JP2002020836A - スラブ、薄鋼板、およびそれらの製造方法 - Google Patents

スラブ、薄鋼板、およびそれらの製造方法

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JP2002020836A JP2001132265A JP2001132265A JP2002020836A JP 2002020836 A JP2002020836 A JP 2002020836A JP 2001132265 A JP2001132265 A JP 2001132265A JP 2001132265 A JP2001132265 A JP 2001132265A JP 2002020836 A JP2002020836 A JP 2002020836A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボロン添加鋼の高速鋳込を行ってもスラブの
表面割れの見られない連続鋳造方法を提供する。 【解決手段】 B=0.0002〜0.0060%、N ≦0.0065%、T
i≦0.070 %を含む鋼組成を有する溶鋼から下記(1)
式の条件で連続鋳造を行う。 1.2 ≦Vc≦-3×108 [B×(N-14/48Ti)]2-11500B×(N-1
4/48Ti)+2.03・・・ (1) ただし、Vc:m/min. B、N 、Ti:質量%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラブ、薄鋼板、
それらの製造方法に関する。より詳述すれば、本発明
は、耐時効性に優れかつプレス成形性に優れたボロン添
加薄鋼板とその製造方法およびそのためのスラブとその
連続鋳造方法に関し、特に、スラブおよび薄鋼板の表面
欠陥を抑制し、自動車や家電用途に適した良好な表面性
状を有する薄鋼板を製造できるスラブとその連続鋳造方
法ならびに薄鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボロンは鋼中に含有されると変態点温度
を低下させるため、例えば熱延鋼板においては仕上げ圧
延温度を低下でき、薄物の製品製造が容易になる。ま
た、自動車部品などにプレス成形して用いる加工用鋼板
においては、ボロン添加により窒素時効が抑制された
り、極低炭鋼においては粒界結合力を上げて二次加工脆
性が抑制されるなど、ボロン添加鋼の加工性は優れたも
のとなることが、広く知られている。
【0003】一方、ボロンを添加すると連続鋳造時にス
ラブ表面に微細な割れが生じ、そのまま熱間圧延を行う
と表面疵を生じ、製品表面欠陥により外観を損なうこと
がある。
【0004】従来にあっても、このスラブの表面割れを
防止するための手段がいくつか提案されている。例え
ば、特開昭56-20119号公報の開示する方法は、表層のB
量を低下して割れを抑制する方法である。
【0005】特開昭56-80354号公報には、B量を逆に30
ppm 以上とすること、およびそれ以下の時には窒素との
関係で特定領域に制御すること、さらにはΔT( 断面収
縮率が60%となる温度域の広さ) を50℃以下にするこ
とにより割れを抑制する方法が開示されている。
【0006】ところで、最近の連続鋳造技術の進歩によ
りスラブ厚が250mm 以上と厚肉化され、さらに、冷却技
術が進歩し鋳込み速度も、例えば1.2m/min以上と高速化
している。このため、実際には鋳込み速度が速い領域で
表面疵が発生することが多く、上述のような従来技術で
はかならずしも抑制しきれていない。
【0007】特開昭57-60050号公報の開示する発明では
Tiを過剰に添加することで、窒素による弊害を取り除
こうとするものであるが、表面疵を抑制するためには過
剰量のTiの添加が必須となりその分コスト高にならざ
るを得ない。また、Tiの過剰添加は製品の延性を劣化さ
せる危険がある。
【0008】さらに特開平6-297088号公報では鋳込み速
度に応じてボロン、窒素、酸素を制御する方法が開示さ
れているが、連続鋳造機前において鋼中成分を制御する
ことは実際的には不可能に近く、実用的ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】最近の連続鋳造技術の
進歩により、スラブ厚が250mm以上となりさらには
鋳込み速度が例えば1.2m/min 以上、特定的には1.4m/m
in以上と全体に高速化しているため、従来技術では抑制
しきれない速度領域での表面疵発生抑制方法が求められ
ている。
【0010】ここに本発明の一般的な課題は、上述のよ
うな従来技術の問題点を解消し得る技術を開発すること
である。より特定的には、本発明の課題は、ボロン添加
鋼の高速鋳込を行う際に、スラブの表面割れの見られな
い連続鋳造方法を提供することである。
【0011】さらに本発明の課題は耐時効性およびプレ
