JP2002021192A - H形鋼ブレースの接合部 - Google Patents
H形鋼ブレースの接合部Info
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Abstract
要構造物側のガセットプレート低減、スプライスプレー
トのパーツ数削減が可能な、効率のよい経済的な接合部
の構造を提供する。 【解決手段】 H形鋼ブレース1をガセットプレート2
を介して構造物の主要骨組にボルト接合する。H形鋼ブ
レース1とガセットプレート2のボルト接合は、H形鋼
ブレース1のウェブ位置のみで行うこととし、H形鋼ブ
レース1のフランジ位置にはスプライスプレート3や高
力ボルト4が不要となる。また、一般的には、H形鋼ブ
レース1のウェブの板厚は、フランジの板厚より大きく
することが好ましい。
Description
組の層間に組み込まれるH形鋼ブレースの接合部の構造
に関するものである。
組にボルト接合する場合には、H形鋼のフランジとウェ
ブの両者を接合している。その場合、主要構造物側のガ
ッセット部にはH形鋼のフランジとウェブに対応する断
面を設ける必要がある。
ト部に設けるには、フランジに対応する部分を曲げ加工
あるいは溶接組立により製作することになり、接合部加
工工数の増加の要因となっている。また、フランジとウ
ェブをボルト接合することは、スプライスプレートのパ
ーツ数の増大を招いている。
70608号では、ブレース端部を取り付け板を兼ねる
形状に加工し、ガセットプレートにボルト接合する取り
付け構造を提案している。
08号公報記載の発明では、主要構造物側のガッセット
部にフランジとウェブに対応する断面を設ける必要がな
いため、ガセット部の加工工数は減少するが、ブレース
端部を加工する必要があるため、ブレース側の製作工数
が増す。
に、一般的なボルト配置でボルト接合する構造におい
て、接合部の破断を防止するためには、前述のようにフ
ランジとウェブの両者をガセット部に接合する必要があ
り、そのような理由からH形鋼のウェブのみを接合し、
フランジ部を接合しない構造は実用化されていない。
でボルト接合する構造により、ブレース側の加工工数を
増やすことなく、主要構造物側のガセットプレート低
減、スプライスプレートのパーツ数削減が可能な、効率
のよい経済的な接合部の構造を提供することを目的とし
たものである。
明は、H形鋼ブレースをガセットプレートを介して構造
物の主要骨組にボルト接合するH形鋼ブレースの接合部
において、前記H形鋼ブレースとガセットプレートと
を、H形鋼ブレースのウェブ位置のみでボルト接合して
あることを特徴とするものである。
スの接合部において、前記H形鋼ブレースのウェブの板
厚tw が、下記の式(1) を満足するものであることを特
徴とするものである。
をスプライスプレートを介してガセットプレートにボル
ト接合(高力ボルト接合)する場合において、フランジ
についてはガセットプレートと接合せずに、ウェブのみ
をボルト接合する場合の破壊形式としては、ボルトのせ
ん断力による破断、ボルト孔による断面欠損部における
母材の破断、ガセットプレートとの接合部近傍でのはし
ぬけ破断、多数配置したボルト接合部外周位置での局部
的ちぎれ破断が考えられる。
の局部的ちぎれ破断である。局部的ちぎれ破断のモード
はボルトを配置した領域の外周で破断するモードであ
り、ブレース材軸方向に沿う辺はせん断力により、材軸
直交方向の辺は引張力により破断する。
の板厚を大きくするか、ボルトの材軸方向ピッチを大き
くすることが考えられる。それによって、フランジの接
合を行わないウェブのみのボルト接合でH形鋼ブレース
を主要骨組に接合することが可能となる。
の板厚が不足し、上記条件を満たすことができないた
め、ウェブのみでのボルト接合が行われていない。本願
の発明者らは、上述のようにウェブの板厚あるいはボル
トピッチを適切に設定することで、局部的ちぎれ破断を
防止できることを見出し、ウェブのみでのボルト接合に
よるH形鋼ブレースの接合の実用化を可能とした。
の安全率α(=1.2)を考慮した上で、ウェブの板厚
tw と、ボルトの配置や強度(ボルト短期許容せん断耐
力R sy、一列に打つボルト本数j、ボルトピッチp、端
あき距離e、隣り合う列のゲージ間隔g、ボルト孔径
φ)、H形鋼の材質および断面(H形鋼全断面積At 、
H形鋼の降伏比YR 、H形鋼の降伏応力σy )などとの
関係から、局部的ちぎれ破断が生じないと考えられるウ
ェブの板厚の条件を求めたものであり、式(1) により本
願発明のH形鋼ブレースの接合部に適したウェブの板厚
tw 、あるいはH形鋼断面を決定することができる。
厚に比べてフランジの板厚が小さく、局部的ちぎれ破断
が生ずる恐れが大きいが、ウェブの板厚をフランジの板
厚より大きくした範囲では、比較的上記式(1) の条件を
満たす断面が得やすい。
条件その他によってはウェブの板厚がフランジの板厚よ
り小さくても、上記式(1) を満たし、ウェブのみでのボ
ルト接合が可能となる。
スの接合部の基本構造を示したもので、H形鋼ブレース
1のウェブとガセットプレート2を2枚のスプライスプ
レート3で挟み込み、高力ボルト4によりボルト接合さ
れている。
ブが必要な場合があるが、補剛リブは、通常、隅肉溶接
で良いので加工工数はさほど増大しない。
本数、pはボルトピッチ、gはゲージ間隔、eは端あき
距離を表している。
ブレースの接合部の一実施形態を示したもので、特にス
プライスプレートとして形鋼を用いた場合である。すな
わち、図2の例はスプライスプレート3aとしてCT形
鋼を用いた場合であり、図3の例はスプライスプレート
3bとして溝形鋼を用いた場合である。
ことで、ガセット部の座屈補剛を兼ねさせることができ
る。
部の他の実施形態を示したもので、スプライスプレート
を介することなく、ガセットプレート2に延長部2aを
設け、H形鋼ブレース1のウェブとボルト接合した例で
ある。
設資材量の低減、省力化が図れる。図5は、比較例とし
て従来のボルト接合によるH形鋼ブレース1の接合部の
一般的な形態を示したものである。
者を、高力ボルト4でボルト接合するため、ガセット部
にもフランジに対応する鋼板が必要となっている。この
鋼板はブレース材軸方向と平行にする必要があるため、
柱5および梁6接合部近傍で曲げ加工あるいは溶接接合
が必要となる。
て、ウェブのみでボルト接合した場合のクリティカルな
破壊モードである局部的ちぎれ破断モードを説明的に示
したものである。
を配置した領域の外周で破断するモードであり、ブレー
ス材軸方向に沿う辺はせん断力により、材軸直交方向の
辺は引張力により破断する。
従来型の接合部を比較したものである。H形鋼ブレース
としては、従来型接合に対しては既存の圧延H形鋼(H
−350×350×12×19)を使用している。本願
発明による接合部に対しては、同断面積のH形鋼(H−
342×360×22×15)を使用し、局部的ちぎれ
破断モードに対してウェブ板厚を厚くしている。材質は
SM490とした。
接合部隅角部に取り付くガセット部であり、本願発明に
よる接合部は従来型接合部に比べ、ガセット部の大きさ
も小さく、H形鋼のフランジに対応する断面がガセット
部になく、ウェブのみを接合すれば良い。
必要があるが、補剛リブはすみ肉溶接で良い。また、ス
プライスプレートもウェブ部分のみで良い。
接合用のH形鋼を用いた接合部は従来型接合部に比べ、
加工工数も大幅に減少し、コストパフォーマンスに優れ
た接合部であることが分かる。
8.83×106 N(旧単位系の600tf〜900t
fに相当)のウェブ接合が可能なH形鋼の断面である。
設計の条件は、保有耐力接合が可能で(α=1.2)、
かつ、ガセット部の高さを最小化する内法一定の圧延H
形鋼とした。
した。また、H形鋼の鋼種はSM490、高力ボルトは
Fl0T−M22を使用した。高力ボルト本数はブレー
ス降伏軸力に対して、短期許容力以内に収まるように算
定している。
た式(1) による予測の比較である。式(1) による予測結
果は、表1の結果の下限値を与えており、式(1) により
ウェブ接合で保有耐力接合を満足し、かつ、ガセット部
の高さを最小化するH形鋼ウェブ板厚が予測可能である
ことが分かる。
れていたウェブのみでのボルト接合によりH形鋼ブレー
スの接合を行うものであり、従来のウェブとフランジの
両者をスプライスプレートなどを介してボルト接合する
場合に比べ、ガセットプレートの加工工数が減少し、ま
た、フランジ位置のスプライスプレートやボルトの省略
によりパーツ数も大幅に減少する。
への取付けが容易となり、またコスト面でもメリットが
大きい。
造を示す正面図である。
形態を示す正面図である。
施形態を示す正面図である。
他の実施形態を示す正面図である。
合部の一般的な形態を示す正面図である。
でボルト接合した場合の局部的ちぎれ破断モードの説明
図である。
来のH形鋼ブレースの接合部を比較するための説明図で
ある。
が可能なH形鋼と、請求項2の式(1) で与えられるウェ
ブ板厚との関係を示すグラフである。
長部、3,3a,3b…スプライスプレート、4…高力
ボルト、5…柱、6…梁
Claims (2)
- 【請求項1】 H形鋼ブレースをガセットプレートを介
して構造物の主要骨組にボルト接合するH形鋼ブレース
の接合部において、前記H形鋼ブレースとガセットプレ
ートとを、H形鋼ブレースのウェブ位置のみでボルト接
合してあることを特徴とするH形鋼ブレースの接合部。 - 【請求項2】 前記H形鋼ブレースのウェブの板厚tw
が、下記の式(1) を満足するものであることを特徴とす
る請求項1記載のH形鋼ブレースの接合部。 【数1】 ここで、 α:保有耐力接合の安全率(=1.2)、 At :H形鋼全断面積、 YR :H形鋼の降伏比、 σy :H形鋼の降伏応力、 Rsy:ボルト短期許容せん断耐力、 j:一列に打つボルト本数、 p:ボルトピッチ、 g:ゲージ間隔、 e:ボルト接合における端あき距離、 φ:ボルト孔径。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004324270A (ja) * | 2003-04-25 | 2004-11-18 | Nippon Steel Corp | ガセットプレートを用いた構造物の接合構造および建築物 |
JP2015161148A (ja) * | 2014-02-28 | 2015-09-07 | 大和ハウス工業株式会社 | 座屈拘束ブレースの接合構造 |
CN109914600A (zh) * | 2019-04-28 | 2019-06-21 | 柏林 | H型钢建筑中的固定件 |
JP2019112881A (ja) * | 2017-12-26 | 2019-07-11 | Jfeエンジニアリング株式会社 | ブレース材及び/又は梁材の架構への接合構造 |
JP2020041319A (ja) * | 2018-09-10 | 2020-03-19 | 大和ハウス工業株式会社 | 主構造とブレースの接合構造 |
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