JP2002012687A - 帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルム及びその製造方法 - Google Patents

帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルム及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、機械的強度、滑り性に優れ、かつ特
に帯電防止性に優れる包装材料として有用な帯電防止性
ポリ乳酸系二軸延伸フィルムを提供する。 【解決手段】 界面活性剤層が、特定のアニオン系界面
活性剤99〜10質量%と、特定の非イオン系界面活性
剤1〜90質量%とからなり、表面固有抵抗が1011Ω
以下であるポリ乳酸系二軸延伸フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明性、機械的物
性、滑り性、及び特に帯電防止性に優れたポリ乳酸系二
軸延伸フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、機械的強度、耐熱性、寸法安定性
に優れる材料としてポリエチレンテレフタレート延伸フ
ィルムまたは、ポリプロピレン系延伸フィルム等が知ら
れており産業界で幅広く使用されている。
【0003】しかしながら、これらのプラスチックフィ
ルムは自然環境中に廃棄されると、その化学的安定性の
ため分解せず、ゴミとして蓄積する一方である。将来的
にはゴミ処分場、埋立地の確保が益々困難になり、また
自然環境、野生動物に悪影響を及ぼすなどの問題が懸念
されている。これらのプラスチックフィルムに代わり、
土壌中において加水分解、次いで微生物分解により無害
な分解物となり得るものにポリ乳酸がある。
【0004】ポリ乳酸の無延伸フィルムあるいはシート
は、強度、伸度が低く、耐衝撃性に劣る材料で、そのま
までは成形体として実用性が不足していた。そこでポリ
乳酸の脆性を向上するため、一軸あるいは二軸延伸し、
配向させる方法が知られている。ポリ乳酸二軸延伸フィ
ルムは、情報記録材料(磁気カード)、工業用パッケー
ジ、農業用マルチフィルムなどに展開され、一部は実用
化に至っているものもある。
【0005】しかしながら、これらのポリ乳酸系延伸フ
ィルムにおいては、ポリ乳酸系樹脂自体が高度な電気絶
縁性を有していることから極めて帯電しやすく、静電気
の発生、蓄積により、印刷、製袋等の2次加工におい
て、様々な問題を引き起こしている。また、容易にゴ
ミ、ホコリを吸着するため、外観を損ねるという問題も
生じる。
【0006】一般的にプラスチックフィルム及びシート
に帯電防止性を付与する方法として、アニオン系のアル
キルスルホン酸塩あるいは非イオン系のグリセリン脂肪
酸エステル類を練り込んだり、表面に塗布する方法が採
用されている。ところが、ポリ乳酸系二軸延伸フィルム
に従来方法を適用すると、練り混み法では満足な帯電防
止性が得られないばかりでなく、透明性の悪化、加水分
解誘因による機械的物性の低下を招き、実用性に乏しか
った。表面に塗布する方法は、ポリ乳酸系未延伸フィル
ム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムのいずれも臨
界表面張力が低いため、有機溶剤の使用、あるいは有機
溶剤と水との併用が避けられず、そのため溶剤排気・回
収設備が必要となりコストアップとなる。また、一旦巻
き取った原反フィルムに塗布するいわゆるポストコート
法では工程が増え経済的に好ましくないばかりでなく、
フィルムの耐熱性が乏しいため熱変形による外観不良を
引き起こしやすいものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解決しようとするものであり、透明性、機械的
物性を損なうことなく、滑り性、帯電防止性に優れたポ
リ乳酸系二軸延伸フィルム、およびその製造方法を提供
しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、ポリ乳酸系二軸
延伸フィルムの少なくとも片面に、特定比率で混合した
特定のアニオン系界面活性剤と特定の非イオン系界面活
性剤とからなる界面活性剤層を有するフィルムが上記課
題を解決することを見出し本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は、少なくとも片面に界
面活性剤層を有するポリ乳酸系二軸延伸フィルムであっ
て、界面活性剤層が、下記化合物群(A−1)〜(A−
3)から選ばれる少なくとも1種類のアニオン系界面活
性剤(A)99〜10質量%と、下記化合物群(B−
1)〜(B−4)から選ばれる少なくとも1種類の非イ
オン系界面活性剤(B)1〜90質量%とからなり、表
面固有抵抗が1011Ω以下であることを特徴とする帯電
防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルムを要旨とす
る。 (A−1)アルキルスルホン酸塩及びアルキルアリルス
ルホン酸塩 (A−2)高級アルコール硫酸エステル塩及びそのエチ
レンオキサイド付加物 (A−3)高級脂肪酸塩 (B−1)脂肪族アルカノールアミド (B−2)高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪
酸、脂肪族アミン、脂肪族アミド、ポリプロピレングリ
コール等のエチレンオキサイド付加物 (B−3)ソルビット、ソルビタン脂肪酸エステル及び
/またはそのエチレンオキサイド付加物 (B−4)ポリグリセリン脂肪酸エステル。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。本発明において、ポリ乳酸系フィルムとは、L−
乳酸を主構成単位とするホモポリマーあるいはL−乳酸
/D−乳酸を主構成単位とするポリ乳酸系重合体からな
るフィルムを指す。本発明で得られるポリ乳酸系二軸延
伸フィルムは、二軸延伸による配向結晶化を促進させ、
実用強度を発現させるため、L−乳酸/D−乳酸=10
0/0〜90/10(モル比)の組成比を満足させるこ
とが好ましい。D−乳酸が10モル%以上であると融点
が極端に低くなり得られるシートの耐熱性、寸法安定性
が劣り好ましくない。また、ポリ乳酸系重合体の数平均
分子量は、5万〜30万の範囲にあることが好ましく、
より好ましくは8万〜15万である。数平均分子量が5
万以下の場合、得られるフィルムの機械的強度が不十分
となり、かつ延伸、巻き取り工程中での切断も頻繁に起
こり操業性の低下を招く。一方、数平均分子量が30万
を超えると加熱溶融時の流動性が乏しくなって製膜性が
低下する。
【0011】ポリ乳酸を得るための重合法としては、縮
合重合法及び開環重合法のいずれの方法を採用すること
も可能であり、分子量増大を目的として少量の鎖延長
剤、例えばジイソシアネート化合物、ジエポキシ化合
物、酸無水物等を使用してもよい。
【0012】本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、
その表面に界面活性剤層が形成される。界面活性剤の塗
布量は、0.001〜0.1g/m2の範囲であること
が好ましい。この範囲を下回ると十分な帯電防止効果が
得られない。逆に上回る場合は、帯電防止効果が飽和に
達するため、性能に対して添加量が過剰であるばかりで
なく、透明性の悪化、高温高湿度下におけるフィルム同
士のブロッキング現象を引き起こす。また、必要に応じ
て両面に界面活性剤層を形成することも可能である。
【0013】本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムの表
面固有抵抗値は1011Ω以下であることが必要である。
表面固有抵抗値が1011Ωを超えると、フィルムの巻き
取り、スリット工程では感電が、また印刷、製袋等の2
次加工ではロールへの巻き付き、あるいは蛇行によるよ
りしわの発生が著しい。
【0014】本発明において、フィルムに塗布する界面
活性剤は、アニオン系界面活性剤(A)と、非イオン系
界面活性剤(B)とを組み合せることが必要である。本
発明において、アニオン系界面活性剤(A)とは、下記
化合物群(A−1)〜(A−3)から選ばれる少なくと
も1種類の界面活性剤を指す。 (A−1)アルキルスルホン酸塩及びアルキルアリルス
ルホン酸塩 (A−2)高級アルコール硫酸エステル塩及びそのエチ
レンオキサイド付加物 (A−3)高級脂肪酸塩 ここで(A−1)のアルキル基はC8〜C18が望まし
く、好適にはドデシルベンゼンスルホン酸が使用でき
る。塩はアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいは
トリエタノールアミン塩が好適に使用できる。また、ジ
エステル型のスルホコハク酸塩(C8〜C16)を用い
ることもできる。(A−2)の高級アルコールのアルキ
ル基はC12〜C18が望ましく、好適にはラウリル
(C12)、セチル(C16)、ステアリル(C1
8)、オレイル(C18)が望ましい。高級アルコール
にエチレンオキサイドを付加させたものも同等に使用可
能であるが、エチレンオキサイド付加モル数は2〜4が
望ましい。(A−3)の高級脂肪酸はC12〜C18が
望ましく、好適にはラウリン酸(C12)、オレイン酸
(C18)等の単一の飽和あるいは不飽和脂肪酸が用い
られる。また、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪
酸も使用できる。上記のアニオン系界面活性剤は、水溶
性あるいは水分散性を満足させるものであるならば単
独、併用は問わない。本発明で特に好適に使用されるア
ニオン系界面活性剤は(A−1)のアルキルスルホン酸
塩及び/またはアルキルベンゼンスルホン酸塩である。
【0015】本発明において、非イオン系界面活性剤
(B)とは、下記化合物群(B−1)〜(B−4)から
選ばれる少なくとも1種類の界面活性剤を指す。 (B−1)脂肪族アルカノールアミド (B−2)高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪
酸、脂肪族アミン、脂肪族アミド、ポリプロピレングリ
コール等のエチレンオキサイド付加物 (B−3)ソルビット、ソルビタン脂肪酸エステル及び
/またはそのエチレンオキサイド付加物 (B−4)ポリグリセリン脂肪酸エステル ここで(B−1)の脂肪族アルカノールアミドは高級脂
肪酸とアルカノールアミドの縮合によって合成される。
高級脂肪酸は特に限定されないが、C12〜C20の脂
肪酸が好適に使用できる。具体的にはラウリン酸および
ヤシ油脂肪酸が望ましい。(B−2)の高級アルコー
ル、アルキルフェノール、脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪
族アミドのアルキル基はC8〜C22が好適に使用でき
る。エチレンオキサイド付加モル数は結合している疎水
基にもよるが通常2〜20モルが選ばれる。ポリプロピ
レングリコールは分子量500〜5000が好適に使用
できる。(B−3)の脂肪酸はC12〜C18が好適に
使用できる。(B−4)の脂肪酸はC12〜C18が好
適に使用できる。またグリセリンはジ、テトラ、デカの
いずれかから選ばれるが、デカが好ましい。上記の非イ
オン系界面活性剤は水溶性あるいは水分散性を満足させ
るものであるならば単独、併用は問わない。本発明で特
に好適に用いられる非イオン系界面活性剤は、(B−
1)の脂肪族アルカノールアミドである。
【0016】本発明において、界面活性剤層は、アニオ
ン系界面活性剤(A)99〜10質量%と非イオン系界
面活性剤(B)1〜90質量%とから構成されることが
必要であり、(A)90〜50質量%と、(B)10〜
50質量%とから構成されることが好ましい。両界面活
性剤を混合する方法は、別々に水で希釈したものを混合
する(後混合)場合と、両方を同時に水で溶解、希釈す
る(前混合)場合があるが、いずれの方法でもよい。ア
ニオン系界面活性剤(A)が99質量%以上であると、
帯電防止効果は良いもののポリ乳酸系フィルムに対する
ぬれ性が悪くなり、コートすじ、濃淡ムラ等の外観不良
及び性能低下を招く。アニオン系界面活性剤(A)が1
0%未満の場合には、表面へのぬれ性は向上するが十分
な帯電防止効果は得られない。
【0017】本発明のポリ乳酸系フィルムの表面に該混
合物を塗布する方法としては、公知の任意の塗工法が適
用できる。例えばグラビアロール方式、マイヤーバー方
式、リバースロール方式、スプレー方式が独立または組
み合わせて適用される。塗布を施す対象のフィルムは、
ポリマーを溶融押出、キャスティング後の未延伸フィル
ム、または縦方向に延伸を行った後の一軸延伸フィルム
が好ましいが、二軸延伸フィルムでもよい。塗工後に乾
燥する場合は、ポリ乳酸系未延伸フィルムまたは一軸延
伸フィルムの熱変形の起こらない温度条件下で行われる
べきであり、好ましくは100℃を超えないようにす
る。また塗工後乾燥せずにテンターに供給し、予熱及び
延伸工程を利用し乾燥を施してもよい。
【0018】本発明において、界面活性剤を塗布する際
に、いわゆるインラインコート法を用いることが好まし
い。この方法は、有機溶剤を使用せずかつ一工程で済む
ため、物性面では機械的強度の低下がない、工程面では
1工程のためフィルム原反のロスがない等コストダウン
にもつながり非常に有益であるが、二軸延伸フィルムに
界面活性剤を塗布するポストコート法を用いてもよい。
【0019】本発明のポリ乳酸二軸延伸フィルムに、必
要に応じて顔料、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、
滑剤、結晶核剤等を任意の割合で添加することができ
る。
【0020】本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムの製
造方法としては、Tダイ法、インフレーション法、カレ
ンダー法等が例示できるが、Tダイを用いて溶融混練し
て押し出すTダイ法が好ましい。Tダイ法の製法例とし
ては、ポリ乳酸系重合体、または可塑剤、滑剤を必要に
応じて適量配合したポリ乳酸系樹脂組成物を押出機ホッ
パーに供給し、押出機を例えばシリンダー温度180〜
260℃、Tダイ温度200〜260℃に加熱し、溶融
混練して押し出し、20〜40℃に制御された冷却ロー
ルで冷却し、厚さ100〜500μmの未延伸シートを
得る。
【0021】未延伸シートの二軸延伸方法としては、テ
ンター方式による同軸二軸延伸、ロールとテンターによ
る逐次二軸延伸法のいずれでもよい。具体的な延伸例
は、まず未延伸シートを駆動ロールの回転速度比によっ
て縦方向にロール表面温度50〜80℃、延伸倍率1.
5〜5.0倍で延伸し、続いてマイヤーバー法にて延伸
後の最終塗布量が0.01g/m2となるよう該混合物
を塗布し、引き続き連続して横方向に延伸温度50〜9
0℃、延伸倍率1.5〜8.0倍、熱固定温度100〜
150℃の条件下延伸する逐次二軸延伸法が挙げられ
る。
【0022】本発明に係るポリ乳酸系二軸延伸フィルム
の厚みは特に制限なく、用途、要求性能、価格等によっ
て適宜設定すればよい。一般的には、10〜200μm
程度の厚さを例示出来る。さらに、フィルムの印刷性、
ラミネート性、コーティング適性等を向上させる目的
で、表面処理を施してもよい。表面処理の方法として
は、コロナ放電処理、プラズマ処理、酸処理等が挙げら
れ、いずれの方法も用いることが出来る。これらの中で
は、簡便さの点からコロナ放電処理が最も好ましいもの
として例示出来る。
【0023】本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、
カレンダー、文具、衣料、食品等の包装用フィルムとし
て好適であるが、その他はビデオテープ類のシュリンク
フィルム、生ごみ包装用袋、封筒の窓貼りフィルム、電
気・電子部品等のラッピング、農業用フィルム、プリン
トラミ等が例示でき、特に制限されず使用できる。
【0024】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は下記実施例により制限されるものでない。各検
査項目の測定方法及び評価は、下記の方法により行っ
た。
【0025】(1)表面固有抵抗 温度23℃、相対湿度50%の環境下に1日放置した
後、同条件下でJIS−K6911に準じて測定した。
本発明においては、1011Ω以下を合格とした。 (2)帯電圧半減期 温度23℃、相対湿度50%の条件下に1日放置した
後、同条件下でスタティックオネストメーターにより帯
電圧半減期を測定した。本発明においては、60秒以下
を合格とした。 (3)引張強度及び伸度 ASTM−D882の測定法に準じて、長さ10cm、幅
10mmの試料で測定した。 (4)ヘーズ JIS−K7105に準じて測定した。本発明において
は、10以下を合格とした。 (5)動摩擦係数 JIS−K7125に準じて、コート面対非コート面の
滑り性を測定した。本発明においては、0.70以下を
合格とした。
【0026】また、実施例で使用した界面活性剤は下記
のとおりである。 A−1:アルキルスルホン酸塩(三洋化成社製 ケミス
タット3033N) A−2:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エス
テルソーダ塩(松本油脂製薬社製 アクチノール SL
−3) A−3:ヤシ脂肪酸カリ石鹸(松本油脂製薬社製 TY
−1012) B−1:ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(三洋化成社製
ケミスタット2500) B−2:ポリエチレングリコールモノラウレート(松本
油脂製薬社製 ブリアンL) B−3:ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート
(松本油脂製薬社製 シルバン T−20) B−4:デカグリセリンモノラウレート(松本油脂製薬
社製 ブリアンPE−L100)
【0027】実施例1 L体/D体=99/1(モル比)、数平均分子量が9
5,000、MFRが5.0g/10分(210℃)の
ポリ乳酸系重合体を、コートハンガータイプのTダイを
具備した50mmφ押出機を使用して、滞留時間5分、T
ダイ温度230℃で溶融押出し、25℃に温度制御され
たキャストロールに密着急冷し、厚さ210μmの未延
伸シートを得た。得られた未延伸シートを予熱ロール6
0℃、延伸ロール70℃で3.0倍に縦方向に延伸し
た。次いで帯電防止剤として、アルキルスルホン酸塩で
あるケミスタット3033N(三洋化成社製)80質量
%と、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミドであるケミスタッ
ト2500(三洋化成社製)20質量%とからなる混合
物を1質量%に希釈した水溶液を、マイヤーバーコート
により塗布した後、引き続いてテンター内において、8
0℃の延伸温度で横方向に3.5倍延伸した後、横方向
の弛緩率を5%として150℃で熱処理を施し、厚さ2
0μmの逐次二軸延伸フィルムを得た。
【0028】実施例2〜8 帯電防止剤の種類、割合及び塗布量を変更する以外は実
施例1と同様にして、逐次二軸延伸フィルムを得た。
【0029】実施例9 L体/D体=99/1(モル比)、数平均分子量が9
5,000、MFRが5.0g/10分(210℃)の
ポリ乳酸系重合体組成物を、コートハンガータイプのT
ダイを具備した50mmφ押出機を使用して、滞留時間5
分、Tダイ温度230℃で溶融押出し、25℃に温度制
御されたキャストロールに密着急冷し、厚さ200μm
の未延伸シートを得た。次に、表1に示す帯電防止剤を
実施例1と同様に塗布し、引き続きテンター内におい
て、予熱温度60℃、延伸温度70℃で3.0×3.3
倍の延伸倍率で同時二軸延伸した後、横方向の弛緩率を
5%として150℃で熱処理を施し、厚さ20μmの同
時二軸延伸フィルムを得た。
【0030】実施例10〜11 帯電防止剤の種類を変更する以外は実施例9と同様にし
て、同時二軸延伸フィルムを得た。
【0031】比較例1〜3 帯電防止剤として表1に示す化合物を使用する以外は、
実施例1と同様として逐次二軸延伸フィルムを得た。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示したように、実施例1〜11の二
軸延伸フィルムは、帯電防止性に優れ、同時に透明性、
機械的強度、滑り性に優れている。これに対し、ヤシ脂
肪酸ジエタノールアミドのみ用いた比較例1は、帯電防
止性不足であり、実用的なレベルに到達しない。アルキ
ルスルホン酸塩のみ用いた比較例2は、帯電防止性は良
好だが、塗工むらを生じ外観が悪化するため、商品価値
が損なわれ、また透明性が悪化するという問題があり用
途が限定される。全く帯電防止剤を塗布しない比較例3
では、汎用プラスチック同様表面固有抵抗値が高く、静
電気が蓄積されやすい。
【0034】
【発明の効果】本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルム
は、透明性、機械的強度、滑り性、特に帯電防止性に優
れているため、衣料、文具、食品、医薬品等の包装材料
として有用性が高い。またゴミとして廃棄された場合土
壌中で微生物により分解され、自然環境、野生動物に対
する環境負荷を軽減することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 67:04 C08L 67:04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面に界面活性剤層を有する
    ポリ乳酸系二軸延伸フィルムであって、界面活性剤層
    が、下記化合物群(A−1)〜(A−3)から選ばれる
    少なくとも1種類のアニオン系界面活性剤(A)99〜
    10質量%と、下記化合物群(B−1)〜(B−4)か
    ら選ばれる少なくとも1種類の非イオン系界面活性剤
    (B)1〜90質量%とからなり、表面固有抵抗が10
    11Ω以下であることを特徴とする帯電防止性に優れたポ
    リ乳酸系二軸延伸フィルム。 (A−1)アルキルスルホン酸塩及びアルキルアリルス
    ルホン酸塩 (A−2)高級アルコール硫酸エステル塩及びそのエチ
    レンオキサイド付加物 (A−3)高級脂肪酸塩 (B−1)脂肪族アルカノールアミド (B−2)高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪
    酸、脂肪族アミン、脂肪族アミド、ポリプロピレングリ
    コール等のエチレンオキサイド付加物 (B−3)ソルビット、ソルビタン脂肪酸エステル及び
    /またはそのエチレンオキサイド付加物 (B−4)ポリグリセリン脂肪酸エステル。
  2. 【請求項2】 未延伸または一軸方向のみに延伸された
    ポリ乳酸系フィルムの少なくとも片面に、下記化合物群
    (A−1)〜(A−3)から選ばれる少なくとも1種類
    のアニオン系界面活性剤(A)99〜10質量%と、下
    記化合物群(B−1)〜(B−4)から選ばれる少なく
    とも1種類の非イオン系界面活性剤(B)1〜90質量
    %とからなる混合物の水溶液を塗布し、続いて二軸方向
    または最初の延伸方向と直角方向に延伸し、熱セットす
    ることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系二軸延伸
    フィルムの製造方法。 (A−1)アルキルスルホン酸塩及びアルキルアリルス
    ルホン酸塩 (A−2)高級アルコール硫酸エステル塩及びそのエチ
    レンオキサイド付加物 (A−3)高級脂肪酸塩 (B−1)脂肪族アルカノールアミド (B−2)高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪
    酸、脂肪族アミン、脂肪族アミド、ポリプロピレングリ
    コール等のエチレンオキサイド付加物 (B−3)ソルビット、ソルビタン脂肪酸エステル及び
    /またはそのエチレンオキサイド付加物 (B−4)ポリグリセリン脂肪酸エステル
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