ス成形性に優れた薄鋼板の製造方法を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者は、ボロン添加鋼
による連続鋳造後のスラブ表面割れの原因について詳細
に調査を実施したところ、次のような知見を得た。
【0013】(1) 割れ原因は固溶ボロンそのものよりむ
しろ、スラブ表面のオーステナイト粒界に過剰に析出し
たボロンの析出物(以下、代表してBNと称する)が主
な原因であり、これに鋳込み中のバルジングや曲げ応力
が加わるとき発生する。
【0014】(2) そこで、根本原因であるBNの析出量
を抑制するため、スラブ厚250mm 以上の場合における連
続鋳造条件を成分に応じて制御し、ボロンと窒素が固溶
状態で鋳込みを完了する、すなわちBNを析出させずに
鋳造を完了しスラブとすることを着想した。
【0015】(3) しかし、そのままではボロン添加の本
来の目的であるBNを析出させることができないため、
プレス成形性が劣ることがある。そこで、スラブ加熱温
度および熱間圧延仕上げ温度並びに巻き取り温度を特定
することにより、BNの析出を促進させ所望の性能を発
現させる。
【0016】このように、鋳造条件および熱延条件を特
定条件に制御することで製品表面ならびに製品性能の優
れた薄鋼板を製造できることを知り、本発明を完成し
た。すなわち、ボロン添加鋼による連続鋳造後のスラブ
表面割れの原因はスラブ表面のオーステナイト粒界に過
剰に析出したBNが主な原因であり、これに鋳込み中の
バルジングや曲げ応力が加わるとき発生する。そこで、
連続鋳造後の冷却速度を上げ、BNとして析出させるこ
となく、すなわち、ボロンと窒素を固溶状態で凝固させ
るのである。
【0017】しかし、鋳込み中の冷却速度、あるいは温
度を測定することは実際的に困難である。そこで、冷却
速度に代わる実際的指標として鋳込み速度をその成分に
応じて制御する方法を検討した。結果、ボロン添加鋼に
おいて、その成分値に応じて下記(1)式になるよう、
連続鋳造速度(Vc;m/min. )を調整することがBNの
析出防止に有効であることが判明し、本発明に至った。
ただし、Tiを添加した場合はBNが形成されにくく、Vc
への依存性は小さくなる。
【0018】すなわち、本発明は、次の通りである。 (1) B添加鋼であって、質量%で、B :0.0002〜0.0060
%、N :0.0065%以下、さらに必要に応じ、Ti:0.070
%以下を含む鋼組成を有し、凝固時にBNを析出させ
ず、BおよびNが固溶状態で含有される連続鋳造スラ
ブ。
【0019】(2) 前記鋼組成が、さらに、質量%で、
C:0.12%以下、Mn:0.05〜1.60%、P:0.100 %以
下、S:0.020 %以下、Al:0.100 %以下をさらに含有
することを特徴とする上記(1) 記載の連続鋳造スラブ。
【0020】(3) 前記鋼組成が、さらに、質量%で、N
b:0.002 〜0.060 %、およびV:0.002 〜0.050 %の
一種または二種を含むことを特徴とする上記(1) または
(2)記載の連続鋳造スラブ。
【0021】(4) 質量%で、B :0.0002〜0.0060%、N
:0.0065%以下、さらに必要に応じてTi:0 〜0.070
%を含む鋼組成を有する溶鋼からのスラブの連続鋳造方
法であって、連続鋳造速度(Vc)を下記(1) 式にしたが
って調整することを特徴とするスラブの連続鋳造方法。
【0022】 1.2 <Vc≦-3×108 [B×(N-14/48Ti)]2 −11500B×(N-14/48Ti)+2.03 ・・・ (1) ただし、Vc:m/min. B、N 、Ti:質量% (5) 前記鋼組成が、質量%で、C:0.12%以下、Mn:
0.05〜1.60%、P:0.100 %以下、S:0.020 %以下、
Al:0.100 %以下をさらに含有することを特徴とする上
記(4) 記載のスラブの連続鋳造方法。
【0023】(6) 前記鋼組成が、さらに、質量%で、N
b:0.002 〜0.060 %、およびV:0.002 〜0.050 %の
一種または二種を含むことを特徴とする上記(4) または
(5)記載のスラブの連続鋳造方法。
【0024】(7) 請求項4ないし6のいずれかに記載の
連続鋳造方法で得られたスラブを直接、保持後または加
熱後、熱間圧延を行うに際し、下記条件で熱間圧延を行
うことを特徴とする表面性状と成形性に優れる薄鋼板の
製造方法。
【0025】スラブ加熱温度≦1250℃、 仕上げ温度 ≧Ar3 点温度、そして 巻き取り温度 ≧500℃。
【0026】(8) 前記熱間圧延において、該熱間圧延を
粗熱間圧延と仕上げ熱間圧延とに分けて行い、該粗熱間
圧延後の粗熱間圧延材を加熱または保熱してから仕上げ
熱間圧延を行うことを特徴とする上記(7) 記載の薄鋼板
の製造方法。
【0027】(9) B添加鋼であって、質量%で、B :0.
