JP2002020293A - クラミジア感染症処置剤 - Google Patents

クラミジア感染症処置剤

Info

Publication number
JP2002020293A
JP2002020293A JP2000197359A JP2000197359A JP2002020293A JP 2002020293 A JP2002020293 A JP 2002020293A JP 2000197359 A JP2000197359 A JP 2000197359A JP 2000197359 A JP2000197359 A JP 2000197359A JP 2002020293 A JP2002020293 A JP 2002020293A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
2odsh
heparin
chlamydia
infection
sulfated glycosaminoglycan
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000197359A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4633233B2 (ja
Inventor
Hiromitsu Yabushita
廣光 藪下
Masayoshi Noguchi
昌良 野口
Hiroko Hanebuchi
弘子 羽淵
Hiroharu Kimata
弘治 木全
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seikagaku Corp
Original Assignee
Seikagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seikagaku Corp filed Critical Seikagaku Corp
Priority to JP2000197359A priority Critical patent/JP4633233B2/ja
Publication of JP2002020293A publication Critical patent/JP2002020293A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4633233B2 publication Critical patent/JP4633233B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラミジア感染症の予防および治療に用いる
ことが可能で、人体に適用するに際し、安全で副作用な
どの問題がほとんどない薬剤を提供すること。 【解決手段】 ヘキスロン酸残基とヘキソサミン残基か
ら成る二糖単位の繰り返し構造を基本骨格とする硫酸化
グリコサミノグリカンにおいて、該ヘキスロン酸残基の
全てまたは一部の2位の水酸基に硫酸基を有しない硫酸
化グリコサミノグリカンまたはその塩を有効成分とする
クラミジア感染処置剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構成糖として、ヘ
キスロン酸残基とヘキソサミン残基との二糖単位の繰り
返し構造を基本骨格とする硫酸化グリコサミノグリカン
において、該ヘキスロン酸残基の2位の水酸基に硫酸基
を有しない硫酸化グリコサミノグリカンまたはその塩を
有効成分とするクラミジア感染症処置剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】クラミジアは偏性細胞内寄生性細菌であ
り、抗原性、封入体の性状、DNAホモロジーから、Ch
lamydia trachomatis、 Chlamydia psittaci、Chlamydi
a pneumoniaeの3種に分類され、Chlamydia trachomati
sは、更に、A,B,Ba,C,D,E,F,G,H,
I,J,K,L1,L2,L3という15の血清型に分
かれている。
【0003】Chlamydia trachomatisはヒトの眼や泌尿
生殖器粘膜に感染し、種々の疾患を引き起こすことが知
られている。 例えば、血清型A〜Cは、トラコーマ
を、BおよびD〜Kは尿道炎、精巣上体炎、前立腺炎、
子宮頚管炎、卵管炎、骨盤内炎症性疾患(PID)、肝
周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)、卵管不妊、子宮外
妊娠、封入体結膜炎を、L1〜L3は、性病性リンパ肉
芽腫症(LGV)を起こす。Chlamydia psittaciは鳥類
や哺乳類に感染し、特に、感染鳥類からヒトに感染する
オウム病が知られている。また、Chlamydia pneumoniae
は肺炎を起こすクラミジアである。
【0004】このようなクラミジア感染症の治療には、
通常、抗生物質等の抗菌剤が使用されている。ところ
が、クラミジアの増殖時間は一般細菌に比してはるかに
長いため、長期の連続投与が必要となるが、抗生物質等
の抗菌剤の長期間連続投与は好ましくないとされてい
る。また、クラミジア感染を予防する物質としてはヘパ
リン(The Journal of Biological Chemistry, Vol.27
1, No.19, pp.11134-11140,1996)や硫酸化多糖(特表
平8−506570)が知られているが、天然物から抽
出した通常のヘパリンには強い抗凝固活性や出血活性が
あり、抗血液凝固剤以外の医薬品としての適用には問題
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、クラミジア
感染症の予防および治療に用いることが可能で、人体に
適用するに際し、安全で副作用などの問題がほとんどな
い薬剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ヘキスロン酸
残基とヘキソサミン残基から成る二糖単位の繰り返し構
造を基本骨格とする硫酸化グリコサミノグリカンにおい
て、構成ヘキスロン酸残基の2位の硫酸基を除去する処
理を行った物質が、優れたクラミジア感染阻害効果を示
すことを見いだした。本発明者らは更に、上記物質が、
出血等の副作用をほとんど示さないことを見いだした。
これらの知見に基づき、構成ヘキスロン酸残基の2位の
