JP3727308B2 - 吸音遮水マット - Google Patents
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Description
技術分野
この発明は、自動車用フロアーマットとして好適に用いられる吸音遮水マットに関する。
背景技術
自動車用フロアーマットとしては、従来より、表面側にパイルが植設されたカーペット基材等の表皮材の裏面側に、軟質樹脂材料からなる裏打ち層が積層一体化された構成のものが知られているが、この構成では重くなる上に吸音効果が殆ど得られないことから、近年では前記表皮材の裏面側に不織布を貼り合わせた構成のものが用いられることが多くなっている。この構成では不織布を用いるので軽量化を図ることができるし、騒音等の音は不織布層を通過する際に吸音されるので吸音効果のあるマットとなる。
しかしながら、上記のような表皮材の裏面側に単に不織布を貼り合わせた構成では、マットとして遮水性がなく、例えば降雨時等において濡れた靴や傘などを介してフロアーマットの表面に水が付着すると、この水はフロアーマットを通過してその裏面側に到達して、フロアーを構成する金属板に錆を生じさせることが懸念されるし、また予め自動車のフロアーにカーペットが貼り付け施工されている場合には該カーペットの構成繊維を腐食させてしまうことも懸念される。
そこで、前記マットにさらに遮水機能を付与するべく、例えば表皮材と不織布吸音層の間に遮水シートを介装一体化させる構成も考えられるが、このような構成では遮水シートによって通気性がなくなるので、自動車のフロアー側から車内に侵入してくる騒音は下側の不織布層において吸音できるものの、エンジンルーム、ドア等から車室内に入り込んだ騒音は、マットの遮水シートによって車室内にはね返されてしまって吸音されることなく車室内で反響して騒音レベルを上げてしまうという問題を生じる。即ち、優れた吸音性能を確保する観点からすると、上側での騒音(車室内に入り込んだ騒音)も吸音層に到達する必要があり、そのためにはマットが通気性を備えたものであることが要求される一方、マットとして遮水性を確実に備えたものとするには遮水シートを介装する等して水の通過を阻止することが要求されるというように相反するような性質(通気性、遮水性)を兼備させなければならないことから、従来では、自動車用フロアーマット等のマットにおいて優れた吸音性と遮水性を両立することはできなかったのが実状である。
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、優れた吸音性を有すると共に、十分な遮水性を確保できる吸音遮水マットを提供することを目的とする。
この発明の他の目的は、以下に示すこの発明の実施形態により明らかにされるであろう。
発明の開示
上記目的を達成するために、本発明者は鋭意研究の結果、多数の気泡が中に形成された高分子フィルム層を、表皮材層と吸音層の間に介装することにより、優れた吸音性と遮水性の両立が可能となることを見出すに至り、この発明を完成したものである。
即ち、この発明に係る吸音遮水マットは、高分子フィルムからなる遮水層の上面に表皮材層が接合され、前記遮水層の下面に吸音層が接合されてなり、前記高分子フィルムの中に多数の気泡が形成されていることを特徴とする。
また、この発明の別の吸音遮水マットは、高分子フィルムからなる遮水層の上面に、熱可塑性樹脂パウダーの加熱溶融により形成された通気性接着層を介して表皮材層が接合される一方、前記遮水層の下面に、熱可塑性樹脂パウダーの加熱溶融により形成された通気性接着層を介して吸音層が接合されてなり、前記高分子フィルムの中に多数の気泡が形成されていることを特徴とする。
上記いずれの発明も、高分子フィルムからなる遮水層が設けられているので、マット表面から入った水は、遮水層に遮られてマットの裏面側に達することがない。また、マットの下側からの騒音は下側の吸音層で吸音されるのは言うまでもないが、本発明では前記遮水のための高分子フィルムの中に多数の気泡が形成されているので、この高分子フィルムの片面側から他方の面に音が十分に伝搬するものとなり、従ってマットの上側の騒音(例えばドア等から車室内に入り込んだ騒音等)は、表皮材、高分子フィルムを介して下の吸音層に到達して、この吸音層において吸音されるので、このマットが敷設された空間内(例えば車室内)において十分な静粛性が確保されるものとなる。このように、本発明では多数の気泡が中に形成された高分子フィルム層により、通音性と遮水性を兼備した層の形成が可能となった点が特に技術的に重要であり、これによりマットにおいて優れた吸音性と遮水性の両立が可能となったものである。前述したように、従来は音を通すためには通気性があることが必要と考えられていたのであるが、これに対して本発明では多数の気泡が中に形成された高分子フィルム層を用いることで、通気性がなくても十分な通音性が得られる層の形成が可能となった点が特に重要である。
また、前記後者の発明では、表皮材層と遮水層、及び遮水層と吸音層が、それぞれ熱可塑性樹脂パウダーの加熱溶融により形成された通気性接着層を介して接合されているので、該接着層として良好な通気性を具備させつつ、十分な接合強度を確保することができ、より耐久性に優れた吸音遮水マットを提供できる。また、この通気性接着層において空気層が形成され、該空気層により吸音効果が発揮されるので、マットとしての吸音性がより向上する。
この発明において、遮水層を構成する高分子フィルムの厚さは30〜120μmに設定するのが好ましい。これにより、遮水性を確実に確保しつつ吸音性をより向上できる。
また、遮水層を構成する高分子フィルムの硬度は75〜100であるのが好ましい。硬度をこのような範囲に設定すれば、フィルムの通音性が一層向上するので、マットとしての吸音性能をより一層向上できる。
また、高分子フィルムの見かけ体積に対する気泡の占有体積の割合は50〜90%であるのが好ましい。気泡の占有体積割合をこのような範囲に設定すれば、遮水性を確実に確保しつつ吸音性をさらに向上できる。
この発明において、気泡の形成方法としては特に限定されないものの、該気泡は熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張により形成されるのが好ましい。熱膨張性マイクロカプセルは外殻を有しており、従ってこのマイクロカプセルの熱膨張により形成された気泡は、それぞれ相互に独立したものとなる(気泡同士が連通しない)と共に、フィルム表面にピンホールが生じることも防止できるので、遮水層を構成する高分子フィルムとして十分な強度を具備させることができる。また、マイクロカプセルの熱膨張により形成された気泡は、それぞれ相互に独立したものとなるので、得られる気泡の大きさ(外径)を均一な大きさに制御することができ、これにより所望の通音性が確実に得られるので、高品質の吸音遮水マットを構成できる。
遮水層を構成する高分子フィルムはポリオレフィン系フィルムであるのが好ましく、この場合には低コスト化を図ることができるし、使用後においてリサイクル利用し易くなる利点がある。
また、吸音層は不織布からなるのが好ましい。これにより、マットの軽量化を図ることができるし、マットとしてのクッション性も向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施形態に係る吸音遮水マットを示す断面図である。
第2A図、第2B図はいずれも高分子フィルムの模式的断面図である。