0002〜0.0060%、N :0.0065%以下、さらに必要に応
じ、Ti:0.070 %以下を含有する鋼組成を有し、Bおよ
びNが固溶状態で存在する連続鋳造スラブから製造さ
れ、熱間圧延段階で析出したBNを含有することを特徴
とする薄鋼板。
【0028】(10)前記鋼組成が、質量%で、C:0.12%
以下、Mn:0.05〜1.60%、P:0.100 %以下、S:0.
020 %以下、Al:0.100 %以下をさらに含有することを
特徴とする上記(9) 記載の薄鋼板。
【0029】(11)前記鋼組成が、さらに、質量%で、N
b:0.002 〜0.060 %、およびV:0.002 〜0.050 %の
一種または二種を含むことを特徴とする上記(9) または
(10)記載の薄鋼板。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明は、ボロン添加鋼の連続鋳
造に際して、B、NおよびTiの含有量を特定範囲に限定
するが、これは鋳造速度との相関でBNを析出させずに
連続鋳造が可能な条件を規定するものである。なお、以
下において「%」は特にことわりがない限り「質量%」
を意味する。
【0031】図1は、鋼成分として質量%でB =0.0002
〜0.0060、N ≦0.0065、Ti=0〜0.070 、を含有する溶
鋼をスラブ厚250mm 以上に鋳込むにあたり、鋳込み速度
Vcを種々変更し、成分と製品表面疵との関係を調査し
た結果を示すグラフである。
【0032】図1に示すように、B、N、Ti量に応じて
鋳込み速度を(1)式によって制御することにより、表
面性状の良好なスラブが得られた。 1.2 <Vc≦−3×108 [B×(N-14/48Ti)]2 −11500B×(N-14/48Ti)+2.03 ・・・(1) Vc: m/min 、N 、B 、Tiは質量%である。
【0033】ここで、TiはBよりも窒化物を容易に作
るため、その成分量に見合う分をあらかじめ控除して、
回帰式を求めたものが(1)式である。このように、B
%およびN%により、さらに場合によりTiにより、Vcの
上限値が影響される理由については明らかでないが次の
ように考えられる。
【0034】すなわち、Vcが高くなるにつれ、スラブの
冷却速度は相対的に低下して、BNが析出しやすくなる
こと、また、同一Vcであれば、B%、N%の高い方がB
Nの析出量が増すためと考えられる。
【0035】また、Vc≦1.2m/min. の領域ではB、N
が上限域でも表面不良が発生せず、本発明の対象から除
外した。このようにして製造されたスラブは、直接、高
温のまま熱間圧延が行われるか、あるいは一旦保持後ま
たは加熱後、熱間圧延が行われる。いわゆる直送圧延で
ある。
【0036】しかし、そのままでは薄鋼板におけるボロ
ン添加の本来の目的であるBNを析出させることができ
ない。BNが析出しないと、窒素は固溶状態にあるため
常温時効性に劣り、さらには製品性能のうちYS(降伏
点)が高くEL(伸び)が低いため、プレス成形性の劣
ることがある。
【0037】ここに、BNの析出に影響する条件は、ス
ラブ加熱温度、圧延仕上げ温度、そして巻取り温度であ
る。まず、スラブ加熱温度が高いとBNはBとNに分
解、固溶状態になる。そこでスラブ加熱温度は極力低め
とし、BNとして析出しやすい状況にする。このため加
熱上限温度は1250℃とした。下限温度は仕上げ出口
温度をAr3 点以上とするため、圧延装置特性を考慮して
適宜決定できる。
【0038】さらに、仕上げ温度は、Ar3 点以上が通常
の熱間圧延方法だが、析出を促進するためにはAr3 点直
上で終了し、オーステナイト粒に圧延歪みをなるべく多
く導入することが望ましい。
【0039】このための手段として粗熱間圧延材 (粗バ
ー) を加熱あるいは保熱して、スラブ加熱温度を低温に
抑制しながら仕上げ温度を所定以上に保つことは極めて
有効である。
【0040】加熱あるいは保熱の方法として例えば、粗
バーを誘導加熱方法で加熱する粗バーヒータ、ガスバー
ナ加熱、直接粗バーに電流を流す通電加熱方式などの適
用が望ましい。特に、粗バーヒータは好適である。
【0041】熱延終了後はコイル状に巻き取るが、この
