JP4462826B2 - 骨疾患治療剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硫酸化フコースを構造中に有する糖化合物及び/又はその薬理学的に許容されうる塩を有効成分とする、代謝性骨疾患や炎症性骨疾患等の予防と治療に好適な骨疾患治療剤及び破骨細胞形成抑制剤に関するものである。
【0002】
【従来技術】
骨組織は、骨吸収と骨形成から成る骨代謝が繰り返されている動的組織である。骨吸収と骨形成の均衡は、骨形成を担当する骨芽細胞と骨吸収を担当する破骨細胞の両者により厳密に調節されており(非特許文献1)、この均衡が崩れると、骨組織は異常をきたし、種々の疾患を呈する。
【0003】
骨吸収と骨形成の異常により引き起こされる疾患の一例としては、骨粗鬆症が挙げられる(非特許文献2)。他にも、炎症性骨破壊を伴う慢性関節リウマチや歯周炎が挙げられる。これら骨疾患は、特に破骨細胞の機能が異常に亢進した結果生じると考えられており、この様な背景の下、破骨細胞の形成と破骨細胞による骨吸収の調節に関する研究が盛んに行われており、破骨細胞による骨吸収過程や破骨細胞の形成を特異的に抑制する物質は、これら骨疾患の有効な治療薬として期待され、研究されてきている(非特許文献3)。
【0004】
これまでに、骨質を溶かす酵素の破骨細胞による放出や骨表面の酸性化を阻害することに基づく骨吸収の抑制作用を有する物質についての報告や、硫酸化グリコサミノグリカンのカルシウム塩を含有する口腔用組成物が歯周病原性細菌の内毒素刺激による骨のカルシウムイオン遊離量に抑制効果を示すこと(特許文献1)や硫酸化グリコサミノグリカンナトリウムとカルシウム化合物を併用する骨代謝改善剤が内毒素やヒト副甲状腺ホルモン等による骨のカルシウムイオン遊離量に抑制効果を示すこと(特許文献2)及びインシュリン、プロタミン及びグリコサミノグリカンから選択される少なくとも1種を含む石灰化促進剤と骨補填材からなる骨疾患治療剤(特許文献3)等の報告があるが、いずれもカルシウムや骨補填材の様な骨の修復に効果があると見なされている物質が併用されており、硫酸化グリコサミノグリカン単独での効果ではない。更に、コンドロイチン硫酸ナトリウム塩の投与によるカルシウム吸収率や骨強度の増強作用に基づく経口用骨粗鬆症予防及び治療剤(特許文献4)等の報告もされているが、いずれも血液幹細胞から破骨細胞へ向かう分化過程に作用して、破骨細胞の形成を阻止することに関する示唆は無い。
【0005】
また、破骨細胞分化誘導のメカニズムは、活性化ビタミンD(1α、25(OH)2D3)、副甲状腺ホルモン(PTH)、インターロイキン11(IL11)、インターロイキン6(IL6)、TNFα、プロスタグランジンE2(PGE)等の骨吸収促進因子による骨芽細胞への作用により骨芽細胞表面上に破骨細胞分化因子(ODF)が発現し(非特許文献4)、一方、破骨細胞の表面にはODFの受容体であるReceptor activator of NF−Κb(RANK)が発現しており、ODFとRANKとが結合することが破骨細胞の形成に必要であることが報告されている(非特許文献5)。抑制系としては、種々の細胞より可溶性の骨吸収抑制因子(OCIF)が産生されており、ODFとRANKとの結合を競合的に阻害する事により破骨細胞の形成を抑制させることが報告されている(非特許文献6)。
【0006】
更に、慢性関節リウマチや歯周病における骨破壊のメカニズムも明らかにされつつあり、特に、これら骨疾患は、免疫系の関与が大きいことが示唆されており、活性化T細胞によるODF発現とそれに伴う破骨細胞形成亢進に起因することが指摘されている(非特許文献7)。また、この様な骨疾患に対しては、ODFとRANKとの結合を遮断する物質が有効な治療薬となる可能性があると示唆されている(非特許文献8)。しかし、ODFのRANKへのシグナルを遮断するOsteoprotegerin(OPG)は未だ治療剤として上市に至っていない。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−80546
【特許文献2】
特開平7−53388
【特許文献3】
特開昭62−201825
【特許文献4】
特開平7―109222
【非特許文献1】
Chambers et al (1991) Vitamins Hormones 46,41-86
【非特許文献2】
Suda et alX (1992) Endocr. Rev., 13, 66-80 ; Suda et al (1996) In "Principles of Bone Biology (Bilezikian et al.eds)" pp.87-102
【非特許文献3】
Moreland et al (1993) Am.J.Med.Sci., 305(1) 40-51 ; Mebio., 11(2), p.24 (1994)
【非特許文献4】
Yasuda et al(1998) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95,3597-3602 ; Lacey et al (1998) Cell 93,165-176
【非特許文献5】
Nakagawa et al(1998) Biochem. Biophys. Res. Commun, 253,395-400
【非特許文献6】
Tsuda et al. (1996) 生化学 68, 683 ; Tsuda et al. (1997) Biochem Biophys. Res. Commun 234, 137-142 ; Yasuda et al(1998) Endcrinology 139,1329-1337
【非特許文献7】
Teng et al. (2000) J.Clin.Invest,106(6),R59-R67 ; Kong et al(1999) Nature, 402(6759), 304-309
【非特許文献8】
Simonet et al (1997), Cell, 89, 309-319
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、慢性関節リウマチや歯周病等の炎症性骨破壊に起因する疾患や骨粗鬆症等の代謝性骨疾患の予防や治療に用いることが出来、安全性の高い、骨疾患治療剤及び破骨細胞形成抑制剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、硫酸化フコースを構造中に有する糖化合物に、破骨細胞の形成を抑制する作用を見出し、本発明を完成するに到った。
【0010】