硫酸基が除去された硫酸化グリコサミノグリカンがクラ
ミジア感染症のための処置剤として有用であることを知
得し、本発明を完成するに到った。
【0007】本発明は、ヘキスロン酸残基とヘキソサミ
ン残基から成る二糖単位の繰り返し構造を基本骨格とす
る硫酸化グリコサミノグリカンにおいて、該ヘキスロン
酸残基の全てまたは一部の2位の水酸基に硫酸基を有し
ない硫酸化グリコサミノグリカンまたはその塩を有効成
分とするクラミジア感染症処置剤(以下、「本発明の処
置剤」という。)に関する。
【0008】さらに、本発明は、ヘキスロン酸残基とヘ
キソサミン残基から成る二糖単位の繰り返し構造を基本
骨格とする硫酸化グリコサミノグリカンにおいて、該ヘ
キスロン酸残基の全てまたは一部の2位の水酸基に硫酸
基を有しない硫酸化グリコサミノグリカンまたはその塩
をクラミジアに接触させることを特徴とするクラミジア
の生育阻害方法にも関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の処置剤の有効成分である、ヘキスロン酸残
基とヘキソサミン残基から成る二糖単位の繰り返し構造
を基本骨格とする硫酸化グリコサミノグリカンにおい
て、該ヘキスロン酸残基の全てまたは一部の2位の水酸
基に硫酸基を有しない硫酸化グリコサミノグリカン(以
下、場合によりその塩も含めて「2ODSG」とい
う。)は、天然物から抽出、精製等を行って得られるヘ
パリン、ヘパラン硫酸等の硫酸化グリコサミノグリカン
を原料として製造することができる。
【0010】出発物質としての硫酸化グリコサミノグリ
カンは、ヘキスロン酸残基とヘキソサミン残基が交互に
結合した二糖の繰り返し構造を持つ硫酸化グリコサミノ
グリカンであり、具体的にはヘパリン、ヘパラン硫酸が
例示されるが、上記基本構造を有する限り、これには限
定されない。
【0011】2ODSGを構成するヘキスロン酸として
は、グルクロン酸、イズロン酸、ガラクツロン酸、マン
ヌロン酸を挙げることができ、好ましくはD−グルクロ
ン酸および/またはL−イズロン酸である。
【0012】2ODSGを構成するヘキソサミンとして
は、グルコサミンおよびガラクトサミンを挙げることが
でき、好ましくはグルコサミンである。グルコサミンお
よびガラクトサミンは通常それぞれ、D−グルコサミン
およびD−ガラクトサミンであり、通常、2位がスルホ
アミノ基ではない場合はアセチルアミノ基である。
【0013】なお、2ODSGにおいて、ヘキソサミン
がD−グルコサミンである場合、ヘパリン又はヘパラン
硫酸の基本骨格を有する硫酸化グリコサミノグリカンで
あり、本発明においては、これを2ODSHと略称す
る。また、2ODSGは構成ヘキスロン酸の全てまたは
一部の2位の水酸基に硫酸基を有しないという特徴を有
するものであるが、この特徴は以下の分析法で分析する
ことにより特定される。
【0014】すなわち、ヘパリンまたはヘパラン硫酸等
の2ODSHを後述の参考例1記載のグリコサミノグリ
カン分解酵素による分解と高速液体クロマトグラフィー
(以下、HPLCともいう)による分析を組み合わせた
方法により二糖組成分析した場合、構成ヘキスロンの2
位の水酸基に硫酸基を有する不飽和二糖が、通常の硫酸
化グリコサミノグリカンと比べて明らかに減少してお
り、その不飽和二糖組成は、通常、ΔDiHS−USが
0〜0.5モル%程度、ΔDiHS−di(U,N)S
が0〜6.5モル%程度、ΔDiHS−di(U,6)
Sが0〜0.5モル%程度、ΔDiHS−tri(U,
6,N)Sが0〜15.0モル%程度であることが好ま
しく、これらの合計は0〜21モル%であることが好ま
しい。また、上記以外の不飽和二糖組成は、通常の硫酸
化グリコサミノグリカンと比べて増加しており、ΔDi
HS−0Sが0〜8.0モル%程度、ΔDiHS−6S
が0〜5.0モル%程度、ΔDiHS−NSが8.0〜
25.0モル%程度、ΔDiHS−di(6,N)Sが
40.0〜92.0モル%程度である。
【0015】二糖組成分析における2ODSHの不飽和
二糖組成は、2ODSHを酵素処理して得た下記一般式
で表される不飽和二糖組成の溶出位置を、標準不飽和二
糖の溶出位置と比較することにより分析することができ
る。HPLCの溶出位置を、通常紫外部(例えば波長2
32nm)の吸収によりモニターし、2ODSH中の不飽
和二糖の含量は、その溶出パターンの積分値(面積)を
濃度既知の標準不飽和二糖の溶出パターンの積分値(面
積)と比較することにより求めることができる。下記一
般式中の各置換基は表1の通りである。
【0016】
【化1】
【0017】
【表1】
【0018】また、上記略号の示す構造は以下の通り表
記されることもある。 ΔDiHS−0S:ΔHexA1→4GlcNAc、Δ
DiHS−6S:ΔHexA1→4GlcNAc(6
S)、ΔDiHS−NS:ΔHexA1→4GlcN
S、ΔDiHS−US:ΔHexA(2S)1→4Gl
cNAc、ΔDiHS−di(6,N)S:ΔHexA
1→4GlcNS(6S)、ΔDiHS−di(U,
N)S:ΔHexA(2S)1→4GlcNS、ΔDi
HS−di(U,6)S:ΔHexA(2S)1→4G
lcNAc(6S)、ΔDiHS−tri(U,6,
N)S:ΔHexA(2S)1→4GlcNS(6
S)。
【0019】上記式中、ΔHexは不飽和ヘキスロン
酸、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン、Glc
NSはN−スルホグルコサミン、カッコ内は硫酸基の結
合位置を示す。
【0020】2ODSGの重量平均分子量は、クラミジ
ア感染阻害効果を示す限り、特に限定されないが、3,
000Da以上が好ましく、より好ましくは、3000〜
50,000Daであり、3,000〜14,000Daで
あることが更に好ましい。また、2ODSGは、クラミ
ジア感染阻害効果の点では12〜200糖(二糖単位で
6〜100単位)からなるオリゴ糖または多糖であるこ
とが好ましいが、抗凝固活性を考慮すると、より低分子
であることが好ましい。尚、オリゴ糖類および多糖類
は、通常、種々の重合度の糖鎖の集合体であるため、上
記の2ODSGの構成糖の重合度の好ましい数は、厳密
にその数である必要はなく、統計的にその数の重合度の
オリゴ糖または多糖が、他の重合度のものより多い場合
も包含する。
【0021】また、2ODSGは、その塩の形で使用す
ることが可能であり、塩としては、例えば、ナトリウム
