JP2002012094A - 車 両 - Google Patents

車 両

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JP2002012094A
JP2002012094A JP2000200588A JP2000200588A JP2002012094A JP 2002012094 A JP2002012094 A JP 2002012094A JP 2000200588 A JP2000200588 A JP 2000200588A JP 2000200588 A JP2000200588 A JP 2000200588A JP 2002012094 A JP2002012094 A JP 2002012094A
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JP
Japan
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insulating sheet
resin
heat insulating
sheet
hollow particles
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Application number
JP2000200588A
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English (en)
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Runa Nakamura
瑠奈 中村
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T30/00Transportation of goods or passengers via railways, e.g. energy recovery or reducing air resistance

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、発泡性樹脂の充填および発泡により車
両に断熱性を付与する際に、厚みを要し、充填箇所が多
く、硬化に時間を要していた点を解消することを課題と
するものである。 【解決手段】 中空粒子もしくは気泡を内包する樹脂組
成物からなる断熱性シート10を車両の台枠9上に設け
られた居住部分の屋根2の内側、壁4および4’の内
側、床8の内側もしくは外側等の少なくともいずれかに
適用することにより、上記の課題を解消することができ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比較的厚みの薄い
断熱性シートを用いて、車両の居住区域内、即ち車両内
部の保温性、もしくは遮音性等を改善した車両に関する
ものである。なお、本明細書において、車両とは、自動
車、鉄道車両、船、および航空機等の乗物を指す。
【0002】
【従来の技術】上記の定義にも示したように、車両の種
類は多岐にわたるが、いずれの車両も屋外での使用がメ
インとなるため、車両としては、住宅等におけるような
シェルターの役割を持つ必要があるのに加え、高速で移
動するために生じる幾つかの問題の緩和、例えば、衝突
時の衝撃の吸収、高圧で注がれる雨水の洩れ防止、もし
くは強風による内部の気温の低下の防止等の役割をも果
たす必要がある。
【0003】また、最近では、車両内部の居住部分を、
冬期間、暖房するだけでなく、夏季を中心として冷房す
ることが普通となってきているので、車両の走行用に加
えて、暖冷房のためにエネルギーを要し、ドアの開閉の
多い通勤用車両においては、エネルギー消費が特に増加
しやすい。
【0004】しかし、車両の多くにおいては、強度的な
観点から鉄鋼、ステンレス鋼、ジュラルミン等を用いて
作られていることが普通であり、プラスチックの使用率
は、あまり高くない。例外的に、船舶においてはFRP
(繊維強化プラスチック)をメインに使用したプラスチ
ック船も使用されているが、比較的小型のものに止まっ
ている。
【0005】乗用車等の自動車においては、居住部分が
比較的狭いので、身体が壁面に接触しやすく、接触しな
いまでも床、天井、壁が近いため、それらが熱かった
り、冷たかったりすると、乗車した者への影響がでやす
い。
【0006】このため、壁面を二重の中空に作製し、間
に発泡性樹脂を充填して発泡させ、断熱性を付与するこ
とが行なわれているものの、発泡性樹脂としては、かな
りの厚みが必要な上、多数の個所に発泡性樹脂を充填し
ないと、均一な充填が難しく、また、硬化に時間を要し
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明におい
ては、従来、発泡性樹脂の充填および発泡により断熱性
を付与する際に、厚みを要し、充填箇所が多く、硬化に
時間を要していた点を解消することを課題とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決する手段】本発明においては、中空粒子も
しくは気泡を内包する樹脂組成物からなる薄いシートを
断熱材として車両内部の壁面等に適用することにより、
従来の車両が持つ上記の課題を解消することができた。
【0009】第1の発明は、床パネルの周囲に、左壁パ
ネル、後方パネル、右壁パネル、および前方パネルとが
順に巡らされ、前記の巡らされた各パネルにより囲まれ
た上面を覆って屋根パネルが張られて構成されており、
前記各パネルのうち、少なくとも前方パネルの、少なく
とも上部には窓部が設けられて居住部分が構成されてお
り、かつ前記各パネルの少なくとも一つ以上において、
前記窓部が設けられている以外の部分に、中空粒子また
は/および気泡を含む高分子バインダーからなる断熱性
シートが積層されていることを特徴とする車両に関する
ものである。第2の発明は、第1の発明において、前記
断熱性シートは、中空粒子または/および気泡を内包す
る前記樹脂組成物が含浸性基材の少なくとも一部に含浸
したものであることを特徴とする車両に関するものであ
る。第3の発明は、第1または第2の発明において、断
熱性シートとして、防水性シートで被覆、もしくは密封
したものを用いることを特徴とする車両に関するもので
ある。第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明におい
て、前記断熱性シートとして化粧を施したものを用いる
ことを特徴とする車両に関するものである。第5の発明
は、第1〜第4いずれかの発明において、前記断熱性シ
ートとして、抗菌剤が適用されたものを用いることを特
徴とする車両に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】図1、および図2は車両の例を示
す図であり、図3は、断熱性シートを車両に適用した状
態を示す図である。また、図4〜図6は、いずれも本発
明で用いる断熱性シートを示す図である。
【0011】図1は車両1が乗用車である例を示す図で
ある。乗用車1は、シャーシ上にボディが固定されたも
ので、ボディは、屋根2、前方カバー部分3aおよび後
方カバー部分3b、並びに前側板4a、および後側板4
b等が、前柱5a、後柱5b等を介して一体化され、屋
根2、前柱5aおよび前方カバー部分3aによって囲ま
れた前方窓6c、屋根2、後柱5bおよび後方カバー部
分3bによって囲まれた後方窓6dを有している。
【0012】また、ボディの側面には、窓ガラス6aお
よび6bを有するドア7a、および7bが、前側板4a
と後側板4b間に開閉可能に設置されており、また、図
では見えないが、シャーシ上の所定の位置に床板および
座席が設けられており、かつ居住部分と、エンジンルー
ムおよびトランクルームとが壁により隔てられている。
【0013】乗用車においては、ボディの形状が箱型か
ら離れた形状であるので、屋根を除くと、その他の部分
の明瞭な区分がしにくいが、前方カバーで覆われたエン
ジンルーム、および後方カバーで覆われたトランクルー
ムを除いた部分の居住部分の左右側面の殆どはドアで占
められ、前方および後方のわずかな部分に壁を有してい
る。ただし、走行中は、ドアを閉めた状態であり、停止
するまでは開けないものであるので、ドアもまた、壁の
一部とみなすことができる。
【0014】貨客兼用のステーションワゴン車において
は、後部座席の後方部分にも屋根が延長されているため
に天井が高く、トランクルームとの隔壁がないので、後
部座席より後方の空間も居住区間とみなすことができ
る。この後方の空間においては、左右の側板の存在が明
瞭であるし、最後方の、通常、上下に開閉するドアも、
垂直に近く設置されている。さらにリアエンジン等の箱
型のバスの場合には、ドアが前方、および後方の2箇所
程度に設置してあるのみなので、左右側面の壁部分が多
いし、車体の前方および後方にも垂直の壁部分を有して
構成されている。
【0015】図2は、車両1が鉄道車両である例を示す
図で、車両1は、車輪やモーター等が設置された台枠上
に、ボディが載せられて設置されたものであり、車体枠
上には床パネルが張られ、その上に、前方パネル3a、
後方パネル3b、並びに左右の壁パネル4および4’が
巡らされ、さらに、その上面を屋根パネルが覆って張ら
れているものである。
【0016】前方パネル3a、および後方パネル3bに
は、図には表れないが、窓が設けられている。また、左
右の壁パネル4および4’には、窓6を有するドア7が
左右に開閉可能に設けられており、車両1が運転席を有
する場合には、前方もしくは後方のいずれか、または両
方に、乗務員の乗降用のドア7aが窓6を有して、通
常、前後に開閉可能に設けられている。
【0017】乗用車、鉄道車両以外においても、上記し
た例におけるのと同様に、居住部分は、その車両のエン
ジン部分や走行等の機構を備えた台枠上に床パネルが張
られており、その上に左右の壁パネルならびに前方およ
び後方パネルが巡らされ、各パネルにより囲まれた上面