時、BNの析出を十分行わせるため巻き取り温度は500
℃以上、好ましくは530 ℃以上とする。これより低い温
度ではBNの析出が不十分となり、固溶窒素の弊害で、
製品の性能が十分発現されない。
【0042】ここに、連続鋳造法により得られたスラブ
において、「凝固時にBNを析出せず、B およびN が固
溶状態で含有される」か否かは、例えば、BNの総量(t
otalBN)を分析し、それぞれの原子量比から析出物とし
てのN%を算出し、一方、Nの総量(total N) を分析し
てこれとの差を固溶Nとして、その量で決定できる。例
えば析出状態のN (BNとしてのN) が70%以上である
ときをBNが析出していると考え、その量が70%未満の
とき、BNが実質上析出していないと判断する。
【0043】一方、薄鋼板製品の場合にも、「熱間圧延
の段階で析出したBN」であるか否かは、BNの総量(T
otal BN)を分析し、それぞれの原子量比から析出物とし
てのN%を算出し、Nの総量(Total N) を分析してこれ
との差を固溶Nとして、その量で決定できる。そのとき
に90%以上のNが析出状態である場合、本発明にかかる
薄鋼板であるとすることができる。
【0044】本発明においては、対象となるB添加鋼
は、上述の範囲のB、N、およびさらに必要によりTiが
含有されている限り特に制限ないが、本発明により得ら
れるスラブに熱間圧延を施して得られる薄鋼板が自動車
用部品に加工される用途を前提にするときは、鋼組成を
次のように規定できる。
【0045】すなわち、鋼成分として質量%で、C≦0.
12%、Mn:0.05〜1.60%、P≦0.100 %、S≦0.020
%、Al≦0.100 %を含有する薄鋼板である。さらに、最
近のように自動車の軽量化が必要とされるとき、析出強
化元素を添加して高強度化する事が望まれる。この場
合、C%を0.01〜0.12%とし、さらにTi:0.070 %以
下、Nb=0.002〜0.060 %、V=0.002〜0.050 %の1種
または2種以上を配合すればよい。
【0046】自動車の車体、特にボディ用には成形性の
優れた極低炭素鋼が用いられるが、この場合、C含有量
を0.010 %以下とし、さらに、Nb:0.002 〜0.060
%、V:0.002 〜0.050 %の1種または2種を含むこと
ができる。またC含有量によらずCu、Ni、Cr、Snなどの
不純物元素をそれぞれ0.05%以下含むことは何ら支障は
ない。
【0047】また、薄鋼板の製品には、熱延鋼板、ある
いはこれを用いて酸洗、冷間圧延後連続焼鈍あるいはバ
ッチ焼鈍してから調質圧延を施した冷延鋼板、さらには
熱延鋼板および冷延鋼板を母材とした亜鉛めっき鋼板、
電気めっき鋼板が含まれる。
【0048】ここに、本発明において鋼組成を上述のよ
うに規定した理由についてさらに説明すると次の通りで
ある。 B:下限は実用的に分析可能な0.0002%とした。上限に
ついても表面性状に対する制約はないが、N%に見合う量
として0.0060%とする。好ましくは、0.0050%以下であ
る。
【0049】N:薄鋼板用には低いほど望ましい。製品
性能の劣化を抑制するため上限は0.0065%とする。好ま
しくは、0.0050%以下である。 C:少ないほど軟質で、自動車用、家電用などにプレス
成形するのに好適であるが保証強度などを考慮するとボ
ロン添加鋼で実際的上限は0.12%である。
【0050】Mn:Cと同様な理由により、下限を0.05
%、上限を1.60%とする。 P:Cと同様な理由により、上限を0.100 %とする。 S:不純物として、低いほど望ましく、上限を0.020 %
とする。好ましくは0.015 %以下である。
【0051】Al:脱酸成分として添加するが、必要以
上に添加しても効果がなく上限を0.100 %とする。 Ti:極低炭素鋼においてはN、S、Cなどと析出物を
構成することにより、それぞれの弊害を除去するために
添加されることがある。低炭素鋼においては炭化物の構
成により、強度を上昇させる目的で添加されるが上限に
ついてはその効果が減少するため0.070 %とする。好ま
しくは、0.0002〜0.0065%である。