塩、カルシウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マ
グネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、
アンモニウム塩、トリブチルアミン塩等が挙げられる
が、アルカリ金属塩が好ましく、特にナトリウム塩が好
ましい。
【0022】2ODSGにおいて、ヘキソサミン残基
が、グルコサミン残基である2ODSH(いわゆるヘパ
リン骨格を有する物質)は、ブタ、ウシ等の哺乳動物の
臓器(腸、肺、肝、腎、血管等)から抽出、精製された
ヘパリン、ヘパラン硫酸等の硫酸化グリコサミノグリカ
ンを原料とし、その構成ヘキスロン酸残基の2位の水酸
基に結合している硫酸基を除去する脱硫酸化処理を行っ
て得ることができるが、脱硫酸化処理方法は、ヘキスロ
ン酸残基の2位の水酸基に結合している硫酸基を選択的
又は優先的に脱硫酸化することができる処理であれば、
特に限定されない。
【0023】例えば、Jasejaらの方法(Jaseja et al.,
Can. J. Chem., 67, 1449(1989))など、公知の方法に
準拠して行うことができ、具体的には、硫酸化グリコサ
ミノグリカンのアルカリ性水溶液を調製し、これを凍結
乾燥する方法が挙げられる。更に、脱硫酸化処理後、適
当な溶媒を用いた溶媒沈殿、限外濾過、カラムクロマト
グラフィー、透析、凍結乾燥等、または、これらの組み
合わせによって容易に濃縮・精製することができる。具
体的には、前記脱硫酸化処理により得られた凍結乾燥パ
ウダーを、蒸留水に溶解し、pH7に調整し、透析処理
後、凍結乾燥処理に順次付する方法が挙げられる。
【0024】本発明者らは、硫酸化グリコサミノグリカ
ンのクラミジア感染阻害効果を検討するため、ヒト子宮
頸癌細胞由来のヒーラ229細胞(HeLa229)を
用いて、実施例1記載の方法により2ODSH及びヘパ
リンの構成糖であるヘキスロン酸、グルコサミンの水酸
基およびアミノ基に結合している全ての硫酸基を脱硫酸
化した後、グルコサミンの2位のアミノ基を再硫酸化し
たヘパリン(以下、「CDSNSH」という。)のクラ
ミジア感染阻害効果を調べた。その結果、ヘパリンにお
いては、10μg/mlの濃度では、約3%の細胞が感染
を示したが、100μg/mlでは約1%であり、ほぼ完
全に感染を阻害した。2ODSHに関しては、ヘパリン
と比較すると感染阻害活性はやや弱まるものの、100
μg/mlではヘパリンと同様に、ほぼ完全に感染を阻害
した。一方、CDSNSHは感染阻害効果を示さなかっ
た。
【0025】上記の様にヘパリンはクラミジア感染阻害
活性を有するが、出血等の副作用があり、医薬品として
の適用には好ましくない。一方、2ODSHはヘパリン
と同等のクラミジア感染阻害活性を有し、かつ、出血等
の副作用は極めて弱い。
【0026】ヘパリンおよび2ODSHについて、出血
活性の指標となるTT活性およびAPTT活性を後述す
る試験法3および4に従って測定した。結果を表2に示
す。なお、TTまたはAPTTにおける測定時間の上限
はそれぞれ100秒までとした。ヘパリンのTT活性ま
たはAPTT活性を100としたとき、対応する各被検
サンプルのTT活性またはAPTT活性をその相対値で
示した。
【0027】
【表2】
【0028】これにより、2ODSHはAPTT、TT
活性共にヘパリンと比較して極めて低く、安全性が高い
ことが判明した。
【0029】本発明の処置剤は、クラミジアに感染した
対象の生体、すなわち、ヒトを含む哺乳動物、鳥類、そ
の他脊椎動物の治療、予防、症状の緩和等の処置を目的
として、非経口的または経口的に投与される薬剤であ
る。
【0030】本発明の処置剤を生体に投与する際の剤型
および投与経路としては、対象となる疾患の性質や重篤
度に応じて適宜選択することができる。例えば、それら
をそのまま、または他の薬理学的に許容され得る担体、
賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤等と共に製剤
化し、例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ
剤、液剤、錠剤、カプセル剤、注射剤、座剤、膣剤、軟
膏剤、ゲル剤、スプレー剤、点眼剤、点鼻剤等経口的ま
たは非経口的に安全に投与することができる。特に、座
剤、膣剤、軟膏剤、ゲル剤、スプレー剤として非経口的
に投与することが好ましい。
【0031】本発明の2ODSGの配合量並びに投与量
は、その製剤の投与方法、投与形態、使用目的、患者の
具体的症状、患者の体重などに応じて個別に決定される
べき事項であり、特に限定されないが、臨床投与量とし
て1日当たり概ね10μg/Kg〜10mg/Kg程度を例示
することができる。また、上記処置剤の投与間隔は1日
1回程度でも可能であり、1日1〜3回、またはそれ以
上の回数に分けて投与することもできる。また、本発明
の処置剤を性交渉時におけるクラミジア感染を防止する
ために膣内投与する場合、その投与量は1回概ね0.1
mg〜10mg程度が好ましい。
【0032】また、本発明は、2ODSGをクラミジ
ア、特にその感染性粒子(ElementaryBody;EB)と接
触させ、生体細胞におけるクラジミアの生育を阻害する
方法にも関する。本方法は、例えば、粘膜、避妊具等に
クラミジア感染を阻害するのに十分な量の2ODSGを
予め塗布、コーティング又は結合させ、生体へのクラミ
ジアの感染を防止する方法等も包含する。さらに、動物
細胞を培養する際に培地中に、2ODSGを存在させ
て、該細胞にクラミジアが感染することを防止する方法
も包含する。
【0033】尚、本発明におけるクラジミア感染阻害の
メカニズムは、生体細胞のヘパリン様またはヘパラン硫
酸様プロテオグリカンであるレセプターもしくはアクセ
プターへのクラミジア感染性粒子(EB)の吸着を防止
することによるものと考えられるので、以上説明した通
り、EBが生体細胞の上記レセプターもしくはアクセプ
ターに吸着する段階を、2ODSGによって競合的に阻
害する方法のみならず、生体細胞における上記レセプタ
ーもしくはアクセプターに存在するヘパリン様またはヘ
パラン硫酸様の糖鎖を、該糖鎖を分解するグリコサミノ
グリカン分解酵素で除去することによっても阻害するこ
とができる。この様な酵素としては、例えばヘパリナー
ゼIが例示される。
【0034】
【実施例】以下の実施例は、本発明を更に具体的に説明
