JP2002017340A - 着香酪酸菌粉末、その製造方法および食品用素材と防腐剤 - Google Patents
着香酪酸菌粉末、その製造方法および食品用素材と防腐剤Info
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Abstract
ングして香料の香りを付け、酪酸菌の培養液を粉末化し
てその培養液の有する有効成分の効果をより発揮させた
着香酪酸菌粉末を提供する。 【解決手段】 酪酸菌培養液または酪酸菌培養液から液
相部を分離した酪酸菌含有部に香料を添加して乾燥した
粉末、或は酪酸菌培養液または酪酸菌培養液から液相部
を分離した酪酸菌含有部を乾燥した粉末に、香料を添加
してなる着香酪酸菌粉末。
Description
種の香りを付けて粉末にした着香酪酸菌粉末、その製造
方法およびその着香酪酸菌粉末を用いた食品用素材およ
び防腐剤に関するものである。
(Clostridium butyricum)に代
表される酪酸菌は、整腸作用があるために整腸剤として
広く用いられている。これらの酪酸菌は、酪酸菌培養液
を濃縮してまたは酪酸菌を分離して、デンプン、糖粉末
などの担体に添加して固形の状態で用いられている。
体であるために、その用途が制限されていた。一方、酪
酸香料は液状のまま、あるいはデンプン、糖粉末などの
担体に添加して固形の状態で、例えばチーズ、果実、乳
製品等に添加して用いられている。
代表的なクロストリヂウムブチュリクムの生菌は整腸剤
や飼料に混合して用いられ、ヒトや家畜にとって有害な
菌に制御的に働き、また有用な菌には促進的に働き整腸
が行なわれる。
は、芽胞を有する嫌気性菌であり、0.5%ブドウ糖加
普通寒天培地で37℃、48時間培養し、その培養液を
顕微鏡で観察すると、ほとんど直線状か、まれにやや弯
曲した桿菌であり、卵形の芽胞を形成している。また、
その培養液中には、生菌の他に、代謝産物である酪酸,
酢酸等の有機酸、および自己融解した菌体成分が含有さ
れている。
クムの培養液には、有機酸や自己融解した菌体成分等を
含有しており、ヒトや家畜にとって有効であるが、特に
有機酸として酪酸を含有しているために、異臭を有する
欠点がある。例えば、酪酸の臭いの閾値(臭いの種類を
判別することのできる限界濃度)は、ベッセイ(Bes
say)によれば、4.3×1013(分子数/cc)で
あることからわかるように、ヒトが忌避する臭いの一つ
である。
めに、医薬品として用いる場合には臭いがあってもあま
り問題はないが、その他の用途ではその独特な臭いが問
題となつてくる。
善するためになされたものであり、酪酸菌の培養液の異
臭を香料を用いてマスキングして他の香りを付け、また
酪酸菌の培養液を粉末化してその培養液の有する有効成
分の効果をより発揮させた、着香酪酸菌粉末およびその
製造方法を提供することを目的とするものである。
を付けて粉末にした着香酪酸菌粉末を用いた食品用素材
および食品用防腐剤を提供することを目的とするもので
ある。また、本発明を応用し、各種生菌剤も着香可能と
なり、利用範囲が広がるものである。
の発明は、酪酸菌培養液または酪酸菌培養液から液相部
を分離した酪酸菌含有部に例えば香料を添加して乾燥し
た粉末からなることを特徴とする着香酪酸菌粉末であ
る。本発明の第二の発明は、酪酸菌培養液または酪酸菌
培養液から液相部を分離した酪酸菌含有部を乾燥した粉
末に例えば香料を添加してなることを特徴とする着香酪
酸菌粉末である。
えば香料を添加した後、乾燥して粉末にすることを特徴
とする着香酪酸菌粉末の製造方法である。本発明の第四
の発明は、酪酸菌培養液を乾燥して粉末にする工程、該
粉末に例えば香料を添加する工程を有することを特徴と
する着香酪酸菌粉末の製造方法である。
液相部を分離して酪酸菌含有部を得る工程、該酪酸菌含
有部に例えば香料を添加した後、乾燥して粉末にする工
程を有することを特徴とする着香酪酸菌粉末の製造方法
である。本発明の第六の発明は、酪酸菌培養液から液相
部を分離して酪酸菌含有部を得る工程、該酪酸菌含有部
を乾燥して粉末にする工程、該粉末に例えば香料を添加
する工程を有することを特徴とする着香酪酸菌粉末の製
造方法である。
においては、前記酪酸菌培養液から液相部を遠心分離に
より分離して酪酸菌含有部を得るのが好ましい。また、
前記酪酸菌培養液または酪酸菌含有部の濃度を調整した
後に乾燥するのが好ましい。さらに、前記乾燥を噴霧乾
燥、凍結真空乾燥、真空乾燥または自然乾燥により行な
うのが好ましい。
粉末からなる食品用素材である。本発明の第八の発明
は、上記の着香酪酸菌粉末からなる食品用防腐剤であ
る。
本発明の第一の発明の着香酪酸菌粉末は、酪酸菌培養液
または酪酸菌培養液から液相部を分離した酪酸菌含有部
に香料を添加して乾燥した粉末からなることを特徴とす
る。
記の着香酪酸菌粉末の製造方法は、酪酸菌培養液に香料
を添加した後、乾燥して粉末にすることを特徴とする着
香酪酸菌粉末の製造方法、および酪酸菌培養液から液相
部を分離して固相部の酪酸菌含有部を得る工程、該酪酸
菌含有部に香料を添加した後、乾燥して粉末にする工程
を有することを特徴とする着香酪酸菌粉末の製造方法で
ある。
菌で芽胞を形成するグラム陽性の桿菌であり、0.5%
ブドウ糖加普通寒天培地で37℃、48時間培養し、そ
の培養液を顕微鏡で観察すると、ほとんど直線状か、ま
れにやや弯曲した桿菌であり、卵形の芽胞を形成してい
る。この芽胞の形成により、耐熱性、耐酸性を有し、生
菌は安定である。
(Clostridium butyricum)が用
いられる。酪酸菌の培養液には、特に制限はなく、通常
の酪酸菌を培養した培養液を用いることができるが、例
えば糖類、アミノ酸、炭酸カルシウム、水等を主成分と
して含む液体培地で、酪酸菌を35〜40℃で、24〜
72時間培養したものが適している。
に、代謝産物である酪酸、酢酸、プロピオン酸等の有機
酸、および自己融解した菌体成分、アミラーゼ、各種ア
ミノ酸等が含有されている。また、培養液には、有機酸
として酪酸、酢酸、プロピオン酸等を含有しているため
に、異臭を有し、また酪酸菌は芽胞体であるために水分
含有量が高い状態で嫌気的に放置すると発芽して異臭を
放ち、時間の経過につれて臭いが悪くなる物性がある
が、本発明はこの臭いを例えば香料でマスキングするこ
とに特徴を有する。
98重量%と多いために、各種の分離機、例えば遠心分
離機、濃縮装置等により、固液分離を行ない過剰の水分
を除去する。具体的には、培養液中の培地を除くために
遠心分離機にかけ培養液中の固形培地と液部とに分離す
る。次に、該液部を遠心分離機にかけて主として水分
と、菌体、各種ビタミン、アミラーゼ等を含む固相部に
分離する。該固相部と前記の固形培地を混合して酪酸菌
含有部とする。酪酸菌含有部の水分の含有量は60〜9
0重量%の範囲である。
そのまま後工程の乾燥に用いてもよい。
は、後工程で乾燥して粉末にするが、その乾燥方法の種
類により、乾燥に適応する様に水分の含有量を調製して
もよい。水分含有量を調製する方法は、例えば、酪酸菌
含有部を濃縮したり、乳糖などの粉状物を添加すること
により行なうことができる。これにより、水分含有量を
20〜85重量%の範囲に調整する。なお、この水分含
有量の調整を行なわないで、後工程の乾燥に用いてもよ
い。
有部に香料を添加する。香料には、酪酸菌臭のマスキン
グに有効なものであれば特に制限はないが、食品添加物
として用いられるものが好ましい。その成分としては、
天然香料、着香料(食品衛生法に記載のもの)、エチル
アルコールおよびプロピレングリコールを含有するもの
が好ましい。これらの香料は液状又は粉末状のものが用
いられる。
て、ヨーグルトオイル(SX−2085)、ブルーベリ
ーオイル(SX−3020)、ピーチオイル(SX−4
475)、オレンジオイル(6672)、アップルオイ
ル(71322)、バナナエッセンス(SW−510
9)、オレンジエッセンス(1803)等が挙げられ
る。
ることはなく、多種のものを用いることができ、例えば
塩野香料株式会社製の香料で、オレンジ、イチゴ、バナ
ナ、パイナップル、パッションフルーツ、マンゴ、ライ
チ、グァバ、ブルーベリー、クランベリー、ブラックベ
リー、ブラックカーラント、ストロベリー、バター、ミ
ルク、クリーム、ヨーグルト、バニラ、キャラメル、黒
糖、ハニー、ラム、グレープ、メロン、ピーチ、プラ
ム、スパイスミック、シナモン、コーラ、チョコレー
ト、ココア、コーヒー、紅茶等が挙げられる。
の添加量は、固形分に対して0.1〜10重量%、好ま
しくは0.1〜5重量%が望ましい。また、粉末香料の
場合には、0.1〜1重量%、液状香料の場合には1.
0〜5.0重量%が好ましい。また、上記の香料以外に
も香を付けることができるものであれば、他の物を用い
てもよく、また着香方法により着香をしてもよい。
酪酸菌含有部を乾燥して粉末化する。乾燥方法は、噴霧
乾燥(スプレードライヤー)、凍結真空乾燥、真空乾
燥、自然乾燥等の各種の方法により行なうことができ
る。乾燥温度、乾燥時間は各乾燥方法により適宜選択す
ればよい。
の乾燥方法により水分が除去され粉末または固形物とな
り、さらに粉砕機により粉砕して微粉化することにより
着香酪酸菌粉末を得ることができる。着香酪酸菌粉末
は、10〜28℃の定温、35〜50%の定湿度で保存
するのが好ましい。
酸臭はマスキングされて、香料の香り有する製品であ
る。また、粉末中には芽胞を形成した耐熱性の酪酸菌が
1×106 〜1×1012/120mg程度含有されてお
り、さらに代謝産物である酪酸、酢酸、プロピオン酸等
の有機酸、および自己融解した酪酸菌体成分、当菌由来
のアミラーゼ、各種ビタミンが含有されており、整腸作
用および栄養価に極めて優れたものである。
酪酸菌培養液または酪酸菌培養液から液相部を分離した
酪酸菌含有部を乾燥した粉末に香料を添加してなること
を特徴とする。
記の着香酪酸菌粉末の製造方法は、酪酸菌培養液を乾燥
して粉末にする工程、該粉末に例えば香料を添加する工
程を有することを特徴とする着香酪酸菌粉末の製造方
法、および酪酸菌培養液から液相部を分離して酪酸菌含
有部を得る工程、該酪酸菌含有部を乾燥して粉末にする
工程、該粉末に例えば香料を添加する工程を有すること
を特徴とする着香酪酸菌粉末の製造方法である。
の酪酸菌培養液または酪酸菌培養液から液相部を分離し
た酪酸菌含有部をそのまま乾燥して粉末を得た後に、粉
末香料を添加することにより得ることができる。
一発明と同様の方法により行なうことができ、上記の乾
燥により水分が除去された粉末または固形物は、さらに
必要に応じて粉砕機により粉砕して微粉化することによ
り乾燥粉末を得る。該乾燥粉末に香料を均一に添加する
ことにより着香酪酸菌粉末を得ることができる。香料の
添加は、例えば混合機により行なうことができる。
酪酸臭はマスキングされて、香料の各種の香りを有し、
また、芽胞を形成した耐熱性の酪酸菌、さらに代謝産物
である酪酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、および自
己融解した酪酸菌体成分、当菌由来のアミラーゼ、各種
ビタミンが含有されているために、整腸作用および栄養
価に極めて優れているために、食品用素材および食品用
防腐剤として好適である。
となり安定的に入っており、腐敗菌に対して強い拮抗作
用があることから、食品用素材として当該酪酸菌を添加
することにより食品の安定性を高める役割を担うことが
できる。
しているので耐熱性にすぐれ、乾燥粉末のために保存性
がよく、食品への添加が容易である。食品への添加量と
しては、一食当たり1mg〜100mg(10万個〜2
億個酪酸菌数)が好ましい。
用いることができる食品としては、例えば酪酸菌飲料、
その他の飲料、キャンデー、チョコレート、マシュマ
ロ、粉末ジュース、ビスケット、打状菓子、ラムネ、イ
ンスタントデザート、パン、ふりかけ、各種健康食品、
漬け物の素、その他の食品等が挙げられる。
製造工程で添加すればよいが、酪酸菌を有効に使用する
ために出来るだけ後工程で添加するのが好ましい。
作用を利用して着香酪酸菌粉末を用いることができる。
食品用防腐剤としての使用方法は、上記の食品用素材と
同様に食品に添加することにより行なうことができる。
を示すためには、1食当たり10mg〜100mg(5
千万個〜2億個酪酸菌数)が好ましい。
に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
た。使用菌株として、クロストリヂウムブチュリクム
(Clostridiumbutyricum)を使用
して、下記の液体培地で、24〜72時間、34〜40
℃で嫌気培養して酪酸菌の培養液を得た。
が98重量%と多いために、遠心分離機にかけて、固液
分離を行ない、液相部の過剰の水分を除去し、菌体固相
部の酪酸菌含有部Aの菌液を得た。酪酸菌含有部Aの水
分の含有量は60〜90重量%の範囲である。
加して水分含有量20〜40重量%の濃度に調整し、香
料(アップルオイル 71322、塩野香料株式会社
製)の液を0.1〜5重量%添加して撹拌し均一に混合
した後、ポンプにて加圧スプレーにより、150〜18
0℃で熱風で瞬間乾燥した。さらに60〜85℃で二次
乾燥して着香酪酸菌粉末を得た。着香酪酸菌粉末はアッ
プルの香りを有し、水分含有量2〜5重量%で、平均粒
子径約30μmの粉末であった。
より濃縮した濃縮菌液(水分含有量60〜80重量%)
に、香料(オレンジオイル 6672、塩野香料株式会
社製)の液を0.1〜5重量%添加し、撹拌または練り
込みにより均一に混合した後、−40〜−50℃で凍結
固形化し、固形物を7〜20℃の温度で真空下で昇華乾
燥させ、粉砕機で粉砕して微粉末に調整して着香酪酸菌
粉末を得た。着香酪酸菌粉末はオレンジの香りを有し、
水分含有量2〜5重量%で、平均粒子径約30μmの粉
末であった。
より水分含有量65〜85重量%に濃縮して半固形化状
態にし、その中に香料(ヨーグルトオイル SX−20
85、塩野香料株式会社製)の液を0.1〜5重量%練
り込み均一に混合した後、5〜15mmの厚さに平面状
に広げ、真空下で遠赤外線を照射して加熱して乾燥し
た。乾燥温度は28〜40℃である。その後、乾燥物を
砕機で粉砕して着香酪酸菌粉末を得た。着香酪酸菌粉末
はヨーグルトの香りを有し、水分含有量2〜5重量%
で、平均粒子径約30μmの粉末であった。
より水分含有量65〜85重量%に濃縮して半固形化状
態にし、その中に香料(バナナエッセンス SW−51
09、塩野香料株式会社製)の液を0.1〜5重量%練
り込み均一に混合した後、3〜10mmの厚さに平面状
に広げ、乾燥室で20〜40℃で乾燥した。その後、乾
燥物を低衝撃粉砕機で粉砕して着香酪酸菌粉末を得た。
着香酪酸菌粉末はバナナの香りを有し、水分含有量3〜
5重量%で、平均粒子径約35μmの粉末であった。
加して水分含有量20〜40重量%の濃度に調整し、ポ
ンプにて加圧噴霧により、熱風(150〜180℃)で
瞬間乾燥し、さらに60〜85℃で二次乾燥して酪酸菌
粉末を得た。
ベリーオイル粉末、塩野香料株式会社製)を0.1〜5
重量%添加して均一に混合して着香酪酸菌粉末を得た。
着香酪酸菌粉末はストロベリーの香りを有し、水分含有
量3〜5重量%で、平均粒子径約30μmの粉末であっ
た。
2〜4と同様の凍結真空乾燥、真空乾燥、自然乾燥の各
方式により酪酸菌粉末を得た後、該酪酸菌粉末に実施例
5と同様に香料粉末を添加して均一に混合して着香酪酸
菌粉末を得た。
分含有量20〜40重量%の濃度に調整し、香料(アッ
プルオイル 71322、塩野香料株式会社製)の液を
0.1〜5重量%添加して撹拌し均一に混合した後、ポ
ンプにて加圧スプレーにより、150〜180℃で熱風
で瞬間乾燥した。さらに60〜85℃で二次乾燥して着
香酪酸菌粉末を得た。着香酪酸菌粉末はアップルの香り
を有し、水分含有量2〜5重量%で、平均粒子径約30
μmの粉末であった。
した濃縮菌液(水分含有量60〜80重量%)に、香料
(オレンジオイル 6672、塩野香料株式会社製)の
液を0.1〜5重量%添加し、撹拌または練り込みによ
り均一に混合した後、−40〜−50℃で凍結固形化
し、固形物を7〜20℃の温度で真空下で昇華乾燥さ
せ、粉砕機で粉砕して微粉末に調整して着香酪酸菌粉末
を得た。着香酪酸菌粉末はオレンジの香りを有し、水分
含有量2〜5重量%で、平均粒子径約30μmの粉末で
あった。
す。 ビターチョコレート20%、カカオバター20%、全脂
粉乳20%、粉糖40%、その他レシチン、バニリンを
少量の配合により、チョコレートを製造する過程で着香
酪酸菌粉末を添加した。
焼成し、粉砕し、粉糖、全脂粉乳等を添加した後、ミキ
サーで細かく粉砕し、混練した後、チョコレート香料を
用いた着香酪酸菌粉末を添加して、再び混練して成型し
てチョコレートを得た。着香酪酸菌粉末の添加量は、酪
酸菌1×105 個/gであった。チョコレートは酪酸臭
の異臭はなかった。
砂糖56%、水あめ42%、クエン酸、香料(アップ
ル)、着色量を少量の配合により、キヤンデーを製造す
る過程で着香酪酸菌粉末を添加した。
詰、混練し、80℃で実施例1で得られたアップル香料
を用いた着香酪酸菌粉末を添加して、再び混練して成型
してキヤンデーを得た。着香酪酸菌粉末の添加量は、酪
酸菌1×105 個/gであった。キヤンデーは酪酸臭の
異臭はなかった。
サラダ油81%、食酢・水9%、卵黄6.2%、調味香
辛料等を少量の配合により、マヨネーズを製造する過程
で着香酪酸菌粉末を添加した。
辛料、サラダ油およびオレンジ香料を用いた着香酪酸菌
粉末を添加し、ミキサーで撹拌し容器に充填してマヨネ
ーズを得た。着香酪酸菌粉末の添加量は、酪酸菌3×1
05 個/gであった。マヨネーズは酪酸臭の異臭はなか
った。また、マヨネーズを10℃で、6カ月保存しても
酪酸菌の防腐作用により変質しなかった。
チンを水に溶解して加湿し、果汁を添加し、ヨーグルト
を配合してなるゼリーに、実施例2で得られたオレンジ
香料を用いた着香酪酸菌粉末を添加した。
05 個/gであった。ゼリーは酪酸臭の異臭はなかっ
た。また、ゼリーを10℃で、6カ月保存しても酪酸菌
の防腐作用により変質しなかった。
酸菌の培養液の異臭を香料を用いてマスキングして香料
の香りを付け、かつ酪酸菌の培養液を粉末化してその培
養液の有する有効成分の効果をより発揮させた着香酪酸
菌粉末を提供することができる効果を奏する。また、本
発明の製造方法は、酪酸菌の培養液を乾燥させることに
より容易に着香酪酸菌粉末を得ることができる効果を奏
する。
スキングされて、香料の各種の香りを有し、また芽胞を
形成した耐熱性の酪酸菌、さらに代謝産物である酪酸、
酢酸、プロピオン酸等の有機酸、および自己融解した酪
酸菌体成分、当菌由来のアミラーゼ、各種ビタミンが含
有された着香酪酸菌粉末からなるために、整腸作用およ
び栄養価に極めて優れている。
酸菌粉末の酪酸菌の防腐作用を利用することにより、防
腐剤として極めて有用である。これらは他の有用生菌に
も応用が可能で、食品への利用範囲も広げられる。
Claims (11)
- 【請求項1】 酪酸菌培養液または酪酸菌培養液から液
相部を分離した酪酸菌含有部に香料を添加して乾燥した
粉末からなることを特徴とする着香酪酸菌粉末。 - 【請求項2】 酪酸菌培養液または酪酸菌培養液から液
相部を分離した酪酸菌含有部を乾燥した粉末に香料を添
加してなることを特徴とする着香酪酸菌粉末。 - 【請求項3】 酪酸菌培養液に香料を添加した後、乾燥
して粉末にすることを特徴とする着香酪酸菌粉末の製造
方法。 - 【請求項4】 酪酸菌培養液を乾燥して粉末にする工
程、該粉末に香料を添加する工程を有することを特徴と
する着香酪酸菌粉末の製造方法。 - 【請求項5】 酪酸菌培養液から液相部を分離して酪酸
菌含有部を得る工程、該酪酸菌含有部に香料を添加した
後、乾燥して粉末にする工程を有することを特徴とする
着香酪酸菌粉末の製造方法。 - 【請求項6】 酪酸菌培養液から液相部を分離して酪酸
菌含有部を得る工程、該酪酸菌含有部を乾燥して粉末に
する工程、該粉末に香料を添加する工程を有することを
特徴とする着香酪酸菌粉末の製造方法。 - 【請求項7】 前記酪酸菌培養液から液相部を遠心分離
により分離して酪酸菌含有部を得る請求項5または6記
載の着香酪酸菌粉末の製造方法。 - 【請求項8】 前記酪酸菌培養液または酪酸菌含有部の
濃度を調整した後に乾燥する請求項3乃至6のいずれか
の項に記載の着香酪酸菌粉末の製造方法。 - 【請求項9】 前記乾燥を噴霧乾燥、凍結真空乾燥、真
空乾燥または自然乾燥により行なう請求項3乃至6のい
ずれかの項に記載の着香酪酸菌粉末の製造方法。 - 【請求項10】 請求項1または2記載の着香酪酸菌粉
末からなる食品用素材。 - 【請求項11】 請求項1または2記載の着香酪酸菌粉
末からなる食品用防腐剤。
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