JP2002013966A - 融液面位置測定方法及び装置並びに単結晶製造方法及び装置 - Google Patents

融液面位置測定方法及び装置並びに単結晶製造方法及び装置

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JP2002013966A
JP2002013966A JP2000193822A JP2000193822A JP2002013966A JP 2002013966 A JP2002013966 A JP 2002013966A JP 2000193822 A JP2000193822 A JP 2000193822A JP 2000193822 A JP2000193822 A JP 2000193822A JP 2002013966 A JP2002013966 A JP 2002013966A
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Masahiko Urano
雅彦 浦野
Hideki Nakano
秀樹 中野
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】半導体単結晶製造装置内の原料融液面位置を精
度良く検出する。 【解決手段】測定用光源22からの第1の投射光A
炉体内の原料融液面M上方に配設した炉体内構造物上
の基準点33に直接照射する工程と、該測定用光源から
の第2の投射光Aを該原料融液面Mに照射しその反
射光Aを該炉体内構造物の基準点33に照射する工程
を有し、該反射光Aの照射点35bと該基準点33と
が一致したときの該反射光Aと原料融液面Mとのな
す角(θ)及び該基準点33に照射したときの第1の投
射光位置35aと該反射光Aの照射点35bと該基準
点33とが一致したときの第2の投射光位置との直線距
離(m)をそれぞれ測定し、基準点33と原料融液面M
との距離(L)をL=m×sinθの式で算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CZ(チョクラル
スキー)法による半導体単結晶等の単結晶の製造装置に
おける原料融液面の位置を測定する方法及び装置並びに
半導体単結晶等の単結晶の製造方法及び装置に関する。
【0002】
【関連技術】従来より半導体単結晶の製造方法の一つと
して、ルツボ内で半導体単結晶原料を融解し、種結晶を
融液面に接融させ単結晶インゴットを引上げるチョクラ
ルスキー法が広く知られている。CZ法を用いた半導体
単結晶の育成技術は、シリコンやGaAs等の半導体単
結晶を得るために幅広く利用されているが、以下では、
シリコン単結晶の育成をその一例とし本発明の従来例を
説明する。
【0003】一般的なCZ法でシリコン単結晶を育成す
るための装置12は、図8に示すように、原料が収容さ
れた内側が石英製で外側が黒鉛製のルツボCと、このル
ツボCを取り囲むように配置されたヒータ18が該単結
晶製造装置12のメインチャンバ14内に設置されてお
り、更にこのヒータ18の外周にはメインチャンバ14
の保護と装置炉内の保温を目的とし炉内断熱材20が設
けられている。また、該製造装置12のメインチャンバ
14の上方には、育成した単結晶を収納し取り出すため
の上部チャンバ21が連設され、上部チャンバ21の上
方にワイヤ式の引上機であれば結晶を引上げるワイヤ2
3のためのワイヤ巻取り巻出し機構25が取付けけられ
ている。なお、最近では高重量結晶引上げのため引上げ
ワイヤ23に替わり金属製のシャフト(棒)を用いたシ
ャフト式引上機も用いられるようになっている。
【0004】一方、原料融液Mを収容するルツボCに
は、単結晶棒Sの引上げにともなって融液面低下するの
を防止するため昇降動機構(不図示)が備えられてお
り、単結晶育成中は所望の品質を有する結晶を得るため
に融液面位置が常に一定位置に保たれるよう、結晶の成
長に合わせてルツボを上昇させることができる。
【0005】この製造装置12を用いてシリコン単結晶
を育成する際には、該製造装置12のワイヤ23の先端
の種ホルダ17に取付けけられた種結晶19をルツボC
内の原料融液Mに浸漬し、ワイヤ巻取り巻出し機構25
により所望の方向に種結晶19を回転させながら静かに
ワイヤ23を巻上げ、種結晶19の先端部に単結晶棒S
を成長させて行く。この時、種結晶19を融液Mに着液
させた際に生じる転位を消滅させるため、結晶成長の初
期は結晶径を3〜5mm程度まで細く絞り、転位が結晶
から抜けたところで径を所望の直径まで拡大して、目的
とする直径を持つ棒状の単結晶Sの育成を図る。
【0006】なお、単結晶棒Sの育成にあたっては単結
晶を半導体ウェーハに加工した際に一定の直径が必要と
なることから、単結晶製造装置のチャンバ等に取付けけ
られた直径検出装置により育成中の結晶の径を常に検出
し、所望の直径の単結晶棒が得られるように操業条件を
調整し操業を行なっている。
【0007】この時の結晶直径の測定方法としては、イ
メージセンサー等の撮像装置を用いて育成結晶と融液の
境界に生じるヒュージョンリング(照環)を検出し直径
を測定する光学式の測定方法と、引上げ中の結晶重量と
引上げ長さから直径を算出する重量式の直径測定方法が
主に用いられており、最近では撮像装置のコスト低下や
高性能化、小型化により光学式の結晶直径検出装置を取
付けけたCZ法単結晶製造装置が一般的に多く用いられ
るようになってきている。
【0008】しかし、この光学式による直径検出方法
は、殆どのものが育成結晶と原料融液面の境界に生じる
ヒュージョンリングを光学的に検出して直径を算出する
ものであり、融液面が常に一定の位置(高さ)にあるこ
とを前提として計測を行っていることから、原料融液面
の位置が精度良く一定に保たれていないと検出誤差が大
きくなり安定した直径を持つ単結晶を得ることが難しい
とされている。そこで、通常はこの問題を解消するた
め、結晶成長にともなって融液が減少し液面が低下する
のをルツボを上昇させることによって一定に保つ工夫が
成されている。
【0009】また、その一方で結晶品質の面においても
所望の品質を有する結晶を得るため、引上げ中の結晶育
成条件を調整して原料融液から結晶内に取り込まれるド
ーパントや酸素等の不純物量を適切に制御する必要もあ
る。これら結晶中に取り込まれる不純物濃度を制御する
技術の一つとして、育成中に製造装置チャンバ内に流す
不活性ガスをチャンバ上方から下方へ原料融液面に沿っ
て流し、融液面から蒸発する不純物の除去量をこのガス
によって制御して融液中に含まれる不純物濃度を調整
し、結果として育成結晶中の不純物濃度を所望の濃度に
制御する方法がある。特に、最近の高品質結晶では結晶
中に含まれる酸素量の低下が求められており、この要求
を満たすため、低酸素濃度結晶の育成に優れた、融液面
の直上に炉体内構造物、例えば図8に示したガス整流筒
16や遮熱スクリーン等を備えた製造装置が多用される
傾向にある。
【0010】これらの製造装置では、例えばガス整流筒
16を備えた装置を例に取ると、結晶育成時にガス整流
筒16の下端と融液面Mの間を一定に保って、整流筒1
6内上方から下方へ流される不活性ガスの量と線速を所
望の値に調節して融液表面上に流れる不活性ガス量の制
御を行い、これによって融液面から蒸発する酸素を調整
し原料融液中の酸素濃度を所望の値にして結晶の育成を
行なうものである。
【0011】このため結晶直径のみでなく、結晶内部の
品質を安定させ結晶全体に渡って所望の品質特性を得る
意味においても、高い精度で原料融液面位置を安定させ
て結晶成長を行なう必要がある。
【0012】従って、CZ法を用いた半導体単結晶の育
成装置において融液面位置(レベル)を正確に検出、制
御することは、結晶直径や結晶内に取り込まれる酸素等
の不純物を精度よく制御するために必要不可欠な技術で
あり、特に融液直上に炉体内構造物、例えば結晶を囲繞
するように配設されたガス整流筒や遮熱スクリーン等を
備えた製造装置では、結晶内の物理的な特性にも影響す
ることから、融液直上の構造物下端と該融液面の間隔を
正確に検出し必要とする間隔に保つことが、特性の安定
した半導体単結晶を得るための重要な要件とされてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】これらの理由から、原
料融液面の位置を如何に精度よく検出し、育成する単結
晶の直径を所定の直径に安定させ、かつ単結晶中の不純
物濃度を所望の値にするかについて、従来から多くの検
討が加えられてきた。そして、このような状況の中で融
液面を精度良く測定するための方法として、特開昭64
−59127号公報や特開平5−59876号公報、特
開平5−194079号公報、特開平6−92784号
公報、特開平6−116083号公報、特開平10−1
67681号公報等、これまで多くの提案が成されてい
る。
【0014】その中で、チョクラルスキー法による半導
体単結晶の製造装置40の融液面位置検出手段として代
表的なものに、図9に示された構成がある。この装置で
は、光源42から投射された光を炉本体44に設けられ
た第一開口窓部46から、石英ルツボC内の融液Mの表
面M1に照射し、第二開口窓部48を介して反射させる
反射光を受光素子50で受光して反射光の変位をとら
え、場面位置を検出するような構造としている。
【0015】しかし、このような原料融液面の検出方法
では、単結晶製造装置炉内に引上げ中の単結晶やガス整
流筒、遮熱スクリーン等の炉体内構造物が存在する場合
には、これら単結晶や炉体内構造物が測定光の進行の邪
魔となり、光源42からの投射光が融液面M1に到達せ
ず又は湯面からの反射光が受光素子50に届かないよう
な事態が発生し融液面位置の検出が不可能となったり、
又は単結晶育成前の湯面位置しか計測することができ
ず、結晶育成中の融液面の変化をリアルタイムに捉える
ことが難しいという問題が残される。
【0016】そこで、結晶棒全体に渡って安定した品質
の結晶を効率良く生産する目的から、前記の融液面位置
の測定装置等によって結晶育成開始前に原料融液面の位
置を所定の位置に合わせた後は、結晶巻上げ巻出し機構
部に取付けけた結晶重量測定器や製造装置チャンバに取
付けけた直径検出器からの検出値を基に結晶育成にとも
なう融液面の低下を推定し、その推定値に基づいてルツ
ボを上昇移動させる方法が取られてきた。
【0017】しかし、このような方法は結晶が単結晶化
した量から融液面の位置を間接的に推定する方法である
ため、実測して融液面を一定に保つのに比べ誤差を生じ
易く、特に結晶成長の後半では誤差が累積して、結晶品
質にバラツキをもたらす一因となっている。また、シリ
コン単結晶棒の育成においては融液を保持するために石
英製のルツボを使用していることから、結晶引上げ中に
融液がルツボ壁に接して起こるルツボ壁の浸蝕や、石英
ルツボを1400℃以上の高温化で使用することにより
生じるルツボの軟化も融液面位置に誤差を与え、高精度
に結晶直径や品質を安定させるための妨げとなる要因と
考えられている。
【0018】また、これ以外に融液面を測定する方法と
しては特開平5−59876号公報に示されているよう
な方法がある。しかし、この方法は融液面位置を測定す
るために種結晶が融液面に接触した時の移動距離を元
に、結晶の成長にともなってワイヤが巻取られる距離か
ら融液面位置を算出しているものであり、結晶の成長に
より巻上げワイヤに加わる荷重が増加すると巻上げワイ
ヤに伸びが生じ、引上げる結晶重量によって誤差を生じ
易いという問題点がある。特に、昨今の高重量の大型結
晶の育成においては高精度化が難しい技術と考えられて
いる。
【0019】これに対し、結晶育成中でも融液面を常に
直接検出できる方法として特開平5−194079号公
報に示される融液面位置の計測方法がある。この方法で
は、引上機の外からレーザ光を炉内に導入し融液面にレ
ーザ光によるスポット(点)を投射して、融液面上での
レーザ光スポットの大きさから融液面位置を検出するこ
とを特長としている。
【0020】しかし、一般的なレーザ光源は加熱された
引上機炉内の色と殆ど同じ光源色であり、投射されたレ
ーザ光と炉内からの放射光を精度よく炉外に設置された
カメラ等の画像処理装置で識別することは難しく、結晶
育成中の融液面をとらえることは可能であるが、高精度
化に融液面を制御しようとした場合には更なる工夫が必
要とされている。
【0021】その他にも、特開平6−92784号公報
等のように炉外から融液面にレーザ光を照射し融液面か
ら反射された光を炉外で受光し、受光素子上での光の位
置変化を検知して融液面の位置を測定する方法も行われ
ているが、この方法ではレーザ光の反射を炉の外部まで
引き出しレーザ光の受光素子上での位置変化を元に融液
面位置を検出しているため、反射光の光路長さにより融
液面の波立ちの影響を大きく受け易く測定値の変動が大
きくなり、結果として融液面の検出値が安定せず誤差を
生じ易い等の問題を有しいる。
【0022】特に、昨今の大直径単結晶を引上げるにあ
たっては、結晶原料の歩留りとウェーハに加工する際の
結晶研削ロス低減が重要であり、結晶中の不純物濃度等
の品質と併せ、大直径結晶を育成するための大型機にお
いて原料融液面を精度高く計測できる方法が必要とされ
ていた。
【0023】本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑
みてなされたもので、半導体単結晶製造装置内の原料融
液面位置を精度良く検出し、引上げられる単結晶の直径
を安定させることができ、その上、特に製造装置チャン
バ内に不活性ガス整流筒や遮熱スクリーン等の炉体内構
造物が存在する場合に、単結晶の育成中であっても原料
融液面と炉体内構造物下端との隙間を検出することを可
能とし、この隙間を常に精度良く一定に保って操業行な
うことができるようになり、引上げ単結晶棒中の酸素等
の不純物濃度をバラツキ少なく安定させられることを可
能とした融液面位置測定方法及び装置並びに単結晶の製
造方法及び装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の融液面位置測定方法の第1の態様は、CZ
法により炉体内に設けられたルツボ内の原料融液から単
結晶を引上げる単結晶製造装置における原料融液面の位
置を測定する方法であって、測定用光源からの第1の投
射光を該炉体内の原料融液面上方に配設した炉体内構造
物上の基準点に直接照射する工程と、該測定用光源から
の第2の投射光を該原料融液面に照射しその反射光を該
炉体内構造物の基準点に照射する工程を有し、該反射光
の照射点と該基準点とが一致したときの該反射光と原料
融液面とのなす角(θ)及び該基準点に照射したときの
第1の投射光位置と該反射光の照射点と該基準点とが一
致したときの第2の投射光位置との直線距離(m)をそ
れぞれ測定し、基準点と原料融液面との距離(L)を下
記式(1)によって算出することを特徴とする。
【0025】
【数3】L=m×sinθ・・・・・・・(1)
【0026】このような方法によって融液面位置を測定
すれば、融液面の頂上にガス整流筒等の炉体内構造物が
配置された単結晶製造装置であっても、炉体内構造物に
妨げられることなく融液面位置を高精度で検出すること
ができる。また、単結晶の育成途中であっても、育成中
の単結晶棒に妨げられることなく融液面位置を計測でき
るので、単結晶の育成にともない融液面が変化するのを
常に知ることが可能となる。
【0027】これにより単結晶育成中であっても適切な
ルツボ移動が実現されるため、高精度で所望の直径を有
する単結晶棒が育成できるようになり、同時に炉体内構
造物と融液面の間隔も常に一定に保たれるので酸素等の
結晶中の不純物濃度の安定も図ることが可能となる。
【0028】本発明の融液面位置測定方法の第2の態様
は、CZ法により炉本体内に設けられたルツボ内の原料
融液から単結晶を引上げる単結晶製造装置における原料
融液面の位置を測定する方法であって、測定用光源から
の投射光を該原料融液面に照射しその反射光を該炉本体
内の原料融液面上方に設けた炉体内構造物上の基準点に
照射する工程を有し、該反射光の照射点と該基準点とが
一致したときの該反射光と該原料融液面と直交する直線
とのなす角(θ)及び該測定用光源から該基準位置まで
の水平距離(a)及び垂直距離(b)をそれぞれ測定
し、基準点と原料融液面との距離(L)を下記式(2)
によって算出することを特徴とする。
【数4】 L= 1/2×(a/tanθ−b)・・・(2)
【0029】単結晶製造装置内の融液面位置をこのよう
な方法を用いて計測すれば、第1の態様と同様に、引上
機炉内の融液上方に炉内構造物が存在したり、或いは結
晶育成中であっても常時融液面位置を測定することがで
きる。また、融液面を測定する装置の構造を比較的簡単
に、更には測定方法の特性から装置が小型となり、低コ
ストで簡素な融液面測定装置を構成することも可能であ
る。
【0030】そして、本発明の融液面位置測定方法を用
いたCZ法による単結晶引上げ方法において、融液面初
期位置及び融液面と炉体内構造物との相対距離を常時測
定して単結晶、例えば半導体単結晶の引上げを行ように
すれば、単結晶育成時に融液面生じる誤差を最小限に留
めることができるので、単結晶育成中常に精度よく融液
面と炉内構造物の間隔を所望の値に保持することができ
るようになる。
【0031】本発明の融液面位置測定装置の第1の態様
は、CZ法により炉体内に設けられたルツボ内の原料融
液から単結晶を引上げる単結晶製造装置における原料融
液面の位置を測定する装置であって、該炉本体内の原料
融液面上方に配設した炉体内構造物上に設けた基準点
と、第1の投射光を該炉体内構造物の基準点に直接照射
するための第1の投射光の測定用光源と、第2の投射光
を該原料融液面に照射しその反射光を該炉体内構造物上
の基準点に反射させるための第2の投射光の測定用光源
と、該測定用光源からの第2の投射光を該原料融液面に
照射しその反射光を該炉体内構造物上の基準点に反射す
るための第2の投射光の測定用光源を移動操作する測定
用光源移動操作手段と、該第1の投射光の測定用光源と
該第2の投射光の測定用光源との距離を計測する距離測
定手段と、該第2の投射光の測定用光源からの投射光を
該原料融液面に照射しその反射光を該炉体内構造物上の
該基準点に投射した時の該反射光と該原料融液面と直交
する直線とのなす角(θ)を求める角度検出手段を有す
ることを特徴とする。
【0032】このような装置を用いることによって、本
発明の第1の態様の融液面測定方法を効率良く実施する
ことができるようになる。
【0033】なお、本発明の融液面位置測定装置の第1
の態様では、炉体内構造物の基準点に直接照射するため
の第1の投射光の測定用光源と、第2の投射光を融液面
に反射しその反射光を炉体内構造物上の基準点に反射さ
せるための第2の投射光の測定用光源は、同じ光源を用
いても良い。即ち、測定用光源を1つとして本発明の融
液面位置測定装置を実現するには、始めに炉体内構造物
の基準点に直接投射光を照射するための第1の投射光の
測定用光源として用いた後に、第2の投射光の測定用光
源を移動操作する測定用光源移動操作手段によって平行
移動できるようにすれば、第2の投射光光源としても利
用可能なものである。
【0034】そして、本発明の融液面位置測定装置の第
2の態様は、CZ法により炉体内に設けられたルツボ内
の原料融液から単結晶を引上げる単結晶製造装置におけ
る原料融液面の位置を測定する装置であって、該炉本体
内の原料融液面上方に配設した炉体内構造物上に設けた
基準点と、原料融液面の位置を測定するために該原料融
液面に照射光を照射するための測定用光源と、該測定用
光源からの投射光を該原料融液面に照射しその反射光を
該炉体内構造物上の基準点に反射するための測定用光源
を回転操作し該反射光の照射点と該基準点とが一致した
時の該反射光と該原料融液面と直交する直線とのなす角
(θ)を求める角度検出手段とを有することを特徴とす
る。
【0035】このような装置を用いることによって、本
発明の第2の態様の融液面測定方法を効率良く実施する
ことができるようになる。
【0036】また、本発明の融液面位置測定装置の第1
の態様及び第2の態様に用いる炉体内構造物上に設けら
れる基準点は、炉体内構造物上に直接基準点となる印を
設けても良いし、又は、炉体の外から基準点となる位置
に光を投射し炉体内構造物上に光点を設け、この光点を
基準点として用いても良い。
【0037】このように光点による基準点の設け方であ
れば、単結晶育成にともなう操業条件の変更等で炉体内
構造物が入れ替えられても依然として同じところに容易
に基準点を作ることができる。
【0038】更に、本発明の融液面位置測定装置の第1
の態様及び第2の態様において、単結晶製造装置内に照
射する前記測定用光源の照射光は、可視領域の波長を有
するレーザー光を用いるのが望ましい。
【0039】本発明の融液面位置測定装置の測定用光源
として可視領域の波長を有するレーザー光を用いれば、
炉体内構造物上の基準点と光源の距離が離れている場合
でも、明確に投射光スポットを炉内の構造物上に投影す
ることができる。この時、可視領域のレーザ光であれば
炉外から容易に肉眼で観察できるが、炉内が1400℃
以上の高温に加熱されていることを考えると、可視領域
でもさらに緑に近い領域あるいは緑色から青色の波長を
持つレーザ光を測定用光源として用いれば、より明瞭に
炉体内構造物上の投射あるいは反射スポットを確認する
ことができる。
【0040】本発明の単結晶製造装置は、本発明の融液
面位置測定装置と、該融液面位置測定装置に接続される
操業条件制御用コンピュータと、該操業条件制御用コン
ピュータからの制御命令によってルツボの位置を制御す
るルツボ位置制御装置とを有し、前記原料融液面からの
反射光の照射点の位置と前記基準点位置とが一致しない
場合には該操業条件制御用コンピュータからの制御命令
により該ルツボ位置制御装置がルツボ位置を制御するこ
とによって該照射点の位置と該基準点位置とを一致させ
るようにしたことを特徴とする。
【0041】このように、本発明の融液面位置測定装置
を単結晶製造装置に用いれば、常に原料融液面の位置を
測定し所望の位置に合わせて操業を行なうことができる
ようになるので、結晶全体にわたって品質の安定した単
結晶棒を育成することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面を参照しながら、CZ法シリコン単結晶の育成を例
にあげて説明するが、本発明はこれらシリコン単結晶の
育成のみに限定されるものではない。例えば、本発明の
測定方法並びに装置は、原料融液に磁場を印加しながら
単結晶を育成するMCZ法を用いた製造装置でも利用す
ることも当然可能であり、更には化合物半導体等の他の
CZ法を利用した半導体単結晶の育成においても利用す
ることも勿論可能である。
【0043】図1は、本発明の単結晶製造装置の一つの
実施の形態を示す断面概略図である。図1において図8
と同一又は類似部材は同一の符号を用いて示されてい
る。図1の単結晶製造装置12は、炉本体14(メイン
チャンバ)と上部チャンバ21を有している。該炉本体
14の内部中央部には支持軸15を介して内側を石英製
で外側が黒鉛製のルツボCが回転可能かつ上下動可能に
設けられている。該ルツボC内にはシリコン単結晶原料
である原料融液Mが収容されており、その上方には円筒
状ないしはその下端部径が狭められた円錐状の形状を有
した炉体内構造物16、図示例では不活性ガス整流筒が
配置されており、ルツボCの中心位置の直上かつ直近に
あって引上げられる単結晶を囲繞するように配置されて
いる。
【0044】そして単結晶Sは、原料融液Mに種結晶を
接融し引上げワイヤ23をワイヤ巻取り巻出し機構25
によって静かに巻取り絞り部を形成した後に、結晶径を
拡大して一定の直径を持つ定径部を育成させる。
【0045】その他に、炉本体14内には原料融液Mを
溶融するためのヒータ18と炉本体を保護し断熱するた
めの熱遮蔽部材20が配設されている。
【0046】また、該単結晶製造装置12のメインチャ
ンバ14の外側には、融液面位置を検出するための装置
が設けられている。この原料融液面M1を検出するため
の装置として、まず、メインチャンバ14内の炉体内構
造物16に設けられた基準点33(図6)に第1の投射
光を投射し、その後に融液面M1の位置を知るための第
2の投射光を照射する測定用光源22が、メインチャン
バ14の光源用窓30の外側に測定用光源の取付け台2
4に支持されている。そして、この取付け台24からは
測定用光源22の位置と炉内への照射光の投射角を知る
ための信号が操業条件制御用コンピュータ38に送られ
る。
【0047】測定用光源22の近傍には、該単結晶製造
装置12の炉内の基準点33付近を撮像するための炉内
撮像用カメラ34が設けられており、カメラ34はメイ
ンチャンバ14のカメラ用窓32を通して炉内の基準点
33と測定用光源22からの投射光及び融液面M1から
の反射光の照射点35bを捕らえることができる(図
6)。
【0048】融液面位置の検出方法は、原料多結晶の融
液溶融が完了したら融液面M1の位置を所定の位置にル
ツボ支持軸15を移動して合わせ、その後、炉体内構造
物16の基準点33に直接測定用光源22から第1の測
定光を照射し、即ち、基準点33と第1の測定光の照射
点35aとを一致させ、第1の光源位置を定めその位置
を読み取る。次に、測定用光源22を移動し融液面M1
に向けて第2の測定光を照射し、融液からの反射光が炉
体内構造物16の基準点33に投影される位置、即ち、
基準点33と第2の測定光の反射光による照射点35b
とを一致させた位置に第2の光源位置を定めその時の光
源位置を読み取り、第1の光源位置と第2の光源位置と
の関係から炉内構造物上の基準点33と融液面M1の位
置の距離を求めることができる。
【0049】こうして求められた融液面M1の位置が所
定の位置と違っていた場合には、必要量だけルツボ支持
軸15を上下動させて所望の位置に融液面M1がくるよ
うに調整すれば良い。
【0050】操業時においては、作業者が原料融液面M
1の位置を常時監視しているのは難しいので、本発明の
装置のように炉内撮像用カメラ34を用いて単結晶育成
時の基準点33と炉体内構造物16上の第2の照射光の
照射点を撮像し、操業条件制御用コンピュータ38等を
用いて自動的に融液面M1位置が常に一定位置となるよ
うに制御可能とすることができる。
【0051】本発明の装置では、まず炉内撮像用カメラ
34によって撮影された画像を画像処理装置36によっ
て処理し、基準点33と第2の投射光が融液面M1で反
射され炉体内構造物16に投射された照射点35bの位
置関係を求め、そのデータを操業条件制御用コンピュー
タ38に送り基準点33上に第2の投射光の照射点35
bが無い場合は、基準点33と第2の投射光の照射点3
5bが重なるようにルツボ位置制御装置に信号を送っ
て、ルツボ支持軸15を上方或いは下方に移動させ、原
料融液面M1の位置が基準点33から常に一定距離とな
るように保持することができる。
【0052】なお、融液面M1を所望の位置に合わせる
には、基準点33と融液面M1で反射された第2の投射
光の照射点35bが重なるように制御してもよいが、単
結晶の成長条件によっては融液面を決められた基準点3
3との距離以上に離すかあるいは近づける等して操業し
た方が好ましい場合があり、このような場合は第2の投
射光の照射点35bが、基準点33から操業中常に一定
距離離れた位置にあるように制御して操業を行ってもよ
い。このようにすれば、育成する単結晶の成長条件にあ
わせて融液面の位置を変えることができる。
【0053】上記した構成によって、本発明の方法を用
いて融液面位置を計測する手順を説明する。 (1)本発明の第1の融液面位置測定方法による融液面
位置測定手順図4は、本発明の第1の融液面位置測定方
法の原理を示す説明図である。 まず最初に炉体内構造物の基準点に対して測定用光源
22からの第1の投射光A1を、直接基準点33に照射
する。照射光A1の炉体内構造物16での照射点35a
が基準点上にない場合は、測定用光源22を移動回転動
させて照射点35aが基準点33位置にくるように調整
する。
【0054】次に、測定用光源22を第1の投射光A
1と平行を保ちながら移動させて第2の投射光A2を原料
融液面M1に投射し、その反射光A3の照射点35bを基
準点33にあたるように測定用光源22の位置を決め
る。
【0055】この時の投射光A1,A2の水平面(融液
面M1)となす角θ、及び第1の投射光A1を投射した測
定用光源22の位置と第2の投射光を投射した測定用光
源22の位置の距離mを測定する。
【0056】そして、基準点33と融液面M1の距離
Lは、
【0057】
【数5】L=m×sinθ・・・・(1)
【0058】により求められるので、θ及びmを式
(1)に代入すれば基準点33と融液面M 1の距離Lが
算出される。この値Lが所定の値でない場合には、必要
量だけルツボを上下動させて基準点33と融液面M1
所望の値に設定する。
【0059】単結晶棒の引上げにあたっては、融液面
1の位置を所定の位置に調整し炉体内構造物16の基
準点33と第2の投射光による反射光の照射点35bの
高さ位置(融液面M1に垂直な方向の位置)を一致さ
せ、その後に結晶引上げを開始し、結晶の引上げ中は炉
体内構造物16の基準点33と第2の投射光による照射
点35bが常に同じ高さ位置になるように融液面M1
調整すれば、融液面M1の位置を引上げ開始から終了ま
で一定位置に保って操業を行なうことができる。
【0060】(2)本発明の第2の融液面位置測定方法
による融液面位置測定手順図5は、本発明の第2の融液
面位置測定方法の原理を示す説明図である。 まず最初に炉体内構造物16の基準点33に対して、
測定用光源22から第1の投射光B1を直接基準点33
に照射し、測定光が炉体内構造物16の基準点33に投
影されること、即ち、基準点33と照射点35aとが一
致することを確認する。
【0061】次に、測定用光源22を回転させて第2
の投射光B2を原料融液面M1に投射し、その反射光B3
の照射点35bを基準点33にあたるように測定用光源
22を設定する。
【0062】そして、投射光B2の垂直位置(融液面
1と直交する方向)となす角θを計測する。
【0063】その後、あらかじめ求めておいた基準点
33から測定用光源22までの水平距離aと垂直距離b
により基準点33と融液面M1までの距離Lを、
【0064】
【数6】 L=1/2×(a/tanθ−b)・・・・(2)
【0065】により求める。これによって基準点33と
融液面M1の距離Lが算出され、Lの値が所定の値でな
い場合には、必要量だけルツボCを上下動させて基準点
と融液面を調整し原料融液面M1の位置を所望の値に設
定する。
【0066】続いて、本発明の融液面位置測定方法の第
1の態様に好適に用いられる第1の測定用光源の係止機
構の構成の1例を、図2に基づいて説明する。この第1
の測定用光源の係止機構27は、測定用光源22と、該
測定用光源22が係止され且つ支点26を中心に回動可
能なバーニア28と、そしてこれらを支える取付け台2
4とから構成されている。取付け台24は、図1に示さ
れるが如く炉内融液面M1を観察できる結晶製造装置1
2のメインチャンバ14に設置され、バーニア28を支
点26に支持しているが、この支点26にはバーニア2
8が鉛直方向となす角θを知ることができるようにロー
タリーエンコーダ(不図示)を設けバーニア28の傾き
を常に電気信号として取り出すことができる。
【0067】また、バーニア28上にある測定用光源2
2は、バーニア28上であれば自在に平行移動可能であ
り、前述した第1の投射光A1及び第2の投射光A2を照
射するときに適宜の位置に移動できると同時に、測定用
光源22にもバーニア28上での位置及び測定用光源2
2の移動距離がわかるようにロータリーエンコーダ(不
図示)が取付けられており、測定用光源22の位置を電
気信号として取り出すことが可能である。本発明の第1
の融液面位置測定装置は、この第1の測定用光源の係止
機構27を用いて構成される。
【0068】そして、図1に示されるように、この第1
の測定用光源の係止機構27が設けられる光源用窓30
に隣接するカメラ用窓32には、測定用光源22からメ
インチャンバ14内に照射され炉体内構造物16上に投
影された照射点35a,35bを観察するためのテレビ
カメラ34が設置され、常に炉体内構造物16上の基準
点33と測定用光源22の照射点35a,35bが観察
測定できる。なお、テレビカメラ34の撮像素子として
CCD半導体撮像素子を、測定用光源22には半導体レ
ーザ素子を用いるのが好適である。
【0069】原料融液面M1の測定にあたっては、多結
晶原料の溶融が終了した後にルツボ位置を概ね所定の位
置に合わせ、測定用光源22とバーニア28を移動回転
させて製造装置12の炉体内構造物16の基準点33に
向け第1の測定光を照射し、基準点33と第1の測定光
1による炉体内構造物16上の照射点35aが一致す
るように調整を行なう。
【0070】その調整の後、今度は測定用光源22をバ
ーニア28を動かすことなく下方へ平行移動し測定用光
源22のレーザー光を原料融液面M1で反射させ第2の
測定光A2を作り、この反射光A3が炉体内構造物16に
投射された照射点35bが高さ方向において基準点33
位置と同じ位置になるよう光源位置をセットする。図6
は、炉体内構造物16に設けられた基準点33に対し、
第2の測定光による反射光が炉体内構造物16に形成す
る反射光の照射点35bの状態を示すカメラ画像の概略
図である。図6において、16aは炉体内構造物16の
下端である。
【0071】そして、反射光A3の照射点と基準点の高
さ方向の位置が同じになった時にバーニア28の鉛直方
向となす角θ及び第1の投射光A1を投射した時の光源
位置と第2の投射光A2を投射した時の光源位置との距
離mから、融液面と構造物基準点までの距離Lを前記し
た(1)式により算出することができる。
【0072】実際に図2に示した測定用光源の係止機構
27と同様の機構を具備した融液面位置測定装置を作成
して測定したところ、m=90mm、θ=38°であっ
たことから、融液面M1と基準点33の距離L=m×si
nθ=90mm×sin38°=55.4mmと求めるこ
とができた。しかし、本発明の融液面の位置測定装置で
は融液面M1位置と基準点33の距離は50mmが好ま
しいため、図7(a)に示されるように、ルツボ支持軸
15を操作して融液面M1を少しの距離n、上記の場合
であれば、5.4mmだけ上方に移動させて融液面
1’とし所望の値に調整した。図7は、融液面M1が変
化したときの反射光の炉体内構造物16上の変位を示す
説明図である。
【0073】この操作によって、反射光A3の照射点3
5bも上方に移動して反射光A3’となったため再度測
定用光源22を調整し、反射光A3の照射点35bと基
準点33の位置が重なるように調整した後、操業条件制
御用コンピュータ38を用いてこの状態を保ちながら結
晶を引上げたところ、所望の直径に対する誤差が少なく
結晶直径のバラツキも5mm以内の安定した形状を持つ
結晶を得ることができた。また、結晶軸方向の酸素濃度
のバラツキも少なく、全て製品規格の規格値内であっ
た。
【0074】なお、上記した図示例では測定用光源22
を投射光A1と投射光A2の両方の光源として用いたが、
投射光A1を形成する光源と投射光A2を形成する光源を
各々別にしても同じように融液面位置の計測が可能であ
る。このような装置構成とすれば、操業中に測定装置に
誤差が生じた場合でも、直ちにその誤差を修正して操業
を継続することが可能となる。
【0075】本発明の融液面位置測定方法の第2の態様
に好適に用いられる第2の測定用光源の係止機構の構成
の1例を、図3に基づいて説明する。この第2の測定用
光源の係止機構29は、測定用光源22と、該測定用光
源22が係止され旦つ支点26を中心に回動可能なよう
に取付けられた取付け台24とから構成されている。取
付け台24は、図1に示されるが如く炉内融液面M1
観察できる結晶製造装置12のメインチャンバ14に設
置され、測定用光源22を支点26で支持しているが、
この支点26には測定用光源22が鉛直方向となす角θ
を知ることができるようにロータリーエンコーダ(不図
示)を設け測定用光源22の傾きを常に電気信号として
取り出すことができる。本発明の第2の融液面位置測定
装置は、この第2の測定用光源の係止機構29を用いて
構成される。
【0076】そして、図1に示されかつ前述した第1の
測定用光源の係止機構27の場合と同様に、この第2の
測定用光源の係止機構29が設けられる光源用窓30に
隣接するカメラ用窓32には、測定用光源22からメイ
ンチャンバ14内に照射され炉体内構造物16上に投影
された照射点35a,35bを観察するためのテレビカ
メラ34が設置され、常に炉体内構造物16上の基準点
33と測定用光源の照射点35a,35bが観察測定で
きるように配置されている。この第2の融液面位置測定
装置においても、テレビカメラ34の撮像素子としてC
CD半導体撮像素子が、測定用光源22には半導体レー
ザ素子が好適に使用される。
【0077】実際に図3に示した測定用光源の係止機構
29と同様の機構を具備した融液面位置測定装置を作成
し、次の測定を行った。原料融液面M1の測定にあたっ
ては、多結晶原料の溶融が終了した後にルツボ位置を概
ね所定の位置に合わせ、測定用光源22を回動させて製
造装置12の炉体内構造物16の基準点33に向け第1
の測定光を照射し、基準点33上に第1の測定光B1
よる投射光が問題なく照射点35aとして投影されるこ
とを確認した。
【0078】次に、測定用光源22を下方に回転し、測
定用光源22のレーザー光を原料融液面で反射させ第2
の測定光B2を作り、この反射光B3が炉体内構造物16
に投射された照射点35bが高さ方向において基準点3
3位置と同じ位置になるよう測定用光源22を回転させ
た。
【0079】そして、反射光B3の照射点35bと基準
点33の高さ方向の位置が同じになった時の測定用光源
22が鉛直方向となす角θを測定検知し、融液面と構造
物基準点までの距離Lを(2)式により算出した。
【0080】なお、操業前に事前に測定用光源22と炉
体内構造物上の基準点33の水平方向の距離aと垂直方
向の距離bは計測しており、a=500mm,b=65
0mm、そして測定用光源22が鉛直方向となす角θは
θ=33°であった。
【0081】これらの計測値から、融液面と基準点の距
離L=1/2×(a/tanθ−b)=1/2×(50
0mm/tan33°−650mm)=60.0mmと
求めることができた。しかし、本装置での融液面位置と
基準点の距離は50mmが好ましいため、図7(b)に
示されるように、ルツボ支持軸15を操作して融液面M
1をn=10mmだけ上方に移動させて融液面M1’と
し、所望の値に調整した。
【0082】この操作によって、反射光B3の照射点3
5bも上方に移動して反射光B3’となったため再度測
定用光源を調整し、反射光B3の照射点35bと基準点
33の位置が重なるように調整した後、操業条件制御用
コンピュータ38を用いてこの状態を保ちながら結晶を
引上げたところ、所望の直径に対する誤差が少なく結晶
直径のバラツキも5mm以内の安定した形状を持つ結晶
を得ることができた。また、結晶軸方向の酸素濃度のバ
ラツキも少なく全て製品規格の規格値内で、結晶全長に
わたって品質の安定した結晶を得ることができた。
【0083】従って、本発明の融液面位置測定方法、融
液面位置測定装置を用いることによって育成する単結晶
棒の定径部径のバラツキが小さく、そして、融液面上方
に設けられた炉体内構造物と融液面の間隔が常に一定に
保たれることで、結晶全体にわたって不純物濃度の分布
が安定した単結晶棒の育成が達成されることが確認され
た。
【0084】なお、本発明は上記した実施の形態に限定
されるものではない。上記の実施の形態は単なる例示で
あり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想
と実質的に同一な構成を有し、同様の効果を奏するもの
はいかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含さ
れることは勿論である。
【0085】例えば、本発明の装置の基準点として炉体
内構造物に基準点を設ける方法や、炉体内構造物に外か
ら光源を投射して基準点とする方法を例示したが、画像
処理装置や記憶装置を組み合わせることによって電気的
に基準点を記憶装置に読みとり、このデータを基に融液
面の位置制御を行うような方法や装置としてもよいし、
基準点あるいは融液面位置に関するデータ等を外部から
入力して融液面位置制御を行う装置としてもよい。ま
た、本発明の装置は磁場を印加しないで単結晶を育成す
るCZ法単結晶育成装置を例にあげて説明したが、原料
融液に磁場を印加しながら単結晶を育成するMCZ法に
よる単結晶の育成においても同様の効果が得られること
は言うまでもない。そして、本発明をシリコン以外の単
結晶成長にも利用可能なことは当然であり、CZ法を用
いた例えばGaAs結晶等の化合物半導体の育成に適用
した場合でもその効果を十分に発揮することができる。
【0086】
【発明の効果】以上述べたごとく、CZ法を用いた半導
体単結晶の引上げにおいて本発明の原料融液面位置の測
定方法及び装置を用いれば、単結晶棒の育成中であって
も融液面位置を常時計測できるので、結晶育成開始から
終了まで融液面位置を一定に保つことができる。これに
より結晶全長にわたって定径部径の安定した単結晶棒を
得ることが可能となり、以降の単結晶をウェーハに加工
する工程での単結晶棒の研削ロスが軽減でき、併せて作
業時間の短縮も図ることができる。
【0087】また、炉体内構造物と融液面の間隔を精度
良く一定に保って操業できるようになったことで、結晶
中の不純物濃度、特に酸素濃度の結晶軸方向でのバラツ
キを抑えられるようになり安定した品質の結晶を生産す
るが可能となる。特に、同じ品質の単結晶棒を量産する
場合の工程間バラツキ、製造装置間での機差バラツキを
軽減することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の融液面位置測定装置を備えた単結晶
製造装置の断面的説明図である。
【図2】 本発明の第1の測定用光源の係止機構の概略
側面説明図である。
【図3】 本発明の第2の測定用光源の係止機構の概略
側面説明図である。
【図4】 本発明の第1の融液面位置測定方法の原理を
示す説明図である。
【図5】 本発明の第2の融液面位置測定方法の原理を
示す説明図である。
【図6】 炉体内構造物の基準点と反射光の照射点の状
態を示すカメラ画像の概略図である。
【図7】 融液面が変位したときの反射光の炉体内構造
物上の変化を示す説明図で、(a)は第1の融液面位置
測定装置の場合及び(b)は第2の融液面位置測定装置
の場合をそれぞれ示す。
【図8】 従来の単結晶製造装置の1例を示す断面的説
明図である。
【図9】 従来の融液面位置検出装置の1例を示す断面
的概略説明図である。
【符号の説明】
12:単結晶製造装置、14:メインチャンバ、15:
ルツボ支持軸、16:炉体内構造物、16a:炉体内構
造物下端、17:種ホルダ、18:ヒータ、19:種結
晶、20:熱遮蔽部材、21:上部チャンバ、22:測
定用光源、23:ワイヤ、24:取付け台、25:ワイ
ヤ巻取り巻出し機構、26:支点、27:第1の測定用
光源の係止機構、28:バーニア、29:第2の測定用
光源の係止機構、30:光源用窓、32:カメラ用窓、
33:基準点、34:炉内撮像用カメラ、35a,35
b:照射点、36:画像処理装置、38:操業条件制御
用コンピュータ、42:光源、44:炉本体、46:第
一開口窓部、48:第二開口窓部、50:受光素子、
C:石英ルツボ、M:原料融液、M1:原料融液面、
S:単結晶。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F014 AC06 FA01 4G077 AA02 BA04 CF10 EG30 5F053 AA13 AA42 AA44 DD01 DD03 FF04 GG01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CZ法により炉体内に設けられたルツボ
    内の原料融液から単結晶を引上げる単結晶製造装置にお
    ける原料融液面の位置を測定する方法であって、測定用
    光源からの第1の投射光を該炉体内の原料融液面上方に
    配設した炉体内構造物上の基準点に直接照射する工程
    と、該測定用光源からの第2の投射光を該原料融液面に
    照射しその反射光を該炉体内構造物の基準点に照射する
    工程を有し、該反射光の照射点と該基準点とが一致した
    ときの該反射光と原料融液面とのなす角(θ)及び該基
    準点に照射したときの第1の投射光位置と該反射光の照
    射点と該基準点とが一致したときの第2の投射光位置と
    の直線距離(m)をそれぞれ測定し、基準点と原料融液
    面との距離(L)を下記式(1)によって算出すること
    を特徴とする融液面位置測定方法。 【数1】L=m×sinθ ・・・・・・・(1)
  2. 【請求項2】 CZ法により炉本体内に設けられたルツ
    ボ内の原料融液から単結晶を引上げる単結晶製造装置に
    おける原料融液面の位置を測定する方法であって、測定
    用光源からの投射光を該原料融液面に照射しその反射光
    を該炉本体内の原料融液面上方に設けた炉体内構造物上
    の基準点に照射する工程を有し、該反射光の照射点と該
    基準点とが一致したときの該反射光と該原料融液面と直
    交する直線とのなす角(θ)及び該測定用光源から該基
    準位置までの水平距離(a)及び垂直距離(b)をそれ
    ぞれ測定し、基準点と原料融液面との距離(L)を下記
    式(2)によって算出することを特徴とする融液面位置
    測定方法。 【数2】 L= 1/2×(a/tanθ−b)・・・(2)
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の原料融液面の位置
    測定方法を用いたCZ法による単結晶引上げ方法であ
    り、融液面初期位置及び融液面と炉体内構造物との相対
    距離を常時測定して単結晶の引上げを行うことを特徴と
    する単結晶製造方法。
  4. 【請求項4】 CZ法により炉体内に設けられたルツボ
    内の原料融液から単結晶を引上げる単結晶製造装置にお
    ける原料融液面の位置を測定する装置であって、該炉本
    体内の原料融液面上方に配設した炉体内構造物上に設け
    た基準点と、第1の投射光を該炉体内構造物の基準点に
    直接照射するための第1の投射光の測定用光源と、第2
    の投射光を該原料融液面に照射しその反射光を該炉体内
    構造物上の基準点に反射させるための第2の投射光の測
    定用光源と、該測定用光源からの第2の投射光を該原料
    融液面に照射しその反射光を該炉体内構造物上の基準点
    に反射するための第2の投射光の測定用光源を移動操作
    する測定用光源移動操作手段と、該第1の投射光の測定
    用光源と該第2の投射光の測定用光源との距離を計測す
    る距離測定手段と、該第2の投射光の測定用光源からの
    投射光を該原料融液面に照射しその反射光を該炉体内構
    造物上の該基準点に投射した時の該反射光と該原料融液
    面と直交する直線とのなす角(θ)を求める角度検出手
    段を有することを特徴とする融液面位置測定装置。
  5. 【請求項5】 CZ法により炉体内に設けられたルツボ
    内の原料融液から単結晶を引上げる単結晶製造装置にお
    ける原料融液面の位置を測定する装置であって、該炉本
    体内の原料融液面上方に配設した炉体内構造物上に設け
    た基準点と、原料融液面の位置を測定するために該原料
    融液面に照射光を照射するための測定用光源と、該測定
    用光源からの投射光を該原料融液面に照射しその反射光
    を該炉体内構造物上の基準点に反射するための測定用光
    源を回転操作し該反射光の照射点と該基準点とが一致し
    た時の該反射光と該原料融液面とが直交する直線とのな
    す角(θ)を求める角度検出手段とを有することを特徴
    とする融液面位置測定装置。
  6. 【請求項6】 前記単結晶製造装置内に照射する前記測
    定用光源の照射光が、可視領域の波長を有するレーザー
    光であることを特徴とする請求項4又は5に記載の融液
    面位置測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか1項記載の融液
    面位置測定装置と、該融液面位置測定装置に接続される
    操業条件制御用コンピュータと、該操業条件制御用コン
    ピュータからの制御命令によってルツボの位置を制御す
    るルツボ位置制御装置とを有し、前記原料融液面からの
    反射光の照射点の位置と前記基準点位置とが一致しない
    場合には該操業条件制御用コンピュータからの制御命令
    により該ルツボ位置制御装置がルツボ位置を制御するこ
    とによって該照射点の位置と該基準点位置とを一致させ
    るようにしたことを特徴とする単結晶製造装置。
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