JP2002021862A - 転がり軸受装置 - Google Patents

転がり軸受装置

Info

Publication number
JP2002021862A
JP2002021862A JP2000201026A JP2000201026A JP2002021862A JP 2002021862 A JP2002021862 A JP 2002021862A JP 2000201026 A JP2000201026 A JP 2000201026A JP 2000201026 A JP2000201026 A JP 2000201026A JP 2002021862 A JP2002021862 A JP 2002021862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
rolling bearing
outer ring
equivalent member
bearing device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000201026A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Wakabayashi
達男 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2000201026A priority Critical patent/JP2002021862A/ja
Publication of JP2002021862A publication Critical patent/JP2002021862A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/14Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load
    • F16C19/18Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls
    • F16C19/181Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact
    • F16C19/183Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles
    • F16C19/184Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles in O-arrangement
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2326/00Articles relating to transporting
    • F16C2326/01Parts of vehicles in general
    • F16C2326/02Wheel hubs or castors

Abstract

(57)【要約】 【課題】 互いに金属電位の異なる鋼製の外輪2及び内
輪7aと軽合金製のナックルとの接触部分に導電性の液
体が付着し、この様な導電性の液体が電解液となって電
池が形成されると、この外輪2と内輪7a、7bとの間
に電位差が生じ、組み合わせシールリング14の周囲に
微小な電流が流れる。この様な電流による、シールリッ
プ19の先端縁とスリンガ16の内側面との摺接部分の
腐食を防止する。 【解決手段】 上記外輪2と内輪7a、7bとを電気的
に導通させるべく、シールリング15aを構成する弾性
材18aを導電性を有するものにする。この結果、上記
外輪2と内輪7a、7bとの間に電位差が生じにくくな
り、上記摺接部分を腐食させる様な電気が流れる事はな
くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る転がり軸受装
置は、自動車の車輪を懸架装置に対し回転自在に支持す
る為に使用する。特に、本発明は、この様な転がり軸受
装置を組み付ける隣接部材と、外輪相当部材又は内輪相
当部材との間に生じる電位差によって、シールリングを
構成する弾性材の先端縁が摺接する相手面が電食(電気
が流れる事により生じる腐食)するのを防止するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】自動車の車輪を懸架装置に対し回転自在
に支持する為に従来から、例えば図4に示す様な転がり
軸受ユニット1が使用されている。
【0003】車両への組み付け状態で、懸架装置に支持
した状態で回転しない、請求項に記載した外輪相当部材
に相当する外輪2の内周面には、アンギュラ型で複列の
外輪軌道3、3を形成している。そして、上記懸架装置
を構成するナックル4の端部にこの外輪2を、円周方向
並びに軸方向変位を阻止した状態で内嵌固定している。
又、この外輪2の内側にはハブ5を、この外輪2と同心
に配置している。
【0004】このハブ5は、ハブ本体6と、請求項に記
載した内輪相当部材に相当する1対の内輪7a、7bと
を結合固定して成る。このハブ本体6の外端(外端と
は、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側となる
端を言い、図4の左端。反対に、内端とは、自動車への
組み付け状態で車両の幅方向中央寄りとなる端を言い、
図4の右端。)部外周面には、図示しない車輪を固定す
る為のフランジ8を、中間部外周面には小径段部9を、
それぞれ形成している。そして、この小径段部9に、そ
の外周面にそれぞれアンギュラ型の内輪軌道10を形成
した、上記1対の内輪7a、7bを外嵌固定している。
【0005】又、上記各外輪軌道3、3と内輪軌道1
0、10との間に、それぞれが請求項に記載した転動体
に相当する複数個ずつの玉11、11を、保持器12、
12により保持した状態で、転動自在に設けている。
尚、図示の例では転動体として玉11、11を使用して
いるが、重量が嵩む自動車用の転がり軸受ユニットの場
合には、上記転動体としてテーパころを使用する場合も
ある。
【0006】又、これら各玉11、11を設置した空間
13の外端開口部は、組み合わせシールリング14によ
り塞いでいる。この組み合わせシールリング14は、シ
ールリング15とスリンガ16とから成る。このうちの
シールリング15は、鋼板等の金属板にプレス加工を施
す事により、断面L字形で全体を円環状に形成した芯金
17に、ゴムの如きエラストマー等の弾性材18を添着
して成る。又、上記スリンガ16は、同じく鋼板等の金
属板にプレス加工を施す事により、断面L字形で全体を
円環状に形成して成る。そして、上記芯金17を上記外
輪2の外端部内周面に内嵌固定すると共に、上記スリン
ガ16を上記内輪7aの外端部外周面に外嵌固定する。
この状態で上記弾性材18の内周縁部を構成する1対の
シールリップ19、19の先端縁は、請求項に記載した
相手面に相当する、上記スリンガ16の内側面(図4の
右側面)並びに外周面に、それぞれ摺接する。
【0007】この様な組み合わせシールリング14は、
上記各玉11、11を設置した空間13内に充填した、
請求項に記載した潤滑剤に相当するグリースが外部に漏
洩する事を防止すると共に、外部に存在する雨水、塵等
の各種異物が上記空間13内に侵入する事を防止する。
尚、図示の例は、組み合わせシールリング14により空
間13の外端開口部を塞いでいるが、この組み合わせシ
ールリング14を構成するスリンガ16を省略し、この
空間13の外端開口部をシールリングのみで塞ぐ場合も
ある。この様な場合は、シールリングを構成する弾性材
のシールリップを、内輪の外周面、若しくはハブの外周
面に直接摺接させる。勿論、この様な場合は、これら内
輪の外周面、或はハブの外周面が、上記請求項に記載し
た相手面に相当する。
【0008】ところで、近年、転がり軸受装置(転がり
軸受ユニット1)の外輪(外輪2)や内輪(内輪7a、
7b)を固定する為の、ハウジング(ナックル4)や軸
(ハブ本体6)等を、軽量化を図るべく、アルミニウム
合金やマグネシウム合金等の軽合金により造る事が行な
われている。これに対して、外輪軌道を形成した上記外
輪や内輪軌道を形成した上記内輪は、必要とする転がり
疲れ寿命や強度を確保すべく、軸受鋼や浸炭鋼、或は高
炭素鋼等の鋼により造られている。この為、この鋼製の
内輪や外輪を上記軽合金製のハウジングや軸に嵌合固
定、若しくは、ナット等により固定すると、これら互い
に金属電位の異なる軽合金製の部材と鋼製の部材とが直
接接触する。そして、この様な互いに金属電位の異なる
軽合金製の部材と鋼製の部材とが接触する部分に、導電
性を有する液体(電解質の水溶液)が、これら軽合金製
の部材と鋼製の部材とを覆う様に付着すると、この導電
性を有する液体が電解液となって、この転がり軸受装置
の周囲に電池が形成される。
【0009】例えば、図4に示した様な、自動車に組み
込む転がり軸受ユニット1の場合、海岸付近では海水に
含まれる塩化ナトリウム(食塩)を含んだ水が、積雪地
域では融雪剤に含まれる塩化ナトリウムや塩化カリウム
等を含んだ水が、この転がり軸受ユニット1の周囲に付
着する場合がある。そして、この様な塩化ナトリウムや
塩化カリウム等の電離し易い物質を含んだ水が、同図に
梨地模様で示す様に、鋼製の外輪2及び内輪7aや軽合
金製のナックル4等を覆う様に付着すると、この電離し
易い物質を含んだ水が電解液となり電池が形成される。
そして、上記鋼製の外輪2が陽極、上記軽合金製のナッ
クル4が陰極となり、上記電解液内で同図に矢印αで示
す様に電流が流れる。一方、このナックル4と図示しな
いボディやフレームを介して、或る程度の抵抗を持った
状態で電気的に導通している内輪7aは、このナックル
4と同じく陰極となる。この結果、この内輪7aと上記
外輪2との間に電位差が生じ、この電位差によってこれ
ら内輪7aと外輪2との間を微小量ではあるが、図4に
矢印βで示す様に電流が流れる。
【0010】この様な内輪7aと外輪2との電位差によ
ってこれら内輪7aと外輪2との間を流れる電流の一部
は、上記矢印βで示す様に流れる間に、スリンガ16か
ら電解液に放電される傾向がある。即ち、各玉11、1
1の転動面と各外輪軌道3、3及び内輪軌道10、10
との転がり接触部は、回転中は油膜{EHL(弾性流体
潤滑)油膜}が形成される。この様な油膜は、これら各
玉11、11の転動面と各外輪軌道3、3及び内輪軌道
10、10とを(電気的に)絶縁する。この為、上記電
流は上記内輪7aと外輪2との間を上記各玉11、11
を介して流れず、上記スリンガ16を介して流れる傾向
となる。そして、このスリンガ16から電解液に上記電
流が流れると、このスリンガ16が腐食し(孔食が発生
し)易くなる。特に、このスリンガ16の内側面でシー
ルリップ19の先端縁と摺接する部分には、構造上電解
液が溜まり易く、電流が局部的に流れる傾向があり、孔
食等のシール性低下に繋がる腐食が生じ易い。この様な
シール性低下は、上記空間13内への異物の侵入を容易
にし、転がり軸受ユニット1の寿命を短縮させる為、好
ましくない。
【0011】この様なシール性低下の原因となる電食
(電流が流れる事による腐食)を防止する為に、従来
は、次の〜に示す様な対策が取られていた。 鋼製の部材と軽合金製の部材とを直接接触しない様
に配置し、前記電池の形成を防止する。 鋼製の部材や軽合金製の部材に表面処理や塗装を施
す事により、これら各部材同士の接触部分の絶縁性を高
め、導電性の液体がこれら各部材を覆う様に付着した場
合でも、上記電池が形成されない様にする。 鋼製の部材と軽合金製の部材との接触部分に導電性
の液体が付着しない様に、これら各部材の周囲の密封性
を確保し、上記電池の形成を防止する。即ち、従来の転
がり軸受装置の場合には、外輪相当部材と内輪相当部材
との間に電位差を生じさせる上記電池が形成されない様
にする事により、上記電食を防止していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の〜
に示す様な従来構造の場合には、それぞれ次の様な不
都合が避けられない。先ず、上記の場合は、軽合金製
の部材を用いる部分が制限され、この軽合金製の部材を
用いる利点が発揮できず、軽量化等が図りにくくなる。
又、上記の場合は、表面処理や塗装を施す分、コスト
が嵩む事が避けられない。しかも、この様な表面処理や
塗装は、長期間に亙って十分な性能(絶縁性)を維持で
きない可能性もある。又、上記の場合は、鋼製の部材
と軽合金製の部材との接触部分の周囲に、この接触部分
の密封性を確保する為の部材が必要となり、コスト、重
量が嵩むだけでなく、転がり軸受装置の周囲の寸法も嵩
む。本発明の転がり軸受装置は、上述の様な事情に鑑み
て発明したものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の転がり軸受装置
は、従来から広く使用されている転がり軸受装置と同様
に、内周面に外輪軌道を有する外輪相当部材と、外周面
に内輪軌道を有する内輪相当部材と、これら外輪軌道と
内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体
と、上記外輪相当部材の内周面と上記内輪相当部材の外
周面との間に存在し上記各転動体を設けた空間の端部開
口を塞ぐシールリングと、この空間内に封入した潤滑剤
とを備える。そして、上記外輪相当部材と内輪相当部材
とのうちの少なくとも一方の部材を、この一方の部材と
金属電位が異なる部材に結合固定した状態で使用する。
特に、本発明の転がり軸受装置に於いては、上記外輪相
当部材と内輪相当部材とを電気的に導通させる事によ
り、上記シールリングを構成する弾性材の先端縁が摺接
する相手面を腐食(電食)しにくくしている。
【0014】又、上記外輪相当部材と内輪相当部材とを
電気的に導通させるべく、次の(1)〜(3)の1又は
2以上の構造を必要に応じて採用する事が好ましい。 (1)シールリングを構成する弾性材を導電性を有する
ものにする。 (2)潤滑剤を導電性を有するものにする。 (3)外輪相当部材と内輪相当部材との間に導電性を有
する通電部材を掛け渡す様に設ける。
【0015】
【作用】上述の様に構成する本発明の転がり軸受装置の
場合、外輪相当部材と内輪相当部材との間を電気的に導
通させる為、これら外輪相当部材と内輪相当部材との間
に電位差が生じにくい。従って、互いに金属電位の異な
る鋼製の部材と軽合金製の部材とが接触している部分に
導電性の液体(電解質の水溶液)が付着し、この導電性
の液体が電解液となって電池が形成されても、シールリ
ングを構成する弾性材の先端縁とこの先端縁が摺接する
相手面との摺接部分を腐食させる様な電気となって流れ
る事はない。この結果、上記摺接部分が腐食しにくくな
り、上記シールリングのシール性を長期間に亙り確保で
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、請求項1〜2に対応す
る、本発明の実施の形態の第1例として、自動車の車輪
を懸架装置に対して回転自在に支持する為の複列転がり
軸受20に、本発明を適用した場合に就いて示してい
る。この複列転がり軸受20は、請求項に記載した外輪
相当部材に相当する1個の外輪2の内径側に、同じく内
輪相当部材に相当する1対の内輪7a、7bを、それぞ
れが同じく転動体に相当する複数個ずつの玉11、11
により回転自在に支持している。上記外輪2の内周面に
はアンギュラ型で複列の外輪軌道3、3を、上記各内輪
7a、7bの外周面にはそれぞれがアンギュラ型の内輪
軌道10、10を、それぞれ形成している。上記各玉1
1、11は、それぞれ保持器12、12により転動自在
に保持した状態で、上記各外輪軌道3、3と内輪軌道1
0、10との間に狭持している。尚、図示の例では転動
体として玉11、11を使用しているが、重量が嵩む自
動車用の転がり軸受の場合には、上記転動体としてテー
パころを使用する場合もある。
【0017】又、これら各玉11、11を設置した空間
13の両端開口部は、それぞれ組み合わせシールリング
14、14により塞いでいる。これら各組み合わせシー
ルリング14、14は、シールリング15aとスリンガ
16とから成る。このうちのシールリング15aは、鋼
板等の金属板にプレス加工を施す事により、断面L字形
で全体を円環状に形成した芯金17に、ゴムの如きエラ
ストマー等の弾性材18aを添着して成る。又、上記ス
リンガ16は、鋼板、ステンレス鋼板等の金属板にプレ
ス加工を施す事により、断面L字形で全体を円環状に形
成して成る。そして、上記芯金17を上記外輪2の端部
内周面に締まり嵌めで内嵌固定すると共に、上記スリン
ガ16を上記内輪7a、7bの端部外周面に締まり嵌め
で外嵌固定する。この状態で上記弾性材18aの内周縁
部を構成する3本のシールリップ19、19の先端縁
は、請求項に記載した相手面に相当する、上記スリンガ
16の内側面並びに外周面に、それぞれ摺接する。又、
上記各玉11、11を設置した空間13に、請求項に記
載した潤滑剤に相当するグリース21を充填し、上記各
玉11、11の転動面と上記各外輪軌道3、3及び内輪
軌道10、10との転がり接触部の潤滑を図っている。
【0018】特に、本発明の転がり軸受装置である、複
列転がり軸受20に於いては、上記外輪2と内輪7a、
7bとを電気的に導通させるべく、上記各シールリング
15a、15aを構成する弾性材18a、18aを、導
電性を有するものにしている。この為に、これら弾性材
18a、18aとして、ゴム中にカーボン等の導電材の
粉末を混入したものを使用している。
【0019】上述の様な本発明の複列転がり軸受20の
場合、外輪2と内輪7a、7bとの間を電気的に導通さ
せる為、これら外輪2と内輪7a、7bとの間に電位差
が生じにくい。従って、これら鋼製の外輪2や内輪7
a、7bを、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の
軽合金製のナックル4やハブ本体6(図4参照)に結合
固定した状態で使用しても、前述の図4に示した様な従
来構造に比べ、各シールリング15a、15aのシール
性が低下しにくい。即ち、互いに金属電位の異なる鋼製
の部材2、7a、7bと軽合金製の部材4、6とが接触
している部分に導電性の液体(電解質の水溶液)が付着
し、この導電性の液体が電解液となって電池が形成され
ても、上記各シールリング15a、15aを構成する弾
性材18a、18aの先端縁と、この先端縁が摺接する
相手面であるスリンガ16の内側面との摺接部分を腐食
させる様な電流となって流れる事はない。更に言えば、
上記外輪2から内輪7a、7bに流れる電流の大分部
は、上記各弾性材18a、18aを通じて流れる為、上
記液体中を流れる電流は殆どなくなり、上記摺接部分の
腐食が防止される。この結果、上記摺接部分が腐食しに
くくなり、上記各シールリング15a、15aのシール
性を長期間に亙り確保できる。
【0020】尚、本発明の対象となる転がり軸受装置
は、図1に示す様な複列転がり軸受20に限定されるも
のではない。例えば、前述の図4に示した様な転がり軸
受ユニット1や、複列の内輪軌道のうちの一方の内輪軌
道を直接ハブに形成した構造の転がり軸受ユニット、或
は駆動輪を回転駆動する為の車輪駆動用軸受ユニット
等、各種構造の転がり軸受ユニットに適用できる。尚、
一方の内輪軌道を直接ハブに形成した構造の転がり軸受
ユニットの場合、このハブ並びに他方の内輪軌道をその
外周面に形成した内輪が、請求項に記載した内輪相当部
材に相当する。
【0021】次に、図2は、請求項1〜3に対応する、
本発明の実施の形態の第2例を、第1例と同様の複列転
がり軸受20aに適用した場合に就いて示している。本
例は、外輪2と内輪7a、7bとを電気的に導通させる
べく、各玉11、11を設置した空間13に充填した潤
滑剤であるグリース21を、導電性を有するものにして
いる。この為、上記複列転がり軸受20aの運転時にも
上記外輪2と内輪7a、7bとが、上記各玉11、11
及びグリース21を介して導通する。その他の構造及び
作用は、前述した第1例の場合と同様である。尚、本例
の場合は、上記空間13の両端開口部を塞ぐ、各シール
リング15a、15aを構成する弾性材18a、18a
も導電性を有するものとしているが、上記グリース21
のみを導電性を有するものにしても良い。
【0022】次に、図3は、請求項1〜4に対応する、
本発明の実施の形態の第3例として、第1例及び第2例
と同様の複列転がり軸受20bに適用した場合に就いて
示している。本例は、外輪2と各内輪7a、7bとを電
気的に導通させるべく、これら外輪2と内輪7bとの間
に導電性を有する通電部材22を掛け渡す様に設けてい
る。この様な通電部材は、弾性金属製の線材等により形
成して成り、各玉11、11を転動自在に保持する保持
器12にその中間部を支持された状態で、一方の端部を
上記外輪2の内周面に、他方の端部を上記内輪7bの外
周面に、それぞれ摺接させている。その他の構造及び作
用は、前述した第2例の場合と同様である。尚、本例の
場合は、上記各玉11、11を設置した空間13の両端
開口部を塞ぐ各シールリング15a、15aを構成する
弾性材18a、18a、並びにこの空間13に充填した
グリース21も導電性を有するものとしているが、必ず
しもこの様な導電性を有するものとしなくても良い。こ
れらグリース21や弾性材18a、18aは、必要に応
じて導電性を有するものにする。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用する為、シールリングのシール性を長期間に亙り確保
でき、優れた耐久性を有する転がり軸受装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す半部断面
図。
【図2】同第2例を示す半部断面図。
【図3】同第3例を示す半部断面図。
【図4】従来構造の1例を示す半部断面図。
【符号の説明】
1 転がり軸受ユニット 2 外輪 3 外輪軌道 4 ナックル 5 ハブ 6 ハブ本体 7a、7b 内輪 8 フランジ 9 小径段部 10 内輪軌道 11 玉 12 保持器 13 空間 14 組み合わせシールリング 15、15a シールリング 16 スリンガ 17 芯金 18、18a 弾性材 19 シールリップ 20、20a、20b 複列転がり軸受 21 グリース 22 通電部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J016 AA01 AA04 BB03 BB16 CA01 CA06 3J101 AA02 AA16 AA25 AA32 AA43 AA54 AA62 BA70 BA73 BA77 EA01 EA02 EA14 EA47 EA49 EA63 EA72 EA77 FA11 FA31 GA01 GA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に外輪軌道を有する外輪相当部材
    と、外周面に内輪軌道を有する内輪相当部材と、これら
    外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数
    個の転動体と、上記外輪相当部材の内周面と上記内輪相
    当部材の外周面との間に存在し上記各転動体を設置した
    空間の端部開口を塞ぐシールリングと、この空間内に充
    填した潤滑剤とを備え、上記外輪相当部材と内輪相当部
    材とのうちの少なくとも一方の部材を、この一方の部材
    と金属電位が異なる部材に結合固定した状態で使用する
    転がり軸受装置に於いて、上記外輪相当部材と内輪相当
    部材とを電気的に導通させる事により、上記シールリン
    グを構成する弾性材の先端縁が摺接する相手面を腐食し
    にくくした事を特徴とする転がり軸受装置。
  2. 【請求項2】 シールリングを構成する弾性材を導電性
    を有するものにした、請求項1に記載した転がり軸受装
    置。
  3. 【請求項3】 潤滑剤を導電性を有するものにした、請
    求項1〜2の何れかに記載した転がり軸受装置。
  4. 【請求項4】 外輪相当部材と内輪相当部材との間に導
    電性を有する通電部材を掛け渡す様に設けた、請求項1
    〜3の何れかに記載した転がり軸受装置。
JP2000201026A 2000-07-03 2000-07-03 転がり軸受装置 Pending JP2002021862A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000201026A JP2002021862A (ja) 2000-07-03 2000-07-03 転がり軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000201026A JP2002021862A (ja) 2000-07-03 2000-07-03 転がり軸受装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002021862A true JP2002021862A (ja) 2002-01-23

Family

ID=18698789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000201026A Pending JP2002021862A (ja) 2000-07-03 2000-07-03 転がり軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002021862A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008230607A (ja) * 2008-06-13 2008-10-02 Ntn Corp 車輪用軸受装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0388018U (ja) * 1989-12-26 1991-09-09
JPH0614548U (ja) * 1992-07-31 1994-02-25 エヌティエヌ株式会社 通電転がり軸受
JPH0771451A (ja) * 1993-06-24 1995-03-17 Koyo Seiko Co Ltd 通電軸受
JPH08145064A (ja) * 1994-11-25 1996-06-04 Ntn Corp 自動車のステアリングコラム用転がり軸受
JP2000006610A (ja) * 1998-04-24 2000-01-11 Nippon Seiko Kk 他物品を結合した転がり軸受ユニット
JP2000018241A (ja) * 1998-07-06 2000-01-18 Nippon Seiko Kk 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0388018U (ja) * 1989-12-26 1991-09-09
JPH0614548U (ja) * 1992-07-31 1994-02-25 エヌティエヌ株式会社 通電転がり軸受
JPH0771451A (ja) * 1993-06-24 1995-03-17 Koyo Seiko Co Ltd 通電軸受
JPH08145064A (ja) * 1994-11-25 1996-06-04 Ntn Corp 自動車のステアリングコラム用転がり軸受
JP2000006610A (ja) * 1998-04-24 2000-01-11 Nippon Seiko Kk 他物品を結合した転がり軸受ユニット
JP2000018241A (ja) * 1998-07-06 2000-01-18 Nippon Seiko Kk 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008230607A (ja) * 2008-06-13 2008-10-02 Ntn Corp 車輪用軸受装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5515246B2 (ja) 車軸用軸受装置
JP6603078B2 (ja) 車輪用軸受装置
CN1985114B (zh) 密封装置
US20050236887A1 (en) Wheel support bearing assembly
US6755572B1 (en) Antifriction bearing
JP2009197975A (ja) 車軸用軸受装置
JP2014169724A (ja) シールリング付車輪支持用転がり軸受ユニット
JP2011069422A (ja) 車輪用軸受装置
US20030031393A1 (en) Bearing with tapered rolling bodies provided with a sealing device
JP2006118553A (ja) 車輪用軸受装置
JP2014114931A (ja) 転がり軸受
JP2007192392A (ja) 車輪用軸受装置
JP2002021862A (ja) 転がり軸受装置
JP2003049852A (ja) 車軸用軸受装置
JP2007100844A (ja) 車輪用軸受装置
JP2008044534A (ja) 車輪用軸受装置
JP2020139542A (ja) 車輪支持用転がり軸受ユニット
CN113107968A (zh) 具有导电介质的轴承
JP3507992B2 (ja) 密封装置
WO2023238392A1 (ja) 転がり軸受
JP2010096207A (ja) 鉄道車両用転がり軸受ユニット
JP2007211796A (ja) 車輪用軸受装置
JP2005061556A (ja) 車輪用軸受装置
JP2005226787A (ja) 軸受用密封装置
JP4812809B2 (ja) 車輪用軸受装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100511

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100921