JPH08145064A - 自動車のステアリングコラム用転がり軸受 - Google Patents
自動車のステアリングコラム用転がり軸受Info
- Publication number
- JPH08145064A JPH08145064A JP29121494A JP29121494A JPH08145064A JP H08145064 A JPH08145064 A JP H08145064A JP 29121494 A JP29121494 A JP 29121494A JP 29121494 A JP29121494 A JP 29121494A JP H08145064 A JPH08145064 A JP H08145064A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- contact
- seal
- bearing
- contact seal
- steering column
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 転がり軸受の回転トルク損失やシール性能の
低下を生じさせることなく、簡単な構造で軌道輪間の安
定した通電を図る。 【構成】 内輪1と外輪2の端部を接触シール3で閉鎖
し、その接触シール3の外側面を覆う弾性材5を、導電
性の高分子組成物で形成する。接触シール3の電気抵抗
値を100mΩ以下に設定し、この接触シール3を介し
て内輪1と外輪2を導通し、軸受に対する雨水等の侵入
を防止する。接触シール3は、標準の接触型シールを利
用できるため、低コストで製作することができる。
低下を生じさせることなく、簡単な構造で軌道輪間の安
定した通電を図る。 【構成】 内輪1と外輪2の端部を接触シール3で閉鎖
し、その接触シール3の外側面を覆う弾性材5を、導電
性の高分子組成物で形成する。接触シール3の電気抵抗
値を100mΩ以下に設定し、この接触シール3を介し
て内輪1と外輪2を導通し、軸受に対する雨水等の侵入
を防止する。接触シール3は、標準の接触型シールを利
用できるため、低コストで製作することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車のステアリン
グコラムに装着される転がり軸受に関し、特に、軸受の
軌道輪間を電気的に導通させるための構造に関するもの
である。
グコラムに装着される転がり軸受に関し、特に、軸受の
軌道輪間を電気的に導通させるための構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車のステアリングコラム用軸受にお
いては、内外の軌道輪の間が電気的な絶縁状態にある
と、軸受間での電圧降下量が低下し、軸受の接触部にお
いて静電気の放電による電食現象が引き起される問題が
ある。
いては、内外の軌道輪の間が電気的な絶縁状態にある
と、軸受間での電圧降下量が低下し、軸受の接触部にお
いて静電気の放電による電食現象が引き起される問題が
ある。
【0003】このようにステアリングコラムに装着され
る転がり軸受には、軌道輪間で通電できる機能をもつこ
とが求められており、これに対処するため、従来は、図
3に示すように軸受の一方の軌道輪2に金属製のシール
ド板10を取付け、そのシールド板10の先端を他方の
軌道輪1に軽く接触させて、両軌道輪1、2間を導通さ
せる方法が考えられている。
る転がり軸受には、軌道輪間で通電できる機能をもつこ
とが求められており、これに対処するため、従来は、図
3に示すように軸受の一方の軌道輪2に金属製のシール
ド板10を取付け、そのシールド板10の先端を他方の
軌道輪1に軽く接触させて、両軌道輪1、2間を導通さ
せる方法が考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
なシールド板10の軽い接触を利用する通電構造では、
シールド板の接触状態にわずかな変化が生じても導通量
が変化するため、安定した通電状態を保ちにくい問題が
ある。
なシールド板10の軽い接触を利用する通電構造では、
シールド板の接触状態にわずかな変化が生じても導通量
が変化するため、安定した通電状態を保ちにくい問題が
ある。
【0005】また、金属製のシールド板を常に接触した
状態とすることは、接触部での損傷発生や摩擦力の増大
を引き起こし、軸受自体の回転トルクを増大させる欠点
がある。
状態とすることは、接触部での損傷発生や摩擦力の増大
を引き起こし、軸受自体の回転トルクを増大させる欠点
がある。
【0006】さらに、上記のようなシールド板10は、
軸受の型式等に応じて特別な設計が必要となり、材料も
導電性の高いリン青銅等の高価な材料で形成する必要が
あるため、製造コストが上昇すると共に、軽い接触だけ
を行なうシールド板10では、異物に対する軸受のシー
ル性能が低下する問題もある。
軸受の型式等に応じて特別な設計が必要となり、材料も
導電性の高いリン青銅等の高価な材料で形成する必要が
あるため、製造コストが上昇すると共に、軽い接触だけ
を行なうシールド板10では、異物に対する軸受のシー
ル性能が低下する問題もある。
【0007】そこで、この発明は、上記の問題を解決
し、簡単な構造で安定して良好な通電状態と回転状態を
維持でき、しかも雨水等に対するシール性にも優れた自
動車のステアリングコラム用転がり軸受を提供すること
を目的としている。
し、簡単な構造で安定して良好な通電状態と回転状態を
維持でき、しかも雨水等に対するシール性にも優れた自
動車のステアリングコラム用転がり軸受を提供すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、内外の軌道輪の片側又は両側の端部間
