JP2002019009A - ガスバリア性積層材の製造方法 - Google Patents

ガスバリア性積層材の製造方法

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JP2002019009A
JP2002019009A JP2000205598A JP2000205598A JP2002019009A JP 2002019009 A JP2002019009 A JP 2002019009A JP 2000205598 A JP2000205598 A JP 2000205598A JP 2000205598 A JP2000205598 A JP 2000205598A JP 2002019009 A JP2002019009 A JP 2002019009A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリアジン化合物を基材上に蒸着して得られ
るガスバリア性フィルムの利点を有しつつ、湿度の存在
下でもそのガスバリア性が低下しないガスバリア性積層
材の製造方法を提供することを主目的とするものであ
る。 【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、
基材を準備する工程と、前記基材上に蒸着材料として使
用可能な1,3,5−トリアジン誘導体を蒸着させて、
ガスバリア性を有する1,3,5−トリアジン誘導体蒸
着層を形成する工程と、この1,3,5−トリアジン誘
導体蒸着層表面に対し1,3,5−トリアジン誘導体蒸
着層の耐湿度性を向上させる変性処理を行う工程とを有
することを特徴とするガスバリア性積層材の製造方法を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明でありかつガ
スバリア性に優れ、例えば、食品の包装または工業用膜
として使用される包装用のガスバリア性積層材の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品、医薬品、化学薬品等の包装には、
水蒸気や酸素の透過防止のため、ガスバリア性のプラス
チックフィルムが使用されている。そして、内容物の変
質を防ぐためさらに良好な水蒸気や酸素の透過防止性が
必要な用途には、高度なガスバリア性を有するフィルム
が用いられている。
【0003】このようなフィルムとしては、従来よりア
ルミ箔が知られているが、使用後の廃棄処理が問題にな
っている他に、基本的に不透明であり、内容物を外から
見ることができない問題がある。
【0004】その他、ポリ塩化ビニリデン樹脂や塩化ビ
ニリデンと他のポリマーとの共重合体樹脂からなる基
材、あるいはこれらの塩化ビニリデン系樹脂をポリプロ
ピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂にコー
ティングしてガスバリア性を付与したものが、特に包装
材料として広く使用されているが、焼却処理で塩素系ガ
スが発生するため、環境保護の点で現在、問題となって
おり、さらに、ガスバリア性が必ずしも充分でなく、高
度なバリア性が要求される内容物には使用できない。
【0005】さらに、ポリビニルアルコール(PVA)
やエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)も用
いられるが、これらは絶乾条件では、比較的優れたガス
バリア性を示すが、水蒸気バリア性は充分でなく、ま
た、湿度条件で酸素バリアが悪化するため、現実的な条
件では充分なガスバリア性材料とは言えない。
【0006】このような問題点を解決したガスバリア性
フィルムとして、真空蒸着法、例えば物理蒸着法(PV
D)で二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)
等のプラスチックフィルム基材上に珪素酸化物、酸化ア
ルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物の薄膜を
蒸着したフィルムが提案されている。しかしながら、こ
のようなフィルムは。原料と製造装置が高価であり、蒸
着方法に高い技術を必要とするので、コストダウンが期
待できないといった問題があった。また、無機酸化物を
蒸着させる際には、高温で行う必要があるため、ポリエ
チレンのようなTg(ガラス転移温度、以下、Tgとす
る。)の低いポリマーには蒸着できないといった欠点も
あった。
【0007】これらの問題点を解決した蒸着膜として、
有機物であるトリアジン化合物を基材上に蒸着したガス
バリア性フィルムが提案されている(WO99/660
97)。このようなガスバリア性フィルムは、基材上に
蒸着されたトリアジン化合物が結晶構造を取り、この結
晶構造中を酸素や水蒸気が透過されないことから、高度
のガスバリア性が得られ、かつ、蒸着温度を低く抑える
ことができることから、ポリオレフィン等のTgの低い
基材を用いることが可能になるという利点がある。
【0008】しかしながら、このようなトリアジン化合
物を基材上に蒸着したガスバリア性フィルムは、湿度が
ある程度存在する状態で用いた場合にガスバリア性が大
きく低下してしまうという欠点を有し、よって、実際に
用いることができる用途が非常に限られてしまうという
問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するためになされたものであり、上述したような