するが、いかなる意味においても本発明を限定するもの
ではない。なお、本実施例における試験法は以下の通り
である。
【0035】参考例1 後述する本発明の実施例で使用した各種の硫酸化グリコ
サミノグリカンの分析は、以下の試験法1〜4に示す方
法によって行った。 試験法1 〔酵素消化による二糖分析〕硫酸化グリコサミノグリカ
ン(2ODSH、ヘパリン)における硫酸基の置換位置
の分析方法は、次のようにして行った。すなわち、対象
とする各硫酸化グリコサミノグリカンをグリコサミノグ
リカン分解酵素を用いて酵素消化し、精製した不飽和二
糖を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析し
た〔新生化学実験講座3,糖質II(東京化学同人刊、1
991年)p49〜62参照〕。各不飽和二糖のピーク
面積を計算し、全ピーク面積の和に対する各ピーク面積
の割合(%)を各不飽和二糖の組成割合とした。この割
合は、酵素消化物中の各不飽和二糖のモル%に相当し、
ひいては、分析対象の硫酸化グリコサミノグリカンにお
ける種々の位置に硫酸基を有する二糖単位のモル%を反
映するものである。
【0036】(1)ヘパリン、2ODSHの分解酵素に
よる消化 新生化学実験講座3、糖質II(東京化学同人刊、199
1年)p49〜62に記載の方法により、2mM酢酸カル
シウムを含む20mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)
220μlに、ヘパリン、2ODSH2ロット(参考例
2参照;以下、それぞれ、「2ODSH−1」、「2O
DSH−2」という。)各1.0mgを溶解して、20mU
のヘパリナーゼ、20mUのヘパリチナーゼIおよびIIを
加えて、37℃で2時間反応させた。
【0037】(2)HPLCによる分析 ヘパリン、2ODSH−1および2ODSH−2を上記
(1)に従い分解酵素により消化を行った後の溶液50
μlを、HPLC(医理化、モデル852型)を用いて分析
した。イオン交換樹脂カラム(ダイオネックス社、Carb
oPac PA-1カラム4.0mm×250mm)を使用し、23
2nmでの吸光度を測定した。不飽和二糖(4〜12糖)
スタンダードを基準とし(Yamada, et al., J. Biol. C
hem., 270, 8696-8706, (1995))、流速1ml/分で、塩
化リチウムを用いたグラジエント系(50mM→2.5
M)を用いる方法に準拠した(Kariya, et al., Comp.Bi
ochem.Physiol., 103B, 473, (1992))。
【0038】6種の不飽和二糖標品(8nmol each/sho
t)の溶出順は、ΔDiHS-0S(保持時間2.6分)、ΔDiHS-
NS(保持時間 10.9分)、ΔDiHS-6S(保持時間 12.0
分)、ΔDiHS-di(6,N)S(保持時間 15.2分)、ΔDiHS-d
i(U,N)S(保持時間 16.3分)、ΔDiHS-tri(U,6,N)S(保
持時間21.9分)であった。
【0039】試験法2 〔分子量測定〕ヘパリン、2ODSH−1および2OD
SH−2の3%溶液10μlをHPLCによるゲルろ過
で分析した。使用カラムは4,000、3,000およ
び2,500Gタイプの TSKgel-PWXLカラム(東ソー、
7.8mm × 300mm)を用い、溶出液に0.2M塩化ナトリ
ウムを使用して、1.0ml/分の流速で展開した。ヘパ
リン、2ODSH−1および2ODSH−2の検出には
示差屈折計(島津製作所、AID-2A)を用いた。本発明に
おける重量平均分子量(Mw)はヘパリンの分子量標準品
を対照にして求めた(Kaneda, et al., Biochem. Bioph
ys. Res. Com.,220,108-112(1996))。その計算式は、
MW=10(10.17-0.19xRT)、〔RT:ピーク頂点の保持時
間(分)〕である。
【0040】試験法3 〔活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)活性
の測定〕APTTの測定のため、ラット(SD系雄性ラ
ット(194〜224g)、チャールスリバー)の下大
動脈より3.2%クエン酸1/10容量で採血し、血液
を1000×gで10分間遠心分離して得た血漿100
μlと、様々な濃度のヘパリン、2ODSH−1および
2ODSH−2を各100μlずつ測定用カップに入
れ、37℃で1分間保温した。その後、あらかじめ37
℃に保温しておいたアクチン(商品名:ウェルファイド
(株))100μlを添加し、さらに2分間保温した。
次いで、37℃の保温しておいた0.2MCaCl2溶液
100μlを添加し、この時より凝固が起こるまでの時
間を血液凝固自動測定装置(KC-10A:アメルング社)で
測定した。なお、APTTにおける測定時間の上限は1
00秒までとした。
【0041】試験法4 〔トロンビン時間(TT)の測定〕上記試験法3で得た血
漿100μlと、様々な濃度のヘパリン、2ODSH−
1および2ODSH−2を各100μlずつ測定用カッ
プに入れ、37℃で1分間保温した。その後、37℃に
保温しておいたトロンビン(商品名:ウェルファイド
(株)、10U/ml)100μlを添加し、この時より凝
固が起こるまでの時間を血液凝固自動測定装置(KC-10
A:アメルング社)で測定した。
【0042】〔本明細書におけるヘパリン〕以下に示す
物性を有するブタ小腸由来ヘパリンのナトリウム塩(サ
イエンティフィックプロテインラボラトリー社製 LotN
o.40210910)を、上記試験法1〜4の分析における対照
物質および下記参考例2における2ODSHの合成原料
として用いた。 ヘパリンの物性 (1)上記試験法1記載の二糖組成分析法による測定値
から算出した不飽和二糖組成はΔDiHS-0S:3.7%、
ΔDiHS-NS:3.2%、ΔDiHS-6S:4.7%、ΔDiHS-U
S:1.5%、ΔDiHS-di(6,N)S:14.7%、ΔDiHS-d
i(U,N)S:6.8%、ΔDiHS-di(U,6)S:0.0%、ΔDi
HS-tri(U,6,N)S:61.3%であり、未同定ピーク:
4.1%である。(%は全てモル%を表す)。 (2)日本薬局方に具体的に収載された測定法で測定さ
れた抗血液凝固活性が170〜190IU/mgである。 (3)重量平均分子量が11,000〜14,000Da