を、外側面が弾性材で形成される接触シールで閉鎖し、
その接触シールの弾性材を、導電性の高分子組成物で形
成し、この接触シールの電気抵抗値を100mΩ以下と
したのである。
め、この発明は、内外の軌道輪の片側又は両側の端部間
を、外側面が弾性材で形成される接触シールで閉鎖し、
その接触シールの弾性材を、導電性の高分子組成物で形
成し、この接触シールの電気抵抗値を100mΩ以下と
したのである。
【0009】
【作用】上記の構造では、内外の軌道輪がその両者に常
時接触する接触シールの弾性材を通して導通するため、
通電状態が安定して維持される。
時接触する接触シールの弾性材を通して導通するため、
通電状態が安定して維持される。
【0010】また、接触シールは、弾性材を介して軌道
輪に接触するため、接触部分での摩耗や回転トルクの増
大が抑えられ、雨水等の侵入も確実に防止される。
輪に接触するため、接触部分での摩耗や回転トルクの増
大が抑えられ、雨水等の侵入も確実に防止される。
【0011】このような接触シールは、転がり軸受に使
用されている標準的な接触型のシールを利用でき、低コ
ストで形成することができる。
用されている標準的な接触型のシールを利用でき、低コ
ストで形成することができる。
【0012】
【実施例】図1は実施例の転がり軸受を示している。こ
の軸受は、片側シール型の玉軸受を示し、内輪1と外輪
2の片方の端部に、その内外輪間のすき間を閉鎖する接
触シール3を取付けている。
の軸受は、片側シール型の玉軸受を示し、内輪1と外輪
2の片方の端部に、その内外輪間のすき間を閉鎖する接
触シール3を取付けている。
【0013】接触シール3は、金属からなる芯金4と、
その芯金4の外側面に取付られる弾性材5とから成り、
その弾性材5の外径端部が外輪2に圧入固定され、弾性
材5の内径端部に、内輪1の外径面と接触するリップ6
が形成されている。
その芯金4の外側面に取付られる弾性材5とから成り、
その弾性材5の外径端部が外輪2に圧入固定され、弾性
材5の内径端部に、内輪1の外径面と接触するリップ6
が形成されている。
【0014】この接触シール3は、従来の玉軸受に一般
的に使用されている標準の接触型シールが使用され、そ
の接触型シールの弾性材5を導電性のある高分子組成物
で成形して形成されている。
的に使用されている標準の接触型シールが使用され、そ
の接触型シールの弾性材5を導電性のある高分子組成物
で成形して形成されている。
【0015】この弾性材5を形成する高分子組成物は、
汎用のゴムやプラスチック類から成るベース材に、導電
性を付与する充填材としての金属微粉末や導電性カーボ
ンブラックを添加し、その複合導電性高分子を一体成形
又は層状に重ね合せて形成される。
汎用のゴムやプラスチック類から成るベース材に、導電
性を付与する充填材としての金属微粉末や導電性カーボ
ンブラックを添加し、その複合導電性高分子を一体成形
又は層状に重ね合せて形成される。
【0016】この場合、カーボンブラックは、金属粉に
比べて組成物の成形が容易にでき、添加量のコントロー
ルにより任意の導電容量をもつ材料を容易に形成できる
利点がある。
比べて組成物の成形が容易にでき、添加量のコントロー
ルにより任意の導電容量をもつ材料を容易に形成できる
利点がある。
【0017】一般に、カーボンブラックの添加により、
材料の電気抵抗値が低下し、導電性が大きく向上するこ
とが知られている。
材料の電気抵抗値が低下し、導電性が大きく向上するこ
とが知られている。
【0018】また、導電性を付加する充填材としては、
カーボンブラックや金属粉の他に、酸化鉄、硫化亜鉛、
硫化銅等の金属化合物の微粉、カーボン繊維、メタライ
ズ繊維などを使用することができ、接触シール3の電気
抵抗値が100mΩ以下となるように上記導電性材料を
添加する。この場合、例えば、リン青銅の電気抵抗値が
5mΩ、オープン型軸受の負すきま品の電気抵抗値が1
00mΩ程度であり、シールの電気抵抗値が100mΩ
であれば、電食が発生しない。
カーボンブラックや金属粉の他に、酸化鉄、硫化亜鉛、
硫化銅等の金属化合物の微粉、カーボン繊維、メタライ
ズ繊維などを使用することができ、接触シール3の電気
抵抗値が100mΩ以下となるように上記導電性材料を
添加する。この場合、例えば、リン青銅の電気抵抗値が
5mΩ、オープン型軸受の負すきま品の電気抵抗値が1
00mΩ程度であり、シールの電気抵抗値が100mΩ
であれば、電食が発生しない。
【0019】上記の構造で成る実施例の転がり軸受にお
いては、接触シール3の弾性材5を介して内輪1と外輪
2が常に導通状態で維持されるため、安定して良好な通
電状態が保持される。
いては、接触シール3の弾性材5を介して内輪1と外輪
2が常に導通状態で維持されるため、安定して良好な通
電状態が保持される。
【0020】また、軟質な弾性材5が内輪1と接触して
内外輪1、2間のすき間を閉鎖するため、シール接触部
での摩擦力が小さく、軸受の回転トルクの増大が抑えら
れると共に、雨水や土砂等の侵入が接触シール3で確実
に遮断される。
内外輪1、2間のすき間を閉鎖するため、シール接触部
での摩擦力が小さく、軸受の回転トルクの増大が抑えら
れると共に、雨水や土砂等の侵入が接触シール3で確実
に遮断される。
【0021】図2は他の実施例を示し、内輪1と外輪2
の両側の端部間に導電性のある接触シール3、3を設
け、軸受に対する異物混入を両側の接触シールで遮断し
たものである。
の両側の端部間に導電性のある接触シール3、3を設
け、軸受に対する異物混入を両側の接触シールで遮断し
たものである。
【0022】なお、上記の各実施例では、玉軸受につい
て説明したが、円筒ころ軸受やその他の転がり軸受にも
同様に適用することができる。
て説明したが、円筒ころ軸受やその他の転がり軸受にも
同様に適用することができる。
【0023】また、接触シールは、図示したシール構造
に限らず、外側面が弾性材で形成されているものであれ
ば、標準の接触型シールの全てについて利用することが
できる。
に限らず、外側面が弾性材で形成されているものであれ
ば、標準の接触型シールの全てについて利用することが
できる。
【0024】
【効果】以上のように、この発明は、接触シールの電気
抵抗値を100mΩ以下となるように添加物を添加し、
この接触シールを用いて軌道輪間の導通を行なうので、
良好な通電状態を安定して保持でき、回転トルク損失が
少なく、通常の接触シール型の軸受に劣ることのないシ
ール性能の転がり軸受を提供することができる。
抵抗値を100mΩ以下となるように添加物を添加し、
この接触シールを用いて軌道輪間の導通を行なうので、
良好な通電状態を安定して保持でき、回転トルク損失が
少なく、通常の接触シール型の軸受に劣ることのないシ
ール性能の転がり軸受を提供することができる。
【0025】また、標準の接触型シールをそのまま利用
できるので、低いコストで製作できる利点がある。
できるので、低いコストで製作できる利点がある。
【図1】実施例を示す断面図
【図2】他の実施例を示す断面図
【図3】従来例を示す断面図
1 内輪 2 外輪 3 接触シール 4 芯金 5 弾性材 6 リップ
Claims (2)
- 【請求項1】 自動車のステアリングコラム用転がり軸
受において、内外の軌道輪の片側又は両側の端部間を、
外側面が弾性材で形成される接触シールで閉鎖し、その
接触シールの弾性材を、導電性の高分子組成物で形成
し、その接触シールの電気抵抗値を100mΩ以下とし
たことを特徴とする自動車のステアリングコラム用転が
り軸受。 - 【請求項2】 上記高分子組成物が、ゴム又は合成樹脂
に導電性材料を添加したものである請求項1に記載の自
動車のステアリングコラム用転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29121494A JPH08145064A (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 自動車のステアリングコラム用転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29121494A JPH08145064A (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 自動車のステアリングコラム用転がり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08145064A true JPH08145064A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=17765949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29121494A Pending JPH08145064A (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 自動車のステアリングコラム用転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08145064A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000071904A1 (de) * | 1999-05-20 | 2000-11-30 | INA Wälzlager Schaeffler oHG | Wälzlager zur lagerung einer lenkwelle |
JP2002021862A (ja) * | 2000-07-03 | 2002-01-23 | Nsk Ltd | 転がり軸受装置 |
JP2004132486A (ja) * | 2002-10-11 | 2004-04-30 | Nsk Ltd | 車輪支持用転がり軸受ユニット |
JP2005201435A (ja) * | 2003-12-18 | 2005-07-28 | Koyo Seiko Co Ltd | 密封装置およびこれを含む通電軸受 |
-
1994
- 1994-11-25 JP JP29121494A patent/JPH08145064A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000071904A1 (de) * | 1999-05-20 | 2000-11-30 | INA Wälzlager Schaeffler oHG | Wälzlager zur lagerung einer lenkwelle |
JP2002021862A (ja) * | 2000-07-03 | 2002-01-23 | Nsk Ltd | 転がり軸受装置 |
JP2004132486A (ja) * | 2002-10-11 | 2004-04-30 | Nsk Ltd | 車輪支持用転がり軸受ユニット |
JP2005201435A (ja) * | 2003-12-18 | 2005-07-28 | Koyo Seiko Co Ltd | 密封装置およびこれを含む通電軸受 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040706 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |