JP2002283490A - バリアフィルムとこれを用いた積層材およびバリアフィルムの製造方法 - Google Patents

バリアフィルムとこれを用いた積層材およびバリアフィルムの製造方法

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JP2002283490A
JP2002283490A JP2001089216A JP2001089216A JP2002283490A JP 2002283490 A JP2002283490 A JP 2002283490A JP 2001089216 A JP2001089216 A JP 2001089216A JP 2001089216 A JP2001089216 A JP 2001089216A JP 2002283490 A JP2002283490 A JP 2002283490A
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film
barrier
barrier layer
acid anhydride
organic vapor
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JP2001089216A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Kishimoto
好弘 岸本
Takanori Oboshi
隆則 大星
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高いバリア性、透明性をもち、後加工適性に
優れ、かつ、電子レンジ適性も有するバリアフィルム
と、その積層材と、上記のバリアフィルムの製造方法を
提供する。 【解決手段】 基材フィルム2の少なくとも一方の面
に、無機酸化物からなるバリア層3と有機蒸着膜4とを
この順に積層し、有機蒸着膜を酸無水物とその加水分解
物との混合物からなる膜、および、酸無水物の加水分解
物からなる膜のいずれかとすることによりバリアフィル
ム1とし、このバリアフィルムの少なくとも一方の面に
ヒートシール性樹脂層52を設けることにより積層材と
し、上記のバリアフィルムは、基材フィルムの少なくと
も一方の面に物理気相成長法により真空チャンバー内で
無機酸化物薄膜を形成してバリア層とし、次いで、蒸着
源として酸無水物と該酸無水物1モルに対して0.00
1〜1モルの範囲の触媒とを用いて蒸着法によりバリア
層上に有機蒸着膜を形成して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バリアフィルムと
これを用いた積層材およびバリアフィルムの製造方法に
係り、特に透明性と優れたバリア性を備え、印刷加工、
ラミネート加工、製袋加工等の後加工性に優れ、電子レ
ンジ適性も有するバリアフィルムと、このバリアフィル
ムを用いた充填包装適性、保存適性および後加工適性に
優れる積層材と、上記のバリアフィルムの製造方法とに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、酸素ガスおよび水蒸気ガス等
に対するバリア性を備え、食品や医薬品等の良好な保存
適性を有する包装用材料として、種々のものが開発され
提案されており、例えば、可撓性プラスチック基材の上
にポリ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重
合体のコーテンィグ層を設けた構成からなるバリアフィ
ルムが提案されている。
【0003】しかし、これらのバリアフィルムにおいて
は、酸素、水蒸気に対するバリア性が十分でなく、特に
高温での殺菌処理においてバリア性の著しい低下が生じ
るという問題があった。さらに、ポリ塩化ビニリデンの
コーティング層を設けたバリアフィルムは、焼却時に有
毒なダイオキシンを発生し、環境への悪影響が懸念され
ている。
【0004】そこで、近年、基材フィルムの上に物理気
相成長法や化学気相成長法等を用いて酸化アルミニウ
ム、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を設けた構成から
なるバリアフィルム、また、それらを使用した包装用積
層材等が提案されている。これらのバリアフィルムは、
従来のアルミニウム箔等を使用した包装用積層材等と比
較して透明性に優れ、また、上述のような環境への影響
もほとんどなく、包装用材料等にその需要が大いに期待
されているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
無機酸化物の蒸着膜は表面が不活性であるため、蒸着膜
に直接印刷を行うと、蒸着膜に対するインキの密着性が
低く、印刷模様の欠け、脱落等が発生するという問題が
ある。また、印刷後に、印刷模様がある面に他の基材等
をラミネート加工して包装用積層材を製造しても、得ら
れた包装用積層材は層間剥離等を生じやすく、実用に供
し得ないという問題がある。
【0006】また、印刷加工適性をもたせるために、例
えば、ポリエステル系樹脂等をビヒクルの主成分とする
プライマー剤を調製し、これを無機酸化物の蒸着膜上に
予め塗布してプライマー層を設けることも可能である
が、無機酸化物の蒸着膜は非可撓性のガラス質であり、
衝撃やテンション等に対して弱い脆い膜であり、プライ
マー剤の塗布加工において、無機酸化物の蒸着膜にクラ
ックが発生し、バリア性低下を来たすという問題があ
る。
【0007】さらに、上述の無機酸化物の蒸着膜を設け
たバリアフィルムにおいては、成膜直後の無機酸化物の
蒸着膜は、十分なバリア性を有するにもかかわらず、真
空チャンバー内において無機酸化物の蒸着膜がガイドロ
ール等のガイド部材に接触するために、傷やクラックが
発生し、酸素ガスおよび水蒸気ガス等に対するバリア性
が低下するという問題もある。
【0008】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、酸素ガスや水蒸気ガス等に対する高いバ
リア性を有し、さらに、透明性をもち印刷加工、ラミネ
ート加工、製袋加工等の後加工適性に優れ、かつ、電子
レンジ適性も有するバリアフィルムと、充填包装適性、
保存適性および後加工適性に優れる積層材と、上記のバ
リアフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明のバリアフィルムは、基材フィルム
と、該基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられた
無機酸化物からなるバリア層と、該バリア層上に設けら
れた有機蒸着膜とを少なくとも有し、前記有機蒸着膜は
酸無水物とその加水分解物との混合物からなる膜、およ
び、酸無水物の加水分解物からなる膜のいずれかである
ような構成とした。
【0010】また、本発明のバリアフィルムは、基材フ
ィルムと、該基材フィルムの少なくとも一方の面に設け
られた無機酸化物からなるバリア層と、該バリア層上に
設けられた有機蒸着膜と、該有機蒸着膜上に設けられた
プライマー層を少なくとも有し、前記有機蒸着膜はポリ
エチレン膜および酸無水物膜のいずれかであるような構
成とした。本発明のバリアフィルムの好ましい態様とし
て、前記バリア層は、AlOx(Xは1.0〜1.8の
範囲)で表される酸化アルミニウムの薄膜であり、表面
から基材フィルムに向かう深さ方向で前記Xの値が減
少、または、増加するような構成とした。
【0011】本発明の積層材は、上記のバリアフィルム
の少なくとも一方の面にヒートシール性樹脂層を設けた
ような構成とした。
【0012】本発明のバリアフィルムの製造方法は、基
材フィルム上の少なくとも一方の面に物理気相成長法に
より真空チャンバー内で無機酸化物薄膜を形成してバリ
ア層とし、次いで、該バリア層が真空チャンバー内のガ
イド部材に接触する前に、蒸着源として酸無水物と該酸
無水物1モルに対して0.001〜0.5モルの範囲の
触媒とを用いて蒸着法により前記バリア層上に有機蒸着
膜を形成するような構成とした。本発明のバリアフィル
ム製造方法の好ましい態様として、前記有機蒸着膜を形
成した後、酸無水物の加水分解促進工程を有するような
構成とした。
【0013】本発明のバリアフィルムの製造方法は、基
材フィルム上の少なくとも一方の面に物理気相成長法に
より真空チャンバー内で無機酸化物薄膜を形成してバリ
ア層とし、次いで、該バリア層が真空チャンバー内のガ
イド部材に接触する前に、蒸着源として酸無水物を用い
て蒸着法により前記バリア層上に有機蒸着膜を形成し、
その後、酸無水物の加水分解促進処理を行うような構成