トリアジン化合物を基材上に蒸着して得られるガスバリ
ア性フィルムの利点を有しつつ、湿度の存在下でもその
ガスバリア性が低下しないガスバリア性積層材の製造方
法を提供することを主目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、請求項1に記載するように、基材を準備
する工程と、前記基材上に蒸着材料として使用可能な
1,3,5−トリアジン誘導体を蒸着させて、ガスバリ
ア性を有する1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層を形
成する工程と、この1,3,5−トリアジン誘導体蒸着
層表面に対し1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層の耐
湿度性を向上させる変性処理を行う工程とを有するガス
バリア性積層材の製造方法を提供する。
【0011】このように1,3,5−トリアジン誘導体
蒸着層に変性処理を行うことにより、耐湿度性を向上さ
せることができる。したがって、1,3,5−トリアジ
ン誘導体蒸着層の有する高いガスバリア性を保ちつつ耐
湿度性を有するガスバリア性積層材を製造することが可
能である。なお、本発明において、耐湿度性とは、湿度
によるガスバリア性の低下を防止する特性をいうことと
する。
【0012】上記請求項1に記載の発明においては、請
求項2に記載するように、前記変性処理が、プラズマ処
理であることが好ましい。プラズマを用いて上記1,
3,5−トリアジン誘導体蒸着層を変性処理することに
より、1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層表面に水蒸
気に対するバリア性の良好な層を形成することができ
る。これにより、ガスバリア性積層体自体の耐湿度性を
向上させることが可能となり、湿度の高い条件下でも良
好なガスバリア性を発揮することができるガスバリア性
積層材を製造することができるからである。
【0013】上記請求項2に記載された発明において
は、請求項3に記載するように、前記プラズマ処理にお
ける放電電力が、5〜40W・分/m2の範囲内である
ことが好ましい。上記範囲より放電電力が小さい場合
は、1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層表面の変性処
理の度合いが小さく、結果として十分な耐湿度性を得る
ことができない可能性があることから好ましくなく、一
方上記範囲より大きい場合は、基材や1,3,5−トリ
アジン誘導体蒸着層が熱による劣化を受け、使用に際し
て問題が生じる可能性があるからである。
【0014】上記請求項1から請求項3までのいずれか
の請求項に記載の発明においては、請求項4に記載する
ように、前記1,3,5−トリアジン誘導体の分子量
が、85以上1000以下であり、かつ平衡蒸気圧が1
-3Torrとなる温度が500℃以下であり、さらに平衡
蒸気圧が10-3Torrとなる温度で熱分解しない化合物で
あることが好ましい。
【0015】分子量が上記範囲内であれば、トリアジン
骨格に付加された置換基の大きさが所定の範囲内となる
ことから、トリアジン誘導体の結晶化を阻害する可能性
が低く、トリアジン誘導体が有する結晶化によるガスバ
リア性を損なうことがないからである。また、トリアジ
ン誘導体の平衡蒸気圧が10-3Torrとなる温度が上記範
囲内であれば、蒸着に際して高温にする必要が生じる等
の問題が起こる可能性が低いからである。
【0016】上記請求項1から請求項4までのいずれか
の請求項に記載の発明においては、請求項5に記載する
ように、前記1,3,5−トリアジン誘導体が、下記式
(A)で示され、式中R1、R2、およびR3は同一であ
っても異なっていてもよく、かつ−NH2、−OH、−
CHO、−COOH、−R−NH2、−R−OH、−R
−CHO、−R−COOH、−CN、−NO2、−OC
3、−COCl、−NCO、−COOC25、−OS
i(CH33、−NHCH2OH、−CH=CH2(上記
式中Rは炭素数1〜6までのアルキル鎖を示す。)から
選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0017】
【化2】
【0018】上述したような置換基を有する1,3,5
−トリアジン誘導体であれば、蒸着層内で十分に結晶化
することが可能であり、高いガスバリア性を発揮するこ
とが可能となるからである。この場合、請求項6に記載
するように、特に上記1,3,5−トリアジン誘導体
が、メラミンもしくはシアヌル酸であることが好まし
い。
【0019】上記請求項1から請求項6までのいずれか
の請求項に記載のガスバリア性積層材においては、請求
項7に記載するように、上記1,3,5−トリアジン誘
導体蒸着層の膜厚が、5nm〜1000nmの範囲内で
あることが好ましい。上記範囲より膜厚が薄い場合は、
1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層としてのガスバリ
ア性を十分に発揮することができないからであり、上記
範囲より厚い場合は、コストに対して得られるガスバリ
ア性能が問題となる可能性があるからである。
【0020】本発明は、さらに請求項8に記載するよう
に、基材と、この基材上に蒸着材料として使用可能な
1,3,5−トリアジン誘導体を蒸着させてなり、ガス
バリア性を有する1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層
