JP2002021324A - コンクリート打設用の化粧型枠 - Google Patents

コンクリート打設用の化粧型枠

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JP2002021324A
JP2002021324A JP2000205196A JP2000205196A JP2002021324A JP 2002021324 A JP2002021324 A JP 2002021324A JP 2000205196 A JP2000205196 A JP 2000205196A JP 2000205196 A JP2000205196 A JP 2000205196A JP 2002021324 A JP2002021324 A JP 2002021324A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート打設した表面(躯体面)に意匠
模様を表現することができる、コンクリート打設用の化
粧型枠であって、コンクリート打設後における回収・廃
棄処分について、地球環境に対応した化粧型枠の提供。 【解決手段】 コンクリート表面に目地意匠を含む凹凸
意匠を形成する合成樹脂発泡体製の型枠本体と、該型枠
本体の凹凸意匠面を非接着状態で被覆する合成樹脂製カ
バーシートとを備えたコンクリート打設用化粧型枠にお
いて、合成樹脂発泡体製の型枠本体および/または合成
樹脂製カバーシートが、生分解性であることを特徴とす
る、前記コンクリート打設用の化粧型枠である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート打設
した表面(躯体面)に意匠模様を表現することができ
る、生分解性を有する合成樹脂からなるコンクリート打
設用の化粧型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、コンクリートを利用して構築
される護岸、砂防ダム等の擁壁面、あるいは道路壁面等
において、その景観が要求される場所では、コンクリー
トを打設した躯体面を自然景観に近い状態や自然石を使
用しているような景観とするために、コンクリート打設
面を石積み模様などに形成することが行われている。ま
た近年、ビル、建物等の個性化、差別化が要求されてい
ることから、建物等のコンクリート外壁に割石などの自
然模様、あるいは幾何学的模様等の意匠模様を形成する
ことが行われてきている。
【0003】この場合の意匠模様の形成は、例えば、合
成樹脂の発泡体などからなるコンクリート打設用の化粧
型枠を使用し、通常の構築方法としては、所定の凹凸意
匠模様を有する化粧型枠を現場で組み上げ、次いでコン
クリートを打設し、養生、固化した後に当該型枠を解体
し、化粧型枠をコンクリート面から剥離する方法が採用
されている。これにより、コンクリート打設面には、使
用した化粧型枠の凹凸意匠模様とは逆向きの意匠模様が
転写されることとなる。
【0004】このようなコンクリート打設用の化粧型枠
に使用される合成樹脂発泡体としては、例えば、ポリス
チレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂な
どの発泡樹脂粒子を型成形したもの、あるいはウレタン
樹脂などのエラストマーを型成形したもの、さらには熱
可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を射出成形、回転成形したも
のが使用されている。このなかでも、最も汎用されてい
るものは、加工性やコスト面からみて、軽量であり安価
な発泡ポリスチレン樹脂製の型枠が多用されている。
【0005】ところで、この種の化粧型枠にあっては、
固化した後のコンクリート面からの剥離性は、必ずしも
良好なものであるとはいい難い。特に、景観を重視する
あまり型枠意匠が複雑化し、意匠模様の凹凸が激しい個
所では、発泡合成樹脂とコンクリートとが密着し、剥離
しにくく、剥離の際に発泡合成樹脂の型枠自体が割れて
しまい、細片化した発泡合成樹脂が、風などにより飛散
する恐れがある。
【0006】さらに、発泡合成樹脂製の型枠にあって
は、コンクリートのノロが発泡体表面の粒子間隙に食い
