JP2005307167A - 熱収縮性ポリエステル系フィルム及びその製造方法、熱収縮性ラベル - Google Patents
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Abstract
【課題】 常温常湿雰囲気下での帯電防止性能に優れることはもとより、冬場等での低 湿度下雰囲気下でも加工適性に優れた熱収縮性、ポリエステル系フィルム及び熱収縮性 ラベルを提供することを目的とする。
【解決手段】 フィルムを10cm×10cmの正方形状に切り出した試料を85℃の 温水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大熱収縮方向の熱収縮率が20%以上であ る。該熱収縮性ポリエステル系フィルムは、熱収縮性ポリエステル系フィルムの熱収縮 率が20%未満であると、フィルムの熱収縮力が不足して、容器等に被覆収縮させたと きに、容器に密着せず、外観不良が発生するため好ましくない。
【選択図】 なし
【解決手段】 フィルムを10cm×10cmの正方形状に切り出した試料を85℃の 温水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大熱収縮方向の熱収縮率が20%以上であ る。該熱収縮性ポリエステル系フィルムは、熱収縮性ポリエステル系フィルムの熱収縮 率が20%未満であると、フィルムの熱収縮力が不足して、容器等に被覆収縮させたと きに、容器に密着せず、外観不良が発生するため好ましくない。
【選択図】 なし
Description
本発明は、熱収縮性ポリエステル系フィルムに関し、さらに詳しくはラベル用途に好適な熱収縮性ポリエステル系フィルム及びその製造方法と該熱収縮性ポリエステル系フィルムからなる熱収縮性ラベルに関するものである。
近年、包装品の、外観向上のための外装、内容物の直接衝撃を避けるための包装、ガラス瓶またはプラスチックボトルの保護と商品の表示を兼ねたラベル包装等を目的として、熱収縮プラスチックフィルムが広範に使用されている。これらの目的で使用されるプラスチック素材としては、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリエステル系フィルムなどの延伸フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)容器、ポリエチレン容器、ガラス容器などの各種容器において、ラベルやキャップシールあるいは集積包装の目的で使用されている。
しかし、ポリ塩化ビニル系フィルムは収縮特性には優れるが、耐熱性が低い上に、焼却時に塩化水素ガスを発生したり、ダイオキシンの原因となるなどの問題を抱えている。また、熱収縮性塩化ビニル系樹脂フィルムをPET容器などの収縮ラベルとして用いると、容器をリサイクル利用する際に、ラベルと容器を分離しなければならないという問題がある。
一方、ポリスチレン系フィルムは、収縮後の仕上がり外観性が良好な点は評価できるが、耐溶剤性に劣るため、印刷の際に特殊な組成のインキを使用しなければならない。また、ポリスチレン系樹脂は、高温で焼却する必要がある上に、焼却時に多量の黒煙と異臭が発生するという問題がある。
これらの問題のないポリエステル系フィルムは、ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレン系フィルムに代わる収縮ラベルとして非常に期待されており、PET容器の使用量増大に伴って、使用量も増加傾向にある。
しかし、従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムも、その特性においてさらなる改良が求められていた。上記従来のフィルムは絶縁体であるので静電気の発生を、蓄積を生じやすく、静電気障害による種々のトラブルを惹起するという欠点を有していた。例えば、印刷工程、チュービング工程あるいはラベルの装着工程においてロールへの巻き付き、人体への電気ショック、取扱い性の困難さ等の作業効率の低下や、いわゆる印刷ヒゲの発生、口開き不良、フィルム表面の汚れなど商品価値の低下をもたらす原因となるという欠点があった。この問題に対し、フィルムの表面抵抗値を1×1013(Ω/□)以下とする方法などが提案されてきた(例えば特許文献1参照)。
特開平7−1583号公報
しかしながら、常温常湿下での前記加工性に関しての問題はないものの特に冬場等の低湿度雰囲気下での帯電防止性能の低下による加工時トラブルが発生してそのさらなる改良が求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、常温常湿雰囲気下での帯電防止性能に優れることはもとより、冬場等での低湿度下雰囲気下でも加工適性に優れた熱収縮性、ポリエステル系フィルム及び熱収縮性ラベルを提供することを目的とする。
上記問題を解決し得た熱収縮性ポリエステル系フィルムとは、フィルムを10cm×10cmの正方形状に切り出した試料を85℃の温水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大熱収縮方向の熱収縮率が20%以上である。該熱収縮性ポリエステル系フィルムは、熱収縮性ポリエステル系フィルムの熱収縮率が20%未満であると、フィルムの熱収縮力が不足して、容器等に被覆収縮させたときに、容器に密着せず、外観不良が発生するため好ましくない。
さらに、本発明での熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルムの少なくとも片面の表面固有抵抗値が温度23℃、相対湿度30%雰囲気下で1×1013(Ω/□)以下である。該低湿度下の表面固有抵抗値を確保することにより、特に冬場等の低湿度雰囲気下においても優れた加工性能を付与することが可能である。
さらに、本発明での熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルムの少なくとも片面の表面固有抵抗値が温度23℃、相対湿度65%雰囲気下で1×1012(Ω/□)以下であることが好ましい。該湿度下での表面固有抵抗値を確保することにより、常湿雰囲気下および夏場等の高湿度雰囲気下においても優れた加工性能を付与することが可能である。
さらに、本発明での熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルムの少なくとも片面同士の動摩擦係数が温度23℃、相対湿度65%雰囲気下で0.30以下であることが好ましい。該滑性を確保することによって、高湿度から低湿度雰囲気下においてさらに優れた加工性能を付与することができる。
さらに、本発明での熱収縮性ポリエステル系フィルムは、少なくとも片面の帯電減衰率の半減時間が、JIS−L−1094法に準じた、温度23℃、相対湿度65%雰囲気下での測定で30秒以下であることが好ましい。該特性を有するフィルムは、特に印刷・チュービング工程でのロールへの巻き付きにおいてさらに優れた加工性能を付与することが可能である。
