JP5603062B2 - 機能部品付き樹脂筐体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静電センサ、アンテナ、感圧センサなどの機能部品付き樹脂筐体及びその製造方法であって、とくに機能部品を構成する機能回路本体と伝送ケーブルとの接続に関する。
従来から、電力の供給や電気信号の取り出しなどを必要とする静電センサ、アンテナ、感圧センサなどの機能部品は、基本的に、樹脂フィルムからなる基材上に機能を担う回路パターンが形成された機能回路本体と、樹脂フィルムからなる基材上に電力や電気信号を送信する配線パターンが形成された伝送ケーブルにて構成されている。
そして、最近では、これらの機能部品を樹脂筐体の成形用金型100内に挿入してインサート成形することも提案されている。例えば、特許文献1には、PDA(Personl Digital Assistant)などに用いられる電子機器のフリップカバーであって静電容量スイッチや通信用アンテナなどにも使用できるものとして、静電容量スイッチや通信用アンテナとして機能する矩形の導電性フィルム13(前記機能回路本体に相当)と、外部回路との通電ために当該導電性フィルム13に一端が予め接続された回路シート16(前記伝送ケーブルに相当)とにより構成される導電性フィルム部材20(前記機能部品に相当)を用い、これを成形用金型の固定型110のキャビティ111内に配置させ(図10A参照)、固定型110と可動型120とを型閉じして、フリップカバーを成形するための溶融樹脂をキャビティ111内に射出する(図10B参照)ことによって、成形体50(前記樹脂筐体に相当)と導電性フィルム部材20とを一体化した構造のものが開示されている。なお、図10A及び図10B中の111bは回路シート収納用凹部、121は導電性フィルム収納用凹部、123は吸引穴をそれぞれ示す。
なお、導電性フィルム13と回路シート16と間の接続は、半田付けなどによると高温で基材である樹脂フィルムが溶けてしまうため、異方導電性接着剤などを用いて圧着により行なっている。
国際公開第2009/035038号パンフレット
しかしながら、異方導電性接着剤を用いて機能回路本体に伝送ケーブルを接続して機能部品を得た後、この機能部品を成形用金型内に設置して射出成形を行なう場合、成形時の熱と圧力により異方導電性接着剤が機能回路本体と伝送ケーブルとの接続面から外部に押し出されるという問題が生ずる。その結果、樹脂筐体の片面に機能部品が一体化された状態において、機能回路本体と伝送ケーブルとの電気的接続が不安定になったり、機能回路本体と伝送ケーブルとの接続強度が低下して剥がれやすくなったりする。
また、異方導電性接着剤を用いて機能回路本体に伝送ケーブルを接続して機能部品を得た後、この機能部品を成形用金型内に設置して射出成形を行なう場合、機能回路本体と伝送ケーブルとの圧着工程と、インサート成形による樹脂筐体と機能部品との一体化工程が必要であり、製造工程が面倒であった。
さらには、前記したように異方導電性接着剤が機能回路本体と伝送ケーブルとの接続面から外部に押し出されることにより、成形用金型のキャビティ内が異方導電性接着剤で汚染される。静電センサ、アンテナ、感圧センサなどの機能部品が電子機器の表示窓部分に設けられ場合には機能回路本体にも周縁部を除いて視認性が要求されるが、インサート成形を繰り返すうちに前記汚染物が機能部品の視認領域に付着するおそれがある。
したがって、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、機能部品を構成する機能回路本体と伝送ケーブルとの間で安定した電気的接続および高い接続強度が得られ、製造工程が簡単で、成形用金型内の汚染も生じない機能部品付き樹脂筐体及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、前記技術的課題を解決するために、以下の構成の機能部品付き樹脂筐体及びその製造方法を提供する。
本発明の第1態様によれば、樹脂フィルムを基材とする機能回路本体と、外部回路との通電ために当該機能回路本体に一端が予め接続された別の樹脂フィルムを基材とする伝送ケーブルとにより構成される機能部品を用い、これを成形用金型内に挿入し、伝送ケーブルの他端がキャビティ外に位置した状態で型閉じした後、成形樹脂をキャビティ内に射出することによって、樹脂筐体の成形と同時に前記伝送ケーブルの外部回路側を変形自在に維持したまま当該樹脂筐体と前記機能部品とを一体化させる機能部品付き筐体の製造方法であって、
前記機能回路本体に前記伝送ケーブルを接続する手段が、双方の基材を粗面加工して設けられた微細凹凸面どうしの嵌め合い及び圧縮変形による固定であり、さらに射出成形時の成形樹脂の熱圧で当該嵌め合い部分を軟化させると同時に強く圧縮することを特徴とする機能部品付き筐体の製造方法を提供する。
本発明の第2態様によれば、樹脂フィルムを基材とする機能回路本体と、外部回路との通電ために当該機能回路本体に一端が接続された別の樹脂フィルムを基材とする伝送ケーブルとにより構成される機能部品が、前記伝送ケーブルの外部回路側を変形自在に維持したまま樹脂筐体と一体化された機能部品付き筐体であって、
前記機能回路本体に前記伝送ケーブルを接続する手段が、双方の基材を粗面加工して設けられた微細凹凸面どうしの嵌め合い及び圧縮変形による固定であり、さらに射出成形時の成形樹脂の熱圧で当該嵌め合い部分が射出成形前より強く圧縮されていることを特徴とする機能部品付き筐体を提供する。
本発明によれば、前記機能回路本体に前記伝送ケーブルを接続する際に異方導電性接着剤による接続を行なわない。したがって、機能回路本体に伝送ケーブルを接続してなる機能部品を成形用金型内に設置して射出成形を行なっても、成形時の熱と圧力により異方導電性接着剤が機能回路本体と伝送ケーブルとの接続面から外部に押し出されるという問題が無くなる。その結果、機能部品を構成する機能回路本体と伝送ケーブルとの間で安定した電気的接続および高い接続強度が得られる。
また、異方導電性接着剤による接続を行なわないので。機能回路本体と伝送ケーブルとの圧着工程を省略することが可能であり、製造工程が簡単であった。
さらには、異方導電性接着剤が機能回路本体と伝送ケーブルとの接続面から外部に押し出されることがないので、成形用金型のキャビティ内が異方導電性接着剤で汚染されることもない。したがって、静電センサ、アンテナ、感圧センサなどの機能部品が電子機器の表示窓部分に設けられ場合でも汚染物が機能部品の視認領域に付着することがない。
機能部品付き筐体の外観構成を表面側からみた斜視図である。 図1の機能部品付き筐体10の外観構成を裏面側からみたである。 図1の機能部品付き筐体10のA−A線に沿った断面図である。 機能部品を構成する機能回路本体を説明する斜視図である。 機能部品を構成する伝送ケーブル する斜視図である。 機能回路本体と伝送ケーブルとの接続手段の一例を説明する斜視図である。 図6の伝送ケーブルのII−II線断面図である。 図6の機能回路本体のIII−III線断面図である。 機能部品付き筐体10の製造工程を示す図である。 図9Aの工程に続く工程を示す図である。 図9Bの工程に続く工程を示す図である。 図9Cの工程に続く工程を示す図である。 図9Dの工程に続く工程を示す図である。 電子機器の用いられているフリップカバーを製造する従来技術にかかる工程を示す図である。 図10Bの工程に続く工程を示す図である。
以下、本発明の最良の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
《第1実施形態》
図1は、機能部品付き筐体10の外観構成を表面側からみた斜視図、 図2は、図1の機能部品付き筐体10の外観構成を裏面側からみた斜視図、図3は、図1の機能部品付き筐体10のA−A線に沿った断面図である。これらの図に示すように機能部品付き筐体10は、通信用アンテナである機能部品3が樹脂筐体4の裏面側に一体化されることによって構成されている。なお、この機能部品付き筐体10の樹脂筐体4の表面側は、電子機器の内部に配置するディスプレイを透視するための窓部を除き加飾されるように転写層8bが設けられている。
機能部品3は、略矩形に構成され樹脂フィルム1aを基材とする機能回路本体1(図4参照)と、外部回路との通電ために当該機能回路本体1に一端が接続された別の樹脂フィルム2aを基材とする伝送ケーブル2(図5(a)参照)とで構成されている。すなわち、伝送ケーブル2は、矩形の機能回路本体1から突出した構成を有する。
機能回路本体1は、図4に示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の可撓性を有する(矩形の)樹脂フィルム1aを基材とし、その中央部に通信用アンテナとして機能する機能回路1bを設け、さらに機能回路1bから引き出したパターン先端に樹脂フィルム1aの端部に至る端子接続パターン1cを設けて構成されている。
樹脂フィルム1aの材質としては、前記したPETからなるものの他に、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、又は、ポリ塩化ビニル系樹脂などを使用することができる。樹脂フィルム1aの具体的な厚み寸法としては、例えば120μm程度とすることができる。
樹脂フィルム1aの表面に形成されている通信用アンテナとして機能する機能回路1bおよび端子接続パターン1cとしては、本実施形態においては、アルミニウム、クロム、金、銀、銅、又は、亜鉛などの各種金属をメッシュパターン状に形成した金属の薄膜層として構成されている。なお、上記網目構造の金属膜層に代えて、透明な導電膜を樹脂フィルム1aの表面に設けてもよい。この場合には、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、若しくは、酸化亜鉛などの透明金属酸化物をほぼ全面に形成したもの、又は、ポリアニリン若しくはポリピロール、若しくは、ポリアセチレンなどの導電ポリマーをほぼ全面に形成したものが例示できる。
金属膜層は、4端子法による表面抵抗値が1ω/Cm以下である不透明な金属から構成された網目形状(網目構造)の金属膜である。表面抵抗値を上記数値範囲とするように使用する材質又は厚みが適宜選択される。金属膜層の厚み寸法は、例えば、12μm程度とすることができる。表面抵抗値が上記数値範囲であれば、金属膜層の表面に、厚みの大きい樹脂組成物が存在していても通信用のアンテナの感度を良くすることができる。なお、金属膜層は、単層の金属膜から構成されていてもよいし、複数の金属膜から構成されていてもよい。
金属膜層の網目形状は、各網目が、略等幅の極細帯で構成されたものであり、当該網目の開口部分によって、光を透過させる。この網目における光の透過により、機能回路本体1の導電層としてITOなどの透明な材質で構成された導電膜を用いなくても、金属膜層により、電極の透光性を確保することができる。金属膜層の網目を構成する極細帯は帯幅50μm以下で、好ましくは、5μm以上の極細帯で構成し、透過率50%以上とすることが、内部のディスプレイの視認という観点から好ましい。より好ましくは、極細帯の帯幅が30μm以下、透過率が70%以上である。その理由としては、帯幅が30μmより太い場合には、帯幅自体を視認することが可能となり、ディプレイの視認を妨げる可能性がある。また、透過率が70%より低い場合には、ディスプレイ5を見たとき、ディスプレイが暗く見えることになり、視認性を低下させることになる。ここで、透過率とは、特定の色温度を持った光源から出たあらゆる波長の光が試料面を通過した全光量を対象とする全光線透過率を意味し、前記網目の透過率は、日本電飾工業社正の分光測定器(型番NDH2000)を用いて測定したものである。ただし、空気層における透過率が100%であることを基準としている。
なお、金属膜層を構成する金属材料としては、銀、銅、アルミニウム、金、ニッケル、ステンレス鋼、又は、真鍮などの導電性金属材料を広く用いることができる。金属膜層の形成手段としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又は、鍍金法などを用いて、 樹脂フィルム1aの表面に、ベタ状に形成された金属膜をパターンニングして、網状のパターンを有する金属膜層を得ることができる。例えば、金属膜上にフォトレジスト膜を形成し、フォトマスクを用いて露光し、現像液で現像することにより所定のパターンを有するレジスト膜を形成し、あるいは、金属膜上にスクリーン印刷、グラビア印刷、又は、インクジェットなどの方法で、所定の網目パターンを有するレジスト膜を印刷し、その後、エッチング液によりベタ状の金属膜のうち、レジスト膜で被覆されていない部分を除去する。その後、レジスト膜を除去することにより、所定の網目パターンを有する金属膜層を得ることができる。
一方、伝送ケーブル2は、具体的には、FPC(Flexible printed circuitsの略)などである。帯状の樹脂フィルム2aを基材とし、その片面をパターン面として導体パターン2bが設けられている。なお、この第一実施形態においては図5(a)に示したように導体パターン2bは1本であるが、機能回路1bの目的とする機能よっては図5(b)に示すように並列させた複数の導体パターン2bを設ける。伝送ケーブル2は、接続端部61において導体パターンを形成した導体パターン2bが露出させてある一方、接続端部61に連続する中間部62は、導体パターン2bを覆うようにカバーレイ2cが層着されている。
樹脂フィルム2aの材質としては、一般にポリイミド等が用いられるが、従来からFPCに利用されているものであればこれに限定されない。樹脂フィルム2aの具体的な厚み寸法としては、例えば厚み12μmから50μm程度とすることができる。導体パターン2bは、前記樹脂フィルム2aの片面に銅箔が接着積層され、当該銅箔がエッチングされて形成される。そして、導体パターン2bはポリイミド等からなる薄膜のカバーレイ(オーバーレイとも言われる)2cやフォトソルダーレジスト膜などの絶縁体で被覆される。
以上のような機能部品3を成形用金型100に挿入する前に、機能回路本体1及び伝送ケーブル2をあらかじめ接続する手段としては、従来、異方導電性接着剤などを用いて圧着により行なっている。しかしながら、異方導電性接着剤を用いて機能回路本体1に伝送ケーブル2を接続して機能部品3を得た後、この機能部品3を成形用金型100内に設置して射出成形を行なう場合、成形時の熱と圧力により異方導電性接着剤が機能回路本体1と伝送ケーブル2との接続面から外部に押し出されるという問題が生ずる。そのため、その結果機能回路本体1と伝送ケーブル2との電気的接続が不安定になったり、機能回路本体1と伝送ケーブル2との接続強度が低下して剥がれやすくなったり、さらには成形用金型100のキャビティ内が異方導電性接着剤で汚染される問題がある。
これに対して、本実施形態においては、機能回路本体1及び伝送ケーブル2をあらかじめ接続する手段が双方の基材1a,2aどうしの嵌め合い、具体的には双方の基材1a,2aを粗面加工して設けられた微細凹凸面31,32どうしの嵌め合いによる固定である(図6〜図8参照)。図6は、機能回路本体と伝送ケーブルとの接続手段の一例を説明する斜視図、 図7は、図6の伝送ケーブルのII−II線断面図、図8は、図6の機能回路本体のIII−III線断面図である。
微細凹凸面31は、機能回路本体1の樹脂フィルム1aの端子接続パターン1cが設けられた端部が粗面化されたものである(図8参照)。また、微細凹凸面32は、伝送ケーブル2の樹脂フィルムからなる基材2aの前記端子接続パターン1cと接続される接続端部61が粗面化されたものである(図7参照)。微細凹凸面31,32どうしが重なり合うことにより、それぞれの微細凹部と対向面の微細凸部が嵌まり合い、この状態で圧力を加えることで微細凹凸の形状が圧縮されて変形し、当該変形によるアンカー効果によって機能回路本体1と伝送ケーブル2との位置を固定することができる。さらに押圧時に同時に加熱すれば微細凹凸の変形度が増し、より強固に固定をあらかじめ射出成形前に得ることもできる。
樹脂フィルムからなる基材1a,2aの粗面加工としては、これら基材1a,2aの成膜時に、体質顔料やポリマービーズ、弾性体樹脂粉体などの微粉末を練り込んだり、基材1a,2aの表面にサンドブラスト法やケミカルエッチング法または凹凸を有するエンボスロールの圧接などの物理的手段により微細凹凸面を設けたりする。また、樹脂フィルムからなる基材1a,2aに、シリカ、炭酸カルシウムなどの体質顔料や、ポリエチレンワックス、ポリマービーズ、ビーズ顔料などのマット剤を添加させた硬化性樹脂を用い微細凹凸層を設ける方法がある。硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの電離放射線硬化樹脂または熱硬化樹脂などがある。それぞれ電離放射線を照射したりまたは加熱して硬化させるとよい。また、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの電離放射線硬化樹脂を基材1a,2a上に積層し、微細凹凸版を圧接した後に、電離放射線を照射して硬化させて微細凹凸層を設ける方法、ある熱硬化性樹脂を基材1a,2a上に積層し、微細凹凸版を圧接した後に、加熱して硬化させて微細凹凸層を設ける方法もある。微細凹凸層の形成には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷を用いるとよい。
樹脂筐体4の表面側を加飾する転写層は、成形同時加飾転写箔8を用い、口後述する方法にて設けられる。成形同時加飾転写箔8は、基体シート8a上に、剥離層、図柄層、接着層などからなる転写層8bを形成したものである。
基体シート8aの材質としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロース系シート、あるいは以上の各シートの複合体など、通常の転写材の基体シートとして用いられるものを使用することができる。
剥離層は、基体シート8a上に全面的または部分的に形成される。剥離層は、成形同時転写後に基体シート8aを剥離した際に、基体シート8aから剥離して被転写物の最外面となる層である。剥離層の材質としては、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂などのほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などのコポリマーを用いるとよい。剥離層に硬度が要求される場合には、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などを選定して用いるとよい。剥離層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
図柄層は、剥離層の上に、通常は印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。印刷層は、表現したい図柄に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける場合もある。本実施形態においては、機能部品付き筐体10を透してディスプレイを視認できるように、透明窓部80を除いて図柄層が形成される(図1参照)。
接着層は、被転写物面に上記各層を接着するものである。接着層としては、たとえば、被転写物の材質がポリアクリル系樹脂の場合はポリアクリル系樹脂を用いるとよい。また、被転写物の材質がポリフェニレンオキシド共重合体ポリスチレン系共重合体樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、被転写物の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
以下に、本実施形態にかかる機能部品付き筐体10をインサート成形によって製造する方法について説明する。図9A〜図9Eは、図1〜図3に示す機能部品付き筐体10を製造する工程を示す図である。
図9A〜図9Eに示す製造方法は、成形用金型100を利用する。成形用金型100は固定型110と可動型120で構成され、開閉可能となっている。
図9A〜図9Eにおける機能部品3は、機能回路本体1に伝送ケーブル2が前記嵌め合いにより予め接続されたものを用いる。当該機能部品3を、固定型110と可動型120で形成されるキャビティ130内に配置させる(図9A参照)。このとき、機能部品3は、機能回路1bが、キャビティ130側に露出する向きとするのが好ましい。このキャビティ130は、樹脂筐体4を成形するための空間である。このように配置することにより、機能回路1bが固定型110の金型面に接触することがなく、機能回路1bを損傷することがない。また、固定型110には、伝送ケーブル2の機能回路本体1から突出した部分が配置される位置に、伝送ケーブル2に大きなクランプ力がかからないように伝送ケーブル収納用凹部114が設けられている。
機能部品3をキャビティ130内に配置させる場合、キャビティ130の外まで伝送ケーブル2が配置された状態となるようにする。また、このとき、機能部品3の位置ずれを防止するために、吸引穴113によって固定型110の外部から機能部品3が吸引されて固定型110に位置固定される(図9B参照)。
また、図9Bに示すように、可動型120のキャビティ130を形成する面には、吸引穴123によって可動型120の外部から成形同時加飾転写箔8が吸引されて可動型120に位置固定される。
