分布の粒径集中度が8
0%以上100%以下にすることでさらに充填率は向上
する。
【0019】さらに、充填率の向上効果を出すために、
粒径分布のピーク間で粒子数が最小値となる粒径を境界
としてそれぞれの分布を分割した場合、粒径が小さい方
の蛍光体粒子の総数が、全蛍光体粒子数の10%〜90
%であることが好ましい。
【0020】また、粒径分布のピーク間で粒子数が最小
値となる粒径における粒子数が、粒径が小さい方のピー
クにおける粒子数の70%以下にすることで、充填率が
向上する。
【0021】さらに、粒径分布のピーク間で粒子数が最
小値となる粒径における粒子数が、粒径が小さい方のピ
ークにおける粒子数の50%以下にすることでさらに効
果的である。
【0022】また、本発明の蛍光体層を形成する蛍光体
材料の粒子形状が球状もしくは略球状にすることで高い
充填率が実現できる。
【0023】本発明の蛍光体層を形成する蛍光体材料
は、少なくとも1種類の原料粒子が粒径分布を持ってお
り、前記粒径分布が少なくとも2つ以上のピークを有す
る原料粒子を用いることで製造できる。
【0024】また、粒径分布のピークとなる粒径が異な
る2種類以上の蛍光体材料を混合することにより製造す
ることも可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルについ
て図面を参照しながら説明する。
【0026】図3は、本発明の一実施の形態における交
流面放電型プラズマディスプレイパネルの概略を示す断
面図である。図3ではセルが1つだけ示されているが、
赤、緑、青の各色を発光するセルが多数配列されてPD
Pが構成されている。
【0027】このPDPは、前面ガラス基板(フロント
カバープレート)11上に表示電極12と誘電体ガラス
層13、保護層14が配された前面パネルと、背面ガラ
ス基板(バックプレート)15上にアドレス電極16、
可視光反射層17、隔壁18および蛍光体層19が配さ
れた背面パネルとを張り合わせ、前面パネルと背面パネ
ル間に形成される放電空間内に放電ガスが封入された構
成となっており、以下に示すように作製される。
【0028】(前面パネルの作製)前面パネルは、前面
ガラス基板11上に表示電極12を形成し、その上を鉛
系の誘電体ガラス層13で覆い、更に誘電体ガラス層1
3の表面に保護層14を形成することによって作製す
る。
【0029】本実施の形態では、表示電極12は銀電極
であって、銀電極用のペーストをスクリーン印刷した後
に焼成する方法で形成する。また、鉛系の誘電体ガラス
層13の組成は、酸化鉛[PbO]70重量%,酸化硼
素[B23]15重量%,酸化硅素[SiO2]15重
量%であって、スクリーン印刷法と焼成によって、約2
0μmの膜厚に形成した。次に上記の誘電体ガラス層1
3上にCVD法(化学蒸着法)にて1.0μmの酸化マ
グネシウム(MgO)の保護層14を形成した。
【0030】(背面パネルの作製)背面ガラス基板15
上に、銀電極用のペーストをスクリーン印刷しその後焼
成する方法によってアドレス電極16を形成し、その上
にスクリーン印刷法と焼成によってTiO2 粒子と誘電
体ガラスからなる可視光反射層17と、同じくスクリー
ン印刷をくり返し行なった後焼成することによって得ら
れたガラス製の隔壁18を所定のピッチで作成する。
【0031】そして、隔壁18に挟まれた各空間内に、
赤色蛍光体,緑色蛍光体,青色蛍光体の中の1つを配設
することによって蛍光体層19を形成する。この蛍光体
層19の形成方法および用いる蛍光体材料については後
で詳述するが、ノズルから蛍光体インクを連続的に噴射
しながら走査する方法で蛍光体インクを塗布し、焼成す
ることによって形成する。
【0032】尚、本実施の形態では、40インチクラス
のハイビジョンテレビに合わせて、隔壁の高さは0.1
〜0.15mmとし、隔壁ピッチは0.15〜0.3m
mとした。また、バックカバー面および隔壁側面に形成
した蛍光体層19は5〜50μmとした。
【0033】(パネル張り合わせによるPDPの作製)
次に、このように作製した前面パネルと背面パネルとを
封着用ガラスを用いて前面パネルと表示電極とアドレス
電極が直交するように張り合せると共に、隔壁18で仕
切られた放電空間内を高真空(8×10-7Torr)に
排気した後、所定の組成の放電ガスを所定の圧力で封入
することによってPDPを作製する。なお、本実施の形
態では、放電ガスにおけるXeの含有量を5体積%と