を覆って屋根パネルが張られて構成されている。
【0018】図3は、車両の居住部分を、一般的に示し
ていて、居住部分を左右方向に置かれた垂直面により切
断した様子を示す図である。図において、居住部分は、
台枠9および9’上に、床パネル8が張られ、また台枠
9および9’上に左右の壁パネル4および4’が固定さ
れており、これら各壁パネル4および4’は、各々、窓
6および6’を有しているものである。
【0019】このような居住部分において、屋根パネル
2の室内側(即ち、居住部分側)、壁パネル4、4’の
窓6、6’以外の部分の室内側、床パネル8の室内側
(即ち、上側)、床パネル8の下側、また、この図には
表れない前方もしくは後方パネルの内側等には、中空粒
子または/および気泡を含む高分子バインダーからなる
断熱性シート10を積層することにより、断熱性を付与
することができる。断熱性シート10は、少なくとも上
記のいずれか一個所の部分に積層すればよいが、一般的
に言えば、(1)左右の壁パネル、および(2)屋根パ
ネルに積層すると効果が高く、その上で、(3)床パネ
ル8に積層するとよい。(4)前方パネルおよび後方パ
ネルは、比較的面積が小さいので、優先度から言えば、
(1)、(2)、および(3)の次である。
【0020】断熱性シート10は、上記した各部分に積
層する場合、一枚使用しても、あるいは二枚以上を重ね
て使用してもよい。ただし、本発明において使用する断
熱性シートは、過度な重ね合せをすることなく、断熱性
付与が可能であるので、二枚ないし三枚程度に止めてお
くことが好ましい。以下に、本発明で使用する断熱性シ
ート10について、必要の都度、図4〜図6を引用しな
がら説明する。
【0021】断熱性シート10としては、中空粒子また
は/および気泡を内包する樹脂組成物からなるものが好
ましく、この樹脂組成物からなるシートは、樹脂組成物
からなる層の単独、基材の上に樹脂組成物からなる層が
積層したもの、もしくは含浸性基材に樹脂組成物が含浸
したもののいずれかであり、さらに、断熱性シート10
は、化粧を伴なったものであってもよい。中空粒子また
は/および気泡を内包する樹脂組成物からなる断熱性シ
ート10は、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等
の合成樹脂の発泡シート、特に軟質発泡シートであって
もよい。
【0022】なお、本発明で用いる断熱性シート10
は,中空粒子および/または気泡が互いに独立している
ので、遮音性が高く、断熱性と遮音性を併せて有してい
る。従って、断熱性を付与すべき箇所に適用するだけで
なく、遮音の必要な箇所にも適用できる。断熱性シート
10の厚みとしては、厚い方が断熱性能、および遮音性
能が優れているが、過度に厚いと、防火性が低下する等
の欠点があり、0.5mm〜5mm程度が好ましく、よ
り好ましくは3mm以下である。
【0023】図4は、断熱性シート10の例を示す断面
図で、断熱性シート10は、図4(a)に示すように、
高分子マトリックス14中に中空粒子12(白抜きの丸
で示す。)を内包した樹脂組成物が含浸性基材11(互
いに交差した斜線群で示す。)に含浸したもの、図4
(b)に示すように、樹脂組成物が高分子マトリックス
14中に気泡13(黒丸で示す。)を内包したもの、図
4(c)に示すように、樹脂組成物が高分子マトリック
ス14中に中空粒子12および気泡13の両方を内包し
たもの、もしくは図4(d)に示すように、高分子マト
リックス14中に気泡13を内包した、いわゆる発泡シ
ートである。図4の例では、いずれにおいても、断熱性
シート10は、樹脂組成物が、含浸性基材11に含浸し
たものであって、このようにすることにより、断熱性シ
ート10の強度を高くすることができるが、剥離性フィ
ルム上や金属ベルト上に塗布してから剥離する等して、
含浸性基材11を省略したものでもよい。
【0024】中空粒子12としては、アクリル、アクリ
ルニトリル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂等の
合成樹脂を素材とする有機質のものや、シリカ、アルミ
ナ等を主成分とする無機質のものがあり、天然品として
は、火山性のシラスバルーンのようなものも利用でき
る。また、後述する親水性や疎水性の中空粒子も使用可
能である。
【0025】また、気泡13を発生させるための発泡剤
の一種であるマイクロカプセル型のものであって、予め
発泡させたものも使用することもでき、このようなマイ
クロカプセル型発泡剤の発泡済のものも、中空粒子12
として扱える。マイクロカプセル型発泡剤の発泡済のも
のの例として、松本油脂製薬(株)製の中空粒子(品番
で、F−80ED、もしくはF−80E)は、密度が
0.02g/cm3と小さいので、熱伝導性の抑制に効
果的であり、使用することが好ましい。一般的に入手が
可能で、利用できる中空粒子の粒径は、0.3〜300
μmの範囲であり、これらの中から選択して1種類、ま
たは2種類以上を使用する。
【0026】中空粒子12自体は比較的丈夫なため、圧
縮等の外力にも耐えるが、中空粒子を合成樹脂塗料組成
物、特に合成樹脂エマルジョン系塗料組成物中に分散さ
せるときは、攪拌操作により、塗料組成物中に気泡が入
り込みやすい。気泡は、断熱性を向上させる意味で役立
つので、意図的に気泡を発生させたり、もしくは、マイ
クロカプセル型や分解型等の化学発泡剤等を使用して発
泡させ、気泡を発生させるとよい。中空粒子12を伴わ
ず、気泡のみでも、断熱性を与えることができる。
【0027】しかし、中空粒子12または気泡13のい
ずれかを利用して断熱性シートを作製して使用したり、
中空粒子12および気泡13を合成樹脂塗料組成物中に
分散させたものを使用して断熱性シート10を作製して
使用すると、中空粒子12および/または気泡13のつ
ぶれにより、断熱性が経時的に低下する傾向が見られる
ので、断熱性シート10の耐圧縮性を向上させるため、
中空粒子12の選択を次のような3通りの方式で行なう
ことが好ましい。 (1)粒径の異なる中空粒子のブレンド (2)親水性中空粒子と疎水性中空粒子とのブレンド (3)粒径の異なる親水性中空粒子と疎水性中空粒子と
のブレンド
【0028】(1)の粒径の異なる中空粒子のブレンド
で大きい中空粒子の間を小さい中空粒子が埋めるために
は、大きい方の中空粒子の直径a、小さい方の中空粒子
の直径bの関係は、b≧a(2−31/2 )/31/2 であ
り、これを計算すると、b≧0.155aである。ま
た、最も疎な充填である体心立方の場合には、b=a
(2−21/2 )/21/2 であり、これを計算すると、b
=0.414aである。従って、0.155a≦b≦
0.414aとなり、粒径aの中空粒子にブレンドする
ための中空粒子の直径bが規定される。
【0029】因みに、最も密な六方細密充填の場合に、
直径aの中空粒子の空隙に直径bの中空粒子が隙間無
く、ちょうど入り込むためには、b=2a(11/3)
1/2 /3であり、これを計算すると、b=0.277a
である。先に述べたように、入手し得る中空粒子の粒径
は、0.3〜300μmの範囲であるので、この中か
ら、上記の関係を満たす中空粒子の大小の組み合わせを
選択して使用する。
【0030】上記において、直径aの中空粒子の単位あ
たりの粒子の数N(a)と、直径bの中空粒子が入れる
空隙の数N(b)との関係は、六方細密の場合で、N
(b)/N(a)=8:6であり、体心立方の場合、N
(b)/N(a)=4:2である。これを整理すると、
1/2≦N(a)/N(b)≦3/4であり、それぞれ
の直径の中空粒子をブレンドする際の重量比は、充填の
疎密の度合いを決めた後、中空粒子の数の比、各中空粒
子の比重・粒径から計算で求める。この(1)の粒径の
異なる中空粒子のブレンドを、上記したような条件下で
行ない、高分子マトリックス14中に分散させて作製し
た断熱性シート10は、気泡13のある部分では、直径
の小さい方の中空粒子が直径の大きい方の中空粒子の間
に充填されて補強されるため、耐圧縮性が強化され、つ
ぶれにくい構造となる。
【0031】(2)の親水性中空粒子と疎水性中空粒子
とのブレンドでは、疎水性の中空粒子が空気との親和性
の方がより高いために、分散の際に塗料組成物中に取り
込まれた気泡を疎水性の中空粒子が取り囲み、外側が疎
水性の二次的な粒子を作り、親水性の中空粒子および親
水性の樹脂の間に分散した形の断熱性シート10とな
る。
【0032】ここで、親水性の中空粒子とは、材質が、
ガラス、シリカ、シリカ・アルミナ、セラミック、シラ
ス、中空プラスチック、または中空繊維等からなるもの
であり、また、疎水性の中空粒子としては、これらの親
水性の粒子に疎水化処理を行なったものがある。親水性
中空粒子と疎水性中空粒子の混合比は、形成したい気泡
の大きさ、各中空粒子の粒径および比重から計算で求め
る。
【0033】(3)の粒径の異なる親水性中空粒子と疎
水性中空粒子とのブレンドは、上記の(1)および
(2)の方式の手段を合わせたもので、粒径の小さい疎
水性粒子と粒径の大きい中空粒子とが混合された中空粒
子の間に気泡13を有した構造の断熱性シート10が得
られる。この方式では、粒径の大きい中空粒子の間に粒
径の小さい疎水性粒子が充填されるので、中空粒子の間
に形成される気泡の壁が強化され、つぶれにくい構造の
断熱性シート10が得られる。
【0034】高分子マトリックス14としては、次に挙
げるような樹脂が使用できる。例えば、ニトロセルロー
ス、酢酸セルロース、酪酢酸セルロース、エチルセルロ
ース、ポリアミド樹脂、塩化ゴム、環化ゴム、ポリアミ
ド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化
ポリプロピレン、もしくはアクリル樹脂等の熱可塑性樹
脂の有機溶剤溶液、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノ
ール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾー
ル、ポリベンゾチアゾールもしくはポリウレタン樹脂等
の熱硬化性樹脂であり、これらの樹脂は、水または有機
溶剤に溶解した樹脂溶液とすることができる。
【0035】あるいは、スチレンマレイン樹脂、ポリ酢
酸ビニル樹脂、アクリル系樹脂、もしくはウレタン系の
エマルジョン、または、天然ゴム、再生ゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴ
ム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム
(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、もしくは
ブロックコポリマーゴム(SBS,SIS,SEBS
等)も使用することができ、これらの樹脂は、有機溶剤
溶液ないしラテックス等として利用することができる。
【0036】気泡13を生じさせるには、機械的に気
体、特に不活性ガス、好ましくは低熱伝導性のガスの泡
を塗料組成物中に取り込んで、含浸性基材に含浸させ、
加熱発泡させる場合と、以下に述べるような有機化合物
からなる化学発泡剤を塗料組成物中に配合して含浸さ
せ、加熱発泡させる場合とがある。
【0037】発泡剤と言うと、一般には、分解型等の化
学発泡剤を指すことが多いが、ここでは、機械的な方法
における泡も含めて、発泡剤と称することとし、いずれ
も利用し得る。化学発泡剤としては、アゾジカルボンア
ミド、アゾビスイソブチロニトリル、バリウムアゾジカ
ルボキシラート、もしくはp−トルエンスルホニルセミ
カルバジド等のアゾ系発泡剤、ベンゼンスルホニルヒド
ラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、もしくは
4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等
のスルホニルヒドラジド系、ジニトロソペンタメチレン
テトラミン等のニトロソ系、重炭酸ナトリウム、もしく
は重炭酸アンモニウムがある。
【0038】発泡剤の作用から見ると機械的なガスの泡
に近いものとして、アクリロニトリル樹脂等を素材とす
る外壁にイソブタン、ネオペンタン等の低沸点炭化水素
を内包させたマイクロカプセル型発泡剤があり、比較的
低温での発泡に適している。なお、化学発泡剤を使用す
るときは、必要に応じ、発泡温度を低下させて発泡しや
すくするための発泡助剤を使用してもよい。このような
マイクロカプセル型発泡剤としては、例えば、松本油脂
製薬(株)製の発泡剤(品番で、F−46、F−50、
F−55、F−80、もしくはF−85が使用でき、こ
れらは、発泡倍率も20倍以上あり、好ましい。
【0039】これらの発泡剤を用いた塗料組成物を、含
浸性基材11に塗布ないし含浸させ、加熱発泡させる場
合には、乾燥させた後の膜厚の0.1〜100倍とする
ことが好ましく、0.1倍未満では、発泡による断熱性
向上効果が乏しく、100倍を越えると、断熱性はある
ものの、圧縮強度が低下するため、つぶれやすくなるた
めである。
【0040】含浸性基材11としては、天然繊維、合成
繊維、ロックウール、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維を
原料として製造されたフェルト、不織布、布、もしくは
これらの前記繊維を原料として抄造された紙(特に低密
度紙)、またはセラミックスシート等のシートであっ
て、これらのいずれかの単層のシート、同じものどうし
の2枚以上を積層した、同種のシートの複合シート、も
しくは、これらのシートから選ばれた任意の異なるシー
トを2枚以上積層した、異種のシートの複合シートが使
用できる。片面に含浸性がないか、もしくは乏しいシー
トでもよく、例えば、低透湿性シート等が積層されてい
てもよい。
【0041】フェルトは、元来は、獣毛を集めて、加湿
・加熱しつつ加圧して絡ませ、シート化したものである
が、現在では、原料として天然繊維以外に合成繊維、ロ
ックウール、炭素繊維等も使用されている。不織布は、
繊維(天然繊維も扱うが、通常は合成繊維)を紡糸せず
に直接、機械的、熱的、または化学的な手段により交絡
させてシート化したものである。また、紙は、植物繊維
その他の繊維を絡み合わせ、膠着させて製造したもの
(JISの定義による)である。
【0042】これらの定義から見ても明らかなように、
フェルト、不織布、および紙は、思い浮かべる代表的な
製品どうしは相違して見えるものの、本質的には互いに
区別のつきにくいものであり、ただ、一般的な紙が、そ
のほかのものにくらべ、密度が高い点で相違する。
【0043】紙類としては、薄葉紙、クラフト紙、チタ
ン紙、樹脂含浸紙、リンター紙、板紙、石膏ボード用原
紙、和紙等も使用できる。より好ましい超低密度紙は、
密度が0.1g/cm3 〜0.5g/cm3 が一般的
で、一例として0.2g/cm3 程度のものである。フ
ェルト、不織布、および布を含めた場合も、密度が0.
01g/cm3 〜1g/cm3 、好ましくは、0.02
g/cm3 〜0.5g/cm3 、より好ましくは、0.
02g/cm3 〜0.25g/cm3 である。下限未満
であると強度が低くなり、取扱い時に損傷の恐れが増加
し、上限を越えると、断熱性が不十分になる。布につい
ては、繊維としては中空繊維等の断熱性繊維を使用した
ものが好ましいが、必ずしも、中空繊維等の断熱性繊維
でない、通常の繊維を使用したものでも、目付量の少な
い、粗い布であれば、使用可能である。
【0044】セラミックスは耐熱性の必要な高温領域の
断熱材として主に用いられている。通常、ここで用いら
れるセラミックスは珪酸カルシウムなど熱伝導率の低い
焼結成型体である。セラミックスシートはこのようなセ
ラミックスを繊維状に加工し、シート状にしたもので、
各種厚みの製品も市販されている。セラミックスシート
の密度としては0.8〜2.3g/cm3 、厚みとして
は0.2mm〜5.0mm程度が好ましい。
【0045】なお、上記において繊維としては、木綿、
麻、もしくは羊毛等の天然繊維の単独、もしくは異なる
2種以上、または、レーヨン、ナイロン、ポリエステ
ル、もしくはアクリル等の合成繊維の単独、もしくは異
なる2種以上、ロックウール、ガラス繊維、炭素繊維、
チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、もしくはシリカ
繊維等が使用できる。紙の場合には、主に植物繊維のパ
ルプが使用される。また、セラミックスシートを構成す
る素材としては、狭義のセラミックスであるケイ酸塩に
限らず、アルミナ、シリカ、もしくはジルコニアの単
独、もしくは異なる2種以上が使用できる。
【0046】以上のような素材を用いて、断熱性シート
10を製造するには、高分子マトリックスを構成する樹
脂、好ましくはその樹脂の水溶液、もしくは有機溶剤溶
液、またはエマルジョンと、中空粒子または/および発
泡剤、さらには必要に応じ配合しうる各種の添加剤を混
合し、塗料組成物を調製してシート化する。なお、マイ
クロカプセル型発泡剤が発泡した発泡済のものを中空粒
子として使用するときは、塗料中で浮かびやすいため、
増粘剤を使用して、浮上を防止するとよい。シート化の
方法としては、剥離性基体に塗布し、乾燥後に剥がすキ
ャスティング法、基体に塗布して基体が付着したままで
製品とする方法、含浸性基材11に含浸して乾燥させる
方法等を利用する。
【0047】含浸を行なうには、含浸用塗料組成物を満
たした槽の中に、含浸性基材11を浸す方法(いわゆる
ディッピング)によるか、公知の塗布手段により、含浸
性基材11の片側もしくは両側から塗布を行なう。含浸
用塗料が十分浸透してから、余分の含浸用塗料を適宜な
かき取り装置または除去装置、例えば、サクションドク
ター、ドクターロール、もしくは丸棒にワイヤーを巻き
付けたワイヤーバー等により、かき取るか、または除去
し、所定の量の含浸用塗料を含浸性基材に含浸させる。
その後、乾燥させることによって、断熱性シート10が
得られる。
【0048】なお、含浸用塗料組成物の粘度、塗付から
乾燥までの時間を調節すると、一方の側から浸透して含
浸性基材11の厚みの途中にとどまる含浸や、殆ど含浸
性基材11の表面に止まり、ごく僅かが含浸性基材の表
面の近くに含浸するようなことを行なうこともでき、こ
うすると他方の側の未含浸の部分を利用して、接着剤を
浸透させ、貼る対象のものとの接着性を高める等ができ
る。含浸用塗料組成物を構成する素材、特に高分子マト
リックスの素材によっては、一旦、比較的低温で乾燥さ
せた後、比較的高温度で乾燥させたり、乾燥の一部、も
しくは全部を紫外線照射や電子線照射によって行なって
もよい。
【0049】概ね、車両の居住部分に適用するとはい
え、断熱性シート10は、人が持ち込む水と接触し、性
能を損なう恐れがある。このため、断熱性シート10を
適当な被覆層で被覆することが好ましく、具体的には、
図5(a)に示すように、防水性シート15で被覆する
ことが好ましく、さらには、図5(b)に示すように、
両側から防水性シート15、15’で密封することが好
ましい。密封は、この他、チューブ状の防水シートの中
に断熱性シート10を挿入し、両端を溶断シールする等
の方法によって行なってもよい。
【0050】防水性シート15の素材としては、殆どの
プラスチックフィルムを使用することができる。例え
ば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチ
レン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重
合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イ
ソフタレート共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹
脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリアクリル酸ブチ
ル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポ
リアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポ
リスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレー
ト樹脂、又はポリイミド樹脂等のフィルムである。