とした。
【0014】また、本発明のバリアフィルムの製造方法
は、基材フィルム上の少なくとも一方の面に物理気相成
長法により真空チャンバー内で無機酸化物薄膜を形成し
てバリア層とし、次いで、該バリア層が真空チャンバー
内のガイド部材に接触する前に、蒸着源としてポリエチ
レン、および、酸無水物のいずれかを用いて蒸着法によ
り前記バリア層上に有機蒸着膜を形成し、その後、プラ
イマー層を形成するような構成とした。
【0015】このような本発明では、無機酸化物からな
るバリア層がバリアフィルムに優れたバリア性を付与
し、このバリア層を有機蒸着膜が保護し、さらに、有機
蒸着膜あるいはプライマー層が印刷インキに対する高い
密着性を発現する作用をなし、このバリアフィルムを用
いた積層材は、上記の各特性に加えヒートシール性樹脂
層による後加工適性が付与される。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。バリアフィルム 図1は本発明のバリアフィルムの一実施形態を示す概略
断面図である。図1においてバリアフィルム1は基材フ
ィルム2と、この基材フィルム2の一方の面に形成され
たバリア層3と、このバリア層3上に設けた有機蒸着膜
4からなる。
【0017】図2は本発明のバリアフィルムの他の実施
形態を示す概略断面図である。図2においてバリアフィ
ルム11は基材フィルム12と、この基材フィルム12
の一方の面に形成されたバリア層13と、このバリア層
13上に積層された有機蒸着膜14とプライマー層15
からなる。尚、本発明のバリアフィルムは、基材フィル
ム2,12の両面にバリア層3,13と有機蒸着膜4,
14、プライマー層15を積層するものでもよい。ま
た、バリア層3,13は単層構造、多層構造いずれであ
ってもよい。
【0018】次に、本発明のバリアフィルムの構成部材
について説明する。 (基材フィルム)本発明のバリアフィルム1,11を構
成する基材フィルム2,12は、バリア層3,13と有
機蒸着膜4,14、プライマー層15を保持し得るフィ
ルムであれば特に制限はなく、バリアフィルム1,11
の使用目的等から適宜選択することができる。具体的に
は、基材フィルム2,12としてポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、環状
ポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、
ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重
合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート系樹
脂、アセタール系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各
種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、セルロース系樹脂等の延伸(一軸ないし二軸)また
は未延伸の可撓性透明樹脂フィルムを用いることができ
る。基材フィルム2,12の厚さとしては、5〜500
μm、好ましくは9〜100μmの範囲内で適宜設定す
ることができる。
【0019】上記の基材フィルム2,12は、その製造
段階において、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐
候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離
型性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等
を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や
添加剤等を添加することができ、その添加量は極く微量
から数十重量%まで、その目的に応じて任意に設定する
ことができる。一般的な添加剤としては、例えば、滑
剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充
填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、その他等を使用する
ことができ、また、改質用樹脂等も使用することができ
る。
【0020】基材フィルム2,12は、後述する無機酸
化物の薄膜であるバリア層3,13との密着性等を向上
させるために、必要に応じて、予め所望の表面処理を施
してもよい。このような表面処理としては、例えば、コ
ロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスもしくは窒素ガス
等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬
品等を用いて処理する酸化処理等を挙げることができ
る。
【0021】さらに、基材フィルム2,12は、後述す
る無機酸化物の薄膜であるバリア層3,13との密着性
等を向上させるために、必要に応じて、予め所望の表面
処理層を形成してもよい。このような表面処理層として
は、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アン
カーコート剤層、接着剤層、蒸着アンカーコート剤層等
が挙げられる。コート剤としては、例えば、ポリエステ
ル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系
樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンやポリプロ
ピレン等のポリオレフィン系樹脂、あるいは、それらの
共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂等をビヒク
ルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
【0022】(バリア層)本発明のバリアフィルム1,
11を構成するバリア層3,13は、無機酸化物の非結
晶性の薄膜であり、基本的には、金属の酸化物を蒸着し
た薄膜であれば使用可能であり、例えば、珪素(S
i)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、
カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、
ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、
鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム
(Y)等の金属の酸化物の蒸着薄膜を使用することがで
きる。尚、バリア層3,13は、1種の金属の酸化物の
薄膜であってもよく、また、2種以上の金属の酸化物が
混合された薄膜であってもよい。
【0023】上記のバリア層3,13は、珪素酸化物、
アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金
属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、
SiOx、AlOx、MgOx等のようにMOx(ただし、
式中、Mは金属元素を表し、Xの値は金属元素によって
それぞれ範囲が異なる)で表される。上記の式におい
て、X=0の場合、完全な金属であり、バリア層3,1
3に透明性がなく使用することができない。好ましいX
の範囲は、例えば、珪素(Si)では1.0〜2.0、
アルミニウム(Al)では0.5〜1.8程度である。
【0024】このようなバリア層3,13の厚みは、使
用する金属や、金属酸化物の酸素量(Xの値)等により
異なるが、例えば、5〜500nm、好ましくは10〜
50nmの範囲で適宜設定することができる。バリア層
3,13の厚みが5nm未満であると、良好なバリア性
(酸素透過率が2.5cc/m2・day・atm以
下、水蒸気透過率が2.5g/m2・day以下、より
好ましくは酸素透過率が2.0cc/m2・day・a
tm以下、水蒸気透過率が2.0g/m2・day以下
程度を指す)を発現できず、500nmを超えると、逆
にバリア性が低下するとともに、成膜に要する時間が長
くなり好ましくない。
【0025】本発明では、上述のバリア層3,13を構
成する金属酸化物のなかで、好ましいものとしては、珪
素(Si)、アルミニウム(Al)の酸化物を挙げるこ
とができ、特に酸化アルミニウムの薄膜が好ましく、よ
り具体的には、式AlOx(式中、Xは0.5〜1.
