JP2002022904A - 反射防止成形品とその製造方法、加飾シート - Google Patents

反射防止成形品とその製造方法、加飾シート

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JP2002022904A
JP2002022904A JP2000201524A JP2000201524A JP2002022904A JP 2002022904 A JP2002022904 A JP 2002022904A JP 2000201524 A JP2000201524 A JP 2000201524A JP 2000201524 A JP2000201524 A JP 2000201524A JP 2002022904 A JP2002022904 A JP 2002022904A
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protective layer
infrared
interference filter
resin
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Ryomei Men
了明 面
Nobuo Hara
伸郎 原
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Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の波長の赤外線に対して選択的に透過作
用を有する赤外線透過窓部分と優れた視認性を有する透
明窓部分とを一体的に備える反射防止成形品とその製造
方法、加飾シートを提供する。 【解決手段】 透明基板1の片面に、赤外線透過窓とな
る箇所に凹部を有する全面的な保護層5と、保護層5の
凹部上に位置する特定の近赤外域の光を選択的に透過す
る部分的な干渉フィルタ層6と、保護層5および干渉フ
ィルタ層6上に全面的な低反射層8とが少なくとも形成
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、携帯電話、ビデ
オカメラ、デジタルカメラ、自動車用機器などのディス
プレイ部分のカバー部品などに用いることができる反射
防止成形品とその製造方法、加飾シートに関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話、ビデオカメラ、デジタルカメ
ラ、自動車用機器などにおいて、ディスプレイ部分は、
液晶パネルあるいは有機ELパネルとの組み合わせなど
により構成されている。ディスプレイ部分は、液晶パネ
ルの破損を防止したり、液晶パネルの表示を拡大した
り、液晶パネル近辺を装飾したりすることを目的とし
て、凸レンズ形状に成形した透明基板や縁取りなどの図
柄が形成された透明基板により構成されるカバー部品に
より覆われている。
【0003】カバー部品には、背面に配置される液晶パ
ネルなどを透視することができる透明窓部分と、装飾用
の図柄部分の他に、赤外線を透過させるための赤外線透
過窓部分を一体的に形成することがある。赤外線透過窓
は、他の電子機器を制御したり、他の電子機器とデータ
のやり取りをしたりするために設けられる赤外線投光あ
るいは受光素子を覆うものとなる。赤外線通信に使用さ
れるのは、主に800〜1100nmの波長域である。
【0004】このような目的の赤外線透過窓は、可視波
長域の光をカットし、近赤外域の光を透過する染料をイ
ンキ化して皮膜を形成したり、このような染料を含有す
る樹脂からなる別部品を組み込んだりして形成すること
ができる(図11参照)。このような目的に用いられる
染料としては、700〜800nm以上の波長域の光を
透過するものが多用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、先に述べたカ
バー部品は、赤外線透過窓を通して赤外線通信をする
際、透過する近赤外域の光は特定の波長のものではない
ため、確実な赤外線通信ができない場合があるという問
題があった。また、透明窓部分の光反射により視認性が
低くなるという問題もあった。
【0006】したがって、この発明は、上記のような欠
点を解消し、特定の波長の赤外線に対して選択的に透過
作用を有する赤外線透過窓部分と優れた視認性を有する
透明窓部分とを一体的に備える反射防止成形品とその製
造方法、加飾シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の反射防止成形
品とその製造方法は、上記の目的を達成するために、つ
ぎのように構成した。
【0008】すなわち、この発明の反射防止成形品は、
透明基板の片面に、赤外線透過窓となる箇所に凹部を有
する全面的な保護層と、保護層の凹部上に位置する特定
の近赤外域の光を選択的に透過する部分的な干渉フィル
タ層と、保護層および干渉フィルタ層上に全面的な低反
射層とが少なくとも形成されるように構成した。
【0009】また、透明基板の片面に、赤外線透過窓と
なる箇所以外に位置する部分的な保護層と、赤外線透過
窓となる箇所に位置する特定の近赤外域の光を選択的に
透過する部分的な干渉フィルタ層と、保護層および干渉
フィルタ層上に全面的な低反射層とが少なくとも形成さ
れるように構成した。
【0010】また、上記の発明において、低反射層の上
に防汚層が形成されるように構成してもよい。
【0011】また、上記の発明において、赤外線透過窓
となる箇所と透明窓となる箇所とを除くパターンの部分
的な図柄層が形成されるように構成してもよい。
【0012】また、上記の発明において、赤外線透過窓
となる箇所に部分的な赤外線透過層が形成されるように
構成してもよい。
【0013】また、この発明の反射防止成形品の製造方
法は、赤外線透過窓となる箇所に凹部形成層が形成され
た基体シート上に少なくとも保護層が形成された加飾シ
ートを基体シートがキャビティ面に接するように金型内
に設置し、金型内に透明な溶融樹脂を射出して加飾シー
トと樹脂からなる透明基板との一体化物を得、次いで基
体シートと凹部形成層を剥離して保護層の赤外線透過窓
となる箇所に凹部を形成し、次いで保護層の凹部上に特
定の近赤外域の光を選択的に透過する干渉フィルタ層を
部分的に形成し、次いで保護層および干渉フィルタ層上
に低反射層を全面的に形成するように構成した。
【0014】また、キャビティ面の赤外線透過窓となる
箇所に凸部が形成された金型内に、基体シート上に少な
くとも保護層が形成された加飾シートを基体シートがキ
ャビティ面に接するように設置し、金型内に透明な溶融
樹脂を射出して加飾シートと樹脂からなる透明基板との
一体化物を得、次いで基体シートを剥離して保護層の赤
外線透過窓となる箇所に凹部を形成し、次いで保護層の
凹部上に特定の近赤外域の光を選択的に透過する干渉フ
ィルタ層を部分的に形成し、次いで保護層および干渉フ
ィルタ層上に低反射層を全面的に形成するように構成し
た。
【0015】また、赤外線透過窓となる箇所以外に位置
する部分的な保護層が形成された加飾シートを保護層が
キャビティ面に接するように金型内に設置し、金型内に
透明な溶融樹脂を射出して加飾シートと樹脂からなる透
明基板との一体化物を得、次いで赤外線透過窓となる箇
所に特定の近赤外域の光を選択的に透過する干渉フィル
タ層を部分的に形成し、次いで保護層および干渉フィル
タ層上に低反射層を全面的に形成するように構成した。
【0016】また、キャビティ面の赤外線透過窓となる
箇所に凸部が形成された金型内に、基体シート上に少な
くとも保護層が形成された加飾シートを保護層がキャビ
ティ面に接するように設置し、金型内に透明な溶融樹脂
を射出して加飾シートと樹脂からなる透明基板との一体
化物を得て保護層の赤外線透過窓となる箇所に凹部を形
成し、次いで保護層の凹部上に特定の近赤外域の光を選
択的に透過する干渉フィルタ層を部分的に形成し、次い
で保護層および干渉フィルタ層上に低反射層を全面的に
形成するように構成した。
【0017】また、上記の発明において、低反射層の上
に防汚層を形成するように構成してもよい。
【0018】また、上記の発明において、加飾シート
が、全面的な保護層と、干渉フィルタ層が形成される箇
所と透明窓となる箇所とを除くパターンの部分的な図柄
層と、全面的な接着層とが少なくとも基体シート上に形
成されたものであるように構成してもよい。
【0019】また、上記の発明において、加飾シート
が、赤外線透過窓となる箇所に部分的な赤外線透過層が
基体シート上に少なくとも形成されたものであるように
構成してもよい。
【0020】また、この発明の加飾シートは、赤外線透
過窓となる箇所に凹部形成層が形成された基体シート上
に、全面的な保護層が少なくとも形成されるように構成
した。
【0021】また、赤外線透過窓となる箇所に凹部形成
層が形成された基体シート上に、全面的な保護層と、赤
外線透過窓および透明窓となる箇所を除くパターンの部
分的な図柄層と、全面的な接着層とが少なくとも形成さ
れるように構成した。
【0022】また、赤外線透過窓となる箇所に凹部形成
層が形成された基体シート上に、全面的な保護層と、赤
外線透過窓および透明窓となる箇所を除くパターンの部
分的な図柄層と、赤外線透過窓となる箇所のパターンの
部分的な赤外線透過層と、全面的な接着層とが少なくと
も形成されるように構成した。
【0023】
【発明の実施の形態】図面を参照しながらこの発明の実
施の形態について詳しく説明する。
【0024】図1〜2は、この発明の反射防止成形品の
一実施例を示す断面図である。図3〜7は、この発明の
反射防止成形品の製造方法に用いる加飾シートの一実施
例を示す断面図である。図8〜10は、この発明の反射
防止成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。図
中、1は透明基板、2は接着層、3は図柄層、4は赤外
線透過層、5は保護層、6は干渉フィルタ層、7は凹部
形成層、8は低反射層、9は防汚層、10は基体シー
ト、11は反射防止成形品、12は加飾シート、13は
金型、14は凸部である。
【0025】この発明の反射防止成形品11は、透明基
板1の片面に、赤外線透過窓となる箇所に凹部を有する
全面的な保護層5と、保護層5の凹部上に位置する特定
の近赤外域の光を選択的に透過する部分的な干渉フィル
タ層6と、保護層5および干渉フィルタ層6上に全面的
な低反射層8とが少なくとも形成されたものである(図
1参照)。
【0026】保護層5などを透明基板1の上に設けるに
は、加飾シート12を利用した成形同時加飾法を利用す
るのが好ましい。成形同時加飾法には、加飾シート12
として転写材を用いた成形同時転写法や、加飾シート1
2としてインサート材を用いたインサート法がある。
【0027】成形同時転写法とは、基体シート10上に
保護層5などからなる転写層を形成した転写材を金型1
3内に挟み込み、金型13内に溶融樹脂を射出し、冷却
して樹脂成形品を得るのと同時に成形品表面に転写材を
接着した後、基体シート10を剥離して、樹脂成形品表
面に転写層を転移して装飾を行う方法である。
【0028】インサート法とは、基体シート10上に保
護層5などが形成されたインサート材を金型13内に挟
み込み、金型13内に溶融樹脂を射出し、冷却して樹脂
成形品を得るのと同時に成形品表面にインサート材を接
着して装飾を行う方法である。
【0029】まず、転写材を利用する成形同時転写法に
ついて説明する。
【0030】転写材は、基体シート10上に、保護層5
などからなる転写層を設けたものである(図3〜4参
照)。転写層としては、反射防止成形品11の透明基板
1の上に形成するすべての層を組み込むのではなく、成
形同時転写法によって形成するのが好適な層のみを転写
層とし、その他の層は別途形成するのが好ましい。特
に、保護層5、図柄層3、赤外線透過層4は成形同時転
写法によって形成するのに適している。
【0031】基体シート10の材質としては、ポリプロ
ピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂などの樹脂シートなど、通常の転写材の基体
シートとして用いるものを使用することができる。
【0032】基体シート10の赤外線透過窓となる箇所
に、基体シート10とともに剥離して除去する凹部形成
層7を形成する(図3、8参照)。凹部形成層7として
は、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂、ウレタン系樹
脂やエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂、メチルメタア
クリレートなどの紫外線または電子線硬化性樹脂、シリ
コーン系樹脂などを用いることができる。凹部形成層7
の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷
法などの印刷法などがある。なお、後の成形工程におい
て、金型13としてキャビティ面に凸部14を設けたも
のを用いる場合は、凹部形成層7は不要となる(図4参
照)。
【0033】基体シート10からの転写層の剥離性がよ
い場合には、基体シート10上に転写層を直接設ければ
よい。基体シート10からの転写層の剥離性を改善する
ためには、基体シート10上に転写層を設ける前に、離
型層を全面的に形成してもよい。
【0034】保護層5は、基体シート10および凹部形
成層7上に全面的に形成する。保護層5は、成形同時転
写後に基体シート10および凹部形成層7を剥離した際
に、基体シート10および凹部形成層7から剥離して被
転写物の最外面となり、反射防止成形品11の表面強度
を高める層となる。保護層5としては、紫外線硬化性樹
脂や電子線硬化性樹脂を用いるとよい。保護層5の形成
方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コ
ンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリ
ーン印刷法などの印刷法がある。
【0035】また、必要に応じて図柄層3を形成しても
よい。図柄層3は、反射防止成形品11を装飾するため
の層である。図柄層3は、保護層5の上に形成する。図
柄層3は、通常は印刷層として形成する。印刷層の材質
としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタ
ン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂な
どの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料
を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印
刷層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア
印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用
いるとよい。印刷層は、赤外線透過窓となる箇所と透明
窓となる箇所とを除くパターンで、枠形状や文字形状と
なるように部分的に設けるのが通常である。
【0036】また、図柄層3は、金属薄膜層からなるも
の、あるいは印刷層と金属薄膜層との組み合わせからな
るものでもよい。金属薄膜層は、図柄層3として金属光
沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成
する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、
ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウ
ム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合
金または化合物を使用する。金属薄膜層は、通常は、部
分的に形成する。また、金属薄膜層を設ける際に、他の
層との密着性を向上させるために、前アンカー層や後ア
ンカー層を設けてもよい。
【0037】また、必要に応じて赤外線透過層4を設け
てもよい。赤外線透過層4は、可視域の光をカットし近
赤外域の波長の光を包括的に透過させるための層であ
る。赤外線透過層4を形成するには、可視光を透過せず
赤外線の透過性に優れた黒色の染料などを、アクリル樹
脂やアクリルビニル樹脂などのバインダー中に混入した
インキを用い、印刷法により形成する方法などを用いる
ことができる。赤外線透過層4を形成することにより、
干渉フィルタ層6を形成した赤外線透過窓部分を黒色な
どにすることができる。
【0038】また、透明基板1の上に上記の各層を接着
するために接着層2を形成するとよい。接着層2として
は、透明基板1の素材に適した感熱性あるいは感圧性の
樹脂を適宜使用する。
【0039】たとえば、透明基板1の材質がアクリル系
樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、透
明基板1の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレ
ン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系ブ
レンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアク
リル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂な
どを使用すればよい。さらに、透明基板1の材質がポリ
プロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、
塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、
クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層2の形
成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、
コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スク
リーン印刷法などの印刷法がある。
【0040】転写層の構成は、上記した態様に限定され
るものではなく、たとえば、図柄層3の材質として透明
基板1との接着性に優れたものを使用する場合には、接
着層2を省略することができる。
【0041】次に、前記した転写材を用い、射出成形に
よる成形同時転写法を利用して被転写物である樹脂成形
品の面に装飾を行う方法について説明する。
【0042】成形用金型13としては、射出成形に用い
られるものを利用する(図9参照)。転写材として凹部
形成層7を有さないものを用いる場合は(図4参照)、
キャビティ面の赤外線透過窓となる箇所に凸部14を有
するものを使用する(図10参照)。
【0043】まず、成形用金型13内に加飾シート12
である転写材を送り込む(図9〜10参照)。その際、
枚葉の転写材を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の転
写材の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の転
写材を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を
使用して、転写材の図柄層3と成形用金型13との見当
が一致するようにするとよい。また、転写材を間欠的に
送り込む際に、転写材の位置をセンサーで検出した後に
転写材を可動型と固定型とで固定するようにすれば、常
に同じ位置で転写材を固定することができ、図柄層3の
位置ずれが生じないので便利である。
【0044】成形用金型13を閉じた後、ゲートから溶
融樹脂を金型13内に射出充満させ、被転写物を形成す
るのと同時にその面に転写材を接着させる。
【0045】透明基板1に用いることができる樹脂とし
ては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、A
BS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げる
ことができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリス
チレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセター
ル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリ
フェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート
樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニ
アリング樹脂や、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサ
ルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポ
リアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミ
ド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂
などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用することも
できる。
【0046】透明基板1の形状は、平板状のものであっ
ても、二次元あるいは三次元の曲面を有するものであっ
てもよい。
【0047】被転写物である樹脂成形品を冷却した後、
成形用金型13を開いて樹脂成形品を取り出す。最後
に、転写材の基体シート10を剥離する。このようにし
て、転写層のみを成形品に転移するとともに、保護層5
の赤外線透過窓となる箇所に凹部を形成することができ
る。すなわち、転写材として凹部形成層7を有するもの
を用いた場合は(図3参照)、基体シート10とともに
凹部形成層7が除去され、凹部形成層7の大きさの凹部
が保護層5表面に形成される(図8参照)。また、金型
13のキャビティ面に凸部14が形成されたものを用い
た場合は(図10参照)、キャビティ面の凸部14形状
が成形品表面に写し取られ、キャビティ面の凸部14形
状の大きさの凹部が保護層5表面に形成される。
【0048】次に、インサート材を利用したインサート
法について説明する。
【0049】インサート材を得るには、次のような方法
で行うとよい。
【0050】インサート材は、基体シート10上に保護
層5などを設けたものである(図5〜7参照)。基体シ
ート10としては、転写材の場合と同様のものを用いる
とよい。保護層5は、赤外線透過窓となる箇所以外に位
置するように部分的に形成し、赤外線透過窓となる箇所
に凹部が形成されるようにする(図5〜6参照)。な
お、後の成形工程において、金型13としてキャビティ
面に凸部14を設けたものを用いる場合は、保護層5を
全面的に形成する(図7参照)。保護層5は、転写材の
場合と同様にして形成することができる。また、図柄層
3、赤外線透過層4、接着層2は、転写材の場合と同様
に必要に応じて形成するとよい。
【0051】なお、インサート法の場合は基体シート1
0を剥離除去しないので、凹部形成層7を用いることは
できない。また、基体シート10の一方の面に保護層5
を形成し、他方の面に図柄層3、赤外線透過層4、接着
層2を形成したり(図6参照)、一方の面に保護層5、
図柄層3、赤外線透過層4を形成し、他方の面に接着層
2を形成したりすることができる(図7参照)。
【0052】また、インサート法によって透明基板1の
上に形成するすべての層を形成するのではなく、インサ
ート法によって形成するのが好適な層のみを成形同時転
写法によって形成し、その他の層は別途形成するのが好
ましい。
【0053】次に、インサート材の使用方法について説
明する。
【0054】成形用金型13としては、射出成形に用い
られるものを利用する(図9参照)。インサート材とし
て保護層5が全面的に形成されたものを用いる場合は
(図7参照)、キャビティ面の赤外線透過窓となる箇所
に凸部14を有するものを使用する(図10参照)。
【0055】まず、加飾シート12であるインサート材
を、インサート材送り装置などを使用して、成形用金型
13の間に配置しクランプなどの手段で固定する。成形
形状が深絞りである場合、熱源によりインサート材を加
熱軟化させるとともに真空吸引してキャビティ面に密着
させてもよい。次いで型締めし、ゲートから溶融樹脂を
射出する。型開きすれば、インサート材と成形樹脂とが
一体化した成形品を得ることができる。
【0056】また、次のようにしてインサート成形をす
ることができる。まず、インサート材を、深絞りのため
の凹部を有する予備成形型にクランプなどの手段で固定
し、次に、熱源によりインサート材を加熱軟化させると
ともに予備成形型側から真空吸引して予備成形型の表面
に密着させる。次いで真空吸引を解除し、予備成形型か
らインサート材を取り出す。このようにして、深絞り加
工したインサート材を得ることができる。次いで、予備
成形したインサート材を、成形用金型13の間に配置
し、クランプなどの手段で固定する。次に、型締めしゲ
ートから溶融樹脂を射出し、型開きすれば、インサート
材と成形樹脂とを一体化することができる。
【0057】このようにして、インサート材と成形樹脂
とを一体化するとともに、保護層5の赤外線透過窓とな
る箇所に凹部を形成することができる。すなわち、イン
サート材として保護層5が赤外線透過窓となる箇所以外
に形成されたものを用いた場合は(図5〜6参照)、保
護層5が形成されなかった部分の大きさの凹部が形成さ
れる。また、金型13のキャビティ面に凸部14が形成
されたものを用いた場合は(図10参照)、キャビティ
面の凸部14形状が成形品表面に写し取られ、キャビテ
ィ面の凸部14形状の大きさの凹部が保護層5表面に形
成される。
【0058】次いで、干渉フィルタ層6を赤外線透過窓
となる箇所に部分的に形成する。干渉フィルタ層6は、
特定の近赤外域の光を選択的に透過する層である。特定
の近赤外域の光を選択的に透過させるために、10〜4
0層程度積層された多層の干渉フィルタ層6を用いると
よい。多層の干渉フィルタ層6としては、金属膜系、誘
電体多層膜系、あるいはこれらの組み合わせにより形成
されるZnS、ZrO 、TiOなどの高屈折率物質
のλ/4層(H)と、NaAlF、MgF 、Si
などの低屈折率物質のλ/4層(L)とを組み合わ
せるとよい。たとえば、[(0.5L)H(0.5
L)]、[HL]H、[HL]、(0.5H)
(LH)(0.5H)などのように周期的多層膜の性
質を利用して構成することができる。干渉フィルタ層6
は、この発明では、800〜1100nmの光の波長領
域において使用される波長域のみ透過し、その前後の波
長をカットすることを目的とする。
【0059】このような多層の干渉フィルタ層6の製造
方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法などがある。あるいは金属アルコラー
ト、金属キレートなどの有機金属化合物を浸積法あるい
は印刷法、コーティング法などにより透明基板1上に塗
布し、その後、光照射あるいは乾燥により金属酸化物皮
膜を形成して得る方法もある。干渉フィルタ層6を部分
的に形成するには、治具などを用い凹部のみが露出する
ようなマスキングをして実施すればよい。
【0060】干渉フィルタ層6は、通常0.1〜2.0
μm程度の厚さとなる。したがって、干渉フィルタ層6
が反射防止成形品11の表面に凸部14として形成され
ないようにするために、0.1〜2.0μm程度の凹部
を形成すればよい。このように、反射防止成形品11の
表面に干渉フィルタ層6が凸部14として形成されない
ようにすることにより、干渉フィルタ層6が剥がれ落ち
るおそれがなくなる。
【0061】次いで、低反射層8を全面的に形成する。
低反射層8は、透明基板1の反射を防止するための層で
ある。また、透明窓部分および赤外線透過窓部分の双方
に反射防止効果を付与するものである。
【0062】低反射層8に用いる低屈折率物質として
は、フッ化マグネシウム、酸化ケイ素などの金属酸化物
を用いることができる。また、シリカあるいはオルガノ
ポリシロキサンの少なくとも1種を含む有機金属化合物
を用いることもできる。また、これらの有機金属化合物
の多孔体を用いることもできる。また、フッ素系合成樹
脂などの有機化合物を用いることも可能である。
【0063】低反射層8の構成としては、微細孔を有す
る酸化ケイ素あるいは酸化アルミウムを、酸化ケイ素に
分散し単層として使用したり、フッ化マグネシウムを単
層として用いるほか、酸化チタン層/酸化ケイ素層の2
層構成の低反射層8として使用したり、あるいは酸化チ
タン層/酸化ケイ素層/酸化チタン層/酸化ケイ素層の
ように4層構成の低反射層8など多重干渉を利用した多
層構成の低反射層8としてもよい。
【0064】低反射層8の製造方法としては、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが
ある。あるいは金属アルコラート、金属キレートなどの
有機金属化合物を浸積法あるいは印刷法、コーティング
法などにより透明基板1上に塗布し、その後、光照射あ
るいは乾燥により金属酸化物皮膜を形成して低反射層8
を得る方法もある。
【0065】低反射層8の厚さは、0.01〜2μmの
範囲で適宜選択するとよい。低反射層8の膜厚は、一般
式n×d=λ/4または一般式n×d=3λ/4(ただ
し、nは低屈折率物質の屈折率、dは低屈折率物質の膜
厚、λは低反射中心波長をそれぞれ示す)を満たすよう
に適宜選択するとよい。
【0066】また、必要に応じて防汚層9を設けてもよ
い。防汚層9は、反射防止成形品11の汚染を防ぐため
に低反射層8の上に設けられる層であって、撥水性およ
び撥油性を有する素材からなる層である。防汚層9とし
ては、末端基にフッ素を有する界面活性剤などを用いる
とよい。防汚層9を設けるには、コーティング法、浸漬
法、真空蒸着法などによるとよい。防汚層9の膜厚は、
できる限り薄い方が好ましい。防汚層9の厚さが大きい
と反射防止成形品11の光透過率が低くなるからであ
る。
【0067】このように反射防止成形品11の赤外線透
過窓部分において低反射層8と干渉フィルタ層6とが重
複するように形成されていることにより、特定の近赤外
域のみが透過することとなり、確実な赤外線通信を行う
ことができるものとなる。また、近赤外域の光の反射が
低減し、赤外線透過窓部分の近赤外域の光透過率が向上
するので、確実な赤外線通信を行うことができるものと
なる。また、反射防止成形品11の透明窓部分において
も低反射層8が形成されることにより、反射防止効果に
よって視認性が優れたものとなる。
【0068】
【実施例】(実施例1) ポリエステルフィルムを基体
シートとし、その上に赤外線透過窓となる箇所にシリコ
ーン系樹脂からなる凹部形成層をグラビア印刷法によっ
て形成した後コロナ放電処理を実施し、次いで紫外線硬
化性樹脂からなる全面的な保護層をグラビア印刷法によ
って形成し、次いで携帯電話機の透明窓部分と赤外線透
過窓部分とを除く箇所にアクリルビニル系樹脂からなる
部分的な青色の図柄層をグラビア印刷法によって形成
し、次いで赤外線透過窓部分に赤外線透過染料を含有す
るアクリルビニル系樹脂からなる黒色の赤外線透過層を
グラビア印刷法によって形成し、次いでアクリル系樹脂
からなる全面的な接着層をグラビア印刷法で形成して転
写材を得た。
【0069】次いで、携帯電話機用カバー部品を作成す
る射出成形用金型の間に転写材をセットし、型締め後、
アクリロニトリルスチレン樹脂を射出し、冷却固化後、
型開きして成形品を取り出し、転写材の基体シートを剥
離して凹部形成層とともに除去した。形成された凹部の
深度は0.5μmであった。
【0070】次いで、850nmが中心波長となるよう
高屈折率物質および低屈折率物質を蒸着法により積層
し、干渉フィルタ層を保護層の凹部に形成した。干渉フ
ィルタ層の総膜厚は0.5μmとなるようにした。
【0071】次いで、EB蒸着法により、SiO/Z
rO+TiO/SiO/ZrO/SiOの5
層からなる低反射層を成形品の両面に全面的に形成し
た。低反射層の厚さは0.25μmであった。
【0072】次いで、成形品の表面側の低反射層の上
に、フッ素系のシラン化合物を蒸着して防汚層を形成し
た。
【0073】このようにして得た携帯電話機用カバー部
品は、800〜900nmの赤外線の優れた透過性を有
する赤外線透過窓部分と、優れた視認性を有する透明窓
部分とを一体的に備えるものであった。
【0074】(実施例2) 凹部形成層を有さない以外
は実施例1と同様にして転写材を得た。
【0075】また、金型として、実施例1で用いた射出
成形用金型の赤外線透過窓となる箇所のキャビティ面に
高さ0.6μmの大きさの凸部を形成したものを用い
た。
【0076】射出成形用金型の間に転写材をセットし、
型締め後、アクリロニトリルスチレン樹脂を射出し、冷
却固化後、型開きして成形品を取り出し、転写材の基体
シートを剥離した。
【0077】次いで、実施例1と同様にして、干渉フィ
ルタ層、低反射層、防汚層をそれぞれ形成した。
【0078】このようにして得た携帯電話機用カバー部
品は、800〜900nmの赤外線の優れた透過性を有
する赤外線透過窓部分と、優れた視認性を有する透明窓
部分とを一体的に備えるものであった。
【0079】
【発明の効果】この発明は、以上のような構成を採るの
で、以下のような効果を奏する。
【0080】この発明の反射防止成形品は、透明基板の
片面に、赤外線透過窓となる箇所に凹部を有する全面的
な保護層と、保護層の凹部上に位置する特定の近赤外域
の光を選択的に透過する部分的な干渉フィルタ層と、保
護層および干渉フィルタ層上に全面的な低反射層とが少
なくとも形成されたものであるので、特定の波長の赤外
線に対して選択的に透過作用を有する赤外線透過窓部分
と優れた視認性を有する透明窓部分とを一体的に備える
ものである。
【0081】また、この発明の反射防止成形品の製造方
法は、赤外線透過窓となる箇所に凹部形成層が形成され
た基体シート上に少なくとも保護層が形成された加飾シ
ートを基体シートがキャビティ面に接するように金型内
に設置し、金型内に透明な溶融樹脂を射出して加飾シー
トと樹脂からなる透明基板との一体化物を得、次いで基
体シートと凹部形成層を剥離して保護層の赤外線透過窓
となる箇所に凹部を形成し、次いで保護層の凹部上に特
定の近赤外域の光を選択的に透過する干渉フィルタ層を
部分的に形成し、次いで保護層および干渉フィルタ層上
に低反射層を全面的に形成するので、特定の波長の赤外
線に対して選択的に透過作用を有する赤外線透過窓部分
と優れた視認性を有する透明窓部分とを一体的に備える
反射防止成形品を容易に得ることができる。
【0082】また、この発明の加飾シートは、赤外線透
過窓となる箇所に凹部形成層が形成された基体シート上
に、全面的な保護層が少なくとも形成されたものである
ので、特定の波長の赤外線に対して選択的に透過作用を
有する赤外線透過窓部分と優れた視認性を有する透明窓
部分とを一体的に備える反射防止成形品を得るために有
用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の反射防止成形品の一実施例を示す断
面図である。
【図2】この発明の反射防止成形品の一実施例を示す断
面図である。
【図3】この発明の反射防止成形品の製造方法に用いる
加飾シートの一実施例を示す断面図である。
【図4】この発明の反射防止成形品の製造方法に用いる
加飾シートの一実施例を示す断面図である。
【図5】この発明の反射防止成形品の製造方法に用いる
加飾シートの一実施例を示す断面図である。
【図6】この発明の反射防止成形品の製造方法に用いる
加飾シートの一実施例を示す断面図である。
【図7】この発明の反射防止成形品の製造方法に用いる
加飾シートの一実施例を示す断面図である。
【図8】この発明の反射防止成形品の製造方法の一工程
を示す断面図である。
【図9】この発明の反射防止成形品の製造方法の一工程
を示す断面図である。
【図10】この発明の反射防止成形品の製造方法の一工
程を示す断面図である。
【図11】反射防止成形品の従来例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 透明基板 2 接着層 3 図柄層 4 赤外線透過層 5 保護層 6 干渉フィルタ層 7 凹部形成層 8 低反射層 9 防汚層 10 基体シート 11 反射防止成形品 12 加飾シート 13 金型 14 凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 11:00 11:00 G02B 1/10 A Fターム(参考) 2H048 GA03 GA04 GA12 GA18 GA34 GA60 GA61 2K009 AA04 AA05 AA07 AA08 BB24 CC03 CC06 CC09 CC26 CC42 DD02 DD03 DD04 4F100 AA20 AA21 AA27 AH06 AK01 AK12 AK25 AK27 AK41 AK52 AT00B BA04 BA05 BA10A BA10D BA10E CB00 DD01B EC04 EH112 EH312 EH362 EH66 EJ312 EJ912 GB32 GB41 HB00C JB14 JD10C JL06E JN01A JN06D JN08C JN18 4F206 AA44 AD08 AD10 AE10 AG03 AH73 JA07 JB12 JB13 JW41

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の片面に、赤外線透過窓となる
    箇所に凹部を有する全面的な保護層と、保護層の凹部上
    に位置する特定の近赤外域の光を選択的に透過する部分
    的な干渉フィルタ層と、保護層および干渉フィルタ層上
    に全面的な低反射層とが少なくとも形成されたことを特
    徴とする反射防止成形品。
  2. 【請求項2】 透明基板の片面に、赤外線透過窓となる
    箇所以外に位置する部分的な保護層と、赤外線透過窓と
    なる箇所に位置する特定の近赤外域の光を選択的に透過
    する部分的な干渉フィルタ層と、保護層および干渉フィ
    ルタ層上に全面的な低反射層とが少なくとも形成された
    ことを特徴とする反射防止成形品。
  3. 【請求項3】 低反射層の上に防汚層が形成されたもの
    である請求項1〜2のいずれかに記載の反射防止成形
    品。
  4. 【請求項4】 赤外線透過窓となる箇所と透明窓となる
    箇所とを除くパターンの部分的な図柄層が形成されたも
    のである請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止成形
    品。
  5. 【請求項5】 赤外線透過窓となる箇所に部分的な赤外
    線透過層が形成されたものである請求項1〜4のいずれ
    かに記載の反射防止成形品。
  6. 【請求項6】 赤外線透過窓となる箇所に凹部形成層が
    形成された基体シート上に少なくとも保護層が形成され
    た加飾シートを基体シートがキャビティ面に接するよう
    に金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂を射出して
    加飾シートと樹脂からなる透明基板との一体化物を得、
    次いで基体シートと凹部形成層を剥離して保護層の赤外
    線透過窓となる箇所に凹部を形成し、次いで保護層の凹
    部上に特定の近赤外域の光を選択的に透過する干渉フィ
    ルタ層を部分的に形成し、次いで保護層および干渉フィ
    ルタ層上に低反射層を全面的に形成することを特徴とす
    る反射防止成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 キャビティ面の赤外線透過窓となる箇所
    に凸部が形成された金型内に、基体シート上に少なくと
    も保護層が形成された加飾シートを基体シートがキャビ
    ティ面に接するように設置し、金型内に透明な溶融樹脂
    を射出して加飾シートと樹脂からなる透明基板との一体
    化物を得、次いで基体シートを剥離して保護層の赤外線
    透過窓となる箇所に凹部を形成し、次いで保護層の凹部
    上に特定の近赤外域の光を選択的に透過する干渉フィル
    タ層を部分的に形成し、次いで保護層および干渉フィル
    タ層上に低反射層を全面的に形成することを特徴とする
    反射防止成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 赤外線透過窓となる箇所以外に位置する
    部分的な保護層が形成された加飾シートを保護層がキャ
    ビティ面に接するように金型内に設置し、金型内に透明
    な溶融樹脂を射出して加飾シートと樹脂からなる透明基
    板との一体化物を得、次いで赤外線透過窓となる箇所に
    特定の近赤外域の光を選択的に透過する干渉フィルタ層
    を部分的に形成し、次いで保護層および干渉フィルタ層
    上に低反射層を全面的に形成することを特徴とする反射
    防止成形品の製造方法。
  9. 【請求項9】 キャビティ面の赤外線透過窓となる箇所
    に凸部が形成された金型内に、基体シート上に少なくと
    も保護層が形成された加飾シートを保護層がキャビティ
    面に接するように設置し、金型内に透明な溶融樹脂を射
    出して加飾シートと樹脂からなる透明基板との一体化物
    を得て保護層の赤外線透過窓となる箇所に凹部を形成
    し、次いで保護層の凹部上に特定の近赤外域の光を選択
    的に透過する干渉フィルタ層を部分的に形成し、次いで
    保護層および干渉フィルタ層上に低反射層を全面的に形
    成することを特徴とする反射防止成形品の製造方法。
  10. 【請求項10】 低反射層の上に防汚層を形成する請求
    項6〜9のいずれかに記載の反射防止成形品の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 加飾シートが、全面的な保護層と、干
    渉フィルタ層が形成される箇所と透明窓となる箇所とを
    除くパターンの部分的な図柄層と、全面的な接着層とが
    少なくとも基体シート上に形成されたものである請求項
    6〜10のいずれかに記載の反射防止成形品の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 加飾シートが、赤外線透過窓となる箇
    所に部分的な赤外線透過層が基体シート上に少なくとも
    形成されたものである請求項6〜11のいずれかに記載
    の反射防止成形品の製造方法。
  13. 【請求項13】 赤外線透過窓となる箇所に凹部形成層
    が形成された基体シート上に、全面的な保護層が少なく
    とも形成されたことを特徴とする加飾シート。
  14. 【請求項14】 赤外線透過窓となる箇所に凹部形成層
    が形成された基体シート上に、全面的な保護層と、赤外
    線透過窓および透明窓となる箇所を除くパターンの部分
    的な図柄層と、全面的な接着層とが少なくとも形成され
    たことを特徴とする加飾シート。
  15. 【請求項15】 赤外線透過窓となる箇所に凹部形成層
    が形成された基体シート上に、全面的な保護層と、赤外
    線透過窓および透明窓となる箇所を除くパターンの部分
    的な図柄層と、赤外線透過窓となる箇所のパターンの部
    分的な赤外線透過層と、全面的な接着層とが少なくとも
    形成されたことを特徴とする加飾シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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