である(参考例2参照)。
【0043】参考例2 〔2ODSHの合成〕ヘパリンを原料とし、その2−O
−脱硫酸化反応をJasejaらの方法(Jaseja et al.,Can.
J. Chem.,67,1449(1989))を部分的に改変した以下の
方法により実施した。すなわち、200mgのヘパリンナ
トリウム塩を20mlの0.4規定の水酸化ナトリウムに
溶解し、直ちに凍結乾燥処理を行った。得られた凍結乾
燥パウダーを20mlの蒸留水に溶解した後、1規定の酢
酸を添加することによりpH7に調整した。次いで、この
溶液を透析処理、凍結乾燥処理に順次付した。その結
果、165mgの2ODSHをナトリウム塩として得た。
この標品を2ODSH−1とした。又、上記凍結乾燥処
理を2回行うことにより、より完全に2−O−脱硫酸化
した2ODSHをナトリウム塩として150mg得た。こ
の標品を2ODSH−2とした。
【0044】〔ゲル濾過HPLCによる分子量測定〕各
50μg/5μlのヘパリン、2ODSH−1および2O
DSH−2を、0.2規定のNaClで平衡化した4,
000、3,000および2,500Gタイプの TSKge
l-PWXLカラム(東ソー、7.8mm × 300mm)を上流から順
に各一本ずつ連結した東ソー社製CCPM型HPLCに
付し、溶出液に0.2M塩化ナトリウムを使用して、
1.0ml/分の流速で展開し、ゲル濾過(GPC-)HPL
C分析を行った。なお、被検物質の検出には示差屈折計
(島津製作所、AID-2A)を用い、カラムオーヴン中40
℃、0.6ml/mlの定流速下で、示差屈折(RI)を指標
とした。その結果、ヘパリン、2ODSH−1の保持時
間は、それぞれ33.50および33.60分であっ
た。得られた結果を基に算出した分子量を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】〔二糖組成分析〕ヘパリン、2ODSH−
1および2ODSH−2の不飽和二糖組成の二糖組成分
析は、参考例1の試験法1に記載の方法に従って実施し
た。結果を表3に示す。
【0047】参考例3 〔低分子化2ODSH画分の調製〕100mgの2ODS
H−1を含有する2mM酢酸含有カルシウム含有20mMリ
ン酸カリウム緩衝液(pH7.0)10mlに0.1単位の
ヘパリチナーゼI(生化学工業社製)を添加し、37℃
で一晩、部分消化した。5分間煮沸して酵素を失活させ
た後、Superdex 30pg(2.6×60cm,ファルマシア
社製)ゲル濾過カラムで分画した。平衡化および展開溶
液には0.2M酢酸アンモニウムを用いた。上記カラム
から溶出した12糖以上の画分を集め、凍結乾燥して1
8mgの標品(低分子化2ODSH画分)を得た。分子量
範囲は約3,000〜8,000Daであった。又、上記
と同様の方法で、それぞれ、2ODSHの4,6,8,
10、12糖に相当する画分を得た。
【0048】参考例4 〔血液凝固系に対するヘパリン、2ODSHの影響〕血
液凝固系に対するヘパリン、2ODSH−1および2O
DSH−2の影響を前記試験法3および4にしたがって
分析した。ヘパリン等何も添加しない状態で測定したA
PTTおよびTTの値(以下、正常値と言う)の2倍の
凝固時間を示すヘパリンの濃度はそれぞれ、0.54μ
g/mlと0.13μg/mlであった。同様に、正常値を2
倍に延長させる2ODSH−1および2ODSH−2の
濃度を求め、ヘパリンのAPTT活性およびTT活性そ
れぞれを100とし、2ODSH−1、2ODSH−2
のAPTT活性およびTT活性それぞれをその相対値で
示した。
【0049】実施例1 〔ヘパリン、2ODSH−2、CDSNSのHeLa2
29細胞へのクラミジア感染に対する影響〕
【0050】3×105cells/mlのヒト子宮頸癌細胞由
来HeLa229細胞を24穴プレートの各ウェルに1
mlずつ分注し、24時間前培養した。クラミジア感染性
粒子(elementary body:EB)液に、予めHank's bala
nced salt solution(HBSS)(GIBCO社製)に
溶解したヘパリン、2ODSH−2及びCDSNSH
(生化学工業社製)を各濃度となるように添加して懸濁
した。このEB懸濁液を前培養した単層HeLa229
細胞に200μlずつ分注し、室温で1時間培養した。
単層HeLa229細胞をHBSSにて3回洗浄し、1
0μg/mlシクロヘキサミドを加えた10%牛胎児血
清、0.5%グルコース含有イーグルMEM培地(CM
GA培地,ICN Biochem社製)にて37℃で48時
間培養した。培養後トリプシン/EDTA液にて細胞を
回収し、細胞を100%エタノールで5分間固定、親水
化し、0.1%Tween20(登録商標)を添加した
PBSにて2回洗浄した。フルオレセンイソチオシアナ
ート(FITC)標識抗クラミジア抗体(マイクロトラ
ック クラミジアトラコマチスダイレクト テスト;S
YVA社製)で固定細胞を染色し、フローサートメトリ
ーにて感染陽性細胞率を測定した。結果を図1に示す。
その結果、ヘパリンおよび2ODSH−2は100μg
/mlにおいてほぼ完全にクラミジア感染を阻害したが、
CDSNSHは感染阻害効果を示さなかった。
【0051】実施例2 〔低分子化2ODSH画分のHeLa229細胞へのク
ラミジア感染に対する影響〕実施例1と同様の方法で、
EB液に、予めHBSSに溶解したヘパリン、2ODS
H−2、参考例3で調製した低分子化2ODSH画分を
それぞれ100μg/mlとなるよう添加し懸濁後、この
EB懸濁液をHeLa229細胞に感染させ、これらの
被検物質によるクラミジア感染の阻害効果を調べた。対
照としては、参考例3で調製した2ODSHのオリゴ糖
画分(4,6,8,10,12糖)を用いた。その結
果、低分子化2ODSH画分においては10%程度まで
クラミジア感染を抑制したが、12糖以下の上記各オリ
ゴ糖画分は感染阻害効果は示さなかった。従って、クラ
ミジア感染阻害効果を示す2ODSHは、12糖以上の
糖鎖が必要なことが判明した。結果を図2に示す。
【0052】実施例3 〔ヘパリン、2ODSH−2及びCDSNSH前処理E
BのHeLa229細胞へのクラミジア感染に対する影
響〕100μg/mlのヘパリン、2ODSH−2、CD
SNSHをそれぞれ添加したクラミジア感染性粒子(el
ementary body:EB)液を調製し、37℃で60分保
温した。保温後、EB液をHank's balanced salt Solut