8、好ましくは1.2〜1.7の範囲の数を表す)で表
される酸化アルミニウムの非結晶性の薄膜である。酸素
量Xの下限は、着色による透明性の低下を考慮しながら
決定することができ、上限はアルミニウムが過飽和に酸
化した状態のX=1.8となる。
【0026】さらに、式AlOxで表される酸化アルミ
ニウムの非結晶性の薄膜は、バリア層3,13の表面か
ら基材フィルム2,12に向かう深さ方向で、酸素量X
の値が減少するもの、または、増加するものであっても
よい。このように、バリア層3,13の深さ方向で酸素
量Xの値を変化させることにより、透明性とバリア性の
バランスがとれ、また、基材フィルムに対するバリア層
の密着性や、バリア層上に形成される有機蒸着膜、ある
いは、他のコート層との密着性がより良好なものとな
る。
【0027】(有機蒸着膜)本発明のバリアフィルム1
を構成する有機蒸着膜4は、バリア層3を保護し、か
つ、インキ密着性を向上させて印刷加工適性を付与する
ものである。このような有機蒸着膜4は、酸無水物とそ
の加水分解物との混合物からなる薄膜(加水分解物が酸
無水物と分子間で架橋反応を起こし、部分的に重合して
生成した無水物も含む)、あるいは、酸無水物の加水分
解物からなる薄膜(加水分解物が酸無水物と分子間で架
橋反応を起こし、部分的に重合して生成した無水物も含
む)である。酸無水物としては、分子量が80〜100
0の範囲内であり、かつ、平衡蒸気圧が10-3Torr
となる温度が500℃以下であり、さらに、平衡蒸気圧
が10-3Torrとなる温度で熱分解しない酸無水物を
使用することができ、例えば、無水ピロメリト酸、無水
ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ピロメリト酸ジチオ
無水物等を挙げることができ、これらの1種、あるい
は、2種以上の組み合わせであってもよい。有機蒸着膜
4を構成する酸無水物の加水分解物は、上述のような酸
無水物の加水分解物であり、例えば、酸無水物がピロメ
リット酸二無水物のような酸二無水物である場合、加水
分解物としては、酸一無水物およびカルボン酸(ピロメ
リット酸)の両方を含むものである。
【0028】有機蒸着膜4が、酸無水物とその加水分解
物との混合物からなる薄膜である場合、有機蒸着膜4に
おける酸無水物の含有量は99.9モル%以下、好まし
くは90モル%以下とする。酸無水物の含有量が99.
9モル%を超えると、有機蒸着膜4のインキ密着性が低
下して、印刷加工適性が損なわれる。
【0029】このような有機蒸着膜4の厚みは、30〜
500Å、好ましくは50〜300Å程度に設定するこ
とができる。また、有機蒸着膜4は、2層以上の多層構
造であってもよい。その場合、多層構造の有機蒸着膜4
のうち、少なくともバリア層3に接触する有機蒸着膜
は、上述の条件を備えるような酸無水物とその加水分解
物との混合物からなる薄膜、あるいは、酸無水物の加水
分解物からなる薄膜である。
【0030】一方、本発明のバリアフィルム11を構成
する有機蒸着膜14は、バリア層13のバリア性を損な
うことなくバリア層13を保護するためのものである。
このような有機蒸着膜14は、ポリエチレン膜、あるい
は、酸無水物からなる薄膜である。有機蒸着膜14を構
成するポリエチレンとしては、分子量が1000〜50
000の範囲のポリエチレンを用いることができる。ま
た、有機蒸着膜14を構成する酸無水物としては、上述
と同様の酸無水物を挙げることができる。
【0031】このような有機蒸着膜14の厚みは、30
〜500Å、好ましくは50〜300Å程度に設定する
ことができる。また、有機蒸着膜14は、2層以上の多
層構造であってもよい。
【0032】(プライマー層)本発明のバリアフィルム
11を構成するプライマー層15は、有機蒸着膜14に
印刷加工適性を付与するためのものである。このプライ
マー層15は、例えば、ポリエステル系、ポリウレタン
系、ポリオール系、ポリエステルウレタン系、ポリアミ
ド系、ニトロセルロース系、ポリ(メタ)アクリル系、
ポリ尿素系、ポリイミド系、ポリエステルポリオール
系、アクリルポリオール系等の1種または2種以上をビ
ヒクルの主成分とするプライマー剤を用いて形成できる
ものであり、その厚みは、使用する材料により適宜設定
することが好ましいが、例えば、10〜1000nm程
度の範囲で設定することができる。
【0033】バリアフィルムの製造方法 本発明のバリアフィルムの製造方法の一実施形態を、上
述の本発明のバリアフィルム1を例として以下に説明す
る。まず、基材フィルム2の一方の面に、バリア層3を
真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング
法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長(PV
D)法により形成する。このバリア層3の形成を、図3
に示す巻き取り式真空蒸着装置による成膜を例として説
明する。図3に示されるように、巻き取り式真空蒸着装
置21は、真空チャンバー22内に巻き出しロール2
3、ガイドロール24,25、冷却されたコーティング
ドラム26、ガイドロール27,28、巻き取りロール
29を備えており、コーティングドラム26の下方に
は、マスク32,32を介して、金属あるいは金属酸化
物である蒸着源Mを保持し加熱するための坩堝30、お
よび、酸素ガス吹出口31が配設されている。尚、この
巻き取り式真空蒸着装置21は、真空チャンバー22の
コーティングドラム26の下流側に、後述する有機蒸着
膜を形成するための蒸着重合装置41を隣接して備えて
いる。
【0034】上記の巻き取り式真空蒸着装置21におい
て、巻き出しロール23から繰り出された基材フィルム
2は、ガイドロール24,25に案内されてコーティン
グドラム26に送られる。一方、坩堝30を加熱するこ
とにより蒸発源M、例えば、金属アルミニウム、あるい
は、酸化アルミニウム等を蒸発させ、必要ならば、酸素
ガス吹出口31から酸素ガスを噴出し、マスク32,3
2を介して、コーティングドラム26上を搬送される基
材フィルム2に衝突させて成膜を行い、無機酸化物から
なるバリア層3を形成する。
【0035】次いで、基材フィルム2は、コーティング
ドラム26の下流側に搬送され、形成されたバリア層3
がガイドロール27に接触する前に、蒸着重合装置41
によりバリア層3上に有機蒸着膜4を形成する。
【0036】蒸発重合装置41は、内部に蒸発装置43
(図示例では2個)と、この近傍にハロゲンランプやニ
クロム線等の加熱装置42を備え、蒸発装置43内の蒸
発源mを蒸発させ、開閉可能なシャッター装置45を開
くことにより、搬送される基材フィルム2のバリア層3
上に有機蒸着膜4を成膜できるような構成とされてい
る。
【0037】尚、巻き取り式真空蒸着装置21は、図4
に示されるような2基の蒸着重合装置41a,41bを
備えるものであってもよい。図4に示される例では、各
蒸着重合装置41a,41bは、それぞれ内部に蒸発装
置43a,43bと、この近傍にハロゲンランプやニク
ロム線等の加熱装置42a,42bを備え、蒸発装置4
3a,43b内の蒸発源m,m′を蒸発させ、開閉可能
なシャッター装置45a,45bを開くことにより、搬
送される基材フィルム2のバリア層3上に積層構造の有
機蒸着膜4を成膜できるような構成とされている。
【0038】本発明では、有機蒸着膜4を形成するため
の蒸発源として、酸無水物に触媒を添加したものを使用
する。触媒の添加量は、酸無水物1モルに対して0.0
01〜0.5モルの範囲である。触媒添加量が0.00