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。本発明の要旨は、硫酸化フコースを構造中に有する糖化合物及び/又はその薬理学的に許容されうる塩を有効成分として含有する骨疾患治療剤であり、具体的には、硫酸化フコース分子同士が化学的に結合して構成するポリ硫酸化フコース及び/又はそれらの薬理学的に許容されうる塩又は硫酸化フコビオシル基を有するグリコサミノグリカン及び/又はそれらの薬理学的に許容されうる塩を有効成分として含有する骨疾患治療剤である。中でも、硫酸化フコビオシル基を有するグリコサミノグリカンとしてはウロン酸とヘキソサミンからなる構成二糖単位1残基あたり平均0.1分子以上の硫酸化フコビオシル基を有する硫酸化フコビオシルグリコサミノグリカンが挙げられ、更にはD−グルクロン酸とN−アセチル−D−ガラクトサミンがβ1→3グリコシド結合した構成二糖単位1残基あたり平均0.1分子以上のフコビオシル基を有する硫酸化フコビオシルグリコサミノグリカンなどが好ましく挙げられる。また本発明は、硫酸化フコースを構造中に有する糖化合物及び/又はその塩を有効成分として含有する破骨細胞形成抑制剤を要旨とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明に用いる硫酸化フコースを構造中に有する糖化合物(以下、本発明物質ともいう)とは、該糖化合物の構造中に硫酸化フコース(以下、Fucと記載する場合もある)が化学的に結合したものであり、糖化合物の構造中に硫酸化フコース分子を2つ以上有する糖化合物がより好ましい。また、別の観点から述べると、本発明物質は好ましくは破骨細胞の形成抑制作用を示す、硫酸化フコースを構造中に有する糖化合物であり、当該破骨細胞の形成抑制効果は、例えば、マウス骨髄細胞を用いPGE等の骨吸収促進因子を添加することにより破骨細胞の形成を惹起させた実験系を用い、この実験系に被検物質を共存させて、破骨細胞数を計測することで確認する事が出来るが、特にこの実験系でのみ確認される効果では無く、他の破骨細胞分化誘導モデルの実験等においても確認する事は可能である。
【0012】
本発明物質としては、例えば、硫酸化フコース分子同士が化学的に結合しているポリ硫酸化フコースや硫酸化フコース2分子からなる硫酸化フコビオシル基を側鎖として有するグリコサミノグリカン等が挙げられる。尚、本発明物質の構造中に存在する全フコース分子のうち少なくとも1つ以上が硫酸化されたフコースであれば良く、本発明物質中に存在するフコースの中には硫酸基を持たないフコースが存在している場合もある。
【0013】
本明細書における「ポリ硫酸化フコース」とは、硫酸化フコース分子同士が化学的に結合し直鎖構造をなしていても、また、分岐構造をなしていても良い。つまり、本発明物質として用いられるポリ硫酸化フコースは、硫酸化フコース分子同士がα1→3結合(Fucα1→3Fuc)によりグリコシド結合し直鎖状に伸長していることが好ましい。また、硫酸化フコース分子同士のα1→3結合による鎖状構造を主鎖として更に硫酸化フコースからなる側鎖を持つことにより分岐構造をなしていても良く、当該分岐構造における主鎖の硫酸化フコースと側鎖の硫酸化フコースはα1→4結合(Fucα1→4Fuc)によりグリコシド結合していることが好ましい。尚、本発明物質のポリ硫酸化フコースは、側鎖を必ずしも規則的に結合している必要はなく、部分的に側鎖を有するポリ硫酸化フコースも含まれる。
【0014】
また、ポリ硫酸化フコース中の硫酸化されうる部位としては、結合に関与していないヒドロキシル基が挙げられる。例えば、硫酸化フコース分子同士のα1→3結合による直鎖構造からなるポリ硫酸化フコースにおいては、構成している各硫酸化フコースのO−2位及びO−4位のヒドロキシル基が硫酸化されうる部位として考えられ、また、硫酸化フコース分子同士のα1→3結合による主鎖にα1→4結合により側鎖として硫酸化フコースが結合し分岐構造をなしているポリ硫酸化フコースにおいては、主鎖を構成する各硫酸化フコースのO−2位のヒドロキシル基や、側鎖である硫酸化フコース分子におけるO−2位及びO−4位のヒドロキシル基が硫酸化されうる部位として考えられる。しかし、前述の様に、当該部位の全てが必ずしも硫酸化されているわけではなく、また、必ずしも規則的に硫酸化されているわけでもない。
【0015】
ポリ硫酸化フコースの分子量は限定されるものでは無いが、その平均分子量は、3,000〜60,000が好ましく、5,000〜40,000がより好ましく、更には7,000〜35,000がより好ましい。また、フコース1分子に対する硫酸基の割合は、平均0.4〜1.0分子が好ましく、より好ましくは平均0.6〜0.85分子である。
【0016】
また、硫酸化フコビオシル基を有するグリコサミノグリカンとは、L−イズロン酸又はD−グルクロン酸から選択されるウロン酸残基とD−グルコサミン、D−ガラクトサミン、N-アセチル-D-グルコサミン又はN-アセチル-D-ガラクトサミンから選択されるヘキソサミン残基から成る二糖単位(以下、構成二糖単位とも言う)の繰り返し構造を主鎖の基本骨格とし、側鎖として硫酸化フコビオシル基を有するグリコサミノグリカンを示す(以下、SC―GAGという)。
【0017】
尚、本発明における硫酸化フコビオシル基とは、フコースのO−2位及びO−4位のヒドロキシル基(−OH)の硫酸(−OSO3 )化の違いによりフコース1分子中に0〜2個硫酸基を有するフコース残基2残基分がα1→3結合しているフコビオース基であり、下記式(1)で表される。
【0018】
【化1】
Figure 0004462826
【0019】
【表1】
Figure 0004462826
【0020】
つまり、本発明物質として用いられるSC−GAGとしては、公知のグリコサミノグリカンに側鎖として硫酸化フコビオシル基が結合したものが挙げられる。中でも特に、D-グルクロン酸(以下、GlcAとも言う)のO-1位とN-アセチル-D-ガラクトサミン(以下、GalNAcとも言う)のO-3位とがβ-グリコシド結合したコンドロイチン硫酸タイプの二糖単位の繰り返し構造を主鎖の基本骨格とし、主鎖を構成するGalNAcのO-4位、O-6位及びGlcAのO-3位から選択される位置のヒドロキシル基と硫酸化フコビオシル基のO-1位のヒドロキシル基とでグリコシド結合することにより、硫酸化フコビオシル基を側鎖として有する分岐構造を持ったコンドロイチン硫酸タイプのグリコサミノグリカン(以下、SC−CSとも言う)が好ましく挙げられる。
【0021】
SC−GAGは、1つの硫酸化フコビオシル基側鎖を有する構成二糖単位でほぼ構成されていても、または、硫酸化フコビオシル基側鎖を持たない構成二糖単位と1つ以上の硫酸化フコビオシル基側鎖を有する構成二糖単位が混在して構成されていても良い。つまり、部分的に硫酸化フコビオシル基側鎖を有するグリコサミノグリカンでも構わない。
【0022】