し、封入圧力を500〜800Torrの範囲に設定し
た。
【0034】(蛍光体層の形成方法について)図2は蛍
光体層19を形成する際に用いるインク塗布装置20の
概略構成図である。図2に示されるように、インク塗布
装置20において、サーバ21には蛍光体インクが貯え
られており、加圧ポンプ22は、このインクを加圧して
ヘッダ23に供給する。ヘッダ23には、インク室23
aおよびノズル24が設けられており、加圧されてイン
ク室23aに供給されたインクは、ノズル24から連続
的に噴射されるようになっている。
【0035】蛍光体インクは、各色蛍光体材料粒子、バ
インダー、溶剤成分、必要に応じて界面活性剤、シリカ
等が適度な粘度となるように調合されたものである。
【0036】(蛍光体材料について)蛍光体インクを構
成する蛍光体材料としては、一般的にPDPの蛍光体層
に使用されているものを用いることができる。その具体
例としては、 青色蛍光体: BaMgAl1017:Eu2+ 緑色蛍光体: Zn2SiO4:Mn2+またはBaAl12
19:Mn2+ 赤色蛍光体: YBO3:Eu3+または(YxGd1-x)
BO3:Eu3+ を挙げることができる。
【0037】蛍光体膜が良好な発光効率を得るために
は、使用するこれらの蛍光体材料の粒径分布が少なくと
も2つ以上のピークを有することが有効となる。図6に
従来の蛍光体材料の粒径分布の概略図を、図1に本実施
例の蛍光体材料の粒径分布の概略図を示す。
【0038】一般的に蛍光体膜は、蛍光体の粒径が小さ
くなるほど膜内での蛍光体粒子の充填率が向上し、その
結果、膜内部での反射効果が大きくなり、発生した可視
光を有効に膜前面に取り出すことが可能となる。
【0039】しかし、一方では蛍光体材料粒子が小さく
なるほど粒子の比表面が大きくなるために、結晶欠陥が
発生しやすくなり、発光特性が劣化し、蛍光体膜として
考えた場合、これらの関係がトレードオフとなる。
【0040】そこで、使用する蛍光体材料粒子に2つ以
上のピークをもつ粒径分布を持たすことで、比較的大き
な粒径の蛍光体で効率良く発光し、しかも膜構成にした
場合に、比較的大きな粒径の蛍光体粒子間に比較的小さ
な粒径の蛍光体粒子が詰まり充填率が向上し、結果とし
て膜内での反射率が向上し、発光した可視光を効率よく
膜前面に取り出すことが可能となる。
【0041】さらに、大きい方のピーク粒径は結晶欠陥
による劣化が顕著に現れないように1.5μm以上、ま
た十分な膜被覆率を得るために5μm以下であることが
効果的である。さらに小さい方のピーク粒径は1.5μ
m以下にすることで大きい蛍光体粒子の隙間を効率的に
埋めることが可能となる。また、小さい方の粒径が大き
い方の粒径の1/2以下程度から充填率が向上し始める
が、1/5以下で効果が顕著となってくる。
【0042】さらに充填率向上効果を上げるためには、
それぞれのピーク付近での分布を急峻にする必要があ
る。すなわち、ピーク間の最小値の粒径を境界としてそ
れぞれの分布を分割した場合、それぞれの分布の平均粒
径をA、最小粒子をdmin、最大粒径をdmaxと
し、x=100A/(A+dmax−dmin)で表さ
れるx(%)を粒径集中度と定義したとき、それぞれの
分布の粒径集中度を高くすることで大きな粒子と小さな
粒子の分布が明確になり、大きな粒子間の隙間を小さな
粒子で充填しやすくなる。粒径集中度が50%付近から
前記効果が現れるが、80%以上にすることで顕著にな
る。
【0043】さらに、PDP用蛍光体材料では一般的に
板状の蛍光体が多いが、球状もしくは略球状にすること
で、前記充填率向上効果が顕著に現れる。
【0044】これらの蛍光体材料を用いた蛍光体膜で
は、50μm以上になると反射率が飽和しはじめるため
従来の粒径分布の蛍光体と輝度に大差が出なかった。ま
た、5μm以下では、被覆率が低下するために輝度低下
が起こった。
【0045】本実施の形態で用いる各色蛍光体は以下の
ようにして作製できる。
【0046】青色蛍光体は、まず、炭酸バリウム(Ba
Co3)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、酸化アルミ
ニウム(α−Al23)をBa,Mg,Alの原子比で
1対1対10になるように配合する。
【0047】次にこの混合物に対して所定量の酸化ユー
ロピウム(Eu23)を添加する。そして、適量のフラ
ックス(AlF2,BaCl2)と共にボールミルで混合
し、1400℃〜1650℃で所定時間(例えば、0.