と、この1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層上に形成
された前記1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層の耐湿
度性を向上させる変性処理層とを有することを特徴とす
るガスバリア性積層材を提供する。このように1,3,
5−トリアジン誘導体蒸着層上に変性処理層を設けるこ
とにより、耐湿度性を向上させることができる。したが
って、1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層の有する高
いガスバリア性を保ちつつ耐湿度性を有するガスバリア
性積層材とすることが可能である。
【0021】上記請求項8に記載された発明において
は、請求項9に記載するように、前記変性処理層が、プ
ラズマ処理層であることが好ましい。プラズマ処理層
は、1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層表面に水蒸気
に対するバリア性の良好な層であるので、ガスバリア性
積層体自体の耐湿度性を向上させることが可能となり、
湿度の高い条件下でも良好なガスバリア性を発揮するこ
とができるガスバリア性積層材とすることができるから
である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明のガスバリア性積層
材の製造方法について説明する。本発明のガスバリア性
積層材の製造方法は、基材を準備する工程と、前記基材
上に蒸着材料として使用可能な1,3,5−トリアジン
誘導体を蒸着させて、ガスバリア性を有する1,3,5
−トリアジン誘導体蒸着層を形成する工程と、この1,
3,5−トリアジン誘導体蒸着層表面に対し1,3,5
−トリアジン誘導体蒸着層の耐湿度性を向上させる変性
処理を行う工程とを有するものであり、特に、1,3,
5−トリアジン誘導体蒸着層表面に対し1,3,5−ト
リアジン誘導体蒸着層の耐湿度性を向上させる変性処理
を行う工程を有する点に大きな特徴を有する。
【0023】このような本発明のガスバリア性積層材の
製造方法について、上記工程順に説明する。
【0024】本発明においては、まず基材を準備する工
程が行われる。本発明に用いられる基材としては、低密
度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、特にメタロセン触媒を
用いて重合した上記それぞれのポリエチレン、アイソタ
ティックポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ポ
リプロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブ
テン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−プ
ロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、アイオノマーに代表されるイオン架橋オレフ
ィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリビニルアルコ
ール、超高分子量ポリエチレン等のポリオレフィン系樹
脂、ハイインパクトポリスチレン、ポリスチレン、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(AB
S)樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂等
のスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
テトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフ
タレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン樹脂、エチ
レンメタクリル酸共重合体、プロピレン−メタクリル酸
共重合体、トリアセチルセルロース、エチルセルロース
等のセルロース系樹脂等から選択された材料からなるも
のが用いられ、これらの樹脂を組み合わせた組成、さら
には2層以上積層したものであってもよい。
【0025】本発明においては、基材はフィルム状のも
のが好適に用いられ、未延伸のフィルムであっても、1
軸もしくは2軸延伸したフィルムであってもよい。
【0026】本発明のガスバリア性積層材の製造方法に
おいては、特に金属酸化物の蒸着膜を形成することが困
難であるTgの低い材料を用いた基材であっても、ガス
バリア性積層材とすることができる点に特徴の一つがあ
る。したがって、この点から本発明に用いられる基材と
しては、Tgが65℃以下のもの、好ましくは50℃以
下のものが本発明の利点を享受し得る点で好ましい。具
体的にはポリプロピレン、ナイロン、トリアセチルセル
ロース、エチルセルロース、ポリメタクリル酸エチル、
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリ
ル酸プロピルを用いることが好ましく、中でもポリプロ
ピレンおよびナイロンが好ましく、特にポリプロピレン
が好ましい。
【0027】また、本発明においては、表面上に予め蒸
着層との接着性を向上させるための表面処理を施した基
材を用いることが好ましい。具体的な表面処理の方法と