込み、コンクリートとの強固な接着が生じていまい、型
枠の剥離の際に、型枠自体を壊さなくてはならない問題
もあった。
【0007】したがって、このような合成樹脂発泡体製
の化粧型枠の剥離性を改良するために、これまでにいく
つかの提案がなされている。例えば、化粧型枠の意匠面
に離型剤などを塗布する提案、あるいは、型枠成形時に
意匠表面部を加熱して発泡樹脂粒子を溶かすことでスキ
ン層を設け、化粧枠自体の剥離性を向上させる提案等が
なされている。さらに、化粧型枠の意匠面に、コンクリ
ートとの密着性が悪い熱可塑性樹脂製のフィルムからな
る離型層を一体的に設け、固化後のコンクリートとの剥
離性を向上させる提案もなされている。
【0008】打設、固化した後のコンクリート面からの
化粧型枠の剥離性は、上記のごとき提案によりある程度
改良されてはいるが、型枠の意匠面にコンクリートとの
剥離性のよいフィルムを一体的に設ける手段にあって
は、コンクリート打設時にフィルムが破損したりするな
ど、穴があき易く、その部分からコンクリートが入り込
んで、型枠と接着し、かえって剥離性を悪化させ、型枠
を壊さなければならない事態が生じていた。
【0009】ところで、合成樹脂発泡体製の型枠として
汎用されている発泡ポリスチレン樹脂からなる型枠は、
コスト的に安価であることより、コンクリート打設に1
回のみ使用され、その後は回収・廃棄されるか、リサイ
クル原料として再利用されていることが多い。しかしな
がら、剥離時に化粧型枠自体が細かく割れてしまい、風
などにより飛散した発泡ポリスチレン樹脂を回収しなけ
ればならない煩雑さが生じていた。
【0010】さらに、これら回収された発泡スチロール
の表面には、コンクリートのノロが発泡表面の粒子間隙
に食い込んでいる場合があり、またセパレータの取り付
けた穴の位置にセメントが付着するなど、発泡型枠の周
囲に薄いコンクリート層が付着している場合がある。し
たがって、リサイクルするには、これらのセメント類を
完全に除去する必要があり、経済的にデメリットが多す
ぎ、リサイクル原料としては取り扱いが難しい部類に入
るものである。
【0011】そのため、剥離時における型枠の細分化を
できるだけ防ぐとともに、コンクリート面から型枠の剥
離を容易にするために、本発明者らは、すでにコンクリ
ート打設用の型枠本体の意匠面を、非接着状態でカバー
するカバーシートを提案している(特願2000−10
2143号)。先に提案したカバーシートは、カバーシ
ートへのコンクリートのノロの付着を激減させるととも
に、コンクリート面から型枠の剥離を容易にするもので
ある。したがって、このカバーシートを利用することに
より、発泡合成樹脂製の型枠について、複数回の使用を
可能にし、かかる点で経済的に優れたものではあるが、
いまだ環境対策としては十分なものとはいえない。
【0012】すなわち、複数回の使用後においても、最
終的には発泡合成樹脂製の型枠は回収・廃棄処分、ある
いはリサイクル活用がなされるが、大量に発生するこれ
ら発泡合成樹脂製の型枠の再利用には限度があり、結
局、焼却処分がなされているのが現状である。しかしな
がら、例えば、ポリスチレン系樹脂の燃焼カロリーは
9,600Kcal/kgと高く、そのため焼却処分に
際しては、特別の燃焼炉を必要とする問題点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これま
で提案されているコンクリート型枠における改良とは全
く異なる観点より、環境にやさしい化粧型枠の開発を検
討した結果、型枠用の原料合成樹脂として、最近特に開
発が進んできた生分解性の合成樹脂を選択することが最
適であるとの結論に達し、本発明を完成させるに至っ
た。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の基本的
な態様として、請求項1に記載の発明は、コンクリート
表面に目地意匠を含む凹凸意匠を形成する合成樹脂発泡
体製の型枠本体と、該型枠本体の凹凸意匠面を非接着状
態で被覆する合成樹脂製カバーシートとを備えたコンク
リート打設用化粧型枠において、合成樹脂発泡体製の型
枠本体および/または合成樹脂製カバーシートが、生分
解性であることを特徴とする前記コンクリート打設用の
化粧型枠を提供する。
【0015】その具体的な態様として、請求項2に記載
の発明は、請求項1に記載の発明において、合成樹脂発
泡体製の型枠本体が生分解性であることを特徴とするコ
ンクリート打設用の化粧型枠を提供する。
【0016】さらに、請求項3に記載の発明は、請求項
1に記載の発明において、合成樹脂製カバーシートが生
分解性であることを特徴とするコンクリート打設用の化
粧型枠を提供する。
【0017】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、合成樹脂発泡体製の型枠本体お
よび合成樹脂製カバーシートの両者が生分解性であるこ
とを特徴とするコンクリート打設用の化粧型枠を提供す
る。
【0018】また請求項5に記載の発明は、生分解性を
有する合成樹脂が、脂肪族ポリエステル系樹脂であるコ
ンクリート打設用の化粧型枠を提供し、さらに請求項6
に記載の発明は、当該脂肪族ポリエステル系樹脂が、ポ
リグリコール酸、ポリ乳酸、グリコール酸と乳酸の共重
合体、ポリアルキレンアジピン酸エステルまたはポリ
(ε−カプロラクトン)であるコンクリート打設用の化
粧型枠を提供する。
【0019】すなわち本発明は、先に本発明者らが提案
した、意匠面に目地意匠を形成する連続した凸部を有す
る型枠本体と、該型枠本体の目地意匠に対応して凹凸意
匠が付形されたカバーシートとを有する、コンクリート
表面に目地を含む凹凸意匠を形成する合成樹脂発泡体製
の化粧型枠において、カバーシートあるいは発泡体型枠
の両者、あるいはその少なくとも一つを、生分解性樹脂
を原料とした点に特徴とするものである。
【0020】本発明が提供するコンクリート打設用の化
粧型枠にあっては、凹凸意匠面を被覆するカバーシート
は、コンクリート打設時においては、コンクリートと直
接接することになるため、生分解性樹脂を原料とする場
合にあっては、コンクリートのアルカリ性に耐えるカバ
ーシートを選択することが望ましい。この場合、完全な
耐アルカリ性である必要はなく、少なくとも打設したコ
ンクリートの養生期間内は耐えるものを選択すればよ
い。
【0021】一方、型枠本体は、カバーシートによって
打設コンクリートの影響を防止することができるので、
生分解性樹脂を原料として使用する場合であっても、特
に耐アルカリ性の樹脂を選択する必要はない。したがっ
て、型枠に使用されている通常の発泡合成樹脂と同程度
の、打設コンクリートの圧力に耐える強度を有するもの
であればよい。
【0022】本発明で提供される発泡体製の型枠本体、
あるいはカバーシートにおいては、その原料樹脂として
生分解性を有する樹脂を採用したことより、それらの廃
棄処分にあたっては、微生物による分解が可能である。
したがって、コンクリート打設面より剥離された型枠本
体あるいはカバーシートに、コンクリートのノロが多少
付着していても、土中への埋め立て、活性汚泥中への投
入、あるいはコンポスト中への投入などにより、型枠本
体あるいはカバーシートを完全に生分解することがで
き、現場打設後の環境対策として、地球環境への負荷が
少ないものとなり、理想的な廃棄処理方法を確保し得る
特徴を有する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明が提供するコンク
リート打設用の化粧型枠について、その詳細を、図面を
参照にしながら説明する。
【0024】図1は、本発明が提供するコンクリート打
設用の化粧型枠であって、一例としての道路壁面等に施
工される擬石積み用の化粧枠を、その凹凸意匠を施した
側から見た正面図であり、図2は、図1のA−A線にお
ける切断面を示す。すなわち、本発明のコンクリート打
設用の化粧型枠10は、コンクリート表面に目地意匠部
bとなる凸部13と、擬石部cとなる凹部14に該当す
る凹凸意匠を形成する合成樹脂発泡体製の型枠本体11
と、該型枠本体の凹凸意匠面を、非接着状態で被覆する
合成樹脂製カバーシート12とを備えたコンクリート打
設用化粧型枠からなる。なお、合成樹脂製カバーシート
12は、型枠本体11の4側面部を被覆し、その長さと
ほぼ同じな長さの側面を有している。
【0025】本発明のコンクリート打設用の化粧型枠1
0にあっては、合成樹脂発泡体製の型枠本体11および
/または合成樹脂製カバーシート12は、生分解性を有
する樹脂により製造されている。
【0026】そのような生分解性を有する樹脂として
は、例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂からなり、その
ポリマー主鎖における繰り返し単位中の酸素含有量が2
0%〜60%である樹脂を好適に例示することができ
る。
【0027】より具体的な脂肪族ポリエステル系樹脂と
しては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、あるいはグリコ
ール酸と乳酸の共重合体、ポリアルキレンアジピン酸エ
ステル、あるいはポリ(ε−カプロラクトン)を例示す
ることができる。
【0028】本発明が提供するコンクリート打設用の化
粧型枠10にあっては、化粧型枠を構成する合成樹脂発
泡体製の型枠本体11、および意匠面を非接着状態で被
覆する合成樹脂製カバーシート12の両者が、ともに上
記の生分解性である合成樹脂を原料としたもの、すなわ
ち、生分解性を有する合成樹脂発泡体からなる型枠本
体、ならびに、生分解性を有する合成樹脂製カバーシー
トであるか、そのうち一方が生分解性を有する合成樹脂
を原料とし、他は通常の合成樹脂からなるものを包含す
る。
【0029】すなわち、型枠本体11は、通常の汎用さ
れている発泡合成樹脂からなり、カバーシート12が生
分解性を有する合成樹脂製カバーシートであるか、ある
いは、型枠本体11が生分解性を有する合成樹脂発泡体
からなり、カバーシート12は、通常の熱可塑性樹脂シ
ートからなるものである。
【0030】そのような熱可塑性樹脂としては、ポリス
チレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系
樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂などを挙げ
ることができる。
【0031】一方、上記した生分解性を有する合成樹脂
の発泡体としては、例えば、上記した脂肪族ポリエステ
ル系樹脂を原料として発泡したものであり、この脂肪族
ポリエステル系樹脂には、ウレタン結合を有して高分子
量化を図ったもの、成形加工性に優れた溶融特性を有す
るもの等を使用することができる。また必要に応じて、
酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、ワックス
類、着色剤、結晶化促進剤等を添加することもできる。
【0032】その発泡体の製造は、例えば、上記のよう
な脂肪族ポリエステル系樹脂および添加剤を押出機に投
入し混練して、水中に押出した後にカッターで裁断し
て、0.05〜10mm程度のペレット状にして、脂肪
族ポリエステル系樹脂の粒子を得る。
【0033】この得られた樹脂粒子を水中に懸濁し、攪
拌しながら揮発性発泡剤を圧入して加熱することによ
り、発泡性脂肪族ポリエステル系樹脂粒子が得られる。
この場合に使用される揮発性発泡剤としては、プロパ
ン、ブタン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素や、メチルク
ロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素
を挙げることができる。
【0034】このようにして得られた発泡性脂肪族ポリ
エステル系樹脂粒子を、水蒸気等により加熱して、所望
倍率または所望倍率よりも低倍率に予備発泡(一次発
泡)して、この発泡粒子を熟成乾燥させる。かくして得
られた予備発泡粒子を所望の成形型に充填し、蒸気等に
より加熱または加圧し、一体化または発泡一体化して本
発明の化粧型枠本体の形状とすることができる。
【0035】なお、上記以外の方法として、例えば、特
許公報第2609795号、特開2000−10959
5号、特開2000−017037〜2000−017
039号公報等に記載された樹脂や、その製造法により
発泡体を製造してもよい。これらの発泡体も、通常使用
される化粧型枠と同様にして、化粧型枠を製造すること
ができる。この発泡体における発泡密度としては、0.