第3図は、製造方法を概略的に示す側面図であって、第3A図が第1工程で、第3B図が第2工程である。
第4図は、この発明の吸音遮水マットの吸音特性の一例を、従来の吸音マットのそれと対比して示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態
この発明の一実施形態に係る吸音遮水マット(1)を第1図に示す。この遮水マット(1)は、高分子フィルムからなる遮水層(2)の上面に通気性接着層(5)を介して表皮材層(3)が接合され、前記遮水層(2)の下面に通気性接着層(6)を介して吸音層(4)が接合されてなり、前記高分子フィルム(2)の中に多数の気泡(10)が形成されたものである(第2図参照)。前記通気性接着層(5)(6)は、いずれも熱可塑性樹脂パウダーを加熱溶融することにより形成されたものである。
上記マット(1)では、高分子フィルムからなる遮水層(2)が設けられているので、マットとして十分な遮水性が得られ、水がマット表面からその裏面側に達することがなく、例えば自動車のフロアーを構成する金属板における錆の発生を防止できるし、下側に貼り付け施工されたカーペット等の繊維布帛の腐食も防止できる。
また、マット(1)の下側からの騒音は下側に配置された吸音層(4)において吸音される。更に、高分子フィルム(2)の中に多数の気泡が形成されているので、この高分子フィルム(2)の片面側から他方の面にかけて音が十分に伝搬するものとなり、マット(1)の上側の騒音(例えばドア、窓、ボディー等から車室内に入り込んだ騒音等)は、表皮材層(3)、高分子フィルムからなる遮水層(2)を介して下の吸音層(4)に到達して、この吸音層(4)において吸音されるから、このマット(1)が敷設された空間内(例えば車室内)において十分な静粛性が確保される。なお、中に多数の気泡(10)が形成された高分子フィルム(2)を介して音が伝搬するメカニズムは定かではないが、主に高分子フィルム(2)の気泡(10)部分を介して音が反対側に伝搬しているものと推定される(第2図参照)。即ち、フィルムの通気性によりフィルム(2)の通音性が得られているものではない。
また、第4図に示すように、横軸に周波数をとって縦軸に吸音率をプロットした吸音特性グラフにおいて、従来の吸音マットでは、右上がりの吸音曲線(図中、点線で示す)が1500〜2000Hzの領域から吸音率が上がらずに横這いに近い状態になっていたのであるが、これに対して本発明のマット(1)では多数の気泡が中に形成された高分子フィルム層(2)を中間層に用いているので、右上がりの吸音曲線(図中、実線で示す)が1500〜2000Hzの領域やこれより高い周波数領域でも右上がりになっており、このように本発明のマット(1)は、幅広い周波数領域において優れた吸音性を発揮できるという利点を有する。
更に、表皮材層(3)と遮水層(2)を接合する通気性接着層(5)、及び遮水層(2)と吸音層(4)を接合する通気性接着層(6)のいずれもが、熱可塑性樹脂パウダーの加熱溶融により形成されたものであるから、良好な通気性を備えた接着層(5)(6)が形成されて音の通過を妨げない接着層を形成できると共に、十分な接着強度も確保できてマット(1)としての耐久性をより向上できる利点がある。更に、この通気性接着層(5)(6)の中に空気層部分が存在する形態となるから、該空気層によって吸音効果が増大される利点もある。
なお、上記実施形態では、通気性接着層(5)を介して表皮材層(3)と遮水層(2)とを接合するものとしているが、表皮材層(3)と遮水層(2)とが直接に積層一体化された構成を採用しても良い。同様に、遮水層(2)と吸音層(4)とが直接に積層一体化された構成を採用しても良い。
また、高分子フィルム(2)の断面形態は、例えば第2A図に示すように気泡(10)の径がフィルム(2)の厚さ(T)よりも小さくてフィルム表面が平滑面である形態であっても良いし、或いは第2B図に示すように気泡(10)の径がフィルム(2)の厚さ(T)よりも大きくて気泡(10)による膨らみ部分がフィルム(2)表面より突出した形態であっても良い。
この発明において、遮水層(2)を構成する高分子フィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、EVA(エチレン−酢酸ビニル樹脂)、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。この熱可塑性樹脂フィルムの中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルムを用いるのが好ましく、これによりコストを低減できるし、使用後においてリサイクル利用が容易になる。前記ポリエチレンとしては、例えば低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレン等を例示できる。
前記遮水層(2)を構成する高分子フィルムの厚さ(T)は30〜120μmとするのが好ましい。30μm未満ではフィルム強度が低下して遮水性を確実に維持するのが難しくなるので好ましくないし、一方120μmを超えると遮水層(2)の通音性が低下して吸音マット(1)としての吸音性能が低下するので好ましくない。
前記遮水層(2)を構成する高分子フィルムの硬度は75〜100であるのが好ましい。75未満では成形時や使用時に破れが生じやすくなるので好ましくないし、一方100を超えると遮水層(2)の通音性が低下して吸音マット(1)としての吸音性能が低下するので好ましくない。中でも、遮水層(2)を構成する高分子フィルムの硬度は80〜95であるのがより好ましい。なお、前記「硬度」とは、JIS K6253−1997の5.デュロメータ硬さ試験法により測定される硬度である。
前記高分子フィルム(2)の見かけ体積に対する気泡(10)の占有体積の割合は50〜90%に設定されるのが好ましい。50%未満ではフィルム(2)の通音性が十分に得られなくなってマット(1)の吸音性能が低下するので好ましくない。一方90%を超えると高分子フィルム(2)の強度が低下して遮水性を確実に維持するのが難しくなるので好ましくない。中でも、高分子フィルム(2)の見かけ体積に対する気泡(10)の占有体積の割合は65〜80%に設定されるのがより好ましい。
この発明において、前記高分子フィルム(2)の中に形成される気泡(10)の形成手法は、特に限定されないが、熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張により形成されるのが好ましい。熱膨張性マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂からなる外殻体(11)の中に揮発性液体が封入されたものであり、この外殻体(11)は、加熱により軟化してその内部に封入された揮発性液体の気化膨張に伴って膨張する。このようなマイクロカプセルの熱膨張により形成された気泡(10)は、第2図に示すように、その周囲を外殻体(11)に包まれているので、これら多数の気泡(10)…は、それぞれ相互に独立したものとなる(気泡同士が連通しない)と共に、フィルム表面に気泡に起因したピンホールが生じることも防止できるので、遮水層(2)を構成する高分子フィルムとして十分な強度を具備させることができ、ひいては遮水耐久性に優れた吸音遮水マット(1)を提供できる。また、マイクロカプセルの熱膨張により形成された気泡(10)は、それぞれ相互に独立したものとなるので、即ち相互に連通するようなことがないから、得られる気泡(10)の大きさ(外径)を厳密に制御することができて、高分子フィルム(2)内に均一な大きさの気泡(10)を形成できるので、所望の通音性を確実に得ることができ、高品質の吸音遮水マット(1)を構成できる。