例えば、SC−CSにおいては、主鎖の構成二糖単位1残基あたり平均0.1分子以上のフコビオシル基を含有しているのが好ましく、更には平均0.2分子以上含有しているとより好ましく、更には平均0.4分子以上含有しているとより好ましく、平均0.8分子以上含有していると最も好ましい。(尚、本明細書においては、部分的に硫酸化フコビオシル基側鎖を有するコンドロイチン硫酸タイプのグリコサミノグリカンを部分的SC−CSと言い、構成二糖単位1残基に硫酸化フコビオシル基側鎖をほぼ1分子有する構成二糖単位から成るコンドロイチン硫酸タイプのグリコサミノグリカンをNSC−CSとも言う。)
【0023】
SC―GAGの平均分子量は、2,000〜50,000であることが好ましく、平均分子量3,000〜30,000がより好ましい。尚、多糖類の平均分子量は、重量平均分子量で示すのが一般的であるが、グリコサミノグリカンの平均分子量は、同一試料でも測定方法や測定条件などによって多少異なることは当業者にとって常識であり、本発明物質においても、上記平均分子量の範囲に厳密に限定されるべきものではない。
【0024】
本発明のSC−GAGは、通常のグリコサミノグリカンと同様にグリコサミノグリカン部分にも硫酸基を有している。例えば、SC−CSにおいては、主鎖の構成二糖単位1残基に対する硫酸基の割合は側鎖の硫酸化フコビオシル基の硫酸含量と合わせて平均1.0〜4.0分子が好ましく、更には平均1.3〜3.8分子であるとより好ましい。
【0025】
また、部分的SC−CSは後述の試験例に記載のコンドロイチナーゼABC(以下、C−ABCとも言う)による分解とイオン交換高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCともいう)による分析を組み合わせた二糖組成分析において硫酸化フコビオシル基の結合量に反比例してウロン酸1分子とヘキソサミン1分子から成る不飽和二糖が検出されるが、この分析法における不飽和二糖の生成率が0〜75%が好ましく、0〜50%であるとより好ましい。尚、NSC−CSはこの分析方法にて不飽和二糖生成率0%である。つまり、本発明物質はC−ABCで分解されにくい硫酸化GAGであることがより好ましい。
【0026】
本発明物質は、その起源、由来、製法によって特に限定されるものでは無く、本発明物質が有する特性を満たすものであれば、天然資源から抽出、精製したものでも、また、天然資源から抽出され精製して得られた物質を原料として化学的手法等により改変したもの、また、人工的に化学合成したものや、遺伝子工学的に動物細胞、植物細胞、微生物等により合成させたものでも構わない。
【0027】
例えば、SC−GAGは、天然資源から得られる硫酸化フコビオシル基を側鎖として有するグリコサミノグリカンでも、天然資源(主として生物体)から得られる硫酸化フコビオシルグリコサミノグリカンを原料として部分的に硫酸化フコビオシル基を除去するなどの化学的手法等により改変したもの、及び、天然資源から得られるグリコサミノグリカン(以下、GAGともいう)を原料として化学的手法等により硫酸化フコビオシル基側鎖を導入したもの等、若しくは、人工的に化学合成したものや、遺伝子工学的に動物細胞、植物細胞、微生物等により合成させたものでも構わない。SC−GAGを天然資源から単離精製する場合や天然資源から単離精製された硫酸化フコビオシルグリコサミノグリカンを原料として製造する場合に用いる天然資源としては、種、属など特に限定されないが、例えば、棘皮動物が挙げられる。棘皮動物の中でも、好ましくはナマコ類が挙げられ、特に、マナマコ(Sea Cucumber Stichopus japonicus)、クロナマコ(Holthuria atra)、ニセクロナマコ(Holothuria leurospilota)などが挙げられる。
【0028】
また、本発明物質として用いられるポリ硫酸化フコースを天然資源から単離精製する場合に用いる原料としても、一例として上記と同様のナマコ類が挙げられる。尚、現在、これらナマコ類動物は、ごく一部が食用に供されてはいるが、殆ど利用されていない未利用資源である。
【0029】
上記の天然資源から硫酸化フコビオシルグリコサミノグリカン等のGAG類やポリ硫酸化フコースを単離・精製する方法は、例えば、Carbohydr. Res., 297, 273-279 (1997)や特公平6−70085や後述の参考例に記載の方法を用いることが可能であるが、GAG類等を生体組織から単離・精製する際に通常用いられる公知の方法を用いる事も可能である。
【0030】
また、側鎖である硫酸化フコビオシル基の部分的脱離方法としては、本発明物質が有する特性を満たすSC−GAGが生成する条件での緩和な酸加水分解反応、アルカリ加水分解反応や酵素消化反応が挙げられるが、目的とする部分的SC−GAGが得られれば、これらに特に限定はされない。例えば、マナマコより単離・精製した硫酸化フコビオシルグリコサミノグリカンを原料として、硫酸化フコビオシル基の部分的脱離を行う場合は、0.05〜0.2N程度の硫酸、塩酸等の無機酸を用いて、75〜85℃程度の条件下で約2〜6時間、酸加水分解を行い、反応後、中和し、分離・精製する方法が挙げられる。
【0031】
本発明物質の薬理学的に許容されうる塩としては、本発明物質の有する破骨細胞形成を抑制する作用を失うこと無く、また、薬理学的に許容されうる塩であれば、特に限定されない。例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等の無機塩基との塩、またジエタノールアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、アミノ酸塩等の有機塩基との塩などのうち薬理学的に許容されるものが挙げられ、特にナトリウム塩が好ましい。
また、本発明物質の塩としては、本発明物質の有する破骨細胞の形成を抑制する作用を失わせることの無い塩であれば、特に限定されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等の無機塩基との塩、またジエタノールアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、アミノ酸塩等の有機塩基との塩等が挙げられる。特にナトリウム塩が好ましい。
【0032】
本発明物質は、後述の実施例に記載の通り、マウス骨髄細胞を用いた破骨細胞形成の実験系において、破骨細胞の形成を有意に抑制する。これより、本発明物質は骨粗鬆症に代表される代謝性骨疾患やリウマチ、歯周病の様な炎症性骨疾患等、特に破骨細胞の機能が異常に亢進することにより引き起こされる疾患の予防と治療に用いることが出来る。
【0033】