03〜0.012g/cm3程度であり、好ましくは
0.025〜0.014g/cm3程度である。
【0036】一方、生分解性を有する合成樹脂のカバー
シートを得るには、上記した生分解性を有する合成樹脂
を、基材シートとなし、その基材シートを真空(仮付
形)、プレス成形(本付形)などの加工方法によって型
成形されることにより製造される。かくして成型された
カバーシートは、生分解性であり、その伸び率が15%
〜50%の範囲内にあるものが好ましい。伸び率が15
%未満では、型枠としての凹凸意匠模様を得るのが困難
であり、また50%を越えるものでは柔軟性がありすぎ
て型枠本体、ならびにコンクリートへの付着が生じやす
い。
【0037】カバーシートとしての生分解性の程度は、
シート厚、土中のバクテリアの有無によって異なってく
るが、シート厚としては、0.15mm〜0.5mm程
度のものが好ましい。シート厚が0.15mm未満で
は、凹凸意匠模様を明確に出すことが困難であり、また
0.5mmを越える場合には、微生物分解酵素等の有無
にもよるが、生分解速度が遅いものであり、あまり好ま
しいものとはいえない。
【0038】生分解性樹脂を使用しないカバーシートに
おいても、同様に作成され、その伸び率が15〜50%
の範囲内にあるものが好ましく使用される。どちらの場
合でも、カバーシートは、打設コンクリートから剥離さ
れた後、廃棄されるが、型枠本体が再利用可能な状態で
剥離されれば、新しいカバーシートで被覆し転用するこ
とができる。
【0039】本発明が提供するコンクリート打設用の化
粧型枠にあっては、合成樹脂製カバーシートは、合成樹
脂発泡体製の型枠本体の凹凸意匠面を、非接着状態で被
覆するようカバーされていればよく、そのような合成樹
脂発泡体製の型枠本体と、その凹凸意匠面を被覆するよ
うカバーする合成樹脂製カバーシートの製造は、具体的
には、先に本発明者らが提案した方法(特願2000−
102143)に記載の方法で実施することができる。
【0040】例えば、コンクリート表面に目地意匠を含
む凹凸意匠を形成する型枠本体は、成形型を用いて発泡
性合成樹脂により成形され、しかもその意匠面には目地
意匠を形成する連続した凸部を有する一方、意匠面から
裏面にかけて複数の貫通孔が設けられ、凹凸意匠面を被
覆するカバーシートは、上記型枠本体用の成形型または
これと同じ意匠面を有する別の成形型を用いて、生分解
性を有する基材シートあるいは熱可塑性樹脂の基材シー
トを真空成形により仮付形される。次いで、仮付形後の
カバーシートを、上記成形型にセットした状態で、上記
型枠本体と同形状で少なくとも意匠面に弾力性を有する
型を押し型として用いて、該押し型に形成された貫通孔
よりエアーを抜きながら、カバーシートを本付形するこ
とにより製造することができる。
【0041】その具体的製造を、別の実施例としての石
積み模様用の化粧枠について、図面を参照にして説明す
る。図3は、本発明の別の実施例に係る合成樹脂発泡体
製の化粧型枠の製造方法における、型枠本体の成形工程
を示す説明図であり、図4は、同化粧型枠の製造におけ
るカバーシートの成形工程を示す説明図である。
【0042】図3において、20は合成樹脂発泡体製の
化粧型枠10の一部を構成する型枠本体成形用の金型装
置であり、この金型装置20は、矩形蓋状の移動金型2
1と、石積み柄の意匠面を有する金型(成形型)22a
が連結された固定金型22を執している。移動金型21
には、原料である予備発泡された合成樹脂発泡粒子(生
分解性を有する合成樹脂発泡粒子を包含する)が、嵌合
後の金型21、22の内部空隙に充填され、型枠本体1
1が形成される。なお、24aは、型枠本体11の凸部
である。
【0043】固定金型22は、移動金型21側の面が開
口された矩形箱状の金型フレーム25と、この金型フレ
ーム25の内部には、成形金型22aの意匠部分を補強
する多数本の補強支持棒26によって支持された金型枠
27が設けられている。この金型枠27の外面には補強
板28が固定されており、この補強板28に、上記成形
金型22aが取り付けられている。これらの補強板28
および補強支持棒26は、着脱自在にボルト締着されて
いる。
【0044】したがって、移動金型21と固定金型22
とを嵌合し、その後、移動金型21、固定金型22の内
部空隙に、原料充填シリンダ23より合成樹脂発泡粒子
(生分解性を有する合成樹脂発泡粒子を包含する)が充
填される。このようにして、型枠本体11が中間製造さ
れる。この型枠本体11には、カバーシート12の被覆
時にエアー抜き孔となり、しかも意匠面から裏面に貫通
する図示しない貫通孔が形成されている。なお、この貫
通孔を形成する方法としては、金型装置20の型枠本体
成形用の空隙内に、この貫通孔用の柱状体を配設して型
枠本体11を成形する。なお、貫通孔は、型枠本体11
の成形後に、別途、後加工により設けてもよい。
【0045】なお、成形金型22aの凹部の最下部と、
これ臥固定される補強板28の各対抗部分には、それぞ
れ多数の小孔a(5〜10mm)が穿設されている。こ
れらの小孔aを介して、型枠本体1の融着成形に利用さ
れる蒸気が供給される。一方、成形金型22aの意匠部
分にもコンクリートへの転写の模様不都合をなくすた
め、小さなキリ孔(0.5〜1.0mm)である蒸気孔
が形成されている(図示せず)。
【0046】次に、図4を参照にして、カバーシート1
2の仮付形を行う真空成形工程を説明する。まず図3に
おいて、移動金型21から補強板28が連結された成形
金型22aを取り外し、図示しない真空装置に取り付け
る。また、補強板28の外周縁には、木製の矩形枠板2
9が固着される。なお、上記型枠本体11の側面部にお
いては、石積み模様の意匠面を被覆する部分により形成
される角度は鈍角になっている。したがって、この鈍角
によりカバーシートは型枠本体を被覆する際に、型枠本
体11の外周部に嵌め込みやすいものとなる。
【0047】シート真空成形時に、生分解性を有する合
成樹脂製の基材シートS、あるいは剥離性の高い基材シ
ートSを加熱し、図3の型枠本体成形時に使用し成形金
型22a上に配置する。次いで、この状態で図示しない
負圧発生装置によって各貫通孔aから基材シートSを吸
引する。この吸引によって、基材シートSが成形金型2
2aの意匠面に密着されて、ほぼ同じ形状に仮付形され
る。
【0048】その後、基材シートSを成形金型22a上
に仮付形セットしたまま、移動金型21’に装着された
型枠本体と同形状の高密度(例えば、30Kg/m3
の成形品を押し型24’として使用(図中、矢印方向)
し、基材シートSを本付形(プレス成形)する。このプ
レス成形により、基材シートSが、カバーシート12に
成形されることとなる。
【0049】かかる製造法により、型枠本体と同形状で
あって、かつ発泡密度が例えば30kg/cm3と高密
度の押し型24’を使用することによって、適度な弾性
を有し、意匠面の凹部における最下部の鋭角部分(目地
部分)が、良好に現出されることとなる。なお、24’
aは、押し型の凸部である。
【0050】以上の製造法により成形されたカバーシー
トの成形後の外観形状としては、カバーシート12の意
匠面と側面部をなす角度が鈍角となっているため、カバ
ーシート12を、型枠本体11に被せやすいものとなっ
ている。
【0051】なお、以上の製造方法の説明においては、
カバーシート製造における真空成形時の成形金型22a
と、型枠本体製造における成形金型22aを共用したも
のとしたが、同じ意匠面を有するそれぞれ別の金型を用
いてもよい。また同様に、カバーシートのプレス成形時
の押し型においても、型枠本体と同じ形状で高密度品を
使用したが、通常の金型の押し型であって、少なくとも
凸部押出し部の先端が、弾性体になっているものを使用
することもできる。
【0052】上述したように、本発明のコンクリート打
設用の化粧型枠にあっては、カバーシート12は、打設
されたコンクリート、および型枠本体11には一体的に
接着されていないので、型枠本体11から容易に剥離す
ることができ、また、打設されたコンクリートの意匠面
からも容易に剥離することができる。その結果、コンク
リートの意匠面には、縦横に目地が通った、良好な擬石
積み模様が現出されることとなる。
【0053】以上の施工により、特に、化粧型枠の意匠
面に目地付きの意匠を有し、かつ同一意匠内の高低差が
大きなものでも、コンクリート打設面から容易に化粧型
枠を剥離することが可能であり、しかも、化粧型枠は、
剥離時にほとんどわれが生じない。したがって、本発明
の化粧型枠は複数回の使用が可能となる。
【0054】そのうえ、最終的な回収・廃棄処分として
は、生分解性の合成樹脂を原料としてあるため、容易
に、型枠あるいはカバーシートを土中への埋め立て、活
性汚泥中への投入、あるいはコンポスト中への投入する
ことなどにより、完全に分解することができ、現場打設
後の環境対策として、地球環境への負荷が少ないものと
なり、理想的な廃棄処理方法を確保し得る利点を有す
る。
【0055】
【発明の効果】以上記載のように、本発明は、コンクリ
ート表面に目地意匠を含む凹凸意匠を形成する合成樹脂
発泡体製の型枠本体と、該型枠本体の凹凸意匠面を非接
着状態で被覆する合成樹脂製カバーシートとを備えたコ
ンクリート打設用化粧型枠において、複数回利用になっ
た化粧型枠本体に比べ、カバーシートは打設コンクリー
トより剥離後、廃棄され、型枠本体は新しいカバーシー
トで被覆され再度利用される。したがって、カバーシー
トのみを生分解性樹脂を使用することにより、カバーシ
ートの廃棄を容易とすることができる。
【0056】また、型枠本体のみを生分解性を有する樹
脂を原料とした場合においても、複数回使用した後、最
終的な廃棄を容易とすることができる。
【0057】さらに型枠本体およびカバーシートの両方
を、生分解性を有する樹脂を原料とすることで、上記し
た両方の効果を得ることができ、地球環境に負荷のかか
らない廃棄処分が可能となる。したがって、コンクリー
ト打設現場における廃棄を行うことが可能となった点
で、特別の焼却炉を必要としない利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施によるコンクリート打設用化粧
型枠について、その意匠凹凸面側から見た正面図であ
る。
【図2】図1のA−A線の断面図である。
【図3】本発明の別の実施例に係る、コンクリート打設
用化粧型枠の製造方法における型枠本体の成形工程を示
す説明図である。
【図4】本発明の別の実施例に係る、コンクリート打設
用化粧型枠の製造方法におけるカバーシートの成形工程
を示す説明図である。
【符号の説明】
10 化粧型枠 11 型枠本体 12 カバーシート b 目地意匠部 c 擬石部 13 凸部 14 凹部 20 型枠本体成形用の金型装置 a 貫通孔 21 移動金型 22 固定金型 22a 成形金型 S 基材シート 24’ 押し型

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート表面に目地意匠を含む凹凸
    意匠を形成する合成樹脂発泡体製の型枠本体と、該型枠
    本体の凹凸意匠面を非接着状態で被覆する合成樹脂製カ
    バーシートとを備えたコンクリート打設用化粧型枠にお
    いて、合成樹脂発泡体製の型枠本体および/または合成
    樹脂製カバーシートが、生分解性であることを特徴とす
    る、前記コンクリート打設用の化粧型枠。
  2. 【請求項2】 合成樹脂発泡体製の型枠本体が生分解性
    であることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリー
    ト打設用の化粧型枠。
  3. 【請求項3】 合成樹脂製カバーシートが生分解性であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート打
    設用の化粧型枠。
  4. 【請求項4】 合成樹脂発泡体製の型枠本体および合成
    樹脂製カバーシートの両者が生分解性であることを特徴
    とする、請求項1に記載のコンクリート打設用の化粧型
    枠。
  5. 【請求項5】 生分解性を有する合成樹脂が、脂肪族ポ
    リエステル系樹脂である請求項1ないし4のいずれかに
    記載のコンクリート打設用の化粧型枠。
  6. 【請求項6】 脂肪族ポリエステル系樹脂が、ポリグリ
    コール酸、ポリ乳酸、グリコール酸と乳酸の共重合体、
    ポリアルキレンアジピン酸エステルまたはポリ(ε−カ
    プロラクトン)である請求項5に記載のコンクリート打
    設用の化粧型枠。
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