【0052】Nb:Tiと類似して、極低炭素鋼におい
てはN、Cなどと析出物を構成することにより、それぞ
れの弊害を除去するために添加される。低炭素鋼におい
ては炭化物の構成により、強度を上昇させる目的で添加
されるが、分析の下限が0.002 %であることからこれを
下限とした。上限についてはその効果が減少するため0.
060 %とする。
【0053】V:Nbと類似して、極低炭素鋼においては
N、Cなどと析出物を構成することにより、それぞれの
弊害を除去するために添加される。低炭素鋼においては
炭化物の構成により、強度を上昇させる目的で添加され
るが、分析の下限が0.002 %であることからこれを下限
とした。上限についてはその効果が減少するため0.050
%とする。
【0054】
【実施例】本例では、表1に示す鋼組成の溶鋼を、Vc
を変化させて連続鋳造によりスラブ (厚さ 270mm) と
し、そのときのスラブ表面の性状を観察した。次いで、
このようにして得られたスラブを熱間圧延して2.0mm 、
2.3mm 厚の熱間圧延製品を得た。一部の熱延鋼板はさら
に圧下率65〜85%で冷間圧延を行い厚さ0.75〜1.0mmの
冷延鋼板とし焼鈍工程を経て冷延製品とした。冷延鋼板
の1部にはさらに電気Znめっきを施こした。また一部の
冷延鋼板は圧延後、連続溶融亜鉛めっきを行って、各々
めっき製品とした。
【0055】表1に、溶鋼の成分、連続鋳造のときのV
c、得られたスラブおよび薄鋼板のの表面の判定結果を
示す。表面判定が不合格 (×印) のものは手入後さらに
熱間圧延に供した。
【0056】表1には、スラブにおけるtotal N%に対
するBNとして析出したN%の比を示す。Ti無添加の場
合、スラブの表面判定は、BNの析出量に依存している
ことが明らかである。
【0057】ここでスラブ表面性状の判定は、その外観
判定により、そのまま熱間圧延に供しうるものを合格と
して○印表示とした。また何らかの表面手入れを必要と
するものを不合格として×印表示とした。
【0058】
【表1】
【0059】次に、得られた薄鋼板について機械特性の
評価試験を行い、その結果を表2に示す。表2には熱間
圧延条件も併せて示す。表2には、析出BNはTi添加鋼
を除き、スラブ加熱温度および巻取温度に依存してお
り、残量の機械特性はこれに依存していることが明らか
である。
【0060】本発明による製造方法によれば、YSが小
さく、伸びが大きく、ΔYP値が小さく、薄鋼板の機械
性能はいずれにおいても良好な結果が得られている。
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、ボロンや窒素量の如何
にかかわらず、表面性状の良好なスラブおよび薄鋼板が
得られる。さらに製品の表面および性能はプレス加工後
も含め不具合を生じることなく使用できる。特に本発明
により得られたスラブを用いて製造した薄鋼板製品の表
面は良好であり自動車部品として外観上も、成形性も何
ら遜色のないものが得られた。
【0063】このように、性能が良好な製品が効率よく
生産できることは地球環境保護に寄与し、かつ品質に対
する信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼組成と鋳込み速度との関係で製品表面疵の判
定結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/06 C22C 38/06 38/14 38/14

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 B添加鋼であって、質量%で、B :0.00
    02〜0.0060%、N :0.0065%以下を含む鋼組成を有し、
    凝固時にBNを析出させず、BおよびNが固溶状態で含
    有される連続鋳造スラブ。
  2. 【請求項2】 前記鋼組成が、さらに、質量%で、C:
    0.12%以下、Mn:0.05〜1.60%、P:0.100 %以下、
    S:0.020 %以下、Al:0.100 %以下をさらに含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の連続鋳造スラブ。
  3. 【請求項3】 前記鋼組成が、さらに、質量%で、Ti:
    0.070 %以下をさらに含有することを特徴とする請求項
    1または2記載の連続鋳造スラブ。
  4. 【請求項4】 前記鋼組成が、さらに、質量%で、N
    b:0.002 〜0.060 %、およびV:0.002 〜0.050 %の
    一種または二種を含むことを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれかに記載の連続鋳造スラブ。
  5. 【請求項5】 質量%で、B :0.0002〜0.0060%、N :
    0.0065%以下、さらに必要によりTi:0.070 %以下を含
    む鋼組成を有する溶鋼からのスラブの連続鋳造方法であ
    って、連続鋳造速度(Vc)を下記(1) 式にしたがって調
    整することを特徴とするスラブの連続鋳造方法。 1.2 <Vc≦-3×108 [B×(N-14/48Ti)]2 −11500B×(N-14/48Ti)+2.03 ・・・ (1) ただし、Vc:m/min. B、N :質量%、Tiを含まない
    ときはTi=0
  6. 【請求項6】 前記鋼組成が、質量%で、C:0.12%以
    下、Mn:0.05〜1.60%、P:0.100 %以下、S:0.02
    0 %以下、Al:0.100 %以下をさらに含有することを特
    徴とする請求項5記載のスラブの連続鋳造方法。
  7. 【請求項7】 前記鋼組成が、さらに、質量%で、N
    b:0.002 〜0.060 %、およびV:0.002 〜0.050 %の
    一種または二種を含むことを特徴とする請求項5または
    6記載のスラブの連続鋳造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7のいずれかに記載の連
    続鋳造方法で得られたスラブを直接、保持後または加熱
    後、熱間圧延を行うに際し、下記条件で熱間圧延を行う
    ことを特徴とする表面性状と成形性に優れる薄鋼板の製
    造方法。 スラブ加熱温度≦1250℃、 仕上げ温度 ≧Ar3 点温度、そして 巻き取り温度 ≧500℃。
  9. 【請求項9】 前記熱間圧延において、該熱間圧延を粗
    熱間圧延と仕上げ熱間圧延とに分けて行い、該粗熱間圧
    延後の粗熱間圧延材を加熱または保熱してから仕上げ熱
    間圧延を行うことを特徴とする請求項8記載の薄鋼板の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 B添加鋼であって、質量%で、B :0.00
    02〜0.0060%、N :0.0065%以下を含有する鋼組成を有
    し、BおよびNが固溶状態で存在する連続鋳造スラブか
    ら製造され、熱間圧延段階で析出したBNを含有するこ
    とを特徴とする薄鋼板。
  11. 【請求項11】 前記鋼組成が、質量%で、C:0.12%以
    下、Mn:0.05〜1.60%、P:0.100 %以下、S:0.02
    0 %以下、Al:0.100 %以下をさらに含有することを特
    徴とする請求項9記載の薄鋼板。
  12. 【請求項12】 前記鋼組成が、質量%で、Ti:0.070 %
    以下をさらに含有することを特徴とする請求項10または
    11記載の薄鋼板。
  13. 【請求項13】 前記鋼組成が、さらに、質量%で、N
    b:0.002 〜0.060 %、およびV:0.002 〜0.050 %の
    一種または二種を含むことを特徴とする請求項9ないし
    12のいずれかに記載の薄鋼板。
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JP2015113486A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 新日鐵住金株式会社 B含有鋼の連続鋳造鋳片

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