JP2003227911A - 鏡部材用加飾シート、鏡部材とその製造方法 - Google Patents

鏡部材用加飾シート、鏡部材とその製造方法

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JP2003227911A
JP2003227911A JP2002028511A JP2002028511A JP2003227911A JP 2003227911 A JP2003227911 A JP 2003227911A JP 2002028511 A JP2002028511 A JP 2002028511A JP 2002028511 A JP2002028511 A JP 2002028511A JP 2003227911 A JP2003227911 A JP 2003227911A
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Hiroyasu Shigeta
裕康 重田
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Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鏡面内表示用パターンを有する加飾層の鏡面
への密着性に優れ、製造時に鏡面にクラックが発生する
ことなく、しかも生産効率に優れた鏡部材を提供するこ
とができる鏡部材用加飾シート、鏡部材とその製造方法
を提供する。 【解決手段】 透明基体シート上に金属蒸着層が設けら
れ、上記透明基体シートと上記金属蒸着層との間に鏡面
内表示用パターンを有する加飾層が設けられることによ
って上記加飾層で覆われていない部分を自己撮影用の鏡
面領域とし、且つ上記金属蒸着層より透明基体シート側
の構成の可視光線透過率が上記加飾層の設けられていな
い部分において85〜100%である鏡部材用加飾シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルカメラ搭
載携帯電話機等に用いられる自己撮影用の鏡部材用加飾
シート、鏡部材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯電話機19等に搭載または外
付けされるデジタルカメラによって自分を撮影する時の
ために、デジタルカメラのレンズ20の横等に自己撮影
用の鏡が設けられている(図6参照)。この自己撮影用
の鏡を有する鏡部材は、これまで樹脂成形品5表面にメ
ッキ処理を施し、更にメッキ層16表面の擦り傷防止の
ためにオーバーコート処理を施して製造されていた(図
7参照)。
【0003】ところで、上記鏡部材の鏡面の縁(図6参
照)は、携帯電話機19の筐体やデジタルカメラのレン
ズ20とのデザイン上の関係から、実際に撮影される像
の縁と一致していないことが多く、自己撮影時に鏡面に
映った自己像のうちどの範囲までが撮影されるのか、そ
の撮影範囲の中心はどこであるのかが判りにくいため、
撮影範囲枠14や中心目安指標15等の鏡面内表示部1
3を鏡部材に形成したいとの要望がある(図8参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、鏡面内表示部
13を鏡部材に形成する場合、前記構造の鏡部材では鏡
面がメッキ層16により構成されているため、鏡面内表
示用パターンを有する加飾層を鏡部材に印刷した場合、
該加飾層とメッキ層16との密着性が悪いという問題が
ある。
【0005】また、鏡部材の鏡面は自己像が納まる広い
範囲を映しだすことができるという理由で凸曲面を有し
ているため、鏡面内表示用パターンを有する加飾層の印
刷手段としてタンポ印刷を用いることが考えられる。し
かし、タンポ印刷では、弾性体17に設けた鏡面内表示
用パターンを有する加飾層4をメッキ層16表面に沿う
ように強く押圧することにより転移させるため(図9参
照)、メッキ層16にクラックが入る恐れもある。
【0006】さらに、鏡面内表示用パターンを有する加
飾層は、インキ層であるため強度が低く、前記したメッ
キ層16表面の擦り傷防止および加飾層4保護の目的で
オーバーコート処理が必要となる(図10参照)が、オ
ーバーコート層18の形成時に空気中のゴミが付着する
(ゴミ噛み)等による不具合も多く、生産効率は非常に
悪いものであった。
【0007】したがって、本発明は、鏡面内表示用パタ
ーンを有する加飾層の鏡面への密着性に優れ、製造時に
鏡面にクラックが発生することなく、しかも生産効率に
優れた鏡部材を提供することができる鏡部材用加飾シー