5時間)、弱還元性雰囲気(H2,N2中)で焼成後、こ
れをふるい分けして得る。
【0048】赤色蛍光体は、原料として水酸化イットリ
ウムY2(OH)3と硼酸(H3BO3)とY,Bの原子比
1対1になるように配合する。次に、この混合物に対し
て所定量の酸化ユーロピウム(Eu23)を添加し、適
量のフラックスと共にボールミルで混合し、空気中12
00℃〜1450℃で所定時間(例えば1時間)焼成し
た後、これをふるい分けして得る。
【0049】緑色蛍光体は、原料として酸化亜鉛(Zn
O)、酸化珪素(Si02)をZn,Siの原子比2対1
になるように配合する。次にこの混合物に所定量の酸化
マンガン(Mn23)を添加し、ボールミルで混合後、
空気中1200℃〜1350℃で所定時間(例えば0.
5時間)焼成し、これをふるい分けして得る。
【0050】上記製法でふるい分けされた所定の粒径分
布を有する蛍光体材料粒子を、2種類以上再び混合する
ことにより、粒径分布に所定の2つ以上のピークを有す
る蛍光体材料を得ることができた。
【0051】また、蛍光体の原料のうち少なくとも1種
類(例えば、青色蛍光体ではα−Al23、緑色蛍光体
ではSiO2、赤色蛍光体ではY2(OH)3)の粒径分
布を、所定の2つ以上のピークを有するように調整する
ことでも、粒径分布に所定の2つ以上のピークを有する
蛍光体材料を得ることができた。
【0052】同様に粒径集中度の調整も上記製法で実現
することができた。
【0053】さらに、通常青色蛍光体や緑色蛍光体は形
状が板状であるが、原料である青色蛍光体ではα−Al
23、緑色蛍光体ではSiO2 を球状にすることで、球
状または略球状の蛍光体を実現することができる。ま
た、青色球状蛍光体では、例えば特開昭62−2019
89号公報、特開平7−268319号公報に記載され
るような製造方法で製造できる。
【0054】
【実施例】(実施例1〜8および比較例9〜13)
【0055】
【表1】
【0056】試料No.1〜8のPDPは、前記実施の
形態に基づいて作製した実施例に係わるPDPであっ
て、ふるい分けによる粒径分布または原料粉体分布を種
々の設定にすることで、粒径分布の第一のピークにおけ
る粒径、第2のピークにおける粒径、それぞれのピーク
側での粒径集中度、または粒子形状を変化させたもので
ある。粒径分布の一例として、試料番号4〜6の青色蛍
光体の粒径分布を図4に示す。なお、図4における粒径
分布は、コールターカウンタ法により、粒径0.1μm
きざみで測定したものであり、各0.1μm間隔の中に
含まれる粒子総数から、粒子数割合を算出している。試
料No.9〜13のPDPは、比較例に係わるPDPで
ある。
【0057】なお、前記各PDPにおいて、蛍光体膜厚
は20μm、放電ガス圧は500Torrに設定した。
また、各PDPにおけるパネル輝度は、放電維持電圧が
150V、周波数が30kHzの放電条件で測定した。
【0058】なお、各PDPにおいて、各色の発光層は
発光時にパネルの白バランスが取れるように規定してあ
り、全面白色点灯で輝度を測定した。
【0059】試料No.1〜8及び試料No.9〜13
の輝度を比較して明らかなように、粒径分布に2つのピ
ークを持たせることで輝度向上することが確認できる。
【0060】試料No.1では大きい方のピーク粒径が
比較的大きいので厚さ20μmの膜では十分な被覆率が
得られないために輝度向上率は小さかった。また、試料
No.8では大きい方のピーク粒径が比較的小さいため
に蛍光体の結晶欠陥が多くなり輝度向上率は小さかっ
た。
【0061】粒径集中度に関しては試料No.4〜6お
よび11、12からわかるように、従来例(No.1
1、12)では、粒径集中度が低いほど輝度が高かった
が、本実施例(No.4〜6)では、粒径集中度が高い
ほど輝度が高かった。
【0062】これは、本実施例の構成では、それぞれの
ピーク側での粒径集中度を高くすることで、粒径の大き
い方の蛍光体の隙間に粒径の小さい方の蛍光体が緻密に
充填され、膜の反射率が向上するためと考えられる。一
方従来の構成では、粒径集中度が高くなるほど粒径が揃
うために、蛍光体間の隙間が大きくなり、膜の反射率が
低下したものと考えられる。
【0063】さらに、蛍光体の形状差では、従来の構成
(NO.10、11)では大きな輝度差は見られなかっ
たが、本実施例(No.6、7)では球状の方が輝度が
高かった。これは、蛍光体形状を球状にすることで板状
の蛍光体に比較して、粒径の大きい方の蛍光体の隙間に
粒径の小さい方の蛍光体が緻密に充填され、膜の反射率
が向上するためと考えられる。
【0064】さらに、表1の試料番号3の構成の蛍光体
材料を、0.3μmの第3のピーク粒径を有する構成に
した場合、充填率が向上し、輝度は510cd/m2
ら540cd/m2 向上した。
【0065】なお、本実施例では、緑色蛍光体にZn2
SiO4:Mn2+、赤色蛍光体にYBO3:Eu3+を用い
たが、BaAl1219:Mn2+や(YxGd1−x)B
3:Eu3+を用いた場合でも同様に、輝度向上効果が
得られた。
【0066】
【発明の効果】以上のように本発明の蛍光体材料を用い
たプラズマディスプレイパネルによれば、形成される蛍
光体膜の充填率が高く反射特性の良好な膜となり、その
結果発生した可視光をパネル全面に有効に取り出すこと