1モル未満であると、触媒添加による酸無水物の加水分
解が不充分となり、有機蒸着膜4のインキ密着性向上の
効果が得られない。触媒添加量が0.5モルを超える
と、例えば、触媒としてアミンを使用した場合、徐々に
有機蒸着膜4中にポリアミック酸が生成され、バリア層
3が水蒸気ガスバリア性の低下を来たすので好ましくな
い。尚、生成した加水分解物は、酸無水物と分子間で架
橋反応を起こし、部分的に重合して分子量の大きな無水
物を生じ、この無水物は有機蒸着膜4の機械的強度をよ
り大きくする作用をなす。
【0039】蒸発源としての酸無水物は、上述と同様の
酸無水物を挙げることができる。また、触媒としては、
例えば、アミンを使用することができる。触媒として使
用するアミンは、分子量が80〜1000の範囲内であ
り、かつ、平衡蒸気圧が10 -3Torrとなる温度が5
00℃以下であり、さらに、平衡蒸気圧が10-3Tor
rとなる温度で熱分解しない化合物を使用することがで
き、例えば、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、
4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジア
ミノ−3,3′−ジメチルフェニルメタン、4,4′−
ジアミノジフェニルサルファイド等を挙げることができ
る。
【0040】上述の製造方法により、本発明のバリアフ
ィルム1が得られ、バリア層3は形成された後、真空チ
ャンバー22内のガイド部材(ガイドロール27)に接
触する前に有機蒸着膜4により保護されるので、傷やク
ラック等の発生が防止され、また、有機蒸着膜4はイン
キ密着性に優れ、バリア性を損なうことなく良好な印刷
加工適性をバリアフィルム1に付与する。
【0041】また、本発明では、有機蒸着膜4を形成す
るための蒸発源として、酸無水物を単独で使用すること
もできる。この場合、バリアフィルム1が巻き取り式真
空蒸着装置21から取り出された後、有機蒸着膜4に対
して加水分解促進処理を施すことが必要である。加水分
解促進処理としては、高湿度下での保存等を挙げること
ができる。この加水分解促進処理の程度は、有機蒸着膜
4における酸無水物のうち1.0モル%以上が加水分解
されるものとする。加水分解の程度が不充分であると、
有機蒸着膜4のインキ密着性が不充分となり、良好な印
刷加工適性が得られない。
【0042】上述のように蒸発源として酸無水物を単独
で使用する製造方法により、本発明のバリアフィルム1
が得られ、バリア層3は形成された後、真空チャンバー
22内のガイド部材に接触する前に有機蒸着膜4により
保護されるので、傷やクラック等の発生が防止される。
また、加水分解促進処理が施されて酸無水物の加水分解
物を含有した有機蒸着膜4は、インキ密着性に優れ、バ
リア性を損なうことなく良好な印刷加工適性をバリアフ
ィルム1に付与する。
【0043】次に、本発明のバリアフィルムの製造方法
の他の実施形態を、上述の本発明のバリアフィルム11
を例として以下に説明する。バリアフィルム11の製造
では、基材フィルム12上にバリア層13を形成する工
程までは、上述のバリアフィルム1のバリア層3の形成
と同様である。
【0044】バリア層13が形成された基材フィルム1
2は、コーティングドラム26の下流側に搬送され、バ
リア層13がガイドロール27に接触する前に、蒸着重
合装置41によりバリア層13上に有機蒸着膜14を形
成する。この蒸着重合装置41による有機蒸着膜14の
形成では、蒸発源としてポリエチレンおよび酸無水物の
いずれかが用いられる。蒸発源として使用するポリエチ
レンは、分子量が500〜5000程度のものが好まし
く、酸無水物は、上述と同様の酸無水物を挙げることが
できる。
【0045】次いで、バリア層13と有機蒸着膜14が
形成された基材フィルム11を巻き取り式真空蒸着装置
21から取り出し、有機蒸着膜14上にプライマー層1
5を形成する。このプライマー層15は、例えば、ポリ
エステル系、ポリウレタン系、ポリオール系、ポリエス
テルウレタン系、ポリアミド系、ニトロセルロース系、
ポリ(メタ)アクリル系、ポリ尿素系、ポリイミド系、
ポリエステルポリオール系、アクリルポリオール系等の
1種または2種以上の組み合わせをビヒクルの主成分と
するプライマー剤を用いて、ロールコート、グラビアコ
ート、ナイフコート、ディップコート、スプレイコート
等のコーティング法でコーティングし、その後、溶剤や
希釈剤等を乾燥除去して形成することができる。使用す
る材料等により形成方法は適宜選択することができる。
このようなプライマー層15の形成では、バリア層13
は有機蒸着膜14により保護されているので、傷やクラ
ックの発生が防止される。
【0046】上述の製造方法により、本発明のバリアフ
ィルム11が得られ、バリア層13は形成された後、真
空チャンバー22内のガイド部材に接触する前に有機蒸
着膜14により保護されるので、傷やクラック等の発生
が防止される。また、プライマー層15はインキ密着性
に優れ、バリア層13のバリア性を損なうことなく良好
な印刷加工適性をバリアフィルム11に付与する。
【0047】積層材 次に、本発明の積層材について、上述の本発明のバリア
フィルム1を用いた例を挙げて説明する。図5は、本発
明の積層材の実施形態を示す概略断面図である。図5に
おいて積層材51は、基材フィルム2の一方の面にバリ
ア層3と有機蒸着膜4を積層して備えたバリアフィルム
1と、このバリアフィルム1の基材フィルム2上に形成
したヒートシール性樹脂層52とを備えている。尚、図
示例では、ヒートシール性樹脂層52が基材フィルム2
上に設けられているが、有機蒸着膜4上に設けてもよ
く、また、基材フィルム2および有機蒸着膜4の双方に
設けてもよい。
【0048】積層材51を構成するヒートシール性樹脂
層52に用いるヒートシール性樹脂としては、熱によっ
て溶融し相互に融着し得る樹脂を挙げることができる。
具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレンーメタ
クリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポ
リエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系
樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン
酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂等を使用することができる。ヒートシール性樹
脂層52は、上述のようなヒートシール性樹脂を塗布し
て形成してもよく、また、上述のようなヒートシール性
樹脂からなるフィルムないしシートをラミネートして形
成してもよい。このようなヒートシール性樹脂層52の
厚みは、5〜300μm、好ましくは10〜100μm
の範囲内で設定することができる。本発明の積層材51
は、アンカーコート剤層および/または接着剤層を介し
て上記のヒートシール性樹脂層52を設けてもよい。
【0049】本発明の積層材51に使用するアンカーコ
ート剤層は、例えば、アルキルチタネート等の有機チタ
ン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコー
ト剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ポリブ
タジエン系アンカーコート剤、その他の水性または油性
の各種アンカーコート剤を使用して形成することができ
る。アンカーコート剤層の形成は、上記のようなアンカ
ーコート剤を、例えば、ロールコート、グラビアコー
ト、ナイフコート、ディップコート、スプレイコート等
の公知のコーティング法でコーティングし、溶剤、希釈
剤等を乾燥除去して行うことができる。上記のアンカー
コート剤の塗布量としては、0.1〜5g/m2(乾燥
状態)程度が好ましい。
【0050】また、積層材51に使用する接着剤層は、
例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチ
ル、ブチル、2−エチルへキシルエステル等のホモポリ
マー、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリ
ロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリア
クリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着
剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からな
るエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポ
リエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド
系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミ
ノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系
接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレ
ンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等か
らなるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金
属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤等
を使用して形成することができる。
【0051】上記のラミネート用接着剤の組成系は、溶
剤型、水性型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組
成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シー
ト状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、さら
に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱
溶融型、熱圧型等のいすれの形態でもよい。
【0052】接着剤層の形成は、上記のようなラミネー
ト用接着剤を、例えば、ロールコート、グラビアコー
ト、ナイフコート、デッブコート、スプレイコート、そ
の他のコーティング法、あるいは、印刷法により成膜
し、溶剤、希釈剤等を乾燥除去して行うことができる。
上記のラミネート用接着剤の塗布量としては0.1〜1
0g/m2(乾燥状態)程度が好ましい。
【0053】また、本発明の積層材は、例えば、機械
的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有
し、特に、強度を有して強靭であり、かつ耐熱性を有す
る樹脂のフィルムないしシートからなる基材を積層した
ものであってもよい。具体的には、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂等の強籾
な樹脂の延伸(一軸ないし二軸)または未延伸のフィル
ムないしシートを基材として使用することができる。こ
のような基材の厚みは、5〜100μm、好ましくは1
0〜50μm程度が望ましい。
【0054】また、本発明においては、上記の基材に、
例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷
絵柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷が
施されていてもよい。このような文字等は、積層材を構
成するバリアフィルムを介して視認することができる。
【0055】さらに、本発明の積層材は、上記の基材と
併用、あるいは、単独で、紙基材を積層したものであっ
てもよい。使用する紙基材としては、積層材に賦型性、
耐屈曲性、剛性等を付与するものであり、例えば、強サ
イズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは、純白ロール
紙、クラフト紙、板紙、加工紙等を挙げることができ
る。このような紙基材は、坪量が80〜600g/
2、好ましくは100〜450g/m2程度のものを使
用することが望ましい。
【0056】また、本発明の積層材は、上記の基材や紙
基材と併用、あるいは、単独で、例えば、水蒸気、水等
のバリア性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等
の樹脂のフィルムないしシート、あるいは、酸素、水蒸
気等に対するバリア性を有するポリビニルアルコール、
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂のフィ
ルムないしシート、樹脂に顔料等の着色剤、その他、所
望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性
を有する各種の着色樹脂のフィルムないしシート等を使
用することができる。これらの材料は、1種または2種
以上を組み合わせて使用することができ、厚みは任意で
あるが、通常、5〜300μm、好ましくは10〜10
0μm程度である。
【0057】さらに、包装用容器の用途に本発明の積層
材が使用される場合、通常、包装用容器は物理的にも化
学的にも過酷な条件におかれることから、積層材にも厳
しい包装適性が要求される。具体的には、変形防止強
度、落下衝撃強度、耐ピンホール性、耐熱性、密封性、
品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が
要求され、このため、本発明の積層材には、上記のよう
な諸条件を充足する材料を任意に選択して、基材フィル
ム1、上記の基材、あるいは、他の構成部材として使用
することができる。具体的には、低密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ
一樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペ
ンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系
樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系
樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹
脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコー
ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、
フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロース等の公知の樹脂
のフィルムまたはシートから任意に選択して使用するこ
とができる。その他、例えば、セロハン等のフィルム、
合成紙等も使用することができる。
【0058】上記のフィルムまたはシートは、未延伸、
一軸あるいは二軸方向に延伸されたもの等のいずれも使
用することができる。また、その厚さは、任意である
が、数μmから300μm程度の範囲から選択して使用
することができ、積層位置は特に制限はない。また、本
発明において、上記のフィルムやシートは、押し出し成
膜、インフレーション成膜、コーティング膜等のいずれ
の性状の膜でもよい。
【0059】上述の積層材51のような本発明の積層材
は、通常の包装材料をラミネートする方法、例えば、ウ
エットラミネーション法、ドライラミネーション法、無
溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーショ
ン法、Tダイ押し出し成形法、共押し出しラミネーショ
ン法、インフレーション法、共押し出しインフレーショ
ン法等を用いて製造することができる。
【0060】尚、上記の積層を行う際に、必要ならば、
例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルム
に施すことができ、また、例えば、イソシアネート系
(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエ
ン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、ある
いはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル
系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系等の
ラミネート用接着剤等の公知の接着剤等を使用すること
ができる。
【0061】また、本発明の積層材は、構成するいずれ
かの層間に所望の印刷模様層を備えるものであってもよ
い。この印刷模様層は、通常のインキビヒクルの1種ま
たは2種以上を主成分とし、これに、必要に応じて可塑
剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬
化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤等の添加剤の
1種または2種以上を任意に添加し、さらに、染料・顔
料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練し
てインキ組成物を調製し、次いで、このインキ組成物を
使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版
印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等の印
刷方式を使用し、文字、図形、記号、模様等からなる所
望の印刷模様を印刷して、形成することができる。
【0062】次に、本発明の積層材を用いて熱融着によ
り製袋または製函して製造する包装用容器について説明
する。例えば、包装用容器が軟包装袋の場合、本発明の
積層材のヒートシール性樹脂層の面を対向させて折り重
ねるか、あるいは、本発明の積層材二枚を重ね合わせ、
その周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール
型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、
合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール
型、平底シール型、角底シール型、その他等のヒートシ
ール形態により熱融着してシール部を形成するこによ
り、種々の形態の包装用容器を製造することができる。
【0063】上記において、熱融着は、例えば、バーシ
ール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシ
ール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行
うことができる。その他の包装用容器として、例えば、
自立性包装袋(スタンデイングパウチ)等も可能であ
り、さらに、本発明の積層材を使用してチューブ容器等
も製造することができる。
【0064】尚、本発明においては、上記のような包装
用容器に、例えば、ワンピースタイプ、ツウーピースタ
イプ、その他の注出ロ、あるいは開閉用ジッパー等を任
意に取り付けることができる。また、包装用容器が紙基
材を含む液体充填用紙容器の場合、本発明の積層材とし
て、紙基材を積層した積層材を製造し、この積層材から
所望の容器を製造するためのブランク板を作製し、この
ブランク板を使用して胴部、底部、頭部等を形成するこ
とにより、例えば、ブリックタイプ、フラットタイプあ
るいはゲーベルトップタイプの液体充填用紙容器等を製
造することができる。また、その形状は、角形容器、丸
形等の円筒状の缶等、いずれの形状でも製造することが
できる。
【0065】本発明の積層材を用いて製造した包装用容
器は、種々の飲食品、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧
品、医薬品、ケミカルカイロ等の雑貨品、その他等の種
々の物品に使用されるものである。
【0066】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。 [実施例1]基材フィルムとして二軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラーS−1
0、厚み12μm)を準備した。この基材フィルムを、
図3に示されるような、真空チャンバー内部に蒸着重合
装置を備えた巻き取り式真空蒸着装置に、送り出しロー
ル、コーティングドラム、巻き取りロールからなる搬送
経路を形成するように装着した。そして、コーティング
ドラム上を搬送される基材フィルム面に下記条件で酸化
アルミニウムの蒸着薄膜(厚み250nm)を成膜して
バリア層とした。このバリア層を構成する酸化アルミニ
ウム(AlOx)の酸素量をX線光電子分光(XPS)
法により測定した結果、酸素量X=1.6であった。
【0067】(蒸着条件) ・蒸着源 : アルミニウム ・真空チャンバー内の真空度 : 2×10-2Pa ・電子ビーム出力 : 20kW ・基材フィルム搬送速度 : 200m/分
【0068】次いで、バリア層を形成した基材フィルム
をコーティングドラムの下流側に隣接する蒸着重合装置
内に搬送し、バリア層上に下記の条件で有機蒸着膜(厚
み15nm)を形成した。この有機蒸着膜の形成では、
蒸着源として、ピロメリット酸二無水物1モルに4,
4′−ジアミノジフェニルエーテルを下記の表1に示さ
れるモル数添加したものを用いて、6種の有機蒸着膜を
形成し、バリアフィルム(試料1〜6)を作製した。
【0069】(蒸着重合条件) ・蒸発源 : ピロメリット酸二無水物と4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテルの混合物 ・加熱温度 : ピロメリット酸二無水物=200℃ 4,4′−ジアミノジフェニルエーテルの混合物=90
【0070】このように作製したバリアフィルムの有機
蒸着膜上に、グラビア印刷インキ組成物を使用し、グラ
ビア印刷方式により所望の印刷模様を形成し、乾燥後、
粘着テープ(ニチバン(株)製セロハンテープ(15m
m幅))を印刷模様面に貼り付け、90°方向に剥離し
た時の粘着テープへの印刷模様の付着を観察し、下記の