機能部品3及び成形同時加飾転写箔8の成形用金型内への挿入を終了させると、固定型110と可動型120とを型閉じして(図9C参照)、樹脂筐体4を成形するための溶融状態の成形樹脂を、固定型110の射出ゲート112からキャビティ130内に射出する(図9D参照)。溶融状態の成形樹脂は、キャビティ130内で固化して樹脂筐体4となり、樹脂筐体4の裏面側に機能部品3が伝送ケーブル2の外部回路側を変形自在に維持したまま一体化した機能部品付き筐体10が得られる。また、樹脂筐体4の表面側には成形同時加飾転写箔8が一体化する。
成形樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂やポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。
冷却・固化後、固定型110に対して可動型120を、固定型110から離れる方向に移動させて型開きする。このとき、固定型110に設けられている射出ゲート112内の樹脂と接続している機能部品付き筐体10は、固定型110側に残り、また成形同時加飾転写箔8のうち基体シート8aのみが剥離分離され、機能部品付き筐体10の表面側の転写層8bが残る(図9E参照)。
このようにして製造された機能部品付き筐体10は、成形樹脂を射出する際に機能回路本体1と伝送ケーブル2との嵌め合い部分が溶融状態の成形樹脂の熱圧によって軟化すると同時に強く圧縮され(図9D中の黒く太い矢印)、これによって機能回路本体1と伝送ケーブル2とが射出成形前よりも強固に接続される。しかも、本実施形態においては、機能回路本体1と樹脂筐体4との間に伝送ケーブル2の接続部分が封じ込まれるため、なおさら接続は強固である。
(変化例)
また、前記各実施形態では通信用アンテナである機能部品3が樹脂筐体4の裏面側に一体化される例を示したが、通信用アンテナ以外の種々のものに用いてもよい。例えば、静電容量スイッチやフォースセンサなどを機能部品3とするものにも適用できる。
また、前記各実施形態では成形同時加飾転写箔8も成形用金型に挿入しているが、挿入しなくてもよい。例えば、機能部品付き筐体10の内側にディスプレイを配置しないのであれば、成形樹脂を不透明にすれば足りる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
1 機能回路本体
1a 樹脂フィルム
1b 機能回路
1c 端子接続パターン
2 伝送ケーブル
2a 樹脂フィルム
2b 導体パターン
2c カバーレイ
3 機能部品
4 樹脂筐体
8 成形同時加飾転写箔
10 機能部品付き筐体
31,32 微細凹凸
33 凸部
34 凹部
35 貫通穴
36 突出片
37 切れ目
38 係止部
13 矩導電性フィルム
16 回路シート
20 導電性フィルム部材
50 成形体
61 接続端部
62 中間部
80 透明窓部
110 固定型
111 キャビティ
120 可動型

Claims (2)

  1. 樹脂フィルムを基材とする機能回路本体と、外部回路との通電ために当該機能回路本体に一端が予め接続された別の樹脂フィルムを基材とする伝送ケーブルとにより構成される機能部品を用い、これを成形用金型内に挿入し、伝送ケーブルの他端がキャビティ外に位置した状態で型閉じした後、成形樹脂をキャビティ内に射出することによって、樹脂筐体の成形と同時に前記伝送ケーブルの外部回路側を変形自在に維持したまま当該樹脂筐体と前記機能部品とを一体化させる機能部品付き筐体の製造方法であって、
    前記機能回路本体に前記伝送ケーブルを接続する手段が、双方の基材を粗面加工して設けられた微細凹凸面どうしの嵌め合い及び圧縮変形による固定であり、さらに射出成形時の成形樹脂の熱圧で当該嵌め合い部分を軟化させると同時に強く圧縮することを特徴とする機能部品付き筐体の製造方法。
  2. 樹脂フィルムを基材とする機能回路本体と、外部回路との通電ために当該機能回路本体に一端が接続された別の樹脂フィルムを基材とする伝送ケーブルとにより構成される機能部品が、前記伝送ケーブルの外部回路側を変形自在に維持したまま樹脂筐体と一体化された機能部品付き筐体であって、
    前記機能回路本体に前記伝送ケーブルを接続する手段が、双方の基材を粗面加工して設けられた微細凹凸面どうしの嵌め合い及び圧縮変形による固定であり、さらに射出成形時の成形樹脂の熱圧で当該嵌め合い部分が射出成形前より強く圧縮されていることを特徴とする機能部品付き筐体。
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