が可能となり、輝度および発光効率の高いプラズマディ
スプレイパネルが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の蛍光体材料の粒径分布を
示す図
【図2】本実施の形態で蛍光体層を形成する際に用いる
インク塗布装置の概略構成図
【図3】本発明の一実施の形態に係わる交流面放電型プ
ラズマディスプレイパネルの概略を示す断面図
【図4】本実施例に用いた蛍光体の粒径分布図
【図5】従来の交流面放電型プラズマディスプレイパネ
ルの概略断面図
【図6】従来の蛍光体材料の粒径分布を示す図
【符号の説明】
11 前面ガラス基板(フロントカバープレート) 12 表示電極 13 誘電体ガラス層 14 誘電体保護層(MgO) 15 背面ガラス基板(バックプレート) 16 アドレス電極 17 可視光反射層 18 隔壁 19 蛍光体層
フロントページの続き (72)発明者 青木 正樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4H001 CA01 CA05 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GG08 KB09 MA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の平行に配されたプレートの間に、電
    極および複数色の蛍光体層とが配設され、ガス媒体が封
    入された放電空間が形成され、放電に伴って紫外線を発
    し、前記蛍光体層で可視光に変換することによって発光
    するプラズマディスプレイパネルであって、前記蛍光体
    層が、2つ以上のピークを有し、1つのピークが1.5
    μm以上5μm以下の粒径であり、もう1つのピークが
    1.5μm以下の粒径であり、さらに前記2つ以上のピ
    ークのうち少なくとも1つのピークの粒径が他の1つの
    ピークの粒径の2倍以上である蛍光体材料から形成され
    ることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】前記蛍光体層は、粒径分布が2つ以上のピ
    ークを有し、1つのピークの粒径が他の1つのピークの
    粒径の5倍以上である蛍光体材料から形成されることを
    特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネ
    ル。
  3. 【請求項3】前記蛍光体層は、粒径分布のピーク間で粒
    子数が最小値となる粒径を境界としてそれぞれの分布を
    分割した場合、それぞれの分布の平均粒径をA、最小粒
    子をdmin、最大粒径をdmaxとし、x=100A
    /(A+dmax−dmin)で表されるx(%)を粒
    径集中度と定義したとき、それぞれの分布の粒径集中度
    が50%以上100%以下である蛍光体材料から形成さ
    れることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプ
    レイパネル。
  4. 【請求項4】前記蛍光体層は、粒径分布のピーク間で粒
    子数が最小値となる粒径を境界としてそれぞれの分布を
    分割した場合、それぞれの分布の平均粒径をA、最小粒
    子をdmin、最大粒径をdmaxとし、x=100A
    /(A+dmax−dmin)で表されるx(%)を粒
    径集中度と定義したとき、それぞれの分布の粒径集中度
    が80%以上100%以下である蛍光体材料から形成さ
    れることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプ
    レイパネル。
  5. 【請求項5】前記蛍光体層は、粒径分布のピーク間で粒
    子数が最小値となる粒径を境界としてそれぞれの分布を
    分割した場合、粒径が小さい方の蛍光体粒子の総数が、
    全蛍光体粒子数の10%〜90%である蛍光体材料から
    形成されることを特徴とする請求項1記載のプラズマデ
    ィスプレイパネル。
  6. 【請求項6】前記蛍光体層は、粒径分布のピーク間で粒
    子数が最小値となる粒径における粒子数が、粒径が小さ
    い方のピークにおける粒子数の70%以下である蛍光体
    材料から形成されることを特徴とする請求項1記載のプ
    ラズマディスプレイパネル。
JP2001149107A 1997-10-31 2001-05-18 プラズマディスプレイパネル Expired - Fee Related JP3436260B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001149107A JP3436260B2 (ja) 1997-10-31 2001-05-18 プラズマディスプレイパネル

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-300151 1997-10-31
JP30015197 1997-10-31
JP2001149107A JP3436260B2 (ja) 1997-10-31 2001-05-18 プラズマディスプレイパネル

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35705997A Division JP3264239B2 (ja) 1997-10-31 1997-12-25 蛍光体材料とその製造方法、蛍光体膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002025452A true JP2002025452A (ja) 2002-01-25
JP3436260B2 JP3436260B2 (ja) 2003-08-11

Family

ID=26562228

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001149107A Expired - Fee Related JP3436260B2 (ja) 1997-10-31 2001-05-18 プラズマディスプレイパネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3436260B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023190589A1 (ja) * 2022-03-28 2023-10-05 三井金属鉱業株式会社 蛍光体粉末、蛍光体含有組成物、発光素子、及び発光装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023190589A1 (ja) * 2022-03-28 2023-10-05 三井金属鉱業株式会社 蛍光体粉末、蛍光体含有組成物、発光素子、及び発光装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3436260B2 (ja) 2003-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1030339B1 (en) Phosphor material, phosphor material powder, plasma display panel, and processes for producing these
JPH11317170A (ja) プラズマディスプレイパネル
KR20010062520A (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
JP3264239B2 (ja) 蛍光体材料とその製造方法、蛍光体膜
JP3251206B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JPH11144625A (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP2001185036A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP3436260B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JPH11172241A (ja) 蛍光体材料,蛍光体膜およびプラズマディスプレイパネル
JPH11166178A (ja) 蛍光体材料,蛍光体膜およびプラズマディスプレイパネル
JP3457288B2 (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP3161409B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP3185752B2 (ja) 蛍光体材料,蛍光体膜およびプラズマディスプレイパネル
JP2000034477A (ja) プラズマディスプレイパネルと蛍光体および蛍光体の製造方法
JPH11204044A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP3591461B2 (ja) 蛍光体材料,蛍光体膜およびプラズマディスプレイパネル
JP3939946B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの蛍光体
JP3341698B2 (ja) ガス放電パネル
JP3412570B2 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP2003041248A (ja) プラズマディスプレイ装置
JP2000011903A (ja) 発光装置およびその製造方法
JP3219080B2 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JPH05314914A (ja) Dc型プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP2002100296A (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP2000345148A (ja) プラズマディスプレイパネル、蛍光体および蛍光体膜ならびに蛍光体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees