JP2000015737A - 透明バリアフィルムとこれを用いた積層材および包装用容器 - Google Patents
透明バリアフィルムとこれを用いた積層材および包装用容器Info
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Abstract
にも優れた透明バリアフィルムと、さらに後加工適性を
有する積層材と、内容物の充填包装適性の良好な包装用
容器を提供する。 【解決手段】 基材フィルムフィルムの少なくとも一方
の面に、ホローカソード型イオンプレーティングにより
成膜した無機窒化物薄膜または無機窒化酸化物薄膜を配
してバリア層とすることにより、透明バリアフィルムを
構成する。
Description
とこれを用いた積層材および包装用容器に係り、特に優
れたバリアー性、透明性および耐衝撃性を備える透明バ
リアフィルムと、優れた保存適性および後加工適性を有
する積層材、包装用容器に関する。
するバリア性を備え、食品や医薬品等の良好な保存適性
を有する包装用材料として、種々のものが開発され提案
されているが、近年それらとして、可撓性プラスチック
基材の上にポリ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコ
ール共重合体のコーテンィグ層を設けた構成からなる透
明バリアフィルムや、可撓性プラスチック基材の上に酸
化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設
けた構成からなる透明バリアフィルム、また、それらを
使用した包装用積層材および包装用容器等が提案されて
いる。
を使用した包装用積層材等と比較して透明性に優れ、同
時に水蒸気、酸素ガス等に対し高いバリア性と保香性等
を有し、レトルト処理される食品等の包装に適している
他、その需要が大いに期待されているものである。
透明バリアフィルム、それを使用した包装用積層材等の
うち、ポリ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール
共重合体のコーティング層を設けた透明バリアフィルム
においては、酸素、水蒸気に対するバリア性が十分でな
く、特に高温での殺菌処理においてバリア性の著しい低
下が生じるという問題がある。さらに、ポリ塩化ビニリ
デンのコーティング層を設けた透明バリアフィルムは、
焼却時に有毒なダイオキシンを発生し、環境への悪影響
が懸念されている。
機酸化物の蒸着膜からなるバリア層は、十分なガスバリ
ア性を得るために、化学気相蒸着(CVD)法、電子線
蒸着法、スパッタリング法等により多層成膜を行う必要
があり、このため生産コストが高いという問題点があ
る。
たものであり、優れた透明性と高いバリア性を有し、耐
久性にも優れた透明バリアフィルムと、さらに後加工適
性を有する積層材と、内容物の充填包装適性が良好な包
装用容器を提供することを目的とする。
るために、本発明の透明バリアフィルムは、基材フィル
ムと、該基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられ
たバリア層とを少なくとも有し、前記バリア層はホロー
カソード型イオンプレーティングにより成膜した無機窒
化物薄膜および無機窒化酸化物薄膜のいずれかであるよ
うな構成とした。
記バリア層が被窒化無機元素としてSi,P,Ge,G
a,B,Cからなる群の中の1種または2種以上の元素
を含有するような構成とした。
記バリア層が被窒化無機元素として更にZr,Ti,T
a,Na,Mo,Al,Au,Sc,Sn,V,Co,
Ni,Fe,Cr,Mnからなる群の中の1種または2
種以上の元素を含有するような構成とした。
前記基材フィルムがポリオレフィン、ポリエステル、ポ
リアルキレンテレフタレート、ポリアミド、スチレン系
ポリマー、セルロース系ポリマー等の1種または2種以
上の組み合わせからなる樹脂フィルムであるような構成
とした。
ルムの少なくとも一方の面にヒートシール性樹脂層を設
けたような構成とした。
アフィルムのバリア層上にヒートシール性樹脂層を設け
たような構成、バリア層が形成されていない基材フィル
ム上に基材を積層して備えるような構成とし、さらに、
基材上にヒートシール性樹脂層を備えるような構成とし
た。
トシール性樹脂層との間にアンカーコート剤層および/
または接着剤層を有するような構成とした。
い、ヒートシール性樹脂層を熱融着して製袋または製函
したような構成とした。
たは無機窒化酸化物薄膜からなるバリア層が優れた透明
性を備えるとともに緻密であり、基材フィルムに対して
極めて高い密着性を示し、透明バリアフィルムに極めて
高い透明性とバリアー性および耐衝撃性を付与し、この
透明バリアフィルムを用いた積層材は、上記の各特性に
加えヒートシール性樹脂層による後加工適性が付与さ
れ、この積層材を製袋または製函した包装用容器は優れ
た内容物の充填包装適性が備えられている。
図面を参照しながら説明する。透明バリアフィルム 図1は本発明の透明バリアフィルムの一実施形態を示す
概略断面図である。図1において透明バリアフィルム1
は基材フィルム2と、この基材フィルム2の一方の面に
形成されたバリア層3とからなる。尚、本発明の透明バ
リアフィルムは、基材フィルム2の両面にバリア層3を
備えるものでもよい。 (基材フィルム)本発明の透明バリアフィルム1を構成
する基材フィルム2は、バリア層3を保持し得る透明な
フィルムであれば特に制限はなく、透明バリアフィルム
の使用目的等から適宜選択することができる。具体的に
は、基材フィルム2として、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ−4−メチ
ルペンテン−1等のポリオレフィン;ポリエチレンテレ
フタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリ
アルキレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン1
1、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド;ポ
リ塩化ビニル;スチレン系ポリマー;ポリビニルアルコ
ール;ポリカーボネート;ポリアクリルニトリル;セル
ロース系ポリマー等の1種または2種以上の組み合わせ
からなる樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ま
しい基材フィルムとしては、透明性、機械的強度および
包装適性に優れるオレフィン系ポリマー(特にポリプロ
ピレン系ポリマー)、ポリエステル(特にポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリア
ミド(特にナイロン6)等からなる基材フィルムを挙げ
ることができる。
性を損なわない範囲で適当に選択でき、内容物の視認性
と美観のためには、白色光線での550nm透過率が4
0%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70
%以上である基材フィルムを用いることが好ましい。ま
た、基材フィルムは単層であってもよく、また、2層状
の積層体であってもよい。基材フィルムの厚みは使用目
的に応じて適宜設定でき、例えば、3〜100μm、好
ましくは5〜50μm程度である。
公知の成形方法を用いることができ、基材フィルムは未
延伸であってもよく、また、一軸延伸あるいは二軸延伸
してもよいが、機械的強度に優れる二軸延伸フィルムが
より好ましい。 (バリア層)本発明の透明バリアフィルム1を構成する
バリア層3は、ホローカソード型イオンプレーティング
により成膜した無機窒化物または無機窒化酸化物からな
る薄膜であり、機械的外力の作用時や高温等における耐
久性を保持しつつ、高い透明性を有するとともに、厚み
が薄くても優れたガスバリア性、耐久性(耐摩耗性、耐
熱衝撃性、耐蝕性等)を有する。
物からなる薄膜を構成する無機元素(被窒化無機元素)
は、透明な薄膜を形成できる元素であれば特に制限はな
く、例えば、Si,P,Ge,Ga,B,Cからなる群
の中の1種または2種以上を用いることができる。具体
的な透明薄膜の例としては、Si,C等の窒化物(カー
ボンシリサイドの窒化物等)であり、Siの窒化物であ
るSiNx (x=1〜2)が特に好ましく、また、P,
Si等の酸化物を適度に窒化したセラミックス(Siの
酸化物であるSiOx を窒化したSiOx Ny やPの窒
化酸化物であるPON等)を挙げることができる。この
ような無機元素の窒化物および窒化酸化物は、いずれも
透明性が良好で、かつ、緻密であり、基材フィルム2に
極めて高い密着性を示す。このため、機械的外力が作用
しても亀裂や欠陥が生ぜず、優れたガスバリア性、耐久
性を長時間に亘り維持できる。
更にZr,Ti,Ta,Na,Mo,Al,Au,S
c,Sn,V,Co,Ni,Fe,Cr,Mnからなる
群の中の1種または2種以上の元素を含有するものであ
ってよい。上記のような元素を含有することにより、バ
リア層3のガスバリア性が更に向上する。
無機窒化物または無機窒化酸化物からなる薄膜の厚み
は、使用する基材フィルム2の種類等によっても異なる
が、例えば、100〜5000Å程度、好ましくは、3
00〜1500Å程度の範囲内で任意に選択して設定す
ることができる。
窒化物薄膜または無機窒化酸化物薄膜からなるバリア層
3に、後加工適性を向上させる目的で、コロナ処理、プ
ラズマ処理、シランカップリング処理等の表面処理を施
しても構わない。
形成方法について説明する。本発明では、上述のように
反応性成膜法であるホローカソード型イオンプレーティ
ングにより成膜される。図2は巻取り式のホローカソー
ド(HCD)型のイオンプレーティング装置の一例を示
す概略的構成図である。図2において、HCD型イオン
プレーティング装置101は、排気口102aと反応ガ
ス供給口102bを設けた真空チャンバー102、この
チャンバー102内に配設された供給ロール103a、
巻取りロール103b、コーティングドラム104、仕
切り板105と、コーティングドラム104の下方に配
設された坩堝(陽極)106、真空チャンバー2の所定
位置(図示例では真空チャンバー左側壁)に配設された
プラズマガン107、陰極108、中間電極109およ
び補助コイル110を備えている。また、陽極106の
下部には永久磁石111が配設されている。
装置101を用いた無機窒化物薄膜または無機窒化酸化
物薄膜の形成は以下のように行われる。まず、坩堝10
6に蒸発源115を配置し、真空チャンバー102内部
の圧力を10-6〜10-3Torr程度にする。この状態
で、アルゴン(Ar)等のプラズマ用ガスをプラズマガ
ン107に導入する。そして、プラズマガン107で発
生したプラズマビーム120は、補助コイル110によ
り形成される磁界によって真空チャンバー102内に引
き出され、坩堝106下方の永久磁石111が作る磁界
によって蒸発源115に収束し、この蒸発源115を加
熱する。その結果、加熱された部分の蒸発源115は蒸
発し、蒸発分子は坩堝106の近傍に存在する高密度の
プラズマ120によりイオン化され、コーティングドラ
ム104上を移動する基材フィルム2に衝突して無機窒
化物または無機窒化酸化物からなる薄膜が形成される。
このように薄膜を形成した基材フィルム2を巻取りロー
ル103bに巻き取ることによって、バリア層を有する
透明バリアフィルムを製造することができる。
無機窒化酸化物からなる薄膜は、基材フィルムに対する
密着性が優れ、剥離防止のためのアンカー層の形成は不
要である。積層材 次に、本発明の積層材について、上述の本発明の透明バ
リアフィルム1を用いた例を挙げて説明する。
概略断面図である。図3において積層材11は、基材フ
ィルム2の一方の面にバリア層3を備えた透明バリアフ
ィルム1と、この透明バリアフィルム1のバリア層3上
にアンカーコート剤層および/または接着剤層12を介
して形成したヒートシール性樹脂層13とを備えてい
る。
12は、例えば、アルキルチタネート等の有機チタン系
アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート
剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ポリブタ
ジエン系アンカーコート剤等を使用して形成することが
できる。アンカーコート剤層12の形成は、上記のよう
なアンカーコート剤を、例えば、ロールコート、グラビ
アコート、ナイフコート、ディップコート、スプレイコ
ート等の公知のコーティング法でコーティングし、溶
剤、希釈剤等を乾燥除去して行うことができる。上記の
アンカーコート剤の塗布量としては、0.1〜5g/m
2 (乾燥状態)程度が好ましい。
は、例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリア
ミド系、エポキシ系、ポリ(メタ)アクリル系、ポリ酢
酸ビニル系、ポリオレフィン系、カゼイン、ワックス、
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリブタジエ
ン系等のビヒクルを主成分とする溶剤型、水性型、無溶
剤型、あるいは、熱溶融型等の各種のラミネ- ト用接着
剤を使用して形成することができる。接着剤層12の形
成は、上記のようなラミネート用接着剤を、例えば、ロ
ールコート、グラビアコート、ナイフコート、デッブコ
ート、スプレイコート、その他のコーティング法でコー
ティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥除去して行うことが
できる。上記のラミネート用接着剤の塗布量としては
0.1〜5g/m2 (乾燥状態)程度が好ましい。
層13に用いるヒートシール性樹脂としては、熱によっ
て溶融し相互に融着し得る樹脂を挙げることができる。
具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレンーメタ
クリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポ
リエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系
樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン
酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル系樹脂、ポリ( メタ) アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂等を使用することができる。ヒートシール性樹
脂層13は、上述のようなヒートシール性樹脂を塗布し
て形成してもよく、また、上述のようなヒートシール性
樹脂からなるフィルムないしシートをラミネートして形
成してもよい。このようなヒートシール性樹脂層13の
厚みは、5〜300μm、好ましくは10〜100μm
の範囲内で設定することができる。
示す概略断面図である。図4において積層材21は、基
材フィルム2の一方の面にバリア層3を備えた透明バリ
アフィルム1と、この透明バリアフィルム1のバリア層
3上にアンカーコート剤層および/または接着剤層22
を介して形成したヒートシール性樹脂層23と、透明バ
リアフィルム1の基材フィルム2の他方の面(バリア層
非形成面)に設けられた基材24とを備えている。
層、接着剤層22およびヒートシール性樹脂層23は、
上述の積層材11を構成するアンカーコート剤層、接着
剤層12およびヒートシール性樹脂層13と同様とする
ことができ、ここでの説明は省略する。
例えば、積層材21が包装用容器を構成する場合、基材
24が基本素材となることから、機械的、物理的、化学
的、その他等において優れた性質を有し、特に、強度を
有して強靭であり、かつ耐熱性を有する樹脂のフィルム
ないしシートを使用することができる。具体的には、ポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ
素系樹脂等の強籾な樹脂の延伸(一軸ないし二軸)また
は未延伸のフィルムないしシートを挙げることができ
る。この基材24の厚みは、5〜100μm、好ましく
は10〜50μm程度が望ましい。
えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵
柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷が施
されていてもよい。このような文字等は、積層材21を
構成する透明バリアフィルム1が優れた透明性を有する
ので、この透明バリアフィルム1を介して極めて良好に
視認することができる。
えば、紙層を構成する各種の紙基材を使用することがで
きる。具体的には、賦形性、耐屈曲性、剛性等をもたせ
た紙基材であり、例えば、強サイズ性の晒または未晒の
紙基材、あるいは純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加
工紙等の紙基材を使用することができる。このような紙
基材としては、坪量約80〜600g/m2 程度のも
の、好ましくは、坪量約100〜450g/m2 程度の
ものを使用することが望ましい。
の樹脂のフィルムないしシートと上述の紙基材とを併用
して使用することもできる。
示す概略断面図である。図5において積層材31は、基
材フィルム2の一方の面にバリア層3を備えた透明バリ
アフィルム1と、この透明バリアフィルム1のバリア層
3上にアンカーコート剤層および/または接着剤層32
を介して形成したヒートシール性樹脂層33と、透明バ
リアフィルム1の基材フィルム2の他方の面(バリア層
非形成面)に設けられた基材34と、この基材34上に
形成したヒートシール性樹脂層35とを備えている。
層、接着剤層32およびヒートシール性樹脂層33,3
5は、上述の積層材11を構成するアンカーコート剤
層、接着剤層12およびヒートシール性樹脂層13と同
様とすることができ、また、積層材31を構成する基材
34は、上述の積層材21を構成する基材24と同様と
することができるので、ここでの説明は省略する。
ば、水蒸気、水等のバリア性を有する低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシート、ある
いは、酸素、水蒸気等に対するバリア性を有するポリ塩
化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物等の樹脂のフィルムないしシー
ト、樹脂に顔料等の着色剤、その他、所望の添加剤を加
えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の
着色樹脂のフィルムないしシート等を使用することがで
きる。
み合わせて使用することができ、厚みは任意であるが、
通常、5〜300μm、好ましくは10〜100μm程
度である。
材が使用される場合、通常、包装用容器は物理的にも化
学的にも過酷な条件におかれることから、積層材にも厳
しい包装適性が要求される。具体的には、変形防止強
度、落下衝撃強度、耐ピンホール性、耐熱性、密封性、
品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が
要求され、このため、本発明の積層材には、上記のよう
な諸条件を充足する材料を任意に選択して、基材フィル
ム1、基材24,34、あるいは、他の構成部材として
使用することができる。具体的には、低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオ
ノマ一樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エ
チレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチ
ルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン
系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ
(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン
共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリ
アセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ
ース等の公知の樹脂のフィルムないしシートから任意に
選択して使用することができる。その他、例えば、セロ
ハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれも使用
することができる。また、その厚さは、任意であるが、
数μmから300μm程度の範囲から選択して使用する
ことができ、積層位置は特に制限はない。また、本発明
においては、フィルムないしシートは、押し出し成膜、
インフレーション成膜、コーティング膜等のいずれの性
状の膜でもよい。
発明の積層材は、通常の包装材料をラミネートする方
法、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネ
ーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出
しラミネーション法、Tダイ押し出し成形法、共押し出
しラミネーション法、インフレーション法、共押し出し
インフレーション法等を用いて製造することができる。
例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルム
に施すことができ、また、例えば、イソシアネート系
(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエ
ン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、ある
いはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル
系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系等の
ラミネート用接着剤等の公知の接着剤等を使用すること
ができる。包装用容器 次に、本発明の包装用容器について説明する。
用いて熱融着により製袋または製函したものである。
合、本発明の積層材のヒートシール性樹脂層の面を対向
させて折り重ねるか、あるいは、本発明の積層材二枚を
重ね合わせ、その周辺端部を、例えば、側面シール型、
二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼り
シール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ
付シール型、平底シール型、角底シール型、その他等の
ヒートシール形態により熱融着してシール部を形成する
こにより、本発明にかかる種々の形態の包装用容器を製
造することができる。
ール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシ
ール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行
うことができる。
の一実施形態を示す斜視図である。図6において包装用
容器51は、1組の本発明の積層材11を、そのヒート
シール性樹脂層13が対向するように重ね合わせ、この
状態で周辺部の三方において熱融着を行ってシール部5
2を形成したものである。この包装用容器は51は、周
辺部の残りの一方に形成された開口部53から内容物を
充填することができる。そして、内容物を充填した後
に、上記開口部53を熱融着してシール部を形成するこ
とにより、内容物を充填包装した包装用容器とすること
ができる。
ば、自立性包装袋(スタンデイングパウチ)等も可能で
あり、さらに、本発明の積層材を使用してチューブ容器
等も製造することができる。
用容器に、例えば、ワンピースタイプ、ツウーピースタ
イプ、その他の注出ロ、あるいは開閉用ジッパー等を任
意に取り付けることができる。
液体充填用紙容器の場合、紙基材を積層した本発明の積
層材を使用して、所望の紙容器を製造するためのブラン
ク板を作製し、このブランク板を使用して胴部、底部、
頭部等を形成することにより、例えば、ブリックタイ
プ、フラットタイプあるいはゲーベルトップタイプの液
体用紙容器等を製造することができる。また、その形状
は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等のいずれのもの
でも製造することができる。
液体充填用紙容器の一実施形態を示す斜視図であり、図
8は、図7に示される包容用容器に用いるブランク板の
平面図である。ブランク板70は、例えば、図5に示さ
れる本発明の積層材31を使用し、容器形成における折
り曲げ加工用の押圧線m,m・・・と、容器61の胴部
62を構成する胴部パネル71,72,73,74と、
容器61の頂部63を構成する頂部パネル71a,72
a,73a,74aと、容器61の底部64を構成する
底部パネル71b,72b,73b,74bと、筒体形
成用の熱融着用パネル75とを備えるように打ち抜き加
工して作製されたものである。このブランク板70を押
圧線m,m・・・で折り曲げ、胴部パネル71の端部内
側と熱融着用パネル75の外側とを熱融着して筒体を形
成し、その後、底部パネル71b,72b,73b,7
4bを押圧線m,m・・・で折り曲げ熱融着し、頂部の
開口から液体を充填した後に、頂部パネル71a,72
a,73a,74aを押圧線m,m・・・で折り曲げ熱
融着することにより、液体を充填包装した包装用容器6
1とすることができる。
着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品、ケミカルカ
イロ等の雑貨品、その他等の種々の物品の充填包装に使
用されるものである。
明する。 (実施例1)基材フィルムとしてロール状の二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミ
ラーS−10、厚み12μm、幅600mm、長さ50
00m)を準備し、これを図2に示されるような巻取り
式のホローカソード型イオンプレーティング装置のチャ
ンバー内に装着した。そして、下記の成膜条件で反応性
成膜法により基材フィルム上にSiNx (x=4/3)
からなるバリア層(厚み700Å)を成膜した。坩堝内
面には絶縁性、耐熱性のセラミックス容器を設置し、こ
の中に蒸発源(純度98%のSiインゴット又は粒径2
〜5mmのSi粒子)を封入した。また、窒化珪素薄膜
の膜厚は、蛍光X線分析装置(理学電気(株)製RIX
−3100)を用いて測定した。これにより、本発明の
透明バリアフィルム(試料1)を得た。
ccm ・成膜レート : 20Å/秒 ・基材走行速度: 0.7m/分 ・成膜真空度 : 6×10-4Torr ・基材加熱 : なし (実施例2)蒸発源として純度99.9%のSiOx
(x≒2)インゴット又は粒径2〜5mmのSiOx 粒
子を使用し、成膜条件は下記のように設定した他は、実
施例1と同様にして、基材フィルム上にSiOx Ny
(x=1.5、y=0.3)のバリア層(厚み700
Å)を成膜した。これにより、本発明の透明バリアフィ
ルム(試料2)を得た。
ccm ・成膜レート : 20Å/秒 ・基材走行速度: 0.7m/分 ・成膜真空度 : 6×10-4Torr ・基材加熱 : なし (比較例1)基材フィルムとしてロール状の二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミ
ラーS−10、厚み12μm、幅600mm、長さ50
00m)を準備し、これを巻き取り式の化学気相蒸着装
置のチャンバー内に装着した。次に、化学気相蒸着装置
のチャンバー内を、油回転ポンプおよび油拡散ポンプに
より、到達真空度1×10-7Torrまで減圧した。
東洋酸素(株)製、純度99.99%)、および、窒素
ガス(大陽東洋酸素(株)製、純度99.99%)を準
備した。
ティングドラムと対向するように1枚の電極板を配置
し、この電極板とコーティングドラムとの間に13.5
6MHzの高周波電圧を印加した(投入電力0.25k
W)。そして、チャンバー内の電極板近傍にガス導入口
を設け、シランガスを流量20sccmで、窒素ガスを
流量500sccmで、アンモニアガスを流量60sc
cmで導入し、真空ポンプとチャンバーとの間にあるバ
ルブの開閉度を制御することにより、成膜時のチャンバ
ー内の圧力を5×10-1Torrに保って、コーティン
グドラム上を走行する基材フィルム上にSiNx (x=
4/3)のバリア層(厚み700Å)を成膜した。尚、
成膜レートは20Å/秒とし、基材フィルムは非加熱と
した。また、基材フィルムの走行速度は0.5m/分と
した。これにより、透明バリアフィルム(比較試料1)
を得た。 (比較例2)投入電力を0.2kWとし、圧力を3×1
0-1Torrとし、成膜レートを2Å/秒とした他は、
比較例1と同様にしてコーティングドラム上を走行する
基材フィルム上にSiNx (x=4/3)のバリア層
(厚み700Å)を成膜した。これにより、透明バリア
フィルム(比較試料2)を得た。(評価)上記のように
して作製した各透明バリアフィルムについて、下記の条
件で酸素透過率、水蒸気透過率、および後加工適性・充
填包装適性を測定、評価して、結果を下記の表1に示し
た。
TRAN2/20)を用いて、温度23℃、湿度50%
RHで測定した。
/m2 ・day・atm以下]水蒸気透過率 水蒸気透過率測定装置(モダンコントロール社製PER
MATRAN−W3/31)を用いて、温度38℃、湿
度100%RHで測定した。
/m2 ・day・atm以下]後加工適性・充填包装適性 2液硬化型ポリウレタン系樹脂の7%溶液からなる接着
剤を使用し、作製した各透明バリアフィルムのバリア層
上に接着剤層(厚み1μm)を形成した。次いで、この
プライマー層上に、低密度ポリエチレンを押し出しコー
トして、厚み60μmのヒートシール性樹脂層を形成
し、図3に示されるような層構成の積層材を作製した。
次に、各積層材を使用し、製袋機により製袋して図6に
示されるような3方シール型のプラスチック袋を製造
し、このプラスチック袋に醤油を充填した後、開口部を
熱融着して充填包装製品を製造した。この一連の加工に
おける適性を下記基準で評価して、後加工適性・充填包
装適性とした。
物に全く変質がなく鮮度を保持していた。
環境下で数日経過後の内容物に著しい変質が生じた。
料1、2)は、いずれも優れたバリア性と後加工適性、
充填包装適性を有し、透明性にも優れることが確認され
た。
も不十分なものであった。また、比較試料2は、本発明
の透明バリアフィルムと同レベルのバリア性、透明性、
および、後加工適性、充填包装適性を備えるものの、成
膜レートが著しく遅く、実用性がないものであった。
ローカソード型イオンプレーティングにより成膜した無
機窒化物薄膜または無機窒化酸化物薄膜からなるバリア
層は、優れた透明性をもつとともに、緻密であり高いバ
リア性および耐久性をもつので、このようなバリア層を
備えた透明バリアフィルムは、透明性に優れ、曲げなど
によるクラックの発生がなく高いバリア性を安定して維
持することができ、また、バリア層自体も剥離しにくく
高付着性をもつので、上記の性能を安定して維持するこ
とができ、さらに、廃棄時における環境上の問題やバリ
ア性の湿度依存もない。この透明バリアフィルムを用い
た積層材は、上記の各特性に加えヒートシール性樹脂層
による後加工適性を備えるものであり、このような積層
材を製袋または製函した包装用容器は、内容物の充填包
装適性に優れる。
す概略断面図である。
ホローカソード型イオンプレーティング装置の一例を示
す概略構成図である。
一実施形態を示す概略断面図である。
他の実施形態を示す概略断面図である。
他の実施形態を示す概略断面図である。
器の一実施形態を示す概略断面図である。
器の他の実施形態を示す概略断面図である。
ランク板の平面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 基材フィルムと、該基材フィルムの少な
くとも一方の面に設けられたバリア層とを少なくとも有
し、前記バリア層はホローカソード型イオンプレーティ
ングにより成膜した無機窒化物薄膜および無機窒化酸化
物薄膜のいずれかであることを特徴とする透明バリアフ
ィルム。 - 【請求項2】 前記バリア層は、被窒化無機元素として
Si,P,Ge,Ga,B,Cからなる群の中の1種ま
たは2種以上の元素を含有することを特徴とする請求項
1に記載の透明バリアフィルム。 - 【請求項3】 前記バリア層は、被窒化無機元素として
更にZr,Ti,Ta,Na,Mo,Al,Au,S
c,Sn,V,Co,Ni,Fe,Cr,Mnからなる
群の中の1種または2種以上の元素を含有することを特
徴とする請求項2に記載の透明バリアフィルム。 - 【請求項4】 前記基材フィルムは、ポリオレフィン、
ポリエステル、ポリアルキレンテレフタレート、ポリア
ミド、スチレン系ポリマー、セルロース系ポリマー等の
1種または2種以上の組み合わせからなる樹脂フィルム
であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
かに記載の透明バリアフィルム。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
の透明バリアフィルムの少なくとも一方の面にヒートシ
ール性樹脂層を設けたことを特徴とする積層材。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
の透明バリアフィルムのバリア層上にヒートシール性樹
脂層を設けたことを特徴とする積層材。 - 【請求項7】 バリア層が形成されていない基材フィル
ム上に基材を積層して備えることを特徴とする請求項6
に記載の積層材。 - 【請求項8】 基材上にヒートシール性樹脂層を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の積層材。 - 【請求項9】 バリア層とヒートシール性樹脂層との間
にアンカーコート剤層および/または接着剤層を有する
ことを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれかに記
載の積層材。 - 【請求項10】 請求項4乃至請求項9のいずれかに記
載の積層材を用い、ヒートシール性樹脂層を熱融着して
製袋または製函したことを特徴とする包装用容器。
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-
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