しては、プラズマ処理、コロナ放電処理を挙げることが
できる。
【0028】これらの処理は、基材の被蒸着面に対して
基材単独で別工程で行っても、基材に対して樹脂を溶融
押出しコーテイングする場合はその直前に行ってもよ
い。また、被蒸着面に、イソシアネート系化合物を主と
するプライマー処理を施したり、溶融押し出しコーティ
ングでは溶融状態の樹脂接着面をオゾンガスによる接着
強化処理を施したりしても良い。そのほかの表面処理方
法としては、例えばグロー放電処理、スパッタリング処
理、スパッタエッチング処理などの真空中での処理、あ
るいはサンドブラスト法のごとき機械的な粗面化処理、
アルカリ処理などによる化学的処理、化学的エッチング
処理、さらには金属酸化物被膜を形成する方法などが用
いられる。
【0029】次に、本発明においては、上記工程におい
て準備された基材上に、蒸着材料として使用可能な1,
3,5−トリアジン誘導体を蒸着させて、ガスバリア性
を有する1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層を形成す
る工程が行われる。この工程に用いられる蒸着方法は、
通常行われている方法、例えば一般的な抵抗加熱型蒸着
装置を用いて行う方法等により行われる。
【0030】また、この工程に用いられる1,3,5−
トリアジン誘導体としては、蒸着工程に用いられるもの
であることから、蒸着可能な1,3,5−トリアジン誘
導体材料である必要がある。すなわち、この1,3,5
−トリアジン誘導体は、基材上に蒸着させる工程に用い
られるものであることから、蒸着できることが必須条件
であり、蒸着に際して取扱が容易であるものが好適に用
いられる。ここで、蒸着できるか否かもしくは蒸着に際
しての取扱が容易であるか否かは、用いる材料の平衡蒸
気圧が10-3Torrとなる温度により判断することが可能
である。したがって、本発明に用いられる1,3,5−
トリアジン誘導体としては、平衡蒸気圧が10-3Torrと
なる温度が50℃〜500℃の範囲内である化合物が好
ましく、特に50℃〜400℃の範囲内となる化合物が
好ましい。また、本発明に用いられる1,3,5−トリ
アジン誘導体としては、上記平衡蒸気圧が10-3Torrと
なる温度で熱分解しない化合物を用いることが好まし
い。
【0031】また、本発明に用いられる1,3,5−ト
リアジン誘導体は、蒸着工程により1,3,5−トリア
ジン誘導体蒸着層とされた際にガスバリア性を有する必
要がある。このガスバリア性は一般に結晶化により生じ
ると考えられていることから、本発明に用いられる1,
3,5−トリアジン誘導体は、蒸着された際に結晶化さ
れる化合物である必要がある。このためには、トリアジ
ン骨格に連結される置換基があまり大きくなく、かつ水
素結合を有するものであることが好ましい。
【0032】このような化合物の具体名を列記すると、
メラミン、アンメリン、アンメリド、シアヌル酸、2−
ウレイドメラミン、例えばメラミンシアヌレート、メラ
ミンフォスフェート、ジメラミンピロリン酸塩、もしく
はメラミンポリフォスフェートといったメラミン塩類、
ヘキサメトキシメチルメラミン、もしくはアクリル系官
能基化されたメラミン等の官能基化されたメラミン等を
挙げることができ、好ましくは、メラミン、シアヌル酸
等を挙げることができる。
【0033】一方、化学構造の面からは、上記化学式
(A)において、式中R1、R2、およびR3は同一であ
っても異なっていてもよく、かつ−NH2、−OH、−
CHO、−COOH、−R−NH2、−R−OH、−R
−CHO、−R−COOH、−CN、−NO2、−OC
3、−COCl、−NCO、−COOC25、−OS
i(CH33、−NHCH2OH、−CH=CH2(上記
式中Rは炭素数1〜6までのアルキル鎖を示す。)から
選択される少なくとも1種であることが好ましい。上述
したような置換基を有する1,3,5−トリアジン誘導
体であれば、蒸着層内で十分に結晶化することが可能で
あり、高いガスバリア性を発揮することが可能となるか
らである。本発明においては、中でも置換基が−NH2
および−OHであるものが好ましい。
【0034】また、上記化学式(A)において、式中の
1、R2、およびR3で示される置換基の分子量が7〜
750の範囲内、好ましくは16〜46の範囲内のもの
が好適に用いられる。
【0035】本発明においては、上記R1、R2、および
3が同一である1,3,5−トリアジン誘導体を用い
ることが、均一な結晶構造を形成できガスバリア性を向
上させることができる点で好ましい。
【0036】最後に分子量の面から考慮すると、分子量
が大きい場合は、通常平衡蒸気圧が10-3Torrとなる温
度が高くなる点、および分子量が大きい場合は、トリア
ジン骨格に付加された置換基が大きいことを意味し、こ
れは基材上に蒸着した際の結晶構造に悪影響を与える点
等から、分子量は小さい方が好ましい。具体的には、8
5〜1000の範囲内であり、好ましくは85〜220
の範囲内、特に好ましくは85〜166の範囲内であ
る。なお、上記分子量の下限値は、トリアジン骨格の分
子量が81である点を考慮して決定したものである。
【0037】以上の種々の条件、および入手の容易性、
コスト面等を考慮した場合、本発明で最も好ましい1,
3,5−トリアジン誘導体としては、メラミンもしくは
シアヌル酸を挙げることができる。
【0038】次に、この基材に対する1,3,5−トリ
アジン誘導体を蒸着する工程により得られる1,3,5
−トリアジン誘導体蒸着層について説明する。
【0039】このような1,3,5−トリアジン誘導体
蒸着層は、上述した1,3,5−トリアジン誘導体を少
なくとも1種類用いて形成されるものであり、層内の結
晶構造により高いガスバリア性を有する層である。
【0040】このような1,3,5−トリアジン誘導体
蒸着層の膜厚は5nm〜1000nmの範囲内、特に1
0nm〜500nmの範囲内、中でも20〜200nm
の範囲内であることが好ましい。上記範囲より膜厚が薄
い場合は、要求されるガスバリア性が不足するため好ま
しくなく、上記範囲より膜厚が厚い場合は、得られるガ
スバリア性に比較してコストが高くなりすぎるといった
問題が生じる可能性があるため好ましくない。
【0041】上述したようにして、基材上に1,3,5
−トリアジン誘導体蒸着層を形成した後、本発明の特徴
的な構成である上記1,3,5−トリアジン誘導体蒸着
層の耐湿度性を向上させる変性処理工程が行われる。
【0042】このような、1,3,5−トリアジン誘導
体蒸着層の耐湿度性を向上させる変性処理方法として
は、例えば、プラズマ処理、コロナ処理、火炎処理、I
R処理、UV処理、オゾン処理、酸・アルカリ処理、電
子線処理、X線処理等を挙げることができるが、本発明
においては、中でもプラズマ処理による変性処理方法が
好ましい。
【0043】このようなプラズマ処理に用いられるプラ
ズマ発生装置としては、容量結合方式を用いたものであ
っても、誘導結合方式を用いたもの等の導波管のような
アンテナを、用いたものであってもよい。また、マイク
ロ波方式、RF方式、低周波方式、DC方式等の方式を
用いたプラズマ発生装置を用いることが可能であるが、
中でも、基板上における反応性が高い点を考慮した場
合、マイクロ波方式およびRF方式が好ましく、特にマ
イクロ波方式が最も好ましい。
【0044】また、本発明に用いられるプラズマ発生装
置の電源としては、交流であっても直流であってもよ
い。また、グロー放電圧力としては、0.05〜50×
10-2Torrの範囲内であることが好ましく、特に0.1
〜20×10-2Torrの範囲内、中でも0.5〜10×1
-2Torrの範囲内であることが好ましい。上記範囲より
グロー放電圧力が小さい場合は、分子の衝突が少なくプ
ラズマ化しない可能性があり、プラズマの発生が不安定
であることから好ましくなく、上記範囲よりグロー放電
圧力が大きい場合は、電離させるエネルギーを与える前
に衝突してしまいプラズマ化しない可能性があることか
ら好ましくない。
【0045】本発明で行われるプラズマ処理に用いられ
る供給ガスとしては、Ar、He等の希ガス、N2
2、空気、乾燥空気、CO2、NH3等のガスや、例え
ばO2ガス85%およびArガス15%といったこれら
の混合ガスを挙げることができる。本発明においては、
中でも、O2ガス、あるいはO2ガスおよびArガスの混
合ガスを用いることが好ましい。酸素ガスは活性度が高
く、表面処理度合いが大きいことから好ましく、またア
ルゴンガスを混合させると、プラズマをより安定させる
ことができるため好ましい。
【0046】本発明で行われるプラズマ処理の際の放電
電力としては、2〜100W・分/m2の範囲内が好まし
く、特に、5〜50W・分/m2の範囲内、中でも10〜
30W・分/m2の範囲内であることが好ましい。上記範
囲より放電電力が小さい場合は、プラズマ処理量が不充
分であり、1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層表面に
対して十分な耐湿度性を付与することができない可能性
があることから好ましくない。一方、上記範囲より放電
電力が大きい場合は、基材もしくは1,3,5−トリア
ジン誘導体蒸着層を熱劣化させるおそれがあり、使用に
際して熱劣化に伴う種々の問題が生じる可能性があるこ
とから好ましくない。
【0047】本発明において、上述したようなプラズマ
処理工程は、1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層が完
全に形成された後に行われてもよく、また、上記1,
3,5−トリアジン誘導体蒸着層形成時に同時に行われ
てもよい。すなわち、1,3,5−トリアジン誘導体蒸
着層の形成工程の途中からプラズマ処理を開始してもよ
いのである。この場合、プラズマ処理と同時に形成する
ことになる1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層の膜厚
は、膜厚全体の20%以下であることが好ましく、特に
10%以下であることが好ましい。プラズマ処理と同時
に形成する1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層の膜厚
が上記範囲より厚い場合は、1,3,5−トリアジン誘
導体蒸着層として、必要とされるガスバリア性を得るこ
とができない可能性があるからである。このように、プ
ラズマ処理と同時に1,3,5−トリアジン誘導体蒸着
層を形成する場合は、1,3,5−トリアジン誘導体蒸
着層が最終的に形成された後に、必要であればさらにプ
ラズマ処理を施してもよい。
【0048】本発明においては、さらに必要に応じて、
他の層を形成する工程を行ってもよい。例えば、さらに
1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層の耐湿度性を向上
させることを目的として、変性処理を行った1,3,5
−トリアジン誘導体蒸着層上に防湿層を形成する工程を
行っても良い。
【0049】このような防湿層として用いることができ
る材料としては、防湿性の観点から、延伸もしくは無延
伸の、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、もし
くはメタロセン触媒を用いて重合したポリエチレン等の
ポリエチレン材料、延伸もしくは無延伸のポリプロピレ
ン、非結晶ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の材料を挙げることがで
き、さらに酸化アルミニウムやシリカを蒸着させたバリ
ア性フィルムを用いてもよい。
【0050】本発明においては、中でもシーラントとし
て使用可能な無延伸ポリエチレンまたは無延伸ポリプロ
ピレンを防湿層として用いることが好ましい。これらの
材料を防湿層とすることにより、シーラント層を別途形
成する必要がなく、工程の簡略化が可能となり、コスト
面で有利であるからであり、さらに防湿面でも効果的で
あるからである。
【0051】このような防湿層の膜厚は、用いる材料や
その形成方法等により大きく異なるものではあるが、一
般に、5μm〜500μmの範囲内、好ましくは12μ
m〜100μmの範囲内とされる。
【0052】上記防湿層の有する水蒸気透過性として
は、50g/m2・day以下、特に20g/m2・da
y以下、中でも7g/m2・day以下の水蒸気透過度
を有するものが好ましい。なお、この水蒸気透過度は、
防湿層を、温度37.8℃、湿度100%Rhの条件
で、例えば米国モコン(MOCON)社製の測定機(機種名パ
ーマトラン(PERMTRAN3/31))を用いて測定した場合の値
である。
【0053】このような防湿層の形成方法としては、特
に限定されるものではないが、例えば、グラビア版を用
いたグラビアコート、ゴムあるいはスチールロールによ
るロールコート、エアナイフコート、スプレーコート、
スピンコート、ディップコート、ドクターナイフ、バー
コーター、カーテンコーターなどの公知の塗工機械を用
いる従来のコート法や浸漬法、さらにはドライラミネー
ション法、ウェットラミネーション法、押出ラミネーシ
ョン法、T台押出成形法、共押出ラミネーション法等の
従来の積層法により防湿層を1,3,5−トリアジン誘
導体蒸着層上に貼り合わせることができる。
【0054】上述したような製造方法を一例として用い
ることにより、基材と、この基材上に蒸着材料として使
用可能な1,3,5−トリアジン誘導体を蒸着させてな
り、ガスバリア性を有する1,3,5−トリアジン誘導
体蒸着層と、この1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層
上に形成された前記1,3,5−トリアジン誘導体蒸着
層の耐湿度性を向上させる変性処理層とを有するガスバ
リア性積層材を得ることができる。
【0055】このガスバリア性積層材に用いられる基材
および1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層は、上述し
たものと同様であるのでここでの説明は省略する。ま
た、上記1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層の耐湿度
性を向上させる変性処理層は、上述した種々の表面処理
方法により得られる層であり、この層を形成することに
より、1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層内に水蒸気
の侵入を防止するを可能とし、ガスバリア性積層材自体
の耐湿度性を向上させることができる層である。
【0056】本発明において、この変性処理層は特にプ
ラズマ処理層であることが好ましい。プラズマ処理層と
することにより、上述した1,3,5−トリアジン誘導
体蒸着層内への水蒸気の侵入を効果的に防止することが
できるからである。
【0057】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0058】例えば、上記1,3,5−トリアジン誘導
体蒸着層は、少なくとも1層形成されていればよいので
あり、したがって基材の両面に形成する等2層以上形成
されたものであってもよい。この場合の変性処理も一方
のみ行ってもよいし、両面に形成された1,3,5−ト
リアジン誘導体蒸着層に対して行ってもよい。
【0059】また、本発明においては、1,3,5−ト
リアジン誘導体以外のトリアジン誘導体であっても、結
晶化によりガスバリア性を有するものであれば用いるこ
とが可能であり、具体的にはメラン(melan)、メレン(me
lem)、メロン(melon)等を用いることが可能である。
【0060】なお、上記実施形態においては、本発明の
バリア性積層フィルムの奏する効果をガスバリア性とし
ているが、このガスバリア性には酸素等のガスの透過防
止性のみならず水蒸気透過防止性をも含む概念である。
【0061】
【実施例】以下、本発明のバリア性積層フィルムについ
て、実施例を挙げて具体的に説明する。なお、本発明は
以下の実施例に限定されるものではない。
【0062】[実施例1]基材として、膜厚20μmの
OPP(延伸ポリプロピレン)フィルム(商品名:太閤
FOR、二村化学工業株式会社製、片面コロナ処理)を用
い、図1に示すような一般的な抵抗加熱型蒸着装置を用
い蒸着した。まず、図示略のポンプを用い、蒸着室1内
を9.5×10-5torrに真空排気した。上記基材は、蒸
着室1上方に設けられた基盤2上にコロナ処理面が下面
側(るつぼ側)となるように配置された。次いで、蒸着
室1内の下方に配置されたるつぼ3内にメラミン(純正
化学株式会社製、純度98.0%)を投入し、るつぼ用
ヒータ4を用いて220℃に温度調節した。この状態で
シャッター5を開け基材であるOPPフィルムのコロナ
処理面に1000オングストローム蒸着した後、シャッ
ター5を閉めて1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層を
形成した。
【0063】この1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層
の膜厚は、水晶振動子の周波数から換算し求めた。すな
わち、予めガラス基板上にマスクを用いて被測定物質を
蒸着し、その膜厚を触針式の膜厚計(DEKTAKIIA、SLOAN
社製)で測定し、その物質の膜厚と水晶振動子の周波数
との相関関係を決定する。次いで、上記ガスバリア性積
層材上の被測定物質の水晶振動子の周波数を測定し、厚
みに換算する方法により測定した。
【0064】次に、蒸着室1内に酸素ガスを導入し、図
示略のポンプにより2.0×10-2Torrに真空度を調整
した。そして、マイクロウェーブ発生装置6を用いてプ
ラズマを発生させ、プラズマ処理を行い、これによりガ
スバリア性積層材を製造した。この際の放電電力は20
W・分/m2であった。
【0065】[実施例2]蒸着室1内に導入するガス種
を酸素ガスからアルゴンガスに替えた以外は、実施例1
と同様にしてガスバリア性積層材を製造した。
【0066】[実施例3]放電電力を、2W・分/m2
した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性積層材
を製造した。
【0067】[実施例4]放電電力を、50W・分/m2
とした以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性積層
材を製造した。
【0068】[実施例5]まず、実施例1と同様にして
基材上にメラミン蒸着層を950オングストローム形成
した。次いで、実施例1と同一の条件でプラズマを発生
させ、プラズマ処理を行うと同時にさらにメラミンを5
0オングストローム蒸着させて、ガスバリア性積層材を
製造した。
【0069】[実施例6]基材を膜厚12μmのPET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(商品名:E
5100、東洋紡社製、片面コロナ処理)を用いた以外
は上記実施例1と同様にしてガスバリア性積層材を形成
した。
【0070】[実施例7]るつぼ3内にシアヌル酸(純
正化学株式会社製、試薬特級)を投入し、るつぼ用ヒー
タ4を用いて280℃に温度調節した以外は上記実施例
1と同様にしてガスバリア性積層材を形成した。
【0071】[比較例1]基材として、膜厚20μmの
OPPフィルム(商品名:太閤FOR、二村化学工業株式
会社製、片面コロナ処理)を用い、図1に示すような一
般的な抵抗加熱型蒸着装置を用い蒸着した。まず、図示
略のポンプを用い、蒸着室1内を9.5×10-5Torrに
真空排気した。上記基材は、蒸着室1上方に設けられた
基盤2上にコロナ処理面が下面側(るつぼ側)となるよ
うに配置された。次いで、蒸着室1内の下方に配置され
たるつぼ3内にメラミン(純正化学株式会社製、純度9
8.0%)を投入し、るつぼ用ヒータ4を用いて220
℃に温度調節した。この状態でシャッター5を開け基材
であるOPPフィルムのコロナ処理面に1000オング
ストローム蒸着した後、シャッター5を閉めて1,3,
5−トリアジン誘導体蒸着層を形成し、これをガスバリ
ア性積層材とした。
【0072】[比較例2]基材として、厚み12μmの
PETフィルム(東洋紡社製、商品名:E5100、片面コ
ロナ処理)を用いた以外は、比較例1と同様にしてガス
バリア性積層材を形成した。
【0073】[比較例3]るつぼ3内にシアヌル酸(純
正化学株式会社製、試薬特級)を投入し、るつぼ用ヒー
タ4を用いて280℃に温度調節した以外は上記比較例
1と同様にしてガスバリア性積層材を形成した。
【0074】[評価]上記実施例1から実施例7、およ
び比較例1から比較例3で得たバリア性積層材を用い
て、酸素透過度および水蒸気透過度を測定した。
【0075】(1)酸素透過度の測定 上記各々のガスバリア性積層材を温度23℃で、湿度0
%Rhと90%Rhの二つの条件で、酸素透過度を測定
した。測定機としては、米国モコン(MOCON)社製の測定
機(機種名オクストラン(OXTRAN2/20))を用いた。結果
を表1にまとめる。
【0076】(2)水蒸気透過度の測定 上記各々のガスバリア性積層材を、温度37.8℃、湿
度100%Rhの条件で、米国モコン(MOCON)社製の測
定機(機種名パーマトラン(PERMTRAN3/31))を用いて水
蒸気透過度を測定した。結果を表1にまとめる。
【0077】
【表1】
【0078】表1から明らかなように、実施例のガスバ
リア性積層材は、高湿度条件下での酸素透過性、および
水蒸気透過性のいずれもが良好であるのに対し、比較例
のものは、大幅に低下していることがわかる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、1,3,5−トリアジ
ン誘導体蒸着層に変性処理を行う工程を施すことによ
り、1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層の耐湿度性を
向上させることができる。したがって、1,3,5−ト
リアジン誘導体蒸着層の有する高いガスバリア性を保ち
つつ耐湿度性を有するガスバリア性積層材を製造するこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に用いられた蒸着装置を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 …… 蒸着室 2 …… 基盤 3 …… るつぼ 4 …… るつぼ用ヒータ 5 …… シャッター 6 …… マイクロウェーブ発生装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 14/24 C23C 14/24 N 14/58 14/58 // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4F006 AA02 AA12 AA15 AA35 AA38 AB65 BA05 CA07 DA01 4F073 AA13 BA03 BA04 BA06 BA07 BA08 BA09 BA10 BA11 BA19 BA24 BA29 BB01 CA01 4F100 AK07 AK35B AK36 AT00A BA02 EH66B EJ10B EJ24 EJ37 EJ55 EJ61B GB15 GB23 JD02B JD04B JK06 JL11 JN01 4K029 AA11 AA25 BA62 CA01 DB06 DB18 GA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材を準備する工程と、前記基材上に蒸
    着材料として使用可能な1,3,5−トリアジン誘導体
    を蒸着させて、ガスバリア性を有する1,3,5−トリ
    アジン誘導体蒸着層を形成する工程と、この1,3,5
    −トリアジン誘導体蒸着層表面に対し1,3,5−トリ
    アジン誘導体蒸着層の耐湿度性を向上させる変性処理を
    行う工程とを有することを特徴とするガスバリア性積層
    材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記変性処理が、プラズマ処理であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のガスバリア性積層材の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記プラズマ処理における放電電力が、
    5〜40W・分/m2の範囲内であることを特徴とする
    請求項2記載のガスバリア性積層材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記1,3,5−トリアジン誘導体の分
    子量が、85以上1000以下であり、かつ平衡蒸気圧
    が10-3Torrとなる温度が500℃以下であり、さらに
    平衡蒸気圧が10-3Torrとなる温度で熱分解しない化合
    物であることを特徴とする請求項1から請求項3までの
    いずれかの請求項に記載のガスバリア性積層材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記1,3,5−トリアジン誘導体が、
    下記式(A)で示され、式中R1、R2、およびR3は同
    一であっても異なっていてもよく、かつ−NH2、−O
    H、−CHO、−COOH、−R−NH2、−R−O
    H、−R−CHO、−R−COOH、−CN、−N
    2、−OCH3、−COCl、−NCO、−COOC2
    5、−OSi(CH33、−NHCH2OH、−CH=
    CH2(上記式中Rは炭素数1〜6までのアルキル鎖を
    示す。)から選択される少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項
    に記載のガスバリア性積層材の製造方法。 【化1】
  6. 【請求項6】 前記1,3,5−トリアジン誘導体が、
    メラミンもしくはシアヌル酸であることを特徴とする請
    求項3記載のガスバリア性積層材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記1,3,5−トリアジン誘導体蒸着
    層の膜厚が、5nm〜1000nmの範囲内であること
    を特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請
    求項に記載のガスバリア性積層材の製造方法。
  8. 【請求項8】 基材と、この基材上に蒸着材料として使
    用可能な1,3,5−トリアジン誘導体を蒸着させてな
    り、ガスバリア性を有する1,3,5−トリアジン誘導
    体蒸着層と、この1,3,5−トリアジン誘導体蒸着層
    上に形成された前記1,3,5−トリアジン誘導体蒸着
    層の耐湿度性を向上させる変性処理層とを有することを
    特徴とするガスバリア性積層材。
  9. 【請求項9】 前記変性処理層が、プラズマ処理層であ
    ることを特徴とする請求項8記載のガスバリア性積層
    材。
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