本発明物質を上記疾患の予防や治療に用いる場合には、本発明物質の有する作用を実質的に損なわず、又、投与対象に対し悪影響を示さない限りにおいて、他の薬効成分や製剤時に通常用いられる賦形剤、結合剤、保存剤、安定化剤などを適宜用いる事が可能である。本発明物質を含有する骨疾患治療剤の剤型及び投与経路としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤、液剤、リポ化剤、ゲル化剤、軟膏剤等に製剤化して、経口、注射、塗布等の投与方法が考えられるが、治療対象となる疾患の性質や重篤度に応じて適宜選択することが可能である。
【0034】
尚、本発明物質を含有する骨疾患治療剤の投与量は、その製剤の投与方法、投与形態、投与対象患者の体重や具体的症状等に応じて個別に決定されるべき事項であり、特に限定はされないが、本発明物質として1日当たり概ね0.1mg/kg〜300mg/kg程度を、1日1回〜数回に分けて投与する事が考えられる。
更に、上述の本発明物質は、破骨細胞形成抑制剤としてin vivo及びin vitroの系でも用いる事が出来る。
【0035】
【実施例】
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
参考例1 NSC−CSの製造
マナマコ(Stichopus japonius)の体壁部より、GAG類を生体組織から単離・精製するために用いられる公知の方法(Kariya et al. (1990) J.Biol.Chem.,265, 5081-5085)にて、硫酸化フコビオシルグリコサミノグリカン(NSC−CS)の凍結乾燥粉体210mgを得た。
【0037】
具体的には、原料のマナマコ(Stichopus japonius)の体壁背部をミンチ状に処理した後、ホモジナイズし、クロロホルム/メタノール(2:1,V/V)で不要の脂溶性画分を抽出除去した。抽出残渣を乾燥後、120℃、30分間のオートクレーブ処理に付し、50mmol/lリン酸緩衝液(pH8.0)に溶解し懸濁液とした。この懸濁液に対し、蛋白質1gあたり50mgのアクチナーゼ(科研製薬(株)製)を加え、55℃にて8時間攪拌し、コラーゲンやコアプロテイン等の共存蛋白質を消化した。酵素消化物を0.4mol/l水酸化ナトリウム、次いで10%トリクロロ酢酸で順次処理した後、遠心分離(5,000xg、15分)に付し、上清を回収し、流水透析を行った。透析内液に2.5%酢酸ナトリウムを含む冷エタノールを透析内液量の3倍量を添加する事により目的物質を沈殿させ、遠心分離(5,000xg、15分)により沈殿を回収した。回収した沈殿を冷エタノールで洗浄し、得られたペレットを減圧乾燥することにより粗精製物を得た。
【0038】
得られた粗精製物1.0gを少量の50mmol/l炭酸水素アンモニウム緩衝液(pH8.0)に溶解し、その半分量を同溶媒で平衡化したSephadex G-100Amersham Bioscience社製)を詰めたカラム(直径3.4cm×長さ100cm)に付し、同溶媒にて溶出させ、溶出液を10mL毎に回収した。得られた各フラクションにつき紫外部(UV)210nmにおける吸光度の測定、カルバゾール法(Bitter&Muir (1962) Anal. Biochem., 4, 330-334)によるウロン酸含量の測定及びアンスロン法(Dimler, R. L et al. (1952) Anal. Chem., 24, 1411-1414)による中性糖含量の測定を行った。その結果、高分子画分にグリコサミノグリカンと目されるカルバゾール反応陽性の画分を見出したので、これを合一回収し、凍結乾燥により粉末(224mg)を得た。得られた粗精製物の溶液の残り半分量についても同様の操作を行い、合わせて574mgの凍結乾燥物を得た。得られた凍結乾燥物のうち500mgを100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したDEAEセルロース(DE52、Whatmann社製)を詰めたカラム(内径1.8cm×長さ18cm)に付し、同緩衝液中0→1.2M塩化ナトリウムの直線的濃度勾配により溶出した。
【0039】
8ml毎に分画回収した各フラクションにつきカルバゾール法によりウロン酸含量の測定およびアンスロン法による中性糖含量の測定を行った。その結果、塩化ナトリウムの0.6mol/l濃度付近に目的物質と目されるピークを見出したので、このピークに該当する画分を合一回収し、流水透析、次いで、凍結乾燥を行い、NSC―CSである粉体(210mg)を得た。
【0040】
ここで得られたNSC−CSにつき、化学組成分析法による分析を行った。即ち、MBTH法(Hurst & Settine(1981) Anal.Biochem.,115,88-92)にてヘキソサミン含量を測定し、カルバゾール法(Bitter&Muir(1962) Anal.Biochem.,4,330-334)、イオンクロマトグラフィー並びにアンスロン法(Dimler,R.L et al.(1952) Anal.Cehm.,24,1411-1414)にて各々ウロン酸含量、硫酸イオン含量並びに中性糖含量を測定した。
【0041】
測定結果より、得られたNSC−CS構成成分の重量存在比を算出したところ、公知のナマコ由来グリコサミノグリカン(Kariya et al. (1990) J.Biol.Chem.,265, 5081-5085)とほぼ同等の組成を示した。この公知のナマコ由来グリコサミノグリカンの構造は、D-グルクロン酸とN-アセチル-D-ガラクトサミンがβ1→3グリコシド結合したコンドロイチンの基本骨格を有するものであり、N-アセチル-D-ガラクトサミンのO-4位かつ/またはO-6位、更にはD-グルクロン酸のO-3位に硫酸化フコース2残基よりなるフコース側鎖(硫酸化フコビオシル基)がグリコシド結合した構造を有していることが明らかにされており(Kariya et al.(1997) Carbohydr.res.,297,273-279)、本参考例で製造したNSC−CSも同様の構造であると推測される。
【0042】
参考例2 部分的SC−CSの製造
上記で得られたNSC−CSを原料として、側鎖である硫酸化フコビオシル基の部分的除去を行い、部分的SC−CSを製造した。つまり、上記で得られたNSC−CS40mgを0.05M硫酸4mLに溶解し、80℃にて3時間あるいは6時間の加水分解反応にそれぞれ付した。反応は反応混液を室温まで冷却することによって停止させ、1N水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和した後、0.2M塩化ナトリウムで平衡化したセルロファインGCL−90mカラム(内径3.4×110cm;生化学工業(株)製)に付し、溶出液を10mL毎に分取した。また、上記方法で得られたNSC−CSも同様にカラムクロマトグラフィーに付し、溶出液を10mLづつ分取した(以下、3時間の加水分解により得られたものを3時間水解部分的SC−CS、6時間の加水分解により得られたものを6時間水解部分的SC−CSとも言う)。
【0043】
各カラム溶出液の各フラクションにつき、ウロン酸含量並びに中性糖含量を測定し、溶出液の挙動を比較した(図1)。各カラム溶出液毎、図1に基づき、グリコサミノグリカン画分であるフラクションを合一濃縮し、更に、蒸留水で平衡化したセルロファインGCL-25カラム(内径2.0×長さ25cm、生化学工業(株)販売)に付し脱塩した後、凍結乾燥処理によって乾燥・回収した。収量は、NSC−CS、3時間水解部分的SC−CS及び6時間水解部分的SC−CSで、各34.7mg、18.1mgおよび15mgであった。
【0044】
NSC−CS、3時間水解部分的SC−CS及び6時間水解部分的SC−CSの各ゲル濾過溶出パターン(図1a、図1b、図1c)を分析すると、加水分解を行わないNSC−CSについては、高分子画分領域にウロン酸及び中性糖のピークがほぼ一致した位置に等しい形状でシングルピークとして観察された。しかし、3時間水解部分的SC−CSでは、NSC−CSのパターンの中性糖ピークと対応する高分子画分領域の中性糖ピークは大幅に減少し、低分子画分域に中性糖の新しいピークが検出され、6時間水解部分的SC−CSにおいては、この中性糖の新しいピークは更に顕著に検出されている。
【0045】
これより、加水分解反応の進行に伴い、NSC−CSから側鎖である硫酸化フコビオシル基が加水分解反応時間依存的に脱離している事が示唆される。
【0046】
参考例1と同様に、3時間水解部分的SC−CS及び6時間水解部分的SC−CSについて、化学組成分析法を行った。MBTH法(Hurst & Settine(1981) Anal.Biochem.,115,88-92)にてヘキソサミン含量を、カルバゾール法(Bitter&Muir(1962) Anal.Biochem.,4,330-334)、イオンクロマトグラフィー並びにアンスロン法(Dimler,R.L et al.(1952) Anal.Cehm.,24,1411-1414)にて各々ウロン酸含量、硫酸イオン含量並びに中性糖含量を測定し、各構成成分の重量存在比を算出した(表2)。更に、各構成成分のモル存在量(mmol/g)を算出し、ヘキソサミンを1として各成分のモル比を算出し、表3に示した。
【0047】
【表2】
表2 各試料の構成成分の重量存在比(W/W, %)
Figure 0004462826
【0048】
【表3】
表3 各試料の構成成分のモル存在量(mmol/g)
(カッコ内の数値はヘキソサミンのモル存在量を1とした場合の各成分のモル比を示す)
Figure 0004462826
【0049】
3時間水解部分的SC−CS及び6時間水解部分的SC−CSいずれもヘキソサミンとウロン酸のモル比がほぼ一定であり、硫酸化フコビオシル基を脱離させる加水分解反応においてもGAGの直鎖基本構造部分は保持されていると推測される。また、3時間水解部分的SC−CSでは構成二糖単位1残基あたりフコビオシル基及び硫酸基が各々0.29分子及び1.70分子存在するのに対し、6時間水解部分的SC−CSでは構成二糖単位1残基あたりフコビオシル基及び硫酸基が各々0.18分子及び1.06分子であり、加水分解反応時間依存的に減少しており、上述のゲル濾過溶出パターンの結果を裏付けている。
【0050】
参考例3 コンドロイチナーゼABCによる分解
NSC−CS、3時間水解部分的SC−CS及び6時間水解部分的SC−CS各々についてC−ABCによる消化の度合いをゲル濾過を分離要因とするHPLC(以下、GCP−HPLCとも言う)により測定した。即ち、NSC−CS、3時間水解部分的SC−CS及び6時間水解部分的SC−CS各々を10mg/mLとなる様に蒸留水に溶解し、そのうち20μLを0.5UのC−ABC(生化学工業(株)製)を含む酵素溶液10μL(0.4M酢酸ナトリウム、0.1%ウシ血清アルブミンを含む0.4Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0))に添加し、37℃で18時間、酵素消化反応を行った。反応混液に蒸留水50μLを添加し、沸騰水中で1分間加熱後、遠心分離することにより上清を得た。
【0051】
このC−ABC酵素消化物を含む上清を、TSK−Gel G4000PWXL、TSK−Gel G3000PWXLおよびTSK−Gel G2500PWXLカラム(いずれも内径4.0×25cm、Tosoh社製)を上流から順に連結して装着したGPC−HPLCに付し、0.2mol/l塩化ナトリウム溶液のアイソクラティック条件で溶出し、Refractive Indexを指標として検出し、HPLCチャートを得た。(図2)
得られたHPLCチャートのピーク面積から以下の式を用いて各被験物のC−ABC消化度(不飽和二糖生成率)の見積もりを算出した。下記不飽和二糖生成率の計算式において、全ピーク面積とは、図2のA2、B2、C2のC−ABC酵素消化後の各チャートにおける、△Oligo、△Di−diS、△Di−monoS及び△Di−zeroSの合計ピーク面積を示し、不飽和二糖ピーク面積の和とは、各不飽和二糖ピークの面積の総和(△Di−diS、△Di−monoS及び△zeroSの合計ピーク面積)である。尚、△Oligoとは、C−ABC消化にて二糖単位構造にまで分解されず四糖以上の構造である不飽和オリゴ糖を示す。また、△Di−diSは不飽和二糖単位構造中に硫酸基を二つ有する不飽和二糖を、△Di−monoSは不飽和二糖単位構造中に硫酸基を一つ有する不飽和二糖を、△Di−zeroSは不飽和二糖単位構造中に硫酸基を持たない不飽和二糖を示す(Anal. Biochem., 177, 327-332 (1989) p.328 Fig.1参照)。
【0052】
不飽和二糖生成率(%)=不飽和二糖ピーク面積の和/全ピーク面積 × 100
NSC−CSは不飽和二糖成分は検出されず、C−ABCにより分解されていないことが確認された。これは、ナマコ由来グリコサミノグリカンに関する公知文献の記載と同様である。また、3時間水解部分的SC−CS及び6時間水解部分的SC−CSは不飽和二糖及び不飽和オリゴ糖のピークが観察され、上記式に従い算出される不飽和二糖生成率(%)は各々46.5%及び66.3%であった。
【0053】
参考例4 ポリ硫酸化フコースの製造
ナマコ体壁背部(10kg)をミンチ状に処理した後、ホモジナイズし、クロロホルム/メタノール(2:1、v/v)抽出により脂溶性画分を得た。この画分をロータリーエバポレーターを用い減圧下で濃縮・乾固させた。得られた乾固物に蒸留水(300mL)を加えて水溶液とした後、4℃にて一晩放置した。次いで、表層に浮遊した脂肪を除去した水溶液に対し冷却下にて3倍量のエタノールを添加し、遠心分離にかけ沈殿物を得た。この沈殿物を少量の蒸留水に溶解した後、凍結乾燥を行い、低極性と目される多糖類の粗画分(2.46g)を得た。
【0054】
この粗画分から1gを取り、0.2mol/l塩化ナトリウム水溶液7mLに溶解し、0.2mol/l塩化ナトリウム水溶液で平衡化したSepharose CL−6Bカラム(内径3.4×110cm、Amersham Biosciences社製)に付した。0.2M塩化ナトリウム水溶液を用いて溶出を行い、12mL毎に分画した。得られた100画分につき、アンスロン法による比色定量(620nmで測定)及び210nm、280nmの両波長における吸光度の測定を行い、溶出曲線を描いた(図3)。
【0055】
アンスロン法が陽性であった画分番号42〜69を合一した後、ロータリーエバポレーターにて10mLまで濃縮した。濃縮した溶液を蒸留水で平衡化したCellulofine GCL−25カラム(内径3.3×36cm、生化学工業(株)販売)に付し、蒸留水による溶出にて10mL毎に分画した。得られた40画分につき、アンスロン法による比色定量(620nm)及び210nmの波長における吸光度の測定を行い、溶出曲線を描いた。溶出曲線より脱塩が達成している事を確認し、目的物質を含む画分である画分番号11〜20を合一して凍結乾燥を行い、中性糖を含む多糖と目される乾燥物を得た(収量135.4mg)。
【0056】
更に精製する為、得られた乾燥物100mgを0.1mol/lの酢酸ナトリウム/酢酸緩衝液(pH5.0)50mlに溶解し、同緩衝液で平衡化したDEAE−Cellulose(DE52、Whatmann社製)カラム(内径2.3×18cm)に付し、同緩衝液50mlでカラムを洗浄後、同緩衝液300mLと1.2M塩化ナトリウムを含む同緩衝液300mLを用いた塩化ナトリウムの直線的濃度勾配により溶出を行い7mL毎に分画した。得られた100画分につき、アンスロン法による比色定量(620nm)及び280nmにおける吸光度を測定し、溶出曲線を描いた(図4)。その結果、画分番号75〜81と画分番号82〜94にピーク(各々ピーク1、ピーク2と言う)が出現した。各々のピーク毎に合一し、ピーク1に由来する画分(以下、ポリ硫酸化フコースIとも言う、収量14.2mg)とピーク2に由来する画分(以下、ポリ硫酸化フコースIIとも言う、収量33.6mg)を得た。
【0057】
参考例5 ポリ硫酸化フコースの物理化学的性状解析
参考例4で製造したポリ硫酸化フコースI及びポリ硫酸化フコースIIにつき、参考例1、2と同様に、MBTH法(Hurst & Settine(1981) Anal.Biochem.,115,88-92)にてヘキソサミン含量を、カルバゾール法(Bitter&Muir(1962) Anal.Biochem.,4,330-334)、イオンクロマトグラフィー並びにアンスロン法(Dimler,R.L et al.(1952) Anal.Cehm.,24,1411-1414)にて各々ウロン酸含量、硫酸イオン含量並びに中性糖含量を測定し、各構成成分の重量存在比を算出した(表4)。また、各構成成分のモル存在量(mmol/g)を算出し、中性糖を1として各成分のモル比を算出した(表5)。
次いで、ゲル濾過―高速液体クロマトグラフィーにより分子量の測定を行った。その結果、ポリ硫酸化フコースIの分子量は9,000、ポリ硫酸化フコースIIの分子量は32,000であった。
【0058】
【表4】
表4 各構成成分の重量存在比(重量%)
Figure 0004462826
【0059】
【表5】
表5 各構成成分のモル存在量(mmol/g)
(カッコ内の数値は中性糖含量のモル存在量を1とした場合の各構成成分のモル比を示す)
Figure 0004462826
【0060】
この結果、ポリ硫酸化フコースI及びポリ硫酸化フコースII共に、硫酸基と中性糖は含有しているが、ヘキソサミンを含有せず、また、ウロン酸も痕跡量のみであり実質的には含有していないと推測され、中性糖を側鎖として有するグリコサミノグリカンでは無いことが確認された。また、ポリ硫酸化フコースI及びIIの中性糖に対する硫酸基の割合は各々0.69及び0.79であり、硫酸化の割合は高いことが判明した。
【0061】
更に、Yasuno,S. et al.(1999)Biosci.Biotechnol.Biochem.,63,1353-1359に記載された方法に従い、中性糖の同定を行った。すなわち、10mg/mLに調製したポリ硫酸化フコースI及びポリ硫酸化フコースIIの各水溶液から各々50μLを取り、8mol/Lトリフルオロ酢酸(TFA)50μLを各々に添加し封管した。反応混液を100℃にて3時間加熱することにより、グリコシド結合ならびに硫酸エステル結合を開裂させた。冷却後、遠心分離により反応混液を反応管底部に集め、開管した。ドライエアーを吹き付け溶媒を除去し、2-プロパノール40μLをそれぞれに添加し攪拌した。更に、ドライエアーを吹きつけ溶媒を除去することにより、単糖試料を得た。得られた単糖試料につき、20μLの蒸留水及び80μLの4-アミノ安息香酸エチルエステル(ABEE)試薬を添加した後、封管し、80℃にて1時間加温し還元アミノ化反応を進行させ、還元末端がABEEにて標識された単糖誘導体を作成した。反応終了後、開管し200μLの蒸留水並びに200μLの塩化メチレンを添加し、激しく攪拌した後、遠心分離を行い上澄み中に還元末端がABEEにて標識された上記単糖誘導体を得た。7%アセトニトリルを含む0.2mol/lホウ酸緩衝液(pH8.9)で平衡化したHonenpak−C18カラム(内径4.6 × 75mm、Honen社製)を装着した高速液体クロマトグラフィーに、得られたABEE標識化単糖試料を付し、同溶媒のアイソクラティック溶出条件により分析を実施した。尚、用いた単糖標品は、ガラクトース(Gal)、マンノース(Man)、グルコース(Glu)、アラビノース(Ara)、リボース(Rib)、N-アセチルマンノサミン(ManNAc)、キシロース(Xyl)、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、フコース(Fuc)、ラムノース(Rha)、及び、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)(溶出順)である(図5)。この結果、参考例4で得られたポリ硫酸化フコースI、ポリ硫酸化フコースII共に含有する単糖はフコースであることが判明した。尚、精製当初、硫酸化ポリフコースI及びIIが脂溶性画分であった理由としては、硫酸化されてはいるが、低極性のメチル基を有するフコース残基を構成成分とする為と考えられる。
【0062】
参考例6 ポリ硫酸化フコースの構造解析
参考例4で得られたポリ硫酸化フコースI及びポリ硫酸化フコースIIから各5mgをとり、それぞれを蒸留水で平衡化したAmberlite IR-120カラム(オルガノ(株)社販売、内径1.5×12cm)に供した。得られた溶出画分のうちの酸性画分につき、適量のピリジンを添加して中和した後、凍結乾燥に伏してポリ硫酸化フコースI及びポリ硫酸化フコースIIのピリジン塩を得た。それぞれにつき、1mlの10%蒸留水を含むジメチルスルホキシド(DMSO)を添加し、90℃にて6日間ソルボリシス反応を進行させた。反応は、室温まで冷却することにより停止させ、3倍量の蒸留水を添加した後、2mol/l水酸化ナトリウム水溶液を適量添加してpHを9〜9.5に調整した。これを流水に対し一晩透析した後、凍結乾燥することにより、ポリ硫酸化フコースI及びポリ硫酸化フコースIIの脱硫酸化物をそれぞれ3.0mg及び3.3mg得た。
【0063】
ポリ硫酸化フコースI及びその脱硫酸化物、さらにポリ硫酸化フコースII及びその脱硫酸化物の計4画分から、それぞれ1mgをとりHakomoriの方法(Hakomori, S.(1964) J. Biochem. (Tokyo),55, 205-208)を一部改変したSanfordとConradの方法(Sanford, P.A. & Conrad, H.E.(1966) Biochemistry, 5, 1508-1517)に従ってメチル化誘導体を合成した。得られたメチル化誘導体は、Waegheらの方法(Waeghe et al.(1983) Carbohydr. Res., 123, 281-304)に従って脱塩した。さらに、これらを2モル/Lトリフルオロ酢酸(TFA)を用い121℃で加水分解した後、重水素化ホウ素ナトリウム(NaBD)を用いて還元した。最後に、還元処理により出現した水酸基をアセチル化して、部分メチル化アルジトールアセテイト(PMAA)を合成した。得られたPMAAを50μLのアセトンに溶解し、そのうち1μLをGC−MSに付した。ガスクロマトグラフィー−質量スペクトル(GC−MS)分析は、Supelco社製SP2330キャピラリーカラム(内径0.25mm×30m)を装着したJEOL社製HX110A型マススペクトロメーターを用いて、スプリットレスモードで行った。カラムオーブンは、50℃に2分間保ち、次いで30℃/分の勾配で170℃まで昇温、さらに4℃/分の勾配で235℃まで昇温させ、この温度に15分間保った。
【0064】
ポリ硫酸化フコースIのクロマトグラムに於いては、8種類のPMAAが全て観察された(表6)。それらは、2,3,4-tri-O-methyl-fucitol(T-Fuc)、3,4-di-O-methyl-fucitol(2-Fuc)、2,4-di-O-methyl-fucitol(3-Fuc)、2,3-di-O-methyl-fucitol(4-Fuc)、4-O-methyl-fucitol(2,3-Fuc)、3-O-methyl-fucitol(2,4-Fuc)、2-O-methyl-fucitol(3,4-Fuc)、fucitol(2,3,4-fucitol)である。以下の記載に於いては、上記()内に示したPMAAの略称を用いて説明を進める。
【0065】
【表6】
表6
Figure 0004462826
【0066】
ポリ硫酸化フコースIの脱硫酸化物のクロマトグラムはポリ硫酸化フコースIのクロマトグラムとは異なり、ほぼ等量のT-Fuc、3-Fuc及び3,4-Fucの三種類が検出された。従って、ポリ硫酸化フコースIの構造は、Fucα1→3Fucの主鎖から部分的にFucα1→4Fucが枝分かれしていると考えられる(図6)。また、硫酸基が図示したような部位(主鎖においてはO−2位、側鎖においてはO−2位且つ/又はO−4位)に配位しているものと考えられた。
【0067】
ポリ硫酸化フコースIIのクロマトグラムに於いては、表6に記載の通り、5種類のPMAA(T-Fuc、3-Fuc、2,3-Fuc、3,4-Fuc及び2,3,4-Fuc)が観察された。ポリ硫酸化フコースIIの脱硫酸化物のクロマトグラムはポリ硫酸化フコースIIのクロマトグラムとは異なり、少量のT-Fucと著量の3-Fucのみから成っていた、この結果より、ポリ硫酸化フコースIIの構造は、Fucα1→3Fucの直鎖構造をとり、部分的にO−2位且つ/又はO−4位の水酸基が硫酸化されていると思われる。
【0068】
実施例1 SC−CSの破骨細胞形成抑制実験
ddYマウス(六週齢雌)の頸骨、大腿骨を摘出し、両骨の遠心端より骨髄細胞を採取した。骨髄細胞は24穴細胞培養用プレートに5×10細胞/穴となるように播種し、10―6モル/LプロスタグランジンE2(以下、PGEという。SIGMA社製)刺激下において、1、3、10、30、100μg/mLの濃度になる様に、参考例1で得られたNSC−CSを添加し、10%牛胎児血清(以下、FCSという。べーリンガー社製)含有Minimum Essential Medium Alpha Medium(GIBCO社製、以下、αMEMという。)培地中で7日間37℃、COインキュベーター内で培養した。培養中2、3日おきにPGEと上記各濃度のNSC−CSを新たに添加した10%FCS含有αMEM培地にて培地交換を行った。7日間の培養の後、破骨細胞のマーカーである酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ(以下、TRAPという)をナフトールAS−BIフォスフェート及びfast garnet GBC saltを含有するアゾ色素法を用いた染色測定キット「Acid Phosphatase, Leukocyte」(商品名:SIGMA社製、以下、Acid Phosphatase, Leukocyteと言う)を用いて染色し、形成された破骨細胞の数を顕微鏡下で計測した。(図7)
図7の結果より、マウス骨髄細胞を用いた破骨細胞形成実験系において、NSC−CSが用量依存的に破骨細胞の形成を抑制した。1μg/mLのNSC−GAG濃度で破骨細胞の形成50%阻害した。
【0069】
実施例2 NSC−CS並びに部分的SC−CSの破骨細胞形成抑制実験
50μg/mL濃度となるように、参考例1で得られたNSC−CS、参考例2で得られた3時間水解部分的SC−CS及び6時間水解部分的SC−CSを用いるほかは、実施例1と同様に操作し、形成された破骨細胞の数を顕微鏡下で計測した。(図8)
図8の結果より、NSC−CSについては、有意な破骨細胞形成抑制効果が確認された。また、3時間水解部分的SC−CSにおいても、破骨細胞形成抑制効果が認められた。これに比べて、6時間水解部分的SC−CSの効果は弱かった。
【0070】
硫酸化フコビオシル基側鎖を多く有するものほど、破骨細胞形成抑制効果は強く発揮された為、同効果の発現には、側鎖である硫酸化フコビオシル基を有する事が重要であると推察される。
【0071】
実施例3 硫酸化ポリフコースの破骨細胞形成抑制実験
50μg/mL濃度となるように参考例1で得られたNSC−CS、参考例4で得られたポリ硫酸化フコースI及びポリ硫酸化フコースIIを用いるほかは、実施例1と同様に操作し、形成された破骨細胞の数を顕微鏡下で計測した。結果を図9に示す。尚、結果は各穴内における破骨細胞の数によって示し、また、コントロールは被験物質の代わりに10%FCS含有αMEM培地を添加した。
【0072】
図9の結果より、NSC−CSと同様に、ポリ硫酸化フコースI、ポリ硫酸化フコースIIにおいても有意な破骨細胞形成抑制効果が確認された。
【0073】
【発明の効果】
本発明により、硫酸化フコースを構造中に有する糖化合物を、骨粗鬆症などの代謝性骨疾患や炎症性骨破壊に起因するRA、歯周病などの疾患に対する治療に有効な破骨細胞形成抑制効果を有する骨疾患治療剤として提供することができる。また、本発明はin vivo及びin vitroにおいて破骨細胞形成抑制効果を有する破骨細胞形成抑制剤を提供する。
【0074】
【図面の簡単な説明】
【図1】 NSC−CS、3時間水解部分的SC−CS及び6時間水解部分的SC−CSのセルロファインGCL−90mカラム溶出液の各フラクションにおけるウロン酸含量並びに中性糖含量を測定したグラフであり、縦軸は吸光度、横軸はフラクション番号である。(a)、(b)及び(c)は、各々NSC−CS、3時間水解部分的SC−CS及び6時間水解部分的SC−CSの結果である。
【図2】 NSC―CS、3時間水解部分的SC−CS及び6時間水解部分的SC−CSに於ける、コンドロイチナーゼABC消化前後のGPC−HPLCチャートであり、縦軸は示差屈折率、横軸は保持時間(分)を示す。A1は、NSC−CSのC−ABC消化前のGPC−HPLCチャートであり、A2はNSC−CSのC−ABC消化後のGPC−HPLCチャートであり、二糖組成率は0%である。B1は3時間水解部分的SC−CSのC−ABC消化前のGPC−HPLCチャートであり、B2は3時間水解部分的SC−CSのC−ABC消化後のGPC−HPLCチャートであり、二糖組成率は46.5%である。C1は6時間水解部分的SC−CSのC−ABC消化前のGPC−HPLCチャートであり、C2は6時間水解部分的SC−CSのC−ABC消化後のGPC−HPLCチャートであり、二糖組成率は66.3%である。
【図3】 多糖類の粗画分のセファロースCL−6Bカラム溶出液の各フラクションにおけるアンスロン法による比色定量(620nm)及び210nm、280nmにおける吸光度を測定したグラフである。縦軸は吸光度、横軸はフラクション番号である。
【図4】 DEAE−Celluloseカラム溶出液の各フラクションにおけるアンスロン法による比色定量(620nm)及び280nmにおける吸光度を測定したグラフである。縦軸は吸光度、横軸はフラクション番号である。
【図5】 ポリ硫酸化フコースI及びポリ硫酸フコースIIから得られた還元末端が4−アミノ安息香酸エチルエステルにて標識された単糖誘導体のHonenpak−C18カラムを装着した高速液体クロマトグラフィーに付し、得られたチャートである。
尚、E1は、ポリ硫酸化フコースIから得られたプロファイル、E2はポリ硫酸化フコースIIから得られたプロファイルである。
Std.は単糖標品を付した結果であり、各ピークは溶出順にガラクトース(Gal)、マンノース(Man)、グルコース(Glu)、アラビノース(Ara)、リボース(Rib)、N-アセチルマンノサミン(ManNAc)、キシロース(Xyl)、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、フコース(Fuc)、ラムノース(Rha)、及び、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)である。
【図6】リ硫酸化フコースI(ピーク1由来の画分)の推定構造と、ポリ硫酸化フコースII(ピーク2由来の画分)の推定構造を示す
【図7】 NSC−CSの用量依存的な破骨細胞形成抑制作用を示すグラフである。縦軸はマイクロプレートの1穴における破骨細胞の数、横軸はNSC−CSの添加濃度である。(−)はコントロールの結果を示す。
【図8】 NSC−CS、3時間水解部分的SC−CS及び6時間水解部分的SC−CSによる破骨細胞形成抑制作用を示すグラフである。縦軸はマイクロプレートの1穴における破骨細胞の数である。(−)はコントロールの結果を示す。
【図9】 NSC−CS、ポリ硫酸化フコースI及びポリ硫酸化フコースIIによる破骨細胞形成抑制作用を示すグラフである。縦軸はマイクロプレートの1穴における破骨細胞の数である。(−)はコントロールの結果を示す。

Claims (8)

  1. 硫酸化フコビオシル基を有するグリコサミノグリカン及び/又はその薬理学的に許容されうる塩を有効成分として含有する骨疾患治療剤。
  2. 硫酸化フコビオシル基を有するグリコサミノグリカンが、ウロン酸とヘキソサミンからなる構成二糖単位1残基あたり平均0.1分子以上の硫酸化フコビオシル基を有するものである、請求項1記載の骨疾患治療剤。
  3. 硫酸化フコビオシル基を有するグリコサミノグリカンが、D−グルクロン酸とN−アセチル−D−ガラクトサミンがβ1→3グリコシド結合した構成二糖単位1残基あたり平均0.1分子以上のフコビオシル基を有するものである、請求項2記載の骨疾患治療剤。
  4. 硫酸化フコビオシル基を有するグリコサミノグリカンが、以下の(1)及び(2)の特徴を有するものである、請求項3に記載の骨疾患治療剤;
    (1)D−グルクロン酸のO−1位とN−アセチル−D−ガラクトサミンのO−3位とがβ−グリコシド結合した二糖単位の繰り返し構造を主鎖の基本骨格としており、かつ、
    (2)当該N−アセチル−D−ガラクトサミンのO−4位及びO−6位、並びにD−グルクロン酸のO−3位から選択される位置のヒドロキシル基と、硫酸化フコビオシル基のO−1位のヒドロキシル基とがグリコシド結合することにより、硫酸化フコビオシル基を側鎖とする分岐構造を持つ
  5. 硫酸化フコビオシル基を有するグリコサミノグリカンが、主鎖の構成二糖単位1残基あたり平均0.4分子以上のフコビオシル基を含有するものである、請求項4記載の骨疾患治療剤。
  6. 硫酸化フコビオシル基を有するグリコサミノグリカンが、主鎖の構成二糖単位1残基あたり平均0.8分子以上のフコビオシル基を含有するものである、請求項4記載の骨疾患治療剤。
  7. 破骨細胞の形成抑制作用を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の骨疾患治療剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の硫酸化フコビオシル基を有するグリコサミノグリカン及び/又はその塩を有効成分として含有する破骨細胞形成抑制剤。
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