前記熱膨張性マイクロカプセルの外殻体(11)を構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば塩化ビニリデン、アクリロニトリルコポリマー等が挙げられる。
また、前記熱膨張性マイクロカプセルの外殻体(11)の中に封入される揮発性液体としては、常温では液体であってフィルム成形の際の加熱により気化するものであればどのようなものでも使用でき、特に限定されるものではないが、例えばイソブタン、イソペンタン、n−ブタン、n−ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン等の炭化水素等が挙げられる。
前記熱膨張性マイクロカプセルの市販品としては、例えばエクスパンセル(商品名:日本フィライト株式会社製)を例示できる。
しかして、熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張により多数の気泡(10)…が中に形成された高分子フィルム(2)は、例えば次のようにして製造できる。即ち、フィルム(2)形成用のポリエチレン等の樹脂に熱膨張性マイクロカプセルを配合し、これをTダイ法やインフレーション法によりフィルム状に押出成形する。押出成形時の加熱によりマイクロカプセルが膨張して高分子フィルム(2)の中に気泡(10)…が形成される。
この発明において、表皮材層(3)としては、特に限定されるものではないが、例えば基布の上にパイルが植設されたものや、ニードルパンチ不織布等を例示できる。前者の構成の場合には、基布の裏面にパイル抜け防止用のラテックスが塗布されていても良い。この表皮材層(3)を構成する繊維の種類も特に限定されず、例えばポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等が挙げられる。
また、吸音層(4)としては、特に限定されるものではないが、例えばニードルパンチ不織布、スパンボンド不織布等の不織布を用いるのが、軽量性を確保しつつ十分な吸音性能が得られる点で、好ましい。この不織布を構成する繊維の種類も特に限定されず、例えばポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等が挙げられる。なお、十分な吸音性能を確保する観点から、不織布の厚さは3〜30mmとし、かつ不織布の目付を200〜1000g/m2に設定するのが、好ましい。
この発明において、前記通気性接着層(5)(6)の形成に用いられる熱可塑性樹脂パウダーの樹脂の種類は熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。中でも、ポリオレフィン系樹脂パウダーを用いるのが好ましく、これによりリサイクル性を向上できる。特に好適なのは、EVA樹脂パウダーであり、この場合には接着強度をさらに向上できる利点がある。
前記熱可塑性樹脂パウダーは、粒径が20〜500μmのものを用いるのが好ましい。500μmを超えると通気性接着層(5)(6)として良好な通気性が得られ難くなるので好ましくない。また、20μm未満ではここまで微小化するのに要するコストが高いものとなるし、製造時においてパウダーが舞いやすくなって製造作業性が低下するので好ましくない。
この発明の吸音遮水マット(1)は、例えば次のようにして製造できる。まず、第3A図に示すように、不織布(4)をその接合面を上にして一定速度で搬送しつつ、この不織布(4)の上に散布装置(20)から熱可塑性樹脂パウダーの一定量を連続的に散布した後、該熱可塑性樹脂パウダーを加熱装置(21)を用いて加熱溶融させ、次いでこの上に多数の気泡が中に形成された高分子フィルム(2)を重ね合わせて加熱ロール(22)(22)でこれらを圧接せしめることによって、不織布からなる吸音層(4)と高分子フィルムからなる遮音層(2)とが通気性接着層(6)を介して接合されてなる半製品シート(30)を連続工程で製造する。なお、この半製品シート(30)は、巻物状態に巻き取られて次の第2工程で材料として使用される。
次に、第3B図に示すように、表皮材(3)をその接合面を上にして一定速度で搬送しつつ、この表皮材(3)の上に散布装置(20)から熱可塑性樹脂パウダーの一定量を連続的に散布した後、該熱可塑性樹脂パウダーを加熱装置(21)を用いて加熱溶融させ、次いでこの上に前記半製品シート(30)を、高分子フィルムからなる遮音層(2)が中間層となるように重ね合わせ、加熱ロール(22)(22)で圧接せしめることによってこれらを接合して、第1図に示す積層構成の吸音遮水マット(1)を製造する。
なお、この発明の吸音遮水マット(1)は、上記製造方法で製造されるものに特に限定されるものではない。
この発明の吸音遮水マット(1)は、自動車用フロアーマットとして好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
<材料>
表皮材A:タフテッドカーペット(ポリエステル繊維の織布にナイロン繊維によるパイル糸をタフトしたもの)
熱可塑性樹脂パウダーA:EVAパウダー(酢酸ビニル含有率28重量%、メルトフローレイト値400、融点80℃)
不織布A(吸音層):ニードルパンチ不織布(ポリエステル繊維、厚さ6mm、目付400g/m2)
高分子フィルムA(遮水層):フィルム厚さ60μm、フィルム硬度90、気泡の占有体積割合75%、フィルム構成樹脂は低密度ポリエチレン(LLDPE)、気泡形成のための熱膨張性マイクロカプセルとして「エクスパンセル092R」(揮発性液体:イソブタン、外殻体:アクリロニトリル−メタクリロニトリル共重合体)を用いたものであり、断面形態は第2B図の形態であった。
実施例1
第3A図に示すように、上記不織布A(4)を一定速度で搬送しつつ、この不織布A(4)の上に散布装置(20)から上記熱可塑性樹脂パウダーAを散布量50g/m2で散布し、該パウダーAを加熱装置(21)により加熱溶融させた後、上記高分子フィルムA(2)を重ね合わせて加熱ロール(22)(22)でこれらを圧接せしめて、半製品シート(30)を得た(第1工程)。
次に、第3B図に示すように、上記表皮材A(3)をその接合面を上にして一定速度で搬送しつつ、この表皮材A(3)の上に散布装置(20)から熱可塑性樹脂パウダーAを散布量200g/m2で散布し、該パウダーAを加熱装置(21)により加熱溶融させた後、この上に第1工程で製造した半製品シート(30)を、高分子フィルムからなる遮音層(2)が中間層となるように重ね合わせ、これらを加熱ロール(22)(22)で圧接せしめることによって、吸音遮水マット(1)を得た。
実施例2〜13
高分子フィルムとして、厚さ、硬度及び気泡の占有体積割合が表1に示される値に設定されたものを用いた以外は、実施例1と同様にして吸音遮水マット(1)を得た。
実施例14
高分子フィルムを構成する樹脂の種類としてポリプロピレンを選択した以外は、実施例1と同様の高分子フィルム(厚さ、硬度、気泡の占有体積割合、熱膨張性マイクロカプセル等の条件が同じ)を用いて実施例1と同様にして吸音遮水マット(1)を得た。
実施例15
高分子フィルムを構成する樹脂の種類としてポリエステルを選択した以外は、実施例1と同様の高分子フィルム(厚さ、硬度、気泡の占有体積割合、熱膨張性マイクロカプセル等の条件が同じ)を用いて実施例1と同様にして吸音遮水マット(1)を得た。
