JP2005194383A - 防曇性ポリ乳酸系二軸延伸フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

防曇性ポリ乳酸系二軸延伸フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低温防曇性に優れ、かつ耐ブロッキング性及び防曇持続性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルムを提供する。
【解決手段】 少なくとも片面に非イオン系界面活性剤(A)と水性ポリウレタン樹脂及び/又は水性ポリエステル樹脂(B)とからなる塗布層を有するポリ乳酸系二軸延伸フィルムであって、前記塗布層の非イオン系界面活性剤(A)と水性ポリウレタン樹脂及び/又は水性ポリエステル樹脂(B)との質量比(A/B)が90/10〜10/90であることを特徴とする防曇性ポリ乳酸系二軸延伸フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、野菜や果物を含む水物食品包装を目的としたポリ乳酸系二軸延伸フィルムに関し、低温防曇性、耐ブロッキング性、特に防曇持続性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルムおよびその製造方法に関する。
従来より、機械的強度や耐熱性や寸法安定性に優れる材料としてポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートが知られており、これらを用いた二軸延伸フィルムが産業界で幅広く使用されている。しかしながら、これらのプラスチックフィルムは、その使用後に廃棄処理される際に、焼却処理を行うと、焼却時の発熱量が高いためその処理中に焼却炉を傷める恐れがあり、埋め立てによる廃棄処理を行うと、これらのプラスチック類は、化学的、生物学的安定性のためにほとんど分解せずに残留する。そのため、近年の環境保全に対する社会的要求の高まりに伴い、微生物などにより分解可能な生分解性を有し、コンポストでの堆肥化処理が可能な生分解性を有する樹脂からなるフィルムが要求されている。
生分解性樹脂の中でもポリ乳酸は、各種でんぷん、糖類などを発酵して得られる乳酸を重合した植物由来の原料で、最終的には再び炭酸ガスと水となって地球的規模で環境リサイクルされる理想的なポリマー原料として各種用途に利用され始めている。ポリ乳酸系延伸フィルムは、引張強度、引張弾性率、衝撃強度といった機械的物性に優れるとともに光沢、透明性にも優れており、食品包装を中心とする分野への拡大が期待されている。
ポリ乳酸系二軸延伸フィルムを水分を多く含む野菜や果物等の食品包装用途に適用する場合には、包装後約1週間程度の長期の防曇性が強く要求される。一般にポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、その表面が疎水性であるため耐水性に優れるが、それ故に水分は微少な水滴としてフィルム表面に付着し易い。そこでポリ乳酸系二軸延伸フィルムが野菜、果物等水分含有食品包装に使用された場合、フィルム内面に凝縮した水が付着し、内容物が見えにくいばかりでなく腐敗を引き起こす。
一般的にプラスチックフィルム及びシートに防曇性を付与する方法としてショ糖脂肪酸エステル類やグリセリン脂肪酸エステル類を練り込んだり、表面に塗布する方法が採用されている。ところが、ポリ乳酸系二軸延伸フィルムに従来方法を適用すると、練り混み法では十分な防曇性が得られないばかりでなく、フィルム製造時の押出性、製膜性の悪化、加水分解誘因による機械的物性の低下を招き実用的ではない。表面に塗布する方法は、初期の低温防曇性は得られるが、表面のべたつきに伴うフィルム同志のブロッキングや取り扱い時の作業性低下、防曇剤の裏面への移行とそれに伴う防曇性不足、耐水性不足による防曇持続性の低下といった問題が避けられない。ポリ乳酸系フィルムあるいはシートに防曇性を付与させた事例として、特許文献1では、特定量の滑剤と特定量の防曇剤を併用して同時に含ませることにより防曇持続性を改善した例が開示されているが、防曇剤の練り込みによるため十分な防曇性能を得るには添加量を多くする必要があり、ポリ乳酸の分子量低下のみならず押出性、製膜性を損なう恐れがある。特許文献2では水蒸気透過度を規定した果菜包装用フィルムが開示され、特許文献3では、ショ糖ラウリン酸エステルと水溶性樹脂の特定混合比による防曇性樹脂シートが開示されているが、未だ十分な防曇性と耐ブロッキング性を有するポリ乳酸系二軸延伸フィルムに関する事例はない。
特開平9−286908号公報 特開2003−81354号公報 特開2000−280410号公報
本発明は、ポリ乳酸系フィルムに関する従来の上記課題を解決し、低温防曇性に優れ、かつ耐ブロッキング性及び防曇持続性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルムを提供しようとするものである。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、特定の非イオン系界面活性剤と水性ポリウレタン樹脂及び/又は水性ポリエステル樹脂との混合物からなる塗布層をポリ乳酸系フィルムに形成することにより、フィルム同志のブロッキングや裏面移行の抑制が可能であり、同時に低温防曇性かつ防曇持続性に優れたフィルムが得られることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち本発明は、少なくとも片面に非イオン系界面活性剤(A)と水性ポリウレタン樹脂及び/又は水性ポリエステル樹脂(B)とからなる塗布層を有するポリ乳酸系二軸延伸フィルムであって、前記塗布層の非イオン系界面活性剤(A)と水性ポリウレタン樹脂及び/又は水性ポリエステル樹脂(B)との質量比(A/B)が90/10〜10/90であることを特徴とする防曇性ポリ乳酸系二軸延伸フィルムを要旨とするものである。
本発明の防曇性ポリ乳酸系二軸延伸フィルムの塗布層は、特定の非イオン系界面活性剤と水溶性/水分散性ポリマーとからなるため、塗布層の基材フィルムへの密着性が強固になり、非イオン系界面活性剤の背面移行を抑制するため、低温時の防曇性、耐ブロッキング性、特に防曇持続性に優れ、野菜や果物を含む水物食品の包装袋として好適に使用できる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムとは、L−乳酸を主構成単位とするホモポリマーあるいはL−乳酸/D−乳酸を主構成単位とするポリ乳酸系樹脂からなるフィルムを指す。本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、二軸延伸による配向結晶化を促進させ、実用強度を発現させるため、L−乳酸/D−乳酸とのモル比(L−乳酸/D−乳酸)が100/0〜94/6(モル比)の組成比を満足させることが好ましい。D−乳酸が6モル%を超えるとポリ乳酸系樹脂は明確な融点を示さなくなり、結晶性に乏しいものとなる。その結果、フィルムの厚み精度が著しく悪化し、なおかつ延伸後の熱固定処理による配向結晶化が進行しにくいため、フィルムの巻き取り時にフィルムに割れや裂けが発生するという問題が生じるだけでなく、二次加工の面でもフィルムテンションによる破断や、ブロッキングによるトラブルが発生する。また、L−乳酸を単独で使用してもよいが、D−乳酸が配合されている方が結晶性が緩和され、製膜性の良いものが得られる。なお、L−乳酸とD−乳酸とは、上記の割合で配合されていれば共重合体であってもよいし、ブレンド体であってもよい。
また、ポリ乳酸系樹脂の数平均分子量は5万〜30万の範囲であることが好ましく、より好ましくは8万〜15万である。数平均分子量が5万未満の場合、得られるフィルムの機械的強度が不十分となり、かつ延伸、巻き取り工程中での切断も頻繁に起こり操業性の低下を招く。一方、数平均分子量が30万を超えると加熱溶融時の流動性が乏しくなって製膜性が低下する。
ポリ乳酸系樹脂を得るための重合法としては、縮合重合法及び開環重合法のいずれの方法を採用することも可能であり、分子量増大を目的として少量の鎖延長剤、例えばジイソシアネート化合物、ジエポキシ化合物、酸無水物等を使用してもよい。
ポリ乳酸系樹脂には、製造工程あるいは二次加工工程でのハンドリング、フィルム走行性の面から滑剤を添加してもよい。滑剤としては、シリカ、二酸化チタン、タルク、アルミナ等の安定な金属酸化物、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム等の安定な金属塩、ポリメチルメタクリレート、メラミン・ホルムアルデヒド硬化樹脂、メラミン・ベンゾグアナミン等のポリ乳酸に対して不活性な有機樹脂からなるいわゆる有機系ビーズなどが挙げられる。これらの滑剤はいずれか1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を併用してもよい。
本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、少なくとも片面に非イオン系界面活性剤(A)と水性ポリウレタン及び/又は水性ポリエステル樹脂(B)とからなる塗布層を形成させることが必要である。
本発明において、非イオン系界面活性剤(A)は、防曇性を発現させるために必要な成分である。非イオン系界面活性剤(A)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等比較的水溶性または水分散性に優れたものから選択することが出来るが、防曇性能の観点からポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルが好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数がC12〜C22かつエチレンオキサイド付加モル数5〜20モルが好ましい。さらに好ましくはエチレンオキサイド20モルを付加させたポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステルである。これらのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは単独使用でも、2種以上の混合使用でもよい。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数がC12〜C18かつポリグリセリンの重合度が4〜10であることが好ましく、特に重合度10のデカグリセリンが好ましい。またエステル組成はモノエステル化率が60モル%以上であることが水溶性及び塗布性の点から好ましい。さらに好ましくは、デカグリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンオレイン酸エステルである。これらのポリグリセリン脂肪酸エステルは単独使用でも、2種以上の混合使用でもよい。ショ糖脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数がC12〜C18であるショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステルが好ましい。またエステル組成はモノエステル化率が60モル%以上であることが水溶性及び塗布性の点から好ましい。これらのショ糖脂肪酸エステルは単独使用でも、2種以上の混合使用でもよい。
上記の非イオン系界面活性剤は水溶性あるいは水分散性を満足させるものであるならば単独、併用は問わない。本発明で特に好適に用いられる非イオン系界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(エチレンオキサイド20モル付加)、デカグリセリンモノラウレートである。
本発明において、上記の非イオン系界面活性剤(A)と組み合わせて使用される水性ポリウレタン樹脂及び/又は水性ポリエステル樹脂(B)は、非イオン系界面活性剤(A)をポリ乳酸系二軸延伸フィルム表面に、強固に密着させるためのバインダー樹脂として必要であり、これにより塗布層のブロッキング効果及び防曇持続性を向上させることができる。
本発明において、水性ポリウレタン樹脂及び/又は水性ポリエステル樹脂(B)は、水溶性もしくは水分散性の樹脂を指す。水性ポリウレタン樹脂としては特に限定されず、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリウレタンポリ尿素樹脂およびそれらのプレポリマー等が例示できる。このようなポリウレタン樹脂の具体例としては、ポリウレタン樹脂の主鎖または側鎖にカルボン酸塩、スルホン酸塩等の親水基を導入した自己乳化型ポリウレタン樹脂が好ましい。また、ポリ乳酸系二軸延伸フィルムへの密着性、被膜の耐水性、耐熱性等の向上を目的として、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アミノ樹脂等の架橋剤を少量添加しても構わない。水性ポリエステル樹脂としては、各種ポリエステル樹脂およびそれらの変成物が例示できる。このような水性ポリエステル樹脂の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、2−スルホイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の多価カルボン酸成分と、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物などのジオール成分との反応物が挙げられ、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などによる変性物も含まれる。
本発明において、非イオン系界面活性剤(A)と水性ポリウレタン樹脂及び/又は水性ポリエステル樹脂(B)との質量比(A/B)は、90/10〜10/90であることが必要であり、好ましくは、80/20〜40/60である。質量比をこの範囲に設定することにより、ポリ乳酸系二軸延伸フィルムへの密着性、防曇性、被膜の耐ブロッキング性を満足することが出来る。水性ポリウレタン樹脂及び/又は水性ポリエステル樹脂(B)の配合比を10%未満にすると、耐水性が劣るため防曇持続性が不十分である。またフィルムロールにおいては被覆層の反対側へ非イオン系界面活性剤が移行しやすく、防曇性能がばらつきやブロッキングを生じる。また90%より高くすると防曇効果が乏しくなる。
本発明において、ポリ乳酸系フィルムへの前記塗布層の乾燥後被覆量は、0.01〜1g/m2が好ましい。0.01g/m2未満では防曇効果が乏しく、1g/m2を超えると防曇性能に有意な変化が見られず、むしろ被膜の外観不良やブロッキングといった弊害が顕著となり、コスト面からも厚塗りは好ましくない。
本発明において、ポリ乳酸系フィルムの表面に前記水溶液または水分散液を塗布する方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばグラビアロール方式、マイヤーバー方式、リバースロール方式、エアーナイフ方式が独立または組み合わせて適用される。塗布を施す対象のフィルムは、ポリマーを溶融押出しし、冷却ロールへのキャスティング後の未延伸フィルム、縦方向に延伸を行った後の一軸延伸フィルムが好ましいが、二軸延伸フィルムでもよい。塗工後にオーブンで乾燥する場合は、未延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムの熱変形の起こらない温度条件下で行われるべきであり、好ましくは100℃を超えないようにする。また塗工後に延伸機内の予熱、延伸、熱固定の各ゾーンを利用して乾燥を施してもよい。
本発明において、未延伸フィルムや一軸延伸フィルムに前記水溶液または水分散液を塗布し、延伸熱処理を経て二軸延伸フィルムを得るいわゆるインラインコート法を用いることが好ましい。すなわち、未延伸ポリ乳酸系フィルムに、前記水溶液又は水分散液を塗布し、続いて二軸方向に延伸するか、または、一軸方向のみに延伸されたポリ乳酸系フィルムに、前記水溶液又は水分散液を塗布し、続いて最初の延伸方向と直角方向に延伸するインラインコート法を用いることが好ましい。この方法は、塗布層厚みを薄くすることが可能であり、かつ基材フィルムへの密着性を高めることが出来る。また1工程で済むためコストダウンにもつながり非常に有益であるが、二軸延伸フィルムに塗布するポストコート法を用いてもよい。
本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムの製造方法としては、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー法等が例示できるが、Tダイを用いて溶融混練して押し出すTダイ法が好ましい。Tダイ法の製法例としては、ポリ乳酸系重合体さらに可塑剤、滑剤を必要に応じて適量配合したポリ乳酸系樹脂組成物を押出機ホッパーに供給し、押出機を例えばシリンダー温度180〜250℃、Tダイ温度200〜250℃に加熱し、溶融混練して押し出し、20〜40℃に制御された冷却ロールで冷却し、厚み100〜500μmの未延伸シートを得る。
未延伸シートの二軸延伸方法としては、テンター方式による同軸二軸延伸、金属ロール及びテンターによる逐次二軸延伸法のいずれでもよい。例えば、未延伸フィルムを逐次二軸延伸法によってフィルム化する場合には、得られた未延伸フィルムを駆動ロールの回転速度比によって縦方向にロール表面温度50〜80℃で縦方向に延伸し、引き続き連続して延伸温度70〜100℃で横方向に延伸する。延伸倍率は特に限定されるものではないが、フィルムの機械的特性を考慮すると、少なくとも縦延伸倍率が2.5倍以上であることが好ましく、かつ面倍率が8倍以上であることが好ましい。縦横の延伸倍率が2.5倍未満であると十分な機械的物性が得られず、実用性に劣るものとなる。また延伸倍率の上限は特に限定されるものではないが、8倍を超えるとフィルム破断が起こりやすくなるため、縦横共に2.5〜8.0倍とすることが好ましく、縦延伸倍率が2.5〜5.0倍、横延伸倍率が2.5〜8.0倍であることが好ましい。上記の延伸処理が行われた後、温度100〜150℃で熱固定処理が施され、リラックス率2〜8%の条件下で熱弛緩処理が行われる。
本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、少なくとも片面に防曇剤および水性樹脂とからなる混合物の塗布層を積層したものであるが、フィルムと塗布層との積層に際して、両者の密着性を高めるために、予めフィルムの塗布面側に、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、火炎処理等の表面処理を施してもよい。これらの中では、簡便さの点からコロナ放電処理が最も好ましい。これらの表面処理により、表面張力が40mN/m以上になるように行うことが好ましい。
本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムの厚みは特に制限なく、用途、要求性能、価格等によって適宜設定すればよい。一般的には、10〜50μm程度の厚さを例示出来る。さらに、フィルムの印刷性、ラミネート性、コーティング適性等を向上させる目的で、塗布面に再度コロナ放電処理を施してもよい。
本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、必要に応じて顔料、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、帯電防止剤等を任意の割合で添加あるいは表面塗布することができる。
次に、本発明を実施例により説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものでない。なお、実施例、比較例に用いた測定法及び評価法は以下の方法により実施した。
(1)防曇性及び防曇持続性
500mlのガラス容器に50℃の温湯を300ml入れ、フィルムの塗布面を内側にして密封し、5℃の冷蔵庫中に静置し、フィルムの表面状態を経時的に観察した。防曇性は次の4段階で評価した。なお静置時間は1時間、8時間、1日、3日、7日とした。
◎:表面が均一透明で水滴の付着がない。
○:表面は透明で水滴の付着はないが、不均一でゆがんで見える。
△:表面に大きめの水滴が部分的に付着している。
×:全面に微細な水滴が付着し、底が見えない。
(2)耐ブロッキング性
フィルムの塗布面と非塗布面とを重ね合わせて、10kg/cm2の荷重下、40℃×80%RHにて24時間処理した後、フィルム同志の剥離力を測定し、その剥離荷重から耐ブロッキング性を下記基準により評価した。
◎:剥離荷重10g未満
○:剥離荷重10g以上30g未満
△:剥離荷重30g以上100g未満
×:剥離荷重100g以上
(3)フィルム基材への密着性
塗布面にカッターで格子状に切れ込みを100等分入れた後、ニチバン社製粘着テープを用いて剥離試験を行い、塗布層の剥離状況を下記基準により判定した。
◎:剥離部がない
○:剥離部が20個未満
△:剥離部が20個以上80個未満
×:剥離部が80個以上
(4)総合評価
上記の各特性値を総合して次の基準に従い4段階評価を行った。
◎:非常に良好
○:良好
△:やや問題有り
×:問題有り
実施例1
非イオン系界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(A−1)(東邦化学社製 ソルボンT−20)60質量%と、水分散ポリウレタン樹脂として自己乳化型ポリウレタン樹脂(B−1)(大日本インキ化学工業社製 ハイドランKU−400SF)40質量%とからなる混合物100質量部に対して、アミノ樹脂(大日本インキ化学工業社製 ベッカミンPMN)10質量部を加え、総固形分濃度が5質量%となるよう水で濃度調整して水分散液を調製した。
ポリ乳酸系樹脂(カーギルダウポリマー社製、L−乳酸/D−乳酸=98.5/1.5(モル比)、融点165℃、数平均分子量105,000)100質量部と、アンチブロッキング剤として不定形シリカ(富士シリシア化学社製 サイリシア310P、平均粒径1.4μm)0.1質量部とを配合した樹脂組成物を、90mmφの単軸押出機にてTダイ温度230℃で溶融押出しし、35℃に温度制御されたキャストロールに密着急冷し、厚さ300μmの未延伸シートを得た。
得られた未延伸シートを予熱ロール65℃、延伸ロール75℃で3.0倍に縦方向に延伸し、次いで上記水分散液を、延伸後の塗布量が0.05g/m2となるようマイヤーバーコートによりコートした後、引き続いてテンター内において85℃の延伸温度で横方向に4.0倍延伸した後、横方向の弛緩率を5%として140℃で熱処理を施し、厚さ25μmの逐次二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
実施例2〜4
表1に示す非イオン系界面活性剤、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂を用い、質量比、塗布量を変更する以外は実施例1と同様にして逐次二軸延伸フィルムを得た。
実施例5
ポリ乳酸系樹脂(カーギルダウポリマー社製 L−乳酸/D−乳酸=96.0/4.0(モル比)、融点150℃、数平均分子量105,000)と、表1に示す非イオン系界面活性剤を用い、質量比、塗布量を変更する以外は実施例1と同様にして逐次二軸延伸フィルムを得た。
比較例1
非イオン系界面活性剤と水性ポリウレタン樹脂及び/又は水性ポリエステル樹脂とからなる塗布層を設けることなく、実施例1と同様にして逐次二軸延伸フィルムを得た。
比較例2
非イオン系界面活性剤の代わりに、アニオン系界面活性剤(A−4)(アルキルスルホン酸ナトリウム塩、三洋化成工業社製 ケミスタット3033N)を用いる以外は、実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。
比較例3〜4
表1に示す非イオン系界面活性剤を用い、質量比を変更する以外は実施例1と同様にして逐次二軸延伸フィルムを得た。
比較例5
水性樹脂としてポリエチレンオキサイド(B−3)(明成化学工業社製 アルコックスR−150、分子量15万)と、表1に示す非イオン系界面活性剤とを用い、質量比、塗布量を変更する以外は実施例1と同様にして逐次二軸延伸フィルムを得た。
Figure 2005194383
実施例に代表される本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、1週間程度の長期防曇性に優れ、同時に耐ブロッキング性、基材密着性に優れている。
一方、比較例に代表される本発明を満足しないポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、防曇性が不足したり、あるいは基材密着不良及びフィルム同士のブロッキング性の悪化を引き起こした。

Claims (4)

  1. 少なくとも片面に非イオン系界面活性剤(A)と水性ポリウレタン樹脂及び/又は水性ポリエステル樹脂(B)とからなる塗布層を有するポリ乳酸系二軸延伸フィルムであって、前記塗布層の非イオン系界面活性剤(A)と水性ポリウレタン樹脂及び/又は水性ポリエステル樹脂(B)との質量比(A/B)が90/10〜10/90であることを特徴とする防曇性ポリ乳酸系二軸延伸フィルム。
  2. 非イオン系界面活性剤(A)が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルより選ばれる少なくとも1種類の非イオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1記載の防曇性ポリ乳酸系二軸延伸フィルム。
  3. 未延伸ポリ乳酸系フィルムの少なくとも片面に、非イオン系界面活性剤(A)と水性ポリウレタン樹脂及び/又は水性ポリエステル樹脂(B)とからなる水溶液又は水分散液を塗布し、続いて二軸方向に延伸し、熱固定することを特徴とする請求項1または2記載の防曇性ポリ乳酸系二軸延伸フィルムの製造方法。
  4. 一軸方向のみに延伸されたポリ乳酸系フィルムの少なくとも片面に、非イオン系界面活性剤(A)と水性ポリウレタン樹脂及び/又は水性ポリエステル樹脂(B)とからなる水溶液又は水分散液を塗布し、続いて最初の延伸方向と直角方向に延伸し、熱固定することを特徴とする請求項1または2記載の防曇性ポリ乳酸系二軸延伸フィルムの製造方法。
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