ion(HBSS)(GIBCO社製)に懸濁し、800
0Gで30分間の遠心を行った。ペレットをHBSSに
再懸濁し、1分間の超音波処理をし、更に8000Gで
30分間の遠心を行い、ペレットを少量のHBSSに再
懸濁することによりEB懸濁を調製した。この前処理E
B懸濁液のHeLa細胞への感染率を実施例1と同様の
方法で測定した。その結果、ヘパリン及び2ODSH−
2でEBを前処理することによりクラミジア感染を阻害
したが、CDSNSHは感染阻害効果を示さなかった。
結果を図3に示す。
【0053】実施例4 〔ヘパリナーゼIのHeLa229細胞へのクラミジア
感染に対する影響〕実施例1と同様の方法に従って、ヘ
パリナーゼI(SIGMA社製)についても同様に、ク
ラミジア感染陽性細胞率を測定した。その結果、1IU/
mlの濃度において、細胞の感染は約9.2%であり、ヘ
パリナーゼIはクラミジア感染を阻害することが分かっ
た。結果を図4に示す。
【0054】実施例5 〔ヘパリナーゼI前処理Hela229細胞へのクラミ
ジア感染に対する影響〕単層HeLa229細胞に、H
BSSに懸濁したヘパリナーゼI(SIGMA社製)を
添加し、37℃で60分保温した。保温後、温HBSS
にで3回洗浄を行った。上記前処理を行った単層HeL
a229細胞にEB懸濁液を200μlずつ分注して、
室温で1時間培養した。単層HeLa229細胞をHB
SSにて3回洗浄し、10μg/mlシクロヘキサミドを
添加した10%牛胎児血清、0.5%グルコース含有イ
ーグルMEM培地(CMGA培地,ICN Biochem社
製)にて37℃で48時間培養した。培養後トリプシン
/EDTA液にて細胞を回収し、細胞を100%エタノ
ールで5分間固定し、親水化して、0.1%Tween
20を加えたPBSにて2回洗浄した。FITC標識抗
クラミジア抗体で固定細胞を染色し、フローサイトメト
リーにて感染陽性細胞率を測定した。その結果、1IU/
mlの濃度において、ヘパリナーゼIで前処理したHeL
a229細胞の感染は、約4.7%であり、ヘパリナー
ゼIでHeLa229細胞を前処理することでクラミジ
ア感染を阻害することが分かった。結果を図5に示す。
【0055】製剤例 (1)錠剤 実施例1で調製した2ODSH−2を100mg秤量し、
これに乳糖670mg、馬鈴薯デンプン150mg、結晶セ
ルロース60mg、および軽質無水ケイ酸50mgを添加し
て混合し、これにヒドロキシプロピルセルロース30mg
をメタノールに溶解した溶液(10%(w/w))を添加
して練合造粒した。次に、これを径0.8mmのスクリー
ンで押し出して顆粒状にし、乾燥した後、ステアリン酸
マグネシウム15mgを添加して圧縮成型し、100mgの
錠剤を製造した。
【0056】(2)カプセル剤 実施例1で調製した2ODSH−2を100mg秤量し、
これに乳糖765mg、馬鈴薯デンプン150mg、ステア
リン酸マグネシウム10mgおよび軽質無水ケイ酸50mg
を添加して均一に混合し、これを100mgずつ硬カプセ
ルに充填し、カプセル剤を製造した。
【0057】(3)軟膏剤 実施例1で調製した2ODSH−2を100mg秤量し、
これに鉱油4g、石油ゼリー8g、混合メチル/プロピ
ルパラバン60mg、非イオン性界面活性剤1gおよび精
製水30gを添加して均一に混合し、これを容器に充填
し、軟膏剤を製造した。
【0058】膣用座剤 実施例1で調整した2ODSH−2を100mg秤量し、
マクロゴール400を3000mgとともに60℃で加温
溶融して均一に混合した後、プラスチックの型に注いで
冷却し、膣用座剤を製造した。
【発明の効果】ヘキスロン酸残基とヘキソサミン残基か
ら成る二糖単位の繰り返し構造を基本骨格とする硫酸化
グリコサミノグリカンにおいて、構成ヘキスロン酸残基
の2位の硫酸基を除去することにより安全で副作用のな
いクラミジア感染症処置剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘパリン、2ODSH−2およびCDSNSH
のHeLa229細胞へのクラミジア感染阻害を示すグ
ラフである。
【図2】ヘパリン、2ODSH−2および低分子化2O
DSH画分のHeLa229細胞へのクラミジア感染阻
害を示すグラフである。
【図3】ヘパリン、2ODSH−2およびCDSNSH
処理EBのHeLa229細胞へのクラミジア感染阻害
を示すグラフである。
【図4】ヘパリナーゼIのHeLa229細胞へのクラ
ミジア感染阻害を示すグラフである。
【図5】ヘパリナーゼI前処理HeLa229細胞への
クラミジア感染阻害を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08B 37/10 C08B 37/10 C12Q 1/04 C12Q 1/04 Fターム(参考) 4B063 QA06 QQ02 QQ06 QR43 QS12 QX01 4C086 AA01 AA02 EA26 EA27 MA01 MA04 NA14 ZA81 ZB35 4C090 AA09 BA64 BA68 BB02 BB17 BB19 BB33 BB36 BB55 BB62 BB63 CA21 CA31 CA34 DA23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘキスロン酸残基とヘキソサミン残基か
    ら成る二糖単位の繰り返し構造を基本骨格とする硫酸化
    グリコサミノグリカンにおいて、該ヘキスロン酸残基の
    全てまたは一部の2位の水酸基に硫酸基を有しない硫酸
    化グリコサミノグリカンまたはその塩を有効成分とする
    ことを特徴とするクラミジア感染症処置剤。
  2. 【請求項2】 硫酸化グリコサミノグリカンが、ヘキス
    ロン酸残基の全ての2位の水酸基に硫酸基を有しない硫
    酸化グリコサミノグリカンである、請求項1記載のクラ
    ミジア感染症処置剤。
  3. 【請求項3】 ヘキソサミン残基がグルコサミン残基で
    ある、請求項1または2記載のクラミジア感染症処置
    剤。
  4. 【請求項4】 硫酸化グリコサミノグリカンがヘパリン
    である、請求項1または2記載のクラミジア感染症処置
    剤。
  5. 【請求項5】 硫酸化グリコサミノグリカンがヘパラン
    硫酸である、請求項1または2記載のクラミジア感染症
    処置剤。
  6. 【請求項6】 ヘキスロン酸残基とヘキソサミン残基か
    ら成る二糖単位の繰り返し構造を基本骨格とする硫酸化
    グリコサミノグリカンにおいて、該ヘキスロン酸残基の
    全てまたは一部の2位の水酸基に硫酸基を有しない硫酸
    化グリコサミノグリカンまたはその塩をクラミジアに接
    触させることを特徴とするクラミジアの生育阻害方法。
JP2000197359A 2000-06-29 2000-06-29 クラミジア感染症処置剤 Expired - Fee Related JP4633233B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000197359A JP4633233B2 (ja) 2000-06-29 2000-06-29 クラミジア感染症処置剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000197359A JP4633233B2 (ja) 2000-06-29 2000-06-29 クラミジア感染症処置剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002020293A true JP2002020293A (ja) 2002-01-23
JP4633233B2 JP4633233B2 (ja) 2011-02-16

Family

ID=18695692

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000197359A Expired - Fee Related JP4633233B2 (ja) 2000-06-29 2000-06-29 クラミジア感染症処置剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4633233B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000344674A (ja) * 1999-03-31 2000-12-12 Seikagaku Kogyo Co Ltd 血管内皮細胞増殖因子作用の抑制剤及び血管新生の抑制剤
JP2002003384A (ja) * 2000-06-22 2002-01-09 Seikagaku Kogyo Co Ltd 成長因子誘導剤
EP1535620A1 (en) * 2002-08-13 2005-06-01 Third Military Medical University Chinese People's Liberation Army P.R. of China The use of n-acetyl-d-glucosamine for preparing medicines for urogenital tract infection's treatment and prevention

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996006867A1 (en) * 1994-09-01 1996-03-07 Glycomed Incorporated Method for controlling o-desulfation of heparin and compositions produced thereby
JPH08506570A (ja) * 1993-01-08 1996-07-16 ザ ポピュレーション カウンシル 性行為感染症予防のための硫酸化多糖類の使用
JP2000344674A (ja) * 1999-03-31 2000-12-12 Seikagaku Kogyo Co Ltd 血管内皮細胞増殖因子作用の抑制剤及び血管新生の抑制剤
JP2001151680A (ja) * 1999-11-24 2001-06-05 Seikagaku Kogyo Co Ltd 鎮痒剤
JP2001187740A (ja) * 2000-01-05 2001-07-10 Seikagaku Kogyo Co Ltd 創傷治療剤

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2614026B1 (fr) * 1987-04-16 1992-04-17 Sanofi Sa Heparines de bas poids moleculaire, a structure reguliere, leur preparation et leurs applications biologiques
JP4051099B2 (ja) * 1997-01-31 2008-02-20 生化学工業株式会社 低分子化ヘパリン、その製造法及び医薬組成物
JP4166846B2 (ja) * 1997-07-24 2008-10-15 生化学工業株式会社 ヘパリン結合担体及びフルクトース−1,6−ビスリン酸アルドラーゼの分離方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08506570A (ja) * 1993-01-08 1996-07-16 ザ ポピュレーション カウンシル 性行為感染症予防のための硫酸化多糖類の使用
WO1996006867A1 (en) * 1994-09-01 1996-03-07 Glycomed Incorporated Method for controlling o-desulfation of heparin and compositions produced thereby
JP2000344674A (ja) * 1999-03-31 2000-12-12 Seikagaku Kogyo Co Ltd 血管内皮細胞増殖因子作用の抑制剤及び血管新生の抑制剤
JP2001151680A (ja) * 1999-11-24 2001-06-05 Seikagaku Kogyo Co Ltd 鎮痒剤
JP2001187740A (ja) * 2000-01-05 2001-07-10 Seikagaku Kogyo Co Ltd 創傷治療剤

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000344674A (ja) * 1999-03-31 2000-12-12 Seikagaku Kogyo Co Ltd 血管内皮細胞増殖因子作用の抑制剤及び血管新生の抑制剤