【0051】防水性シート15には、ガスバリアー性の
あるポリ塩化ビニリデン樹脂等の樹脂バインダーを用い
て調製された別の塗料を塗布するか、金属ないし金属酸
化物の薄膜を形成して気体透過を抑制しておくとなおよ
い。これら金属薄膜においては、一酸化ケイ素と二酸化
ケイ素のように酸化数の異なる金属酸化物どうしの混合
物であったり、ケイ素化合物とアルミニウム酸化物との
混合物であってもよいし、無機酸化物を主体とした有機
基と結合したものであってもよい。
【0052】薄膜の形成方法としては、例えば、イオン
ビーム法、電子ビーム法等の真空蒸着法、またはスパッ
タリング法等の物理気相成長法、もしくは、プラズマ化
学気相成長法、熱化学気相成長法、または光化学気相成
長法等の化学気相成長法が利用できる。薄膜の厚みは、
好ましくは、50〜3000Åであり、より好ましくは
100〜1000Åである。50Å未満では気体透過を
抑制する効果がほとんど無く、3000Åを越えると薄
膜にクラックが生じて気体透過性が低下する恐れがある
上、材料費も割高となる。
【0053】断熱性シート10は、床パネルの下側に積
層する場合を除き、居住部分内に積層するので、断熱性
シートとして、何らかの化粧(装飾と言ってもよい)を
施した化粧断熱性シートを使用することが好ましい。化
粧の施し方としては種々のものがあるが、着色、印刷、
エンボス、またはワイピング塗装が代表的であり、これ
らのうちから任意に選択して、1種または2種以上を組
み合わせて施すことが普通である。
【0054】図6は化粧の様子を示すもので、図6
(a)は断熱性シート10(左上から右下に至る直線で
構成されたハッチで示す。)に着色(左下から右上に至
る直線で構成されたハッチで示す。)を施した化粧断熱
性シートを示す。なお、断熱性シート10は、防水性シ
ートを伴わないもの、もしくは防水性シートを伴うもの
のいずれでもあり得る。着色は、図6(a)にハッチの
手段によりイメージ的に示すように、断熱性シート10
の厚み方向全体に施されていても、観察側になる片側の
表面のみに施されていてもよい。また、着色しただけで
もよいが、さらに、保護層16が積層してあってもよ
い。保護層16の積層は任意であって、以降の図6
(b)〜図6(d)の説明においても、その都度の説明
は省くが、積層する場合も、あるいは、積層しない場合
もあり得る。
【0055】続く、図6(b)は、断熱性シート10に
印刷して模様を施した状態の化粧断熱性シートを示すも
ので、模様17は、着色層17a、および絵柄17bが
順に重なった2つの層からなっているが、このうち、着
色層17aは省くこともあり得る。さらに、図6(c)
は、エンボス加工を施して凹部18を形成した状態の化
粧断熱性シートを示す。図6(c)の例では、凹部18
にワイピング塗装により着色剤19を充填した化粧断熱
性シートを示している。
【0056】化粧を施す部位は、断熱性シート10の表
裏のいずれの面でもよいが、化粧を施した側の面を外向
きにするか、あるいは、そうでない場合には、素材を通
して化粧が透視できるように施すとよい。化粧を施した
上を保護層16で覆う場合には、保護層16は、下層の
化粧が透視できることを確保する目的で、無色透明また
は有色透明であることが望ましい。
【0057】保護層16は、合成樹脂塗料の塗膜で構成
するか、場合によっては、合成樹脂フィルムの積層によ
って構成してもよい。合成樹脂塗料の塗膜としては、熱
可塑性樹脂を用いたものでもよいが、ポリウレタン樹脂
等の熱硬化性樹脂の硬化した塗膜が耐久性の点で優れて
おり、さらに電離放射線硬化性のポリマーまたはプレポ
リマー、およびモノマー等を用いて調製した電離放射線
硬化性樹脂組成物の塗布、および電離放射線の照射によ
り架橋硬化させて得られる塗膜で構成すると、より一
層、下層の保護効果が向上する。
【0058】以上の例で示した着色、印刷、エンボス、
またはワイピング塗装等の化粧は、これらのうち、選択
した1種を施すか、もしくは任意の2種以上を組み合わ
せて行ない、断熱性シート10に、素材の持つ感じに加
えて、外観の意匠を与えることができる。なお、上記し
たように、断熱性シート10に直接、化粧を施すのに代
えて、図6(d)に示すように、断熱性シート10に、
別に準備した化粧シート20を接着剤等により、積層し
て化粧断熱性シートとしてもよい。化粧シート20は、
例えば、適宜な基材に着色、印刷、エンボス、またはワ
イピング塗装を適宜に組合わせて施したり、あるいはさ
らに保護層を積層したもの等である。
【0059】また、断熱性シート10は、表面が汚染さ
れにくいものが好ましい。例えば、最表面の保護層がア
クリル樹脂フィルムである化粧シートは耐候性が良く、
最表面の保護層がフッ素系樹脂フィルムである化粧シー
トは耐汚染性が高く、適している。なお、化粧シート2
0の基材として、防水性シートを利用することもでき
る。
【0060】断熱性シート10を床パネル8上(=床パ
ネル8の室内側)に積層する際には、室内の壁や天井に
くらべて傷みやすく、汚染もしやすいので、置き敷きに
より、床パネル8上に適用した方が、随時、断熱性シー
ト10を交換する上で便利であるが、人の歩行や荷物の
移動により断熱性シート10が所定の位置からずれやす
いため、断熱性シート10の裏面には、床上に置いたと
きの、床との間のずれを防止する意味で、滑り防止層を
積層しておくことが好ましい。滑り防止層としては、ゴ
ム系や軟質のプラスチックフィルムのような、床へのな
じみのよいものが好ましく、あるいは、無機質充填剤を
多量に配合した合成樹脂シートであってもよい。
【0061】なお、いずれの面に適用する場合でも、接
着剤を用いるときは、予め、断熱性シート10として
は、その裏面に接着剤層を予め適用しておいたものを使
用するとよく、接着剤層の露出面には剥離性シートをラ
ミネートしておいたものがより好ましい。
【0062】断熱性シート10は、基本的には以上の要
素を有していればよいが、一旦水分が付着すると、すぐ
には除去しにくいため、菌や黴が増殖しやすく、臭気を
生じたり、不衛生な状態に陥りやすい危険を有してい
る。そこで、断熱性シート10に抗菌剤を適用しておく
ことが好ましい。抗菌剤としては銀、銅、亜鉛、錫、
鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、または水銀等の抗
菌性金属材料を、ゼオライト、活性炭、シリカ、活性白
土、酸性白土、アルミナ、活性ボーキサイト、骨炭、モ
レキュラーシーブ、またはガラスビーズ等の担体に担持
させたものが望ましいが、これらの抗菌性材料、担体の
種類およびそれらの使用量等は、特に限定されるもので
はない。抗菌剤の適用は、表面への塗付、もしくは断熱
性シート10を構成する樹脂組成物への配合によって行
なうとよい。
【0063】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、車両の居住部
分を構成する、床パネル、左壁パネルもしくは右壁パネ
ル、または前方パネルもしくは後方パネルの少なくとも
いずれか一つ以上に、中空粒子または/および気泡を含
む高分子バインダーからなる断熱性シートを積層したの
で、断熱性の付与により厚みが増すことがごく少なく、
単に積層すれば足りるので、発泡性樹脂を適用する等に
くらべて、製造上、硬化等の時間を要することもない車
両を提供することができる。請求項2の発明によれば、
請求項1の発明の効果に加え、使用する断熱性シートに
おいて、断熱層と含浸性基材の接着力が高く、また、含
浸が一部に止まっている場合には未含浸の部分を利用し
て、車両と断熱性シートとの間の接着力の高い車両を提
供することができる。請求項3の発明によれば、請求項
1または2いずれかの発明の効果に加え、断熱性シート
が水分や水等の浸透によって断熱性能の低下の恐れのな
い車両を提供することができる。請求項4の発明によれ
ば、請求項1〜3いずれかの発明の効果に加え、断熱性
シートとして化粧を施したものを使用するので、適用し
たことにより、併せて意匠感が付与された車両を提供す
ることができる。請求項5の発明によれば、請求項1〜
4いずれかの発明の効果に加え、断熱性シートとして抗
菌剤が適用されたものを使用するので、使用により、臭
気を帯びたり、不衛生な状態に陥ることの防止が可能な
車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両が乗用車である例を示す図である。
【図2】車両が鉄道車両である例を示す図である。
【図3】車両の縦断面を示す図である。
【図4】断熱性シートの断面図である。
【図5】防水した断熱性シートの断面図である。
【図6】化粧断熱性シートの断面図である。
【符号の説明】
1 車両 2 屋根パネル 3 前方パネルもしくは後方パネル 4 壁パネル 5 柱 6 窓 7 ドア 8 床パネル 10 断熱性シート 11 含浸性基材 12 中空粒子 13 気泡 14 高分子マトリックス 15 防水性シート 16 保護層 17 模様 18 凹部 19 着色剤 20 化粧シート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床パネルの周囲に、左壁パネル、後方パ
    ネル、右壁パネル、および前方パネルとが順に巡らさ
    れ、前記の巡らされた各パネルにより囲まれた上面を覆
    って屋根パネルが張られて構成されており、前記各パネ
    ルのうち、少なくとも前方パネルの、少なくとも上部に
    は窓部が設けられて居住部分が構成されており、かつ前
    記各パネルの少なくとも一つ以上において、前記窓部が
    設けられている以外の部分に、中空粒子または/および
    気泡を含む高分子バインダーからなる断熱性シートが積
    層されていることを特徴とする車両。
  2. 【請求項2】 前記断熱性シートは、中空粒子または/
    および気泡を内包する前記樹脂組成物が含浸性基材の少
    なくとも一部に含浸したものであることを特徴とする請
    求項1記載の車両。
  3. 【請求項3】 断熱性シートとして、防水性シートで被
    覆、もしくは密封したものを用いることを特徴とする請
    求項1または2記載の車両。
  4. 【請求項4】 前記断熱性シートとして化粧を施したも
    のを用いることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載
    の車両。
  5. 【請求項5】 前記断熱性シートとして、抗菌剤が適用
    されたものを用いることを特徴とする請求項1〜4いず
    れか記載の車両。
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