JP2002021926A - 免振装置 - Google Patents

免振装置

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JP2002021926A
JP2002021926A JP2000199509A JP2000199509A JP2002021926A JP 2002021926 A JP2002021926 A JP 2002021926A JP 2000199509 A JP2000199509 A JP 2000199509A JP 2000199509 A JP2000199509 A JP 2000199509A JP 2002021926 A JP2002021926 A JP 2002021926A
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Japan
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rolling seal
seal member
vibration
inner member
air spring
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JP2000199509A
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English (en)
Inventor
Takahiro Somaki
孝裕 杣木
Mitsuru Kageyama
満 蔭山
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Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長周期化手段として用いる空気ばねの気体封
入空間の拡充化を図りつつ、簡単な構造をもって該ロー
リングシール部材の耐久性を向上し、もって空気ばねに
よる免振作用を保証することができるようにした免振装
置を提供する。 【解決手段】 空気ばね11を内側部材13と、内側部
材13の上方端部を適宜間隔をもって覆う外側部材14
と、これら内側部材13と外側部材14との間を両者の
相対移動を許容しつつ密封するローリングシール部材1
5とを備えて構成する。ローリングシール部材15の輪
郭に沿って外側面に、折り返し部分15cに作用する気
体封入空間16内の圧力を受け止めるケーブル20を設
けるとともに、ケーブル20とローリングシール部材1
5との間に、該ローリングシール部材15の外側を全体
的に覆うネット30を介在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は免振装置にかかり、
とりわけ空気ばねを用いて構造物の効果的な長周期化を
可能とする免振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】免振装置は、地盤や床などの振動が入力
されるベースと、このベース上に設置される建物や精密
機器、その他の振動を嫌う設備や装置、物品などの免振
対象物との間に、いわゆる長周期化手段を設け、この長
周期化手段によって免振対象物側の固有周期をベースに
入力される振動の周期よりも長周期化して、ベースから
免振対象物へと入力される振動を低減するようになって
いる。
【0003】長周期化手段としては、積層ゴムやコイル
ばね、更には空気ばねなどに代表される各種の弾性体が
採用されている。特に空気ばねは空気の圧縮弾性を利用
したばねであるため、他のばねに比べて柔らかく、免振
対象物の長周期化に優れた特性を示す。このため、空気
ばねを免振装置として用いることが好ましく、該空気ば
ねの上下ばね力や水平ばね力(横剛性)を利用すること
により優れた免振装置を提供することができる。この場
合、上下ばね力を用いることにより上下免振装置が構成
され、また、上下ばね力と水平ばね力の両者を用いるこ
とにより三次元免振装置が構成される。
【0004】ところで、上記空気ばねとしては一般的に
はベローズ型空気ばねが用いられ、その代表的な構造
は、山および谷が周方向に形成されて蛇腹状となった筒
状のゴムベローズと、その上下を覆う金属製の面板と、
ゴムベローズの谷部分に嵌合される中間リングとを備え
て構成される。そして、該空気ばねの上下ばねは、ゴム
ベローズ内に封入された空気が該ゴムベローズの伸縮を
伴って圧縮されるときの弾性力によって得られる一方、
水平ばねは、封入された空気圧に依存して発生する復元
力とゴムベローズの剛性的性質とによって得られる。
【0005】ところで、上記ベローズ型空気ばねは大荷
重の免振対象物の支持性を高めるためゴムベローズの高
さ、つまり蛇腹の段数を少なくしたものを使用すると、
空気室の容積が小さくなるため、ベースと免振対象物と
の間の相対的な上下振幅に対して空気圧が過剰に上昇
し、ゴムベローズが許容量を超えて膨出するなどして耐
久性に問題が生ずる。そこで、空気圧の過剰な上昇を抑
えるために空気室の容積を増大しようとすると、ゴムベ
ローズの段数を増やして空気ばねを高くすることにな
る。しかし、このように空気ばねを高くするとゴムベロ
ーズは座屈を起こし易くなり、大地震を対象とした大荷
重や大振幅に対処するのが困難になってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記ゴムベロ
ーズの座屈を回避する方法として、本発明者は上記ベロ
ーズ型空気ばねに代えてローリングシール型空気ばねを
用いることを提案するもので、このローリングシール型
空気ばねは、相互に適宜間隔を設けて同心配置される中
実の内側部材および中空筒体状の外側部材と、これら内
側部材の外周と外側部材の内周との水平方向隙間に垂れ
下がるように折り返されて配置される可撓性筒状のロー
リングシール部材とを備えて構成される。ローリングシ
ール部材はその中間部分を折り返し、その内周部分を内
側部材外周に沿わせてその端部を該内側部材の上端部に
気密に取り付けるとともに、外周部分を外側部材内周に
沿わせてその端部を該外側部材の上端部に気密に取り付
け、内側部材と外側部材との間に形成される空気室を密
封する。
【0007】そして、振動入力により内側部材と外側部
材とが上下方向に相対変位すると、ローリングシール部
材は水平方向隙間で折り返し部分が繰り上げられたり、
繰り下げられるようになっている。このとき、該空気室
に作用する圧力はローリングシール部材に作用するので
あるが、該ローリングシール部材の折り返し部分は内側
部材と外側部材との水平方向隙間を閉塞する部分であ
り、この折り返し部分で空気室内圧を受け止めることに
なる。
【0008】このようなローリングシール型空気ばねを
免振装置の長周期化手段として用いる場合、過大地震の
大きな振動振幅に対応させるためには内側部材と外側部
材との間に形成される空気室の容積を大きくすることが
望ましい。この場合、空気ばねを高くすることなく空気
室の容積を増大するためには、中実の内側部材と中空筒
状体の外側部材との間の水平方向隙間を大きくすること
になる。
【0009】しかしながら、内側部材と外側部材との間
の水平方向隙間を大きくすると、これら内側部材と外側
部材との間を閉塞しているローリングシール部材の折り
返し部分の面積は大きくなる。このため、空気室内の圧
力が大きな面積の当該折り返し部分に作用することにな
り、この折り返し部分で受け止めるべき圧力が大きくな
ってしまい、この状態で空気ばねに過大荷重が作用する
と空気室内の圧力が著しく増大して上記折り曲げ部分が
大きく膨出し、場合によってはその圧力が当該ローリン
グシール部材の脆弱な部分に集中して、その破損の要因
となる。
【0010】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て成されたもので、長周期化手段として用いる空気ばね
の気体封入空間の拡充化を図りつつ、簡単な構造をもっ
て該ローリングシール部材の耐久性を向上し、もって空
気ばねによる免振作用を保証することができるようにし
た免振装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の免振装置は、振動が入力されるベースと該
ベース上方の免振対象物との間に設けられ、これらベー
スまたは免振対象物の一方から他方側に向かって突出さ
れる内側部材と、上記ベースまたは上記免振対象物の他
方から一方側に向かって突出され、上下方向および水平
方向に適宜間隔を隔てて上記内側部材の外周を囲繞する
中空筒状体の外側部材と、これら外側部材の内周と内側
部材の外周との水平方向隙間に垂れ下がるように折り返
されて配置され、その内周部分を該内側部材外周に沿わ
せてその内側端部を当該内側部材に気密に取り付けると
ともに、その外周部分を該外側部材内周に沿わせてその
外側端部を当該外側部材に気密に取り付けて、上記ベー
スと上記免振対象物との上下相対変位に伴うこれら内側
部材と外側部材との上下相対変位に応じて該水平方向隙
間内で繰り上げ繰り下げ変位されるとともに、当該水平
方向隙間から該外側部材と該内側部材との間にわたって
気体封入空間を形成する可撓性筒状のローリングシール
部材とを備え、上記ローリングシール部材の輪郭に沿っ
て、当該ローリングシール部材に作用する上記気体封入
空間内の圧力を受け止める紐状の補強部材を設けるとと
もに、該紐状補強部材と上記ローリングシール部材との
間に、該ローリングシール部材を全体的に覆う面状の補
強部材を介在させたことを特徴とする。これによって面
状補強部材がローリングシール部材を全体的に包囲しつ
つその内圧を分担支持して、該ローリングシール部材の
膨出を抑えることができる。
【0012】また、上記面状補強部材に上記紐状補強部
材を取り付けることが好ましい。これによりローリング
シール部材に対する紐状補強部材のずれを防止でき、当
該紐状部材によってローリングシール部材に作用する圧
力を均等に受け止めさせることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を添付
図面を参照して詳細に説明する。図1〜図4は本発明の
免振装置の一実施形態を示し、図1はローリングシール
型空気ばねの縦断面図、図2は図1中のA部拡大断面
図、図3は図1中のB−B線からの拡大断面図、図4は
ネットとケーブルとの取り付け状態を示す要部拡大斜視
図である。
【0014】本実施形態の免振装置10は図外の建物を
免振対象物とした場合を例にとって示し、該建物と図外
の基礎との間に空気ばね11を配置することにより構成
される。そして、該空気ばね11をローリングシール型
空気ばねとして構成することにより、該空気ばね11に
よって支持される建物の固有振動周期を長周期化し、か
つこの際、気体封入空間16の拡充化を達成しつつ簡単
な構造をもって該ローリングシール部材15の耐久性を
向上できるようになっている。
【0015】即ち、本実施形態の免振装置10は、図1
に示すように長周期化手段として用いられる空気ばね1
1としてのローリングシール型空気ばね(以下、単に空
気ばねと称する)で構成され、この空気ばね11は図2
に示すように基礎側から上方に突設される内側部材13
と、建物側から下方に突設され、上下方向および水平方
向に適宜間隔を隔てて内側部材13の外周を囲繞する中
空筒状体の外側部材14と、これら内側部材13と外側
部材14との間を両者の相対移動を許容しつつ密封する
ローリングシール部材15とを備えて構成される。
【0016】上記内側部材13は、基礎に固定されるベ
ース12上に突設され、前記外側部材14に対向する上
端部が開口部13aをもって開放されるとともに、該開
口部13aに連通する中空室13bが形成されて中空円
筒状に形成され、かつ該内側部材13の下端部は上記ベ
ース12に一体に固定されて閉塞される。
【0017】一方、上記外側部材14は内側部材13の
上端に適宜間隔を隔てて対向される端板14aと、この
端板14aの外周から環状に垂下される周壁14bとに
よって断面逆U字状に形成され、該周壁14bが上記内
側部材13の上端部外周を適宜間隔を隔てて同心円状に
囲繞するようになっており、かつ上記端板14aは建物
の下面に固定される。
【0018】そして、前記内側部材13の中空室13b
から開口部13aを経て前記外側部材14の端板14a
および上記ローリングシール部材15によって閉塞され
る空間部が気体封入空間16として構成される。このと
き、内側部材13の外周と外側部材14の内周との間に
形成される水平方向隙間を大きくすることにより、上記
気体封入空間16の容積を増大して拡充化し、空気ばね
11の高さを低く抑えることができるようになってい
る。
【0019】上記ローリングシール部材15は繊維補強
されたゴムを素材として自然状態で円筒状を成すように
それぞれ成形され、その中間部分を片側が裏返されるよ
うに折り返して、その折り返し部分15cが上記内側部
材13の外周と上記外側部材14の周壁14bの内周と
の間の水平方向隙間に配置される。即ち、上記ローリン
グシール部材15は中間部分で折り返されることによ
り、裏返される側の一端部が外周部分15aとなり、そ
の反対側の他端部が内周部分15bとなる。そして、内
周部分15bを上記内側部材13の上端部外周に沿わせ
るとともに、外周部分15aを上記外側部材14の周壁
14b内周に沿わせる。このとき、上記内周部分15b
および外周部分15aの各端部は、それぞれが内側部材
13および外側部材14に気密に固定される。
【0020】この状態で上記ローリングシール部材15
は、その折り返し部分15cが内側部材13の外周と外
側部材14の内周との間に垂れ下がった状態でそれら両
者間を密封し、これら内側部材13および外側部材14
とローリングシール部材15とで囲まれた空間部が気体
封入空間16として構成される。
【0021】従って、このように構成された空気ばね1
1は、地震などの振動が入力されると、その上下振動成
分によりベース12と建物とが相対的に上下変位し、こ
れに伴って内側部材13と外側部材14が上下方向に相
対変位して、気体封入空間16内の容積変化を伴いつつ
封入気体圧が変化される。このときの封入気体の圧縮弾
性により柔らかい上下ばねが得られ、これによって建物
の上下方向周期を長周期化して効果的に上下免振するこ
とができる。このように気体封入空間16が容積変化さ
れる際、ローリングシール部材15は内周部分15bと
外周部分15aが内側部材13外周と外側部材14内周
に交互に繰り上げ繰り下げされることになる。
【0022】また、入力振動の水平振動成分により内側
部材13と外側部材14とが水平方向に相対変位される
と、気体封入空間16の封入気体圧に依存して発生する
復元力とローリングシール部材15の剛性的性質とによ
って柔らかい水平ばねが得られ、これによって建物の水
平方向固有周期を長周期化して効果的に水平免振するこ
とができる。即ち、本実施形態のローリングシール型の
空気ばね11は、従来用いられるベローズ型に比べて水
平方向ばね特性がはるかに内圧に依存することになり、
そのばね特性は大きい振幅に対してもきれいな線形特性
を示し、ばねとしての優れた性能を期待することができ
る。つまり、ローリングシール型の空気ばね11を水平
方向にせん断変形させると、ローリングシール部材15
の折り返し部分15cは圧縮側では水平方向隙間が狭め
られて下方に変形し、引張り側では水平方向隙間が広が
って上方に変形する。このため、その間に水平方向に対
する圧力作用有効面積が発生し、内部の気体圧力が作用
して水平方向への復元力となり、これが水平方向ばね特
性となる。
【0023】従って、本実施形態の免振装置10は、上
記空気ばね11による上下免振と水平免振とによって3
次元免振を達成することができる。
【0024】ここで、本実施形態では図2に示すよう
に、上記ローリングシール部材15の輪郭に沿ってその
外側面に、紐状補強部材である複数本の可撓性を有する
ケーブル20を配置するとともに、これらケーブル20
と上記ローリングシール部材15との間にローリングシ
ール部材15に接着するなどして一体的に取り付けて、
当該ローリングシール部材15の外側を全体的に覆う、
引張力に抵抗する面状補強部材としての可撓性を有する
ネット30を介在させる。
【0025】上記複数本のケーブル20は内側部材13
および外側部材14の周方向に等間隔に放射状に配置さ
れ、折り返し部分15cから上方に立ち上がるそれぞれ
の両端部は、ローリングシール部材15の取り付け部位
と略同位置で内側部材13および外側部材14にそれぞ
れ取り付けられる。そして、これらケーブル20は、内
側部材13と外側部材14が対向方向に相対変位した際
に、ローリングシール部材15と同期して内側部材13
外周と外側部材14内周に交互に繰り上げ繰り下げされ
るようになっている。
【0026】また、上記ケーブル20は、内側部材13
の外周および外側部材14の内周に沿って立ち上がる両
端部と内側部材13外周および外側部材14内周との間
に、上記ケーブル20に対応した数のケーブルガイド2
1,22がそれぞれ独立して介在される。これらケーブ
ルガイド21,22は、ゴムを素材として図3に示すよ
うに断面が山形状に形成され、一方のケーブルガイド2
1の底面21aが内側部材13の外周に、かつ他方のケ
ーブルガイド22の底面22aが外側部材14の内周に
それぞれ相対移動自在に配置される。これは、ケーブル
20の剛性が内側部材13と外側部材14との水平方向
の相対変位に大きな抵抗を与え、この抵抗は水平免振に
悪影響を及ぼすことを考慮したもので、本実施形態では
上記ケーブルガイド21,22が内側部材13および外
側部材14に対してそれらの周方向へスライド自在とな
っているため、その影響を低減することができる。この
とき、上記ケーブルガイド21,22の表面は、ローリ
ングシール部材15に局部的な応力を発生しないように
滑らかな曲線をもって形成される。
【0027】また、上記山形となった各ケーブルガイド
21,22の頂部には、上記ケーブル20を収納する溝
部23,24が形成され、これら溝部23,24にケー
ブル20が収納されることにより、該ケーブル20が突
起物となってローリングシール部材15に局部的な応力
が発生するのを防止することができる。このとき、各溝
部23,24の内側はゴム面でその滑りが悪いため、こ
れら溝部23,24内にケーブル20を滑らかに収納す
るために断面コ字状の金属ガイド25が嵌着される。該
金属ガイド25には、図2に示したようにゴム製のケー
ブルガイド21,22に備わった可撓性を拘束しないよ
うに、幅方向に延びる多数のスリット25aが長さ方向
に細かい間隔をもって形成されている。
【0028】更に、上記ケーブルガイド21,22と内
側部材13および外側部材14との間には、これら内側
部材13の外周および外側部材14の内側を取り巻くよ
うにテフロン(登録商標)シートなどの低摩擦材26,
27が取付けられ、上記ケーブルガイド21,22が該
低摩擦材26,27によって滑らかに移動できるように
なっている。
【0029】また、上記ケーブルガイド21,22は、
図2に示したように内側部材13に配置されるケーブル
ガイド21の突出量L1を、外側部材14に配置される
ケーブルガイド22の突出量L2より大きく設定し、そ
れぞれのケーブルガイド21,22を含めた内側部材1
3の外回りの長さと外側部材14の内回りの長さとが略
等しくなるように調整される。これによってローリング
シール部材15の内周部分15bの周囲の長さと外周部
分15aの周囲の長さとを略等しくして、内周部分15
bおよび外周部分15aが繰り上げ繰り下げされる際の
挙動を滑らかに行わせることができる。特に、上記外周
部分15aが外側部材14に沿っている状態から内側部
材13に引き寄せられる際に、ローリングシール部材1
5にシワが生じることを防止することができる。
【0030】上記ローリングシール部材15と上記ケー
ブル20との間に介在させた上記ネット30は、ポリエ
チレンなどの高分子化合物、金属材若しくは布製などの
素材によって編成され、特に引っ張り方向に強い強度を
備えて形成され、気体封入空間16の圧力を受けて膨張
するローリングシール部材15に取り付けられて、その
膨張時の引張力の一部を負担し、これによりローリング
シール部材15自体の強度を向上すべく補強するように
なっている。該ネット30は図4に示すように適宜間隔
をもって配置される複数の止め環31によって上記各ケ
ーブル20と連結され、これらケーブル20とネット3
0、ひいてはローリングシール部材15との相対的な位
置ずれを防止するようになっている。
【0031】以上の構成により本実施形態の免振装置1
0にあっては、ローリングシール型空気ばね11を用い
ることにより、この空気ばね11の高さを低く抑えつつ
建物の長周期化を達成できるようになっている。該空気
ばね11は、内側部材13と外側部材14とが上下相対
変位して上記気体封入空間16が容積変化される際、ロ
ーリングシール部材15の折り返し部分15cにはその
全面に気体封入空間16内の圧力が作用する。このと
き、当該部分に作用する封入気体圧によって折り返し部
分15cは外方に膨出しようとするが、その折り返した
外側面に配置したケーブル20によって当該部分に作用
する封入気体圧の一部を支持し、該ケーブル20を介し
てこれが取り付けられた内側部材13および外側部材1
4に逃がすことができる。またネット30にあっても、
ローリングシール部材15の膨張作用に応じてこれに導
入される引張力に抵抗し、ローリングシール部材15に
加わる力の一部を受け止めるようになっている。
【0032】また、上記気体封入空間16が容積変化さ
れる際にローリングシール部材15が繰り上げ繰り下げ
されてケーブル20と擦れ現象が起こるが、本実施形態
ではこれら両者間にネット30が介在されるため、ロー
リングシール部材15の擦れを防止して耐久性を向上す
ることができる。
【0033】そして、このように上記ネット30を設け
るという簡単な構成によって、ローリングシール部材1
5の耐久性および耐圧性を高めることができるため、ロ
ーリングシール部材15自体の強度を、補強材を埋め込
むなどの複雑な製造技術や柔軟性が損なわれる厚肉化な
どの方法を用いて高める必要が無くなり、該ローリング
シール部材15を安価に抑えることができる。従って、
空気ばね11のコストダウンを達成し、免振装置10の
施工コストを低下させることができるとともに、ローリ
ングシール部材15の薄肉化をも可能とし、これによっ
て当該ローリングシール部材15を内側部材13と外側
部材14との間に取り付ける際の施工性も向上すること
ができる。また、上記ネット30は線径や編み目の密度
を変更することで、予め想定される封入気体圧に容易に
対応させることができる。
【0034】また、上記ネット30を、止め環31を介
してケーブル20に取り付けて、これらケーブル20と
ネット30との相対的な位置ずれを防止したので、ロー
リングシール部材15が、位置ずれで隙間の空いたケー
ブル20間から偏って膨出するのを防止でき、ケーブル
20によるローリングシール部材15の均等支持を確実
化することができる。
【0035】なお、ローリングシール部材15は、例え
ば接着などによってケーブル20に取り付けることもで
きる。
【0036】ところで、ローリングシール部材15の外
側を覆う面状補強部材としてネット30を用いた場合を
開示したが、このネット30以外にもローリングシール
部材15の変形に容易に追従し、かつ、該ローリングシ
ール部材15の膨出変形に対して十分な引っ張り強度を
備えた膜状部材、たとえば粘弾性素材で形成したシート
などを用いることもできる。
【0037】なお、上記実施形態では、ローリングシー
ル部材15にネット30を一体的に取り付ける場合を例
示したが、適宜なピッチで接合して取り付けるようにし
てもよい。
【0038】また、上記空気ばね11は内側部材13を
ベース12側、外側部材14を建物側に設けた場合を説
明したが、これら内側部材13と外側部材14を逆にし
て配置しても同様の機能を得ることができる。更に、免
振対象物を建物として説明したが、これに限ることなく
精密機器およびその他の振動を嫌う設備や装置、物品を
対象としてもよいことはもちろんである。更にまた、上
記実施形態にあっては、入力振動として地震を例示して
説明したが、交通振動や日常振動であっても本発明の免
振装置によって十分に三次元免震できることはもちろん
である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明の免振装置
は、ローリングシール型空気ばねを用いたことにより、
この空気ばねの高さを低く抑えつつ建物の長周期化を達
成できるようになっており、かつ、ローリングシール部
材の折り返し部分に作用する気体封入空間内の圧力の一
部を、ローリングシール部材の輪郭に沿って設けた紐状
補強部材によって受け止めて支持することができるとと
もに、当該紐状補強部材とローリングシール部材との間
に設けた面状補強部材によってローリングシール部材そ
のものの強度も向上できて、これにより、ローリングシ
ール部材に、これに必要とされる柔軟性を維持させつ
つ、その耐久性を向上することができる。また、面状補
強部材によって、振動時に紐状補強部材が直接ローリン
グシール部材と擦れ合うことを防止して、この面からも
耐久性を向上できる。
【0040】従って、空気ばねの信頼性を高めることが
できて、その免振作用を十分に保証することができる。
更に、ローリングシール部材と紐状補強部材との間に面
状補強部材を介在するという簡単な構成であるので、空
気ばねの耐久性を低コストで向上させることができると
ともに、面状補強部材の採用によりローリングシール部
材の薄肉化を可能として、これの取り付け施工性をも向
上することができる。
【0041】また、上記面状補強部材に上記紐状補強部
材を取り付けることにより、これら紐状補強部材と面状
補強部材との相対的な位置ずれを防止できて、ローリン
グシール部材が、位置ずれで隙間の空いた紐状補強部材
間から偏って膨出するのを防止でき、紐状補強部材によ
るローリングシール部材の均等支持を確実化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す免振装置に用いられ
るローリングシール型空気ばねの縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す図1中のA部拡大断
面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す図1中のB−B線か
らの拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示すネットとケーブルと
の取り付け状態の要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
10 免振装置 11 空気ばね 12 ベース 13 内側部材 14 外側部材 15 ローリングシール部材 15a 外周部分 15b 内周部分 15c 折り返し部分 16 気体封入空間 20 ケーブル 30 ネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 5/43 E04B 5/43 F E04H 9/02 331 E04H 9/02 331Z F16F 9/05 F16F 9/05 Fターム(参考) 2E001 DG02 DH31 FA11 FA21 GA01 GA07 GA09 GA24 GA25 HE01 HE07 HF16 LA03 LA18 3J048 AA01 BE02 DA01 EA38 3J069 AA28 CC40 DD39

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動が入力されるベースと該ベース上方
    の免振対象物との間に設けられ、これらベースまたは免
    振対象物の一方から他方側に向かって突出される内側部
    材と、 上記ベースまたは上記免振対象物の他方から一方側に向
    かって突出され、上下方向および水平方向に適宜間隔を
    隔てて上記内側部材の外周を囲繞する中空筒状体の外側
    部材と、 これら外側部材の内周と内側部材の外周との水平方向隙
    間に垂れ下がるように折り返されて配置され、その内周
    部分を該内側部材外周に沿わせてその内側端部を当該内
    側部材に気密に取り付けるとともに、その外周部分を該
    外側部材内周に沿わせてその外側端部を当該外側部材に
    気密に取り付けて、上記ベースと上記免振対象物との上
    下相対変位に伴うこれら内側部材と外側部材との上下相
    対変位に応じて該水平方向隙間内で繰り上げ繰り下げ変
    位されるとともに、当該水平方向隙間から該外側部材と
    該内側部材との間にわたって気体封入空間を形成する可
    撓性筒状のローリングシール部材とを備え、 上記ローリングシール部材の輪郭に沿って、当該ローリ
    ングシール部材に作用する上記気体封入空間内の圧力を
    受け止める紐状の補強部材を設けるとともに、該紐状補
    強部材と上記ローリングシール部材との間に、該ローリ
    ングシール部材を全体的に覆う面状の補強部材を介在さ
    せたことを特徴とする免振装置。
  2. 【請求項2】 上記面状補強部材に上記紐状補強部材を
    取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の免振装
    置。
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