比較例1
高分子フィルムとして、気泡を含有しない(熱膨張性マイクロカプセルを含有しない)低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムを用いるものとした以外は、実施例1と同様にして吸音遮水マット(1)を得た。
比較例2
上記不織布Aと表皮材Aとを、熱可塑性樹脂パウダーAの加熱溶融により形成された通気性接着層(400g/m2)を介して積層一体化して吸音遮水マット(1)を得た。
【表1】
上記実施例1〜15、比較例1で用いた高分子フィルムの通音特性及びフィルム強度を下記評価法に基づいて調べた。その結果を表2に示す。
通音特性評価法
室内空間を完全に2分する防音仕切壁の中央に設けられた開口部(窓)に、これを隙間なく完全に塞ぐ状態に高分子フィルムを取り付け、一方の室で連続的に音を発生させてこの音をもう一方の室で聞き取った際の音の聞こえる程度(通音性)を調べた。高分子フィルムを介して聞こえる音を実際に耳で聞き取り、その通音性の良いものから順に「5」「4」「3」「2」「1」の5段階で評価した。即ち、通音性に特に優れていたものを「5」、通音性が非常に良かったものを「4」、通音性が良かったものを「3」、通音性がやや悪かったものを「2」、通音性が悪かったものを「1」とした。
フィルム強度評価法
2cm×10cmに切り出した高分子フィルムの両端を手で引っ張り、その時のフィルム強度の強いものから順に「5」「4」「3」「2」「1」の5段階で評価した。即ち、強度が特に強かったものを「5」、強度が非常に強かったものを「4」、強度が強かったものを「3」、強度がやや弱かったものを「2」、強度が弱かったものを「1」とした。
また、上記のようにして得られた各マットに対して下記評価法に基づいて性能評価を行った。その結果を表2に示す。
吸音特性評価法
JIS A1405(垂直入射吸音率)に準拠して吸音率を測定した。
遮水性評価法
マットを床面に敷設した後、このマットの表皮材層の上に50mLの水を垂らし、30分経過した後にマットを取り除いて床面を観察し、該床面が水で濡れていたものを「×」とし、床面が全く濡れずにかつマットの不織布吸音層も全く濡れていなかったものを「○」とした。
【表2】
表から明らかなように、この発明の実施例1〜15のマットは、吸音性に優れて静粛性を十分に確保できると共に、遮水層の強度も十分に得られて確実に遮水することができた。
これに対して、比較例1では、遮水性に優れるものの、吸音性に劣っており静粛性を確保することができなかった。また、比較例2では、吸音性に優れるものの、遮水することができなかった。
以上のように、この発明の吸音遮水マットは、高分子フィルムからなる遮水層が設けられているので、水がマット表面からその裏面側に達することがなく遮水性に優れている。また、マットの下側からの騒音は下側の吸音層によって吸音される一方、マットの上側の騒音は、中に多数の気泡が形成された高分子フィルム(遮水層)を介して下側の吸音層にまで十分に伝搬して、この吸音層で吸音されるので、マットが敷設された空間内において十分な静粛性を確保できる。更に、多数の気泡が中に形成された高分子フィルム層を中間層に用いているので、250〜2000Hzの領域やこれより高い周波数領域でも十分に吸音することができ、このように幅広い周波数領域において優れた吸音性を発揮できるという利点がある。
また、表皮材層と遮水層、及び遮水層と吸音層が、それぞれ熱可塑性樹脂パウダーの加熱溶融により形成された通気性接着層を介して接合されている場合には、通気性接着層として良好な通気性を備えさせつつ、より耐久性に優れた吸音遮水マットを提供できる。加えて、この接着層における空気層部分によって吸音効果が発揮されるので、マットとしての吸音性能を一層向上できる。
高分子フィルムの厚さが30〜120μmである場合には、遮水性を確実に確保しつつ吸音性をより向上させることができる。
高分子フィルムの硬度が75〜100である場合には、高分子フィルムの通音性が一層向上するので、マットとしての吸音性能をより一層向上できる。
高分子フィルムの見かけ体積に対する気泡の占有体積の割合が50〜90%である場合には、遮水性を確実に確保しつつ吸音性をより向上させることができる。
気泡が熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張により形成されたものである場合には、高分子フィルム内の多数の気泡が、それぞれ相互に独立したものとなるので、遮水層を構成する高分子フィルムとして十分な強度を具備させることができ、これにより遮水耐久性に優れた吸音遮水マットを提供できる。また、形成される気泡の大きさを均一に制御できるので、高分子フィルムとして所望の通音性が得られて、高品質の吸音遮水マットを提供できる。
高分子フィルムがポリオレフィン系フィルムである場合には、コストを低減できるし、リサイクル利用に供し易いものとなる。
吸音層が不織布からなる場合には、マットの軽量化を図ることができるし、マットとしてのクッション性も向上して良好な足踏み感が得られるものとなる。
ここで用いられた用語及び説明は、この発明に係る実施形態を説明するために用いられたものであって、この発明はこれに限定されるものではない。この発明は請求の範囲内であれば、その精神を逸脱するものでない限りいかなる設計的変更をも許容するものである。
産業上の利用可能性
以上のように、この発明に係る吸音遮水マットは、優れた吸音性能と十分な遮水性能を兼ね備えているので、自動車用フロアーマットとして好適に用いられる。
この発明は、自動車用フロアーマットとして好適に用いられる吸音遮水マットに関する。
背景技術
自動車用フロアーマットとしては、従来より、表面側にパイルが植設されたカーペット基材等の表皮材の裏面側に、軟質樹脂材料からなる裏打ち層が積層一体化された構成のものが知られているが、この構成では重くなる上に吸音効果が殆ど得られないことから、近年では前記表皮材の裏面側に不織布を貼り合わせた構成のものが用いられることが多くなっている。この構成では不織布を用いるので軽量化を図ることができるし、騒音等の音は不織布層を通過する際に吸音されるので吸音効果のあるマットとなる。
しかしながら、上記のような表皮材の裏面側に単に不織布を貼り合わせた構成では、マットとして遮水性がなく、例えば降雨時等において濡れた靴や傘などを介してフロアーマットの表面に水が付着すると、この水はフロアーマットを通過してその裏面側に到達して、フロアーを構成する金属板に錆を生じさせることが懸念されるし、また予め自動車のフロアーにカーペットが貼り付け施工されている場合には該カーペットの構成繊維を腐食させてしまうことも懸念される。
そこで、前記マットにさらに遮水機能を付与するべく、例えば表皮材と不織布吸音層の間に遮水シートを介装一体化させる構成も考えられるが、このような構成では遮水シートによって通気性がなくなるので、自動車のフロアー側から車内に侵入してくる騒音は下側の不織布層において吸音できるものの、エンジンルーム、ドア等から車室内に入り込んだ騒音は、マットの遮水シートによって車室内にはね返されてしまって吸音されることなく車室内で反響して騒音レベルを上げてしまうという問題を生じる。即ち、優れた吸音性能を確保する観点からすると、上側での騒音(車室内に入り込んだ騒音)も吸音層に到達する必要があり、そのためにはマットが通気性を備えたものであることが要求される一方、マットとして遮水性を確実に備えたものとするには遮水シートを介装する等して水の通過を阻止することが要求されるというように相反するような性質(通気性、遮水性)を兼備させなければならないことから、従来では、自動車用フロアーマット等のマットにおいて優れた吸音性と遮水性を両立することはできなかったのが実状である。
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、優れた吸音性を有すると共に、十分な遮水性を確保できる吸音遮水マットを提供することを目的とする。
この発明の他の目的は、以下に示すこの発明の実施形態により明らかにされるであろう。
発明の開示
上記目的を達成するために、本発明者は鋭意研究の結果、多数の気泡が中に形成された高分子フィルム層を、表皮材層と吸音層の間に介装することにより、優れた吸音性と遮水性の両立が可能となることを見出すに至り、この発明を完成したものである。
即ち、この発明に係る吸音遮水マットは、高分子フィルムからなる遮水層の上面に表皮材層が接合され、前記遮水層の下面に吸音層が接合されてなり、前記高分子フィルムの中に多数の気泡が形成されていることを特徴とする。
また、この発明の別の吸音遮水マットは、高分子フィルムからなる遮水層の上面に、熱可塑性樹脂パウダーの加熱溶融により形成された通気性接着層を介して表皮材層が接合される一方、前記遮水層の下面に、熱可塑性樹脂パウダーの加熱溶融により形成された通気性接着層を介して吸音層が接合されてなり、前記高分子フィルムの中に多数の気泡が形成されていることを特徴とする。
上記いずれの発明も、高分子フィルムからなる遮水層が設けられているので、マット表面から入った水は、遮水層に遮られてマットの裏面側に達することがない。また、マットの下側からの騒音は下側の吸音層で吸音されるのは言うまでもないが、本発明では前記遮水のための高分子フィルムの中に多数の気泡が形成されているので、この高分子フィルムの片面側から他方の面に音が十分に伝搬するものとなり、従ってマットの上側の騒音(例えばドア等から車室内に入り込んだ騒音等)は、表皮材、高分子フィルムを介して下の吸音層に到達して、この吸音層において吸音されるので、このマットが敷設された空間内(例えば車室内)において十分な静粛性が確保されるものとなる。このように、本発明では多数の気泡が中に形成された高分子フィルム層により、通音性と遮水性を兼備した層の形成が可能となった点が特に技術的に重要であり、これによりマットにおいて優れた吸音性と遮水性の両立が可能となったものである。前述したように、従来は音を通すためには通気性があることが必要と考えられていたのであるが、これに対して本発明では多数の気泡が中に形成された高分子フィルム層を用いることで、通気性がなくても十分な通音性が得られる層の形成が可能となった点が特に重要である。
また、前記後者の発明では、表皮材層と遮水層、及び遮水層と吸音層が、それぞれ熱可塑性樹脂パウダーの加熱溶融により形成された通気性接着層を介して接合されているので、該接着層として良好な通気性を具備させつつ、十分な接合強度を確保することができ、より耐久性に優れた吸音遮水マットを提供できる。また、この通気性接着層において空気層が形成され、該空気層により吸音効果が発揮されるので、マットとしての吸音性がより向上する。
この発明において、遮水層を構成する高分子フィルムの厚さは30〜120μmに設定するのが好ましい。これにより、遮水性を確実に確保しつつ吸音性をより向上できる。
また、遮水層を構成する高分子フィルムの硬度は75〜100であるのが好ましい。硬度をこのような範囲に設定すれば、フィルムの通音性が一層向上するので、マットとしての吸音性能をより一層向上できる。
また、高分子フィルムの見かけ体積に対する気泡の占有体積の割合は50〜90%であるのが好ましい。気泡の占有体積割合をこのような範囲に設定すれば、遮水性を確実に確保しつつ吸音性をさらに向上できる。
この発明において、気泡の形成方法としては特に限定されないものの、該気泡は熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張により形成されるのが好ましい。熱膨張性マイクロカプセルは外殻を有しており、従ってこのマイクロカプセルの熱膨張により形成された気泡は、それぞれ相互に独立したものとなる(気泡同士が連通しない)と共に、フィルム表面にピンホールが生じることも防止できるので、遮水層を構成する高分子フィルムとして十分な強度を具備させることができる。また、マイクロカプセルの熱膨張により形成された気泡は、それぞれ相互に独立したものとなるので、得られる気泡の大きさ(外径)を均一な大きさに制御することができ、これにより所望の通音性が確実に得られるので、高品質の吸音遮水マットを構成できる。
遮水層を構成する高分子フィルムはポリオレフィン系フィルムであるのが好ましく、この場合には低コスト化を図ることができるし、使用後においてリサイクル利用し易くなる利点がある。
また、吸音層は不織布からなるのが好ましい。これにより、マットの軽量化を図ることができるし、マットとしてのクッション性も向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施形態に係る吸音遮水マットを示す断面図である。
第2A図、第2B図はいずれも高分子フィルムの模式的断面図である。
第3図は、製造方法を概略的に示す側面図であって、第3A図が第1工程で、第3B図が第2工程である。
第4図は、この発明の吸音遮水マットの吸音特性の一例を、従来の吸音マットのそれと対比して示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態
この発明の一実施形態に係る吸音遮水マット(1)を第1図に示す。この遮水マット(1)は、高分子フィルムからなる遮水層(2)の上面に通気性接着層(5)を介して表皮材層(3)が接合され、前記遮水層(2)の下面に通気性接着層(6)を介して吸音層(4)が接合されてなり、前記高分子フィルム(2)の中に多数の気泡(10)が形成されたものである(第2図参照)。前記通気性接着層(5)(6)は、いずれも熱可塑性樹脂パウダーを加熱溶融することにより形成されたものである。
上記マット(1)では、高分子フィルムからなる遮水層(2)が設けられているので、マットとして十分な遮水性が得られ、水がマット表面からその裏面側に達することがなく、例えば自動車のフロアーを構成する金属板における錆の発生を防止できるし、下側に貼り付け施工されたカーペット等の繊維布帛の腐食も防止できる。
また、マット(1)の下側からの騒音は下側に配置された吸音層(4)において吸音される。更に、高分子フィルム(2)の中に多数の気泡が形成されているので、この高分子フィルム(2)の片面側から他方の面にかけて音が十分に伝搬するものとなり、マット(1)の上側の騒音(例えばドア、窓、ボディー等から車室内に入り込んだ騒音等)は、表皮材層(3)、高分子フィルムからなる遮水層(2)を介して下の吸音層(4)に到達して、この吸音層(4)において吸音されるから、このマット(1)が敷設された空間内(例えば車室内)において十分な静粛性が確保される。なお、中に多数の気泡(10)が形成された高分子フィルム(2)を介して音が伝搬するメカニズムは定かではないが、主に高分子フィルム(2)の気泡(10)部分を介して音が反対側に伝搬しているものと推定される(第2図参照)。即ち、フィルムの通気性によりフィルム(2)の通音性が得られているものではない。
また、第4図に示すように、横軸に周波数をとって縦軸に吸音率をプロットした吸音特性グラフにおいて、従来の吸音マットでは、右上がりの吸音曲線(図中、点線で示す)が1500〜2000Hzの領域から吸音率が上がらずに横這いに近い状態になっていたのであるが、これに対して本発明のマット(1)では多数の気泡が中に形成された高分子フィルム層(2)を中間層に用いているので、右上がりの吸音曲線(図中、実線で示す)が1500〜2000Hzの領域やこれより高い周波数領域でも右上がりになっており、このように本発明のマット(1)は、幅広い周波数領域において優れた吸音性を発揮できるという利点を有する。
更に、表皮材層(3)と遮水層(2)を接合する通気性接着層(5)、及び遮水層(2)と吸音層(4)を接合する通気性接着層(6)のいずれもが、熱可塑性樹脂パウダーの加熱溶融により形成されたものであるから、良好な通気性を備えた接着層(5)(6)が形成されて音の通過を妨げない接着層を形成できると共に、十分な接着強度も確保できてマット(1)としての耐久性をより向上できる利点がある。更に、この通気性接着層(5)(6)の中に空気層部分が存在する形態となるから、該空気層によって吸音効果が増大される利点もある。
なお、上記実施形態では、通気性接着層(5)を介して表皮材層(3)と遮水層(2)とを接合するものとしているが、表皮材層(3)と遮水層(2)とが直接に積層一体化された構成を採用しても良い。同様に、遮水層(2)と吸音層(4)とが直接に積層一体化された構成を採用しても良い。
また、高分子フィルム(2)の断面形態は、例えば第2A図に示すように気泡(10)の径がフィルム(2)の厚さ(T)よりも小さくてフィルム表面が平滑面である形態であっても良いし、或いは第2B図に示すように気泡(10)の径がフィルム(2)の厚さ(T)よりも大きくて気泡(10)による膨らみ部分がフィルム(2)表面より突出した形態であっても良い。
この発明において、遮水層(2)を構成する高分子フィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、EVA(エチレン−酢酸ビニル樹脂)、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。この熱可塑性樹脂フィルムの中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルムを用いるのが好ましく、これによりコストを低減できるし、使用後においてリサイクル利用が容易になる。前記ポリエチレンとしては、例えば低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレン等を例示できる。
前記遮水層(2)を構成する高分子フィルムの厚さ(T)は30〜120μmとするのが好ましい。30μm未満ではフィルム強度が低下して遮水性を確実に維持するのが難しくなるので好ましくないし、一方120μmを超えると遮水層(2)の通音性が低下して吸音マット(1)としての吸音性能が低下するので好ましくない。
前記遮水層(2)を構成する高分子フィルムの硬度は75〜100であるのが好ましい。75未満では成形時や使用時に破れが生じやすくなるので好ましくないし、一方100を超えると遮水層(2)の通音性が低下して吸音マット(1)としての吸音性能が低下するので好ましくない。中でも、遮水層(2)を構成する高分子フィルムの硬度は80〜95であるのがより好ましい。なお、前記「硬度」とは、JIS K6253−1997の5.デュロメータ硬さ試験法により測定される硬度である。
前記高分子フィルム(2)の見かけ体積に対する気泡(10)の占有体積の割合は50〜90%に設定されるのが好ましい。50%未満ではフィルム(2)の通音性が十分に得られなくなってマット(1)の吸音性能が低下するので好ましくない。一方90%を超えると高分子フィルム(2)の強度が低下して遮水性を確実に維持するのが難しくなるので好ましくない。中でも、高分子フィルム(2)の見かけ体積に対する気泡(10)の占有体積の割合は65〜80%に設定されるのがより好ましい。
この発明において、前記高分子フィルム(2)の中に形成される気泡(10)の形成手法は、特に限定されないが、熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張により形成されるのが好ましい。熱膨張性マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂からなる外殻体(11)の中に揮発性液体が封入されたものであり、この外殻体(11)は、加熱により軟化してその内部に封入された揮発性液体の気化膨張に伴って膨張する。このようなマイクロカプセルの熱膨張により形成された気泡(10)は、第2図に示すように、その周囲を外殻体(11)に包まれているので、これら多数の気泡(10)…は、それぞれ相互に独立したものとなる(気泡同士が連通しない)と共に、フィルム表面に気泡に起因したピンホールが生じることも防止できるので、遮水層(2)を構成する高分子フィルムとして十分な強度を具備させることができ、ひいては遮水耐久性に優れた吸音遮水マット(1)を提供できる。また、マイクロカプセルの熱膨張により形成された気泡(10)は、それぞれ相互に独立したものとなるので、即ち相互に連通するようなことがないから、得られる気泡(10)の大きさ(外径)を厳密に制御することができて、高分子フィルム(2)内に均一な大きさの気泡(10)を形成できるので、所望の通音性を確実に得ることができ、高品質の吸音遮水マット(1)を構成できる。
前記熱膨張性マイクロカプセルの外殻体(11)を構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば塩化ビニリデン、アクリロニトリルコポリマー等が挙げられる。
また、前記熱膨張性マイクロカプセルの外殻体(11)の中に封入される揮発性液体としては、常温では液体であってフィルム成形の際の加熱により気化するものであればどのようなものでも使用でき、特に限定されるものではないが、例えばイソブタン、イソペンタン、n−ブタン、n−ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン等の炭化水素等が挙げられる。
前記熱膨張性マイクロカプセルの市販品としては、例えばエクスパンセル(商品名:日本フィライト株式会社製)を例示できる。
しかして、熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張により多数の気泡(10)…が中に形成された高分子フィルム(2)は、例えば次のようにして製造できる。即ち、フィルム(2)形成用のポリエチレン等の樹脂に熱膨張性マイクロカプセルを配合し、これをTダイ法やインフレーション法によりフィルム状に押出成形する。押出成形時の加熱によりマイクロカプセルが膨張して高分子フィルム(2)の中に気泡(10)…が形成される。
この発明において、表皮材層(3)としては、特に限定されるものではないが、例えば基布の上にパイルが植設されたものや、ニードルパンチ不織布等を例示できる。前者の構成の場合には、基布の裏面にパイル抜け防止用のラテックスが塗布されていても良い。この表皮材層(3)を構成する繊維の種類も特に限定されず、例えばポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等が挙げられる。
また、吸音層(4)としては、特に限定されるものではないが、例えばニードルパンチ不織布、スパンボンド不織布等の不織布を用いるのが、軽量性を確保しつつ十分な吸音性能が得られる点で、好ましい。この不織布を構成する繊維の種類も特に限定されず、例えばポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等が挙げられる。なお、十分な吸音性能を確保する観点から、不織布の厚さは3〜30mmとし、かつ不織布の目付を200〜1000g/m2に設定するのが、好ましい。
この発明において、前記通気性接着層(5)(6)の形成に用いられる熱可塑性樹脂パウダーの樹脂の種類は熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。中でも、ポリオレフィン系樹脂パウダーを用いるのが好ましく、これによりリサイクル性を向上できる。特に好適なのは、EVA樹脂パウダーであり、この場合には接着強度をさらに向上できる利点がある。
前記熱可塑性樹脂パウダーは、粒径が20〜500μmのものを用いるのが好ましい。500μmを超えると通気性接着層(5)(6)として良好な通気性が得られ難くなるので好ましくない。また、20μm未満ではここまで微小化するのに要するコストが高いものとなるし、製造時においてパウダーが舞いやすくなって製造作業性が低下するので好ましくない。
この発明の吸音遮水マット(1)は、例えば次のようにして製造できる。まず、第3A図に示すように、不織布(4)をその接合面を上にして一定速度で搬送しつつ、この不織布(4)の上に散布装置(20)から熱可塑性樹脂パウダーの一定量を連続的に散布した後、該熱可塑性樹脂パウダーを加熱装置(21)を用いて加熱溶融させ、次いでこの上に多数の気泡が中に形成された高分子フィルム(2)を重ね合わせて加熱ロール(22)(22)でこれらを圧接せしめることによって、不織布からなる吸音層(4)と高分子フィルムからなる遮音層(2)とが通気性接着層(6)を介して接合されてなる半製品シート(30)を連続工程で製造する。なお、この半製品シート(30)は、巻物状態に巻き取られて次の第2工程で材料として使用される。
次に、第3B図に示すように、表皮材(3)をその接合面を上にして一定速度で搬送しつつ、この表皮材(3)の上に散布装置(20)から熱可塑性樹脂パウダーの一定量を連続的に散布した後、該熱可塑性樹脂パウダーを加熱装置(21)を用いて加熱溶融させ、次いでこの上に前記半製品シート(30)を、高分子フィルムからなる遮音層(2)が中間層となるように重ね合わせ、加熱ロール(22)(22)で圧接せしめることによってこれらを接合して、第1図に示す積層構成の吸音遮水マット(1)を製造する。
なお、この発明の吸音遮水マット(1)は、上記製造方法で製造されるものに特に限定されるものではない。
この発明の吸音遮水マット(1)は、自動車用フロアーマットとして好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
<材料>
表皮材A:タフテッドカーペット(ポリエステル繊維の織布にナイロン繊維によるパイル糸をタフトしたもの)
熱可塑性樹脂パウダーA:EVAパウダー(酢酸ビニル含有率28重量%、メルトフローレイト値400、融点80℃)
不織布A(吸音層):ニードルパンチ不織布(ポリエステル繊維、厚さ6mm、目付400g/m2)
高分子フィルムA(遮水層):フィルム厚さ60μm、フィルム硬度90、気泡の占有体積割合75%、フィルム構成樹脂は低密度ポリエチレン(LLDPE)、気泡形成のための熱膨張性マイクロカプセルとして「エクスパンセル092R」(揮発性液体:イソブタン、外殻体:アクリロニトリル−メタクリロニトリル共重合体)を用いたものであり、断面形態は第2B図の形態であった。
実施例1
第3A図に示すように、上記不織布A(4)を一定速度で搬送しつつ、この不織布A(4)の上に散布装置(20)から上記熱可塑性樹脂パウダーAを散布量50g/m2で散布し、該パウダーAを加熱装置(21)により加熱溶融させた後、上記高分子フィルムA(2)を重ね合わせて加熱ロール(22)(22)でこれらを圧接せしめて、半製品シート(30)を得た(第1工程)。
次に、第3B図に示すように、上記表皮材A(3)をその接合面を上にして一定速度で搬送しつつ、この表皮材A(3)の上に散布装置(20)から熱可塑性樹脂パウダーAを散布量200g/m2で散布し、該パウダーAを加熱装置(21)により加熱溶融させた後、この上に第1工程で製造した半製品シート(30)を、高分子フィルムからなる遮音層(2)が中間層となるように重ね合わせ、これらを加熱ロール(22)(22)で圧接せしめることによって、吸音遮水マット(1)を得た。
実施例2〜13
高分子フィルムとして、厚さ、硬度及び気泡の占有体積割合が表1に示される値に設定されたものを用いた以外は、実施例1と同様にして吸音遮水マット(1)を得た。
実施例14
高分子フィルムを構成する樹脂の種類としてポリプロピレンを選択した以外は、実施例1と同様の高分子フィルム(厚さ、硬度、気泡の占有体積割合、熱膨張性マイクロカプセル等の条件が同じ)を用いて実施例1と同様にして吸音遮水マット(1)を得た。
実施例15
高分子フィルムを構成する樹脂の種類としてポリエステルを選択した以外は、実施例1と同様の高分子フィルム(厚さ、硬度、気泡の占有体積割合、熱膨張性マイクロカプセル等の条件が同じ)を用いて実施例1と同様にして吸音遮水マット(1)を得た。
比較例1
高分子フィルムとして、気泡を含有しない(熱膨張性マイクロカプセルを含有しない)低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムを用いるものとした以外は、実施例1と同様にして吸音遮水マット(1)を得た。
比較例2
上記不織布Aと表皮材Aとを、熱可塑性樹脂パウダーAの加熱溶融により形成された通気性接着層(400g/m2)を介して積層一体化して吸音遮水マット(1)を得た。
【表1】
上記実施例1〜15、比較例1で用いた高分子フィルムの通音特性及びフィルム強度を下記評価法に基づいて調べた。その結果を表2に示す。
通音特性評価法
室内空間を完全に2分する防音仕切壁の中央に設けられた開口部(窓)に、これを隙間なく完全に塞ぐ状態に高分子フィルムを取り付け、一方の室で連続的に音を発生させてこの音をもう一方の室で聞き取った際の音の聞こえる程度(通音性)を調べた。高分子フィルムを介して聞こえる音を実際に耳で聞き取り、その通音性の良いものから順に「5」「4」「3」「2」「1」の5段階で評価した。即ち、通音性に特に優れていたものを「5」、通音性が非常に良かったものを「4」、通音性が良かったものを「3」、通音性がやや悪かったものを「2」、通音性が悪かったものを「1」とした。
フィルム強度評価法
2cm×10cmに切り出した高分子フィルムの両端を手で引っ張り、その時のフィルム強度の強いものから順に「5」「4」「3」「2」「1」の5段階で評価した。即ち、強度が特に強かったものを「5」、強度が非常に強かったものを「4」、強度が強かったものを「3」、強度がやや弱かったものを「2」、強度が弱かったものを「1」とした。
また、上記のようにして得られた各マットに対して下記評価法に基づいて性能評価を行った。その結果を表2に示す。
吸音特性評価法
JIS A1405(垂直入射吸音率)に準拠して吸音率を測定した。
遮水性評価法