基準でインキ密着性を判定して、結果を下記の表1に示
した。
【0071】(インキ密着性の評価基準) ○:印刷模様の付着が見られず良好 ×:印刷模様の付着がわずかにみられる ××:印刷模様の大部分が粘着テープに付着する
【0072】また、上記の印刷を行った後のバリアフィ
ルムについて、下記の測定方法により酸素透過率および
水蒸気透過率を測定し、結果を下記の表1に示した。 (酸素透過率の測定方法)酸素ガス透過率測定装置(モ
ダンコントロール社製 MOCON OX-TRAN 2/20)を用い
て、温度23℃、湿度90%RHで測定した。 (水蒸気透過率の測定方法)水蒸気透過率測定装置(モ
ダンコントロール社製 MOCON PERMATRAN-W3/31)を用い
て、温度38℃、湿度100%RHで測定した。
【0073】また、有機蒸着膜の成分を赤外分光分析
(IR)装置を用いて測定し、有機蒸着膜における酸無
水物(ピロメリット酸二無水物)の含有量を算出して下
記の表1に示した。
【0074】さらに、上記のバリアフィルムの印刷模様
面を含む有機蒸着膜上に、2液硬化型のポリウレタン系
ラミネート用接着剤をグラビアロールコート法により塗
布(塗布量4.0g/m2(乾燥状態))して接着剤層
を形成した。その後、上記の接着剤層上に、厚さ60μ
mの無延伸ポリプロピレンフィルムを、そのコロナ処理
面を対向させて重ね合わせ、両者をドライラミネート積
層して、積層材を製造した。この積層材のラミネート強
度を下記の測定方法により測定し、結果を下記表1に示
した。 (ラミネート強度の測定方法)積層材を15mm幅の短
冊状に切断し、テンシロン引っ張り試験器(東洋精機
(株)製)でT字剥離(剥離速度50mm/分)を行っ
て測定した。
【0075】次に、上記の積層材を2枚準備し、その無
延伸ポリプロピレンフィルム面を対向させて重ね合わ
せ、外周周辺の端部を三方ヒートシールしてシール部を
形成することによって、上方に開口部を有するような三
方シール型のプラスチック袋を製造した。このプラスチ
ック袋内に内容物としてハムを充填し、開口部をヒート
シールして充填包装製品とし、この充填包装製品を30
℃で7日間放置した後の内容物の品質を検査して、結果
を下記の表1に示した。
【0076】
【表1】
【0077】表1に示されるように、試料1〜3のバリ
アフィルムは、インキ密着性が良好で印刷加工適性に優
れ、また、酸素透過率、水蒸気透過率とも極めて低く、
優れたバリア性を有するものであった。さらに、試料1
〜3の積層材を用いた包装用容器の充填包装適性は良好
であり、放置後の内容物の品質は良好であった。これに
対して、試料4のバリアフィルムは、有機蒸着膜のイン
キ密着性が悪く、このバリアフィルムを用いた積層材で
はラミネート強度の低下がみられ、三方シール型のプラ
スチック袋は実用に供し得ないものであった。また、試
料5、試料6のバリアフィルムでは、有機蒸着膜のイン
キ密着性は良好であるが、水蒸気バリア性の低下がみら
れ、これらのバリアフィルムを用いた積層材では、プラ
スチック袋容器としたときの品質維持適性が悪いもので
あった。
【0078】[実施例2]実施例1と同様の基材フィル
ムを準備し、実施例1と同様の巻き取り式真空蒸着装置
を用い、実施例1と同様の条件でコーティングドラム上
を搬送される基材フィルム面に酸化アルミニウムの蒸着
薄膜を成膜してバリア層とした。
【0079】次いで、バリア層を形成した基材フィルム
をコーティングドラムの下流側に隣接する蒸着重合装置
内に搬送し、バリア層上に下記の条件で有機蒸着膜(厚
み15nm)を形成した。この有機蒸着膜の形成では、
蒸着源として、ピロメリット酸二無水物を使用した。 (蒸着重合条件) ・蒸発源 : ピロメリット酸二無水物 ・加熱温度 : 200℃
【0080】次に、上述のようにバリア層と有機蒸着膜
が形成された基材フィルムを、巻き取り式真空蒸着装置
から取り出し、温度40℃、湿度90%のチャンバーを
有する加水分解促進装置中を通過させて加水分解促進処
理を施した。この加水分解促進処理では、基材フィルム
の搬送速度を調整することによって、下記の表2に示さ
れるようにチャンバー内通過時間(加湿時間)を変化さ
せて、4種のバリアフィルム(試料A〜D)を作製し
た。
【0081】このように作製したバリアフィルムの有機
蒸着膜上に、実施例1と同様にして、印刷模様を形成
し、インキ密着性を判定して、結果を下記の表2に示し
た。また、上記の印刷を行った後のバリアフィルムにつ
いて、実施例1と同様にして、酸素透過率および水蒸気
透過率を測定し、結果を下記の表2に示した。さらに、
有機蒸着膜の成分を実施例1と同様に測定し、有機蒸着
膜における酸無水物(ピロメリット酸二無水物)の含有
量を算出して下記の表2に示した。
【0082】また、印刷を行ったバリアフィルムを用い
て、実施例1と同様にして、積層材を製造し、ラミネー
ト強度を実施例1と同様にして測定し、結果を下記表2
に示した。また、この積層材を用いて、三方シール型の
プラスチック袋を製造した。このプラスチック袋内に内
容物としてハムを充填し、開口部をヒートシールして充
填包装製品とし、充填包装製品を30℃で7日間放置し
た後の内容物の品質を検査して、結果を下記の表2に示
した。
【0083】
【表2】
【0084】表2に示されるように、試料A〜Cのバリ
アフィルムは、インキ密着性が良好で印刷加工適性に優
れ、また、酸素透過率、水蒸気透過率とも極めて低く、
優れたバリア性を有するものであった。さらに、試料A
〜Cの積層材を用いた包装用容器の充填包装適性は良好
であり、放置後の内容物の品質は良好であった。これに
対して、試料Dのバリアフィルムは、有機蒸着膜のイン
キ密着性が悪く、このバリアフィルムを用いた積層材で
はラミネート強度の低下がみられ、実用に供し得ないも
のであった。
【0085】[実施例3]実施例1と同様の基材フィル
ムを準備し、実施例1と同様の巻き取り式真空蒸着装置
を用い、実施例1と同様の条件でコーティングドラム上
を搬送される基材フィルム面に酸化アルミニウムの蒸着
薄膜を成膜してバリア層とした。
【0086】次いで、バリア層を形成した基材フィルム
をコーティングドラムの下流側に隣接する蒸着重合装置
内に搬送し、バリア層上に下記の条件で有機蒸着膜(厚
み10nm)を形成した。この有機蒸着膜の形成では、
蒸着源として、ポリエチレンを使用した。 (蒸着重合条件) ・蒸発源 : ポリエチレン(分子量1000) ・加熱温度 : 180℃
【0087】次に、上述のようにバリア層と有機蒸着膜
が形成された基材フィルムを、巻き取り式真空蒸着装置
から取り出し、下記組成のプライマー層用塗工液をグラ
ビアリバース法により塗布(塗布量0.4g/m2(乾
燥状態))し、乾燥(100℃)した。これにより、有
機蒸着膜上にプライマー層(厚み0.5μm)を形成し
て、バリアフィルムとした。 (プライマー層用塗工液の組成) ・ポリエステル(東洋紡績(株)製バイロン#500)… 50重量部 ・ポリエステル(東洋紡績(株)製バイロン#280)… 50重量部 ・メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) … 100重量部 ・イソシアネート硬化剤 … 1重量部 (ザ・インクテック(株)製XEL硬化剤D)
【0088】このように作製したバリアフィルムのプラ
イマー層上に、実施例1と同様にして、印刷模様を形成
し、インキ密着性を判定したところ、インキ密着性が良
好で印刷加工適性に優れるものであった。また、上記の
印刷を行った後のバリアフィルムについて、実施例1と