本発明における好ましい実施様態は、フィルムの少なくとも片面にアミノ酸系両性界面活性剤よりなる帯電防止剤及び/又はベタイン系界面活性剤からなる帯電防止剤を塗布してなる熱収縮性ポリエステル系フィルムである。
さらに、本発明における製造方法としては、上記アミノ酸系両性界面活性剤よりなる帯電防止剤及び/又はベタイン系界面活性剤からなる帯電防止剤を含む塗布液を塗布後、乾燥することが好ましく、未延伸ポリエステル系フィルム又は1軸延伸ホポリエステル系フィルムの少なくとも片面に、上記アミノ酸系両性界面活性剤よりなる帯電防止剤及び/又はベタイン系界面活性剤からなる帯電防止剤を含む塗布液を塗布後、乾燥、延伸することが製造のしやすさとコスト面から、より好ましい。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム及び熱収縮性ラベルは、常温常湿雰囲気下での帯電防止性能に優れることはもとより、低湿度雰囲気下でも帯電防止性や滑性等の加工適性に優れるため、冬場等でも加工トラブルの発生を低減・抑止することのできる熱収縮性ポリエステル系フィルム及び熱収縮性ラベルを提供することができる為、実用価値の非常に高いものである。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムとは、公知の多価カルボン酸成分と、多価アルコール成分から形成されるエステルユニットを主たる構成ユニットとする単一の共重合ポリエステル、あるいは、2種以上のポリエステルの混合物を用いて得られるものであり、10cm×10cmの正方形状に切り取った熱収縮性ポリエステル系フィルムの 85℃の温湯に10秒間浸漬したときの最大熱収縮方向の収縮率が20%以上である。
収縮率(%)=(加熱前寸法−加熱後寸法)/加熱前寸法 × 100
収縮率(%)=(加熱前寸法−加熱後寸法)/加熱前寸法 × 100
フィルムの熱収縮率が20%未満であると、フィルムの熱収縮率が不足して、容器に被覆収縮させたときに、容器に密着せず、外観不良が発生するため好ましくない。より好ましい熱収縮率は25%以上、さらに好ましくは30%以上である。
さらに本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルムの少なくとも片面の表面固有抵抗値が温度23℃、相対湿度30%雰囲気下で1×1013(Ω/□)以下である。該低湿度下の表面固有抵抗値を確保することにより、特に冬場等の低湿度雰囲気下においても優れた加工性能を付与することが可能である。上記表面固有抵抗値が1×1013(Ω/□)未満であると、低湿度雰囲気下において静電気障害による種々のトラブルを発生する。例えば印刷工程における、いわゆる印刷ヒゲの発生や印刷・チュービング工程でのロールへの巻き付き、ラベルカット後のラベル同士の付着、特にラベルを積み重ねた後に手めくりで1枚ずつ取って装着する際の付着による作業性の困難さやカットしたラベルの口開き性不良のトラブル、表面へのホコリ等の汚れの付着等が発生する。上記表面固有抵抗値は、1×1013(Ω/□)以下、好ましくは5×1012(Ω/□)以下、より好ましくは1×1012(Ω/□)以下である。
さらに本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルムの少なくとも片面の表面固有抵抗値が温度23℃、相対湿度65%雰囲気下で1×1012(Ω/□)以下であることが好ましい。該湿度下での表面固有抵抗値を確保することにより、常湿雰囲気下および夏場等の高湿度雰囲気下においても優れた加工性能を付与することができ、前述の静電気障害による種々のトラブルを防止することができる該湿度下での表面固有抵抗値は、好ましくは1×1012(Ω/□)以下、より好ましくは5×1011(Ω/□)以下、さらに好ましくは1×1010(Ω/□)以下である。
さらに本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムにおいては、フィルムの少なくとも片面同士の動摩擦係数がJIS K−7125法に準じた、温度23℃、相対湿度65%雰囲気下で0.30以下であることが好ましい。該滑性を付与することで、高湿度から低湿度雰囲気下においてさらに優れた加工性能を付与することができる。前述の静電気障害による種々のトラブルにおいて、滑性を付与して加工時のフィルム表面への摩擦力を低減することにより、発生する静電気の帯電量そのものを低減化する効果を有する。上記動摩擦係数は、より好ましくは0.29以下、さらに好ましくは0.28以下である。
さらに、本発明においては少なくともフィルム片面の帯電減衰率の半減時間が、JIS
L−1094法に準じた、温度23℃、相対湿度65%雰囲気下での測定で30秒以下であることが好ましい。上記範囲の帯電減衰率の半減時間のフィルムは、特に印刷工程における、いわゆる印刷ヒゲの発生や印刷・チュービング工程でのロールへの巻き付きを防止する効果を有する。上記帯電減衰率の半減時間は、より好ましくは25秒以下、さらに好ましくは20秒以下である。
L−1094法に準じた、温度23℃、相対湿度65%雰囲気下での測定で30秒以下であることが好ましい。上記範囲の帯電減衰率の半減時間のフィルムは、特に印刷工程における、いわゆる印刷ヒゲの発生や印刷・チュービング工程でのロールへの巻き付きを防止する効果を有する。上記帯電減衰率の半減時間は、より好ましくは25秒以下、さらに好ましくは20秒以下である。
本発明における好ましい実施様態は、フィルムの少なくとも片面にアミノ酸系両性界面活性剤よりなる帯電防止剤及び/又はベタイン系界面活性剤からなる帯電防止剤を塗布してなる熱収縮性ポリエステル系フィルムである。界面活性剤とは親水性基と疎水性基をもつ化合物の総称で、界面活性剤よりなる帯電防止剤は親水性基のイオン型によりアニオン型、カチオン型、両性型、非イオン型に分類できる。アニオン型とは、カルボン酸、カルボン酸塩、硫酸エステル、硫酸エステル塩、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸エステル、リン酸エステル塩等の親水性基を持つものをさし、広く用いられているが、低湿度下での帯電防止性能において劣る欠点を有し、本発明の目的とする性能を得ることができない。また、カチオン型とは第1級アミン、第1級アミン塩、第2級アミン、第2級アミン塩、第3級アミン、第3級アミン塩、第4級アンモニウム、第4級アンモニウム塩等の親水性基を持つものをさし、低湿度下での帯電防止性能においては優れるが、耐熱性に劣る欠点を有るため高温下では熱分解しやすく、また衛生性に劣るために食品包装用途のフィルムには不向きなものが大半である。また、非イオン型とはポリエチレングリコールや多価アルコール等の親水性基を持つものさすが、アニオン系と同様に、低湿度下での帯電防止性能において劣る欠点を有する。一方、両性型とはアニオン型、カチオン型、非イオン型のうちいずれか2種類の親水性基を持つものをさす。両性型は多くの場合カチオン部分として、アミン塩または第4級アンモニウム塩を親水性基として持つことから、両性型はアニオン部分の種類で一般的に分類されるが、カルボン酸又はカルボン酸塩系両性型、硫酸エステル又は硫酸エステル塩系両性型、スルホン酸又はスルホン酸塩系両性型、リン酸エステル又はリン酸エステル塩系両性型があり、低湿度下での帯電防止性能と耐熱性、衛生性のいずれも優れているので好ましい。このうち、カルボン酸又はカルボン酸塩系両性型が衛生性において特に優れているので好ましい。例えば(化1)で示されるアミノ酸系両性型界面活性剤や(化2)で示されるベタイン系両性型界面活性剤が挙げられる。
(化1)の具体例としては、β―ラウリルアミノプロピオン酸、β―ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等が、(化2)の具体例としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルアミノベタイン、ラウリル酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
前述の(化1)又は(化2)の両性型界面活性剤をフィルムの少なくとも片面に適正量塗布することにより、本発明における好ましい範囲内の表面固有抵抗値、動摩擦係数および帯電減衰率の半減時間に制御することが可能である。(化1)においては好ましい塗布量の範囲は、0.001(g/m2)〜0.050(g/m2)、より好ましくは0.002(g/m2)〜0.040(g/m2)、さらに好ましくは0.003(g/m2)〜0.030(g/m2)であり、(化2)においては好ましい塗布量の範囲は、0.004(g/m2)〜0.060(g/m2)、より好ましくは0.005(g/m2)〜0.050(g/m2)、さらに好ましくは0.006(g/m2)〜0.040(g/m2)である。該下限塗布量を下回ると、本発明における好ましい範囲内の表面固有抵抗値、動摩擦係数および帯電減衰率の半減時間に制御することが困難となり、該上限塗布量を超えるとフィルムの溶剤接着性を阻害するので溶剤接着によりラベルを作成する際に剥離を発生する可能性があり、いずれも好ましくない。
なお、本発明においては、必要に応じて上記(化1)又は(化2)以外の帯電防止剤、シリカ等の粒子滑剤、ワックス成分、紫外線吸収剤等を塗布液中に混合して塗布することも可能である。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムに用いられる原料組成物中のポリエステルを構成するジカルボン酸成分としては、エチレンテレフタレートユニットを構成するテレフタル酸のほか、芳香族ジカルボン酸および脂環式ジカルボン酸のいずれもが用いられ得る。
芳香族ジカルボン酸としてはイソフタル酸、オルトフタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のベンゼンカルボン酸類;2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸類;4,4’−ジカルボキシジフェニル、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸等のジカルボキシビフェニル類;1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸およびその置換体;1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸およびその置換体等が挙げられる。
脂肪酸カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ウンデカン酸、ドデカンジカルボン酸、ブラシル酸、テトラデカンジカルボン酸、タプシン酸、ノナデカンジカルボン酸、ドコサンジカルボン酸、およびこれらの置換体、4,4’−ジカルボキシシクロヘキサンおよびその置換体等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としてはイソフタル酸、オルトフタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のベンゼンカルボン酸類;2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸類;4,4’−ジカルボキシジフェニル、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸等のジカルボキシビフェニル類;1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸およびその置換体;1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸およびその置換体等が挙げられる。
脂肪酸カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ウンデカン酸、ドデカンジカルボン酸、ブラシル酸、テトラデカンジカルボン酸、タプシン酸、ノナデカンジカルボン酸、ドコサンジカルボン酸、およびこれらの置換体、4,4’−ジカルボキシシクロヘキサンおよびその置換体等が挙げられる。
原料組成物に含まれるポリエステルのジオール成分としては、ポリエチレンテレフタレートユニットを構成するエチレングリコールを始めとして、この他に脂肪族ジオール、脂環式ジオール、および芳香族ジオールのいずれもが用いられ得る。
脂肪族ジオールとしては、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール等がある。脂環式ジオールとしては、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等がある。芳香族ジオールとしては、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルフォン等のビスゲノール系化合物のエチレンオキサイド付加物;キシリレングリコール等がある。また、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールもジオール成分として用いられ得る。
脂肪族ジオールとしては、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール等がある。脂環式ジオールとしては、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等がある。芳香族ジオールとしては、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルフォン等のビスゲノール系化合物のエチレンオキサイド付加物;キシリレングリコール等がある。また、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールもジオール成分として用いられ得る。
上記原料組成物に含有されるポリエステルは、上記酸成分およびジオール成分とからなるものであるが、ポリエステルを調整するには、熱収縮性フィルムとしての特性を改良するために1種以上の酸成分またはジオール成分を組み合わせて用いることが好ましく、組み合わされるモノマー成分の種類および含有量は、所望のフィルム特性、経済性等に基づいて適宜決定すればよい。また原料組成物には、1種もしくはそれ以上のポリエステルが含有される。含有されるポリエステルが1種である場合には、エチレンテレフタレートユニットを含有する共重合ポリエステルとする。2種以上のポリエステルを混合する場合には、共重合ポリエステルおよびホモポリエステルの所望の組成の混合物とする。一般に共重合ポリエステルは融点が低いため、乾燥時の取扱いが難しい等の問題があるので、ホモポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキセンジメチレンテレフタレート)等)と共重合ポリエステルを混合して用いることが好ましい。フィルム組成としては、フィルム組成としてエチレンテレフタレートを主構成成分とし、それ以外の副次構成成分としてネオペンチルク゛リコール、1,4シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸のうちいずれか1種以上を含有することが特に好ましい。これらの副次構成成分を導入することにより、ポリマーを非晶化して熱収縮性を発現させることができ、また、フィルムに溶剤接着性を付与することができる。エチレンテレフテタレートは全ポリエステルの構成成分を100モル%としたときに、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましい。前記ネオペンチルク゛リコール、1,4シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸のうちいずれか1種以上の含有量は、酸成分合計量を100モル%、ジオール成分合計量を100モル%としたときに、合計量として、8モル%〜30モル%の範囲が好ましく、10〜25モル%の範囲がより好ましい。さらに、低温収縮性を付与するためにフィルムのガラス転移温度を低下させる、1,4ブタンジオール、1,3プロパンジオールのうちいずれか1種以上を含有することも好ましい実施様態である。前記1,4ブタンジオール、1,3プロパンジオールのうちいずれか1種以上の成分の含有量は、酸成分合計量を100モル%、ジオール成分合計量を100モル%としたときに、合計量として、3モル%〜30モル%の範囲が好ましく、5〜25モル%の範囲が低温収縮性を発現させてフィルムの耐破れ性を確保できるのでより好ましい。
上記原料組成物中のポリエステルは、いずれも従来の方法により製造され得る。例えば、ジカルボン酸とジオールとを直接反応させる直接エステル化法;ジカルボン酸ジメチルエステルとジオールとを反応させるエステル交換法等を用いてポリエステルが調整される。調整は、回分式および連続式のいずれの方法で行なわれてもよい。
原料組成物中には、上記ポリエステルの他に必要に応じて各種の公知の添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えば不活性粒子滑剤としてシリカ、チタニア、マイカ、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、スチレンージビニルベンゼン系、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド、ベンゾグアナミン等の有機粒子、あるいはこれらの表面処理品等を添加することにより更に滑り性を向上させることができるが、表面凹凸の生成などによりフィルムの透明性が低下する傾向にあるため、透明性の要求に応じて添加量を適宜調整することが推奨される。また、有機系潤滑剤としてはパラフィンワックス、マイクロワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、エチレンアクリル系ワックス、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、硬化ヒマシ油、ステアリン酸ステアリル、シロキサン、高級アルコール系高分子、ステアリルアルコール、ステアリアン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉛 等を添加することが好ましい。中でも、低分子量ポリエチレンワックスの添加は層表面を平滑にすることによるスティック防止効果から滑性の向上が期待できる。上記の他に目的に応じて紫外線吸収剤;着色剤(染料等)を添加することもできる。
上記原料組成物は、公知の方法(例えば、押し出し法、カレンダー法)によりフィルム状に成形される。フィルムの形状は、例えば平面状またはチューブ状であり、特に限定されない。延伸方法としては、例えば、ロール延伸法、長間隙延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等の公知の方法が採用できる。これらの方法のいずれにおいても、逐次2軸延伸、同時2軸延伸、1軸延伸、およびこれらの組み合わせで延伸を行なえばよい。
上記2軸延伸では縦横方向の延伸は同時に行なわれてもよく、どちらか一方を先に行ってもよい。延伸倍率は1.0倍から7.0倍の範囲で任意に設定され、所定の一方向の倍率を3.5倍以上とすることが好ましい。
上記2軸延伸では縦横方向の延伸は同時に行なわれてもよく、どちらか一方を先に行ってもよい。延伸倍率は1.0倍から7.0倍の範囲で任意に設定され、所定の一方向の倍率を3.5倍以上とすることが好ましい。
延伸工程においては、フィルムを構成する重合体が有するガラス転移温度(Tg)以上でかつ例えばTg+80℃以下の温度で予熱を行なうことが好ましい。延伸時のヒートセットでは、例えば、延伸を行なった後に、30〜150℃の加熱ゾーンを約1〜30秒通すことが推奨される。また、フィルムの延伸後、ヒートセットを行なう前もしくは行なった後に、所定の度合で延伸を行なってもよい。さらに上記延伸後、伸張あるいは緊張状態に保ってフィルムにストレスをかけながら冷却する工程、あるいは、該処理に引き続いて緊張状態を解除した後も冷却工程を付加してもよい。得られるフィルムの厚みは6〜250μmの範囲が好ましい。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの好ましい製造方法は、前述の(化1)及び/又は(化2)の帯電防止剤を含む塗布液を、延伸製膜した熱収縮性ポリエステルフィルムの少なくとも片面上に塗布後、乾燥する方法(オフライン・コート)と未延伸ポリエステル系フィルム又は1軸延伸ポリエステル系フィルムの片面に、前述の(化1)及び/又は(化2)よりなる帯電防止剤を含む塗布液を塗布後、乾燥、延伸する方法(インライン・コート)のいずれも可能である。上記オフライン・コートにおいては、乾燥時の温度が高いとフィルムが熱収縮を起こすので、乾燥温度は60℃以下で行うことが好ましい。上記インライン・コートにおいては、乾燥前の塗布液の塗布量が3(g/m2)を超えると
乾燥が不十分となり好ましくない。また、前述の(化1)及び/又は(化2)の帯電防止剤を含む塗布液は工程設備の錆び防止や安全性の観点からPHを5.5〜8.0の範囲内に調整しておくことが好ましい。PH調整剤としては塩化ナトリウム等を使用することが可能である。また、塗布液を塗布する方法は公知の方式を用いることができる。例としてリバースロール方式、エアナイフ方式、ファウンテン方式、グラビアロール方式、バーコート方式などが挙げられる。
乾燥が不十分となり好ましくない。また、前述の(化1)及び/又は(化2)の帯電防止剤を含む塗布液は工程設備の錆び防止や安全性の観点からPHを5.5〜8.0の範囲内に調整しておくことが好ましい。PH調整剤としては塩化ナトリウム等を使用することが可能である。また、塗布液を塗布する方法は公知の方式を用いることができる。例としてリバースロール方式、エアナイフ方式、ファウンテン方式、グラビアロール方式、バーコート方式などが挙げられる。
以下チューブ加工について説明する。本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムからラベルを製造する場合、チューブ化加工を行うが、この際に溶剤を用いて接着することが多い、という観点から、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン等の溶剤をフィルムの片面に塗布、該塗布面にフィルムの他方の面を圧着し、主収縮方向に剥離したとき接着状態であることが好ましく、接着部分の剥離強度として4N/15mm以上であることがより好ましい。該チューブ加工によりチューブ状としたものを裁断してラベル状体とする。溶剤接着性が不足の場合、ラベルの熱収縮装着時、または飲料ボトル取扱い時にラベル接着部の剥離が発生する恐れがある。なお、本発明においてフィルムが溶剤接着可能であるとは、後述の実施例の測定方法において溶剤接着強度が4N/15mm以上であることをさす。
次に本発明の内容および効果を実施例によって説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しないかぎり以下の実施例に限定されるものではない。尚、本明細書中における特性値の測定方法は以下の通りである。
(熱収縮率)
延伸したフィルムを10cm×10cmの正方形に、その一辺がフィルム流れ方向と平行になるように切り出し、これを85℃に加熱した水槽に10秒間浸漬した。10秒経過後、直ちに別途用意した25℃の水槽に10秒間浸漬した後引き上げ、フィルムの主収縮方向の長さを測定し、加熱収縮率を求めた。なお、最も収縮した方向を最大収縮方向とした。
収縮率(%)=(加熱前寸法−加熱後寸法)/加熱前寸法 × 100
延伸したフィルムを10cm×10cmの正方形に、その一辺がフィルム流れ方向と平行になるように切り出し、これを85℃に加熱した水槽に10秒間浸漬した。10秒経過後、直ちに別途用意した25℃の水槽に10秒間浸漬した後引き上げ、フィルムの主収縮方向の長さを測定し、加熱収縮率を求めた。なお、最も収縮した方向を最大収縮方向とした。
収縮率(%)=(加熱前寸法−加熱後寸法)/加熱前寸法 × 100
(表面固有抵抗値)
タケダ理研社製固有抵抗測定器で、印加電圧500Vの条件で23℃・30RH%雰囲気下と23℃・65RH%雰囲気下でフィルムの表面固有抵抗値を測定した。
タケダ理研社製固有抵抗測定器で、印加電圧500Vの条件で23℃・30RH%雰囲気下と23℃・65RH%雰囲気下でフィルムの表面固有抵抗値を測定した。
(摩擦係数)
フィルム面同士の動摩擦係数μdをJIS K−7125に準拠し、23℃,65%RH環境下で測定した。
フィルム面同士の動摩擦係数μdをJIS K−7125に準拠し、23℃,65%RH環境下で測定した。
(帯電減衰率の半減時間)
JIS L−1094法に準拠し、印加電圧10KVにてスタチックオネストメーターにより23℃・65RH%雰囲気下で測定し、半減時間を求めた。
JIS L−1094法に準拠し、印加電圧10KVにてスタチックオネストメーターにより23℃・65RH%雰囲気下で測定し、半減時間を求めた。
(溶剤接着強度)
各試料フィルムを使用し、1,3−ジオキソランを用いてシールを施してチューブ状とする。シールはシールマシンを使用し、溶剤をフィルムのコート面側に速度10m/分、塗布量2g/m2にて塗布幅3mmで塗布した後、フィルムのもう一方の面を直ちに重ね合わせ、ニップロールで圧着することにより行った。そして該シール部をフィルムの主延伸方向に15mmの幅に切り取り、それを(株)ボールドウィン社製 万能引張試験機 STM−50」にセットし、180°ピール試験で引張速度200mm/分で測定して、下記の基準で評価した。
○: ≧ 4N/15mm
×: < 4N/15mm
各試料フィルムを使用し、1,3−ジオキソランを用いてシールを施してチューブ状とする。シールはシールマシンを使用し、溶剤をフィルムのコート面側に速度10m/分、塗布量2g/m2にて塗布幅3mmで塗布した後、フィルムのもう一方の面を直ちに重ね合わせ、ニップロールで圧着することにより行った。そして該シール部をフィルムの主延伸方向に15mmの幅に切り取り、それを(株)ボールドウィン社製 万能引張試験機 STM−50」にセットし、180°ピール試験で引張速度200mm/分で測定して、下記の基準で評価した。
○: ≧ 4N/15mm
×: < 4N/15mm
(実施例1)
(1)ポリエステル系樹脂 及び 未延伸フィルム
極限粘度が0.72(dl/g)のポリエチレンテレフタレート36重量%、テレフタル酸100モル%とネオペンチルグリコール30モル%とエチレングリコール70モル%とからなる極限粘度が0.75(dl/g)のポリエステル54重量%、および極限粘度が0.1.20(dl/g)のポリブチレンテレフタレート10重量%を混合したポリエステル組成物を予備乾燥後、280℃で溶融しTダイから押出し、表面温度20℃のチルロール上で急冷して未延伸フィルムを得た。
(1)ポリエステル系樹脂 及び 未延伸フィルム
極限粘度が0.72(dl/g)のポリエチレンテレフタレート36重量%、テレフタル酸100モル%とネオペンチルグリコール30モル%とエチレングリコール70モル%とからなる極限粘度が0.75(dl/g)のポリエステル54重量%、および極限粘度が0.1.20(dl/g)のポリブチレンテレフタレート10重量%を混合したポリエステル組成物を予備乾燥後、280℃で溶融しTダイから押出し、表面温度20℃のチルロール上で急冷して未延伸フィルムを得た。
(2)塗布液の調合
アミノ酸系両性界面活性剤(β―ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム)水溶液(商品名「ビスターSLA」:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。
アミノ酸系両性界面活性剤(β―ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム)水溶液(商品名「ビスターSLA」:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。
(3)コートフイルムの製造
(1)で得た未延伸フィルムの片面に(2)で調合した塗布液をバーコーター方式で塗布し、フィルム温度が80℃になるまで加熱した後、テンターで横方向に3.8倍延伸後、80℃で熱固定し、コート量0.004g/m2、厚み50μmの熱収縮性ポリエステル
系フィルムを得た。
この延伸フィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
(1)で得た未延伸フィルムの片面に(2)で調合した塗布液をバーコーター方式で塗布し、フィルム温度が80℃になるまで加熱した後、テンターで横方向に3.8倍延伸後、80℃で熱固定し、コート量0.004g/m2、厚み50μmの熱収縮性ポリエステル
系フィルムを得た。
この延伸フィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
(実施例2)
(1)熱収縮性ポリエステルフィルムの製造
極限粘度が0.72(dl/g)のポリエチレンテレフタレート36重量%、テレフタル酸100モル%とネオペンチルグリコール30モル%とエチレングリコール70モル%とからなる極限粘度が0.75(dl/g)のポリエステル54重量%、および極限粘度が0.1.20(dl/g)のポリブチレンテレフタレート10重量%を混合したポリエステル組成物を予備乾燥後、280℃で溶融しTダイから押出し、表面温度20℃のチルロール上で急冷して未延伸フィルムを得た。該フィルムを温度が80℃になるまで加熱した後、テンターで横方向に3.8倍延伸後、80℃で熱固定し、厚み50μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
(2)塗布液の調合
ベタイン系両性界面活性剤(ミスチリン酸アミドプロピルアミノベタイン)水溶液(商品名「ビスターMAP」:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。
(3)コートフィルムの製造
グラビア式コーターで(1)の熱収縮性ポリエステル系フィルム片面に塗布液を塗布後、ドライヤー中で温度40℃にて乾燥し熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。コート量は0.010g/m2であった。このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結
果を表1に示す。
(1)熱収縮性ポリエステルフィルムの製造
極限粘度が0.72(dl/g)のポリエチレンテレフタレート36重量%、テレフタル酸100モル%とネオペンチルグリコール30モル%とエチレングリコール70モル%とからなる極限粘度が0.75(dl/g)のポリエステル54重量%、および極限粘度が0.1.20(dl/g)のポリブチレンテレフタレート10重量%を混合したポリエステル組成物を予備乾燥後、280℃で溶融しTダイから押出し、表面温度20℃のチルロール上で急冷して未延伸フィルムを得た。該フィルムを温度が80℃になるまで加熱した後、テンターで横方向に3.8倍延伸後、80℃で熱固定し、厚み50μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
(2)塗布液の調合
ベタイン系両性界面活性剤(ミスチリン酸アミドプロピルアミノベタイン)水溶液(商品名「ビスターMAP」:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。
(3)コートフィルムの製造
グラビア式コーターで(1)の熱収縮性ポリエステル系フィルム片面に塗布液を塗布後、ドライヤー中で温度40℃にて乾燥し熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。コート量は0.010g/m2であった。このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結
果を表1に示す。
(実施例3)
ベタイン系両性界面活性剤(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)水溶液(商品名「ビスターML」:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。その他はコート量0.010g/m2とした
以外は実施例1と同様の方法で熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
ベタイン系両性界面活性剤(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)水溶液(商品名「ビスターML」:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。その他はコート量0.010g/m2とした
以外は実施例1と同様の方法で熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
(実施例4)
1)ポリエステル系樹脂 及び 未延伸フィルム
極限粘度が0.72(dl/g)のポリエチレンテレフタレート36重量%、テレフタル酸100モル%と1,4シクロヘキサンジメタノール30モル%とエチレングリコール70モル%とからなる極限粘度が0.75(dl/g)のポリエステル54重量%、および極限粘度が0.1.20(dl/g)のポリブチレンテレフタレート10重量%を混合したポリエステル組成物を予備乾燥後、280℃で溶融しTダイから押出し、表面温度20℃のチルロール上で急冷して未延伸フィルムを得た。
1)ポリエステル系樹脂 及び 未延伸フィルム
極限粘度が0.72(dl/g)のポリエチレンテレフタレート36重量%、テレフタル酸100モル%と1,4シクロヘキサンジメタノール30モル%とエチレングリコール70モル%とからなる極限粘度が0.75(dl/g)のポリエステル54重量%、および極限粘度が0.1.20(dl/g)のポリブチレンテレフタレート10重量%を混合したポリエステル組成物を予備乾燥後、280℃で溶融しTダイから押出し、表面温度20℃のチルロール上で急冷して未延伸フィルムを得た。
(2)塗布液の調合
ベタイン系両性界面活性剤(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)水溶液(商品名「ビスターML」:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。
ベタイン系両性界面活性剤(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)水溶液(商品名「ビスターML」:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。
(3)コートフイルムの製造
(1)で得た未延伸フィルムの片面に(2)で調合した塗布液をバーコーター方式で塗布し、フィルム温度が80℃になるまで加熱した後、テンターで横方向に3.8倍延伸後、80℃で熱固定し、コート量0.010g/m2、厚み50μmの熱収縮性ポリエステル
系フィルムを得た。
この延伸フィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
(1)で得た未延伸フィルムの片面に(2)で調合した塗布液をバーコーター方式で塗布し、フィルム温度が80℃になるまで加熱した後、テンターで横方向に3.8倍延伸後、80℃で熱固定し、コート量0.010g/m2、厚み50μmの熱収縮性ポリエステル
系フィルムを得た。
この延伸フィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
(比較例1)
アニオン系界面活性剤(パラフィンスルホン酸ナトリウム)水溶液(商品名「TB214」:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。その他はコート量0.002g/m2とした以外は実施例1と同様の方法で熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
アニオン系界面活性剤(パラフィンスルホン酸ナトリウム)水溶液(商品名「TB214」:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。その他はコート量0.002g/m2とした以外は実施例1と同様の方法で熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例1において、コート量0.010g/m2とした以外は比較例1と同様の方法で
フラット状の熱収縮性フィルムを得た。
このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
比較例1において、コート量0.010g/m2とした以外は比較例1と同様の方法で
フラット状の熱収縮性フィルムを得た。
このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
(比較例3)
カチオン系界面活性剤(ジメチルアルキルアンモニウムクロライド)水溶液(商品名「TB744」:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。その他はコート量0.002g/m2とした以外は実施例1と同様の方法で熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
カチオン系界面活性剤(ジメチルアルキルアンモニウムクロライド)水溶液(商品名「TB744」:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。その他はコート量0.002g/m2とした以外は実施例1と同様の方法で熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
(比較例4)
アニオン系界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)水溶液:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。その他はコート量0.005g/m2とした以外は実施例1と同様の方法
で熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
アニオン系界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)水溶液:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。その他はコート量0.005g/m2とした以外は実施例1と同様の方法
で熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
(比較例5)
ベタイン系両性界面活性剤(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン)水溶液(商品名「ビスターCAP」:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。その他はコート量0.002g/m2とした以外は実施例1と同様の方法で熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
ベタイン系両性界面活性剤(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン)水溶液(商品名「ビスターCAP」:松本油脂製薬(株)社製)を(イソプロピルアルコール/水=35/65(重量比))溶液で希釈して塗布液とした。その他はコート量0.002g/m2とした以外は実施例1と同様の方法で熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
(比較例6)
実施例1において塗布液を塗布しなかった以外は実施例1と同様の方法で熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
実施例1において塗布液を塗布しなかった以外は実施例1と同様の方法で熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
このフィルムについて上記方法にて試験をおこなった結果を表1に示す。
(比較例7)
ジカルボン酸としてテレフタル酸95モル%、アジピン酸5モル%、ジオール成分としてエチレングリコール68モル%、ジエチレングリコール2モル%、シクロヘキサンジメタノール30モル%よりなり、平均粒径2.4μmの二酸化珪素0.05重量%および連鎖アルキルスルホン酸ソーダー(日本鉱業株式会社製アトレーAS−1000)0.5重量%を含む、固有粘度が0.70dl/gの共重合ポリエステルを290℃で溶融押出しし、厚さ200μmのフィルムを得た。この未延伸フィルムを120℃で6秒間予熱した後、所定の一方向へ5.0倍に延伸した。なお延伸時における温度条件は全工程の1/2までは80℃に、残りの1/2は90℃に設定した。延伸後、95℃で5秒間熱処理を行った。この熱処理時に横方向に3%、縦方向に0.2%の緩和処理を行い40μmの熱収縮性フィルムを得た。このフィルムについて上記方法にて行った試験を行った結果を表1に示す。
ジカルボン酸としてテレフタル酸95モル%、アジピン酸5モル%、ジオール成分としてエチレングリコール68モル%、ジエチレングリコール2モル%、シクロヘキサンジメタノール30モル%よりなり、平均粒径2.4μmの二酸化珪素0.05重量%および連鎖アルキルスルホン酸ソーダー(日本鉱業株式会社製アトレーAS−1000)0.5重量%を含む、固有粘度が0.70dl/gの共重合ポリエステルを290℃で溶融押出しし、厚さ200μmのフィルムを得た。この未延伸フィルムを120℃で6秒間予熱した後、所定の一方向へ5.0倍に延伸した。なお延伸時における温度条件は全工程の1/2までは80℃に、残りの1/2は90℃に設定した。延伸後、95℃で5秒間熱処理を行った。この熱処理時に横方向に3%、縦方向に0.2%の緩和処理を行い40μmの熱収縮性フィルムを得た。このフィルムについて上記方法にて行った試験を行った結果を表1に示す。
(比較例8)
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸90モル%、アゼライン酸10モル%、グリコール成分としてエチレングリコール48モル%、ジエチレングリコール2モル%、ネオペンチルグリコール25モル%、1,4シクロヘキサンジメタノール25モル%よりなる固有粘度が0.65dl/gの共重合ポリエステル50モル%と平均粒径2.4μmの二酸化珪素0.10重量%を含む固有粘度が0.75dl/gのポリエチレンテレフタレート50重量%よりなる組成物を用い比較例7と同様の方法で40μmの熱収縮性フィルムを得た。該熱収縮性フィルムを印刷機を用いオレイン酸メチルエステル0.05重量%、ポリオキシエチレンアルキルアミン0.05重量%およびアルキルトリメチルアンモニウム塩0.04重量%よりなる帯電防止剤を含むエタノール溶液を約6g/m2の塗布量で塗布後50℃の温度で乾燥した。得られたフィルムの特性を表1に示す。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸90モル%、アゼライン酸10モル%、グリコール成分としてエチレングリコール48モル%、ジエチレングリコール2モル%、ネオペンチルグリコール25モル%、1,4シクロヘキサンジメタノール25モル%よりなる固有粘度が0.65dl/gの共重合ポリエステル50モル%と平均粒径2.4μmの二酸化珪素0.10重量%を含む固有粘度が0.75dl/gのポリエチレンテレフタレート50重量%よりなる組成物を用い比較例7と同様の方法で40μmの熱収縮性フィルムを得た。該熱収縮性フィルムを印刷機を用いオレイン酸メチルエステル0.05重量%、ポリオキシエチレンアルキルアミン0.05重量%およびアルキルトリメチルアンモニウム塩0.04重量%よりなる帯電防止剤を含むエタノール溶液を約6g/m2の塗布量で塗布後50℃の温度で乾燥した。得られたフィルムの特性を表1に示す。
本発明は、常温常湿雰囲気下での帯電防止性能に優れることはもとより、冬場等での低湿度下雰囲気下でも加工適性に優れた熱収縮性ポリエステル系フィルム及び熱収縮性ラベルを提供するものであり、飲料容器ラベルなどに好適に用いられる。
Claims (10)
- フィルムを10cm×10cmの正方形状に切り出した試料を85℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大熱収縮方向の熱収縮率が20%以上あり、フィルムの少なくとも片面の表面固有抵抗値が温度23℃、相対湿度30%雰囲気下で1×1013(Ω/□)以下であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、前記フィルムの少なくとも片面の表面固有抵抗値が温度23℃、相対湿度65%雰囲気下で1×1012(Ω/□)以下であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 請求項1又は2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、前記フィルムの少なくとも片面同士の動摩擦係数がJIS K−7125法に準じた、温度23℃、相対湿度65%雰囲気下で0.30以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、前記フィルムの少なくとも片面の帯電減衰率の半減時間が、JIS L−1094法に準じた、温度23℃、相対湿度65%雰囲気下での測定で30秒以下であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、前記フィルムの少なくとも片面にアミノ酸系両性界面活性剤よりなる帯電防止剤を塗布してなることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、前記フィルムの少なくとも片面にベタイン系両性界面活性剤よりなる帯電防止剤を塗布してなることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、フィルムが溶剤接着可能であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 熱収縮性ポリエステル系フィルムの少なくとも片面にアミノ酸系両性界面活性剤よりなる帯電防止剤又は、ベタイン系両性界面活性剤よりなる帯電防止剤を含む塗布液を塗布後、乾燥することを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法。
- 未延伸ポリエステル系フィルム又は1軸延伸ポリエステル系フィルムの少なくとも片面に、アミノ酸系両性界面活性剤よりなる帯電防止剤及び/又はベタイン系両性界面活性剤よりなる帯電防止剤を含む塗布液を塗布後、乾燥、延伸することを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法。
- 請求項7に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを溶剤接着したことを特徴とする熱収縮性ラベル。
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- 2005-02-18 JP JP2005041698A patent/JP2005307167A/ja not_active Withdrawn
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