マットを床面に敷設した後、このマットの表皮材層の上に50mLの水を垂らし、30分経過した後にマットを取り除いて床面を観察し、該床面が水で濡れていたものを「×」とし、床面が全く濡れずにかつマットの不織布吸音層も全く濡れていなかったものを「○」とした。
【表2】
表から明らかなように、この発明の実施例1〜15のマットは、吸音性に優れて静粛性を十分に確保できると共に、遮水層の強度も十分に得られて確実に遮水することができた。
これに対して、比較例1では、遮水性に優れるものの、吸音性に劣っており静粛性を確保することができなかった。また、比較例2では、吸音性に優れるものの、遮水することができなかった。
以上のように、この発明の吸音遮水マットは、高分子フィルムからなる遮水層が設けられているので、水がマット表面からその裏面側に達することがなく遮水性に優れている。また、マットの下側からの騒音は下側の吸音層によって吸音される一方、マットの上側の騒音は、中に多数の気泡が形成された高分子フィルム(遮水層)を介して下側の吸音層にまで十分に伝搬して、この吸音層で吸音されるので、マットが敷設された空間内において十分な静粛性を確保できる。更に、多数の気泡が中に形成された高分子フィルム層を中間層に用いているので、250〜2000Hzの領域やこれより高い周波数領域でも十分に吸音することができ、このように幅広い周波数領域において優れた吸音性を発揮できるという利点がある。
また、表皮材層と遮水層、及び遮水層と吸音層が、それぞれ熱可塑性樹脂パウダーの加熱溶融により形成された通気性接着層を介して接合されている場合には、通気性接着層として良好な通気性を備えさせつつ、より耐久性に優れた吸音遮水マットを提供できる。加えて、この接着層における空気層部分によって吸音効果が発揮されるので、マットとしての吸音性能を一層向上できる。
高分子フィルムの厚さが30〜120μmである場合には、遮水性を確実に確保しつつ吸音性をより向上させることができる。
高分子フィルムの硬度が75〜100である場合には、高分子フィルムの通音性が一層向上するので、マットとしての吸音性能をより一層向上できる。
高分子フィルムの見かけ体積に対する気泡の占有体積の割合が50〜90%である場合には、遮水性を確実に確保しつつ吸音性をより向上させることができる。
気泡が熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張により形成されたものである場合には、高分子フィルム内の多数の気泡が、それぞれ相互に独立したものとなるので、遮水層を構成する高分子フィルムとして十分な強度を具備させることができ、これにより遮水耐久性に優れた吸音遮水マットを提供できる。また、形成される気泡の大きさを均一に制御できるので、高分子フィルムとして所望の通音性が得られて、高品質の吸音遮水マットを提供できる。
高分子フィルムがポリオレフィン系フィルムである場合には、コストを低減できるし、リサイクル利用に供し易いものとなる。
吸音層が不織布からなる場合には、マットの軽量化を図ることができるし、マットとしてのクッション性も向上して良好な足踏み感が得られるものとなる。
ここで用いられた用語及び説明は、この発明に係る実施形態を説明するために用いられたものであって、この発明はこれに限定されるものではない。この発明は請求の範囲内であれば、その精神を逸脱するものでない限りいかなる設計的変更をも許容するものである。
産業上の利用可能性
以上のように、この発明に係る吸音遮水マットは、優れた吸音性能と十分な遮水性能を兼ね備えているので、自動車用フロアーマットとして好適に用いられる。
Claims (20)
- 高分子フィルムからなる遮水層(2)の上面に表皮材層(3)が接合され、前記遮水層(2)の下面に吸音層(4)が接合されてなり、前記高分子フィルムの中に多数の気泡が形成されていることを特徴とする吸音遮水マット。
- 前記遮水層を構成する高分子フィルムの厚さが30〜120μmである請求の範囲第1項記載の吸音遮水マット。
- 前記遮水層を構成する高分子フィルムの硬度が75〜100である請求の範囲第1項記載の吸音遮水マット。
- 前記高分子フィルムの見かけ体積に対する前記気泡の占有体積の割合が50〜90%である請求の範囲第1項記載の吸音遮水マット。
- 前記気泡が、熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張により形成されたものである請求の範囲第1項記載の吸音遮水マット。
- 前記遮水層を構成する高分子フィルムの厚さが30〜120μmであり、該高分子フィルムの硬度が75〜100であり、該高分子フィルムの見かけ体積に対する前記気泡の占有体積の割合が50〜90%であり、かつ前記気泡が熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張により形成されたものである請求の範囲第1項記載の吸音遮水マット。
- 高分子フィルムからなる遮水層(2)の上面に、熱可塑性樹脂パウダーの加熱溶融により形成された通気性接着層(5)を介して表皮材層(3)が接合される一方、前記遮水層(2)の下面に、熱可塑性樹脂パウダーの加熱溶融により形成された通気性接着層(6)を介して吸音層(4)が接合されてなり、前記高分子フィルムの中に多数の気泡(10)が形成されていることを特徴とする吸音遮水マット。
- 前記遮水層を構成する高分子フィルムの厚さが30〜120μmである請求の範囲第7項記載の吸音遮水マット。
- 前記遮水層を構成する高分子フィルムの硬度が75〜100である請求の範囲第7項記載の吸音遮水マット。
- 前記遮水層を構成する高分子フィルムの硬度が80〜95である請求の範囲第7項記載の吸音遮水マット。
- 前記高分子フィルムの見かけ体積に対する前記気泡の占有体積の割合が50〜90%である請求の範囲第7項記載の吸音遮水マット。
- 前記高分子フィルムの見かけ体積に対する前記気泡の占有体積の割合が65〜80%である請求の範囲第7項記載の吸音遮水マット。
- 前記気泡が、熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張により形成されたものである請求の範囲第7項記載の吸音遮水マット。
- 前記遮水層を構成する高分子フィルムの厚さが30〜120μmであり、該高分子フィルムの硬度が75〜100であり、該高分子フィルムの見かけ体積に対する前記気泡の占有体積の割合が50〜90%であり、かつ前記気泡が熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張により形成されたものである請求の範囲第7項記載の吸音遮水マット。
- 前記遮水層を構成する高分子フィルムがポリオレフィン系フィルムである請求の範囲第7項記載の吸音遮水マット。
- 前記吸音層が不織布からなる請求の範囲第7項記載の吸音遮水マット。
- 前記不織布の厚さが3〜30mmであり、該不織布の目付が200〜1000g/m2である請求の範囲第16項記載の吸音遮水マット。
- 前記熱可塑性樹脂パウダーの粒径が20〜500μmである請求の範囲第7項記載の吸音遮水マット。
- 前記熱可塑性樹脂パウダーがポリオレフィン系樹脂パウダーである請求の範囲第7項記載の吸音遮水マット。
- 前記熱可塑性樹脂パウダーが、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)である請求の範囲第7項記載の吸音遮水マット。
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