同様にして、酸素透過率および水蒸気透過率を測定した
ところ、酸素透過率が2.0cc/m2・day・at
m、水蒸気透過率が2.0cc/m2・dayであり、
優れたバリア性を有するものであった。
【0089】さらに、印刷を行ったバリアフィルムを用
いて、実施例1と同様にして、積層材を製造した。この
積層材のラミネート強度を実施例1と同様にして測定し
た結果、700g以上/15mm幅であり、良好なラミ
ネート強度を示した。また、この積層材を用いて、三方
シール型のプラスチック袋を製造した。このプラスチッ
ク袋内に内容物としてハムを充填し、開口部をヒートシ
ールして充填包装製品とし、充填包装製品を30℃で7
日間放置した後の内容物の品質を検査したところ、包装
用容器の充填包装適性は良好であり、放置後の内容物の
品質は良好であった。
【0090】これに対して、有機蒸着膜上にプライマー
層を形成しない他は、上記のバリアフィルムと同様にし
て作製した比較のバリアフィルムは、有機蒸着膜のイン
キ密着性が悪く、このバリアフィルムを用いた積層材で
は、実施例1と同様に測定したラミネート強度が150
g/15mm幅であり、実用に供し得ないものであっ
た。
【0091】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば無
機酸化物からなるバリア層が有機蒸着膜により保護され
傷やクラック発生等が防止されバリア性を維持するの
で、優れたバリア性を有するバリアフィルムが可能とな
り、かつ、有機蒸着膜あるいはプライマー層によって、
バリアフィルムと印刷インキの密着性が向上するので、
印刷加工性に優れたバリアフィルムが得られ、また、廃
棄時における環境上の問題やバリア性の湿度依存もな
い。このバリアフィルムを用いた積層材は、上記の各特
性に加えヒートシール性樹脂層による後加工適性を備え
るものであり、このような積層材は製袋または製函が容
易で、内容物の品質維持が可能で、充填包装適性に優れ
た容器等の作製が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバリアフィルムの一実施形態を示す概
略断面図である。
【図2】本発明のバリアフィルムの他の実施形態を示す
概略断面図である。
【図3】本発明のバリアフィルム製造方法に使用する巻
き取り式真空蒸着装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】本発明のバリアフィルム製造方法に使用する巻
き取り式真空蒸着装置の他の例を示す概略構成図であ
る。
【図5】本発明のバリアフィルムを用いた積層材の一実
施形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1,11…バリアフィルム 2,12…基材フィルム 3,13…バリア層 4,14…有機蒸着膜 21…巻き取り式真空蒸着装置 22…真空チャンバー 27…ガイドロール 41,41a,41b…蒸発重合装置 51…積層材 52…ヒートシール性樹脂層 M,m,m′…蒸発源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 14/24 C23C 14/24 N // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4F006 AA35 AB74 BA05 CA07 DA01 4F100 AA17B AA19B AH00C AH02C AK04C AK42A AR00D AT00A BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C BA10D EH66C EJ37A GB15 HB31 JD02 JD02B JL01 JL12D JM02C JN01 4K029 AA11 AA25 BA44 BA62 BB02 BC00 BD00 CA01 CA11 DB06 GA00 JA10 KA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムと、該基材フィルムの少な
    くとも一方の面に設けられた無機酸化物からなるバリア
    層と、該バリア層上に設けられた有機蒸着膜とを少なく
    とも有し、前記有機蒸着膜は酸無水物とその加水分解物
    との混合物からなる膜、および、酸無水物の加水分解物
    からなる膜のいずれかであることを特徴とするバリアフ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 基材フィルムと、該基材フィルムの少な
    くとも一方の面に設けられた無機酸化物からなるバリア
    層と、該バリア層上に設けられた有機蒸着膜と、該有機
    蒸着膜上に設けられたプライマー層を少なくとも有し、
    前記有機蒸着膜はポリエチレン膜および酸無水物膜のい
    ずれかであることを特徴とするバリアフィルム。
  3. 【請求項3】 前記バリア層は、AlOx(Xは1.0
    〜1.8の範囲)で表される酸化アルミニウムの薄膜で
    あり、表面から基材フィルムに向かう深さ方向で前記X
    の値が減少、または、増加することを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載のバリアフィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    のバリアフィルムの少なくとも一方の面にヒートシール
    性樹脂層を設けたことを特徴とする積層材。
  5. 【請求項5】 基材フィルム上の少なくとも一方の面に
    物理気相成長法により真空チャンバー内で無機酸化物薄
    膜を形成してバリア層とし、次いで、該バリア層が真空
    チャンバー内のガイド部材に接触する前に、蒸着源とし
    て酸無水物と該酸無水物1モルに対して0.001〜
    0.5モルの範囲の触媒とを用いて蒸着法により前記バ
    リア層上に有機蒸着膜を形成することを特徴とするバリ
    アフィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記有機蒸着膜を形成した後、酸無水物
    の加水分解促進工程を有することを特徴とする請求項5
    に記載のバリアフィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 基材フィルム上の少なくとも一方の面に
    物理気相成長法により真空チャンバー内で無機酸化物薄
    膜を形成してバリア層とし、次いで、該バリア層が真空
    チャンバー内のガイド部材に接触する前に、蒸着源とし
    て酸無水物を用いて蒸着法により前記バリア層上に有機
    蒸着膜を形成し、その後、酸無水物の加水分解促進処理
    を行うことを特徴とするバリアフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 基材フィルム上の少なくとも一方の面に
    物理気相成長法により真空チャンバー内で無機酸化物薄
    膜を形成してバリア層とし、次いで、該バリア層が真空
    チャンバー内のガイド部材に接触する前に、蒸着源とし
    てポリエチレン、および、酸無水物のいずれかを用いて
    蒸着法により前記バリア層上に有機蒸着膜を形成し、そ
    の後、プライマー層を形成することを特徴とするバリア
    フィルムの製造方法。
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