ト、鏡部材とその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明の鏡部材用加飾シートは、透明基体シート
上に金属蒸着層が設けられ、上記透明基体シートと上記
金属蒸着層との間に鏡面内表示用パターンを有する加飾
層が設けられることによって上記加飾層で覆われていな
い部分を自己撮影用の鏡面領域とし、且つ上記金属蒸着
層より透明基体シート側の構成の可視光線透過率が上記
加飾層の設けられていない部分において85〜100%
であるように構成した。
【0009】また、本発明の鏡部材用加飾シートは、透
明基体シート上に自己撮影用の鏡面領域を呈し且つ鏡面
内表示用抜きパターンを有する金属蒸着層が設けられ、
上記鏡面内表示用抜きパターンを覆うように加飾層が積
層されており、且つ上記金属蒸着層より透明基体シート
側の構成の可視光線透過率が85〜100%であるよう
に構成した。
【0010】また、上記各構成において、上記透明基体
シートと上記金属蒸着層との間に透明着色層が上記自己
撮影用の鏡面領域を覆うように設けられているようにし
た。
【0011】また、上記各構成において、上記透明基体
シートの金属蒸着層及び加飾層を積層した面とは反対側
の面に表面保護層が設けられているようにした。
【0012】また、本発明の鏡部材は、上記のいずれか
に記載の鏡部材用加飾シートが、透明基体シートの金属
蒸着層及び加飾層が積層された面を内側として樹脂成形
品の凸曲面と一体化してなるように構成した。
【0013】また、本発明の鏡部材の製造方法は、上記
のいずれかに記載の鏡部材用加飾シートを予備成形をす
る前又は予備成形した後に射出成形金型内に配置し、そ
の後型閉めによって予備成形された鏡部材用加飾シート
の金属蒸着層及び加飾層が積層された面側にキャビティ
を形成し、キャビティ内に溶融樹脂を射出充填すること
により樹脂成形品の成形と同時に樹脂成形品の凸曲面に
鏡部材用加飾シートを一体化させて鏡部材を得るように
構成した。
【0014】
【発明の実施の形態】図面を参照しながら本発明の実施
の形態について詳しく説明する。図1〜4は本発明に係
る鏡部材の一実施例を示す断面図、図5は本発明に係る
鏡部材の製造工程の一実施例を示す断面図、図8は鏡部
材への鏡面内表示の形成例を示す平面図である。図中、
1は鏡部材用加飾シート、2は透明基体シート、3は金
属蒸着層、4は加飾層、5は樹脂成形品、6は鏡部材、
7は透明着色層、8は表面保護層、9は金型、10はキ
ャビティ、11は射出口、12は溶融樹脂、13は鏡面
内表示部、14は撮影範囲枠、15は中心目安指標をそ
れぞれ示す。
【0015】図1に示す鏡部材は、透明基体シート2上
に金属蒸着層3が設けられ、上記透明基体シート2と上
記金属蒸着層3との間に鏡面内表示用パターンを有する
加飾層4が設けられることによって上記加飾層4で覆わ
れていない部分を自己撮影用の鏡面領域とした鏡部材用
加飾シート1が、透明基体シート2の金属蒸着層3及び
加飾層4が積層された面を内側として樹脂成形品の凸曲
面と一体化してなるものである。
【0016】上記透明基体シート2は、金属蒸着層3及
び加飾層4を支持するとともにこれらを保護するもので
ある。透明基体シート2としては、ポリプロピレン系樹
脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリア
クリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂、ウレタン系樹脂、PC/PETアロイなどの
透明樹脂シートを使用することができる。透明基体シー
ト2の厚みは、25〜250μmの範囲であればよい。
厚みが25μm未満の場合、後工程におけるハンドリン
グが悪くなる。また、厚みが250μmを超える場合、
後加工における変形が不十分となり、樹脂成形品の形状
に沿わせることが困難になる。
【0017】上記鏡面内表示用パターンを有する加飾層
4は、撮影範囲枠14や中心目安指標15等の鏡面内表
示部13を形成するためのものである。撮影範囲枠14
を形成することによって、鏡部材6の鏡面の縁が実際に
撮影される像の縁と一致していなくても、自己撮影時に
鏡面に映った自己像のうちどの範囲までが撮影されるの
かを撮影者が確認することができる(図8参照)。ま
た、中心目安指標15を形成することによって、その撮
影範囲の中心はどこであるのかを撮影者が確認すること
ができる。上記加飾層4の材質としては、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルア
セタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロ
ースエステル系樹脂、アルキド系樹脂などの樹脂をバイ
ンダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として
含有する着色インキを用いるとよい。加飾層4の形成方
法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの
通常の印刷法などを用いるとよい。
【0018】また、上記鏡部材用加飾シート1は、上記
金属蒸着層3より透明基体シート2側の構成の可視光線
透過率、すなわち波長範囲400〜850nmにおける
光線透過率が上記加飾層4の設けられていない部分にお
いて85〜100%であるようにする。上記可視光線透
過率が、85%未満の場合、金属光沢が損なわれ、自己
像を映すことが難しくなる。
【0019】また、上記金属蒸着層3は、自己撮影時に
鏡面として自己像を映すためのものであり、真空蒸着
法、スパッターリング法、イオンプレーティング法など
の蒸着方法で形成する。この場合、使用したい金属光沢
色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロ
ム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、
亜鉛などの金属、これらの合金又は化合物を使用する。
金属蒸着層3の膜厚は、10〜100nmで形成するの
が好ましい。膜厚が10nm未満の場合、蒸着工程にお
ける膜厚管理が難しく、かつ金属光沢色が黒っぽくなっ
てしまう。また100nmを超える場合、他の層と金属
蒸着層3との密着性が著しく弱くなり、一体化された加
飾部材の層間密着強度が使用に耐えない。
【0020】また、本発明に係る鏡部材用加飾シート1
の構成は、上記した態様に限定されるものではなく、た
とえば、鏡部材用加飾シート1と樹脂成形品との密着性
を向上させるために接着層を設けることができる(図示
せず)。接着層としては、樹脂成形品の材質に適した感
熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、
樹脂成形品の材質がポリアクリル系樹脂の場合はポリア
クリル系樹脂を用いるとよい。また、樹脂成形品の材質
がポリフェニレンオキシド−ポリスチレン系共重合体樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、ポリス
チレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性
のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
アミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、樹脂成形
品の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオ
レフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能であ
る。接着層の形成方法としては、グラビアコート法、ロ
ールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビ
アコート法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。ま
た、接着層に遮光性が必要な場合には、接着層が着色さ
れていてもよい。
【0021】また、鏡部材用加飾シート1は、上記透明
基体シート2と上記金属蒸着層3との間に透明着色層7
が上記自己撮影用の鏡面領域を覆うように設けられてい
てもよい(図2参照)。こうすることにより、携帯電話
機等の筐体色に合わせた色味の鏡面を得ることができ
る。図2に示すように透明着色層7と透明基体シート2
との間に上記鏡面内表示用パターンを有する加飾層4が
配置されてもよいし、透明着色層7と金属蒸着層3との
間に上記鏡面内表示用パターンを有する加飾層4が配置
されてもよい(図示せず)。
【0022】また、鏡部材用加飾シート1は、図3に示
すように、透明基体シート2上に自己撮影用の鏡面領域
を呈し且つ鏡面内表示用抜きパターンを有する金属蒸着
層3が設けられ、上記鏡面内表示用抜きパターンを覆う
ように加飾層4が積層されており、且つ上記金属蒸着層
3より透明基体シート2側の構成の可視光線透過率が8
5〜100%であるように構成してもよい。部分的な金
属蒸着層3を形成する場合の一例としては、金属蒸着層
3を必要としない部分に溶剤可溶性樹脂層を形成した
後、その上に全面的に金属蒸着層3を形成し、溶剤洗浄
を行って溶剤可溶性樹脂層と共に不要な金属蒸着層3を
除去する方法がある。この場合によく用いられる溶剤
は、水又は水溶液である。また、別の一例としては、全
面的に金属蒸着層3を形成し、次に金属蒸着層3を残し
ておきたい部分にレジスト層を形成し、酸又はアルカリ
でエッチングを行い、レジスト層を除去する方法があ
る。また、レーザー光線により金属蒸着層3を所望のパ
ターン形状に除去するレーザーマーキング法もある。
【0023】また、鏡部材用加飾シート1は、所望され
る物性強度に応じて、上記透明基体シート2の金属蒸着
層3及び加飾層4を積層した面とは反対側の面に表面保
護層8を設けるようにしてもよい(図4参照)。表面保
護層8の材質としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹
脂から所望の物性強度が得られるよう適宜選択すると良
い。表面保護層8の厚みは3〜10μmの範囲で形成す
ると良い。 3μm未満の場合、十分な表面強度が確保
出来ず、耐傷つき性が劣る。また、 厚み10μmを超
える場合、後加工の変形時に割れを生じる等外観不良の
原因となる。
【0024】また、金属蒸着層3を設ける際に、他の層
と金属蒸着層3との密着性を向上させるために、前アン
カー層や後アンカー層を設けてもよい(図示せず)。前
アンカー層および後アンカー層の材質としては、2液性
硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系樹
脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、
塩素含有ビニル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、エポキシ
系樹脂、ビニル系共重合体樹脂などを使用するとよい。
前アンカー層および後アンカー層の形成方法としては、
グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法な
どのコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法な
どの印刷法がある。
【0025】次に、前記した鏡部材用加飾シート1を用
い、該鏡部材用加飾シート1が透明基体シート2の金属
蒸着層3及び加飾層4が積層された面を内側として樹脂
成形品の凸曲面と一体化してなる鏡部材6を得る方法に
ついて説明する。
【0026】まず、予備成形をする前又は予備成形した
後に射出成形金型9内に配置する。予備成形は、予備成
形方法として一般的に知られている真空圧空成形法、真
空成形法、水圧成形法、高圧成形法、金型プレス成形法
などにより行うとよい。
【0027】次いで、型閉めによって予備成形された鏡
部材用加飾シート1の金属蒸着層3及び加飾層4が積層
された面側にキャビティ10を形成し、キャビティ10
内に射出口11から溶融樹脂12を射出充填させ(図5
参照)、樹脂成形品の成形と同時に樹脂成形品の凸曲面
に鏡部材用加飾シート1を一体化させる(図1〜4参
照)。鏡部材用加飾シート1と一体化される樹脂成形品
としては、たとえば、ポリカーボネート樹脂、アクリル
樹脂、ABS樹脂などを使用することができる。
【0028】
【実施例】(実施例1) 両面易接着PETからなる厚
み50μmの透明基体シートの一面にアクリルポリオー
ル樹脂を主構成とするインキを用いて表面保護層をリバ
ースコート法にて形成した。また、透明基体シートの他
面にウレタン2液硬化型樹脂中に黒色の顔料を含有した
インキを用いて鏡面内表示用パターンを有する厚み2μ
mの加飾層をスクリーン印刷法にて形成した後、ウレタ
ン2液硬化型樹脂中に青色の顔料を含有した透明ブルー
色インキを用いて厚み3μmの透明着色層をスクリーン
印刷法にて全面に形成し、さらにアルミニウムからなる
厚み20nmの金属蒸着層を真空蒸着法にて全面に形成
し、ウレタン2液硬化型樹脂中にカーボンブラック顔料
を含有してなるインキを用いて厚み3μmの接着層をス
クリーン印刷法にて全面に形成して鏡部材用加飾シート
を得た。この鏡部材用加飾シートは、上記金属蒸着層よ
り透明基体シート側の構成の可視光線透過率が上記加飾
層の設けられていない部分において88%であり、金属
蒸着層による鏡面に自己像を映すことのできるものであ
った。
【0029】これを所望のサイズに断裁した後、プレス
金型に配置、プレス成形により最終製品形状に予備成形
した。次いで、これを樹脂成形品の形状に対応した射出
成形金型内に配置し、型閉めによって予備成形された鏡
部材用加飾シートの金属蒸着層及び加飾層が積層された
面側にキャビティを形成し、キャビティ内に溶融状態の
ABS樹脂を射出充填させ、樹脂成形品の成形と同時に
樹脂成形品の凸曲面に鏡部材用加飾シートを一体化さ
せ、ブルー着色の鏡部材を得た。
【0030】(実施例2) ポリカーボネート樹脂から
なる厚み100μmの透明基体シートの一面にポリエス
テル樹脂を主構成とするインキを用いて表面保護層をリ
バースコート法にて形成した。また、透明基体シートの
他面にアルミニウムからなる厚み30nmの金属蒸着層
を真空蒸着法にて全面に形成し、次いでウレタン2液硬
化型樹脂からなるインキを用いて鏡面内表示用抜きパタ
ーンを有する厚み3μmのレジスト層をスクリーン印刷
法にて形成した後、アルカリ溶液にて該レジスト層で覆
われていない部分の金属蒸着層を溶解除去し、次いでポ
リエステル樹脂中に黒色の顔料を含有したインキを用い
て厚み3μmの加飾層をスクリーン印刷法にて鏡面内表
示用抜きパターンを覆うように形成し、さらに塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合樹脂からなるインキを用いて厚み
3μmの接着層をスクリーン印刷法にて全面に形成して
鏡部材用加飾シートを得た。この鏡部材用加飾シート
は、上記金属蒸着層より透明基体シート側の構成の可視
光線透過率が95%であり、金属蒸着層による鏡面に自
己像を鮮明に映すことのできるものであった。
【0031】これを所望のサイズに断裁した後、プレス
金型に配置、プレス成形により最終製品形状に予備成形
した。次いで、これを樹脂成形品の形状に対応した射出
成形金型内に配置し、型閉めによって予備成形された鏡
部材用加飾シートの金属蒸着層及び加飾層が積層された
面側にキャビティを形成し、キャビティ内に溶融状態の
ABS樹脂を射出充填させ、樹脂成形品の成形と同時に
樹脂成形品の凸曲面に鏡部材用加飾シートを一体化さ
せ、無着色の鏡部材を得た。
【0032】上記実施例1,2のようにして得られた鏡
部材は、鏡面内表示用パターンを有する加飾層の鏡面へ
の密着性に優れ、製造時に鏡面にクラックが発生するこ
となく、しかも生産効率に優れているものであった。
【0033】
【発明の効果】本発明は、前記した構成からなるので、
次のような効果を有する。
【0034】すなわち、本発明の鏡部材用加飾シート
は、透明基体シート上に金属蒸着層が設けられ、上記透
明基体シートと上記金属蒸着層との間に鏡面内表示用パ
ターンを有する加飾層が設けられることによって上記加
飾層で覆われていない部分を自己撮影用の鏡面領域と
し、且つ上記金属蒸着層より透明基体シート側の構成の
可視光線透過率が上記加飾層の設けられていない部分に
おいて85〜100%であるように構成するか、あるい
は透明基体シート上に自己撮影用の鏡面領域を呈し且つ
鏡面内表示用抜きパターンを有する金属蒸着層が設けら
れ、上記鏡面内表示用抜きパターンを覆うように加飾層
が積層されており、且つ上記金属蒸着層より透明基体シ
ート側の構成の可視光線透過率が85〜100%である
ように構成され、透明基体シートの金属蒸着層及び加飾
層が積層された面を内側として樹脂成形品の凸曲面と一
体化されて鏡部材となる。したがって、鏡部材の製造過
程で従来技術のようなメッキ層の形成や該メッキ層への
タンポ印刷による鏡面内表示用パターンの形成が不要で
あり、鏡面内表示用パターンを有する加飾層の鏡面への
密着性に優れた鏡部材を得ることができる。
【0035】また、本発明の鏡部材は、上記鏡部材用加
飾シートを射出成形金型内に配置し、その金属蒸着層及
び加飾層が積層された面側から溶融樹脂を射出充填する
ことにより樹脂成形品の成形と同時に樹脂成形品の凸曲
面に鏡部材用加飾シートを一体化させて得ることができ
るため、従来技術のようなメッキ層の形成や該メッキ層
へのタンポ印刷による鏡面内表示用パターンの形成が不
要であり、製造時に押圧によるクラックが鏡面に発生す
ることがない。
【0036】また、本発明の鏡部材は、上記鏡部材用加
飾シートの透明基体シートによって自己撮影用の鏡面領
域を呈する金属蒸着層及び加飾層を保護するため、従来
技術のようなゴミ噛み等による不具合が発生するオーバ
ーコート処理が不要であり、生産効率に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鏡部材の一実施例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明に係る鏡部材の一実施例を示す断面図で
ある。
【図3】本発明に係る鏡部材の一実施例を示す断面図で
ある。
【図4】本発明に係る鏡部材の一実施例を示す断面図で
ある。
【図5】本発明に係る鏡部材の製造工程の一実施例を示
す断面図である。
【図6】自己撮影用の鏡部材を備えた携帯電話機の例を
示す平面図である。
【図7】従来技術に係る鏡部材の例を示す断面図であ
る。
【図8】鏡部材への鏡面内表示の形成例を示す平面図で
ある。
【図9】従来技術に係る鏡部材に対して鏡面内表示用パ
ターンを有する加飾層を形成する場合の鏡部材の製造工
程を示す断面図である。
【図10】従来技術に係る鏡部材に対して鏡面内表示用
パターンを有する加飾層を形成する場合の鏡部材の製造
工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 鏡部材用加飾シート 2 透明基体シート 3 金属蒸着層 4 加飾層 5 樹脂成形品 6 鏡部材 7 透明着色層 8 表面保護層 9 金型 10 キャビティ 11 射出口 12 溶融樹脂 13 鏡面内表示 14 撮影範囲枠 15 中心目安指標 16 メッキ層 17 弾性体 18 オーバーコート層 19 携帯電話機 20 デジタルカメラのレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:30 B29K 105:30 B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 2H042 DA02 DA03 DA04 DA05 DA06 DA07 DA11 DA14 DA17 DA22 DC02 DC08 DC11 DD05 DE00 4F100 AA37 AB01B AB10 AK25G AK42 AK51G AR00E AT00A BA03 BA04 BA07 BA10A BA10B BA10E CA13 EH46 EH66B GB90 HB00C JL10D JN01A JN01D YY00A 4F206 AA13 AD03 AD05 AD09 AD20 AE10 AF14 AG03 AH41 JA07 JB13 JB19 JF05 JL02 JQ81

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基体シート上に金属蒸着層が設けら
    れ、上記透明基体シートと上記金属蒸着層との間に鏡面
    内表示用パターンを有する加飾層が設けられることによ
    って上記加飾層で覆われていない部分を自己撮影用の鏡
    面領域とし、且つ上記金属蒸着層より透明基体シート側
    の構成の可視光線透過率が上記加飾層の設けられていな
    い部分において85〜100%であることを特徴とする
    鏡部材用加飾シート。
  2. 【請求項2】 透明基体シート上に自己撮影用の鏡面領
    域を呈し且つ鏡面内表示用抜きパターンを有する金属蒸
    着層が設けられ、上記鏡面内表示用抜きパターンを覆う
    ように加飾層が積層されており、且つ上記金属蒸着層よ
    り透明基体シート側の構成の可視光線透過率が85〜1
    00%であることを特徴とする鏡部材用加飾シート。
  3. 【請求項3】 上記透明基体シートと上記金属蒸着層と
    の間に透明着色層が上記自己撮影用の鏡面領域を覆うよ
    うに設けられている請求項1または請求項2のいずれか
    に記載の鏡部材用加飾シート。
  4. 【請求項4】 上記透明基体シートの金属蒸着層及び加
    飾層を積層した面とは反対側の面に表面保護層が設けら
    れている請求項1〜3のいずれかに記載の鏡部材用加飾
    シート。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の鏡部材
    用加飾シートが、透明基体シートの金属蒸着層及び加飾
    層が積層された面を内側として樹脂成形品の凸曲面と一
    体化してなることを特徴とする鏡部材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の鏡部材
    用加飾シートを予備成形をする前又は予備成形した後に
    射出成形金型内に配置し、その後型閉めによって予備成
    形された鏡部材用加飾シートの金属蒸着層及び加飾層が
    積層された面側にキャビティを形成し、キャビティ内に
    溶融樹脂を射出充填することにより樹脂成形品の成形と
    同時に樹脂成形品の凸曲面に鏡部材用加飾シートを一体
    化させて鏡部材を得ることを特徴とする鏡部材の製造方
    法。
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