JP3740956B2 - 免振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は免振装置にかかり、とりわけ空気ばねを用いて構造物の効果的な長周期化を可能とする上下方向の免振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
免振装置は、地盤や床などの振動が入力されるベースと、このベース上に設置される建物や精密機器、その他の振動を嫌う設備や装置、物品などの免振対象物との間に、いわゆる長周期化手段を設け、この長周期化手段によって免振対象物側の固有周期をベースに入力される振動の周期よりも長周期化して、ベースから免振対象物へと入力される振動を低減するようになっている。
【0003】
長周期化手段としては、積層ゴムやコイルばね、更には空気ばねなどに代表される各種の弾性体が採用されている。特に空気ばねは空気の圧縮弾性を利用したばねであるため、他のばねに比べて柔らかく、免振対象物の長周期化に優れた特性を示す。このため、空気ばねを免振装置として用いることが好ましく、これを上下方向の免振装置として用いる場合、一般にはベローズ型空気ばねが用いられる。
【0004】
このベローズ型空気ばねの代表的な構造は、山および谷が周方向に形成されて蛇腹状となった筒状のゴムベローズと、その上下を覆う金属製の面板と、ゴムベローズの谷部分に嵌合される中間リングとを備えて構成され、ゴムベローズ内に封入された空気は該ゴムベローズの伸縮を伴って圧縮されるときの弾性力がばねとして利用される。
【0005】
ところで、上記ベローズ型空気ばねは大荷重の免振対象物の支持性を高めるためゴムベローズの高さ、つまり蛇腹の段数を少なくしたものを使用すると、空気室の容積が小さくなるため、ベースと免振対象物との間の相対的な上下振動に対して空気圧が過剰に上昇し、ゴムベローズが許容量を超えて膨出するなどして耐久性に問題が生ずる。そこで、空気圧の過剰な上昇を抑えるために空気室の容積を増大しようとすると、ゴムベローズの段数を増やして空気ばねを高くすることになる。しかし、このように空気ばねを高くするとゴムベローズは座屈を起こし易くなり、大地震を対象とした大荷重や大振幅に対処させるのが困難になってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、上記ゴムベローズの座屈を回避する方法として、本発明者は上記ベローズ型空気ばねに代えてローリングシール型空気ばねを用いることを提案するもので、このローリングシール型空気ばねは、相互に適宜間隔を設けて同心配置される中実の内側部材および中空筒体状の外側部材と、これら内側部材の外周と外側部材の内周との水平方向隙間に垂れ下がるように折り返されて配置される可撓性筒状のローリングシール部材とを備えて構成される。ローリングシール部材はその中間部分を折り返し、その内周部分を内側部材外周に沿わせてその端部を該内側部材の上端部に気密に取り付けるとともに、外周部分を外側部材内周に沿わせてその端部を該外側部材の上端部に気密に取り付け、内側部材と外側部材との間に形成される空気室を密封する。
【0007】
そして、振動入力により内側部材と外側部材とが上下方向に相対変位すると、ローリングシール部材は水平方向隙間で折り返し部分が繰り上げられたり、繰り下げられるようになっている。このとき、該空気室に作用する圧力はローリングシール部材に作用するのであるが、該ローリングシール部材の折り返し部分は内側部材と外側部材との水平方向隙間を閉塞する部分であり、この折り返し部分で空気室内圧を受け止めることになる。
【0008】
そしてこのようなローリングシール型空気ばねを免振装置の長周期化手段として用いる場合、過大地震の大きな振動振幅に対応させるためには内側部材と外側部材との間に形成される空気室の容積を大きくすることが望ましい。この場合、空気ばねを高くすることなく空気室の容積を増大するためには、中実の内側部材と中空筒体状の外側部材との間の水平方向隙間を大きくすることになる。しかしながら、このように内側部材と外側部材との間の水平方向隙間が大きくなると、次のような各種問題が引き起こされてしまう。
【0009】
即ち、水平方向隙間を大きくするために、内側部材の外周と外側部材の内周とに大きな径差を設定すると、それぞれに沿わされるローリングシール部材の内周部分と外周部分との周長が大きく異なることになる。これにより、上下振動の入力により内側部材の外周に沿う内周部分が外側部材の内周に引き寄せられる際、並びにこれとは逆に外側部材の内周に沿う外周部分が内側部材の外周に引き寄せられる際のローリングシール部材の挙動が滑らかに行われなくなってしまう。特に、ローリングシール部材の外周部分が大径の外側部材に沿っている状態から小径の内側部材に引き寄せられる際に、周長の相違のために当該外周部分の周方向に余る部分がシワとなってしまい、このシワの生成が繰り返されるうちにローリングシール部材に脆弱な部分が生じて破損の原因となってしまう。
【0010】
また、内側部材と外側部材とに大きな径差を設定すると、これら内側部材と外側部材との水平方向隙間を閉塞しているローリングシール部材の折り返し部分の面積は大きくなる。このため、空気室内の圧力が大きな面積の当該折り返し部分に作用することになり、この折り返し部分で受け止めるべき圧力が大きくなってしまい、ひいては内側部材および外側部材とローリングシール部材両端部との取り付け部分に作用する荷重が増大することとなって、これもローリングシール部材の破損の要因となる。
【0011】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、長周期化手段として用いたローリングシール型空気ばねの空気室の拡充化を図りつつ、その円滑な作動を保証できる免振装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明に係る免振装置は、上下振動が入力されるベースと該ベース上方の免振対象物との間に設けられ、これらベースまたは免振対象物の一方から他方へ向かって突出される内側部材と、上記ベースまたは上記免振対象物の他方から一方へ向かって突出され、上下方向および水平方向に適宜間隔を隔てて上記内側部材の外周を囲繞する中空筒体状の外側部材と、これら外側部材の内周と内側部材の外周との水平方向隙間に垂れ下がるように折り返されて配置され、その内周部分を該内側部材外周に沿わせてその内側端部を当該内側部材に気密に取り付けるとともに、その外周部分を該外側部材内周に沿わせてその外側端部を当該外側部材に気密に取り付けて、上記ベースと上記免振対象物との上下相対変位に伴うこれら内側部材と外側部材との上下相対変位に応じて該水平方向隙間内で繰り上げ繰り下げ変位されるとともに、当該水平方向隙間から該外側部材と該内側部材との間にわたって気体封入空間を形成する可撓性筒状のローリングシール部材とを備え、該ローリングシール部材には、該ローリングシール部材の輪郭に沿って紐状の補強部材を配設し、該補強部材の両端を上記外側部材および上記内側部材にそれぞれ取り付け、上記内側部材の外周および上記外側部材の内周に、上記補強部材を係脱自在に収納するガイドを形成したことを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、ローリングシール部材は、当該部分に作用する気体封入空間内の圧力によって外方に膨出しようとするが、ローリングシール部材の輪郭に沿って紐状の補強部材が配置されているので、当該ローリングシール部材に作用する圧力の一部を紐状の補強部材によって受け止めさせることができる。このとき、該紐状の補強部材には入力された圧力により引張力が作用するが、この引張力は一端部を取り付けた内側部材側と他端部を取り付けた外側部材側とで受け持つことができ、上記ローリングシール部材に作用する圧力を、紐状の補強部材を介して逃がすことができる。従って、内側部材と外側部材との径差を大きくして水平方向隙間を拡大した場合にも、ローリングシール部材に作用する圧力を軽減しつつ気体封入空間内の生成圧力を高めることができる。
更に、上記内側部材の外周および上記外側部材の内周に、上記補強部材を係脱自在に収納するガイドを形成したので、紐状の補強部材をガイド内に収納しておくことができるため、ローリングシール部材の内周部分および外周部分を、内側部材の外周および外側部材の内周に滑らかに圧接させることができる。従って、上記紐状の補強部材が突起物となってローリングシール部材に局部的な変形を与えて応力が集中するのが防止され、該ローリングシール部材の耐久性が低下されるのを防止することができる。
【0020】
また、上記構成にあって、上記免振対象物から突出される上記内側部材または上記外側部材と上記ベースとの間に、水平相対変位を規制し、上下相対変位を案内する案内部材を設けたことを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、案内部材により免振対象物から突出される内側部材または外側部材と上記ベースとの間の水平相対変位を規制しつつ上下相対変位を案内できるため、内側部材と外側部材の横ずれを防止して免振対象物のロッキング振動が防止される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜図6は本発明の免振装置の一実施形態を示し、図1はローリングシール型空気ばねの縦断面図、図2は図1中のA−A線断面図、図3は図1中のB−B線の拡大断面図、図4は図3中のC−C線の拡大断面図、図5は図2中のD−D線断面図、図6は案内部材の拡大平面図である。
【0023】
本発明の免振装置10は、これに備わった空気ばね11によって専ら上下免振を行うようになっており、特に本発明では該空気ばね11をローリングシール型空気ばねとして構成したものが用いられ、また、該空気ばね11には水平免振を行う図外の積層ゴムを併用して三次元免振装置として構成してもよい。
【0024】
即ち、本実施形態の免振装置10は基本的には、上下振動が入力されるベース12とベース12上方の免振対象物との間に設けられ、これらベース12または免振対象物の一方から他方へ向かって突出される内側部材13と、ベース12または免振対象物の他方から一方へ向かって突出され、上下方向および水平方向に適宜間隔を隔てて内側部材13の外周を囲繞する中空筒体状の外側部材14と、これら外側部材14の内周と内側部材13の外周との水平方向隙間Sに垂れ下がるように折り返されて配置され、その内周部分15bを内側部材13外周に沿わせてその内側端部を当該内側部材13に気密に取り付けるとともに、その外周部分15aを外側部材14内周に沿わせてその外側端部を当該外側部材14に気密に取り付けて、ベース12と免振対象物との上下相対変位に伴うこれら内側部材13と外側部材14との上下相対変位に応じて水平方向隙間S内で繰り上げ繰り下げ変位されるとともに、当該水平方向隙間Sから外側部材14と内側部材13との間にわたって気体封入空間としての空気室16を形成する可撓性筒状のローリングシール部材15とを備えて構成される。
【0025】
そしてこのような免振装置10において、内側部材13には、空気室16に連通する中空室として中空部13bが形成される。
また、ローリングシール部材15の内周部分15bと外周部分15aの周長を等しくするために、内側部材13の外周に、当該外周長を外側部材14の内周長と等しくする凹凸部20が形成される。
さらに、ローリングシール部材15には、外側部材14および内側部材13にその両端をそれぞれ取り付けて、ローリングシール部材15の輪郭に沿って紐状の補強部材としてケーブル30が配設される。
【0026】
即ち、図1,図2に示すように本実施形態の免振装置10は、図外の建物基礎と、この建物基礎の上方に所定間隔を設けて構築される図外の建物との間に介在されるローリングシール型空気ばね(以下、単に空気ばねと称する)11を備え、この空気ばね11は、地震などによる振動が建物基礎から入力されるベース12と、免振対象物としての建物との間に設置され、該ベース12から上方に突設される内側部材13と、この内側部材13の上方端部を適宜間隔をもって覆う外側部材14と、これら内側部材13と外側部材14との間を両者の相対移動を許容しつつ密封するローリングシール部材15とを備えて構成される。
【0027】
上記内側部材13は、上記外側部材14に対向する上端部が開口部13aをもって開放されるとともに、該開口部13aに連通する中空部13bが形成されて中空円筒状に形成される。そして、該内側部材13の下端部は上記ベース12に一体に固定されて閉塞される。一方、上記外側部材14は内側部材13の上端に適宜間隔をもって対向される端板14aと、この端板14aの外周から環状に垂下される周壁14bとによって断面逆U字状に形成され、周壁14bが上記内側部材13の上端部外周を同心円状に囲繞するようになっており、かつ端板14aが図外の建物の下面に固定される。
【0028】
上記ローリングシール部材15は繊維補強されたゴムを素材として自然状態で円筒状を成すように成形され、その中間部分を折り返して片側が裏返される状態で上記内側部材13と上記外側部材14とに跨って取り付けられる。即ち、上記ローリングシール部材15は中間部分で折り返されることにより、裏返される側の一端部が外周部分15aとなり、その反対側の他端部が内周部分15bとなる。そして、内周部分15bを上記内側部材13の上端部外周に沿わせるとともに、外周部分15aを上記外側部材14の周壁14b内周に沿わせる。このとき、上記内周部分15bおよび外周部分15aの各端部は、それぞれが内側部材13および外側部材14に気密に固定される。
【0029】
この状態で上記ローリングシール部材15は、その折り返し部分15cが内側部材13の外周と外側部材14の内周との間に垂れ下がった状態でそれら両者間を密封し、これら内側部材13と外側部材14とローリングシール部材15で囲まれた空間部が空気室16として構成される。従って、このように構成された空気ばね11は地震などの振動が入力されることにより、ベース12と建物とが相対的に上下変位すると、これに伴って内側部材13と外側部材14が上下方向に相対変位して、これら両者間に形成される空気室16内の容積変化を伴いつつ空気圧が変化される。そして、このときの空気の圧縮弾性によるばねで建物の固有周期を長周期化し、効果的な上下免振を達成できるようになる。また、このように空気室16が容積変化される際、ローリングシール部材15は内周部分15bと外周部分15aが水平方向隙間Sで繰り上げられたり、繰り下げられることになる。
【0030】
また、本実施形態では図3に示すように上記内側部材13の外周面に、周方向に滑らかな波形となる凹凸部20を形成し、この凹凸部20に沿って上記ローリングシール部材15の内周部分を繰り上げ下げさせる構成とする。該凹凸部20は内側部材13の母線方向に沿い、かつ周方向に等間隔をもって形成される複数条の凸部21と、これら凸部21間にそれぞれ形成される凹部22とからなり、凸部21の先端部両側の角部および該凸部21から凹部22に至る角部は、ローリングシール部材15に局部的な過大応力を生じないように滑らかな円弧面として形成される。
【0031】
そして、上記凹凸部20が形成されたことにより、ローリングシール部材15の内周部分15bは空気室16内の圧力で内側部材13の外周に圧着された際に、図3に示したように凹凸部20に沿って密着される。このとき、内側部材13の外周の長さは上記凹凸部20を設けたことにより延長され、この延長された内側部材13外周に沿って密着されるローリングシール部材15の内周部分15bの周囲をも長くすることができる。従って、上記凹凸部20の凸部21と凹部22との高低差を調節しておくことにより、上記内周部分15bの周囲の長さを外周部分15aの周囲の長さにより近付け、若しくは等しく設定することができる。
【0032】
また、本実施形態は図3,図4に示すように上記ローリングシール部材15の折り返した外側面に沿ってケーブル30を配置するようになっており、該ケーブル30は上記凹凸部20の凸部21にそれぞれ対応した数の本数が設けられる。そして、各ケーブル30は、内側部材13の外周および外側部材14の内周に形成される母線方向に沿ったガイドとしての溝部31,32に収納される。このとき、内側部材13に形成される溝部31は上記凸部21の突出端面にそれぞれ形成されるとともに、外側部材14に形成される溝部32は、上記内側部材13の溝部31に対向する位置に形成される。
【0033】
上記溝部31,32は内側部材13の外周上端部および外側部材14の内周上端部まで延びており、それぞれの溝部31,32に収納されたケーブル30の両端部は、上記ローリングシール部材15の取り付け部位と略同位置で内側部材13および外側部材14に取り付けられる。従って、内側部材13と外側部材14が対向方向に相対変位して、ローリングシール部材15の内周部分15bと外周部分15aが水平方向隙間S内で内側部材13外周と外側部材14内周に対し交互に繰り上げ繰り下げされる際、これに同期して繰り上げ下げされるようになっている。
【0034】
更に、上記ベース12に対して相対移動する上記外側部材14には、図5に示すように該ベース12に対して直角方向(鉛直方向)に移動案内する案内部材としての上下平行移動装置40が設けられる。該上下平行移動装置40は、図6に示すようにパンタグラフ機構を利用して構成され、水平配置される平行な1対の中間バー41,42と、これら中間バー41,42の外側をそれぞれ回動自在に支持して上方に傾斜される複数本の第1アーム43,44と、1対の中間バー41,42の内側に回動自在に取り付けられて上方に傾斜される複数本の第2アーム45,46とを備えて構成される。このとき、上記第1アーム43,44はそれぞれの傾斜方向が逆となるように配置されるとともに、第2アーム45,46もそれぞれの傾斜方向が逆に配置される。
【0035】
そして、第1アーム43,44の下端部は上記ベース12に回動自在に取り付けられるとともに、第2アーム45,46の上端部は上記外側部材14の周壁14bの下端部に回動自在に取り付けられる。また、上記上下平行移動装置40は直線状に形成されるが、該上下平行移動装置40は図2に示すように4つが設けられて、それぞれは内側部材13と外側部材14との間で両端部が該外側部材14に架かるようにして矩形状に配置される。従って、上記外側部材14は上記上下平行移動装置40によって上下方向の移動のみが許容され、該外側部材14の水平移動および回転は規制されることになる。
【0036】
以上の構成により本実施形態の免振装置10にあっては、空気ばね11は内側部材13と外側部材14との上下相対変位に伴って空気室16内が圧力変化され、このときのばね作用で建物が長周期化される。このとき、上記空気室16の容積が大きいほどベース12と免振対象物との間の大きな相対変位量に対応でき、しかも該空気室16の容積増加が空気ばね10の高さを増大することなく達成されることが好ましい。ここで、本実施形態では内側部材13が上端部を開放した中空筒状として形成されているので、該内側部材13の中空部13b内は開口部13aを介して空気室16に連通されて、該中空部13bを空気室16の一部として用いることができる。従って、空気室16の容積は内側部材13の中空部13bの容積が付加されて大容積とすることができ、ひいては空気ばね10の高さを低くすることができるため、建物を支持する際の安定性を増すことができる。
【0037】
また、上記内側部材13の外周には凹凸部20を形成して、この凹凸部20に沿ってローリングシール部材15の内周部分15bを繰り上げ下げするようにしたので、ローリングシール部材15の内周部分15bの周囲の長さを、外側部材14に沿うローリングシール部材15の外周部分15aの周囲の長さに近付け、または等しくすることが可能となる。このため、上下振動の入力により内側部材13の外周に沿っていた内周部分15bが繰り上げにより外側部材14の内周に引き寄せられる際、およびこれとは逆に外側部材14の内周に沿っていた外周部分15aが繰り下げにより内側部材13の外周に引き寄せられる際に、ローリングシール部材15に無理な変形力が作用するのが防止されるため、繰り上げ繰り下げの挙動を滑らかに行うことができるようになる。特に、ローリングシール部材15の外周部分15aが外側部材14に沿っている状態から内側部材13に引き寄せられる際に弛みを無くして、シワが寄るのを防止することができ、このシワの形成による耐久性の劣化を防止することができる。
【0038】
更に、上記ローリングシール部材15は折り返し部分15cが内側部材13と外側部材14との間に跨って配置され、当該折り返し部分15cに空気室16内の圧力が作用して大きな引張力が作用するのであるが、その折り返し部分15cはこれの外側面に沿って配置されたケーブル30によって支持され、上記空気室16内の圧力をケーブル30によって受け止めることができる。従って、上記折り返し部分15cが空気圧力により過剰に膨出するのを防止でき、特に、本実施形態のようにケーブル30を周方向に間隔を隔てて多数本設けることにより、ローリングシール部材15が負担する空気圧による影響をより低減して、該ローリングシール部材15の耐久性を高めるとともに、該ローリングシール部材15の剛性を確保して所定のばね力を発揮させることができる。従って、空気室16の容積を増大するために内側部材13と外側部材14との径差を大きくした場合には、上記折り返し部分15cの受圧面積が増大されるが、上記ケーブル30によってローリングシール部材15の折り返し部分15cが過剰に膨出変形するのを防止できるため、空気ばね11の円滑な作動が可能となる。
【0039】
また、上記ケーブル30は内側部材13および外側部材14に形成された溝部31,32内に収納したので、該ケーブル30が内側部材13の外周および外側部材14の内周から突出するのを防止することができる。従って、ローリングシール部材15を内側部材13の外周および外側部材14の内周に滑らかに圧接させることができるため、上記ケーブル30が突起物となってローリングシール部材15に局部的な応力を発生するを防止し、該ローリングシール部材15の耐久性が低下されるのを防止することができる。
【0040】
ところで、上記ケーブル30はこれ自体に所定の剛性が備わっており、かつ本実施形態では該ケーブル30は周方向に等間隔に配置されるとともに、それぞれが溝部31,32内に収納されているため、内側部材13と外側部材14の水平方向の相対移動に対して、その移動直角方向に配置されるケーブル30が上記溝部31,32に係止された状態で移動抵抗となる。
【0041】
更に、本実施形態では上記外側部材14とベース12との間に配置された上下平行移動装置40を介して、該外側部材14は水平移動や回転などが規制されて上下方向の移動のみが許容されるため、建物のロッキング振動を防止できるようになる。
【0042】
図7は他の実施形態を示す空気ばねの縦断面図で、上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。即ち、この実施形態では案内部材としてリニアーガイド50を用いたもので、該リニアーガイド50は外側部材14の周壁14b外周と、これに対向配置されベース12から鉛直に立設される支持部材51との間に構成される。また、該リニアーガイド50は空気ばね10の図示した左右方向のみならず、図示省略した紙面直角方向となる前後方向にも配置される。または、周壁14bを取り巻くように環状として構成することもできる。
【0043】
従って、この実施形態にあっても内側部材13と外側部材14は、リニアーガイド50によって水平方向の相対移動が規制されて、上下方向の相対移動のみが許容され、上記実施形態と同様に建物のロッキング振動を防止できるようになっている。
【0044】
ところで、上記空気ばね11は内側部材13をベース12側、外側部材14を免振対象物である建物側に設けたが、これら内側部材13と外側部材14を逆にして配置してもよく、この場合は上下平行移動装置40やリニアーガイド50などの案内部材は、建物側と外側部材14との間に設けられることになる。
【0045】
また、上記各実施形態にあっては、免振対象物を建物として説明したが、これに限ることなく精密機器およびその他の振動を嫌う設備や装置、物品を対象としてもよいことはもちろんである。
【0046】
更に、上記実施形態にあっては、入力振動として地震を例示して説明したが、交通振動や日常振動であってもよいことはもちろんである。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の免振装置は、免振対象物の長周期化を達成するために空気ばねが用いられ、この空気ばねは、内側部材とこれの外周を囲繞する外側部材との間に配置されるローリングシール部材を備えて構成されており、該ローリングシール部材の輪郭に沿って紐状の補強部材を配設し、該補強部材の両端を上記外側部材および上記内側部材にそれぞれ取り付けたので、当該ローリングシール部材に作用する空気圧の一部を紐状の補強部材によって受け止めることができ、内側部材と外側部材との径差を大きくして気体封入空間を拡大した場合にも、ローリングシール部材が過剰に変形するのを防止して円滑な作動が可能となる。更にまた、内側部材の外周および外側部材の内周に、補強部材を係脱自在に収納するガイドを形成したので、紐状の補強部材が突起物となってローリングシール部材に局部的な変形を与えて応力の集中が発生するのを防止でき、該ローリングシール部材の耐久性が低下されるのを防止することができる。
【0048】
また、免振対象物から突出される内側部材または外側部材とベースとの間に、水平相対変位を規制し、上下相対変位を案内する案内部材を設けたので、免振対象物の横ずれやロッキング振動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す免振装置に用いられるローリングシール型空気ばねの縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す図1中のA−A線断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す図1中のB−B線の拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す図3中のC−C線の拡大断面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示す図2中のD−D線断面図である。
【図6】本発明の一実施形態を示す案内部材の拡大平面図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示すローリングシール型空気ばねの縦断面図である。
【符号の説明】
10 免振装置
11 空気ばね
12 ベース
13 内側部材
13a 開口部
13b 中空部
14 外側部材
15 ローリングシール部材
15a 外周部分
15b 内周部分
15c 折り返し部分
16 空気室
20 凹凸部
30 ケーブル
31,32 溝部
40 上下平行移動装置(案内部材)
50 リニアーガイド(案内部材)
S 水平方向隙間

Claims (2)

  1. 上下振動が入力されるベースと該ベース上方の免振対象物との間に設けられ、これらベースまたは免振対象物の一方から他方へ向かって突出される内側部材と、
    上記ベースまたは上記免振対象物の他方から一方へ向かって突出され、上下方向および水平方向に適宜間隔を隔てて上記内側部材の外周を囲繞する中空筒体状の外側部材と、
    これら外側部材の内周と内側部材の外周との水平方向隙間に垂れ下がるように折り返されて配置され、その内周部分を該内側部材外周に沿わせてその内側端部を当該内側部材に気密に取り付けるとともに、その外周部分を該外側部材内周に沿わせてその外側端部を当該外側部材に気密に取り付けて、上記ベースと上記免振対象物との上下相対変位に伴うこれら内側部材と外側部材との上下相対変位に応じて該水平方向隙間内で繰り上げ繰り下げ変位されるとともに、当該水平方向隙間から該外側部材と該内側部材との間にわたって気体封入空間を形成する可撓性筒状のローリングシール部材とを備え、
    該ローリングシール部材には、該ローリングシール部材の輪郭に沿って紐状の補強部材を配設し、該補強部材の両端を上記外側部材および上記内側部材にそれぞれ取り付け、
    上記内側部材の外周および上記外側部材の内周に、上記補強部材を係脱自在に収納するガイドを形成したことを特徴とする免振装置。
  2. 上記免振対象物から突出される上記内側部材または上記外側部材と上記ベースとの間に、水平相対変位を規制し、上下相対変位を案内する案内部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の免振装置。
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