JP2002013314A - 免振装置 - Google Patents

免振装置

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JP2002013314A
JP2002013314A JP2000199505A JP2000199505A JP2002013314A JP 2002013314 A JP2002013314 A JP 2002013314A JP 2000199505 A JP2000199505 A JP 2000199505A JP 2000199505 A JP2000199505 A JP 2000199505A JP 2002013314 A JP2002013314 A JP 2002013314A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな支持荷重に対してローリングシール部
材の支持能力を高めるとともに、空気ばねの耐久性およ
び安全性を確保するようにした免振装置を提供する。 【解決手段】 空気ばね11はベース12から上方に突
設される内側部材13と、内側部材13の上方端部を適
宜間隔をもって覆う外側部材14と、これら内側部材1
3と外側部材14との間を両者の相対移動を許容しつつ
密封するローリングシール部材15とを備える。ローリ
ングシール部材15は、内側部材13と外側部材14と
の間に主空気室16側から外方に向かって並列に配置さ
れる第1シール部材20と第2シール部材21とによっ
て構成される。第1,第2シール部材20,21間の副
空気室22には、主空気室16の空気圧P1より低い空
気圧P2を封入し、第1シール部材20に差圧(P1−P
2)を作用させ、第2シール部材21に低い空気圧P2を
作用させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は免振装置にかかり、
とりわけ空気ばねを用いて構造物の効果的な長周期化を
可能とする上下方向の免振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】免振装置は、地盤や床などの振動が入力
されるベースと、このベース上に設置される建物や精密
機器、その他の振動を嫌う設備や装置、物品などの免振
対象物との間に、いわゆる長周期化手段を設け、この長
周期化手段によって免振対象物側の固有周期をベースに
入力される振動の周期よりも長周期化して、ベースから
免振対象物へと入力される振動を低減するようになって
いる。
【0003】長周期化手段としては、積層ゴムやコイル
ばね、更には空気ばねなどに代表される各種の弾性体が
採用されている。特に空気ばねは空気の圧縮弾性を利用
したばねであるため、他のばねに比べて柔らかく、免振
対象物の長周期化に優れた特性を示す。このため、空気
ばねを免振装置として用いることが好ましく、該空気ば
ねの上下ばね力や水平ばね力(横剛性)を利用すること
により優れた免振装置を提供することができる。この場
合、上下ばね力を用いることにより上下免振装置が構成
され、また、上下ばね力と水平ばね力の両者を用いるこ
とにより三次元免振装置が構成される。
【0004】ところで、上記空気ばねとしては一般的に
はベローズ型空気ばねが用いられ、その代表的な構造
は、山および谷が周方向に形成されて蛇腹状となった筒
状のゴムベローズと、その上下を覆う金属製の面板と、
ゴムベローズの谷部分に嵌合される中間リングとを備え
て構成される。そして、該空気ばねの上下ばねは、ゴム
ベローズ内に封入された空気が該ゴムベローズの伸縮を
伴って圧縮されるときの弾性力によって得られる一方、
水平ばねは、封入された空気圧に依存して発生する復元
力とゴムベローズの剛性的性質とによって得られる。
【0005】ところで、上記ベローズ型空気ばねは大荷
重の免振対象物の支持性を高めるためゴムベローズの高
さ、つまり蛇腹の段数を少なくしたものを使用すると、
空気室の容積が小さくなるため、ベースと免振対象物と
の間の相対的な上下振幅に対して空気圧が過剰に上昇
し、ゴムベローズが許容量を超えて膨出するなどして耐
久性に問題が生ずる。そこで、空気圧の過剰な上昇を抑
えるために空気室の容積を増大しようとすると、ゴムベ
ローズの段数を増やして空気ばねを高くすることにな
る。しかし、このように空気ばねを高くするとゴムベロ
ーズは座屈を起こし易くなり、大地震を対象とした大荷
重や大振幅に対処するのが困難になってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記ゴムベロ
ーズの座屈を回避する方法として、本発明者は上記ベロ
ーズ型空気ばねに代えてローリングシール型空気ばねを
用いることを提案するもので、このローリングシール型
空気ばねは、相互に適宜間隔を設けて同心配置される中
実の内側部材および中空筒体状の外側部材と、これら内
側部材の外周と外側部材の内周との水平方向隙間に垂れ
下がるように折り返されて配置される可撓性筒状のロー
リングシール部材とを備えて構成される。ローリングシ
ール部材はその中間部分を折り返し、その内周部分を内
側部材外周に沿わせてその端部を該内側部材の上端部に
気密に取り付けるとともに、外周部分を外側部材内周に
沿わせてその端部を該外側部材の上端部に気密に取り付
け、内側部材と外側部材との間に形成される空気室を密
封する。
【0007】そして、振動入力により内側部材と外側部
材とが上下方向に相対変位すると、ローリングシール部
材は水平方向隙間で折り返し部分が繰り上げられたり、
繰り下げられるようになっている。このとき、該空気室
に作用する圧力はローリングシール部材に作用するので
あるが、該ローリングシール部材の折り返し部分は内側
部材と外側部材との水平方向隙間を閉塞する部分であ
り、この折り返し部分で空気室内圧を受け止めることに
なる。
【0008】ところで、上記ローリングシール型空気ば
ねを免振装置の長周期化手段として用いる場合、過大地
震の大きな振動振幅に対応させるためには内側部材と外
側部材との間に形成される空気室の容積を大きくするこ
とが望ましい。この場合、空気ばねを高くすることなく
空気室の容積を増大するためには、中実の内側部材と中
空筒体状の外側部材との間の水平方向隙間を大きくする
ことになる。しかしながら、このように内側部材と外側
部材との間の水平方向隙間が大きくなると、これら内側
部材と外側部材との間を閉塞しているローリングシール
部材の受圧面積が増大する。そしてこの受圧面積が増大
したローリングシール部材に空気室内の圧力がすべて作
用することになり、当該ローリングシール部材で受け止
めるべき力がきわめて大きくなる。
【0009】一方、空気ばねは、許容される空気圧を大
きくすればするほど支持荷重が増大するため、その設置
個数を削減することができる。ところが、原子力構造物
などのように大重量の免振対象物を、少ない空気ばねの
個数で支持しようとした場合、個々の空気ばねに作用す
る荷重が著しく大きくなって、ローリングシール部材で
負担すべき空気圧が一般に想定される許容限界値をはる
かに超えてしまい、そのような大重量物に対して適用す
ることができない。
【0010】他方、仮にローリングシール部材が破損す
ると空気ばねによる支持力が無くなり、免振対象物の支
持能力が失われてしまうという課題もあった。
【0011】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て成されたもので、大きな支持荷重に対してローリング
シール部材の支持能力を高めるとともに、空気ばねの耐
久性および安全性を確保するようにした免振装置を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の免振装置は、振動が入力されるベースと該
ベース上方の免振対象物との間に設けられ、これらベー
スまたは免振対象物の一方から他方へ向かって突出され
る内側部材と、上記ベースまたは上記免振対象物の他方
から一方へ向かって突出され、上下方向および水平方向
に適宜間隔を隔てて上記内側部材の外周を囲繞する中空
筒体状の外側部材と、これら外側部材の内周と内側部材
の外周との水平方向隙間に垂れ下がるように折り返され
て配置され、その内周部分を該内側部材外周に沿わせて
その内側端部を当該内側部材に気密に取り付けるととも
に、その外周部分を該外側部材内周に沿わせてその外側
端部を当該外側部材に気密に取り付けて、その内部に内
圧がかけられる気体封入空間を形成する可撓性筒状のロ
ーリングシール部材とを備え、該ローリングシール部材
を上記水平方向隙間に上下に多段に設けてこれらローリ
ングシール部材相互間には補助気体封入空間を形成し、
これら補助気体封入空間にかける内圧を、上記気体封入
空間から離れるに従って順次低く設定したことを特徴と
する。
【0013】この場合、免振対象物としては建物などの
大荷重の構造物のみならず、精密機器やその他の振動を
嫌う設備、装置、並びに物品を対象とすることもでき
る。
【0014】また、本発明の免振装置では、上記複数の
ローリングシール部材のうち少なくともいずれかのロー
リングシール部材には、上記外側部材および上記内側部
材にその両端をそれぞれ取り付けて、該ローリングシー
ル部材の輪郭に沿って紐状の補強部材を配設することが
好ましい。
【0015】更に、本発明の免振装置では、上記外側部
材の内周および上記内側部材の外周にはそれぞれ、それ
らの周方向にスライド自在に、上記補強部材を係脱自在
に収納するガイドを配設することが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を添付
図面を参照して詳細に説明する。図1〜図4は本発明の
免振装置の一実施形態を示し、図1はローリングシール
型空気ばねの縦断面図、図2は図1中のA−A線断面
図、図3は図1中のB部拡大断面図、図4は図1中のC
−C線からの拡大断面図である。
【0017】本実施形態の免振装置10は、図1,図2
に示すように空気ばね11を用いて、これの上方に設置
される図外の建物の固有周期を長周期化するもので、基
本的には、振動が入力されるベース12とベース12上
方の免振対象物との間に設けられ、これらベース12ま
たは免振対象物の一方から他方へ向かって突出される内
側部材13と、ベース12または免振対象物の他方から
一方へ向かって突出され、上下方向および水平方向に適
宜間隔を隔てて内側部材13の外周を囲繞する中空筒体
状の外側部材14と、これら外側部材14の内周と内側
部材13の外周との水平方向隙間Sに垂れ下がるように
折り返されて配置され、その内周部分を内側部材13外
周に沿わせてその内側端部を当該内側部材13に気密に
取り付けるとともに、その外周部分を外側部材14内周
に沿わせてその外側端部を当該外側部材14に気密に取
り付けて、その内部に内圧がかけられる気体封入空間と
しての主空気室16を形成する可撓性筒状のローリング
シール部材15とを備え、当該ローリングシール部材1
5を第1シール部材20および第2シール部材21とか
ら構成して、これらを水平方向隙間Sに上下に多段に設
けてこれら第1シール部材20および第2シール部材2
1相互間には補助気体封入空間として副空気室22を形
成し、これら副空気室22にかける内圧を、主空気室1
6から離れるに従って順次低く設定して構成され、ま
た、複数のシール部材20,21のうち少なくともいず
れかの第2シール部材21には、外側部材14および内
側部材13にその両端をそれぞれ取り付けて、第2シー
ル部材21の輪郭に沿って紐状の補強部材としてのケー
ブル30が配設され、さらに、外側部材14の内周およ
び内側部材13の外周にはそれぞれ、それらの周方向に
スライド自在に、ケーブル30を係脱自在に収納するガ
イド31が配設される。
【0018】すなわち、免振装置10は図外の建物基礎
と上記建物との間に介在されて、この建物を地震などの
入力振動から免振する。上記空気ばね11はローリング
シール型空気ばね(以下、単に空気ばねと称する)とし
て構成され、この空気ばね11は振動が建物基礎から入
力されるベース12を備え、該ベース12から上方に突
設される内側部材13と、この内側部材13の上方端部
を適宜間隔をもって覆う外側部材14と、これら内側部
材13と外側部材14との間を両者の相対移動を許容し
つつ密封するローリングシール部材15とを備えて構成
される。
【0019】上記内側部材13は、上記外側部材14に
対向する上端部が開口部13aをもって開放されるとと
もに、該開口部13aに連通する中空部13bが形成さ
れて中空円筒状に形成される。そして、該内側部材13
の下端部は上記ベース12に一体に固定されて閉塞され
る。一方、上記外側部材14は内側部材13の上端に適
宜間隔をもって対向される端板14aと、この端板14
aの外周から環状に垂下される周壁14bとによって断
面逆U字状に形成され、周壁14bが上記内側部材13
の上端部外周を同心円状に囲繞するようになっており、
かつ端板14aが図外の建物の下面に固定される。
【0020】上記ローリングシール部材15は、上記内
側部材13と上記外側部材14との水平方向隙間S内に
上下に並列に配置される第1シール部材20と第2シー
ル部材21とによって構成される。これら第1,第2シ
ール部材20,21は繊維補強されたゴムを素材として
自然状態で円筒状を成すようにそれぞれ成形され、その
中間部分を折り返して片側が裏返される状態で上記内側
部材13と上記外側部材14とに跨って取り付けられ
る。
【0021】即ち、上記第1,第2シール部材20,2
1は中間部分で折り返されることにより、裏返される側
の一端部が外周部分20a,21aとなり、その反対側
の他端部が内周部分20b,21bとなる。そして、内
周部分20b,21bが上記内側部材13の上端部外周
に沿わされるとともに、外周部分20a,21aが上記
外側部材14の周壁14b内周に沿わされる。このと
き、上記内周部分20b,21bおよび外周部分20
a,21aの各端部は、それぞれが内側部材13および
外側部材14に気密に固定される。この状態で上記第
1,第2シール部材20,21は、その折り返し部分2
0c,21cが内側部材13の外周と外側部材14の内
周との間に垂れ下がった状態でそれら両者間を密封し、
これら内側部材13および外側部材14と第1シール部
材20とで囲まれた空間部が主空気室16として構成さ
れるとともに、第1シール部材20と第2シール部材2
1で囲まれた空間部が補助気体封入空間である副空気室
22として構成される。
【0022】従って、このように構成された空気ばね1
1は地震などの振動が入力されることにより、ベース1
2と建物とが相対的に上下変位すると、これに伴って内
側部材13と外側部材14が上下方向に相対変位して、
これら両者間に形成される主空気室16内の容積変化を
伴いつつ空気圧が変化される。このように主空気室16
が容積変化される際、第1,第2シール部材20,21
は内周部分20b,21bと外周部分20a,21aが
水平方向隙間Sで繰り上げられたり、繰り下げられるこ
とになる。
【0023】ここで、上記第1,第2シール部材20,
21間に構成される副空気室22には、上記主空気室1
6の空気圧P1より低い空気圧P2、望ましくは建物の静
荷重が作用した状態で設定される主空気室16の空気圧
P1の略半分程度の空気圧P2が封入されるようになって
いる。
【0024】また、本実施形態では上記第1,第2シー
ル部材20,21それぞれにそれらの輪郭に沿って、複
数本の紐状の補強部材としてケーブル30が配置され、
これらケーブル30によって第1,第2シール部材2
0,21に作用する主空気室16内の圧力および副空気
室22内の圧力がそれぞれ受け止められるようになって
いる。
【0025】第1,第2シール部材20,21それぞれ
に設けられた各ケーブル30は、内側部材13と外側部
材14との間でそれらの周方向に等間隔に配置され、折
り返し部分20c,21cから上方に立ち上がるそれぞ
れの両端部は、第1,第2シール部材20,21の取り
付け部位と略同位置で内側部材13および外側部材14
に取り付けられる。そして、各ケーブル30は、内側部
材13と外側部材14が上下方向に相対変位して、第
1,第2シール部材20,21の内周部分20b,21
bと外周部分20a,21aが水平方向隙間S内で交互
に繰り上げ下げされる際に、これと同期して繰り上げ繰
り下げされるようになっている。
【0026】各シール部材20,21に配設される各ケ
ーブル30の両端部と内側部材13および外側部材14
との間には、ガイド31が介在される。ガイド31はケ
ーブル30の1本1本に対応して独立して設けられてい
る。これらガイド31はゴムを素材として図4に示すよ
うに断面が山形状に形成される。そして、それぞれのガ
イド31の底面31aは、内側部材13の外周および外
側部材14の内周にスライド自在に配置される。
【0027】また、上記第1,第2シール部材20,2
1の内周部分20b,21bおよび外周部分20a,2
1aが、主空気室16および副空気室22の空気圧で内
側部材13の外周および外側部材14の内周に圧着され
る際に、それら両者間に上記ガイド31が介在されるこ
とになるが、第1,第2シール部材20,21はこれら
ガイド31の表面に滑らかな曲線をもって接するように
なっている。
【0028】また、上記山形となった各ガイド31の頂
部には、上記ケーブル30を収納する溝部32が形成さ
れる。このとき、各溝部32の内側はゴム面でその滑り
が悪いため、これら溝部32内にケーブル30を滑らか
に収納するために断面コ字状の金属製のチャンネル部材
33が嵌着される。該チャンネル部材33には、図3に
示したようにゴム製のガイド31に備わった可撓性を拘
束しないように、幅方向に延びる多数のスリット33a
が長さ方向に細かい間隔をもって形成されている。
【0029】更に、上記ガイド31と内側部材13およ
び外側部材14との間には、これら内側部材13の外周
および外側部材14の内側を取り巻くように、テフロン
(登録商標)シートなどの低摩擦材34が取付けられ、
上記ガイド31が該低摩擦材34によって滑らかに移動
できるようになっている。
【0030】ところで、上記ガイド31は、図2に示し
たように内側部材13に配置されるガイド31の突出量
L1を、外側部材14に配置されるガイド31の突出量
L2より大きく設定し、それぞれのガイド31を含めた
内側部材13の外回りの長さと外側部材14の内回りの
長さとが略等しくなるように調整して、第1,第2シー
ル部材20,21の内周部分20b,21bの周囲の長
さと外周部分20a,21aの周囲の長さとを略等しく
してある。これによって、上下振動の入力により内側部
材13に沿う内周部分20b,21bが外側部材14の
内周に引き寄せられる際、およびこれとは逆に外側部材
14に沿う外周部分20a,21aが内側部材13の外
周に引き寄せられる際に、その繰り上げ繰り下げの挙動
を滑らかに行わせることができる。特に、上記外周部分
20a,21aが外側部材14に沿っている状態から内
側部材13に引き寄せられる際に、第1,第2シール部
材20,21にシワが寄るのを防止することができる。
【0031】以上の構成により本実施形態の免振装置1
0にあっては、空気ばね11は入力振動の上下振動成分
により内側部材13と外側部材14とが上下方向に相対
変位されると、これに伴って主空気室16内が圧力変化
され、このときの空気の圧縮弾性により上下ばね機能が
発揮されて、建物の上下方向の固有周期を長周期化して
効果的な上下免振性能を発揮する。一方、上記入力振動
の水平振動成分により内側部材13と外側部材14とが
水平方向に相対変位されると、主空気室16に封入され
た空気圧に依存して発生する復元力と第1,第2シール
部材20,21の剛性的性質(本実施形態ではケーブル
30の剛性も含まれる)とによって水平ばね機能が発揮
され、建物の水平方向の固有周期を長周期化して効果的
な水平免振性能を発揮する。従って、上記空気ばね11
は上記上下免振と上記水平免振とによって効果的な三次
元免振を達成することができる。
【0032】このとき、本実施形態では上記主空気室1
6の空気圧P1が第1シール部材20に作用し、これの
折り返し部分20cは外方に膨出しようとするが、該第
1シール部材20の外側には第2シール部材21によっ
て副空気室22が構成されているため、この副空気室2
2の空気圧P2を上記主空気室16の空気圧P1に対抗し
て上記折り返し部分20cに作用させることができる。
副空気室22の空気圧P2は主空気室16の空気圧P1よ
り低く設定されているため、上記折り返し部分20cに
はそれらの差圧(P1−P2)が作用し、結果的に該折り
返し部分20cが負担する実質的な圧力が低減される。
【0033】また、第2シール部材21の折り返し部分
21cには、主空気室16の昇圧の影響を受けた副空気
室22の空気圧P2が作用するが、この空気圧P2は上述
したように、そもそも主空気室20の空気圧P1よりも
低いため、該折り返し部分21cが負担する圧力は小さ
い。ここで、P2≒(1/2)P1とした場合には、第1
シール部材20の折り返し部分20cと第2シール部材
21の折り返し部分21cとがそれぞれ負担する実質的
な圧力はおおよそ等しくなり、これら第1,第2シール
部材20,21としてほぼ同一の肉厚のものを用いるこ
ともできる。
【0034】このようにローリングシール部材15を複
数段で構成することにより、第1,第2シール部材2
0,21それぞれが負担する実質的な圧力を小さくでき
ることから、ローリングシール部材15の耐久性を向上
することができるとともに、1つの空気ばね11の支持
荷重を高めることができる。従って、重量設備の設置な
どにより建物が大荷重となる場合にも、空気ばね11の
設置個数を削減してコストダウンを図り、かつ、免振装
置10の耐久性および安全性を確保することができる。
【0035】また、上記第1,第2シール部材20,2
1にはそれぞれの外側に沿ってケーブル30が設けられ
ているため、このケーブル30によって第1,第2シー
ル部材20,21を支持することができる。上記ケーブ
ル30の両端部は内側部材13および外側部材14に固
定されるため、各シール部材20,21に作用する空気
圧の一部を該ケーブル30で受け止めて内側部材13や
外側部材14へ逃がすことができる。従って、本実施形
態では上記ケーブル30を設けたことによっても、ロー
リングシール部材15が負担する圧力を低減し、空気ば
ね11の支持荷重を更に増大することができる。
【0036】ところで、上記ケーブル30の両端部はガ
イド31の溝部32に収納されるため、該ケーブル30
が突起物となって第1,第2シール部材20,21に局
部的な応力が発生するのを防止して、その耐久性を高め
ることができる。
【0037】一方、このようにケーブル30の両端部が
ガイド31の溝部32に収納されて係止されることによ
って、該ケーブル30の移動が拘束されることになり、
このケーブル30の剛性が内側部材13と外側部材14
との水平方向の相対変位に大きな抵抗を与えることにな
る。この抵抗は水平免振に悪影響を及ぼすが、本実施形
態では上記ガイド31が内側部材13および外側部材1
4に対してそれらの周方向へスライド自在となっている
ため、水平振動に対してガイド31が容易に移動して上
記ケーブル30の剛性による影響を著しく低減すること
ができる。特に、本実施形態では低摩擦材34を介して
ガイド31が容易に移動できるため、内側部材13と外
側部材14の水平変位が十分に許容されることになり、
水平振動に対する免振効果をさらに向上することができ
る。
【0038】そして、内側部材13と外側部材14との
径差を大きくした場合にも上述したように、第1,第2
シール部材20,21の繰り上げ下げの挙動の円滑性を
保証できて、主空気室16の拡大が可能となり、これに
よりベース12と建物との上下方向および水平方向の大
きな相対変位に対応できるようになる。そしてこのこと
は、空気ばね11の高さを高くすることなく、上下ばね
力および水平ばね力を確実に得ることができ、建物の安
定性を確保しつつ三次元免振の機能を向上することがで
きる。
【0039】ところで、上記空気ばね11はローリング
シール部材15を2枚の第1,第2シール部材20,2
1で構成したが、勿論3枚以上で構成することもでき、
この場合はそれぞれのシール部材間に構成される副空気
室に封入される空気圧は、主空気室16から外方に離れ
る程に低く設定されることになる。また、ケーブル30
は第1,第2シール部材20,21全てに設けた場合を
開示したが、いずれか1つに設けることによっても、ケ
ーブル30を設けたシール部材の耐久性を向上すること
ができる。更に、内側部材13をベース12側、外側部
材14を建物側に設けたが、これら内側部材13と外側
部材14を逆にして配置しても同様の機能を得ることが
できる。更にまた、上記実施形態にあっては、入力振動
として地震を例示して説明したが、交通振動や日常振動
であっても三次元免振できることはもちろんである。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明の免振装置
は、ローリングシール型空気ばねを用いて三次元免振を
行うようになっており、ローリングシール部材を水平方
向隙間に上下に多段に設けてこれらローリングシール部
材相互間には補助気体封入空間を形成し、これら補助気
体封入空間にかける内圧を、気体封入空間から離れるに
従って順次低く設定したので、各ローリングシール部材
にはこれを挟んだ補助気体封入空間の差圧を作用させる
ことができるため、該ローリングシール部材が負担する
実質的な圧力を低減して、空気ばねによる支持能力を高
め、かつ空気ばねの耐久性および安全性を確保すること
ができる。
【0041】また、複数のローリングシール部材のうち
少なくともいずれかのローリングシール部材には、外側
部材および内側部材にその両端をそれぞれ取り付けて、
ローリングシール部材の輪郭に沿って紐状の補強部材を
配設したので、ローリングシール部材に作用する圧力の
一部を当該補強部材に受け止めさせて、ローリングシー
ル部材の耐久性を向上することができる。
【0042】更に、外側部材の内周および内側部材の外
周にはそれぞれ、それらの周方向にスライド自在に、上
記補強部材を係脱自在に収納するガイドを配設したの
で、紐状の補強部材が突起物となってローリングシール
部材に局部的な応力が発生するのを防止することができ
るとともに、水平振動に対してガイドが移動して内側部
材と外側部材との水平変位を許容することができ、これ
によって空気ばねによる水平免振機能を確保することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す図1中のA−A線断
面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す図1中のB部拡大断
面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す図1中のC−C線か
らの拡大断面図である。
【符号の説明】
10 免振装置 11 空気ばね 12 ベース 13 内側部材 14 外側部材 15 ローリングシール部材 16 主空気室 20 第1シール部材 20a 外周部 20b 内周部 20c 折り返し部分 21 第2シール部材 21a 外周部 21b 内周部 21c 折り返し部分 22 副空気室 30 ケーブル 31 ガイド 32 溝部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動が入力されるベースと該ベース上方
    の免振対象物との間に設けられ、これらベースまたは免
    振対象物の一方から他方へ向かって突出される内側部材
    と、 上記ベースまたは上記免振対象物の他方から一方へ向か
    って突出され、上下方向および水平方向に適宜間隔を隔
    てて上記内側部材の外周を囲繞する中空筒体状の外側部
    材と、 これら外側部材の内周と内側部材の外周との水平方向隙
    間に垂れ下がるように折り返されて配置され、その内周
    部分を該内側部材外周に沿わせてその内側端部を当該内
    側部材に気密に取り付けるとともに、その外周部分を該
    外側部材内周に沿わせてその外側端部を当該外側部材に
    気密に取り付けて、その内部に内圧がかけられる気体封
    入空間を形成する可撓性筒状のローリングシール部材と
    を備え、 該ローリングシール部材を上記水平方向隙間に上下に多
    段に設けてこれらローリングシール部材相互間には補助
    気体封入空間を形成し、これら補助気体封入空間にかけ
    る内圧を、上記気体封入空間から離れるに従って順次低
    く設定したことを特徴とする免振装置。
  2. 【請求項2】 上記複数のローリングシール部材のうち
    少なくともいずれかのローリングシール部材には、上記
    外側部材および上記内側部材にその両端をそれぞれ取り
    付けて、該ローリングシール部材の輪郭に沿って紐状の
    補強部材を配設したことを特徴とする請求項1に記載の
    免振装置。
  3. 【請求項3】 上記外側部材の内周および上記内側部材
    の外周にはそれぞれ、それらの周方向にスライド自在
    に、上記補強部材を係脱自在に収納するガイドを配設し
    たことを特徴とする請求項2に記載の免振装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007218391A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Japan Atomic Energy Agency 高圧空気ばね式免震装置

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