JP4633223B2 (ja) * 1999-03-31 2011-02-16 生化学工業株式会社 血管内皮細胞増殖因子依存性血管内皮細胞増殖の抑制剤
JP2002003384A (ja) * 2000-06-22 2002-01-09 Seikagaku Kogyo Co Ltd 成長因子誘導剤
JP4633232B2 (ja) * 2000-06-22 2011-02-16 生化学工業株式会社 成長因子誘導剤
EP1535620A1 (en) * 2002-08-13 2005-06-01 Third Military Medical University Chinese People's Liberation Army P.R. of China The use of n-acetyl-d-glucosamine for preparing medicines for urogenital tract infection's treatment and prevention
EP1535620A4 (en) * 2002-08-13 2008-02-20 Univ Pla 3Rd Military Medical USE OF N-ACETYL-D-GLUCOSAMINE FOR THE MANUFACTURE OF MEDICAMENTS FOR THE TREATMENT AND PREVENTION OF HARNWAY INFECTIONS
US7704976B2 (en) 2002-08-13 2010-04-27 Third Military Medical University, Chinese People's Liberation Army, P.R. Of China Use of N-acetyl-D-glucosamine for preparing medicines for urogenital tract infection's treatment and prevention

Also Published As

Publication number Publication date
JP4633233B2 (ja) 2011-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU634199B2 (en) Heparin fragments as inhibitors of smooth muscle cell proliferation
US5250519A (en) Non-anticoagulant heparin derivatives
US5280016A (en) Non-anticoagulant heparin derivatives
DORFMAN Polysaccharides of connective tissue
JPH01503548A (ja) ヘパリン誘導体
JPH11504018A (ja) 硫酸化オリゴ糖の製造および使用
WO1994014849A1 (en) Sulfated polysaccharides as inhibitors of smooth muscle cell proliferation
JPH04502153A (ja) マイコプラズマ ニューモニエ及びマイコプラズマホミヌスのスルファチドへの接着
Kent The chemistry of mucoproteins: an introduction to gastrointestinal mucus
WO2009013162A1 (en) Process for the preparation of heparanase-inhibiting sulfated hyaluronates and products obtained thereby
US20060293275A1 (en) Hgf production accelerator containing heparin-like oligosaccharide
AU2012252415B2 (en) "Biotechnological sulphated chondroitin sulphate at position 4 or 6 on the same polysaccharide chain, and process for the preparation thereof"
JP4567942B2 (ja) 破骨細胞形成抑制剤
Garg et al. Effect of fully sulfated glycosaminoglycans on pulmonary artery smooth muscle cell proliferation
JP4633233B2 (ja) クラミジア感染症処置剤
JPH11269077A (ja) ホスホリパーゼa2阻害用医薬組成物
AU2011369262B2 (en) Shark-like chondroitin sulphate and process for the preparation thereof
JP4462826B2 (ja) 骨疾患治療剤
JP4019128B2 (ja) 抗ヘルペスウイルス剤
JP4633223B2 (ja) 血管内皮細胞増殖因子依存性血管内皮細胞増殖の抑制剤
Chaubet et al. Sulphated polysaccharides derived from dextran: biomaterials for vascular therapy
WO2002083155A1 (en) Use of sulfated bacterial polysaccharides suitable for the inhibition of angiogenesis
JP4091137B2 (ja) 免疫抑制剤
Chen et al. A natural heparinoid from mollusc Meretrix lusoria: Purification, structural characterization, and antithrombotic evaluation
Luo et al. Biospecific extraction and neutralization of anticoagulant heparin with fibroblast growth factors (FGF)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees